説明

コンベヤトラック又は容器用の潤滑剤組成物

コンベヤトラック潤滑剤組成物、並びにシロキサン油及び展着剤、例えば、トリシロキサン展着剤の使用を含む方法。また、潤滑剤組成物は殺生物剤材料及び応力亀裂抵抗性材料を含有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、コンベヤトラック又は容器用の潤滑剤組成物と、ボトル詰め設備、特に、食品及び飲料ボトル詰め設備、最も好ましくは、プラスチックボトル、例えば、炭酸飲料業界で広く使用されているポリエチレンテレフタレート(PET)ポリマー製ボトルを用いるボトル詰め設備におけるコンベヤでのその使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
[発明の背景]
ほとんどの飲料を含む多くの製品の商品流通において、製品はさまざまな大きさの容器内にパッケージングされている。容器は、紙、金属又はプラスチック製であり、カートン、缶、ボトル、テトラパック(商標)、パッケージ、パラフィンカートンパック等の形態の容器であり得る。ほとんどのパッケージング作業では、通常、容器は立位で容器の開口を垂直に上向き又は下向きにしてコンベヤシステムに沿って移動させる。容器をステーションからステーションへと移動させ、そこで種々の作業、例えば、充填、封止、ラベル貼付、密封等が行なわれる。容器は、その多くの可能な形式及び構造に加え、多くの異なる型の材料、例えば、金属、ガラス、セラミック、紙、加工紙、パラフィン紙、複合材料、積層構造、及びポリマー系材料等で構成され得る。
【0003】
容器の充填及び移送中、コンベヤは、速度が変化したり、角を曲がったり、又は上方若しくは下方に傾斜し得る。ボトルが例えば充填ステーションで)静止状態で保持される場合、コンベヤはボトルの下を最小の抵抗で移動しなければならない。ボトルとコンベヤとの間又はボトル同士間の摩擦が大きすぎると、ボトルは互いにくっつき、コンベヤラインを停滞させ、又は転倒する可能性がある。したがって、容器が互いを円滑に通過し得るように、又はコンベヤ表面が、停滞若しくは転倒せずに、ボトルの下を円滑に移動するのが可能となるように、コンベヤ及びさらに容器を潤滑することが必要である。他方、上方若しくは下方に傾斜させるような意図する場合に、選別作業を完了させる場合、又は充填ステーションから離れる場合等で、ボトルをコンベヤと連結させたり、コンベヤと一緒に移動させたりすることができなくなるため、摩擦はあまり小さくすることができない。容器がコンベヤ上で転倒するか、又は適正に操作されないと、コンベヤが、不具合を修正するために停止する場合があるか、又は容器を移動させるのに不充分となる場合があり、又は、容器がコンベヤ表面から離れて設備の床面に落下する場合がある。
【0004】
また、食品を加工している際に、コンベヤは、容器からこぼれている食品、また、容器自体、コンベヤ表面、コンベヤの他の構造的要素、及び設備の他の部分上にこぼれている食品由来の沈着物の蓄積にさらされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、適正な表面特性を容器及びコンベヤの表面に付与して、必要な摩擦関係を提供する、コンベヤトラック及び容器用の潤滑剤組成物が必要である。潤滑剤溶液は、容器に例えば飲料を充填する際、多くの場合でコンベヤシステムにおいて使用されている。かかる潤滑剤には、望ましいいくつかの異なる要件がある。例えば、潤滑剤は、許容可能なレベルの潤滑性を当該システムに提供するものであるのがよい。また、潤滑剤は、従来のポンピング及び/又は塗布装置、例えば、当業界で一般的に使用されている噴霧、ロールコーティング、湿式床コーティング等による塗布が可能な粘度を有することが望ましい。潤滑剤中及びコンベヤシステム上での微生物成長を抑制すること、並びに清浄性を維持することが必要とされる場合、潤滑剤は、殺生物性及び洗浄特性を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[発明の概要]
本発明の一態様は、シリコーン潤滑油及び展着剤(spreading agent)を含む、コンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物であって、水系薬剤(water agent)と比べてポリブテンにおいて少なくとも4、好ましくは少なくとも7の展着率を有する組成物を提供する。潤滑剤組成物に所望の展着率及び他の所望の特性を付与するのに有用な展着剤は、特定のトリシロキサンアルコキシレート化合物である。
【0007】
別の態様では、本発明は、上記のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物を、コンベヤトラック又は容器上に適用することを含む、コンベヤトラック又は容器を潤滑する方法を提供する。より詳しくは、シロキサン組成物とコンベヤ又は容器の表面上の該シロキサン組成物の湿潤性を改善するための1種類以上の薬剤とを組合せた混合物を、当該コンベヤの容器接触表面の少なくとも一部分又は当該容器のコンベヤ接触表面の少なくとも一部分に適用することを含む、コンベヤに沿った容器の通路を潤滑するための方法が提供される。
