説明

コンベアに取り付けられたガイドの改良

本発明に係るガイド(3)は二つの部分、すなわち相対的に剛性の高い金属ストリップの形態のレール(11)と、熱可塑性素材からなると共にレール(11)上にスナップ嵌合させられた形材(11)とを備え、形材(12)は、製品の下側部分においてガイドと運搬される製品との間の接触を促進するために、その全高に関して可変断面を有するような形状とされている。レール(11)は、ホルダー(2)上で、それを固定するために使用されるネジ(14)の頭部を補強すると共にそれを収容するための長手方向リブ(13)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア、コンベアテーブルなどの上のボトルあるいはフラスコタイプの製品用のガイドデバイスの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1および特許文献2において、コンベアは、等間隔で配置された、ガイド自体とこれらガイドのためのホルダーとを備えたガイドデバイスを具備してなるが、当該ホルダーはコンベアの構造体に対して固定されている。
【0003】
コンベア設備において、ガイドおよびガイドホルダーは設備の重要な役割を果たす。コンベアあるいはコンベアテーブルに沿って両側に配置された、数多くの部品が存在する。
【0004】
運搬される製品は側方ガイドと頻繁に接触し、この接触は、製品に対して、特にラベルに対して、変化を、あるいはダメージさえ、引き起こすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許発明第2882738号明細書
【特許文献2】欧州特許第48524号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、たとえば、ラベルを保持する装飾領域などの繊細な領域を(ときには、かなり大きな圧力を伴って)それが擦るのを阻止することによって、コンベアによる、その輸送の間、製品の状態が良好に保護されることを可能とする上記ガイドに対する調整を提案する。
【0007】
本発明に係るガイドは二つの部分、すなわち
それ自体がコンベアの構造体に対して堅固に固定されたホルダーに対して適切な手段によって連結された相対的に剛性の高い金属ストリップの形態のレールと、
熱可塑性素材からなる形材であって、この形材の上方および下方に配置されたフックの形態のファスナーを用いて、上記レール上にスナップ嵌合する形材と、から構成され、
この形材はその全高にわたって可変断面を備えた形状となっており、かつ、この断面の変化が、製品の下側部分において、すなわち装飾的形状あるいはラベルが付与されずかつ概して製品の最も強度の高い部分である領域おいて、製品と形材との間の接触を促進することを可能とする、上端から下端に至る僅かでかつ一定のスロープをそれに付与するようになっている。
【0008】
さらに、コンベアベルトに対して可能な限り短い距離でガイドと製品との間の接触を実現することによって、トルク(これは製品を不安定にする)が生じるリスクが大幅に低減される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、熱可塑性素材からなる形材(12)の厚みは、その上側部分に関して1mmのオーダーのものであり、かつ、その下側部分に関して3mmのオーダーのものである。
【0010】
形材の厚みのこの差異はまた、上記ガイドが、その片持ち状態に起因して撓む傾向がある場合でさえ、ガイドの下側部分上に位置させられた製品接点を常に提供することを可能とする。
【0011】
ガイドに製品のかなり大きな圧力が作用する場合でさえ、圧力は主として、その下側部分に作用しかつ上向きには減少するが、これは、いかなる状況でも、製品の上側部分を重大な変化から保護することを可能とする。
【0012】
本発明の他の態様によれば、形材は、上記レール上にその固定フックを位置決めする間、それをレール上に締結することを可能とする凹部を、そのガイド面のレベルに伴って、押し出し成形によって得られる。
【0013】
さらに本発明によれば、上記形材は誤り防止(mistake-proof)タイプの機構を備えるが、この機構は下側フックの縁部に配置される。
【0014】
本発明の他の態様によれば、形材のホルダーレールは、一方では、それを補強し、そして他方では、サポート手段に対して、それを固定する役割を果たすネジの頭部を収容することを可能とする長手方向リブを具備してなる。
【0015】
この構成によって、孔や凹凸領域のない、均一なガイド面を提供することが可能となるが、これはさらに、製品の表面のダメージのリスクを低減し、かつ、その状態を保護する。
【0016】
さらに本発明によれば、ホルダーレールの長手方向リブは、その下側部分の慣性を増大させると共に製品の圧力下でそれが変形する可能性を低減するために、上記レールの下側部分上に配置される。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、長手方向溝の軸線とガイドの下側部分との間の距離は、当該ガイドの高さの1/3ないし1/4である。
