コンデンサホルダ
【課題】振動や衝撃によってコンデンサが傾いたりリード13が破断するのを防ぐこと。
【解決手段】コンデンサホルダ1をプリント基板20に装着し、次にコンデンサ12を樹脂カップ2に内嵌させながらプリント基板20に装着し、プリント基板20を噴流半田装置に送り込んで噴流半田付けを行う。コンデンサホルダ1は金属製の棒状脚10がプリント基板20に半田付けされ、コンデンサ12はリード13がプリント基板20に半田付けされる。融着部3(熱融着性接着剤)が軟化し再固化するのでコンデンサ12と樹脂カップ2とが融着される。コンデンサ12とコンデンサホルダ1とが熱融着性接着剤である融着部3によって強固に結合するので、振動や衝撃によってコンデンサ12が傾いたり、コンデンサ12のリード13が破断するのをきわめて良好に防ぐことができる。
【解決手段】コンデンサホルダ1をプリント基板20に装着し、次にコンデンサ12を樹脂カップ2に内嵌させながらプリント基板20に装着し、プリント基板20を噴流半田装置に送り込んで噴流半田付けを行う。コンデンサホルダ1は金属製の棒状脚10がプリント基板20に半田付けされ、コンデンサ12はリード13がプリント基板20に半田付けされる。融着部3(熱融着性接着剤)が軟化し再固化するのでコンデンサ12と樹脂カップ2とが融着される。コンデンサ12とコンデンサホルダ1とが熱融着性接着剤である融着部3によって強固に結合するので、振動や衝撃によってコンデンサ12が傾いたり、コンデンサ12のリード13が破断するのをきわめて良好に防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサホルダの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ラジアルタイプのコンデンサは、2本のリードをプリント基板に設けられたスルーホールに差し込んで半田付けすることでプリント基板に実装される。
【0003】
そのプリント基板に与えられた振動や衝撃によってラジアルタイプのコンデンサが傾いたり、またコンデンサのリードが破断するのを防ぐために、コンデンサを支持体にて支える技術がある。
【0004】
例えば特開平9−260181号公報(特許文献1)には、ナイロン、ABS樹脂等の材料でモールド成形された剛性筒状支持体(2)であって、3つの弾発部(2a,2b,2c)が筒壁(2B)から筒内へ弾発可能に成形されて突出され、筒壁(2B)内に金属製支持脚(3a,3b,3c)が埋設されている剛性筒状支持体(2)を、金属製支持脚(3a,3b,3c)の先端部をプリント基板(22)の挿通孔に差し込み、電解コンデンサ(24)を剛性筒状支持体(2)に挿入して弾発部(2a,2b,2c)によって弾発的に支持して、端子(24a,24b)を又プリント基板(22)のプリント配線部分対応箇所に当接させて、剛性筒状支持体(2)の金属製支持脚(3a,3b,3c)をプリント基板(22)の挿入孔位置で半田付けするとともに電解コンデンサ(24)の端子(24a,24b)をプリント基板のプリント配線の対応部分に半田付けする
ことで、剛性筒状支持体(2)にて電解コンデンサ(24)を支持する技術が開示されている。
【0005】
また、特開平11−283869号公報には、粘着材(8)にてプリント基板(10)に取り付けられた台座(6)の嵌合部(7)にコンデンサ(1)のカシメ部(12)を嵌合させて、コンデンサ(1)を支持する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−260181号公報
【特許文献2】特開平11−283869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2の技術は、コンデンサと支持体(剛性筒状支持体(2)や台座(6))とが強固に結合するものでないために、振動や衝撃によってコンデンサが傾いたり、コンデンサのリードが破断するのを防ぐ効果がいまだ十分ではなかった。また、コンデンサの内部でリードと素子本体の接合箇所に断線等の不具合が生じ、コンデンサとして機能しなくなることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のコンデンサホルダは、
筒状ないし環状の周縁部及び前記周縁部の一端を閉じる底部であり前記周縁部の軸と平行方向に沿って内面から外面に貫通するリード孔が少なくとも2箇所に設けられた底部とを備えるカップと、
前記カップの内側に保持された熱融着性接着剤と、
前記周縁部の軸に沿って前記底部の外面から突出する姿勢で前記底部に固定される金属製の棒状脚と
を備え、
ラジアルタイプのコンデンサのリードを前記リード孔に貫挿させた状態で前記熱融着性接着剤にて前記コンデンサの本体部に固定される
ことを特徴とする。
【0009】
