説明

コンバインの排藁集束装置

【課題】コンバインの機体後部に省スペースにて容易に組み付けることが可能な排藁集束装置を提供する。
【解決手段】脱穀後に後方に搬送され、機体後部の排藁搬出口から排出される排藁を、所定量ずつ集束するコンバイン1の排藁集束装置10において、該排藁集束装置10は、上側杆12と、該上側杆12を回動する回動駆動手段(電動モータ31)と、下側杆11と、を備え、前記上側杆12は、側面視略「く」字状に構成してその上部を前記排藁排出口の後上部に配置し、下部は後方が膨らむように形成して前記コンバイン1の機体後下部まで延設し、前記下側杆11は、側面視で前記上側杆12の下先端部と交差するように、前記コンバイン1の機体下部後端から後斜め下方へ突設し、前記電動モータ31は、前記コンバイン1の機体後上部に配設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの機体後部において、脱穀後に排藁搬送装置によって搬送されてくる排藁を所定量ごとに集束して、外部に排出する排藁集束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインの機体後部において、排藁搬送装置によって搬送されてくる排藁を所定量ごとに集束して、前記コンバインの機体外部に排出する排藁集束装置は周知となっている。前記排藁集束装置には、排藁搬送装置によって搬送されてくる排藁を受け止める集束杆(下側杆)と、該下側杆の後方に配置されて該排藁を下側杆に向けて案内し、且つ、該下側杆上に集積した排藁の落下を防止する案内杆(上側杆)と、が具備されている。
【0003】
これら下側杆、及び、上側杆は各々機体後部において、上下方向に回動可能に支持し、且つ、バネで付勢することで、前記下側杆、及び、上側杆は互いに交差する排藁集束位置まで回動するような構造となっている。そして、これら下側杆、及び、上側杆は、該下側杆上に排藁を集束し、排藁の集束重量が所定重量となると、前記下側杆と上側杆はバネに抗して互いに離れるように、機体後方を向く排出位置まで回動し、前記下側杆上の排藁を所定量の排藁束として地面上に所定間隔ごとに排出するように構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
このような構造からなる排藁集束装置においては、下側杆を略水平方向を向くように維持して排藁の重量で下方に回動し、該下側杆のみで排藁搬送装置から搬送されてくる排藁を受け止めるように構成されていたため、下側杆と上側杆との間に集束される排藁の荷重が全て下側杆にかかる結果、該排藁の荷重全てをバネ力で支えることになり、バネが伸びたりして耐久性の低下を招く恐れがあった。
【0005】
また、コンバインの大型化や刈取脱穀作業時における走行速度の上昇により単位時間あたりの収穫量が多くなり、それに伴って排藁搬送装置によって搬送される排藁の単位時間あたりの排藁量も多くなると、下側杆と上側杆とが排出位置から集束位置に回動して戻ると即座に予め設定された排藁の所定重量に達し、または、集束位置まで完全に戻らないうちに下側杆上の排藁の集束重量が前記所定重量に達して、排藁が絶え間なく排出されるようなことが生じる。このように排出された排藁が切れ目なく地面上に大きく広がると、束として集める時に境目が判りづらいために束の大きさがバラバラとなり、分離するための手間も増加していた。
【0006】
そこで、このような問題点を改良点するべく、排藁集束装置の技術が公知となっている(例えば、特許文献2を参照)。前記特許文献2によれば、排藁集束装置に具備される集束杆(下側杆)、及び、案内杆(上側杆)は伴に、電動モータ等からなる回動駆動手段によって回動駆動される構造となっており、且つ、下側杆と上側杆とが交差して閉じた集束状態の時に、水平面に対する下側杆の角度を後下がりの鋭角とし、水平面に対する上側杆の角度を前下がりの鋭角となるようにして、前記排藁集束装置を構成する技術が公開されている。
【0007】
この前記特許文献2に示す排藁集束装置であれば、下側杆と上側杆との回動駆動手段はバネに代わって電動モータ等により行うため、下側杆に設けたバネが伸びたりして、集束した排藁が所定量に達する前に落下することはない。また、前記電動モータの回動動作に関するタイミングを制御手段によって容易に設定変更することができるため、集束位置まで完全に戻らないうちに下側杆上の排藁の集束重量が前記所定重量に達して、排藁が絶え間なく排出されるようなこともない。
【特許文献1】実開昭63−2439号公報
【特許文献2】特開2006−325412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前記特許文献2に示す排藁集束装置においては、下側杆と上側杆の双方を回動させるため、回動駆動手段に具備されるリンク機構は複雑になり、又、電動モータ等によるアクチュエータについても相当の容量が必要となり、排藁集束装置全体として小型化を図ることが難しく、コンバインの機体後部において前記排藁集束装置の組み付けスペースの確保が困難であった。
