説明

コンテンツ生成装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体

【課題】コンテンツ作成の期限管理を可能にするとともに、期限に間に合わなかった場合には暫定的に最低限のコンテンツを作成し、その後にコンテンツを完成させる。
【解決手段】コンテンツ生成部2は、ビデオ入力手段11、ビデオ変換手段12、ビデオ加工手段13、文書情報入力手段14、及びレイアウト編集手段15を備えている。各手段が実行する作業には予め期限が設定されており、期限内に完了しなかった場合は、予め設定されているダミー出力を行う。コンテンツ管理部(図示せず)は、各作業の状態を記録するとともに、ダミー出力を含むコンテンツについては、後に、作業期限を超えた工程をリセットし、作業をやり直し、コンテンツの品質を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ生成装置及び方法、並びにプログラム及び記録媒体に関し、より詳しくは、映像、音声、及びテキストなどのコンテンツ素材をレイアウト情報に従って配置することによりマルチメディアコンテンツを生成するコンテンツ生成装置及び方法、コンピュータにその方法を実行させるためのプログラム、及びその記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、社員等が出張や展示会に参加した際に、そこで撮影した動画や静止画、録音した音声、或いはテキストによる説明などの情報を、後日プレゼンテーションを行って関係者に報告したり、キャンペーンや教育等に使用したりする必要が生じることがある。このためには、現地で取得した情報を整理し、編集してプレゼンテーション用のマルチメディアコンテンツを作成する必要がある。例えば撮影や記録によって得られた各種の情報をレイアウトし、目次やタイトル、付帯情報を追加したコンテンツを作成する。
【0003】
従来、このようなコンテンツを作成する装置として、コンテンツ素材情報を保持する素材情報保持手段と、コンテンツ素材情報を配置するためのレイアウト情報を保持するレイアウト情報保持手段と、そのレイアウト情報保持手段に保持されたレイアウト情報から、コンテンツ生成に使用するレイアウト情報を選択するレイアウト情報選択手段と、コンテンツ素材情報をレイアウト上に配置するルールを保持するルール保持手段と、そのルール保持手段に保持されたルールのなかから、コンテンツ生成に使用するルールを選択するルール選択手段と、前記レイアウト情報選択手段で選択したレイアウト情報に対して前記ルール選択手段で選択したルールを適用し、前記素材情報保持手段に保持されているコンテンツ素材情報を配置してコンテンツを自動生成するコンテンツ生成手段とを有するコンテンツ作成システムがある(特許文献1参照)。
【0004】
このコンテンツ作成システムによれば、コンテンツ素材情報をレイアウト上に配置していくルールを予め定めて保持させておくことにより、そのルールに従ってコンテンツ素材情報を自動的に配置してコンテンツを生成するため、ユーザは、用意したコンテンツ素材にルールを適用するだけで、自動的にコンテンツを生成することができる。
【0005】
このようなマルチメディアコンテンツの作成においては、動画、静止画、音声、テキストなどの複数種類のコンテンツ素材情報を入力する必要があり、またそれらを適切に画面上に配置して一つのコンテンツとして仕上げる必要がある。特に動画を含むコンテンツにおいては、画像の形式変換処理や編集処理などに時間がかかるため、素材の採取からコンテンツの完成までは数日を要する場合が考えられる。
【0006】
このため、日常的にコンテンツを作成し、公開を行うようなシステムを構築する場合、一つのコンテンツについてパーツ(素材)が揃うまで待機していると、いつまで経ってもコンテンツが公開されず、コンテンツを見たいユーザに届かないままになってしまうおそれがある。そのため、コンテンツ作成の各工程について期限を決めて対応することが望ましい。また、期限に間に合わなかった場合に暫定的に最低限のコンテンツを作成し、その後にコンテンツを完成させることができれば便利である。
【0007】
しかしながら、上記のコンテンツ作成システムでは、コンテンツ作成の期限管理を行っていない。また、全ての工程を行わなければコンテンツは生成できず、工程ごとのやり直しという概念は存在しないため、上記の利便性を提供することはできない。
【0008】
