説明

コンバイン

【課題】機体10から突出することなく脱穀部4の側方の圃場を照らすことができる後照灯39を具備するコンバイン1を提供する。
【解決手段】機体10の前方に刈取部3が配置され、機体10の左右一方である左側に脱穀部4が配置されるコンバイン1において、刈取部3の脱穀部側端部が脱穀部4よりも機体10の左右一方向に突出し、脱穀部側端部に刈取部3の後方を照らす後照灯39が配置される。また、後照灯39は、刈取部3における脱穀部側の端部カバー37aの脱穀部側である右側かつ刈取部3の上部カバー37bの下側であって、左側バックミラー38の近傍に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取部から機体の側方を照らす後照灯を有するコンバインの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間でも刈取作業を行うことができるように、照明器具を備えたコンバインは公知である。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載のコンバインは、刈取部の両側部に、刈取部の前方を照らす前照灯及び刈取部の側方を照らす側照灯が設けられている。コンバインの操縦者は、前照灯及び側照灯によってコンバインの刈取部前方及び側方の圃場の状態や刈取りの状態を確認しながら刈取作業を行うことができる。
【0004】
しかし、特許文献1に記載のコンバインの前照灯及び側照灯は、刈取部後方の機体や圃場を十分な照度で照らすことができない。このため、脱穀部側方の圃場を照らすためには、側照灯の照射方向を後方に変更した上で側照灯を刈取部から突出させる必要がある。つまり、側照灯を刈取部から突出させるための部品が別途必要であり、製造コストが増大する点で不利であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−118969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、機体から突出することなく脱穀部側方の圃場を照らすことができる後照灯を具備するコンバインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、機体の前方に刈取部が配置され、前記機体の左右一方に脱穀部が配置されるコンバインにおいて、前記刈取部の脱穀部側端部が前記脱穀部よりも前記機体の左右一方向に突出し、前記脱穀部側端部に前記刈取部の後方を照らす後照灯が配置されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記後照灯は、前記刈取部の脱穀部側端部カバーの前記脱穀部側かつ前記刈取部の上部カバーの下側であって、バックミラーの近傍に配置されるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、後照灯が刈取部とともに脱穀部よりも圃場側に突出して配置される。従って、機体から突出することなく脱穀部側方の圃場を照らすことができる。特に、夜間の刈取作業時において、分草杆の側方への張り出し状態(分草の状態)や逆回り刈取作業時の刈取状態の確認だけでなく、手扱作業や穀稈の詰まりが発生した場合の除去作業の作業性を向上させることができる。
【0012】
請求項2においては、後照灯が風雨に直接さらされることがない。従って、後照灯の汚れや破損を低減しつつ、脱穀部側方の圃場を照らすことができる。また、バックミラーの近傍からバックミラーの鏡面の方向と略同一の方向を照らすことができる。従って、バックミラーの視野である脱穀部側方の圃場を効率的に照らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の一形態に係るコンバインの側面図。
【図2】本発明の実施の一形態に係るコンバインの平面図。
【図3】本発明の実施の一形態に係る刈取部の概略側面図。
【図4】本発明の実施の一形態に係る刈取部の平面図における部分断面図。
【図5】本発明の実施の一形態に係る刈取部の脱穀部側端部の後面図。
【図6】本発明の実施の一形態に係る刈取部の左側バックミラー及び後照灯を示す左後方からの斜視図。