【0009】
そこで、本発明は、脱穀後の排藁を所定量ごとに集束するコンバインの排藁集束装置において、該コンバインの機体後部に省スペースにて容易に組み付けることが可能な排藁集束装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1においては、脱穀後に後方に搬送され、機体後部の排藁搬出口から排出される排藁を、所定量ずつ集束するコンバインの排藁集束装置において、該排藁集束装置は、上側杆と、該上側杆を回動する回動駆動手段と、下側杆と、を備え、前記上側杆は、側面視略「く」字状に構成してその上部を前記排藁排出口の後上部に配置し、下部は後方が膨らむように形成して前記コンバインの機体後下部まで延設し、前記下側杆は、側面視で前記上側杆の下先端部と交差するように、前記コンバインの機体下部後端から後斜め下方へ突設し、前記回動駆動手段は、前記コンバインの機体後上部に配設したものである。
【0012】
請求項2においては、前記回動駆動手段は前記コンバインの機体後部に設けた排藁切断装置の上方を覆う排藁処理カバーの裏面側に配置したものである。
【0013】
請求項3においては、前記回動駆動手段と、該回動駆動手段と前記上側杆を連動連結するリンク機構と、該回動駆動手段と前記上側杆と前記リンク機構とを支持するフレームとを一体的に構成し、コンバインの機体後部に着脱可能としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、下側杆を固定保持するため、上側杆を回動駆動手段により簡単な構成で回動させることが可能となる。また、回動駆動手段ひいては排藁集束装置全体を小型化することが可能となる。したがって、排藁集束装置をコンバインの機体後部に省スペースにて容易に組み付けることができ、さらにコストの低減化を図ることができる。
【0016】
請求項2においては、回動駆動手段をコンバイン後部に設けられる排藁処理カバーで覆うことができて、外部より保護できる。又、機体外部に取付スペースを確保することなく、前記排藁処理カバーの裏面側に回動駆動手段を設けるため、機体レイアウトを変更することもなく外観意匠性を向上できる。
【0017】
請求項3においては、回動駆動手段を一体構造としたため、排藁集束装置を機体から容易に着脱することができ、排藁集束装置のメンテナンス性が向上する。又、排藁集束装置の後付けが容易にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る排藁集束装置の閉状態を示した側面図、図2は同じく排藁集束装置の回動駆動手段の近傍を示した拡大側面図、図3は同じく開状態を示した側面図、図4は同じく閉状態を示した背面図、図5は同じく排藁集束装置の回動駆動手段の近傍を示した拡大背面図である。
図6は排藁集束装置の制御機構を示したブロック図、図7は排藁集束装置の開閉制御方法を示したフローチャート図、図8は同じく排藁集束装置の開閉制御方法を示したフローチャート図である。
図9は本発明の一実施例に係る排藁集束装置を装着したコンバインの後方斜視図である。
【0019】
まず、本発明の一実施例における排藁集束装置10の構成について、図1、乃至、図5、及び、図9を用いて説明する。尚、図1、乃至、図3に示す矢印Dの方向は前方を示し、これに基づいて左右方向を規定する。
【0020】
図1、乃至、図3に示すように、コンバイン1の機体後部には脱穀後の排藁を、フィードチェンから排藁搬送チェン3、及び、挟扼杆4に受け継ぎ、その後、後方に搬送する排藁搬送装置2や、該排藁搬送装置2によって搬送されてくる排藁を、回転刃6・7を用いて切断し、機体外部に該排藁を排出可能とする排藁切断装置5等が備えられている。そして、排藁搬送装置2の後下方に配設される排藁切断装置5の後方には、排藁集束装置10が設けられ、前記排藁搬送装置2の挟扼杆4の伸縮動作と、排藁切断装置5の排藁投入口を覆うカバー8の開閉動作と、により、排藁搬送装置2によって搬送されてくる排藁が排藁切断装置5、或いは、排藁集束装置10の何れかに択一的に投入されるように構成されている。
【0021】
[排藁集束装置10]
排藁集束装置10は排藁搬送装置2によって搬送されてくる排藁を所定量ごとに集束して、該排藁を機外(機体外部)に排出する装置である。ここで、排藁集束装置10は前記排藁切断装置5の上方において、機体左右方向に延設して設けられる支持フレーム15や、該支持フレーム15の後端部において、回動可能に支持される複数の上側杆12・12・・・や、該上側杆12・12・・・の前方において、コンバイン1の機体後端部に支持部材42を介して固定保持される複数の下側杆11・11・・・や、前記支持フレーム15に設けられ、前記上側杆12・12・・・と駆動連結されるアクチュエータからなる回動駆動手段等から構成されている。