【特許文献1】特開2006−48465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、コンテンツ作成の期限管理を可能にするとともに、期限に間に合わなかった場合には暫定的に最低限のコンテンツを作成し、その後にコンテンツを完成させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のコンテンツ生成装置は、それぞれが異なる種類のコンテンツ素材情報を入力するための複数のコンテンツ素材情報入力手段と、入力された複数種類のコンテンツ素材情報をレイアウト編集するレイアウト編集手段とを備えたコンテンツ生成装置において、前記コンテンツ素材情報入力手段及びレイアウト編集手段に対して設定された作業期限情報を保持する手段と、前記コンテンツ素材情報入力手段及びレイアウト編集手段に対して設定されたダミー情報を保持する手段と、前記コンテンツ素材情報入力手段及びレイアウト編集手段がそれぞれに設定された作業期限内にそれぞれの作業を実行しなかったとき、ダミー情報に基づくダミー出力を含むコンテンツを作成するコンテンツ作成手段を有することを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ生成装置は、作業期限内に作業を実行しなかった手段を示す情報を保持する手段と、作業期限内に作業を実行しなかった手段に対して作業のやり直しを指示する手段とを有することを特徴とする。
本発明のコンテンツ生成方法は、異なる種類のコンテンツ素材情報を入力するコンテンツ素材情報工程と、入力された複数種類のコンテンツ素材情報をレイアウト編集するレイアウト編集工程とを備えたコンテンツ生成方法において、前記コンテンツ素材情報入力工程及びレイアウト編集工程に対して作業期限を設定する工程と、前記コンテンツ素材情報入力工程及びレイアウト編集工程対してダミー情報を設定する工程と、前記コンテンツ素材情報入力工程又はレイアウト編集工程がそれぞれに設定された作業期限内に実行されなかったとき、ダミー情報に基づくダミー出力を含むコンテンツを作成する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のコンテンツ生成方法は、作業期限内に作業が実行されなかった工程を示す情報を保持する工程と、その情報が示す工程をやり直す工程とを有することを特徴とする。
【0011】
[作用]
本発明によれば、コンテンツ素材情報の入力作業又はレイアウト編集作業がそれぞれに設定された作業期限内に実行されなかったとき、ダミー情報に基づくダミー出力を含むコンテンツを作成する。また、作業期限内に作業が実行されずにダミー出力が行われた作業をやり直す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンテンツ作成の期限管理を可能にするとともに、期限に間に合わなかった場合には暫定的に最低限のコンテンツを作成し、その後にコンテンツを完成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態のコンテンツ生成装置の機能ブロック図である。このコンテンツ生成装置は、コンテンツ管理部1、コンテンツ生成部2、及びコンテンツ閲覧部3を備えている。
【0014】
コンテンツ管理部1は、コンテンツ情報入力手段からコンテンツの情報を受け取り、それに対応したコンテンツ管理・作成のための枠(コンテンツエントリ)を生成し、これの状態を管理する。コンテンツエントリはコンテンツに関するメタデータの集合(図2)と、コンテンツ作成工程の状態記録(図3)から構成される。
【0015】
コンテンツエントリはコンテンツ情報記録手段4に格納される。コンテンツ情報記録手段4としてはRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)などのデータベースシステムや、ストレージシステムなどのデータの格納・検索が可能な手段が用いられる。
【0016】
コンテンツを構成する映像データなどの実データ(コンテンツ素材データ)はコンテンツ格納手段5に記録される。コンテンツ格納手段5はストレージシステムなどのデータ格納・記録手段が用いられる。コンテンツエントリとコンテンツの実データはIDを用いて1対1で対応付けられる。コンテンツ管理部1は、そのIDを用いてコンテンツ格納手段5からコンテンツの部品やコンテンツそのものにアクセスすることができる。
【0017】
コンテンツエントリの内、コンテンツ作成工程の状態記録(図3)には後述するコンテンツ生成部2の各工程の期限日(deadline)が設定されている。期限日をオーバーしたら、コンテンツ生成部2にダミー出力(詳細については後述)を要求し、ダミー出力を受け取り、その工程を完了状態にし、次の工程の受付状態にする。また、コンテンツ管理部1は、コンテンツ作成工程の状態記録へコンテンツ生成部2が行う各工程の状態を記録し、後でリセット(詳細については後述)を実施するときに、その記録した状態をロード可能である。