【図7】本発明の実施の一形態に係る後照灯の照射範囲を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の一実施形態に係る6条刈りコンバインの全体構成について図1から図2を用いて説明する。本実施形態においては、6条刈りコンバインについて説明するが、本発明はこれに限るものではなく、その他の条数(例えば、4条刈、7条刈、8条刈等)のコンバインにも適用可能である。なお、以下の説明では矢印F方向を前方向、矢印R方向を右方向、矢印U方向を上方向として前後方向、左右方向、上下方向を規定する。
【0015】
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、穀粒貯溜部6、排藁処理部7及び操縦部8を備える。コンバイン1は、動力をエンジン9から走行部2、刈取部3、脱穀部4、選別部5、穀粒貯溜部6及び排藁処理部7にトランスミッションを含む動力伝達系を介して伝達し、これらの各部を駆動させる。
【0016】
走行部2は、機体10を走行させるものである。走行部2は、機体10の下部に配置される。走行部2は、左右一対のクローラを有するクローラ式走行装置21を具備する。走行部2は、機体10をクローラ式走行装置21により走行させる。
【0017】
刈取部3は、圃場の穀稈を刈り取るものである。刈取部3は、機体10の最も前方に昇降可能に設けられる。刈取部3は、刈取フレーム31(図3参照)に分草具32、引起装置33、掻込装置34、切断装置35、及び搬送装置36が具備される。刈取部3は、圃場の穀稈を分草具32により分草し、分草後の穀稈を引起装置33により引き起こす。引起後の穀稈を掻込装置34により掻き込んで搬送装置36により後方へ搬送しつつ切断装置35により切断する。切断後の穀稈を搬送装置36により脱穀部4に向けてさらに後方へ搬送する。
【0018】
脱穀部4は、刈り取られた穀稈を脱穀するものである。脱穀部4は、機体10の左方、すなわち刈取部3の左後方に配置される。脱穀部4は、フィードチェン41(図1参照)、図示しない扱胴を具備する。脱穀部4は、刈取部3から搬送されてきた刈取後の穀稈をフィードチェン41により受け継いで後方へ搬送し、その搬送中の穀稈を扱胴により脱穀し、脱穀後の処理物を選別部5に向けて下方へ漏下させる。
【0019】
選別部5は、脱穀された処理物から穀粒を選別するものである。選別部5は、機体10の左方であって脱穀部4の下方に配置される。選別部5は、図示しない揺動選別装置、風選別装置及び穀粒搬送装置を具備する。選別部5は、脱穀部4から落下してきた処理物を揺動選別装置により揺動選別し、揺動選別後のものを風選別装置により風選別し、風選別後のもののうち、穀粒を穀粒搬送装置により穀粒貯溜部6に向けて右側方へ搬送し、藁屑や塵埃などを風選別装置により後方へ飛ばして機体10の外部へ排出する。
【0020】
穀粒貯溜部6は、選別された穀粒を貯溜するものである。穀粒貯溜部6は、機体10の右方に配置される。穀粒貯溜部6は、グレンタンク61及び穀粒排出装置62を具備する。穀粒貯溜部6は、選別部5から搬送されてきた穀粒をグレンタンク61により貯溜し、その貯溜している穀粒を穀粒排出装置62によりグレンタンク61から機外に排出する。
【0021】
排藁処理部7は、脱穀後の穀稈を切断処理等するものである。排藁処理部7は、機体10の後側に配置される。排藁処理部7は、排藁搬送装置71及び排藁切断装置72を具備する。排藁処理部7は、脱穀部4から搬送されてきた脱穀済みの排稈を排藁として排藁搬送装置71により後方へ搬送して機体10の外部へ排出し、又は排藁切断装置72へ搬送し、排藁切断装置72により切断した後に機体10の外部へ排出する。
【0022】
操縦部8は、操縦者がコンバイン1を操縦するためのものである。操縦部8は、機体10の右方、すなわち、刈取部3の右後方に配置される。操縦部8は、操縦席81や、ステアリングハンドル82、キャビン83、図示しない操作パネルなどを有して、操縦席81やステアリングハンドル82、操作パネルなどをキャビン83により覆い、操縦席81に着座する操縦者がステアリングハンドル82や操作パネルに配置された操作レバーや操作スイッチ類により各部の装置を操作することができるように構成される。
【0023】
