説明

コンテンツ配信サービス提供サーバ

【課題】 利用者が、自らの嗜好に合致したコンテンツの提供サービスを容易に受けることができるコンテンツ配信サービス提供サーバを提供する。
【解決手段】 利用者端末からのアクセスに応じてコンテンツ配信サービスを提供するサーバ1であって、種々のコンテンツのアクセス先を含むメタデータが格納されたコンテンツデータファイル11と、コンテンツデータファイル11に格納されたメタデータのうち利用者端末からの要求に基づき選択されたものを示す利用者選択情報が、各利用者の識別コードに関連付けられて格納されたカスタマイズデータファイル12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者端末において利用可能なコンテンツの配信サービスを提供するためのコンテンツ配信サービス提供サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が音声情報や音楽情報を取得する方法として、端末に専用ソフトをインストールし、好みのラジオ局などのアドレスを登録しておくことにより、更新された放送内容が自動的にダウンロードされる、いわゆるポッドキャスティングが知られている。
【0003】
例えば、非特許文献1においては、アップル社の音楽プレーヤーソフトでポッドキャスティングに対応した「iTunes」が開示されている。利用者は、起動した「iTunes」上で、音楽配信用のウェブサイトである「iTunes Music Store(iTMS)」にアクセスすることができ、サイト内に表示された好みの音楽ファイルをクリックすることにより、この音楽ファイルのRSSファイル(RSS2.0)へのリンクを「iTunes」に登録することができる。登録されたRSSデータは、「iTunes」のソース欄に表示され、RSSファイルへのアクセス及び更新が端末側において自動的に行われる。
【非特許文献1】日経パソコン 127―132頁、日経BP社、2005年8月8日号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような音声・音楽ファイルの配信サービスにおいて、利用者は音楽ファイルの検索や登録を、専用の音楽配信サイトである上記の「iTMS」で主に行っているが、「iTMS」は全ての利用者に共通のサイトであることから、必ずしも各利用者の好みに合ったものとはならず、利用者の利便性を高める上で更に改良の余地があった。
【0005】
そこで、本発明は、利用者が、自らの嗜好に合致したコンテンツの提供サービスを容易に受けることができるコンテンツ配信サービス提供サーバの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、利用者端末からのアクセスに応じてコンテンツ配信サービスを提供するサーバであって、種々のコンテンツのアクセス先を含むメタデータが格納されたコンテンツデータファイルと、前記コンテンツデータファイルに格納されたメタデータのうち利用者端末からの要求に基づき選択されたものを示す利用者選択情報が、各利用者の識別コードに関連付けられて格納されたカスタマイズデータファイルとを備え、前記利用者端末からのアクセスに応じて、前記識別コードに関連付けられた利用者選択情報を前記カスタマイズデータファイルから抽出し、利用者選択情報に対応するメタデータを前記コンテンツデータファイルから抽出して、前記利用者端末にコンテンツ一覧を表示するように構成されたコンテンツ配信サービス提供サーバにより達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明のコンテンツ配信サービス提供サーバによれば、利用者が、自らの嗜好に合致したコンテンツの提供サービスを容易に受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サービス提供サーバを含むシステムの全体構成を示すブロック図である。
【0009】
図1に示すように、コンテンツ配信サービスを提供するサーバ1は、インターネットなどのネットワーク4を介して複数の利用者端末2に接続されている。各利用者端末2は、ウェブサイトを閲覧するためのブラウザ機能、及び、RSS(Rich Site Summary)2.0形式のデータを自動的にダウンロードすることができるRSSリーダ機能を有する専用プログラムがインストールされている。この専用プログラムは、例えば、サーバ1のウェブページにアクセスすることにより、ダウンロードすることができる。RSSは、XMLベースのフォーマットであり、RSSデータは、テキスト情報、音楽(音声)情報、映像情報などのコンテンツへのアクセス先を示すURL(Uniform Resource Locator)や、当該コンテンツのタイトル、概要、更新日時などの情報を含むメタデータである。
【0010】
サーバ1は、種々のコンテンツのアクセス先を含むメタデータが格納されたコンテンツデータファイル11と、コンテンツデータファイル11に格納されたメタデータのうち利用者が選択したものを示す情報が格納されたカスタマイズデータファイル12とを備えている。
【0011】
コンテンツデータファイル11は、種々のコンテンツがカテゴリー毎に分類され、各コンテンツに対応するメタデータが格納されている。例えば、音楽情報の場合には、ジャンル別、年代別、アーティスト別などで分類することができ、映像情報の場合には、ニュース、スポーツ、趣味などで分類することができる。コンテンツデータファイル11に格納されたメタデータのレコード構成の一例を、図2に示す。このメタデータは、分類コード、タイトル、概要、画像データ、アクセス先、更新日時などから構成されたXML形式のメタデータであり、各コンテンツを識別するための識別コードに関連付けられて登録されている。識別コードの管理は、例えば、コンテンツの分類に基づいて階層形式で行うことができる。
【0012】