【0018】
コンテンツ生成部2は、図4に示されているように、ビデオ(映像データ)入力手段11、ビデオ(映像データ)変換手段12、ビデオ(映像データ)加工手段13、文書情報入力手段14、及びレイアウト編集手段15を備えている。
【0019】
ビデオ入力手段11は、映像データ取得手段を備えた処理装置であり、コンテンツ生成部2からの指示を受けて、映像データ取得手段からの映像をファイル化し、コンテンツエントリに登録する。映像データ取得手段としてはビデオカメラやビデオ再生装置などの映像出力が可能な手段が用いられる。
【0020】
ビデオ変換手段12は、ビデオ入力手段11が作成した映像ファイルに対し、形式の変換やパラメータの調整を行い、コンテンツエントリに登録する。ビデオ加工手段13は、ビデオ変換手段12が生成した映像ファイルに対し、シーンカットやシーン入替などの編集手段を提供する。ビデオ加工手段13は編集後の映像ファイルをコンテンツエントリに登録する。
【0021】
文書情報入力手段14は、文書ファイルや画像ファイルなどの入力を受け付け、それらを解釈してコンテンツに組み込める形に変換し、変換後のデータをコンテンツエントリに登録する。
【0022】
レイアウト編集手段15は、ビデオ加工手段13及び文書情報入力手段14から入力されたアイテム(データ)を一つの画面上に配置し、コンテンツとして仕上げる機能を提供する。
【0023】
以上説明したコンテンツ生成部2の各手段が実行する工程を含む作成開始指示から作成後の登録までの流れを図5に示す。コンテンツ管理部1からコンテンツの作成開示の指示が入力されると(工程ST1)、ビデオ入力手段11によるビデオ入力工程の完了(工程ST2)、ビデオ変換手段12によるビデオ変換工程の完了(工程ST3)、ビデオ加工手段13によるビデオ編集工程の完了(工程ST4)、文書情報入力手段14による文書入力工程の完了(工程ST5)、レイアウト編集手段15によるレイアウト編集工程の完了(工程ST6)、コンテンツ作成完了(工程ST7)、コンテンツの登録完了(工程ST8)の順に進行する。
【0024】
コンテンツの生成を完了するには、これらST2〜ST6の全ての工程を経ることが必要である。これらの工程はコンテンツ管理部1が決定した期限内に完了させる必要があり、もし期限を過ぎても完了していない工程が存在する場合、予め用意されたダミー出力を工程の結果として採用し、強制的に当該工程を完了させる。なお、文書入力工程は図の枠内のどこかで完了させればよい。
【0025】
図1の説明に戻る。コンテンツ閲覧部3は、コンテンツ生成部2が生成したコンテンツを閲覧する機能を提供するものであり、コンテンツ検索手段及びコンテンツ表示手段からなる。コンテンツ検索手段は、コンテンツに付加されたメタデータ及びコンテンツに含まれるテキスト情報に対して全文検索を行う機能を提供する。コンテンツ表示手段は、コンテンツを表示装置に人間が視聴可能な情報として出力する。
【0026】
図6にコンテンツ作成開始からコンテンツの閲覧が可能になるまでの動作のフローチャートを示す。
コンテンツ管理部1は操作者の指示を受け、ステップS1でコンテンツエントリを作成する。コンテンツエントリにはそのコンテンツの名称や説明などのメタデータが登録される。また、ステップS2でコンテンツ管理部1はコンテンツエントリに完了期日を設定する。完了期日は、コンテンツ生成の工程ごとに設定する。この期日をオーバーすると、各工程はダミーの出力を生成し、自動的に次の工程へ進む。ステップS3でコンテンツ管理部1はコンテンツエントリを作成工程の開始状態にセットし、コンテンツ生成部2がコンテンツ生成工程を行えるようにする。
【0027】
コンテンツ生成部2の各手段は、それぞれの期限になるまで各工程を実行する(ステップS5〜S7)。各工程に設定されている期日をオーバーすると(ステップS5:No)、各工程はダミーの出力を生成し(ステップS8)、自動的に次の工程へ進む(ステップS9)。
【0028】
各工程の詳細について説明する。
コンテンツ生成部2では、ビデオ入力手段11がコンテンツ生成部2からの開始命令を受け、映像データの入力作業を始める。即ち映像データ入力手段からの映像データの録画を開始し、コンテンツ生成部2からの終了命令で、録画を停止し、一つの映像ファイルとして記録する。この開始命令と終了命令は、予め設定されたスケジュールに従って自動的に実行するか、或いは映像データ入力手段を直接操作して開始と収録を行う。スケジュールに基づいて自動実行する場合は、スケジュールに従って開始命令と終了命令を投げる処理を行うスケジュール実行手段を別途用意し、映像データ入力手段に接続する。映像データが提供されなかった場合、この後のレイアウト編集において、映像配置のないレイアウトを採用するようフラグを立てる。
