説明

コンピュータカラーマッチング方法およびコンピュータカラーマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】所望の色に近づけるべく着色剤の調合量・割合を修正するに当たり、初期に設定した着色剤の種類にこだわることなく、ずれている色相とは反対の色相をもつ着色剤を追加調合することで、その追加投入量を低減させることのできるコンピュータカラーマッチング方法およびコンピュータカラーマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】任意の目標色に対して、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて色合わせを行うコンピュータカラーマッチング方法であって、色差について、所定の表色系においてずれている色相とは反対の色相をもつ顔料を追加顔料として選定するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータカラーマッチング方法およびコンピュータカラーマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、詳細には、着色剤の追加投入量を低減することのできるコンピュータカラーマッチング方法、およびコンピュータカラーマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
染料や顔料などの着色剤を複数個組み合わせて所望の色にするには、着色剤の選定およびその調合量・調合割合を正確に決定する必要がある。これまでは技術者が試行錯誤して、所望となる色になるよう着色剤の選定およびその調合量・調合割合を求めていたが、近年、着色剤の濃度毎の光学データおよびコンピュータを用いて、所望の色となる着色剤の選定およびその調合量・調合割合を求めるコンピュータカラーマッチング(以下CCM)が提案されている(たとえば、特許文献1、2および3)。この方法は、着色剤の調合に関して熟練者でなくとも比較的簡単に適切に色合わせができることから有用な方法である。
【0003】
一般的なCCMの手順は、次の通りである。まず、提示された目標となる色見本の分光反射率を測定する。続いて、着色剤の基礎データ群の中から注文素材の種類に応じた基礎データを指定する。指定された基礎データを用いてアイソメリックマッチまたはメタメリックマッチ計算を行い、最適な着色剤の組み合わせと処方を算出する。この算出された着色剤と処方に基づいて試験着色を行う。このときに色見本と試験着色物間に色の差があれば修正計算を行って、補正処方を算出する。この操作を、前もって取り決められた許容色差内に入るまで繰り返し、許容内に入れば、その処方で量産加工する。量産加工において、色がずれていれば前記操作と同様の修正計算を実施し、合格範囲に入れば、最終の色彩管理を行うこととなる。
【0004】
CCMでは、リファレンスからの相対量を変化させて、数段階の濃度別・混合割合別のサンプルを作成し、その光学濃度と染色濃度あるいは混合割合とを基礎データとして、クベルカ-ムンクの混色理論による式(数1)、および、ダンカンの混色理論式(数2)、さらには、必要に応じてサンダーソンの反射率補正式(数3)などをアルゴリズムに用いて、所望の色に対する着色剤の調合量および調合割合を求めている。
【0005】
【数1】