【0008】
本発明の別の態様は、コンベヤの容器接触表面又は容器のコンベヤ接触表面上に潤滑剤コーティングを有する潤滑されたコンベヤ又は容器を提供することであり、ここで、潤滑剤コーティングは、上記潤滑剤組成物を用いて形成される。
【0009】
また別の態様では、本発明の潤滑剤組成物は、殺生物性能力を提供し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[発明の詳細な説明]
本発明の組成物は、液状物を塗布するために使用される表面の傾斜又は噴霧流のため、従来の潤滑剤では到達され得ない領域に広げることができる。例えば、従来の潤滑剤を傾斜した表面に塗布した場合、簡単に玉状になり、重力のため落下する可能性がある。或いはまた、スプレー塗布器を用いると、噴霧流の力により、玉状になった潤滑剤が押されてトラック表面から除去され得る。対照的に、本発明の潤滑剤組成物は、重力の影響にもかかわらず、かかる表面上に均一に広がる傾向にある。換言すると、該組成物によって、より均一な薄膜が提供され、塗布される表面上で玉状の形成に抗する。玉状の形成に抗することにより、潤滑剤膜は所定の位置に留まる。別の利点は、本発明の潤滑剤が亀裂のような小さな開口部に浸透して許容部を閉鎖し、より充分な潤滑性が提供され得ることである。潤滑剤が全表面を被覆するため、改善された展着性によって、さらに完全な抗菌制御が提供される。別の利点は、当該潤滑剤をより有効に展着できるため、より費用効率的となることである。より少ないシリコーン膜形成材料を用いて、同じ効果が達成され得る。
【0011】
本発明は、展着剤との組合せでのシリコーン、又はシロキサン、潤滑油の使用を含む。シリコーン油は、単独、又は分散液若しくはエマルジョンの形態のような液体ビヒクルとの組合せで使用され得る。展着剤は、薄くて連続的な潤滑膜をコンベヤトラック若しくはかかるトラック上で移送される容器又はその両方に付与するシリコーン材料の能力を改善する。
【0012】
本発明の潤滑剤組成物において、主に膜形成特性を提供するために使用され得るシリコーン潤滑油は、市販品として数多くの製造業者から容易に入手可能であり、既知のコンベヤトラック用の潤滑剤組成物に使用されている。本発明において有用なシリコーン潤滑油は、水混和性又は水分散性シリコーン油であり、これは、追加の界面活性剤又は乳化剤、例えばポリジメチルシロキサン化合物のようなものを、使用して又は使用せずに、適度に安定なエマルジョンを形成するために使用され得る。好ましくは、これらは、メチル、ジメチル、並びに高級アルキル及びアリールシリコーン、ヒドロキシ、クロロ、メトキシ、エポキシ及びビニル置換シロキサンのような官能化シリコーンから形成されるエマルジョンである。典型的には、これらは、水中に分散又は乳化されたシロキサン材料のエマルジョンの形態で提供される。本発明において有用なシリコーン油の粘度は、典型的には、約10,000mm/s(センチストーク)未満である。
【0013】
好適なシリコーンエマルジョンとしては、E2175高粘度ポリジメチルシロキサン(Lambent Technologies, Inc.から市販されている60%シロキサンエマルジョン)、E21456 FG食品グレードの中粘度ポリジメチルシロキサン(Lambent Technologies, Inc.から市販されている35%シロキサンエマルジョン)、HV490高分子量ヒドロキシ末端ジメチルシリコーン(Dow Coming Corporationから市販されているアニオン性30〜60%シロキサンエマルジョン)、LEシリーズのジメチル及びオルガノ修飾シリコーンエマルジョン(約300〜10,000cStより大きい範囲の粘度を有し、GE Siliconesから入手可能な、例えば、35%ポリジメチルシロキサン水性エマルジョンであるLE−46等)、SM2135ポリジメチルシロキサン(GE Siliconesから市販されている非イオン性50%シロキサンエマルジョン)、及びSM2167ポリジメチルシロキサン(GE Siliconesから市販されているカチオン性50%シロキサンエマルジョン)が挙げられる。他の水混和性シリコーン材料としては、微細に分割されたシリコーン粉末、例えば、TOSPEARL(商標)シリーズ(Toshiba Silicone Co. Ltd.から市販されている);並びにシリコーン界面活性剤、例えば、SWP30アニオン性シリコーン界面活性剤)、WAXWS−P非イオン性シリコーン界面活性剤、QUATQ−400Mカチオン性シリコーン界面活性剤及び703スペシャルティシリコーン界面活性剤(すべて、Lambent Technologies, Inc.から市販されている)が挙げられる。