請求項1記載のコンデンサホルダは、カップの底部に固定される金属製の棒状脚を備えているので、この棒状脚をプリント基板に設けた貫通孔に貫挿させて、プリント基板に装着できる。
【0010】
また、カップの底部にはリード孔が少なくとも2箇所に設けられているから、リード孔をプリント基板に設けた挿通孔と重ねるようにしてコンデンサホルダをプリント基板に装着しておけば、ラジアルタイプのコンデンサのリードをリード孔及び挿通孔に貫挿させて、コンデンサの本体部をカップに内嵌させることができる。
【0011】
このように、コンデンサホルダとコンデンサとを2段重ね状にしてプリント基板に装着してから、噴流半田装置にかける。
【0012】
すると、半田噴流によって加熱されて熱融着性接着剤が軟化するので、コンデンサの本体部とカップの内面とが熱融着性接着剤にて融着される。これと並行的に、コンデンサホルダは金属製の棒状脚がプリント基板に半田付けされ、またコンデンサはリードがプリント基板に半田付けされる。噴流半田装置から送り出されるころには、熱融着性接着剤が再固化してカップがコンデンサの本体部に固定され、また棒状脚及びリードの半田も固化してコンデンサホルダ及びコンデンサがプリント基板に固定されている。
【0013】
このように、コンデンサとコンデンサホルダとが熱融着性接着剤によって強固に結合し、またコンデンサ及びコンデンサホルダが銘々にプリント基板に半田付けされるので、コンデンサ本体とリードとの相対位置及びコンデンサ本体とプリント基板との相対位置が変化するのを防止でき、振動や衝撃によってコンデンサが傾いたり、コンデンサのリードが破断するのをきわめて良好に防ぐことができる。
【0014】
請求項2記載のコンデンサホルダは、前記棒状脚は金属製の基板部に立設され、前記基板部が前記底部に固定されていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサホルダであるから、棒状脚(基板部)を確実に底部に固定することができ、それによって請求項1の効果が向上する。
【0015】
請求項3記載のコンデンサホルダは、前記棒状脚を2本備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサホルダであるから、コンデンサホルダをプリント基板に固定したときの安定性が良くなり、それによって請求項1の効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のコンデンサホルダの平面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)、A−A断面図(d)、B−B断面図(e)。
【図2】実施例1のコンデンサホルダの斜視図(a)、分解斜視図(b)。
【図3】実施例1のコンデンサホルダの使用状態を説明する斜視図(a)、分解斜視図(b)。
【図4】実施例1のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け前)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図5】実施例のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け後)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図6】変形例のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け前)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図7】変形例のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け後)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図8】実施例2のコンデンサホルダの斜視図(a)、分解斜視図(b)、コンデンサホルダをプリント基板に実装した状態の斜視図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
[実施例1]
図1及び図2に示すように、本実施例のコンデンサホルダ1は、樹脂カップ2、融着部3及び金属部4にて構成されている。
【0018】
樹脂カップ2は、噴流半田付け時の加熱に耐えうる樹脂材料、例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、POM、ポリカーボネート、アクリル、PBT等の合成樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリエステル等の耐熱性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタンエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂から選択された樹脂材料による成形品であり、本実施例では射出成形品である。
