説明

コンベアのためのガイドホルダ

本発明は、シリンドリカル状のバーから形成されている一体部品の形態をしたガイドホルダ(2)に関する。ガイドホルダ(2)は、2つの部分、すなわち脚部(5)を形成しているブランチを有している、平坦部の形態をしたL字状部分と、ガイドホルダ(2)とガイドとの間で調整可能な連結システムを滑動させることができる、シリンドリカル状部分すなわちロッド(4)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアに位置決めされているガイドホルダ、特にコンベアの構造体に固定されているガイドホルダの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬設備においては、ガイド及びガイドホルダが該運搬設備の大部分に相当する。これらガイド及びガイドホルダは、運搬設備の両側にコンベア又はコンベアテーブルに沿って位置決めされている多数の部品である。
【0003】
当該運搬設備全体の組立時間は、比較的長く、とりわけ当該運転設備を高精度で組み立てること、及びガイドの位置を調整することに占められている。これにより運搬設備は、自身の機能を発揮させることができる。その機能とは、すなわちコンベアによって循環される製品、例えばボトルに不具合を発生させず運転することである。
【0004】
特許文献1及び特許文献2は、高さ方向及び横方向においてガイドを調整可能なガイドホルダを開示している。しかしながら、この調整能力は、幾つかの部品から構成されているホルダに基づくものである。
【0005】
特許文献1に開示されているホルダは、自身の一方のブランチがコンベアの構造体に固定されていると共に、直角なアングルの形態をした第1の部分と、第3の部分によって第1の部分の他方のブランチに固定されていると共に、垂直方向に延在しているロッドの形態をした第2の部分と、を備えており、この固定は、バネの形態をした第4の部分を介装することによって実現されている。
【0006】
特許文献2に開示されているホルダは、コンベアの構造体に固定されている第1の部分と、ネジから構成された第3の部分によって第1の部分に固定された、バヨネットの形態に形成されたシリンドリカル状(cylindrical)のロッドから構成されている第2の部分と、を備えている。
【0007】
多数の部品から構成されているこれらホルダは、比較的高価であり、コンベアの構造体に組み付けられている間、多くのメンテナンスを必要とする。
【0008】
特許文献3は、バヨネットの形態に形成された単一の平坦な部品から構成されているホルダであって、バヨネットの脚部がコンベアの構造体に直接固定されているホルダを開示している。
【0009】
このホルダは、その形態が比較的単純であり、低コストであるが、ガイドの調整範囲が広くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3776350号明細書
【特許文献2】仏国特許第2203758号明細書
【特許文献3】独国特許第3204114号明細書
【特許文献4】仏国特許第2882738号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ホルダとガイドとの間に配置された中間部品を高さ方向及び回転方向において調整可能である点について、単純且つ汎用性が高いホルダを提案するものである。このホルダは、コンベア装置にガイドを組み付ける際のあらゆる状況に対して容易に適応可能であり且つ適合している。すなわち、このホルダは、輸送量等に偏差を発生させるために、湾曲したガイドやアーチ状のガイドに組み付けることができる。
【0012】
幾つかの実施例では、コンベアのガイドが、ホルダからかなり離れて配置されており、オーバーハングした状態にある。このような制約によって、耐性、特にストレス耐性が高いホルダを利用せざるを得なくなっている。
【0013】
特許文献1及び特許文献2に開示されているホルダは、実質的にオーバーハングした状態を許容可能な程度に十分な剛性を有しておらず、ガイドの位置決めを許容可能な精度を有していない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明におけるホルダは、バヨネットの形態をした単一の一体部品から構成されており、熱間成形工程によってシリンドリカル状のバーから形成されている。当該ホルダは、相違する断面を有している2つの部品を備えている。第1の部品とは、ガイドと協働する付加的な手段の組み付け及び調整が可能なシリンドリカル状の上側部分、すなわちロッドである。第2の部品とは、少なくとも1つの略平面を有している逆L字状部分、より好ましくは平坦部の形態で配置されている逆L字状部分である。この逆L字状部分は、一方のブランチと他方のブランチとを備えている。一方のブランチは、脚部が形成されていると共にコンベアの構造体に直接固定されている、シリンドリカル状のロッドに対して平行に配置されている。他方のブランチは、例えば有用な運搬面の外側にガイドを位置決めするための空間を形成するように、ロッドを横方向にオフセットする屈曲部を備えている。