好ましいシリコーンエマルジョンは、典型的には、約30wt%〜約70wt%の水を含有する。非水混和性シリコーン材料(例えば、非水溶性液状シリコーン及び非水分散性シリコーン粉末)もまた、適当な乳化剤(例えば、非イオン性、アニオン性又はカチオン性乳化剤)と組み合わせた場合、潤滑剤に使用され得る。プラスチック容器(例えば、PET飲料ボトル)を含む用途では、ボトル詰め業界で使用されているPET応力亀裂試験を用いて評価したとき、プラスチック容器において環境応力亀裂発生を促進する乳化剤又は他の界面活性剤の使用を回避するよう注意すべきである。ポリジメチルシロキサンエマルジョンは好ましいシリコーン材料である。好ましくは、潤滑剤組成物は、シリコーン化合物を乳化してシリコーンエマルジョンを充分に形成させるのに必要とされ得るものは別として、実質的に界面活性剤を含まない。
【0014】
本発明の組成物には1種類以上の展着剤が含まれ、これは、シリコーン油がコンベヤトラック及び容器、特に性質がポリマー系のもの上に永続性の薄膜を形成する能力を増強する。好ましい展着剤は、3.0×10−6N(30ダイン)/cm未満、より好ましくは約2.0×10−6〜2.3×10−6N(20〜23ダイン)/cmの表面張力を有し、ポリブテンにおいて測定したとき、水と比べて少なくとも約4、好ましくは少なくとも約7の展着率を有する潤滑剤組成物をもたらす。
【0015】
オルガノシロキサン展着剤は、本発明において有用であり、トリシロキサンアルコキシレート(TSA)が挙げられる。TSAは、一般式I
【0016】
【化1】

【0017】
を有する。中央のケイ素原子には、1つ以上のアルキレンオキシド有機基が懸垂している。非常に好ましいのは、アルキレンオキシド修飾ヘプタメチルTSA、特に、4個までのエチレンオキシド基を含有するヒドロキシ末端キャップアルキレンオキシド部分を有するヘプタメチルトリシロキサンである。
【0018】
特に有用な展着剤は、式(II)
【0019】
【化2】

【0020】
(式中、Qは、C2dO[(C0)(CO))]Rであり、dは1〜5であり、tは0〜25であり、wは0〜25であり、t+w=l〜50であり;Rは、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、アミン、又はアセチルであり、各Rは、独立してQ、水素、ヒドロキシル、又はC〜Cアルキルであり、RはC〜Cアルキルである)のTSAである。オキシアルケン基CO及びCOはランダム(混合)状、又はブロック状に整列したものであり得ることを理解されたい。
【0021】
好ましいのは、式(II)の化合物であって、式中、dが2又は3であり、tが0〜10、好ましくは3又は4であり、wが0〜10、好ましくは0であり、t+W=1〜10であり、Rが水素又はC〜Cアルキル、好ましくはメチルであり、各Rが、独立して、水素又はC〜Cアルキル、好ましくはすべてメチルであり、Rがメチルである化合物である。好ましい一群のトリシロキサン材料はGE SiliconesからSilwet(登録商標)の商品名で市販されているものであり、特に、Silwet(登録商標)L−7608であり、これは、ヒドロキシ末端ポリエチレンオキシド懸垂基を有するヘプタメチルトリシロキサンである(dが3であり、tが3又は4であり、wが0であり、Rが水素であり、すべてのR及びRがメチル基である)。
【0022】
希釈性潤滑濃縮物中のオルガノシリコーン展着剤の重量分率は、全希釈性潤滑濃縮物の重量に対して、1%〜20%、好ましくは約1%〜約10%、最も好ましくは約1%〜約5%であることが好ましい。シリコーン膜形成成分に対するオルガノシリコーン展着剤の比率は、1部のシリコーン油に対して0.05〜100部までの展着剤、最も好ましくは、1部のシリコーン油に対して0.5〜5部の展着剤、最も好ましくは、1部のシリコーン油に対して0.5〜1.2部の展着剤であるのがよい。オルガノシリコーン材料が少なすぎる場合、最も有効な展着特性が組成物にもたらされない。オルガノシリコーンが多すぎる場合、材料が水性ビヒクル中に分散され得ず、溶液が分離する。
【0023】
上記のトリシロキサンは、酸及び塩基環境において加水分解を受けやすい。したがって、長期安定性及び展着有効性のため、トリシロキサン組成物のpHを約5.5〜8、好ましくは約6.5〜7.8に維持することが望ましい。種々の酸性及び塩基性pH調整剤並びに種々の緩衝剤が使用され得る。
【0024】
潤滑剤及び展着剤に加え、他の成分を潤滑剤組成物に含めて所望の特性をもたらし得る。例えば、抗菌剤、着色料、発泡抑制剤又は発泡剤、PET応力亀裂発生抑制剤、粘度調整剤、摩擦調整剤、耐摩耗剤、酸化抑制剤、さび抑制剤、キレート化剤、極圧添加剤、洗浄剤、分散剤、発泡抑制剤、膜形成材料及び/又は界面活性剤が、各々、所望の結果をもたらすのに有効な量で使用され得る。
【0025】