カスタマイズデータファイル12は、コンテンツデータファイル11に格納されたメタデータのうち、利用者端末2からの要求に基づき選択されたものを示す利用者選択情報が、各利用者の識別コードに関連付けられて格納されている。利用者選択情報は、利用者により選択された全てのコンテンツの識別コードが含まれており、更に、表示順序、表示位置などの表示方法に関する情報が付加されている。
【0013】
次に、上記構成を備えるサーバ1の作動を説明する。利用者が利用者端末2において専用プログラムを立ち上げると、サーバ1へ自動的にアクセスされ、図3に示すログイン画面が利用者端末2に表示される。ユーザが識別ID及びパスワードを入力して送信すると、サーバ1において公知の手法によりユーザ認証が行われた後、サーバ1は、カスタマイズデータファイル12に格納された利用者の識別IDを検索キーとして、対応する利用者選択情報を抽出する。そして、抽出された利用者選択情報に対応するメタデータをコンテンツデータファイル11から抽出し、図4に示すように、利用者が選択したコンテンツ一覧をポータル画面として表示する。ポータル画面におけるコンテンツの表示は、当該コンテンツを視覚的に表す画像(例えば、アルバムジャケット)や、概要説明、更新日時などのテキストによって行われ、サーバ1において、メタデータ(本実施形態ではRSSデータ)に基づくコンテンツのアクセス先から取得したデータをHTML(Hyper Text Markup Language)形式に変換することにより、ウェブ画面上に表示することができる。
【0014】
また、利用者が選択したコンテンツが複数ある場合には、カスタマイズデータファイル12に格納された表示方法(表示順、表示位置など)に関する情報や、更新日、コンテンツのカテゴリーなどに基づいて、各コンテンツが所定の順序に整理された状態で表示される。
【0015】
サーバ1は、このようなポータル画面を表示すると共に、利用者選択情報に対応する全てのメタデータのアクセス先に自動的にアクセスして、コンテンツの更新の有無をチェックする。そして、更新されたコンテンツがあれば、利用者端末2に自動的にダウンロードされる。各コンテンツのメタデータ(RSSデータ)は、それぞれの管理サイトにおいて随時更新されているが、サーバ1においては、各管理サイトから受信した更新の発生情報や、各管理サイトへの定期的なアクセスなどにより、コンテンツデータファイル11に格納された全てのメタデータの更新が随時行われる。こうして、利用者端末2においては、専用プログラムを立ち上げることにより、登録されたコンテンツに関する最新の情報を、特別な操作をすることなく取得することができる。
【0016】
利用者が希望するコンテンツの登録は、利用者端末2においてポータル画面上で行うことができる。ポータル画面には、利用者選択情報に対応する登録済みのコンテンツに関する画像やテキストの他に、サーバ1において選択されたおすすめ用のコンテンツに関する画像やテキストが、所定の表示欄に表示される。利用者が、いずれかのコンテンツの画像部分又はテキスト部分をクリックすると、当該コンテンツのメタデータに基づいて詳細画面が表示され、この詳細画面上で登録ボタンをクリックすることにより、当該コンテンツの登録作業が完了する。サーバ2は、新規コンテンツの登録に基づき、利用者選択情報を更新する。尚、登録されたコンテンツのメタデータは、利用者端末2にも格納されており、専用プログラムを起動した際に、ポータル画面とは異なるソース欄に一覧表示され、従来のポッドキャスティングと同様に、利用者端末2における操作によりコンテンツをダウンロードすることも可能である。
【0017】
おすすめ用のコンテンツとしては、例えば、利用者が既に登録済みのコンテンツを分析することにより、同様の嗜好を有する他の利用者が登録しているものを挙げることができる。また、コンテンツの登録は、おすすめ用の情報以外に、利用者自身がカテゴリーなどに基づいて検索して行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信サービス提供サーバを含むシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】コンテンツデータファイルに格納されたメタデータのレコード構成の一例を示す図である。
【図3】ログイン画面の一例を示す図である。
【図4】ポータル画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 サーバ
11 コンテンツデータファイル
12 カスタマイズデータファイル
2 利用者端末



【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末からのアクセスに応じてコンテンツ配信サービスを提供するサーバであって、
種々のコンテンツのアクセス先を含むメタデータが格納されたコンテンツデータファイルと、
前記コンテンツデータファイルに格納されたメタデータのうち利用者端末からの要求に基づき選択されたものを示す利用者選択情報が、各利用者の識別コードに関連付けられて格納されたカスタマイズデータファイルとを備え、
前記利用者端末からのアクセスに応じて、前記識別コードに関連付けられた利用者選択情報を前記カスタマイズデータファイルから抽出し、利用者選択情報に対応するメタデータを前記コンテンツデータファイルから抽出して、前記利用者端末にコンテンツ一覧を表示するように構成されたコンテンツ配信サービス提供サーバ。



【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−66100(P2007−66100A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252616(P2005−252616)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(502031500)
【出願人】(505329082)
【Fターム(参考)】