説明

コンテンツ情報提供システム

【課題】 客の回転率を悪化させることなく、店舗で再生されていたコンテンツのコンテンツ情報を客に知らせること。
【解決手段】 サーバは、店舗クライアントが再生していたコンテンツの識別情報と、再生日時とを管理する再生コンテンツ管理手段と、顧客が店舗で商品を購入した日時に関する購入日時情報を受信する購入日時情報受信手段と、購入日時情報受信手段が受信した日時に店舗で再生されていたコンテンツを再生コンテンツ管理手段の管理内容に基づいて特定するコンテンツ特定手段と、コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を前記顧客クライアントに送信するコンテンツ情報送信手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーショップやレストラン等の飲食店、あるいは、ショッピングセンターやデパート等の小売店等の店舗においては、客に対して快適な空間を提供するために、音楽コンテンツをBGMとして再生するようにしている。例えば、下記特許文献1〜3には、メニュー商品毎にBGMの情報を割当てておき、客が注文した商品に基づいて、その客の席周辺において再生されるBGMが決定されるシステムが記載されている。一方で、飲食店においては、客の回転率を高めることによって、利益率を上げることが要求される。客に適したBGMを再生することによって、客に対して快適な空間を提供することができるが、逆に回転率を低下させてしまうという懸念がある。
【0003】
また、現在、店内の無線LANアクセスポイントに客の所有する携帯電話がアクセスし、店内で再生されているBGMのコンテンツ情報(曲名、アーティスト名)を携帯電話に表示すると共に、当該曲を携帯電話にダウンロードすることができるサービスが提供されている。しかし、このサービスも、客が店内のBGMをダウンロードすることに集中しすぎてしまい、逆に回転率を低下させてしまうという懸念がある。
【0004】
また、下記特許文献4、5には、サーバクライアントシステムを利用した音楽再生システムにおいて、複数のクライントに対して同一曲を同時に再生させる技術が記載されている。しかし、特許文献4、5には、飲食店の音楽情報提供サービスに関しては何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−98950号公報
【特許文献2】特開2002−320296号公報
【特許文献3】特開2007−164559号公報
【特許文献4】特開2001−184292号公報
【特許文献5】特開2005−148565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、客の回転率を悪化させることなく、店舗で再生されていたコンテンツのコンテンツ情報を客に知らせることができるコンテンツ情報提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ情報提供システムは、サーバと、前記サーバに接続可能な顧客クライアントとを備え、前記サーバが、店舗に設置されている店舗クライアントが再生していたコンテンツの識別情報と、再生日時とを管理する再生コンテンツ管理手段と、顧客が前記店舗で商品を購入した日時(又は来店した日時、以下同様。)に関する購入日時情報を受信する購入日時情報受信手段と、前記購入日時情報受信手段が受信した日時に前記店舗で再生されていたコンテンツを前記再生コンテンツ管理手段の管理内容に基づいて特定するコンテンツ特定手段と、前記コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を前記顧客クライアントに送信するコンテンツ情報送信手段とを有し、前記顧客クライアントが、前記サーバから、前記コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と、受信されたコンテンツ情報を表示装置に表示させる表示手段とを有する。
【0008】
例えば顧客クライアントが家に設置されている場合、客は、家に帰ってから商品を購入した日時に店舗で再生されていたコンテンツのコンテンツ情報を知ることができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記サーバに接続可能な店舗端末をさらに備え、前記店舗端末が、顧客が前記店舗で商品を購入する際に、前記購入日時情報を顧客が所有する記憶媒体に記録させる購入日時情報記録手段を有し、前記顧客クライアントが、顧客が所有する記憶媒体から前記購入日時情報を取得する購入日時情報取得手段と、取得した前記購入日時情報を前記サーバに送信する購入日情報送信手段とをさらに有する。
【0010】
