コンバインの唐箕構造
【目的】 風選別性能を向上させることのできる唐箕構造を提供すること。
【構成】 ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続した。
【構成】 ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続した。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインの唐箕構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバインは、刈取った穀稈を穀稈横搬送供給体としてのフィードチェンにより横臥状態にて後方へ搬送しながら穂先側部を脱穀部内にて移動させて、同脱穀部の扱胴により脱穀し、脱穀された穀粒は、扱胴の直下方位置に配設した揺動選別部により揺動選別するようにしている。
【0003】そして、揺動選別部の前側下方位置には唐箕を設けて、同唐箕により揺動選別部を通して落下してくるちりや籾を風選別することができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した唐箕は、横断流ファンで、機体の前方より吸気して後方に風を送るようにしているために、フィードチェンにより搬送される穀稈から落ちてくるちり等を吸込んで、そのまま選別用の風として供給することがあり、選別不良の原因となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続したことを特徴とするコンバインの唐箕構造を提供せんとするものである。
【0006】また、本発明は、シロッコファンの左右側吸気口の吸気量は、機体の一側方位置に設けた穀稈横搬送供給体の反対側に位置する方が大きくなるように設定したことにも特徴を有する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0008】図1に示すAは、本発明に係る刈取クラッチ装置35を具備するコンバインであり、同コンバインAは、クロ−ラ式の走行部2により走行可能とした機体1上の左側に脱穀部3と選別部4とを設けると共に、その前方に刈取部5を昇降可能に取付ける一方、機体1上の右側前部に運転部7を設け、その直下方に原動機部8を配設し、その直後方に穀粒タンク9を配設し、最後部に排藁処理部10を配設している。
【0009】そして、脱穀部3は、図1及び図4に示すように、軸線を前後方向に向けて扱胴11を回転自在に軸架し、同扱胴11の右側後方位置に、軸線を前後方向に向けて二番処理胴12を回転自在に軸架して、扱胴11と二番処理胴12とを平面視にて左右幅方向に略平行に配置している。
【0010】選別部4は、図1に示すように、揺動選別盤13と、唐箕14と一番樋15及び一番コンベア16と二番樋18及び二番コンベア19とから構成している。
【0011】刈取部5は、図1〜図3に示すように、機体1の前部に刈取フレーム20の後端を上下回動自在に枢支すると共に、昇降油圧シリンダ21により上下昇降自在とし、同刈取フレーム20に前端より後端に向けて順次、分草板22と、第一引起し体23と、第二引起し体24と、刈刃25と、掻込み体26と、縦搬送体27とを取付けている。
【0012】このようにして、分草板22により穀稈を分草し、第一引起し体23により左右幅方向に倒伏した穀稈を引起すと共に、第二引起し体24により前後方向に倒伏した穀稈を引起し、掻込み体26により穀稈を直後方へ掻込みながら、刈刃25により穀稈の根元部を切断し、縦搬送体27により刈取った穀稈を後上方へ起立状態から横臥状態に姿勢を変更させながら搬送し、機体1の左側上部に設けた穀稈横搬送供給体28により脱穀部3内に穂先部を供給して、脱穀部3の扱胴11の下側周面に沿わせて後方へ横搬送しながら、扱胴11により脱穀するようにしている。
【0013】運転部7は、図1に示すように、機体1の右側前部にレバースタンド30を設け、同レバースタンド30に操作レバー31を取付け、同操作レバー31の直後方位置に座席32を配置し、同座席32の左側方位置に刈取クラッチレバー33を配置している。
【0014】原動機部8は、図1に示すように、座席32の直下方位置に配置して、同原動機部8により走行部2、脱穀部3、選別部4、刈取部5、及び排藁処理部10をそれぞれ作動可能としている。
【0015】すなわち、原動機部8は、図1、図2及び図4に示すように、エンジン8aの出力軸8bと、走行部2の駆動輪2aの駆動軸2bとを走行用伝動ベルト95によりプーリー62,96 を介して連動連結している。97は走行駆動用ギヤケースである。