【0029】
次にビデオ変換手段12が映像データの変換作業を実行する。即ち映像データ入力手段が生成した映像データに対し、作業者の操作に基づいて、画質やフレームレートなどのパラメータを調整したり、映像形式を別の形式に変換したりする。映像データ変換作業がタイムアウトした場合は、予め用意してあるプロファイルを利用して映像データの変換を行う。
【0030】
次いでビデオ加工手段13が映像ファイルの編集作業を実行する。編集作業は、作業者の操作に基づくシーンカット、シーン挿入、シーン入替などから構成される。編集結果の映像データファイルはそのままコンテンツ生成のパーツになる場合もあれば、再度ビデオ変換手段12を用いてコンテンツ閲覧用の形式に変換する場合もある。編集作業がタイムアウトした場合は、予め登録してあるパターンの編集処理を実施する。このパターンとしては、映像の前後の余分な部分のカット、一定時間以上続く無変動部分のカット、映像前後のフェードイン、フェードアウト効果の適用、などが挙げられる。これらを一つ又は複数登録しておき、実施する。
【0031】
次に文書情報入力手段14が文書入力作業を実行する。アプリケーションソフトで作成したプレゼンテーション文書ファイルや、画像ファイルなどを文書情報取得手段に与える。ファイルの入力は複数可能である。プレゼンテーション文書ファイルが与えられた場合、内部に含まれるテキストを抽出し、テキストデータとして出力に含める。文書が入力されずにタイムアウトした場合は、この後のレイアウト編集において、文書配置のないレイアウトを採用するようフラグを立てる。
【0032】
次にレイアウト編集手段15がレイアウト編集作業を実行する。編集済みの映像データ及び文書データが揃ったら、レイアウト編集手段15を起動し、揃ったデータを一つのコンテンツとして編集する。作業者の操作に基づいて、予め用意されたパターン(各データを配置する標準的なテンプレート)からレイアウトを選択し、それを基に変更を加えていくことでレイアウト編集が進行する。
【0033】
もし映像データが入力されなかった場合、或いは文書データが入力されなかった場合は、それらを含まないレイアウトのパターンを採用することができる。レイアウト編集工程がタイムアウトした場合は、レイアウト編集手段15にダミー用として指定しておいたテンプレートを使用してコンテンツを作成し、工程の結果として出力する。もし映像データ入力だけ、或いは1つだけの文書入力しか行われなかった場合、レイアウト編集はスキップされ、入力されたデータ単体を結果として出力する。この場合、コンテンツの代わりにこの単体データがコンテンツ閲覧部3から閲覧されるようになる。
【0034】
コンテンツ生成工程が完了すると(ステップS4:Yes)、コンテンツ管理部1はコンテンツエントリを生成完了状態にする。コンテンツ生成部2は、コンテンツエントリに登録された各工程の結果を用い、コンテンツの生成処理を行う。コンテンツの生成処理が完了すると、コンテンツ管理部1は公開コンテンツ格納手段6へコンテンツの登録を行う(ステップS10)。これにより、コンテンツ閲覧部3から該当コンテンツを閲覧することができるようになる。
【0035】
コンテンツ閲覧部3は、利用者からの要求を受け、コンテンツ検索手段を用いて公開コンテンツ記録手段へ要求に従って検索を行い、ヒットした結果を利用者へ提示する。利用者が結果から一つのコンテンツを選択すると、コンテンツ閲覧部3はコンテンツ表示手段を用いて公開コンテンツ格納手段6から該当コンテンツを取りだし、利用者が視聴可能な形にして利用者へ提示する。
【0036】
コンテンツ生成工程で、例えば映像データ編集作業が期日までに行われなかった場合、登録されたコンテンツは仮編集状態のものが組み込まれていることになる。公開後、正式に編集したものを公開するために、再度編集を行えるようにする。コンテンツ管理部1に映像データ編集手前までのリセットを指示すると、コンテンツ管理部1は該当コンテンツエントリの状態を映像データ編集前の状態にし、それより後の工程の結果を取り消す。なお、コンテンツエントリの状態が変更されても、公開コンテンツに影響はなく、閲覧が可能である。
【0037】
リセットした状態より後の生成工程を完了させ、再生成されたコンテンツが公開されると、従来公開されていたコンテンツが再生成されたコンテンツで置き換えられる。
【0038】