この場合、店舗端末がサーバに顧客情報と購入日時情報とを送信する必要がないので、システムを簡易化することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記顧客クライアントが、前記表示手段によって表示装置に表示されているコンテンツ情報の中から、ユーザ操作に応じてコンテンツを選択する選択手段と、選択されたコンテンツの送信を前記サーバに要求するコンテンツ要求手段と、前記サーバから送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段とをさらに有し、前記サーバが、前記顧客クライアントからの送信要求に応じて、選択されたコンテンツを前記顧客クライアントに送信するコンテンツ送信手段をさらに有する。
【0012】
この場合、例えば顧客クライアントが家に設置されている場合、客は、家に帰ってから商品を購入した日時に店舗で再生されていたコンテンツを顧客クライアントを使用して再生することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記サーバに接続可能な前記店舗クライアントをさらに備え、前記店舗クライアントが、前記サーバからコンテンツ受信して、再生するコンテンツ再生手段を有し、前記再生コンテンツ管理手段が、前記店舗クライアントに送信したコンテンツの情報とその送信日時とに基づいて、店舗クライアントが再生していたコンテンツの識別情報と再生日時とを管理する。
【0014】
この場合、店舗クライアントは、自身が再生したコンテンツのコンテンツ情報とその再生日時とを管理し、サーバに送信する必要が無く、システムを簡易化することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記コンテンツ特定手段が、前記購入日時情報受信手段が受信した日時に前記店舗で再生されていたコンテンツに加えて、そのコンテンツの直前又は直後に再生されていたコンテンツを前記再生コンテンツ管理手段の管理内容に基づいてさらに特定する。
【0016】
この場合、商品を購入した日時に店舗で再生されていたコンテンツのコンテンツ情報に加えて、その日時の直前又は直後に店舗で再生されていたコンテンツのコンテンツ情報も知ることができる。
【発明の効果】
【0017】
客の回転率を悪化させることなく、店舗で再生されていたコンテンツのコンテンツ情報を客に知らせることができるコンテンツ情報提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ情報提供システムを示すブロック図である。
【図2】曲リストを示す図である。
【図3】再生曲管理テーブルを示す図である。
【図4】サーバが受信する購入日時情報を示す図である。
【図5】コンテンツ情報提供システムの処理を示すフローチャートである。
【図6】コンテンツ情報提供システムの処理を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツ情報提供システムの処理を示すフローチャートである。
【図8】コンテンツ情報提供システムの処理を示すフローチャートである。
【図9】コンテンツ情報提供システムの処理を示すフローチャートである。
【図10】顧客クライアントが表示させるコンテンツ情報リストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態によるコンテンツ情報提供システムを示すブロック図である。コンテンツは、オーディオ(音楽、曲)データ、ビデオデータ、ピクチャデータの総称であるが、本例では、オーディオデータである。
【0020】
コンテンツ情報提供システムは、サーバ10と、1又は複数の店舗クライアント20と、1又は複数の店舗端末25と、1又は複数の顧客クライアント30とを備える。サーバ10は、各店舗を経営する事業者またはその代行者によって管理、運営される。店舗クライアント20と店舗端末25とは各店舗に設置される。顧客クライアント30は、客の宅内に設置されるPC等の装置、又は、客が所持する携帯電話等である。これらは、インターネット等の任意の電気通信回線(ネットワーク)を介して接続可能である。
【0021】
サーバ10は、店舗に設置されている店舗クライアント20が過去に再生していた曲の識別情報と、再生日時とを管理する。サーバ10は、顧客が店舗で商品を購入した日時(又は来店した日時でもよい。以下同様。)に関する購入日時情報を顧客クライアント30(又は、店舗端末25)から受信する。サーバ10は、受信した購入日時に店舗クライアント20が再生していた曲を特定する。サーバ10は、特定された曲のコンテンツ情報を顧客クライアント30に送信する。顧客クライアント30は、サーバ10から、特定された曲のコンテンツ情報を受信し、受信されたコンテンツ情報を表示装置に表示させる。
【0022】
店舗端末25は、レジに相当するものであり、客が店舗で商品を購入する際に、購入日時情報を顧客が所有する記憶媒体(例えば、ICカードであり、ICカードは商品を入れる容器に内蔵されていてもよい。)に記録させる。顧客クライアン30は、顧客が所有するICカードから購入日時情報を取得し、取得した購入日時情報をサーバに送信する。なお、店舗端末25は、購入日時情報をICカードに記録させる代わりに、サーバ10に顧客情報と共に、購入日時情報を送信してもよい。