【0015】
本発明におけるホルダは、製造時にすぐに取付可能であること、及びコンベアを備えている要素に組み付け可能であることを利点として有している。すなわち、特許文献4に開示されているコンベアの場合のように、該ホルダは、コンベアのフレームの構造部材に直接組み付け可能とされる。
【0016】
このホルダは、実際に汎用的であり、コンベアの構造体に配設された単純な固定システムを興味深い調整能力と調和させることができる。
【0017】
本発明の好ましい配置では、ホルダは、図示する直径16mmのステンレス鋼の丸棒から作られたシリンドリカル状の部品から形成されている。
【0018】
さらに本発明では、平坦部とシリンドリカル状のロッドとの結合領域が、参照用としても利用可能な少なくとも1つのマーキングを備えている。マーキングは、対称に配置されている例えば平坦部の形態をしている。平坦部は、ホルダの2つの部品の間の結合領域に配置されている。平坦部は、ガイドの取付の際にシリンドリカル状のロッドとガイドとの間に挿置されている連結手段の位置を高精度で調整することができるように、シリンドリカル状部分の上端部から所定距離で離隔して配置されている。このような調整は、例えば連結手段と平坦部分との間に挿置されている楔によって実施される。
【0019】
本発明の他の配置では、ホルダの脚部及びシリンドリカル状のロッドが、角度許容値を有した状態で平行に配置されている。これにより、シリンドリカル状のロッドをコンベアの外部に向かって僅かに傾斜させることが可能になる。すなわち、脚部とシリンドリカル状のロッドとが成す角度が、許容範囲内に維持される一方、上側部分をロッドから脚部に対して相対的に離隔させることができる。このような傾斜によって、ガイドのオーバーハングに起因するホルダの変形を吸収することができる。
【0020】
さらに本発明では、特にホルダとガイドとの距離が一定である場合には、ホルダとガイドとの間に配設されている付加的な連結手段が、熱可塑性材料から作られていると共にスペーサとしても機能する一体部品から構成されている。一体部品は、ホルダのロッド上で滑動可能であると共に開断面を有しているスリーブと、スリーブに固定されているアームの端部に直角に配置されているラグと、を備えている。ラグは、ガイド上に固定されるように配置されている。
【0021】
本発明の他の配置では、スペーサは、ガイド、特にガイドを備えたレールの裏側に突出して配置されているリブと協働するために、カップ状の表面を有しているラグを備えている。
【0022】
しかしながら、本発明については、以下の発明の詳細な説明と参照のための図面とを利用して、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明におけるホルダを備えていると共にコンベアの構造体に取り付けられているガイド装置の立面図である。
【図2】ホルダとガイドとを連結する手段を備えている本発明におけるホルダの部分的な斜視図である。しかしながら、ガイドは本図には図示されていない。
【図3】ホルダの2つ部分の間に配置されている平坦部の形態をした装置の詳細図である。
【図4】ガイドが横方向の位置に固定されているコンベアのための、ホルダとガイドとの間に配設されている付加的な連結手段の代替的な実施例である。
【図5】スペーサとしても機能し且つホルダとガイドとを連結する、図4に表わす付加的な部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、コンベア等の構造体1の側方に取り付けられているガイド装置を表わす。
【0025】
このガイド装置は、
正確に言えば、特許文献4に表わされるように、構造体1を組み立てる際に利用可能な適切な手段によって構造体1に固定されているホルダ2として機能する部分と、
正確に言えば、ガイド3と、
ホルダ2とガイド3との間に配設されている連結手段であって、状況に応じて調整可能又は固定式とされ且つスペーサとして機能する連結手段と、
を備えている。
【0026】
ホルダ2は、適切な材質な金属、より好ましくはステンレス鋼材料から作られた単一の一体部品から構成されている。
【0027】
ホルダ2は、円柱状又は円筒状の棒材から形成されている。より好ましくは、ホルダ2は、棒材を引き抜き穴で引き抜く(cut)ことによって、直径16mmのステンレス鋼材料から作られている。
【0028】
ホルダは、断面が相違する2つの別個の部分を備えたバヨネットの態様を有している。2つの別個の部分とは、シリンドリカル状の形状を保持している上側部分、すなわち以下の記載におけるロッド4と、少なくとも1つの略平面を有している直角アングルの形態又は逆L字状の形態をした下側部分と、である。この逆L字状の形態は、略矩形状の断面を有した平坦部のようになっており、コンベアの構造体1に直接固定されている脚部5と、脚部5とロッド4とを連結している屈曲部6とを備えている。