【0018】
以下、本発明について、図面を参照して、さらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】コンベアの構造体に取り付けられた、本発明に係るガイドデバイスの断面図である。
【図2】熱可塑性素材から製造された形材を示す図であり、これは、ガイドの摩擦面として機能する。
【図3】形材が、そのホルダーとして機能するレール上に正確に取り付けられることを可能とする誤り防止タイプの機構の細部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すように、ガイドデバイスは、コンベアあるいはその他の構造体(1)上に横方向に取り付けられる。
【0021】
このガイドデバイスは、構造体(1)に固定されたホルダー(2)と、ガイド(3)自体を具備してなるが、ガイド(3)はホルダー(2)に対して堅固に固定されている。
【0022】
ホルダー(2)は、たとえば、適当な素材(好ましくはステンレス素材)からなる一体金属部品から構成される。このホルダー(2)は、たとえば、ヒートスタンピング処理などの適切な手段によって、円柱状バーから形成される。
【0023】
それは、バイオネット型形状のものであり、かつ、それは二つの別個の部分、すなわち
その円筒形状を維持し、かつ、本明細書の以下の部分ではロッド(4)として説明される上側部分と、
少なくとも一つの実質的に平坦な面を有するセクションを備えた逆字形の下側部分とを具備してなり、この字形部分は、コンベアの構造体(1)に固定されるフット(5)と、当該フット(5)と上記ロッド(4)との間の連結部を形成するベンド(6)とを具備してなる。ベンド(6)は、フット(5)およびロッド(4)の両方と鈍角をなす。
【0024】
ベンド(6)の長さによって、フット(5)に対してロッド(4)をオフセットさせ、かつ、(ほとんどの場合)コンベア上に侵入しないガイド(3)を収容するのに十分なスペースを残すことが可能となる。
【0025】
図1に示す実施形態では、ガイド(3)は円筒バー(7)によって保持されているが、このバーは、ホルダー(2)のロッド(4)と係合させられたナット(8)と協働する。
【0026】
ガイド(3)は、二つの部品、すなわち
ガイドの剛性が高く頑丈な部分に対応する金属ストリップの形態のレール(11)と、
このレールを覆うと共に摩擦面として機能する形材(12)と、
から構成される。
【0027】
この形材(12)は、たとえば、スピニングあるいは押し出しタイプの適切な手段によって得られた、熱可塑性素材から製造される。
【0028】
レール(11)は薄手のシート状金属から製造され、かつ、それにある程度の慣性を付与する補強リブ(13)を具備してなる。
【0029】
このリブ(13)はまた、ガイド(3)のレール(11)をバー(7)の端部に固定することを可能とするネジ(14)の頭部を収容することを可能とする。この機構によって、凹凸のない領域を備えた、ガイド(3)のためにスライド表面を提供することが可能となるが、これによって、ゴミ、埃あるいはその他の物質(これはコンベアによって輸送される製品を汚損することがある)の滞留が回避される。
【0030】
ガイド(3)の作用部分の慣性および剛性を改善するために、溝(13)は好ましくは、当該ガイドの下側部分上に配置される。この溝(13)の軸線(15)は、たとえば、当該ガイドの高さの1/3ないし1/4である、ガイド(3)の下側部分から距離の位置に配置される。
【0031】
参考までに、このタイプのガイド(3)は10cmのオーダーの高さを有し、かつ、コンベア面に対して、略1ないし2cmのオーダーのレベルに存在する。
【0032】
ガイド(3)のレール(11)はまた、クレビス取り付け具(図示せず)を用いて固定できるが、このクレビス取り付け具は、ボルトとは別個に、同じ方法で固定され、その頭部はリブ(13)内に埋め込まれる。クレビス取り付け具を用いたレール(11)の取り付けは、ホルダー(12)に対するその設置について、調整および融通性に関する、より大きな可能性を提供する。
【0033】
図2は、摩擦面として機能する形材(12)の断面を示している。この形材は、ガイド(3)の構造および案内を改善することを可能とする、いくつかの特徴部を有する。
【0034】
特に、ホルダー(2)を用いて得られた案内の精度は、形材(12)を設けたことによって、さらに改善される。形材(12)の作用面は、ガイド(3)の上端と下端との間で変換する厚みを有する。すなわち、形材(12)の上側部分の厚みは、当該形材の下側部分におけるこの同一形材の厚みよりも小さなものである。
【0035】