【0016】また、図1に示すように、出力軸8bとその上方位置に横架したカウンター軸60とを連動ベルト61によりプーリー62,63 を介して連動連結し、同カウンター軸60とその下方位置に横架した伝動軸64とを第1伝動ベルト65によりプーリー66,67を介して連動連結して、同伝動軸64より刈取部5、脱穀部3、選別部4、及び排藁処理部10に動力を伝達可能としている。79,80 はそれぞれテンションプーリーである。
【0017】伝動軸64は、図1〜図3に示すように、刈取部5の入力軸5aと刈取用伝動ベルト68によりプーリー67,69 を介して連動連結し、同プーリー60と刈刃25とを刈刃駆動機構70を介して連動連結する一方、左側方へ伸延させた伝動軸64の左側端部に取付けた伝動プーリー71と、唐箕駆動用プーリー72と、選別部駆動用プーリー73と、一番コンベア駆動用プーリー74との間に第2伝動ベルト75を巻回して連動連結している。76は唐箕支軸、77は選別駆動軸、78はテンションプーリーである。
【0018】さらに、図1に示すように、選別部駆動用プーリー73と、排藁処理部10の吸引ファン駆動用プーリー81と回転刃駆動用プーリー54との間には第3伝動ベルト82を巻回して連動連結している。83はテンションプーリーである。
【0019】また、選別部駆動軸77は、二番コンベア駆動軸(図示せず)とも伝動ベルト(図示せず)により連動連結している。
【0020】上記のような構成において、本発明の要旨は、唐箕14の構造にあり、以下に図4を参照しながら説明する。
【0021】すなわち、本発明では、図4に示すように、唐箕14としてシロッコファンを用いており、同シロッコファン14は、ファンケーシング35内に軸線を左右幅方向に向けて横架し、同シロッコファン14の左右側吸気口14a,14b にそれぞれ吸気流路36の終端を連通させている。
【0022】そして、吸気流路36は、図4に示すように、機体1の右側前部に設けてラジエータ8cを空冷するための空気取入部90に始端を連通させると共に、終端をシロッコファン14の右側吸気口14b と、ファンケーシング35の前壁35a 及び左側壁35bの前部にそれぞれ沿わせて形成した左側分流用吸気流路36a とにそれぞれ連通させ、同左側分流用吸気流路36a に左側吸気口14a を連通させている。37は、左側分流用吸気流路36a を形成する分流用吸気流路形成ダクトである。
【0023】このようにして、吸気流路36は、機体1の右側前部に形成した空気取入部90に始端を連通させて、きれいな空気を取入れ可能とし、同吸気流路36を通してきれいな空気をシロッコファン14の右側吸気口14b に供給すると共に、左側分流用吸気流路36a を通してシロッコファン14の左側吸気口14a に供給することができるようにして、これらのきれいな供給空気を選別用風として選別部4に送ることにより、選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0024】しかも、シロッコファン14の左右側吸気口14a,14b の吸気量は、機体1の左側方位置に設けた穀稈横搬送供給体28の反対側に位置する右側吸気口14b の方が左側吸気口14a よりも大きくなるように設定している。
【0025】このようにして、揺動選別盤13を通して落下してくるちりや籾は、穀稈横搬送供給体28とは反対側、すなわち、右側に片寄って落下してくるが、吸気量に比例して選別風量が大きくなるために、シロッコファン14の左側半部14c よりも右側半部14d の選別風量が大きくなって、右側に片寄って落下してくるちりや籾を確実に風選別することができて、選別性能を良好に確保することができる。
【0026】図5は、第2実施例としての唐箕構造を示しており、ファンケーシング35の右側壁35c の前部に風量調節板40を前後摺動自在に取付けて、シロッコファン14の右側吸気口14b と左側分流用吸気流路36a の始端部36b とを部分的に閉塞可能としている。40a は風量調節板支持兼調節部である。
【0027】このようにして、風量調節板40を、例えば、前方へ摺動させると、同風量調節板40の前端部40b により左側分流用吸気流路36a の始端部36b を部分的に閉塞させて、同始端部36b からの吸気量を減少させることができる一方、風量調節板40の後端部40c により部分的に閉塞されているシロッコファン14の右側吸気口14bの開口面積を増大させて、同右側吸気口14b からの吸気量を増大させることができるようにしている。
【0028】従って、この場合には、シロッコファン14の左側半部14c からの選別風量よりも右側半部14d からの選別風量を相対的に増大させることができて、風選別性能を良好に確保することができる。