クメンスルホン酸ナトリウム等の応力亀裂抑制剤もまた、上記の配合物のいかなる応力亀裂発生の傾向をも抑制するために使用され得る。特に有用な潤滑剤は、クメンスルホン酸ナトリウムと1,2ベンズイソチアゾリン−3−オンナトリウムとの組合せを用いることにより調製され得る。
【0026】
有用な殺生物剤又は抗菌剤としては、消毒剤、防腐剤及び保存剤が挙げられる。有用な抗菌剤の非限定的な例としては、ハロ及びニトロフェノール、及び置換ビスフェノール、例えば、4−ヘキシルレゾルシノール、2−ベンジル−4−クロロフェノールを含むフェノール類、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、有機酸及び無機酸並びにそのエステル及び塩、例えば、デヒドロ酢酸、ペルオキシカルボン酸、ペルオキシ酢酸、メチルp−ヒドロキシ安息香酸、第4級アンモニウム化合物のようなカチオン性薬剤、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド、アクリジン、トリフェニルメタン染料及びキノリンのような抗菌性染料、並びに、ヨウ素及び塩素化合物を含むハロゲンが挙げられる。抗菌剤は、濃縮潤滑剤組成物中での細菌の成長及び粘性物の形成に対して抵抗性をもたらすのに充分な量で使用され得るか、又は、最終使用濃度に希釈される場合/ときは、上記の配合物の不安定性に対して寄与しない。例えば、濃縮組成物の総重量に対して、0〜約5.0重量パーセント、好ましくは約0.5〜約2.0重量パーセント、最も好ましくは約0.5〜約1.0重量パーセントの抗菌剤が有効であり得る。
【0027】
特に好ましい類型の殺生物性成分は、アルカリ金属塩のイソチアゾリン殺生物剤、例えば、メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(Rohm and Haasからプロピレングリコール中40〜60%溶液として、商品名Kordek LX5000で入手可能)、及びベンジル置換イソチアゾリン殺生物剤、例えば、1,2ベンズイソチアゾリン−3−オン(Aveciaからプロピレングリコール中20%溶液として商品名Proxel GXLで入手可能)である。
【0028】
有用である洗浄剤及び分散剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルフェノール、カルボン酸、アルキルホスホン酸及びこれらのカルシウム、ナトリウム及びマグネシウム塩、ポリブテニルコハク酸誘導体、シリコーン界面活性剤、フルオロ界面活性剤、並びに油可溶化性脂肪族炭化水素鎖に結合した極性基を含有する分子が挙げられる。洗浄剤及び/又は分散剤は、所望の結果がもたらされる量で使用される。この量は、個々の成分について、組成物の総重量に対して0〜約30、好ましくは約0.5〜約20重量パーセントの範囲であり得る。
【0029】
本発明において使用され得る発泡抑制剤としては、とりわけメチルシリコーンポリマーが挙げられる。有用な発泡剤の非限定的な例としては、非イオン系、アニオン系、カチオン系及び両性化合物等の界面活性剤が挙げられる。これらの成分は、所望の結果がもたらされる量で使用され得る。
【0030】
キレート化剤又は金属イオン封鎖剤は、硬水許容性を改善する目的で添加され得る。有用なキレート化剤は、ホスホネート、例えば、水中50重量%アミノトリス(メチレンホスホン酸)(Solutia, Incから商品名Dequest 2000で市販されている)、エチレンジアミン四酢酸、グルコネート及びスクシネート等である。
【0031】
本発明の潤滑剤組成物は、典型的には、水性溶液、分散液若しくはエマルジョン、又はそれらの組合せとして、従来の混合及び分散手法によって調製される。典型的な配合物は、約0.05〜50重量部のポリジメチルシロキサン潤滑油(多くの場合、水中に分散又は乳化されたものである)、約1〜10重量部の展着剤及び約50〜約98重量部の水を含有し得る。また、他の成分、例えば、殺生物剤、応力亀裂抑制剤、安定剤、キレート剤及び他の水調整用化学物質が添加されていてもよい。好ましい実施形態では、殺生物剤及び応力亀裂抑制剤の両方の機能を果たす特定の成分が、特に有用な組成物を提供する。かかる成分の量は、潤滑剤が使用される環境に応じて異なる。この量は、所望の効果をもたらすのに充分であるが、潤滑剤組成物の不安定性若しくは他の望ましくない効果を引き起こしたり、又は組成物のコストを不必要に上げたりするほど大きくないのがよい。当該添加物が組成物の粘度に影響を与える範囲で、これは、考慮されるべきである。好適な粘度は、多くの要素、例えば、塗布様式、潤滑される容器の型、及びコンベヤ作業の速度等に依存する。典型的な潤滑剤配合物は、10,000センチストークまでの範囲の粘度を有するものである。
【0032】
本発明の組成物は、典型的には、0.05重量パーセント〜約50重量パーセント、好ましくは、1〜2重量パーセントのシロキサン油潤滑剤及び約0.05〜20重量パーセント、好ましくは、1〜6重量パーセントの展着剤を含有する希釈性液体濃縮物として調製される。希釈性組成物は、さらなる希釈なしで使用してもよく、コンベヤに塗布する前又は塗布時に、水でかなり希釈してもよい。