この厚みは、たとえば、形材(12)の上端における=1mmから当該形材(12)の下端における=3mmまで変化し得る。この差によって、製品とガイド(3)の形材(12)との間の接触面積を可能な限り制限しながら、これら製品の案内を正確に実施することが可能となる。さらに、案内は、製品の下側部分において、すなわち、たとえば、ボトルあるいはフラスコタイプの製品が関係する、ラベルを保持する領域よりも概して損傷しにくい領域においてなされる。
【0036】
形材(12)は、その上側部分およびその下側部分にフックの形態の取り付け部を備える。
【0037】
上記フック(16)および(17)によって、レール(11)に対してこの形材(12)をスナップ嵌合させることが可能となり、そして、それに対するその把持状態は、それが製造された際に、この形材(12)の摩擦面に対して付与された形状によって、ほとんど自然に強化される。
【0038】
形材(12)の摩擦面は、実際、図2に示すように、凹状湾曲を備えた形状となっているが、これは、上記面の中央部分をレール(11)に対して押し付けると共に、形材(12)にレール(11)を把持させることを可能とする。
【0039】
レール(11)へのその取り付けの間、オペレーターが形材(12)を正確に設置するのを助けるために、図3に示すように、フックの縁部において、その下側部分に切欠きが形成される。
【0040】
この切欠きは誤り防止デバイスとして機能する。すなわち、それはフック(17)の下方に形成され、かつ、それは、形材(12)の長さにわたって溝を形成する凹部(18)からなる。
【符号の説明】
【0041】
1 構造体
2 ホルダー
3 ガイド
4 ロッド
5 フット
6 ベンド
7 円筒バー
8 ナット
11 レール
12 形材
13 補強リブ
14 ネジ
15 軸線
16,17 フック
18 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルまたはフラスコタイプの製品のコンベア用のガイドであって、このガイドは、二つの部分、すなわち
前記コンベアの構造体に対して、サポートバータイプの適切な手段によって連結された相対的に剛性の高い金属ストリップの形態のレール(11)と、
熱可塑性素材からなる形材(12)であって、この形材の上方および下方に配置されたフック(16),(17)の形態の取り付け具を用いて、前記レール(11)に対してスナップ嵌合させられた形材(12)と、
を具備してなるタイプのものであり、
前記形材(12)は、その全高にわたって可変断面を備えた形状となっており、この断面の変化が、前記製品の下側部分において前記製品と前記形材との間の接触を促進するために、上端から下端に至る僅かなスロープをそれに付与するようになっていることを特徴とするガイド。
【請求項2】
熱可塑性素材からなる形材(12)の厚みは、その上側部分において1mmのオーダーのものであり、かつ、その下側部分において3mmのオーダーのものであることを特徴とする請求項1に記載のガイド。
【請求項3】
前記形材(12)は、前記レール(11)上で前記フック(16),(17)を位置決めする間、前記レール(11)上にそれを締結することを可能とする凹部を、そのガイド面のレベルに伴って、押し出し成形によって得られたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガイド。
【請求項4】
前記形材は、誤り防止デバイスとして機能する溝(18)の形態の機構を具備してなり、前記機構はその下側フック(17)上に形成されることを特徴とする請求項2に記載のガイド。
【請求項5】
前記レール(11)は、一方では、それを補強し、そして他方では、前記サポートバー(7)に対して、それを固定する役割を果たす前記ネジ(14)の前記頭部を収容することを可能とする長手方向リブ(13)を具備してなることを特徴とする請求項1に記載のガイド。
【請求項6】
その下側部分の慣性を増大させると共に、製品の圧力下でそれが変形する可能性を低減するために、前記レールの前記下側部分上に配置された前記ホルダーレール(11)上の長手方向溝(13)を具備してなることを特徴とする請求項5に記載のガイド。
【請求項7】
前記長手方向溝(13)の前記軸線(15)と、前記ガイド(3)の前記下側部分との間の距離は、たとえば、前記ガイドの高さの1/3ないし1/4であることを特徴とする請求項6に記載のガイド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−534172(P2010−534172A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516543(P2010−516543)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051216
【国際公開番号】WO2009/019355
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(506100093)シデル・パーティシペーションズ (72)
【Fターム(参考)】