【0029】上記のように、風量調節板40を前後方向へ任意に摺動調節することにより、シロッコファン14の左側半部14c と右側半部14d の選別風量を任意に調節することができるようにしている。
【0030】図6は、第3実施例としての唐箕構造を示しており、ファンケーシング35の左側壁35b の前部に風量調節体41を左右揺動自在に取付けて、左側分流用吸気流路36a の終端部36c を部分的に閉塞可能としている。41a は風量調節体枢支兼調節部である。
【0031】このようにして、風量調節体41をファンケーシング35の左側壁35b に面接触させた位置から左側方へ回動させて、左側分流用吸気流路36a の終端部36c を部分的に閉塞することにより、シロッコファン14の左側吸気口14a からの吸気量を減少させて、シロッコファン14の左側半部14a からの選別風量よりも右側半部14bからの選別風量を増大させることができて、風選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0032】図7及び図8は、第4実施例としての唐箕構造を示しており、シロッコファン14の左側吸気口14a に、吸気流路38の終端を連通させ、同吸気流路38を機体1の左側壁1aに沿わせて後上方へ向けて伸延させて、始端を外気に連通させている。39は、吸気流路38を形成する吸気流路形成ダクトであり、39a は同ダクト39の後端開口部に形成した空気取入部である。
【0033】このようにして、吸気流路38は、機体1の左側後上部に形成した空気取入部39a に始端を連通させて、きれいな空気を取入れ可能とし、同吸気流路38を通してきれいな空気をシロッコファン14の左側吸気口14a に供給することができるようにして、このきれいな供給空気を選別用風として選別部4に送ることにより、選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0034】図9は、第5実施例としての唐箕構造を示しており、上記第4実施例と基本構造を同様に構成すると共に、吸気流路38の終端をシロッコファン14の左側吸気口14a と、ファンケーシング35の前壁35a 及び右側壁35c の前部とにそれぞれ沿わせて形成した右側分流用吸気流路38a とにそれぞれ連通させ、同右側分流用吸気流路38a に右側吸気口14b を連通させている。91は、右側分流用吸気流路38a を形成する分流用吸気流路形成ダクトである。
【0035】このようにして、吸気流路38は、機体1の左側後上部に形成した空気取入部39a に始端を連通させて、これいな空気を取入れ可能とし、同吸気流路38を通してきれいな空気をシロッコファン14の左側吸気口14a に供給すると共に、右側分流用吸気流路38a を通してシロッコファン14の右側吸気口14b に供給することができるようにして、これらのきれいな供給空気を選別用風として選別部4に送ることにより、選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0036】図10は、排藁処理部10を示しており、45は排藁チェン、46は吸引ファン、46a は吸引ファン駆動軸、47は吸引ファンケース、48は、排藁切断用の回転刃、49は、回転刃48に対向配置したローラ、50は回転刃駆動軸、51はガイドプーリー、52は排藁放出口である。
【0037】そして、図4及び図11に示すように、回転刃48は、排藁処理ケーシング56の左右側壁56a,56a 間に横架した回転刃駆動軸50に、左右幅方向に一定の間隔を開けて複数個取付けており、回転刃駆動軸50の前上方に位置する排藁処理ケーシング56の左右側壁56a,56a の部分にローラ支軸57を横架し、同ローラ支軸57に複数個のローラ49を後部が左右に隣接する回転刃48間に位置するように配置して、回転刃48を回転させることにより、同回転刃48とローラ49との間で排藁を切断することができるようにしている。
【0038】このようにして、ローラ49を回転させるための駆動系をなくすことにより、騒音と振動の低減化、排藁処理部10の構造の簡易化、及び排藁処理部10のコンパクト化を図ることができるようにしている。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0040】すなわち、本発明では、ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続しているために、例えば、空気取入部を穀稈横搬送供給体から離れた位置で、きれいな空気を取入れることができる位置に配置することにより、シロッコファンの左右側吸気口よりそれぞれきれいな空気を吸入して、選別用風として供給することができて、選別性能を良好に確保することができる。