【0022】
支持フレーム15は機体前方に開口する平面視「コ」字状の部材から形成されており、コンバイン1の機体後部上面に設けられる排藁処理カバー34の裏面側において、ボルト等を介して着脱自在に組み付けられる。即ち、前記支持フレーム15の前端部、及び、上面部には複数の取付座15a・15a・・・が設けられており、該取付座15a・15a・・・を介して、前記支持フレーム15は前記排藁処理カバー34の裏面に取付けられた支持部材1a・1a・・・にボルト等を用いて組み付けられている。
【0023】
支持フレーム15後端部の左右両側近傍には、後方に延出する支持部材15b・15bが設けられ、該支持部材15b・15bによって回動軸16が左右水平方向に軸支されている。回動軸16上には複数本の回動アーム17・17・・・が左右方向に所定間隔をあけて設けられており、且つ、回動アーム17・17・・・は後方に向かって斜下方に傾倒して前記回動軸16と一体となって回動可能に固設されている。そして、該回動アーム17・17・・・には後述の枢支プレート52・52・・・を介して上側杆12・12・・・の上端部が組み付けられており、該上側杆12・12・・・は回動軸16を中心にして上下方向に回動可能とされている。
【0024】
ここで、前記支持フレーム15と回動軸16の構造については、本実施例に限定されるものではない。即ち、回動軸16は支持フレーム15に対して片持ち支持とし、かつ、該支持フレーム15については、上下方向の軸を中心として排出方向に合わせて左右回動可能に構成することもできる。
【0025】
回動軸16の左右一側端にはアーム18が前下方に突出するように設けられており、該アーム18と回動軸16は一体回動可能となっている。つまり、該アーム18が回動されると、回動軸16上の回動アーム17・17・・・も同時に回動されるように構成されている。
【0026】
ここで図4、及び、図5に示すように、回動アーム17・17・・・は正面視にて下方側に開口する「コ」字状に折り曲げられた板部材から形成されており、又、前記回動アーム17・17・・・は機体前後方向に延出し、且つ、回動軸16と直交して設けられている。
【0027】
回動アーム17・17・・・の上面の略中央部には枢支ピン51・51・・・が各々立設され、該枢支ピン51・51・・・を介して枢支プレート52・52・・・が左右回動自在に前記回動アーム17・17・・・の上面に組み付けられている。又、枢支プレート52・52・・・には枢支ピン51・51・・・を中心とする円弧状の長孔52a・52a・・・が各々設けられており、該長孔52a・52a・・・を介してボルト54・54・・・等を用いて、枢支プレート52・52・・・の左右方向の回動位置は、回動アーム17に対して容易に固定保持を可能としている。
【0028】
このような構成からなる枢支プレート52・52・・・に上側杆12・12・・・の上端部が各々固設され、前記上側杆12・12・・・は機体左右方向における組付け角度の調整を容易にしている。即ち、コンバイン1の機体外部に排出される排藁の長さ等の関係から、隣り合う上側杆12と下側杆11との間隔を変更する必要が生じた場合や、排藁の排出方向を強制的に規制する場合等には、作業者は前記ボルト54を緩めて枢支プレート52の組付け角度を調整することにより、容易に上側杆12の組付け角度を変更することができる。
【0029】
つまり、ボルト54・54・・・を緩めることで、枢支プレート52・52・・・は回動アーム17・17・・・に対して枢支ピン51・51・・・を中心に長孔52a・52a・・・に沿って自由に左右方向への回動が可能となるため、作業者はこの状態で上側杆12・12・・・の左右方向に関する組付け角度を調整し、その後、再び前記ボルト54・54・・・を締め付けることで、上側杆12・12・・・は枢支プレート52・52・・・を介して回動アーム17・17・・・に対して確実に固定保持されるのである。
【0030】
上側杆12は図1に示すように、後下方に向かって一旦延出した後、前方に向かって突出するように折り曲げられ、側面視略「く」字状、或いは、円弧状に形成されており、且つ、前記上側杆12はその下端部12aが機体前進方向を向くようにして、機体後方に配置されている。つまり、側面視において上側杆12の下部は後方に膨らむように湾曲して形成され、且つ、前記上側杆12の下端部12aは略水平前方を向くように構成され、下側杆11の前後中途部、或いは、後部と側面視で略X状に交差するように配設されている。
【0031】
一方、下側杆11は排藁切断装置5の後方に設けられる支持部材42を介して、前記上側杆12上部と略平行になるように、後下方に向かって突出して設けられている。ここで、支持部材42は機体左右方向に延出して設けられ、該支持部材42の左右両端部より前方に突出する支持部材42a・42aを介して、排藁切断装置5の左右両側面と、ボルト等によって組み付けられる。