【0019】
樹脂カップ2は、円筒状の周縁部5と周縁部5の下端部を閉じる底部6からなる円形カップ状である。底部6には周縁部5の軸と平行方向に沿って内面から外面に貫通するリード孔7が2箇所に設けられている。また、底部6の下面側には凹陥部8が設けられている。
【0020】
融着部3は、噴流半田付け時の加熱によって溶融する熱融着性接着剤であり、例えば熱可塑性エラストマー(ウレタン系、エステル系、アミド系、スチレン系、オレフィン系等)や低密度ポリエチレン、ホットメルト等が用いられる。
【0021】
融着部3は、外形が樹脂カップ2の内法形状に整合するカップ状である。融着部3の底には穴3aが設けられていて、リード孔7の筒状部分7aが嵌合している。
【0022】
融着部3は、例えば塗布或いは射出成形にて樹脂カップ2の内側に設けられるが、個片にて成形したものをはめ付けてもよい。
【0023】
金属部4は半田付けに適した材質の板金製で、基板部9と一対の棒状脚10とからなっている。平板状の基板部9には、リード孔7の筒状部分7aと干渉するのを避けるためのU字状の切り込み9aが2箇所に設けられている。棒状脚10は基板部9に対して垂直(設計上である)に立設されている。
【0024】
そして、基板部9が樹脂カップ2(底部6)の凹陥部8に圧入されて、樹脂カップ2に固定されている。そのため、棒状脚10は、底部6に対して垂直に(周縁部5の軸に平行に)底部6から突出している。
【0025】
なお、底部6の中心(周縁部5の軸)を中心にして90度ピッチでリード孔7と棒状脚10とが交互に配されており、一対の棒状脚10(その中心線)と2つのリード孔7の中心軸は、相互に平行(設計上)である。
【0026】
本実施例のコンデンサホルダ1は棒状脚10をテープに貼り付けられた(ラジアルテーピングされた)荷姿にて出荷される。
【0027】
そして、図3〜5に示すように、ラジアルタイプのコンデンサ(以下、単にコンデンサという)12の2本のリード13をそれぞれリード孔7に貫挿させて、カシメ部12bが樹脂カップ2内になるように、コンデンサ12の本体部12aを樹脂カップ2に内嵌させる形態で使用される。
【0028】
詳細には、図4に示すように、まず棒状脚10をプリント基板20に設けた貫通孔21に貫挿させて、プリント基板20にコンデンサホルダ1を装着する。
【0029】
この作業は自動実装機を用いて行われ、自動実装機はラジアルテーピングされているコンデンサホルダ1をキャッチして、棒状脚10の先端部分を切断することでテープから離脱させる。続いて棒状脚10をプリント基板20の貫通孔21に貫挿させてから、その先端部分を図示のように約90度に折り曲げる。これでプリント基板20にコンデンサホルダ1が装着されるが、この段階では半田付けは行われない。なお、コンデンサホルダ1が装着されたときには、コンデンサホルダ1のリード孔7がプリント基板20に設けられている挿通孔22の上に重なる位置になる。
【0030】
次に、ラジアルテーピングされているコンデンサ12が自動実装機に供給され、自動実装機はコンデンサ12をキャッチして、リード13の先端部分を切断することでテープから離脱させる。続いてリード13をコンデンサホルダ1のリード孔7及びプリント基板20の挿通孔22に貫挿させて、コンデンサ12の本体部12aを樹脂カップ2に内嵌させて、リード13の先端部分を図示のように約90度に折り曲げる。これで図4に示す通り、コンデンサホルダ1と重なるようにして、コンデンサ12がプリント基板20が装着される。
【0031】
このようにコンデンサホルダ1とコンデンサ12とが装着されたプリント基板20を噴流半田装置に送り込んで噴流半田付けを行う。
【0032】
すると、半田噴流によって加熱されて融着部3(熱融着性接着剤)が軟化するので、コンデンサ12の本体部12aと樹脂カップ2の内面とが融着部3(熱融着性接着剤)にて融着される。この際に融着部3(熱融着性接着剤)を軟化させることにより、内嵌したときには残っていたコンデンサ12の本体部12aと融着部3との隙間を埋めることになる。これと並行的に、コンデンサホルダ1は金属製の棒状脚10がプリント基板20に半田付けされ、またコンデンサ12はリード13がプリント基板20に半田付けされる。噴流半田装置から送り出されるころには、融着部3(熱融着性接着剤)が再固化してコンデンサ12の本体部12aが樹脂カップ2に固定され、また棒状脚10及びリード13の半田23も固化してコンデンサホルダ1及びコンデンサ12がプリント基板20に固定されている(図5参照)。
【0033】