【0029】
屈曲部6は、一方の側部において脚部5と鈍角を形成し、他方の側部においてロッド4と鈍角を形成している。
【0030】
屈曲部6は、ロッド4を脚部5に対してオフセットさせること、及び、ガイド3を収容するに十分な空間を確保することが可能な長さに形成されている。従って、多くの場合において、屈曲部はコンベアに干渉しない。
【0031】
非常に高い精度でガイド3を位置決めするために、ホルダ2のロッド4及び脚部5が互いに対して平行に設けられている。しかしながら、角度の許容値は、ロッド4がコンベアの外側部分に向かって僅かに傾斜していることを考慮した角度で許容可能とされる。このことは、ガイド3が実質的にオーバーハングした状態でホルダ2から比較的遠くに離れている場合に、ホルダ2の屈曲を補償するという利点を有している。
【0032】
ホルダ2は、単純捩りをして、これにより屈曲部6の端部における角度(s)を改善することによって、必要に応じて現場でロッド4の位置を調整可能な材料から作られている。
【0033】
ホルダ2は、特許文献4にて詳述されているように、コンベアの構造体1に、例えば構造体1の組み立て部材に直接固定されている。コンベアの組立後及び組立中に、ホルダ2が据え付けられている。そして、ホルダ2がコンベアと共に搬送される。
【0034】
ガイド3は、連結手段によって支持されている。図1及び図2に表わす第1の実施例では、該連結手段は、例えばシリンドリカル状のバー7と、ホルダ2のロッド4で滑動するワーブ8(wharve)とから構成されている。該ワーブは、ロッド4に対して直角に配置されているバー7を受容している。
【0035】
ワーブ8は、ロッド4に配設され、高さ及び向きを調整可能とされる。ワーブ8は、ネジ9によってロッド4をロックされている。
【0036】
また、図1において、バー7がワーブ8に対して調整可能とされ、該バーがネジ10等によってワーブに固定されていることに留意すべきである。
【0037】
ガイド3は、2つの部分から構成されている。2つの部材とは、ガイドの高剛性であり且つ抵抗力を有する部分に対応する金属ストリップの形態をしたレール11と、レールを覆っていると共に摩擦面としても機能する部分12と、である。
【0038】
この部分12は、熱可塑性材料から作られており、例えば適切な押出成形手段によって得られる。
【0039】
レール11は、薄肉シートから作られており、慣性力を該レールに作用させる補強用リブ13を備えている。
【0040】
このリブ13は、ガイド3をバー7の端部に固定するために利用されるネジ14の頭を収容することができる。この配置によって、ガイド3のための滑らかな(without any asperities)スライド面を形成することができる。これにより、コンベアによって輸送される製品を汚す可能性があるゴミや塵等が溜まることを防止することができる。
【0041】
図示しないヨークを介装することによって、ガイド3を固定することができる。同様に、ヨークも、自身の頭がリブ13に埋設されているボルトによって慎重に固定されている。ガイド3をヨークと共に組み立てることによって、当該ガイドのホルダ2に対する取り付けに関して、調整可能性及びフレキシビリティを高めることができる。
【0042】
ホルダ2に設けられた装置によって、さらに容易にガイド3をコンベアに対して位置決め可能になる。このホルダ2は、ロッド4と屈曲部6との間に、図3に表わす平坦部15の形態をしたマーキングを備えている。
【0043】
これら平坦部は、シリンドリカル状のロッド4の下方におけるホルダ2の断面が変化する位置で、言い換えればロッド4に対応する丸い部分が屈曲部6及び脚部5に対応する平坦な形態をした部分に切り替わる位置で、ホルダ2の両側に対称に配置されている。
【0044】
ガイド3を水平に位置決めし且つ該ガイドを調整するために、作業者は、図示しない楔やピンゲージを利用することができる。この楔は、1つ又は複数の平坦部15と連結手段との間に、本明細書では、該平坦部と図1及び図2に表わすワーブ8との間に挿置されている。
【0045】
平坦部15の高さは、例えばロッド4の上端に対して調整され、この上端部自体は、脚部5がコンベアの構造体1に固定されている位置から所定距離で離隔して位置決めされている。
【0046】
図4は、ガイド3の横方向における位置を調整不要なコンベアの場合における、ホルダ2とガイド3とを連結する連結システムの代替的な実施例を表わす。このガイドの横方向における位置は、予め決められた定位置である。
【0047】
ガイド3は、例えば熱可塑性材料から作られている一体部品の形態をしたスペーサ17によって支持されている。
【0048】
スペーサ17は、図5に表わすように、ガイド3のレール11に固定されているラグ18と、ホルダ2のロッド4で滑動可能なスリーブ19と、ラグとスリーブとの間に形成され、且つ、ラグ18に対して直角に向いているアーム20と、を備えている。