図1のコンテンツ生成・表示装置は図7に示すような一般的なPC(パーソナルコンピュータ)20によって実現することができる。PC20においては、各種演算を行うとともに各部を集中的に制御するCPU21と、各種のROM、RAMからなるメモリ23とがバス30により接続されている。また、バス30には、所定のインタフェースを介して、ハードディスクなどの記憶装置27と、入力装置であるマウス24及びキーボード22と、LCD等の表示装置28とが接続される。さらにバス30には、光ディスクなどの記録媒体31を読み取る記録媒体読取装置25と、インターネットなどのネットワーク32を介して通信を行う所定の通信I/F(インタフェース)26が接続され、さらにカメラや他の外部機器等との間でデータを入力するための各種I/F(インタフェース)29も接続される。
【0039】
記憶装置27には、本実施形態のコンテンツ生成装置の機能を実現するプログラムが記憶される。このプログラムは、記録媒体31から記録媒体読取装置25により読み取るか、或いはネットワーク32からダウンロードして、記憶装置27にインストールしたものである。このインストールによりPC20はコンテンツ生成装置の機能を実現できる状態となる。記憶装置27は各種データを蓄積するためにも用いられる。ここでは、コンテンツ情報記録手段4、コンテンツ格納手段5、公開コンテンツ格納手段6として用いられる。
【0040】
上記のプログラムが、コンテンツ生成装置の機能を実現するときに取り扱う情報は、一時的にメモリ23のRAMに蓄積され、その後、メモリ23の各種ROMや、記憶装置27に格納され、必要に応じてCPU21によって読み出し、修正・書き込みが行われる。即ちCPU21がプログラムに基づいて動作することにより、本実施形態のコンテンツ生成装置が有する各手段の機能を実現する。
【0041】
なお、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM,不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD,MO,MD,CD等)、磁気記録媒体(磁気テープ,フレキシブルディスク等)等のいずれでもよい。
【0042】
以上詳細に説明したように、本実施形態のコンテンツ生成装置は下記(1)〜(6)の効果を有する。
(1)コンテンツ生成部2では、各工程に設定された作業期限により、コンテンツ生成の時間的な制約を守ることができる。また、各工程が作業期限を超えるとダミー出力を行うため、設定された時間制約をオーバーしても、自動的に最低限のコンテンツを生成することができる。
(2)コンテンツ管理部1はコンテンツ生成の各工程の状態を記録するとともに、ダミー出力が含まれているコンテンツについては、その公開後に、作業期限を超えた工程をリセットして、作業をやり直し、最低限のコンテンツに対して後からコンテンツの品質を向上させることができる。
このとき、コンテンツ生成の各工程の状態を記録しており、ある工程の前工程までの結果を保持しながら後の工程の結果をリセットできることから、後から作業を行う場合、全工程のやり直しではなく、途中段階からの作業開始が可能になるため、作業時間の短縮が期待できる。
(3)入力されたデータに適したレイアウトが選択されるため、作業期限を超えたコンテンツであっても、コンテンツの品質の向上が期待できる。
(4)コンテンツを構成するために十分なデータが提供されなくとも、提供されたデータを利用者が利用可能な形にすることにより、コンテンツ公開の見かけ上のスピードを維持することができる。
(5)映像データの変換時に作業者による品質調整がなされなくとも、自動的にある程度の品質調整がなされるので、データ変換作業期限を超えたコンテンツであっても、コンテンツの品質の向上が期待できる。
(6)映像データが作業者により編集されなくとも、予め想定された編集作業が自動的に実行されるので、編集作業期限を超えたコンテンツであってもコンテンツの品質の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態のコンテンツ生成装置の機能ブロック図である。
【図2】コンテンツエントリの内、コンテンツに関するメタデータの集合を示す図である。
【図3】コンテンツエントリの内、コンテンツ作成工程の状態記録を示す図である。
【図4】コンテンツ生成部の各工程を実行する手段を示す図である。
【図5】コンテンツ生成部の各手段が実行する工程を含む作成開始指示から作成後の登録までの流れを示す図である。