このように、コンデンサ12とコンデンサホルダ1とが熱融着性接着剤である融着部3によって強固に結合し、またコンデンサ12及びコンデンサホルダ1が銘々にプリント基板20に半田付けされるので、振動や衝撃によってコンデンサ12が傾いたり、コンデンサ12のリード13が破断するのをきわめて良好に防ぐことができる。
【0034】
本発明は熱融着性接着剤がコンデンサにある溝に入り込みしっかり固定できる。カップ型のホルダを使用しているので熱融着性接着剤が軟化してもプリント基板の面に広がりだして行かず、コンデンサ本体部の周辺にとどまらせることが可能となっている。これにより従来技術より熱融着性接着剤が樹脂カップ部と密着する面積が増え、より強固に結合させることが可能になった。
【0035】
融着部3(熱融着性接着剤)の樹脂カップ2内への充填量は、図5に示すように、溶融した融着部3の一部がカシメ部12bに進入する量にされており、固化した融着部3がカシメ部12bを係止する状態になるので、コンデンサ12とコンデンサホルダ1との融着部3による結合がより強固になっており、振動や衝撃に対する上述の効果を向上させている。
【0036】
また、コンデンサホルダ1は、棒状脚10は金属製の基板部9に立設され、基板部9を凹陥部8に圧入することで底部6に固定されているから、棒状脚10(基板部9)を確実に底部6に固定することができ、それによって振動や衝撃に対する上述の効果が向上する。
【0037】
しかも、コンデンサホルダ1は、棒状脚10を2本備えており、上記のようにコンデンサ12と共にプリント基板20に実装したときには、棒状脚10とコンデンサ12のリード13とが、ちょうど正方形の各角に位置するように配置されているので、コンデンサホルダ1及びコンデンサ12をプリント基板20に固定したときの安定性が良くなり、それによって振動や衝撃に対する上述の効果が向上する。
【0038】
コンデンサホルダをプリント基板に固定する方法として、金属リードを用いたので、合成樹脂で作られたスナップフィット型の固定機構を用いたのとは異なり、コンデンサをプリント基板に実装するのと同じ実装機にて本発明品を実装することができる。
[熱融着性接着剤の充填量の変形例]
融着部3(熱融着性接着剤)の樹脂カップ2内への充填量は、コンデンサ12の本体部12aが樹脂カップ2に固定される限りは、上記の例(図4、図5)よりも少なくてもよい。その一例を図6、図7に示す。
【0039】
融着部3(熱融着性接着剤)の樹脂カップ2内への充填量は、コンデンサ12の下端部12cと樹脂カップ2の底部6とが融着部3によって結合されるに十分であればよく、図7に示すように溶融(再固化)した融着部3(熱融着性接着剤)が底部6(リード孔7の筒状部分7aは除く)を覆い尽くすに十分であればよい。
[実施例2]
実施例1では金属部4の基板部9を底部6の下面に設けられた凹陥部8に圧入することで金属部4を樹脂カップ2に固定しているが、図8に示すように、底部6の内面に凹陥部8aを設けて、また棒状脚10を通すための穴8bを設けて、基板部9を底部6の内面側に圧入して金属部4を樹脂カップ2に固定することもできる。
【0040】
コンデンサホルダ1を実施例2のように構成しても、実施例1と同様に使用でき、実施例1と同様の効果が得られる。
【0041】
また、金属部4(特に基板部9)が融着部3(熱融着性接着剤)に直接接触するので、噴流半田付け時には、半田の熱が金属部4経由で融着部3(熱融着性接着剤)に効率よく伝導されるから、融着部3(熱融着性接着剤)が速やかに軟化(溶融)する。
【0042】
しかも、樹脂カップ2の下端部に切欠24が設けてあり、コンデンサホルダ1をプリント基板20に実装したときには、図8(c)のように切欠24とプリント基板20の表面との間に隙間ができ、これがが通気口として機能するので、半田付け後の冷却効率が良くなる。
【符号の説明】
【0043】
1・・・コンデンサホルダ、
2・・・樹脂カップ、
3・・・融着部、
4・・・金属部、
5・・・周縁部、
6・・・底部、
7・・・リード孔、
8、8a・・・凹陥部、
9・・・基板部、
10・・・棒状脚、
12・・・コンデンサ、
12a・・・本体部、
12b・・・カシメ部、
12c・・・下端部、
13・・・リード、
20・・・プリント基板、
21・・・貫通孔、
22・・・挿通孔、
23・・・半田。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサホルダの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ラジアルタイプのコンデンサは、2本のリードをプリント基板に設けられたスルーホールに差し込んで半田付けすることでプリント基板に実装される。
【0003】
そのプリント基板に与えられた振動や衝撃によってラジアルタイプのコンデンサが傾いたり、またコンデンサのリードが破断するのを防ぐために、コンデンサを支持体にて支える技術がある。