【0032】
こうして、上側杆12と下側杆11とによって形成されたスペースに、できるだけ多くの排藁が集められるようにし、且つ、できるだけ下方の空間で小さなスペースで多くの排藁を集められるようにしている。
【0033】
そして、下側杆11の上端部は円形状に屈曲して基端部11aが形成されており、該基端部11aを介して、下側杆11は支持部材42に左右方向に所定間隔をあけて、ボルト等により複数本、組み付けられている。
【0034】
このような構成により、下側杆11は基端部11aに設けられたボルト等を緩めるだけで、支持部材42に対する左右方向への回動が自在となるため、機体左右方向における前記下側杆11の組付け角度の調整が容易に行え、又、上述の通り、隣り合う前記上側杆12との間隔を、排藁の長さによって調節する際には、基端部11aの前記ボルト等を緩めて、下側杆11を支持部材42から取外すことで容易に対応することができる。
【0035】
尚、前記上側杆12と下側杆11の組付け本数は同じ本数にしてもよく、又、排藁の長さによっては、前記上側杆12と下側杆11の組付け本数を異なるものとして、各々隣り合う上側杆12と下側杆11との間隔を調節することもできる。
【0036】
回動駆動手段であるアクチュエータとしては、本実施例においては電動モータ31が用いられており、該電動モータ31と上側杆12とがリンク機構43を介して回動連結されている。
【0037】
ここで、前記リンク機構43は電動モータ31の出力軸31aに一体回転可能に設けられた回転板32や、前記回動軸16に固設したアーム18とを連係する連係リンク33等により構成されており、前記電動モータ31の駆動によって、上側杆12を回動することができるように構成されている。
【0038】
電動モータ31は支持フレーム15の左右一側端において、正面視クランク状に屈曲した支持部材53を介して配設されており、且つ、前記電動モータ31は出力軸31aを機体左右方向に突出するようにして設けられている。
【0039】
ここで、図1、及び図2に示す上側杆12が「閉」位置(集束位置)の状態において、前記出力軸31aの先端部には、板部材からなる回転板32が前後方向に延出して設けられている。回転板32の後端部には出力軸31aが直交して固設されており、又、前記回転板32の前端部には連係リンク33の一端部が回動自在に連結されている。そして、前記連係リンク33の他方の端部は後方へと延出され、回動軸16に固設されたアーム18の先端部と回動自在に連結されている。
【0040】
そして、電動モータ31が駆動され、図1、及び、図2において回転板32がX1方向に回動されると、連係リンク33がクランク運動して後方へと押しやられ、アーム18が回動軸16を中心として後方へ回動されて、上側杆12が後上方へ回動される。そして、予め設定された回動ストローク分だけ回転板32が回動され、図3に示すように、上側杆12が「開」位置(排出位置)となると、該上側杆12の下端部12aは下側杆11の前後中途部、或いは、後部から離れて前下方(機体進行方向)に傾くこととなり、該下端部12a上に堆積された排藁が排出される。
【0041】
こうして、上側杆12が強制駆動されることで、該上側杆12の下端部12a上に載置された排藁は、該下端部12aによって、上側杆12と伴に一旦後上方へと抱え上げられ、その後、該下端部12aが前下方に傾くと前記排藁が束の状態で斜め前方へと落下されることになる。従って、収穫量が多くなっても、集束された排藁の一部が排出されずに上側杆12に取り残されることもなく、確実に該排藁は排出されるのである。
【0042】
一方、排藁を排出した後は、電動モータ31が逆転方向に駆動される。即ち、図3において、回転板32がX2方向に回動されると、連係リンク33がクランク運動して前方へと引き込まれ、アーム18が回動軸16を中心として前方へ回動されて、上側杆12が前下方へ回動され、再び該上側杆12は図1に示す「閉」位置(集束位置)となる。
【0043】
尚、本実施例においては、電動モータ31の回転方向を正転(X1方向)、又は、逆転(X2方向)に各々切り替えることによって、上側杆12を「開」位置、又は、「閉」位置に回動させる構成となっているが、これに限定されるものではなく、前記電動モータ31の回転方向は一方向であってもよい。
【0044】
つまり、例えば電動モータ31の回転方向をX1方向に限定し、回転板32と連係リンク33との連結部が、出力軸31aに対して下方側の領域を回動することで上側杆12を「開」位置へと回動させ、一方、前記連結部が出力軸31aに対して上方側の領域を回動することで上側杆12を「閉」位置へと回動させるように構成してもよい。
【0045】