【0023】
顧客クライアント30は、表示装置に表示されているコンテンツ情報の中から、ユーザ操作に応じて曲が選択されると、選択された曲の送信をサーバ10に要求する。サーバ10は、顧客クライアントからの送信要求に応じて、選択された曲を顧客クライアント30に送信する。顧客クライアント30は、サーバ10から送信されたコンテンツを受信して、再生することができる。
【0024】
店舗クライアント20は、サーバ10から曲データを受信して、BGMとして再生する。サーバ10は、店舗クライアント20に送信した曲データの情報とその送信日時とに基づいて、店舗クライアントが20再生していた曲の識別情報と再生日時とを管理する。
【0025】
以下、図面を参照して、詳細に説明する。サーバ10は、HDD等の任意の記憶媒体11と、制御部12と、ROM、RAM等のメモリ13と、通信部14とを概略備える。
【0026】
HDD11には、店舗クライアント20、および、顧客クライアント30に送信するためのオーディオファイル(以下、曲データという。)が蓄積されている。また、HDD11には、HDD11に格納されている曲の情報の一覧である曲リストが保存されている。曲リストの一例を図2に示す。曲リストは、曲識別情報に対応付けて、曲名とアーティスト名とを含む。
【0027】
HDD11には、図3に示す再生曲管理テーブルが格納されている。再生曲管理テーブルは、店舗クライアント20毎に過去に再生した曲のコンテンツ情報及び再生日時を管理するためのテーブルである。再生曲管理テーブルは、店舗識別情報と、店舗名とに対応付けて、再生日時と、再生曲識別情報と、曲名と、アーティスト名とが登録される。店舗識別情報は、店舗クライアント20が設置されている店舗の識別情報であり、店舗クライアント20の識別情報又は店舗端末25の識別情報と同じでもよい。
【0028】
図1に戻って、制御部12は、メモリ13に格納されているプログラムに基づいて、サーバ10の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部12は、サーバ10が店舗クライアント20に送信した曲データの情報に基づいて、再生曲管理テーブルの登録内容を更新する。また、制御部12は、顧客クライアント30から送信された店舗識別情報と、購入日時とに基づいて、再生曲管理テーブルから曲を特定し、曲リストを生成し、顧客クライアント30に送信する。
【0029】
通信部14は、店舗クライアント20の通信部23、店舗端末25の通信部28、および、顧客クライアント30の通信部33とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。
【0030】
店舗クライアント20は、制御部21と、ROM、RAM等のメモリ22と、通信部23と、再生部24とを概略備える。
【0031】
制御部21は、メモリ22に格納されているプログラムに基づいて、店舗クライアント20の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部21は、サーバ10に曲リストや曲データの送信を要求する。通信部23は、サーバ10の通信部14とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。再生部24は、サーバ10から受信した曲データを再生し、図示しないスピーカーから音声をBGMとして出力する。
【0032】
店舗端末25は、制御部26と、ROM、RAM等のメモリ27と、通信部28と、ICカード処理部29とを概略備える。
【0033】
制御部26は、メモリ27に格納されているプログラムに基づいて、店舗端末25の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。通信部28は、サーバ10の通信部14とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。ICカード処理部29は、客が商品を購入する際に、店舗識別情報と購入日時とをICカードに記録する。
【0034】
顧客クライアント30は、制御部31と、ROM、RAM等のメモリ32と、通信部33と、再生部34、ICカード処理部35とを概略備える。
【0035】
制御部31は、メモリ32に格納されているプログラムに基づいて、顧客クライアント30の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。ICカード処理部35は、ICカードから、店舗識別情報と購入日時とを読み出す。制御部31は、図4に示すように店舗識別情報と購入日時とをサーバ10に送信し、サーバ10から曲リストを受信し、図示しない表示部に表示させる。通信部33は、サーバ10の通信部14とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。再生部34は、サーバ10から受信した曲データを再生し、図示しないスピーカーから音声を出力する。
【0036】