【0049】
スリーブ19には割りが入っており、ロッド4上におけるスリーブの位置を高さ及び向きについて調整可能とされる。
【0050】
ラグ18は、ガイド3と確実に連結可能な表面を備えている。この連結可能な表面は、レール11のリブ13を密接に当接するためにカップ21の形態をしている。既に説明したように自身の頭がリブ13に埋設されているボルト22によって、当該ラグがレール11に固定される。
【0051】
図面に表わす2つの実施例では、ホルダ2のロッド4によって、ホルダ2とガイド3との間に配設された連結手段の高さを調整すること、及びワーブ8又はスペーサ17に関して自在に方向合わせ可能な連結手段の角度方向を調整することが可能となることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0052】
1 コンベアの構造体
2 ホルダ
3 ガイド
4 ロッド
5 脚部
6 屈曲部
7 バー
8 ワーブ
9 ネジ
10 ネジ
11 レール
12 部分
13 リブ
14 ネジ
15 平坦部
17 スペーサ
18 ラグ
19 スリーブ
20 アーム
21 カップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バヨネットの形態をした単一の一体部品から構成されているコンベアのためのガイドホルダにおいて、
前記ガイドホルダが、シリンドリカル状のバーから形成されており、
前記ガイドホルダが、相違する断面を有している2つの部品、すなわち上側部分と逆L字状部分とを備えており、
前記上側部分が、シリンドリカル状のロッド(4)の形態とされ、ガイドと協働する付加的な手段を高さ方向及び回転方向において組み付け及び調整可能であり、
前記逆L字状部分が、少なくとも1つの略平面を有しており、より好ましくは平坦部の形態で配置されており、
前記逆L字状部分が、一方のブランチと他方のブランチとを備えており、
前記一方のブランチが、シリンドリカル状の前記ロッドに対して平行に配置されており、脚部(5)を形成すると共に、前記コンベアの構造体に直接固定されており、
前記他方のブランチが、例えば有用な運搬面の外側に前記ガイド(3)を位置決めするための空間を形成するように、前記ロッド(4)を横方向にオフセットさせる屈曲部(6)を備えていることを特徴とするガイドホルダ。
【請求項2】
前記ガイドホルダが、直径16mmのステンレス鋼の丸棒から作られたシリンドリカル状の部品を利用して、熱間成形工程によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガイドホルダ。
【請求項3】
前記ガイドホルダが、前記屈曲部(6)と前記ロッド(4)との間に配設された結合領域において、参照用として機能する少なくとも1つのマーキングを備えており、
前記マーキングが、対称に配置されている平坦部(15)から構成され、
前記平坦部が、例えば前記ロッド(4)の上端部から所定距離で離隔して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガイドホルダ。
【請求項4】
前記ガイドホルダが、角度許容値を有した状態で平行に配置されている前記脚部(5)及び前記ロッド(4)を備えており、
これにより、前記ロッドを前記コンベアの外部に向かって僅かに傾斜させることができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガイドホルダ。
【請求項5】
前記ガイド(3)が設けられている連結システムが、熱可塑性材料から作られていると共にスペーサとしても機能する一体部品から構成されており、
前記一体部品が、前記ロッド(4)において滑動可能であると共に開断面を有しているスリーブ(19)と、前記ガイドに固定されているラグ(18)とを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガイドホルダ。
【請求項6】
前記スペーサ(17)が、前記ガイド(3)、特に前記ガイドを備えているレール(11)のリブ(13)と協働するために、カップ(21)の形態をした表面を有していることを特徴とする請求項5に記載のガイドホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−534173(P2010−534173A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516544(P2010−516544)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051218
【国際公開番号】WO2009/019356
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(506100093)シデル・パーティシペーションズ (72)
【Fターム(参考)】