このように、本発明における排藁集束装置10では、下側杆11は機体後部に固定保持し、該上側杆12のみを回動させる構造とするため、前記上側杆12と下側杆11の双方を回動させる場合に比べて、アクチュエータである電動モータ31の容量を小さく抑えることができ、かつ、前記電動モータ31と前記上側杆12との間に設けられるリンク機構43の部品点数も少なく抑えることができるため、排藁集束装置10全体として小型化を図ることができる。
【0046】
すなわち、脱穀後に後方に搬送され、機体後部の排藁搬出口から排出される排藁を、所定量ずつ集束するコンバイン1の排藁集束装置10において、該排藁集束装置10は、上側杆12と、該上側杆12を回動する回動駆動手段(電動モータ31)と、下側杆11と、を備え、前記上側杆12は、側面視略「く」字状に構成してその上部を前記排藁排出口の後上部に配置し、下部は後方が膨らむように形成して前記コンバイン1の機体後下部まで延設し、前記下側杆11は、側面視で前記上側杆12の下先端部と交差するように、前記コンバイン1の機体下部後端から後斜め下方へ突設し、前記回動駆動手段(電動モータ31)は、前記コンバイン1の機体後上部に配設したため、下側杆11を固定保持し、上側杆12を回動駆動手段(電動モータ31)により簡単な構成で回動させることが可能となる。また、回動駆動手段(電動モータ31)ひいては排藁集束装置10全体を小型化することが可能となる。したがって、排藁集束装置10をコンバイン1の機体後部に省スペースにて容易に組み付けることができ、さらにコストの低減化を図ることができる。
【0047】
又、前記回動駆動手段(電動モータ31)は前記コンバイン1の機体後部に設けた排藁切断装置5の上方を覆う排藁処理カバー34の裏面側に配置したため、回動駆動手段(電動モータ31)を排藁処理カバー34で覆うことができて、外部から不意な衝撃を受けても前記回動駆動手段(電動モータ31)を確実に保護できる。又、機体外部に取付スペースを別途確保する必要もなく、機体後部の前記排藁処理カバー34の裏面側に回動駆動手段(電動モータ31)を設けることから、機体レイアウトを改めて変更することもなく外観意匠性を向上できる。
【0048】
更に、前記回動駆動手段である電動モータ31と、該回動駆動手段(電動モータ31)と前記上側杆12を連動連結する回転板32やアーム18や連係リンク33等からなる前記リンク機構43と、該回動駆動手段(電動モータ31)と上側杆12とリンク機構43とを支持するフレーム(支持フレーム15)とを一体的に構成し、コンバイン1の機体後部に着脱可能とし、かつ、下側杆11については、排藁切断装置5の後方において、着脱自在に設けられる支持部材42を介して組み付けられているため、作業者にとってみれば排藁集束装置10を機体から容易に着脱することができ、排藁集束装置10のメンテナンス性が向上する。又、排藁集束装置10の備えられていないコンバイン1についても、該排藁集束装置10の後付けが容易にできる。
【0049】
[排藁集束装置10における制御装置35]
次に、排藁集束装置10における制御装置35の構成について、図6を用いて説明する。排藁集束装置10に具備される、上側杆12の回動駆動手段である電動モータ31は、制御装置35と接続されており、該制御装置35によって前記電動モータ31の駆動は制御される。
【0050】
制御装置35は機体の任意位置に設けられ、開閉検出センサ41と接続されて、該開閉検出センサ41の検出値に基づいて排藁集束装置10の開閉状態を判断することができるように構成されている。ここで、前記開閉検出センサ41は、電動モータ31の出力軸31aにおける回転量に基づいて、排藁集束装置10の開閉状態を検出する手段である。
【0051】
制御装置35は脱穀クラッチの切状態を検出する手段である脱穀クラッチセンサ36や、排藁搬送装置2によって搬送されてくる排藁量を検出する手段である排藁量センサ37と接続されて、各センサ36・37の検出値に基づいて排藁集束装置10に設けられる上側杆12の「開」位置、及び、「閉」位置に関する開閉状態を制御するように構成されている。
【0052】
即ち、制御装置35は脱穀クラッチセンサ36により脱穀クラッチの切状態が検出される場合や、排藁量センサ37により排藁搬送装置2で排藁が搬送されていないことが検出される場合には、電動モータ31の駆動を一定時間のみ停止して、排藁集束装置10が閉状態を保持するよう構成されている。
【0053】
そして、前記制御装置35はフィードチェンの駆動軸の回転数を検出する手段である回転数センサ38とも接続され、この回転数センサ38の検出値と予め設定した設定値との比較を行い、その結果を基にして電動モータ31が駆動している時間間隔を適宜調整して、排藁集束装置10の開閉状態を制御するように構成されている。
【0054】