以上の構成を有するコンテンツ情報提供システムについてその動作を説明する。図5は、客が店舗で商品を購入する際の店舗端末25の処理を示すフローチャートである。客が店舗20で商品を購入するため店員によって商品購入情報が入力される際(S101でYES)、店員がICカードをICカード処理部29に接触または近接させることによって、ICカード処理部29は、ICカードと通信し、店舗識別情報と購入日時とをICカードに記録させる(S102)。
【0037】
図6は、店舗クライアント20で曲データを再生する際の処理を示すフローチャートである。図7は、図6に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。店舗クライアント20の制御部21は、インターネット経由でサーバ10に接続し、メモリ13に予め格納されている店舗識別情報をサーバ10に送信する(S111)。サーバ10の制御部12は、店舗クライアント20から店舗識別情報を受信し、メモリ13に一時的に保存する(S211)。
【0038】
店舗クライアント20の制御部21は、店員による図示しない入力部の操作に応じて、曲リスト取得指示が入力されたか否かを判断している(S112)。入力された場合(S112でYES)、制御部21は、曲リストを送信するようにサーバ10に要求する(S113)。サーバ10の制御部12は、店舗クライアント20から曲リストの送信要求を受信したか否かを判断している(S212)。受信した場合(S212でYES)、制御部12は曲リストをHDD11から取得して、店舗クライアント20の制御部21に送信する(S213)。
【0039】
店舗クライアント20の制御部21は、曲リストを受信してメモリ22に一時的に保存し、図示しない表示部に曲リストを表示する(S114)。制御部21は、店員による図示しない入力部の操作に応じて、曲リストから曲が選択され、再生指示が入力されたか否かを判断している(S115)。入力された場合(S115でYES)、制御部21は、曲データの送信をサーバ10に要求する(S116)。この要求には、選択された曲の識別情報が含まれている。
【0040】
サーバ10の制御部12は、店舗クライアント20から曲データの送信要求を受信したか否かを判断している(S214)。受信した場合(S214でYES)、制御部12は選択された曲データをHDD11から取得して、店舗クライアント20に送信開始する(S215)。店舗クライアント20の制御部21は、曲データをサーバ10から受信すると、再生部24にBGMとして店内にて曲データを再生させる(S117)。
【0041】
サーバ10の制御部12は、再生曲管理テーブルに、店舗識別情報および店舗名に対応付けて、送信開始した曲データの識別情報と、曲名と、アーティスト名と、再生日時とを登録する(S216)。再生日時には、再生開始日時と再生終了日時とが必要である。曲データを店舗クライアントに送信開始した時刻が再生開始日時として登録され、曲データを店舗クライアント20に送信終了した日時が再生終了日として登録される。曲名とアーティスト名とは曲リストから取得して登録することができる。
【0042】
サーバ10の制御部12は、店舗クライアント20に送信する曲が次の曲に変更されるか否かを判断している(S217)。つまり、店舗クライアント20から曲の指定がない限り、サーバ10は、曲リストの順に従って曲データを連続的に店舗クライアント20に送信し続ける。従って、曲リストに基づいて再生曲が変更される場合(S217でYES)、処理はS215に戻って、制御部12は、次の曲を店舗クライアント20に送信開始し、再生曲管理テーブルに、店舗識別情報および店舗名に対応付けて、送信開始した曲データの識別情報と、曲名と、アーティスト名と、再生日時(再生開始日時)とを登録する(S216)。このときに、上記の通り、送信終了した曲について再生終了日時が登録される。
【0043】
店舗クライアント20の制御部21は、店員による図示しない入力部の操作に応じて、曲リストから曲が選択され、再生曲を変更する指示が入力されたか否かを判断している(S118)。入力された場合(S118でYES)、制御部21は、曲データを要求する指示をサーバ10に送信する(S116)。この要求には、変更後の曲の識別情報が含まれている。
【0044】
先ほどと同様に、サーバ10の制御部12は、店舗クライアント20から曲データの送信要求を受信したか否かを判断している(S214)。受信した場合(S214でYES)、制御部12は選択された曲データをHDD11から取得して、店舗クライアント20に送信開始する(S215)。店舗クライアント20の制御部21は、曲データをサーバ10から受信すると、再生部24にBGMとして店内にて曲データを再生させる(S117)。
【0045】
以上のように、サーバ10は、店舗クライアント20毎に再生していた曲とその再生日時とを管理することができる。なお、店舗クライアント20が自身が所有する曲データやCDの曲データを再生する場合には、再生した曲の識別情報と再生日時とを管理しておき、サーバ10に送信するとよい。
【0046】