【0004】
例えば特開平9−260181号公報(特許文献1)には、ナイロン、ABS樹脂等の材料でモールド成形された剛性筒状支持体(2)であって、3つの弾発部(2a,2b,2c)が筒壁(2B)から筒内へ弾発可能に成形されて突出され、筒壁(2B)内に金属製支持脚(3a,3b,3c)が埋設されている剛性筒状支持体(2)を、金属製支持脚(3a,3b,3c)の先端部をプリント基板(22)の挿通孔に差し込み、電解コンデンサ(24)を剛性筒状支持体(2)に挿入して弾発部(2a,2b,2c)によって弾発的に支持して、端子(24a,24b)を又プリント基板(22)のプリント配線部分対応箇所に当接させて、剛性筒状支持体(2)の金属製支持脚(3a,3b,3c)をプリント基板(22)の挿入孔位置で半田付けするとともに電解コンデンサ(24)の端子(24a,24b)をプリント基板のプリント配線の対応部分に半田付けする
ことで、剛性筒状支持体(2)にて電解コンデンサ(24)を支持する技術が開示されている。
【0005】
また、特開平11−283869号公報には、粘着材(8)にてプリント基板(10)に取り付けられた台座(6)の嵌合部(7)にコンデンサ(1)のカシメ部(12)を嵌合させて、コンデンサ(1)を支持する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−260181号公報
【特許文献2】特開平11−283869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、2の技術は、コンデンサと支持体(剛性筒状支持体(2)や台座(6))とが強固に結合するものでないために、振動や衝撃によってコンデンサが傾いたり、コンデンサのリードが破断するのを防ぐ効果がいまだ十分ではなかった。また、コンデンサの内部でリードと素子本体の接合箇所に断線等の不具合が生じ、コンデンサとして機能しなくなることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のコンデンサホルダは、
筒状ないし環状の周縁部及び前記周縁部の一端を閉じる底部であり前記周縁部の軸と平行方向に沿って内面から外面に貫通するリード孔が少なくとも2箇所に設けられた底部とを備えるカップと、
前記カップの内側に保持された熱融着性接着剤と、
前記周縁部の軸に沿って前記底部の外面から突出する姿勢で前記底部に固定される金属製の棒状脚と
を備え、
ラジアルタイプのコンデンサのリードを前記リード孔に貫挿させた状態で前記熱融着性接着剤にて前記コンデンサの本体部に固定される
ことを特徴とする。
【0009】
請求項1記載のコンデンサホルダは、カップの底部に固定される金属製の棒状脚を備えているので、この棒状脚をプリント基板に設けた貫通孔に貫挿させて、プリント基板に装着できる。
【0010】
また、カップの底部にはリード孔が少なくとも2箇所に設けられているから、リード孔をプリント基板に設けた挿通孔と重ねるようにしてコンデンサホルダをプリント基板に装着しておけば、ラジアルタイプのコンデンサのリードをリード孔及び挿通孔に貫挿させて、コンデンサの本体部をカップに内嵌させることができる。
【0011】
このように、コンデンサホルダとコンデンサとを2段重ね状にしてプリント基板に装着してから、噴流半田装置にかける。
【0012】
すると、半田噴流によって加熱されて熱融着性接着剤が軟化するので、コンデンサの本体部とカップの内面とが熱融着性接着剤にて融着される。これと並行的に、コンデンサホルダは金属製の棒状脚がプリント基板に半田付けされ、またコンデンサはリードがプリント基板に半田付けされる。噴流半田装置から送り出されるころには、熱融着性接着剤が再固化してカップがコンデンサの本体部に固定され、また棒状脚及びリードの半田も固化してコンデンサホルダ及びコンデンサがプリント基板に固定されている。
【0013】
このように、コンデンサとコンデンサホルダとが熱融着性接着剤によって強固に結合し、またコンデンサ及びコンデンサホルダが銘々にプリント基板に半田付けされるので、コンデンサ本体とリードとの相対位置及びコンデンサ本体とプリント基板との相対位置が変化するのを防止でき、振動や衝撃によってコンデンサが傾いたり、コンデンサのリードが破断するのをきわめて良好に防ぐことができる。
【0014】
請求項2記載のコンデンサホルダは、前記棒状脚は金属製の基板部に立設され、前記基板部が前記底部に固定されていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサホルダであるから、棒状脚(基板部)を確実に底部に固定することができ、それによって請求項1の効果が向上する。
【0015】