【0033】
希釈なしで使用すると、当該潤滑剤は、薄くて実質的に非滴下性の潤滑剤膜をもたらし得る。この形態では、潤滑剤は、従来の水性潤滑剤よりも、はね(splashing)が少ないため、コンベヤ及び容器の実質的に「乾性の」潤滑、より清浄でより乾性のコンベヤラインをもたらし、潤滑剤の使用を低減し、それにより、廃棄物、清掃及び処分の問題の低減をもたらす。希釈性液体濃縮物はまた、コンベヤへの塗布前に、かなりの量の水で約150〜約1000部の水、好ましくは350〜500部の水に対して1部の潤滑剤濃縮物の比に希釈してもよい。水を潤滑剤組成物に用いる場合、好ましくは、脱イオン水である。他の好適な親水性希釈剤としては、イソプロピルアルコールのようなのアルコールが挙げられる。
【0034】
本発明の潤滑剤組成物は、諸成分を、コンベヤトラック又はコンベヤによって運ばれる容器に悪影響を及ぼしかねない量で含まないように配合するのがよい。例えば、応力亀裂発生を誘導する材料は、潤滑剤をPETボトルに使用する場合、排除するか、又は最小限に抑えるのがよい。また、ラベル貼付のために使用されるインクを漂白する材料は、最小限に抑えるか、又は排除するのがよい。
【0035】
本発明の組成物は、ポリジメチルシロキサンを含有するこれまでに知られたコンベヤ潤滑剤組成物よりも、より効率的で完全にポリマー系コンベヤ表面上に展着されるという利点を有する。本発明の組成物は、玉状にならず、非常に疎水性である潤滑剤コート表面を容易にぬらす。潤滑剤をポリマー系コンベヤ表面に塗布すると、コンベヤ表面は、当該表面上でのシリコーン油潤滑剤の吸着及び/又は吸収によって、すぐに、非常に疎水性の状態となる。潤滑剤は当該表面上に存続するため、その後に塗布される潤滑剤に対して非常に疎水性の表面が与えられる。本発明の潤滑剤は、容易に油含浸シリコーン潤滑剤表面をぬらし、これは、潤滑剤が玉状にならずに表面上に速やかに展着されることによって示される。本発明において有用な展着剤は、水と比べて少なくとも約4、好ましくは約7の展着率で、かかる表面上への潤滑剤組成物の速やかな展着を示し得る。一部の展着剤は、120を超える、さらに150を超える展着率をもたらし得る。展着率は、本発明の目的のため、同じ時間間隔での同じ表面上での同様の容量の水の線形展着と比較(除算)したときの、塗布から所与の時間後でのシロキサン油含浸ポリマー系表面上での潤滑剤の線形展着と定義される。
【0036】
本発明の潤滑剤の展着率を測定するために有用な試験は、ペトリ皿内で標準ポリブテン表面上での展着と比較することである。この試験では、一滴の50μの測定対象の組成物をペトリ皿内のポリブテン表面に塗布し、30秒後、液体の線形移動を、ほぼ円形の液体の平均直径を測ることにより測定する。精製水は、約10mmの直径を有することが測定されている。0.1重量%の上記構造式に示した好ましい展着剤であるSilwet(登録商標)L−7608を含有する水を同じ条件下で塗布すると、液滴の移動は110mmであり、10:1より大きな比となる。同様に、以下に示す実施例に従って充分に配合した潤滑剤は、約7の展着率を示す。
【0037】
コンベヤ又は容器への塗布前に、潤滑剤組成物が実質的に相分離しないように、潤滑剤組成物を充分混合するのがよい。混合は、種々の装置を用いて行われ得る。例えば、潤滑剤組成物又はその個々の成分を、適当な攪拌器を備えた混合槽内に添加又は計量供給し得る。次いで、攪拌された潤滑剤組成物を、コンベヤ又は容器(又はコンベヤ及び容器の両方)に、適当な配管システムを用いてポンフで送り得る。容器表面が潤滑剤でコートされている場合、必要なことは、コンベヤと接触する表面及び/又は他の容器と接触する表面をコートすることだけである。同様に、コンベヤのうち容器と接触する部分のみが処理を必要とする。潤滑剤は、その有効寿命を通して容器上に残存する永久コーティング、又はコンベヤ通過が完了した後に容器から除去されて容器上に存在しない半永久コーティングであり得る。
【0038】
潤滑剤組成物の塗布は、任意の適当な手法、例えば、噴霧、ワイパー塗布(wiping)、はけ塗り、ディップコーティング、ロールコーティング、及び薄膜を施すための他の方法を用いて行われ得る。所望により、従来の水性コンベヤ潤滑剤の塗布のために設計された噴霧設備を、必要に応じて、本発明において使用される潤滑剤組成物の実質的に遅い塗布速度及び好ましい非滴下性コーティング特性に適するように改良して用いて、潤滑剤組成物を塗布し得る。例えば、従来の飲料容器潤滑ラインのスプレーノズルは、より小型のスプレーノズル若しくはブラシと置き換えることができ、又は定量供給ポンプを改変して定量供給速度を低下させることができる。
【0039】