図8は、顧客クライアント30の処理を示すフローチャートである。図9は、図8に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。
【0047】
客が顧客クライアント30のICカード処理部35にICカードを接触又は近接させることによって、ICカード処理部35はICカードと通信し、ICカードから図4に示すような、店舗識別情報と購入日時の情報とを読み出して、制御部31に受け渡す(S121)。
【0048】
顧客クライアント30の制御部31は、インターネット経由でサーバ10に接続し、店舗識別情報と購入日時の情報とをサーバ10に送信する(S122)。サーバ10の制御部12は、顧客クライアント30と接続し、顧客クライアント30から店舗識別情報と購入日時の情報とを受信して、メモリ13に一時的に保存する(S221でYES)。制御部12は、店舗識別情報と購入日時の情報とに基づいて、客が店舗で商品を購入した時刻に再生されていた曲を特定する(S222)。そして、制御部12は、特定した曲のコンテンツ情報の一覧である曲リストを生成し、曲リスト画面を生成し、顧客クライアント30に送信する(S223)。
【0049】
例えば、図4に示すような店舗識別情報及び購入日時を顧客クライアント30から受信し、図3に示すような再生曲管理テーブルが登録されている場合、図10に示すような曲リスト画面が生成される。図4を参照すると、1つ目の登録内容は、店舗識別情報AAA、購入日時が2010年8月10日10時7分12秒であるので、再生曲管理テーブルから、曲名が曲2、アーティスト名がアーティスト2の曲が特定される。2つ目の登録内容は、店舗識別情報AAA、購入日時が2010年8月20日12時21分30秒であるので、再生曲管理テーブルから、曲名が曲5、アーティスト名がアーティスト5の曲が特定される。3つ目の登録内容は、店舗識別情報BBB、購入日時が2010年8月21日15時40分25秒であるので、再生曲管理テーブルから、曲名が曲41、アーティスト名がアーティスト41の曲が特定される。
【0050】
なお、客が商品を購入した日時に店舗で再生された曲に加えて、その曲の直前、及び/又は、直後に店舗で再生されていた1又は複数の曲がさらに特定され、顧客クライアント30に送信される曲リストに含められてもよい。つまり、図3の再生曲管理テーブルにおいて、客が商品を購入した日時に店舗で再生された曲とのその1つ前及び/又は1つ後の曲が特定されるとよい。
【0051】
顧客クライアント30の制御部31は、曲リスト画面を受信し、図示しない表示装置に表示させる(S123)。従って、客は顧客クライアントを使用して、店舗で商品を購入した日時に店舗で再生されていた曲のコンテンツ情報を、家に帰ってから知ることができる。制御部31は、客の操作によって、曲リスト画面の中から曲が選択されて、再生指示が入力されたか否かを判断している(S124)。再生指示が入力された場合(S124でYES)、制御部31は、選択された曲の曲名およびアーティスト名(および/または、曲識別情報)をサーバ10に送信し、曲データの送信要求を送信する(S125)。
【0052】
サーバ10の制御部12は、顧客クライアント30から、曲名およびアーティスト名(および/または、曲識別情報)を含む再生指示を受信したか否かを判断している(S224)。受信した場合(S224でYES)、制御部12は、選択された曲データをHDD11から読み出して、顧客クライアント30に送信する(S225)。顧客クライアント30の制御部31は、サーバ10から曲データを受信して、再生部34に再生させる(S126)。
【0053】
以上のように、客は、店舗で商品を購入した日時に店舗で再生されていた曲を、家に帰ってから顧客クライアントを使用して、選択し、再生することがきる。なお、顧客クライアント30は、サーバ10からストリーミング形式で曲データを取得して再生するだけでなく、ダウンロード形式で曲データをサーバ10から取得し、顧客クライアント30の図示しない記憶媒体に記録し、任意の日時に再生可能でもよい。また、商品を購入した際に顧客に対して付与されるポイント数に応じて、店舗で商品を購入した日時に店舗で再生されていた曲を購入可能であってもよい。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。顧客クライアントは、家庭内に設置されるクライアントに限定されず、ポータブルオーディオ機器や携帯電話等の可搬型のものでもよく、公共施設に設置され顧客識別情報を入力可能な公共クライアントであってもよい。コンテンツを蓄積するコンテンツサーバと、各テーブルを管理する管理サーバとが別個に設けられてもよい。また、店舗クライアント及び店舗端末がそれぞれ1つしか存在しない場合には、店舗識別情報をサーバで管理する必要がない。サーバ10、店舗クライアント20、店舗端末25、顧客クライアント30の上記各動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、飲食店等の店舗に関連するコンテンツ情報提供システム等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0056】