【0041】また、シロッコファンの左右側吸気口の吸気量は、機体の一側方位置に設けた穀稈横搬送供給体の反対側に位置する方が大きくなるように設定した場合には、吸気量に比例して風量も大きくなるために、穀稈横搬送供給体側とは反対側に片寄って揺動選別盤を通して落下してくるちりや籾を確実に風選別することができて、選別性能を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る唐箕構造を具備するコンバインの側面図。
【図2】刈取部の平面説明図。
【図3】同刈取部の正面説明図。
【図4】唐箕構造の平面説明図。
【図5】第2実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図6】第3実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図7】第4実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図8】同唐箕構造の傾斜説明図。
【図9】第5実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図10】排藁処理部の側面説明図。
【図11】同排藁処理部の一部平面説明図。
【符号の説明】
A コンバイン
1 機体
2 走行部
3 脱穀部
4 選別部
5 刈取部
7 運転部
8 原動機部
10 排藁処理部
14 シロッコファン
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンバインの唐箕構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバインは、刈取った穀稈を穀稈横搬送供給体としてのフィードチェンにより横臥状態にて後方へ搬送しながら穂先側部を脱穀部内にて移動させて、同脱穀部の扱胴により脱穀し、脱穀された穀粒は、扱胴の直下方位置に配設した揺動選別部により揺動選別するようにしている。
【0003】そして、揺動選別部の前側下方位置には唐箕を設けて、同唐箕により揺動選別部を通して落下してくるちりや籾を風選別することができるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した唐箕は、横断流ファンで、機体の前方より吸気して後方に風を送るようにしているために、フィードチェンにより搬送される穀稈から落ちてくるちり等を吸込んで、そのまま選別用の風として供給することがあり、選別不良の原因となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続したことを特徴とするコンバインの唐箕構造を提供せんとするものである。
【0006】また、本発明は、シロッコファンの左右側吸気口の吸気量は、機体の一側方位置に設けた穀稈横搬送供給体の反対側に位置する方が大きくなるように設定したことにも特徴を有する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0008】図1に示すAは、本発明に係る刈取クラッチ装置35を具備するコンバインであり、同コンバインAは、クロ−ラ式の走行部2により走行可能とした機体1上の左側に脱穀部3と選別部4とを設けると共に、その前方に刈取部5を昇降可能に取付ける一方、機体1上の右側前部に運転部7を設け、その直下方に原動機部8を配設し、その直後方に穀粒タンク9を配設し、最後部に排藁処理部10を配設している。
【0009】そして、脱穀部3は、図1及び図4に示すように、軸線を前後方向に向けて扱胴11を回転自在に軸架し、同扱胴11の右側後方位置に、軸線を前後方向に向けて二番処理胴12を回転自在に軸架して、扱胴11と二番処理胴12とを平面視にて左右幅方向に略平行に配置している。
【0010】選別部4は、図1に示すように、揺動選別盤13と、唐箕14と一番樋15及び一番コンベア16と二番樋18及び二番コンベア19とから構成している。
【0011】刈取部5は、図1〜図3に示すように、機体1の前部に刈取フレーム20の後端を上下回動自在に枢支すると共に、昇降油圧シリンダ21により上下昇降自在とし、同刈取フレーム20に前端より後端に向けて順次、分草板22と、第一引起し体23と、第二引起し体24と、刈刃25と、掻込み体26と、縦搬送体27とを取付けている。
【0012】このようにして、分草板22により穀稈を分草し、第一引起し体23により左右幅方向に倒伏した穀稈を引起すと共に、第二引起し体24により前後方向に倒伏した穀稈を引起し、掻込み体26により穀稈を直後方へ掻込みながら、刈刃25により穀稈の根元部を切断し、縦搬送体27により刈取った穀稈を後上方へ起立状態から横臥状態に姿勢を変更させながら搬送し、機体1の左側上部に設けた穀稈横搬送供給体28により脱穀部3内に穂先部を供給して、脱穀部3の扱胴11の下側周面に沿わせて後方へ横搬送しながら、扱胴11により脱穀するようにしている。