請求項3記載のコンデンサホルダは、前記棒状脚を2本備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサホルダであるから、コンデンサホルダをプリント基板に固定したときの安定性が良くなり、それによって請求項1の効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1のコンデンサホルダの平面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)、A−A断面図(d)、B−B断面図(e)。
【図2】実施例1のコンデンサホルダの斜視図(a)、分解斜視図(b)。
【図3】実施例1のコンデンサホルダの使用状態を説明する斜視図(a)、分解斜視図(b)。
【図4】実施例1のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け前)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図5】実施例のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け後)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図6】変形例のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け前)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図7】変形例のコンデンサホルダ及びコンデンサをプリント基板に実装した状態(半田付け後)の平面図(a)、A−A断面図(b)、B−B断面図(c)。
【図8】実施例2のコンデンサホルダの斜視図(a)、分解斜視図(b)、コンデンサホルダをプリント基板に実装した状態の斜視図(c)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
[実施例1]
図1及び図2に示すように、本実施例のコンデンサホルダ1は、樹脂カップ2、融着部3及び金属部4にて構成されている。
【0018】
樹脂カップ2は、噴流半田付け時の加熱に耐えうる樹脂材料、例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、POM、ポリカーボネート、アクリル、PBT等の合成樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリエステル等の耐熱性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタンエポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂から選択された樹脂材料による成形品であり、本実施例では射出成形品である。
【0019】
樹脂カップ2は、円筒状の周縁部5と周縁部5の下端部を閉じる底部6からなる円形カップ状である。底部6には周縁部5の軸と平行方向に沿って内面から外面に貫通するリード孔7が2箇所に設けられている。また、底部6の下面側には凹陥部8が設けられている。
【0020】
融着部3は、噴流半田付け時の加熱によって溶融する熱融着性接着剤であり、例えば熱可塑性エラストマー(ウレタン系、エステル系、アミド系、スチレン系、オレフィン系等)や低密度ポリエチレン、ホットメルト等が用いられる。
【0021】
融着部3は、外形が樹脂カップ2の内法形状に整合するカップ状である。融着部3の底には穴3aが設けられていて、リード孔7の筒状部分7aが嵌合している。
【0022】
融着部3は、例えば塗布或いは射出成形にて樹脂カップ2の内側に設けられるが、個片にて成形したものをはめ付けてもよい。
【0023】
金属部4は半田付けに適した材質の板金製で、基板部9と一対の棒状脚10とからなっている。平板状の基板部9には、リード孔7の筒状部分7aと干渉するのを避けるためのU字状の切り込み9aが2箇所に設けられている。棒状脚10は基板部9に対して垂直(設計上である)に立設されている。
【0024】
そして、基板部9が樹脂カップ2(底部6)の凹陥部8に圧入されて、樹脂カップ2に固定されている。そのため、棒状脚10は、底部6に対して垂直に(周縁部5の軸に平行に)底部6から突出している。
【0025】
なお、底部6の中心(周縁部5の軸)を中心にして90度ピッチでリード孔7と棒状脚10とが交互に配されており、一対の棒状脚10(その中心線)と2つのリード孔7の中心軸は、相互に平行(設計上)である。
【0026】
本実施例のコンデンサホルダ1は棒状脚10をテープに貼り付けられた(ラジアルテーピングされた)荷姿にて出荷される。
【0027】