10 サーバ
20 店舗クライアント
25 店舗端末
30 顧客クライアント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、前記サーバに接続可能な顧客クライアントとを備え、
前記サーバが、
店舗に設置されている店舗クライアントが再生していたコンテンツの識別情報と、再生日時とを管理する再生コンテンツ管理手段と、
顧客が前記店舗で商品を購入した日時(又は来店した日時、以下同様。)に関する購入日時情報を受信する購入日時情報受信手段と、
前記購入日時情報受信手段が受信した日時に前記店舗で再生されていたコンテンツを前記再生コンテンツ管理手段の管理内容に基づいて特定するコンテンツ特定手段と、
前記コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を前記顧客クライアントに送信するコンテンツ情報送信手段とを有し、
前記顧客クライアントが、
前記サーバから、前記コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と、
受信されたコンテンツ情報を表示装置に表示させる表示手段とを有する、コンテンツ情報提供システム。
【請求項2】
前記サーバに接続可能な店舗端末をさらに備え、
前記店舗端末が、
顧客が前記店舗で商品を購入する際に、前記購入日時情報を顧客が所有する記憶媒体に記録させる購入日時情報記録手段を有し、
前記顧客クライアントが、
顧客が所有する記憶媒体から前記購入日時情報を取得する購入日時情報取得手段と、
取得した前記購入日時情報を前記サーバに送信する購入日情報送信手段とをさらに有する、請求項1に記載のコンテンツ情報提供システム。
【請求項3】
前記顧客クライアントが、
前記表示手段によって表示装置に表示されているコンテンツ情報の中から、ユーザ操作に応じてコンテンツを選択する選択手段と、
選択されたコンテンツの送信を前記サーバに要求するコンテンツ要求手段と、
前記サーバから送信されたコンテンツを受信するコンテンツ受信手段とをさらに有し、
前記サーバが、前記顧客クライアントからの送信要求に応じて、選択されたコンテンツを前記顧客クライアントに送信するコンテンツ送信手段をさらに有する、請求項1または2に記載のコンテンツ情報提供システム。
【請求項4】
前記サーバに接続可能な前記店舗クライアントをさらに備え、
前記店舗クライアントが、
前記サーバからコンテンツ受信して、再生するコンテンツ再生手段を有し、
前記再生コンテンツ管理手段が、前記店舗クライアントに送信したコンテンツの情報とその送信日時とに基づいて、店舗クライアントが再生していたコンテンツの識別情報と再生日時とを管理する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ情報提供システム。
【請求項5】
前記コンテンツ特定手段が、前記購入日時情報受信手段が受信した日時に前記店舗で再生されていたコンテンツに加えて、そのコンテンツの直前又は直後で再生されていたコンテンツを前記再生コンテンツ管理手段の管理内容に基づいてさらに特定する、請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ情報提供システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ情報提供システムに適用される前記サーバであって、
店舗に設置されている店舗クライアントが再生していたコンテンツの識別情報と、再生日時とを管理する再生コンテンツ管理手段と、
顧客が前記店舗で商品を購入した日時に関する購入日時情報を受信する購入日時情報受信手段と、
前記購入日時情報受信手段が受信した日時に前記店舗で再生されていたコンテンツを前記再生コンテンツ管理手段の管理内容に基づいて特定するコンテンツ特定手段と、
前記コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を前記顧客クライアントに送信するコンテンツ情報送信手段とを有する、サーバ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ情報提供システムに適用される前記顧客クライアントであって、
前記サーバから、前記コンテンツ特定手段によって特定されたコンテンツのコンテンツ情報を受信するコンテンツ情報受信手段と、
受信されたコンテンツ情報を表示装置に表示させる表示手段とを有する、顧客クライアント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−88821(P2012−88821A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233174(P2010−233174)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】