こうして、コンバイン1は、操縦部8における操作具類の操作に応じて、動力をエンジン9から操縦部8を除く前記各部に伝達し、機体10を走行部2により走行させながら、圃場の穀稈を刈取部3により刈り取って、刈取後の穀稈を脱穀部4により脱穀し、脱穀後の処理物を選別部5により選別して、選別後の穀粒を穀粒貯溜部6に貯溜する一方、脱穀後の排藁を排藁処理部7により任意に処理して機体10の外部へ排出することができるようになっている。
【0024】
次に、図3及び図4を用いて刈取部3の構成について詳細に説明する。
【0025】
図3に示すように、刈取部3は、刈取フレーム31、分草具32、引起装置33、掻込装置34、切断装置35、搬送装置36と、カバー37、左側バックミラー38及び後照灯39等を備える。
【0026】
刈取フレーム31は、分草具32や前記各装置を支持して刈取部3の本体を構成するものである。刈取フレーム31は、刈取入力パイプ31a、縦伝動パイプ31b、横伝動パイプ31c、分草フレーム31d、駆動パイプ31e、引起縦伝動パイプ31f、引起横伝動パイプ31g、引起駆動パイプ31h及び連結フレーム31iから構成される。
【0027】
刈取入力パイプ31aは、その軸線方向を機体10の左右方向として、機体10の左前部に回動可能に設けられる。縦伝動パイプ31bは、その軸線方向を刈取入力パイプ31aの軸線方向に対して直交方向として、刈取入力パイプ31aの右端部から前斜下方へ延出される。横伝動パイプ31cは、その軸線方向を左右方向として、縦伝動パイプ31bの延出端部から左右方向へ延出される。この際、図4に示すように、横伝動パイプ31cは、刈取部3の後方に配置される脱穀部4よりも左方向に突出するように構成される。すなわち、刈取部3は、脱穀部側端部が脱穀部4よりも左方に突出するように構成される。
【0028】
図3に示すように、複数の分草フレーム31d・31d・・は、その軸線方向を概ね前後方向として、横伝動パイプ31cから前方へ延出される。複数の分草フレーム31d・31d・・は、左右方向に適宜の間隔ごとに平行に並べられる。駆動パイプ31eは、その軸線方向を左右方向として、左右最外側に位置する分草フレーム31d・31dの間に横架される。駆動パイプ31eは、横伝動パイプ31cの前斜下方に位置して、当該横伝動パイプ31cと平行に並べられる。
【0029】
引起縦伝動パイプ31fは、その軸線方向を横伝動パイプ31cの軸線方向に対して直交方向として、横伝動パイプ31cの左端部(脱穀部側端部)から前斜上方へ延出される。連結フレーム31iは、その軸線方向を横伝動パイプ31cの軸線方向に対して直交方向として、横伝動パイプ31cの右端部から前斜上方へ延出される。すなわち、引起縦伝動パイプ31fは、脱穀部4よりも左方向に突出する刈取部3の脱穀部側端部を構成する。
【0030】
引起横伝動パイプ31gは、その軸線方向を左右方向として、引起縦伝動パイプ31fの延出端部(上端)と連結フレーム31iの延出端部(上端)との間に横架される。複数の引起駆動パイプ31h・31h・・は、その軸線方向を概ね上下方向として、引起横伝動パイプ31gから前方へ延出される。複数の引起駆動パイプ31h・31h・・は、左右方向に所定間隔ごとに平行に並べられる。
【0031】
連結フレーム31iは、その軸線方向を概ね前後方向として、引起横伝動パイプ31gの左右中途部から後方へ延出される。連結フレーム31iは、その延出端部で縦伝動パイプ31bの刈取入力パイプ31a側に連結される。
【0032】
分草具32は、圃場の穀稈を一条ごとに分離(分草)するものである。分草具32は、本実施形態において7つの分草板を具備する(図2参照)。各分草板は、それぞれ先端が細くなるように形成される。各分草板は、その先端が前方を向くように、複数の分草フレーム31d・31d・・の前端部に取り付けられる。また、左側の分草フレーム31dの前部より左斜め後方に向けて分草杆32aが設けられる。分草杆32aは、未刈り穀稈が走行部2に巻き込まれたり踏み倒されたりしないように分草するためのものである。分草杆32aは、機体側部に沿った収納位置と側方へ張り出した作業位置とに位置調整可能に構成されている。分草杆32aは、刈取作業時において張り出し位置とされ未刈り穀稈を分草し、作業終了後の走行時やコンバイン1の格納時等では収納位置とされる。
【0033】