そして、図3〜5に示すように、ラジアルタイプのコンデンサ(以下、単にコンデンサという)12の2本のリード13をそれぞれリード孔7に貫挿させて、カシメ部12bが樹脂カップ2内になるように、コンデンサ12の本体部12aを樹脂カップ2に内嵌させる形態で使用される。
【0028】
詳細には、図4に示すように、まず棒状脚10をプリント基板20に設けた貫通孔21に貫挿させて、プリント基板20にコンデンサホルダ1を装着する。
【0029】
この作業は自動実装機を用いて行われ、自動実装機はラジアルテーピングされているコンデンサホルダ1をキャッチして、棒状脚10の先端部分を切断することでテープから離脱させる。続いて棒状脚10をプリント基板20の貫通孔21に貫挿させてから、その先端部分を図示のように約90度に折り曲げる。これでプリント基板20にコンデンサホルダ1が装着されるが、この段階では半田付けは行われない。なお、コンデンサホルダ1が装着されたときには、コンデンサホルダ1のリード孔7がプリント基板20に設けられている挿通孔22の上に重なる位置になる。
【0030】
次に、ラジアルテーピングされているコンデンサ12が自動実装機に供給され、自動実装機はコンデンサ12をキャッチして、リード13の先端部分を切断することでテープから離脱させる。続いてリード13をコンデンサホルダ1のリード孔7及びプリント基板20の挿通孔22に貫挿させて、コンデンサ12の本体部12aを樹脂カップ2に内嵌させて、リード13の先端部分を図示のように約90度に折り曲げる。これで図4に示す通り、コンデンサホルダ1と重なるようにして、コンデンサ12がプリント基板20が装着される。
【0031】
このようにコンデンサホルダ1とコンデンサ12とが装着されたプリント基板20を噴流半田装置に送り込んで噴流半田付けを行う。
【0032】
すると、半田噴流によって加熱されて融着部3(熱融着性接着剤)が軟化するので、コンデンサ12の本体部12aと樹脂カップ2の内面とが融着部3(熱融着性接着剤)にて融着される。この際に融着部3(熱融着性接着剤)を軟化させることにより、内嵌したときには残っていたコンデンサ12の本体部12aと融着部3との隙間を埋めることになる。これと並行的に、コンデンサホルダ1は金属製の棒状脚10がプリント基板20に半田付けされ、またコンデンサ12はリード13がプリント基板20に半田付けされる。噴流半田装置から送り出されるころには、融着部3(熱融着性接着剤)が再固化してコンデンサ12の本体部12aが樹脂カップ2に固定され、また棒状脚10及びリード13の半田23も固化してコンデンサホルダ1及びコンデンサ12がプリント基板20に固定されている(図5参照)。
【0033】
このように、コンデンサ12とコンデンサホルダ1とが熱融着性接着剤である融着部3によって強固に結合し、またコンデンサ12及びコンデンサホルダ1が銘々にプリント基板20に半田付けされるので、振動や衝撃によってコンデンサ12が傾いたり、コンデンサ12のリード13が破断するのをきわめて良好に防ぐことができる。
【0034】
本発明は熱融着性接着剤がコンデンサにある溝に入り込みしっかり固定できる。カップ型のホルダを使用しているので熱融着性接着剤が軟化してもプリント基板の面に広がりだして行かず、コンデンサ本体部の周辺にとどまらせることが可能となっている。これにより従来技術より熱融着性接着剤が樹脂カップ部と密着する面積が増え、より強固に結合させることが可能になった。
【0035】
融着部3(熱融着性接着剤)の樹脂カップ2内への充填量は、図5に示すように、溶融した融着部3の一部がカシメ部12bに進入する量にされており、固化した融着部3がカシメ部12bを係止する状態になるので、コンデンサ12とコンデンサホルダ1との融着部3による結合がより強固になっており、振動や衝撃に対する上述の効果を向上させている。
【0036】
また、コンデンサホルダ1は、棒状脚10は金属製の基板部9に立設され、基板部9を凹陥部8に圧入することで底部6に固定されているから、棒状脚10(基板部9)を確実に底部6に固定することができ、それによって振動や衝撃に対する上述の効果が向上する。
【0037】
しかも、コンデンサホルダ1は、棒状脚10を2本備えており、上記のようにコンデンサ12と共にプリント基板20に実装したときには、棒状脚10とコンデンサ12のリード13とが、ちょうど正方形の各角に位置するように配置されているので、コンデンサホルダ1及びコンデンサ12をプリント基板20に固定したときの安定性が良くなり、それによって振動や衝撃に対する上述の効果が向上する。
【0038】
コンデンサホルダをプリント基板に固定する方法として、金属リードを用いたので、合成樹脂で作られたスナップフィット型の固定機構を用いたのとは異なり、コンデンサをプリント基板に実装するのと同じ実装機にて本発明品を実装することができる。
[熱融着性接着剤の充填量の変形例]