【0013】運転部7は、図1に示すように、機体1の右側前部にレバースタンド30を設け、同レバースタンド30に操作レバー31を取付け、同操作レバー31の直後方位置に座席32を配置し、同座席32の左側方位置に刈取クラッチレバー33を配置している。
【0014】原動機部8は、図1に示すように、座席32の直下方位置に配置して、同原動機部8により走行部2、脱穀部3、選別部4、刈取部5、及び排藁処理部10をそれぞれ作動可能としている。
【0015】すなわち、原動機部8は、図1、図2及び図4に示すように、エンジン8aの出力軸8bと、走行部2の駆動輪2aの駆動軸2bとを走行用伝動ベルト95によりプーリー62,96 を介して連動連結している。97は走行駆動用ギヤケースである。
【0016】また、図1に示すように、出力軸8bとその上方位置に横架したカウンター軸60とを連動ベルト61によりプーリー62,63 を介して連動連結し、同カウンター軸60とその下方位置に横架した伝動軸64とを第1伝動ベルト65によりプーリー66,67を介して連動連結して、同伝動軸64より刈取部5、脱穀部3、選別部4、及び排藁処理部10に動力を伝達可能としている。79,80 はそれぞれテンションプーリーである。
【0017】伝動軸64は、図1〜図3に示すように、刈取部5の入力軸5aと刈取用伝動ベルト68によりプーリー67,69 を介して連動連結し、同プーリー60と刈刃25とを刈刃駆動機構70を介して連動連結する一方、左側方へ伸延させた伝動軸64の左側端部に取付けた伝動プーリー71と、唐箕駆動用プーリー72と、選別部駆動用プーリー73と、一番コンベア駆動用プーリー74との間に第2伝動ベルト75を巻回して連動連結している。76は唐箕支軸、77は選別駆動軸、78はテンションプーリーである。
【0018】さらに、図1に示すように、選別部駆動用プーリー73と、排藁処理部10の吸引ファン駆動用プーリー81と回転刃駆動用プーリー54との間には第3伝動ベルト82を巻回して連動連結している。83はテンションプーリーである。
【0019】また、選別部駆動軸77は、二番コンベア駆動軸(図示せず)とも伝動ベルト(図示せず)により連動連結している。
【0020】上記のような構成において、本発明の要旨は、唐箕14の構造にあり、以下に図4を参照しながら説明する。
【0021】すなわち、本発明では、図4に示すように、唐箕14としてシロッコファンを用いており、同シロッコファン14は、ファンケーシング35内に軸線を左右幅方向に向けて横架し、同シロッコファン14の左右側吸気口14a,14b にそれぞれ吸気流路36の終端を連通させている。
【0022】そして、吸気流路36は、図4に示すように、機体1の右側前部に設けてラジエータ8cを空冷するための空気取入部90に始端を連通させると共に、終端をシロッコファン14の右側吸気口14b と、ファンケーシング35の前壁35a 及び左側壁35bの前部にそれぞれ沿わせて形成した左側分流用吸気流路36a とにそれぞれ連通させ、同左側分流用吸気流路36a に左側吸気口14a を連通させている。37は、左側分流用吸気流路36a を形成する分流用吸気流路形成ダクトである。
【0023】このようにして、吸気流路36は、機体1の右側前部に形成した空気取入部90に始端を連通させて、きれいな空気を取入れ可能とし、同吸気流路36を通してきれいな空気をシロッコファン14の右側吸気口14b に供給すると共に、左側分流用吸気流路36a を通してシロッコファン14の左側吸気口14a に供給することができるようにして、これらのきれいな供給空気を選別用風として選別部4に送ることにより、選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0024】しかも、シロッコファン14の左右側吸気口14a,14b の吸気量は、機体1の左側方位置に設けた穀稈横搬送供給体28の反対側に位置する右側吸気口14b の方が左側吸気口14a よりも大きくなるように設定している。
【0025】このようにして、揺動選別盤13を通して落下してくるちりや籾は、穀稈横搬送供給体28とは反対側、すなわち、右側に片寄って落下してくるが、吸気量に比例して選別風量が大きくなるために、シロッコファン14の左側半部14c よりも右側半部14d の選別風量が大きくなって、右側に片寄って落下してくるちりや籾を確実に風選別することができて、選別性能を良好に確保することができる。