【図6】コンテンツ作成開始からコンテンツの閲覧が可能になるまでの動作のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のコンテンツ生成装置を実現するハードウェアを示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1・・・コンテンツ管理部、2・・・コンテンツ生成部、4・・・コンテンツ情報記録手段、5・・・コンテンツ格納手段、6・・・公開コンテンツ格納手段、11・・・ビデオ入力手段、12・・・ビデオ変換手段、13・・・ビデオ加工手段、14・・・文書情報入力手段、15・・・レイアウト編集手段、31・・・記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが異なる種類のコンテンツ素材情報を入力するための複数のコンテンツ素材情報入力手段と、入力された複数種類のコンテンツ素材情報をレイアウト編集するレイアウト編集手段とを備えたコンテンツ生成装置において、
前記コンテンツ素材情報入力手段及びレイアウト編集手段に対して設定された作業期限情報を保持する手段と、前記コンテンツ素材情報入力手段及びレイアウト編集手段に対して設定されたダミー情報を保持する手段と、前記コンテンツ素材情報入力手段及びレイアウト編集手段がそれぞれに設定された作業期限内にそれぞれの作業を実行しなかったとき、ダミー情報に基づくダミー出力を含むコンテンツを作成するコンテンツ作成手段を有することを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたコンテンツ生成装置において、
作業期限内に作業を実行しなかった手段を示す情報を保持する手段と、作業期限内に作業を実行しなかった手段に対して作業のやり直しを指示する手段とを有することを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載されたコンテンツ生成装置において、
単一のコンテンツ素材情報入力手段のみが作業期限内に作業を実行した場合、前記コンテンツ作成手段は、入力されたコンテンツ素材情報をコンテンツとすることを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載されたコンテンツ生成装置において、
所定のコンテンツ素材情報入力手段が作業期限内に作業を実行しなかった場合、前記レイアウト編集手段は、そのコンテンツ素材情報を含まない形式のレイアウトを採用することを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項5】
請求項1に記載されたコンテンツ生成装置において、
入力されたコンテンツ素材情報に対して、作業者による設定に応じたデータ変換を行うデータ変換手段と、前記データ変換手段に対して設定された作業期限情報を保持する手段と、前記データ変換手段に対して設定されたダミー情報を保持する手段とを有するともに、前記ダミー情報は予め設定された所定のデータ変換特性であることを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項6】
請求項1に記載されたコンテンツ生成装置において、
入力されたコンテンツ素材情報に対して、作業者による設定に応じた編集を行う編集手段と、前記編集手段に対して設定された作業期限情報を保持する手段と、前記編集手段に対して設定されたダミー情報を保持する手段とを有するともに、前記ダミー情報は予め設定された所定の編集であることを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項7】
異なる種類のコンテンツ素材情報を入力するコンテンツ素材情報工程と、入力された複数種類のコンテンツ素材情報をレイアウト編集するレイアウト編集工程とを備えたコンテンツ生成方法において、
前記コンテンツ素材情報入力工程及びレイアウト編集工程に対して作業期限を設定する工程と、前記コンテンツ素材情報入力工程及びレイアウト編集工程対してダミー情報を設定する工程と、前記コンテンツ素材情報入力工程又はレイアウト編集工程がそれぞれに設定された作業期限内に実行されなかったとき、ダミー情報に基づくダミー出力を含むコンテンツを作成する工程とを有することを特徴とするコンテンツ生成方法。
【請求項8】
請求項7に記載されたコンテンツ生成方法において、
作業期限内に作業が実行されなかった工程を示す情報を保持する工程と、その情報が示す工程をやり直す工程とを有することを特徴とするコンテンツ生成方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項7又は8に記載されたコンテンツ生成方法の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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