融着部3(熱融着性接着剤)の樹脂カップ2内への充填量は、コンデンサ12の本体部12aが樹脂カップ2に固定される限りは、上記の例(図4、図5)よりも少なくてもよい。その一例を図6、図7に示す。
【0039】
融着部3(熱融着性接着剤)の樹脂カップ2内への充填量は、コンデンサ12の下端部12cと樹脂カップ2の底部6とが融着部3によって結合されるに十分であればよく、図7に示すように溶融(再固化)した融着部3(熱融着性接着剤)が底部6(リード孔7の筒状部分7aは除く)を覆い尽くすに十分であればよい。
[実施例2]
実施例1では金属部4の基板部9を底部6の下面に設けられた凹陥部8に圧入することで金属部4を樹脂カップ2に固定しているが、図8に示すように、底部6の内面に凹陥部8aを設けて、また棒状脚10を通すための穴8bを設けて、基板部9を底部6の内面側に圧入して金属部4を樹脂カップ2に固定することもできる。
【0040】
コンデンサホルダ1を実施例2のように構成しても、実施例1と同様に使用でき、実施例1と同様の効果が得られる。
【0041】
また、金属部4(特に基板部9)が融着部3(熱融着性接着剤)に直接接触するので、噴流半田付け時には、半田の熱が金属部4経由で融着部3(熱融着性接着剤)に効率よく伝導されるから、融着部3(熱融着性接着剤)が速やかに軟化(溶融)する。
【0042】
しかも、樹脂カップ2の下端部に切欠24が設けてあり、コンデンサホルダ1をプリント基板20に実装したときには、図8(c)のように切欠24とプリント基板20の表面との間に隙間ができ、これがが通気口として機能するので、半田付け後の冷却効率が良くなる。
【符号の説明】
【0043】
1・・・コンデンサホルダ、
2・・・樹脂カップ、
3・・・融着部、
4・・・金属部、
5・・・周縁部、
6・・・底部、
7・・・リード孔、
8、8a・・・凹陥部、
9・・・基板部、
10・・・棒状脚、
12・・・コンデンサ、
12a・・・本体部、
12b・・・カシメ部、
12c・・・下端部、
13・・・リード、
20・・・プリント基板、
21・・・貫通孔、
22・・・挿通孔、
23・・・半田。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状ないし環状の周縁部及び前記周縁部の一端を閉じる底部であり前記周縁部の軸と平行方向に沿って内面から外面に貫通するリード孔が少なくとも2箇所に設けられた底部とを備えるカップと、
前記カップの内側に保持された熱融着性接着剤と、
前記周縁部の軸に沿って前記底部の外面から突出する姿勢で前記底部に固定される金属製の棒状脚と
を備え、
ラジアルタイプのコンデンサのリードを前記リード孔に貫挿させた状態で前記熱融着性接着剤にて前記コンデンサの本体部に固定される
ことを特徴とするコンデンサホルダ。
【請求項2】
前記棒状脚は金属製の基板部に立設され、前記基板部が前記底部に固定されている
ことを特徴とする請求項1記載のコンデンサホルダ。
【請求項3】
前記棒状脚を2本備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサホルダ。
【請求項1】
筒状ないし環状の周縁部及び前記周縁部の一端を閉じる底部であり前記周縁部の軸と平行方向に沿って内面から外面に貫通するリード孔が少なくとも2箇所に設けられた底部とを備えるカップと、
前記カップの内側に保持された熱融着性接着剤と、
前記周縁部の軸に沿って前記底部の外面から突出する姿勢で前記底部に固定される金属製の棒状脚と
を備え、
ラジアルタイプのコンデンサのリードを前記リード孔に貫挿させた状態で前記熱融着性接着剤にて前記コンデンサの本体部に固定される
ことを特徴とするコンデンサホルダ。
【請求項2】
前記棒状脚は金属製の基板部に立設され、前記基板部が前記底部に固定されている
ことを特徴とする請求項1記載のコンデンサホルダ。
【請求項3】
前記棒状脚を2本備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のコンデンサホルダ。
【図2】
【図3】
【図8】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図3】
【図8】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2010−177348(P2010−177348A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16782(P2009−16782)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000242231)北川工業株式会社 (268)
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