引起装置33は、分草後の穀稈を引き起こすものである。引起装置33は、本実施形態においてタイン付チェン33aを回転駆動可能に支持する引起しケース33bを6つ具備する。複数の引起しケース33b・33b・・は、それぞれ分草具32の後方に前低後高の傾斜状に配置されて、左右方向に適宜の間隔ごとに並べられる。複数の引起しケース33b・33b・・は、複数の分草フレーム31d・31d・・と複数の引起駆動パイプ31h・31h・・との間に位置して、これらに支持される。
【0034】
掻込装置34は、左右一対の星形状の掻込輪、左右一対の突起付きベルト等を具備し、引起装置33により引き起こされた穀稈の株元を掻き込むものである。複数の掻込装置34・34・・は、それぞれ引起装置33の後方に前低後高の傾斜状に配置されて、左右方向に適宜の間隔ごとに並べられる。
【0035】
切断装置35は、複数の掻込装置34・34・・によって掻き込まれた6条分の穀稈を刈刃35aによって株元側で切断するものである。切断装置35は、複数の掻込装置34・34・・の下方に配置され、前低後高の傾斜状に設けられる。
【0036】
搬送装置36は、切断装置35により株元が切断された穀稈を脱穀部4に搬送するものである。搬送装置36は、切断装置35の後上方に配置される。搬送装置36は、下部搬送装置36a、上部搬送装置36b、縦搬送装置36c、補助搬送装置36d及び穂先搬送装置36eを備える。刈り取られた穀稈は、株元を下部搬送装置36a、縦搬送装置36c及び補助搬送装置36dによって脱穀部4に挟持搬送される。また穀稈の穂先は、穂先搬送装置36eによって脱穀部4に係止搬送される。
【0037】
カバー37は刈取部3の各装置を覆うものである。カバー37は、端部カバー37aと上部カバー37bとを具備する。端部カバー37aは、刈取部3の左右両側の側部を覆うように配置される。上部カバー37bは、刈取部3の左方に配置される搬送装置36の上方に配置される。これにより、刈取作業時の粉塵の飛散を抑制することができる。
【0038】
次に、図3から図6を用いて、左側バックミラー38及び後照灯39について説明する。
【0039】
左側バックミラー38は、操縦部8から機体10の左側後方を確認するためのものである。図3に示すように、左側バックミラー38は、ポール38aとミラー38bとから構成される。
【0040】
図4及び図5に示すように、ポール38aは、一側端部(下端部)が右方に屈曲されたパイプ状部材から構成される。ポール38aは、脱穀部側(左側)端部カバー37aの右側(刈取部3内)であって、引起縦伝動パイプ31fの左方に配置される。つまり、左側バックミラー38は、脱穀部4よりも左方向に突出するように構成される刈取部3の脱穀部側端部に配置される。ポール38aの下端は、引起縦伝動パイプ31fに固定される。また、ポール38aの上下途中部は、接続ブラケット38cを介して引起横伝動パイプ31gに固定される。ポール38aの他側端部(上端部)は、上部カバー37bに形成される孔に挿通され、上部カバー37bの上方に突出している。
【0041】
図5及び図6に示すように、ミラー38bは、略矩形状の鏡から構成される。ミラー38bは、鏡面部分が後方に向くようにポール38aの上端部に配置される。ミラー38bは、ポール38aを回転軸として回転可能にポール38aに支持される。これにより、操縦部8の操縦者がミラー38bを介して機体10の左側後方を視認可能に構成される。
【0042】
後照灯39は、刈取部3の左後方及び脱穀部4の左側方を照らすものである。図4から図6に示すように、後照灯39は、マルチリフレクタ式である後照灯本体39aと取付部39bとから構成される。後照灯39は、後照灯本体39aの上部に取付部39bが配置される。取付部39bは、後照灯本体39aに対して上下方向に回転可能に構成される。すなわち、後照灯39は、取付部39bを回転させることで照射方向を任意の上下位置に設定可能に構成される。
【0043】