【0006】
【数2】

【0007】
【数3】

【0008】
ここで、調合量・調合割合の修正手法としては、初期に設定した着色剤を、新たに調合するか、あるいは、その調合済み着色剤に追加調合する方法がとられている。なかでも、調合済み着色剤を廃棄せずに利用するという点で、追加調合する方法がとられている。
【0009】
たとえば、特許文献3では、初期に設定した4種類の顔料を追加調合する顔料として用いて、既に調合済みの調合物に追加調合することにより、既存の調合物を有効に利用することが記載されている。実施例では、白色顔料と、赤・黄・青の3種類の有彩色の顔料とを使用しているが、この3種類の有彩色顔料を使用すれば概ねの色は調合可能であるため、この3種類の中から少量の顔料を追加調合すれば、色合わせが完了する。
【0010】
しかし、一般的に顔料を用いて着色する場合、白色顔料、黒色顔料および有彩色顔料2種類の計4種類の着色剤を用いる。そのため、初期の処方により得られた着色物が、目標色に対して初期着色剤のうちの有彩色で得られる色相方向にある場合、初期着色剤を用いて目標となる色に修正するには、相対的に有彩色である色相の着色剤量を減らすべく、無彩色の色相を多量に追加調合する必要がある。たとえば、初期着色剤が、イエロー・レッド・ホワイト・ブラックであり、目標色に対して初期着色物の色相がオレンジ方向にずれている場合、追加調合するためイエロー・レッドを減じることはできず、相対的にイエロー・レッドを減らすべく、ホワイトおよびブラックを多量に追加調合する必要があるのである。
【0011】
さらに、通常、顔料着色の場合、総調合量に対する着色剤の調合割合を一定にする必要があるため、顔料を多量に追加することになると、バインダーや溶媒などその他の剤も多量に追加することになり、総調合量が大幅に増大する。つまり、初期の着色剤調合によって得られた色が所望の色とは異なった場合、追加調合によってその調合割合を修正するのに初期に設定した着色剤の種類のみをもってすると、追加調合する着色剤の量や全体の調合量が多大になる場合があり、コストの増大につながってしまう。
【0012】
そのため、現状では、顔料のみを追加し、総調合量を大きくは増大させないようにしている。しかし、追加修正によって、総調合量に対する顔料割合が増加していくことで、堅牢度が低下したり、粘度・塗布量の変化により加工性の悪化につながるという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特公平6−98880号公報
【特許文献2】特開平4−181129号公報
【特許文献3】特開平9−229773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記課題を解決するものであり、所望の色に近づけるべく着色剤の調合量・割合を修正するに当たり、初期に設定した着色剤の種類にこだわることなく、ずれている色相とは反対の色相をもつ着色剤を追加調合することで、その追加投入量を低減させることのできるコンピュータカラーマッチング方法およびコンピュータカラーマッチングプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、本発明は、任意の目標色に対して、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて色合わせを行うコンピュータカラーマッチング方法であって、
(a)目標色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(b)白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて着色された着色物の実績色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(c)該目標色の色彩値と実績色の色彩値との色差を算出するステップ、
(d)該着色物に使用された着色剤の種類および調合量を入力するステップ、
(e)該色差について、所定の表色系においてずれている色相とは反対の色相をもつ顔料を追加顔料として選定するステップ、および
(f)選定された追加顔料に基づいて、その追加調合量を算出するステップ、
を含むコンピュータカラーマッチング方法に関する。
【0016】
前記反対の色相が、CIELAB表色系のa色相面において、ずれている色相方向とは180°の色相角の関係にある色相からプラスマイナス60°の色相角の範囲であることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、任意の目標色に対して、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて色合わせを行うコンピュータカラーマッチングを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータに、
(a)目標色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(b)白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて着色された着色物の実績色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(c)該目標色の色彩値と実績色の色彩値との色差を算出するステップ、
(d)該着色物に使用された着色剤の種類および調合量を入力するステップ、
(e)該色差について、所定の表色系においてずれている色相とは反対の色相をもつ顔料を追加顔料として選定するステップ、および
(f)選定された追加顔料に基づいて、その追加調合量を算出するステップ、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0018】
前記反対の色相が、CIELAB表色系のa色相面において、ずれている色相方向とは180°の色相角の関係にある色相からプラスマイナス60°の色相角の範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、所望の色に近づけるべく着色剤の調合量・割合を修正するに当たり、初期に設定した着色剤が白色顔料、黒色顔料および2種類の有彩色顔料からなる場合であっても、その種類にこだわることなく、ずれている色相とは反対の色相をもつ着色剤を追加調合するため、顔料の追加投入量、全体の調合量およびコストを最小限にすることができる。さらに、追加量が最小限になるので、変退色やメタメリズム、さらには加工性への影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のコンピュータカラーマッチング方法を実施するための装置を示すブロック図である。
【図2】本発明の全体手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、