即ち、制御装置35は電動モータ31をフィードチェンの駆動に同調して駆動させることで、刈取量が増加してフィードチェンの駆動軸の回転数が増大するに従って、その回転数に比例して、又は段階的に、排藁集束装置10が開状態で停止する時間と閉状態で停止する時間を長くするようにして、大量の排藁が排出されても対応できるようにしている。
【0055】
逆に、刈取量が減少してフィードチェンの駆動軸の回転数が減少すると、その回転数に比例して、又は段階的に、排藁集束装置10が開状態で停止する時間と閉状態で停止する時間を短くするようにして、少量の排藁が排出されても対応できるようにしている。
【0056】
こうして、排藁集束装置10の閉状態における排藁の集束量が略一定量となるように、前記排藁集束装置10は制御装置35によって制御されている。
【0057】
一方、前述の通り、制御装置35は回転数センサ38の代わりに排藁搬送装置2に設けた排藁量センサ37の検出値に基づいて排藁集束装置10の開閉状態を制御し、前記同様に排藁集束装置10の閉状態における排藁の集束量を略一定量に維持するように構成することもできる。
【0058】
この場合には、制御装置35は排藁搬送装置2によって搬送されてくる排藁量が増大すると、電動モータ31が駆動している時間間隔を短くして、排藁集束装置10の開状態と閉状態の時間を短くする一方、排藁搬送装置2にて搬送される排藁量が減少すると、電動モータ31が駆動している時間間隔を長くして、排藁集束装置10の開状態と閉状態を長くするように構成される。
【0059】
前記排藁量センサ37は排藁搬送装置2に具備される排藁搬送チェン3の下方に配置した挟扼杆4の上下方向の移動量を測定することで、排藁量を検出する装置である。具体的には前記排藁量センサ37はリニアポテンショメータ等により構成されており、排藁量の多少によって上下する挟扼杆4の位置を計測して、その計測結果のデータを制御装置35へ伝達する。そして、制御装置35へ送られた前記データに基づいて排藁集束装置10の開閉時間を設定する。
【0060】
但し、排藁搬送装置2では挟扼杆4の上下方向の移動量を検出する代わりに搬送される排藁に直接検知部材を当接させて、排藁量を検出する構成とすることも可能である。
【0061】
又、排藁量を検出する手段は排藁集束装置10や、縦搬送装置等に配置することも可能である。更に言えば、排藁集束装置10において、排藁量を検出する手段は、排藁の重量を感知するセンサによって構成することも可能である。この場合、上側杆12の下端部12a上に載置される排藁重量を検知し、排藁の多少を計測し、そのデータを制御装置35へ伝達することとなる。
【0062】
このように搬送される排藁量を検出することにより、変形圃場の刈取や3条刈のコンバイン1で1条又は2条刈り取る場合等、刈取穀稈の量が変化した場合であっても、その穀稈量、つまり、排藁量に応じて集束して排出することができるため、排出された束毎の排藁量のバラツキを小さくすることができるのである。
【0063】
又、制御装置35には排藁の集束量を手動で任意に設定することができる設定器39が接続されており、該設定器39によって設定された排藁の集束量に応じて、上側杆12の開閉状態を切り替える電動モータ31の駆動している時間間隔は調節され、排藁集束装置10における排藁の集束量を容易に調節することができるように構成されている。
【0064】
尚、排藁集束装置10における排藁の集束量は、電動モータ31の回転速度でも調整が可能である。例えば、前記設定器39によって集束量を2倍に設定変更する場合は、電動モータ31の回転速度を2分の1となるように制御することにより、設定に応じた集束量を集めることができる。こうして、車速が高速になっても集束量を安定させることができる。
【0065】
又、排藁搬送チェン3の速度や、排藁の集束量の設定に合わせて、電動モータ31の回転速度を変化させることにより、集束量を一定にすることができる。例えば、回転数センサ38で検出した排藁搬送チェン3の駆動軸の回転数が、前回に検出した回転数に対して、1.5倍となった際には、電動モータ31の回転速度も1.5倍とすることにより、排藁の集束量は一定となる。
【0066】
更に、制御装置35は運転操作部等の機体の任意位置に設けられた操作スイッチ40が入状態になると、電動モータ31を強制的に駆動して、排藁集束装置10の上側杆12を「開」位置に保持するように構成されている。これにより、排藁搬送装置2によって搬送されてくる排藁を、排藁切断装置5で切断したり、又、排藁集束装置10で集束したりすることなく、強制的な垂れ流し状態にして排出できるようにしている。
【0067】
このような構成を有することにより、制御装置35によって、回転数センサ38の検出値に基づき設定された、排藁集束装置10の閉状態が保持される設定時間の間は、上側杆12が「閉」位置とされて、該上側杆12と下側杆11とが互いに交差する「閉」位置(集束位置)で保持され、排藁搬送装置2から搬送されてくる排藁が上側杆12の下端部12aで受け止められて、上側杆12と下側杆11との間に積み重ねられて集束される。