潤滑剤は、容器と接触するコンベヤシステムの表面、潤滑性が必要とされる任意の容器表面(底面及び/又は側面)、又はその両方に塗布され得る。コンベヤの容器を支持する表面は、典型的には、金属、プラスチック、エラストマー、複合材料、又はこれらの材料の混合物で構成されたものであり得る。容器分野で使用されている任意の型のコンベヤシステムが本発明に従って処理され得るが、本発明の材料は、ポリマー系コンベヤ材料に特に有効である。清涼飲料ボトル詰め業界で使用されている典型的なコンベヤトラックであって、本発明の潤滑剤が特に好ましいのは、ポリマー連鎖(links)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリアセタール連鎖で構成されているトラックである。これらは、清涼飲料業界で使用されているPETボトルに特に有用である。この業界で使用されている高速ボトル詰めライン用のコンベヤは、7.62m/分(25フィート/分)の速度から30.48m/分(100フィート/分)より速い速度で走行させ得る。ボトルは、転倒するとラインの停止及び生産の縮小が必要となり得るため、このようなトラック上に立位で保持されなければならない。
【0040】
当該潤滑剤が有用な容器としては、飲料容器;食品容器;家庭用又は商業用洗浄製品容器;及び油、不凍液又は他の工業用の液体のための容器が挙げられる。容器は、多種多様な材料、例えば、ガラス;プラスチック(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン;ポリスチレン;PET及びポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;並びにそれらの混合物又はコポリマー);金属(例えば、アルミニウム、スズ又はスチール);紙(例えば、非加工紙、加工紙、パラフィン紙又は他のコート紙);セラミック;並びにこれらの材料の2種類以上の積層体又は複合材料(例えば、PET、PEN又はその混合物と別のプラスチック材料との積層体)で作製されたものであり得る。本発明の潤滑剤は、プラスチック容器及びパラフィンコートされた紙容器に特に有効である。容器は、さまざまな大きさ及び形態を有することができ、例えば、カートン(例えば、パラフィンカートン又はテトラパック(商標)ボックス)、缶、ボトル等であり得る。容器の任意の所望の部分を当該潤滑剤組成物でコートし得るが、潤滑剤組成物は、好ましくは、容器のコンベヤ又は他の容器と接触する部分にのみに塗布される。好ましくは、潤滑剤組成物は、熱可塑性樹脂容器のうち応力亀裂発生しやすい部分には塗布しない。本発明の好ましい実施形態では、潤滑剤組成物は、ブロー成形したフット付き(footed)PET容器の結晶質のフット部分(又はコンベヤのかかるフット部分と接触する1箇所以上の部分)に塗布し、容器の非晶質である中央基部には大量の潤滑剤組成物を塗布しない。また、潤滑剤組成物は、好ましくは、容器のうち、後にユーザーが容器を保持するのに把持され得る部分には塗布しないか、又はそこに塗布される場合は、好ましくは、容器の出荷及び販売前に、かかる部分から除去する。一部のかかる塗布では、容器が後に実際の使用時に滑りやすくなる程度を制限するため、好ましくは、潤滑剤組成物を容器ではなくコンベヤに塗布する。
【0041】
このようなポリマー材料は、熱形成、ブロー成形又は従来の熱可塑性樹脂成形作業で成形され得る事実上あらゆる容器の作製に使用され得る。本発明の容器の説明に包含されるものは、炭酸飲料、例えば、コーラ、果汁風味飲料、ルートビア、ジンジャーエール、炭酸水用の容器等である。また、モルト飲料、例えば、ビール、エイル、ポーター、スタウト用の容器等も包含される。さらに、乳製品、例えば、全入、2%又はスキムミルク用の容器とともに、ジュース、Koolaid(登録商標)(及び他の還元飲料)、お茶、Gatoraid(登録商標)又は他のスポーツ飲料、栄養補給飲料並びに蒸留(非炭酸)水用の容器等もまた包含される。さらに、流動性だが粘性又は非ニュートン流体食品、例えば、ケチャップ、マスタード、マヨネーズ、リンゴソース、ヨーグルト、シロップ、ハチミツ用の食品容器等が本発明の範囲に含まれる。本発明の容器は、事実上任意の大きさとすることができ、例えば、5ガロン水ボトル、1ガロン牛乳容器、2リットル炭酸飲料容器、20オンス水ボトル、1パイント又は1.5パイントヨーグルト容器等が挙げられる。かかる飲料容器は、種々のデザインのものとすることができる。デザインは、完全に功利主義で単純に充填移送、販売及び配送に有用な形状を有するものとすることができる。或いはまた、飲料容器は、飲料のマーケティングに適合させたデザインを随意に有する形状とすることができ、例えば、よく知られた「コーク」形状、任意の他の装飾的、商標権表示、特徴的又は他のデザインが、ボトルの外側に組み込まれ得る。
【実施例1】
【0042】
本発明による潤滑剤組成物を配合物A及びBに示すとおりに調製し、配合物Cを有する市販のトラック潤滑剤と比較した。すべての部は、特に記載のない限り、重量部として示す。
【0043】
A B C
トリシロキサンエトキシレート 5.0 1.0 −−
(Silwet L−7608)