(a)目標色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(b)白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて着色された着色物の実績色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(c)該目標色の色彩値と実績色の色彩値との色差を算出するステップ、
(d)該着色物に使用された着色剤の種類および調合量を入力するステップ、
(e)該色差について、所定の表色系においてずれている色相とは反対の色相をもつ顔料を追加顔料として選定するステップ、および
(f)選定された追加顔料に基づいて、その追加調合量を算出するステップ、
を含む、任意の目標色に対して、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて色合わせを行うコンピュータカラーマッチング方法、および、この方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
ここで、本発明において対象となるのは、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて着色された着色物である。なかでも、有彩色顔料が2種類である場合に、とくに有用である。好ましい顔料の組み合わせを、以下に例示する。
【0023】
ホワイト・ブラック・イエロー・レッド
ホワイト・ブラック・オレンジ・レッド
ホワイト・ブラック・オレンジ・バイオレット
ホワイト・ブラック・レッド・バイオレット
ホワイト・ブラック・バイオレット・ブルー
ホワイト・ブラック・バイオレット・ターコイズ
ホワイト・ブラック・ブルー・グリーン
ホワイト・ブラック・ブルー・イエロー
ホワイト・ブラック・ターコイズ・イエロー
ホワイト・ブラック・ターコイズ・オレンジ
【0024】
図1は、本発明に係るコンピュータカラーマッチング方法を実施するための装置を示している。この図に示されるように、符号1はプログラミングされた処理に従って計算を行うコンピュータなどの演算処理装置であり、符号2は計算の状態、計算結果などを表示するモニタなどの表示装置であり、符号3は調合率など、各種データを入力するマウスおよびキーボードなどの入力装置であり、符号4は目標となる色データや調合割合、着色剤の基礎データ、演算処理および演算結果などを記憶する記憶装置であり、符号5はCCMに必要なデータである分光反射率を取得する分光光度計であって、少なくとも400nm〜700nmの可視光領域を測定できる測定装置である。
【0025】
図2は、本発明における処理の全体手順を示すフローチャートである。この図2に従って、本発明において着色物が許容外となった場合の追加調合量を求める手順を説明する。
【0026】
(手順1)分光光度計、コンピュータなどの演算処理装置、モニタなどの表示装置などを使用できる環境に設定する。
(手順2)所望の色である目標色を、分光光度計5で測定し、その色彩値を記憶装置4に記憶しておく。ここで言う色彩値とは、分光反射率を基本としたXYZやLなどの表色系の値に限らず、あらゆる色彩値を対象とする。
(手順3)被着色物を、指定した複数個の着色剤を用いて、ある決定された調合量および調合割合で着色する。
【0027】
(手順4)手順3で着色された着色物を、分光光度計5で測定し、その色彩値を記憶装置4に記憶しておく。
(手順5)目標色と着色物を測定した結果から得られた2つの色彩値から、その色差を計算する。色差は、XYZ表色系のΔX、ΔY、ΔZや、マンセル表色系の色差、CIELAB表色系のΔL、Δa、Δbに限らずΔE*ab、ΔEcmc、CIEDE2000など、あらゆる表色系のあらゆる色差が対象となる。
【0028】
(手順6)手順5で算出した色差が許容内かどうかを判定し、判定した結果を表示装置2に表示する。許容値は、任意に別途設定しておく。手順6で許容内と判定された場合、着色物は所望の色に許容できる範囲まで近い色であると判断でき、一連の色合せ作業が終了する(手順10)。手順6で許容外と判定された場合、着色物の色を修正する必要があるため、続く手順7へと進む。
(手順7)手順3で作成した着色物の、着色剤の種類および各着色剤の調合量を、入力装置3から入力する。この手順は、後の手順9において、この入力された各種着色剤の調合量から、追加投入の各種着色剤の調合量および調合割合を演算するため、必要である。
【0029】
(手順8)追加投入する着色剤の選定を行なう。ここでは、手順5で得られた着色物と目標色との色相の差を勘案し、たとえば、CIELAB表色系において現在ずれている色相方向とは反対の色相方向である色相の着色剤を、あらかじめ選定した着色剤に加えて追加投入する着色剤として選定する。ここで用いる表色系は、CIELAB表色系に限ることはなく、XYZ表色系、マンセル表色系などの表色系でもよい。ずれている色相方向とは反対の色相方向とは、たとえば、CIELAB表色系のa色相面において、ずれている色相方向とは180°の色相角の関係にある色相からプラスマイナス60°の色相角の範囲とすることができる。とくにプラスマイナス30°であることが好ましい。プラスマイナス60°の色相角の範囲をこえる着色剤を選定すると、追加の投入量が増大する傾向にある。また、マンセル表色系において、補色の関係にある色相とすることもできる。
【0030】
(手順9)記憶装置4に記憶された前記着色剤の基礎データ、目標色の色彩値、着色物の色彩値をもとに、その色差分を補正するように、カラーマッチングアルゴリズムに従って、演算処理装置1にて追加調合量を演算する。演算した結果は表示装置2に表示され、同時に指定光源とのメタメリズムインデックスも表示させる。ここで、追加投入のコストや予測堅牢度などを表示させてもよい。このときの第二光源となる指定光源は、一つに限定されず、複数光源でのメタメリズムインデックスの平均値などを適用してもよい。さらに、演算した結果を記憶装置4に記憶しておき、次回調合量の修正計算に用いることもできる。メタメリズムの評価としては、前記メタメリズムインデックスを用いる。また、メタメリズムインデックスの計算方法としては、JIS Z 8719条件等色指数や、DIN6172などの式を用いればよい。
【0031】
ここでのカラーマッチングアルゴリズムとは、前記クベルカ−ムンクの理論(数1)、ダンカンの混色理論(数2)および着色剤の基礎データから、ニュートン−ラプソン法やアレン法などを使って調合量を求めることである。CCMの計算方法については、一定数あるいは二定数理論のどちらでもよく、また収束条件については、メタメリックマッチあるいはアイソメリックマッチの何れでもよい。
【0032】
また、ここでの演算においては、実際に調合した着色剤の量やその他の剤の量を入力し、かつ、その調合した剤からラボ試験用に採取した調液量を入力することで、ラボ試験後に残存している着色剤量を求めることができ、より正確な追加調合量算出することが可能となる。
【0033】
さらに、手順2の目標色の測定において、目標色を記憶装置4に記憶しておき、その目標色の色彩データを呼び出してもよく、また、手順7における着色剤調合量についても、記憶装置4に記憶しておいたデータを呼び出して使用してもよい。
【0034】
なお、三刺激値XYZの算出の方法は、分光反射率を用いて以下の計算式から算出することができる。
【0035】
【数4】