【0068】
そして、前記設定時間経過後に上側杆12が回動駆動手段である電動モータ31の駆動によって、前記上側杆12の下端部12aが下側杆11より離れる方向に回動されて「開」位置(排出位置)に保持されて、排藁集束装置10が開状態とされ、この状態で上側杆12と下側杆11との間から所定量の排藁が、下側杆11及び上側杆12で案内されながら、地面上に先に排出された所定量の排藁と所定間隔をあけて排出される。
【0069】
その後、更に、開状態が保持される保持時間に関する設定時間が経過すると、回動駆動手段である電動モータ31が再度駆動され、該電動モータ31の駆動により、上側杆12の下端部12aが下側杆11に近づく方向に回動されて、交差する「閉」位置(集束位置)にて保持され、排藁集束装置10が閉状態とされて、再び排藁集束装置10で排藁搬送装置2からの排藁が上側杆12と下側杆11とで集束される。
【0070】
こうして、コンバイン1の刈取脱穀作業時に、排藁集束装置10による排藁の集束と排出とが繰り返されて、排藁が所定量ずつの束となって地面上に所定間隔ごとに配置されることになる。
【0071】
[制御装置35における動作の流れ]
次に、排藁集束装置10の制御装置35における動作の流れを、図7、及び、図8を用いて説明する。
排藁集束装置10の開閉状態の切換は、制御装置35によって次のように制御される。即ち、図7に示すように、まず、前記脱穀クラッチセンサ36の検出値に基づいて、脱穀クラッチがオフ状態か否かが判断される(ステップS1)。脱穀クラッチがオフ状態ではない場合、前記操作スイッチ40がオン状態か否かが判断され(ステップS2)、操作スイッチ40がオン状態であれば、前記開閉検出センサ41の検出値に基づいて排藁集束装置10が開状態であるか否かが判断される(ステップS3)。
【0072】
そして、排藁集束装置10が開状態でなければ、電動モータ31が駆動されて(ステップS4)、排藁集束装置10は開状態となり、逆に排藁集束装置10が開状態であれば、電動モータ31の駆動は停止されて(ステップS5)、開状態を示すフラグが立ち(ステップS6)、排藁集束装置10は開状態に保持される。
【0073】
又、前記ステップS2で操作スイッチ40がオン状態ではない場合、前記回転数センサ38によりフィードチェンの回転数(B)が検出され(ステップS7)、該検出値に基づいてフィードチェンが停止しているか否かが判断される(ステップS8)。
【0074】
フィードチェンが停止していない場合には、前記排藁量センサ37により排藁搬送装置2で搬送される排藁量(A)が検出され(ステップS9)、該検出値に基づいて排藁搬送装置2で排藁が搬送されているか否かが判断される(ステップS10)。
【0075】
排藁搬送装置2で排藁が搬送されている場合には、前記設定器39によって設定された集束量が読み込まれ(ステップS11)、排藁集束装置10を閉状態に保持する時間(Tclose)が算出される(ステップS12)。
【0076】
排藁集束装置10を閉状態に保持する時間(Tclose)は、排藁集束装置10の開閉状態を切り替える電動モータ31をフィードチェンに同調させる場合には、次の数式1で示される。
【0077】
[数1]
Tclose=(B×b+c)×(C×f) (b,c,f:定数)
【0078】
また、排藁量センサ37に同調させる場合には、数式2で示される。
【0079】
[数2]
Tclose=(A×d+e)×(C×f) (d,e,f:定数)
【0080】
そして、排藁集束装置10を閉状態に保持する時間(Tclose)の算出後、排藁集束装置10の開状態を示すフラグが立っているか否かが判断され(ステップS13)、開状態を示すフラグが立っている場合には、排藁集束装置10が開状態か否かが判断される(ステップS14)。
【0081】
排藁集束装置10が開状態でなければ、電動モータ31が駆動されて(ステップS15)、排藁集束装置10が開状態とされ、その保持時間(T1)が定数からなる排藁集束装置10を開状態に保持する時間(Topen)と等しくなるように設定されて(ステップS16)、開状態を示すフラグが立ち(ステップS17)、排藁集束装置10が開状態に保持される。
【0082】
一方、前記ステップS14で排藁集束装置10が開状態であれば、電動モータ31の駆動は停止され(ステップS18)、保持時間(T1)が所定時間(△t)だけ減算されて再度算出され(ステップS19)、該開状態保持時間(T1)が経過したか否かが判断される(ステップS20)。
【0083】
そして、開状態保持時間(T1)が経過していなければ、排藁集束装置10は開状態に保持され、該開状態保持時間(T1)が経過していれば、閉状態を示すフラグが立ち(ステップS21)、排藁集束装置10が閉状態とされる。