ポリジメチルシロキサン 5.0 5.0 5.0
潤滑油エマルジョン(35%)
イソチアゾリン殺生物剤 4.6 4.6 4.6
硫酸銅 −− −− 0.03
クエン酸 −− −− 0.018
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 4.0 4.0 4.0
脱イオン水 81.4 85.4 86.35
【0044】
上記のようにして調製した組成物を、200部の水に対して1部の潤滑剤の比率で希釈した。各材料をアセタールコンベヤトラックの一区域上に噴霧し、トラックを十分にぬらした。次いで、適合する型のさらなる潤滑剤を、トラックに塗布し、挙動を観察した。A及びBで特定される配合物では、良好な湿潤性が示され、表面上に玉状は見られなかった。トリシロキサン展着剤を含まない従来の潤滑剤配合物Cをトラックに塗布した場合、玉状となり、かなりの液だまりになった。
【実施例2】
【0045】
本発明の潤滑剤組成物を、以下の成分を水中で混合することにより調製する。すべての部は、特に記載のない限り、重量部として示す。
【0046】
トリシロキサンエトキシレート 4.8 pts/wt
(Silwet L−7608)
ポリジメチルシロキサン潤滑剤エマルジョン(35%) 3.85 pts/wt
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.5 pts/wt
脱イオン水 90.85 pts/wt
【0047】
上記のようにして調製した組成物を、200部の水に対して1部の潤滑剤の比率で希釈した。材料をアセタールコンベヤトラックの一区域上に噴霧すると、表面上で玉状は見られなかった。潤滑剤の展着率を、上記の試験を用いて測定した。潤滑剤組成物を1:200の比率で希釈し、一滴50μlをペトリ皿内のポリブテンシート上に配置した。30秒後の潤滑剤の展着は、水での展着が6mmに対して平均が直径47mmであった。
【0048】
上記に示した組成物をボトル詰め設備のポリマーコンベヤトラックに、上記の組成物を、200重量部の水に対して1部の潤滑剤濃縮物の比率で希釈することにより塗布し、移動するトラック上に、当該トラックのぬれを維持するのに充分連続的に噴霧した。トラック上のPETボトルは、7.62m/分(25フィート/分)より早い速度での業務用高速ボトル詰めラインを落下及びラインの停滞なく移送され、それにより満足な潤滑が証明された。
【0049】
また、PETボトルを、業界標準応力亀裂試験により、この実施例の潤滑剤を用いて環境応力亀裂発生について試験すると、この潤滑剤は試験に合格し、満足な応力亀裂性能が示された。
【実施例3】
【0050】
潤滑剤組成物を、以下の成分を水中で混合することにより調製する。すべての部は、特に記載のない限り、重量部として示す。
【0051】
トリシロキサンエトキシレート 3.5 pts/wt
(Silwet L−7608)
ポリジメチルシロキサン潤滑油エマルジョン(35%) 3.75 pts/wt
シリコーン界面活性剤安定剤 2.0 pts/wt
(Silwet L−7002)
ベンズイソチアゾリンナトリウム(19%溶液) 0.5 pts/wt
クメン硫酸ナトリウム(sodium cumene sulfate) 20.0 pts/wt
ホスホネートキレート化剤 0.07 pts/wt
脱イオン水 70.18 pts/wt
【0052】
上記のようにして調製した組成物を、200部の水に対して1部の潤滑剤の比率で希釈した。材料をアセタールコンベヤトラックの一区域上に噴霧すると、表面上で玉状は見られなかった。潤滑剤の展着率を、上記の試験を用いて測定した。潤滑剤組成物を1:200の比率で希釈し、一滴50μlをペトリ皿内のポリブテンシート上に配置した。30秒後の潤滑剤の展着は、水での展着が6mmに対して平均が直径24mmであった。
【0053】
上記に示した組成物をボトル詰め設備のポリマーコンベヤトラックに、上記の組成物を、200重量部の水に対して1部の潤滑剤濃縮物の比率で希釈することにより塗布し、移動するトラック上に、当該トラックを湿った状態に維持するのに充分連続的に噴霧した。トラック上のPETボトルは、業務用高速ボトル詰めラインを7.26m/分(25フィート/分)より早い速度で、落下及びラインの停滞なく移送され、それにより満足な潤滑が証明された。
【0054】
また、PETボトルを、業界標準応力亀裂試験により、この実施例の潤滑剤を用いて環境応力亀裂発生について試験すると、この潤滑剤は試験に合格し、満足な応力亀裂性能が示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン潤滑油及び展着剤を含む、コンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物であって、水と比べてポリブテンにおいて少なくとも4の展着率を有する、コンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項2】