後照灯39は、取付部39bを介して左側バックミラー38の接続ブラケット38cに取り付けられる。これにより、後照灯39は、左側バックミラー38の近傍であって、脱穀部4よりも機体10の左方向に突出するように構成される刈取部3の脱穀部側端部に配置される。また、後照灯39は、刈取部3における脱穀部側の端部カバー37aの右側(脱穀部側)かつ上部カバー37bの下側に配置される。つまり、後照灯39は、脱穀部側の端部カバー37a及び上部カバー37bに覆われた刈取部3の内部に配置される。なお、脱穀部側の端部カバー37a及び上部カバー37bの後方及び下方は開放されている。このように、後照灯39は、脱穀部4よりも左方向に突出するように構成される刈取部3の脱穀部側端部に配置して後方に向けて照らすように構成される。つまり、刈取部3の内部に配置されている後照灯39は、刈取部3の後方及び脱穀部4の側方を照らすとともに、機体10の左側方(脱穀部4の側方)の圃場を照らすことができる。なお、後照灯39は、本実施形態においてマルチリフレクタ式としたが、所定の照度を満たすものであれば、発光源、配光方式等を限定するものではない。
【0044】
以下では、図7を用いて、上記の如く構成された後照灯39の照射範囲について説明する。
【0045】
図7に示すように、後照灯39によって、照射範囲Aが照射される。後照灯39は、脱穀部4よりも左方向に突出している刈取部3の脱穀部側端部に配置されることで、刈取部3の後方の脱穀部4よりも左方向に位置している。従って、照射範囲Aには、刈取部3の後方の脱穀部4の入口及び補助搬送装置36dからフィードチェン41への受け継ぎ部、及び脱穀部4の左側の圃場(未刈地)が含まれている。また、後照灯39は、左側バックミラー38の近傍に左側バックミラー38の鏡面部と略同一の方向を照射するように配置される。従って、照射範囲Aは、左側バックミラー38によって視認することができる範囲を効率よく照らすことができる。よって、夜間の作業時において、作業者は左側バックミラー38を介して、分草杆32aが側方への張り出した作業位置となっているか、または収納位置となっているか、分草杆32aにより分草できているか、逆回り(右回り)の刈取作業時においての刈取状態や刈取作業最終時に残っている全ての条を刈り取っているか、走行部2に穀稈が巻き込まれていないか等を確認することができる。また、刈取作業だけでなく手扱作業や穀稈の詰まりが発生した場合、後照灯39によって手元が照らされるために作業性が向上する。
【0046】
以上の如く、機体10の前方に刈取部3が配置され、機体10の左右一方である左側に脱穀部4が配置されるコンバイン1において、刈取部3の脱穀部側端部が脱穀部4よりも機体10の左右一方向に突出し、脱穀部側端部に刈取部3の後方を照らす後照灯39が配置されるものである。
このように構成することにより、後照灯39が刈取部3とともに脱穀部4よりも圃場側に突出して配置される。従って、機体10から突出することなく脱穀部4の側方の圃場を照らすことができる。特に、夜間の刈取作業時において、分草杆の側方への張り出し状態(分草の状態)や逆回り刈取作業時の刈取状態の確認だけでなく、手扱作業や穀稈の詰まりが発生した場合の除去作業の作業性を向上させることができる。
【0047】
また、後照灯39は、刈取部3の脱穀部側の端部カバー37aの脱穀部側である右側かつ刈取部3の上部カバー37bの下側であって、左側バックミラー38の近傍に配置されるものである。
このように構成することにより、後照灯39が風雨に直接さらされることがない。従って、後照灯39の汚れや破損を低減しつつ、脱穀部4の側方の圃場を照らすことができる。また、左側バックミラー38の近傍から左側バックミラー38の鏡面の方向と略同一の方向を照らすことができる。従って、左側バックミラー38の視野である脱穀部4の側方の圃場を効率的に照らすことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 コンバイン
3 刈取部
4 脱穀部
10 機体
38 バックミラー
39 後照灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前方に刈取部が配置され、前記機体の左右一方に脱穀部が配置されるコンバインにおいて、
前記刈取部の脱穀部側端部が前記脱穀部よりも前記機体の左右一方向に突出し、前記脱穀部側端部に前記刈取部の後方を照らす後照灯が配置されるコンバイン。
【請求項2】
前記後照灯は、
前記刈取部の脱穀部側端部カバーの前記脱穀部側かつ前記刈取部の上部カバーの下側であって、バックミラーの近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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