【0084】
又、前記ステップS13で排藁集束装置10の開状態を示すフラグが立っていない場合には、排藁集束装置10が閉状態か否かが判断される(ステップS22)。排藁集束装置10が閉状態でなければ、電動モータ31が駆動されて(ステップS23)、排藁集束装置10が開状態とされ、その保持時間(T2)が排藁集束装置10を閉状態に保持する時間(Tclose)と等しくなるように設定されて(ステップS24)、閉状態を示すフラグが立ち(ステップS25)、排藁集束装置10が閉状態に保持される。
【0085】
一方、前記ステップS22で排藁集束装置10が閉状態であれば、電動モータ31の駆動は停止され(ステップS26)、保持時間(T2)が所定時間(△t)だけ減算されて再度算出され(ステップS27)、該保持時間(T2)が経過したか否かが判断される(ステップS28)。そして、保持時間(T2)が経過していなければ、排藁集束装置10は閉状態に保持され、保持時間(T2)が経過していれば、開状態を示すフラグが立ち(ステップS29)、排藁集束装置10が開状態とされる。
【0086】
又、前記ステップS1で脱穀クラッチがオフ状態である場合、前記ステップS8でフィードチェンが停止している場合、前記ステップS10において排藁搬送装置2で排藁が搬送されていない場合には、排藁集束装置10が閉状態か否かが判断される(ステップS30)。
【0087】
排藁集束装置10が閉状態でなければ、電動モータ31が駆動されて(ステップS31)、排藁集束装置10が閉状態とされ、一方排藁集束装置10が閉状態であれば電動モータ31の駆動は停止されて(ステップS32)、閉状態を示すフラグが立ち(ステップS33)、排藁集束装置10は閉状態に保持される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施例に係る排藁集束装置の閉状態を示した側面図。
【図2】同じく排藁集束装置の回動駆動手段の近傍を示した拡大側面図。
【図3】同じく開状態を示した側面図。
【図4】同じく閉状態を示した背面図。
【図5】同じく排藁集束装置の回動駆動手段の近傍を示した拡大背面図。
【図6】排藁集束装置の制御機構を示したブロック図。
【図7】排藁集束装置の開閉制御方法を示したフローチャート図であり、脱穀クラッチのオンオフ状態の判断から、排藁集束装置の閉状態の保持時間を算出するまでを示した図。
【図8】同じく排藁集束装置の開状態を示すフラグの判断から、実際に排藁集束装置が閉状態を保持されるまでを示したフローチャート図。
【図9】本発明の一実施例に係る排藁集束装置を装着したコンバインの後方斜視図。
【符号の説明】
【0089】
1 コンバイン
1a 支持部材
2 排藁搬送装置
3 排藁搬送チェン
4 挟扼杆
5 排藁切断装置
6 回転刃
7 回転刃
8 カバー
10 排藁集束装置
11 下側杆
11a 基端部
12 上側杆
12a 下端部
15 支持フレーム
15a 取付座
15b 支持部材
16 回動軸
17 回動アーム
18 アーム
31 電動モータ
31a 出力軸
32 回転板
33 連係リンク
34 排藁処理カバー
42 支持部材
42a 支持部材
43 リンク機構
53 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀後に後方に搬送され、機体後部の排藁搬出口から排出される排藁を、所定量ずつ集束するコンバインの排藁集束装置において、
該排藁集束装置は、上側杆と、該上側杆を回動する回動駆動手段と、下側杆と、を備え、
前記上側杆は、側面視略「く」字状に構成してその上部を前記排藁排出口の後上部に配置し、下部は後方が膨らむように形成して前記コンバインの機体後下部まで延設し、
前記下側杆は、側面視で前記上側杆の下先端部と交差するように、前記コンバインの機体下部後端から後斜め下方へ突設し、
前記回動駆動手段は、前記コンバインの機体後上部に配設した、ことを特徴とするコンバインの排藁集束装置。
【請求項2】
前記回動駆動手段は前記コンバインの機体後部に設けた排藁切断装置の上方を覆う排藁処理カバーの裏面側に配置した、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの排藁集束装置。
【請求項3】
前記回動駆動手段と、該回動駆動手段と前記上側杆を連動連結するリンク機構と、該回動駆動手段と前記上側杆と前記リンク機構とを支持するフレームとを一体的に構成し、コンバインの機体後部に着脱可能とした、
ことを特徴とする請求項1、又は、請求項2に記載のコンバインの排藁集束装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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