【0026】図5は、第2実施例としての唐箕構造を示しており、ファンケーシング35の右側壁35c の前部に風量調節板40を前後摺動自在に取付けて、シロッコファン14の右側吸気口14b と左側分流用吸気流路36a の始端部36b とを部分的に閉塞可能としている。40a は風量調節板支持兼調節部である。
【0027】このようにして、風量調節板40を、例えば、前方へ摺動させると、同風量調節板40の前端部40b により左側分流用吸気流路36a の始端部36b を部分的に閉塞させて、同始端部36b からの吸気量を減少させることができる一方、風量調節板40の後端部40c により部分的に閉塞されているシロッコファン14の右側吸気口14bの開口面積を増大させて、同右側吸気口14b からの吸気量を増大させることができるようにしている。
【0028】従って、この場合には、シロッコファン14の左側半部14c からの選別風量よりも右側半部14d からの選別風量を相対的に増大させることができて、風選別性能を良好に確保することができる。
【0029】上記のように、風量調節板40を前後方向へ任意に摺動調節することにより、シロッコファン14の左側半部14c と右側半部14d の選別風量を任意に調節することができるようにしている。
【0030】図6は、第3実施例としての唐箕構造を示しており、ファンケーシング35の左側壁35b の前部に風量調節体41を左右揺動自在に取付けて、左側分流用吸気流路36a の終端部36c を部分的に閉塞可能としている。41a は風量調節体枢支兼調節部である。
【0031】このようにして、風量調節体41をファンケーシング35の左側壁35b に面接触させた位置から左側方へ回動させて、左側分流用吸気流路36a の終端部36c を部分的に閉塞することにより、シロッコファン14の左側吸気口14a からの吸気量を減少させて、シロッコファン14の左側半部14a からの選別風量よりも右側半部14bからの選別風量を増大させることができて、風選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0032】図7及び図8は、第4実施例としての唐箕構造を示しており、シロッコファン14の左側吸気口14a に、吸気流路38の終端を連通させ、同吸気流路38を機体1の左側壁1aに沿わせて後上方へ向けて伸延させて、始端を外気に連通させている。39は、吸気流路38を形成する吸気流路形成ダクトであり、39a は同ダクト39の後端開口部に形成した空気取入部である。
【0033】このようにして、吸気流路38は、機体1の左側後上部に形成した空気取入部39a に始端を連通させて、きれいな空気を取入れ可能とし、同吸気流路38を通してきれいな空気をシロッコファン14の左側吸気口14a に供給することができるようにして、このきれいな供給空気を選別用風として選別部4に送ることにより、選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0034】図9は、第5実施例としての唐箕構造を示しており、上記第4実施例と基本構造を同様に構成すると共に、吸気流路38の終端をシロッコファン14の左側吸気口14a と、ファンケーシング35の前壁35a 及び右側壁35c の前部とにそれぞれ沿わせて形成した右側分流用吸気流路38a とにそれぞれ連通させ、同右側分流用吸気流路38a に右側吸気口14b を連通させている。91は、右側分流用吸気流路38a を形成する分流用吸気流路形成ダクトである。
【0035】このようにして、吸気流路38は、機体1の左側後上部に形成した空気取入部39a に始端を連通させて、これいな空気を取入れ可能とし、同吸気流路38を通してきれいな空気をシロッコファン14の左側吸気口14a に供給すると共に、右側分流用吸気流路38a を通してシロッコファン14の右側吸気口14b に供給することができるようにして、これらのきれいな供給空気を選別用風として選別部4に送ることにより、選別性能を良好に確保することができるようにしている。
【0036】図10は、排藁処理部10を示しており、45は排藁チェン、46は吸引ファン、46a は吸引ファン駆動軸、47は吸引ファンケース、48は、排藁切断用の回転刃、49は、回転刃48に対向配置したローラ、50は回転刃駆動軸、51はガイドプーリー、52は排藁放出口である。
【0037】そして、図4及び図11に示すように、回転刃48は、排藁処理ケーシング56の左右側壁56a,56a 間に横架した回転刃駆動軸50に、左右幅方向に一定の間隔を開けて複数個取付けており、回転刃駆動軸50の前上方に位置する排藁処理ケーシング56の左右側壁56a,56a の部分にローラ支軸57を横架し、同ローラ支軸57に複数個のローラ49を後部が左右に隣接する回転刃48間に位置するように配置して、回転刃48を回転させることにより、同回転刃48とローラ49との間で排藁を切断することができるようにしている。