【0036】
また、得られた三刺激値XYZから、以下の計算式によりL値を算出することができる。
【0037】
【数5】

【0038】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0039】
実施例1
顔料として、ホワイト、ブラック、イエローおよびレッドを使用して着色した着色物について、本発明のCCM方法により修正計算した。着色剤の調合量、目標色および実績色の色彩値は、表1に示す通りである。初期調合の着色物と目標色との色差は、ΔE*ab:0.93であり、色差判定の結果、不合格となった。L表色系において、目標色に対して初期調合色のずれている色相角は、Δh°:79.4°であった。
【0040】
また、使用した各有彩色顔料の固有のCIELAB表色系色相角は以下の通りであった。
イエロー : 95.7°
オレンジ : 49.7°
レッド : 27.9°
バイオレット:326.3°
ブルー :289.8°
ターコイズ :214.9°
グリーン :187.8°
【0041】
ここで、目標色に対して初期調合色のずれている色相角79.4°の反対色相(259.4°)に最も近い有彩色顔料は、289.8°の色相角をもつブルー顔料であり、これを追加調合する着色剤として選定した。その結果、ブルー顔料の追加調合量は5.51g、総追加調合量は173.34gであった。後述する比較例と比較して、着色剤の追加量がかなり低減されていた。
【0042】
【表1】

【0043】
比較例1
実施例1と同様に着色した着色物について、従来の方法により追加調合した。すなわち、色相が大きく黄味方向にずれているため、相対的にイエローの影響を減じさせるべくブラックを追加した。さらに、濃度調整のためにホワイトを多量に追加調合することになった。その結果、顔料の追加調合量は計505.82gとなった。
【0044】
【表2】

【0045】
比較例2〜5
実施例1と同様に着色した着色物について、オレンジ、バイオレット、ターコイズ、グリーンの顔料をそれぞれ追加顔料として追加修正した。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】

【符号の説明】
【0047】
1 演算装置
2 表示装置
3 入力装置
4 記憶装置
5 分光光度計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の目標色に対して、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて色合わせを行うコンピュータカラーマッチング方法であって、
(a)目標色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(b)白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて着色された着色物の実績色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(c)該目標色の色彩値と実績色の色彩値との色差を算出するステップ、
(d)該着色物に使用された着色剤の種類および調合量を入力するステップ、
(e)該色差について、所定の表色系においてずれている色相とは反対の色相をもつ顔料を追加顔料として選定するステップ、および
(f)選定された追加顔料に基づいて、その追加調合量を算出するステップ、
を含むコンピュータカラーマッチング方法。
【請求項2】
前記反対の色相が、CIELAB表色系のa色相面において、ずれている色相方向とは180°の色相角の関係にある色相からプラスマイナス60°の色相角の範囲である請求項1記載のコンピュータカラーマッチング方法。
【請求項3】
任意の目標色に対して、白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて色合わせを行うコンピュータカラーマッチングを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータに、
(a)目標色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(b)白色顔料、黒色顔料および2以上の有彩色顔料を用いて着色された着色物の実績色について、所定の表色系における色彩値を計測するステップ、
(c)該目標色の色彩値と実績色の色彩値との色差を算出するステップ、
(d)該着色物に使用された着色剤の種類および調合量を入力するステップ、
(e)該色差について、所定の表色系においてずれている色相とは反対の色相をもつ顔料を追加顔料として選定するステップ、および
(f)選定された追加顔料に基づいて、その追加調合量を算出するステップ、
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項4】
前記反対の色相が、CIELAB表色系のa色相面において、ずれている色相方向とは180°の色相角の関係にある色相からプラスマイナス60°の色相角の範囲である請求項3記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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