【0038】このようにして、ローラ49を回転させるための駆動系をなくすことにより、騒音と振動の低減化、排藁処理部10の構造の簡易化、及び排藁処理部10のコンパクト化を図ることができるようにしている。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0040】すなわち、本発明では、ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続しているために、例えば、空気取入部を穀稈横搬送供給体から離れた位置で、きれいな空気を取入れることができる位置に配置することにより、シロッコファンの左右側吸気口よりそれぞれきれいな空気を吸入して、選別用風として供給することができて、選別性能を良好に確保することができる。
【0041】また、シロッコファンの左右側吸気口の吸気量は、機体の一側方位置に設けた穀稈横搬送供給体の反対側に位置する方が大きくなるように設定した場合には、吸気量に比例して風量も大きくなるために、穀稈横搬送供給体側とは反対側に片寄って揺動選別盤を通して落下してくるちりや籾を確実に風選別することができて、選別性能を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る唐箕構造を具備するコンバインの側面図。
【図2】刈取部の平面説明図。
【図3】同刈取部の正面説明図。
【図4】唐箕構造の平面説明図。
【図5】第2実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図6】第3実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図7】第4実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図8】同唐箕構造の傾斜説明図。
【図9】第5実施例としての唐箕構造の平面説明図。
【図10】排藁処理部の側面説明図。
【図11】同排藁処理部の一部平面説明図。
【符号の説明】
A コンバイン
1 機体
2 走行部
3 脱穀部
4 選別部
5 刈取部
7 運転部
8 原動機部
10 排藁処理部
14 シロッコファン
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続したことを特徴とするコンバインの唐箕構造。
【請求項2】 シロッコファンの左右側吸気口の吸気量は、機体の一側方位置に設けた穀稈横搬送供給体の反対側に位置する方が大きくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの唐箕構造。
【請求項1】 ファンケーシング内に、唐箕としてのシロッコファンを軸線を左右幅方向に向けて取付け、同シロッコファンの左右側吸気口にそれぞれ連通する吸気流路を、機体の少なくとも左右いずれか一側部に設けた空気取入部に接続したことを特徴とするコンバインの唐箕構造。
【請求項2】 シロッコファンの左右側吸気口の吸気量は、機体の一側方位置に設けた穀稈横搬送供給体の反対側に位置する方が大きくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの唐箕構造。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図10】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【図2】
【図5】
【図6】
【図10】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図11】
【図9】
【公開番号】特開平7−170845
【公開日】平成7年(1995)7月11日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−320235
【出願日】平成5年(1993)12月20日
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【公開日】平成7年(1995)7月11日
【国際特許分類】
【出願日】平成5年(1993)12月20日
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
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