前記展着剤がトリシロキサンアルコキシレートである、請求項1に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項3】
前記展着剤がアルキレンオキシド修飾ヘプタメチルトリシロキサンである、請求項2に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項4】
前記展着剤が、式(II)
【化1】

(式中、Qは、C2dO[(C0)(CO))]Rであり、dは1〜5であり、tは0〜25であり、wは0〜25であり、t+w=l〜50であり;Rは、水素、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、アミン、又はアセチルであり、各Rは、独立してQ、水素、ヒドロキシル、又はC〜Cアルキルであり、RはC〜Cアルキルである)を有する、請求項1に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項5】
前記式中、dが2又は3であり、tが0〜10であり、wが0〜10であり、t+W=1〜10であり、Rが水素又はC〜Cアルキルであり、各Rが、独立して、水素又はC〜Cアルキルである、請求項4に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項6】
前記式中、tが3又は4であり、wが0であり、Rが水素又はメチルであり、すべてのRがメチルであり、Rがメチルである、請求項5に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項7】
前記シリコーン潤滑油が水混和性又は水分散性である、請求項1又は4に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項8】
前記シリコーン潤滑油がポリジメチルシロキサン油である、請求項7に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項9】
1重量部の前記ポリジメチルシロキサン油、及び0.05〜100重量部の前記展着剤、並びに任意で0〜96重量部の水を含む、請求項8に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項10】
有効量の殺生物剤をさらに含む、請求項7に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項11】
前記殺生物剤がメチル化イソチアゾロン化合物を含む、請求項10に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤。
【請求項12】
クメン硫酸ナトリウムを、ポリ(エチレンテレフタレート)飲料容器に対する環境応力亀裂抵抗性を改善するのに有効な量でさらに含む、請求項7に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項13】
前記シリコーン油が組成物全体の0.05〜50重量%を含む、請求項7に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項14】
前記シリコーン油が組成物全体の0.0005〜0.2重量%を含む、請求項13に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項15】
0.05〜50重量%の前記展着剤を含む、請求項7に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項16】
0.0005〜0.2重量%の前記展着剤を含む、請求項13に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項17】
トリシロキサンエトキシレート 4.5〜5.5 pts/wt
ポリジメチルシロキサン潤滑剤エマルジョン 1.0〜1.5 pts/wt
メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.2〜0.8 pts/wt
脱イオン水 94.3〜92.2 pts/wt
を含む、請求項6に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項18】
トリシロキサンエトキシレート 3〜4 pts/wt
ポリジメチルシロキサン潤滑油エマルジョン 1〜1.5 pts/wt
シリコーン界面活性剤安定剤 1.5〜2.5 pts/wt
1,2ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.2〜0.8 pts/wt
クメン硫酸ナトリウム 15〜25 pts/wt
ホスホネートキレート化剤 0.05〜0.1 pts/wt
脱イオン水 79.25〜66.1 pts/wt
を含む、請求項6に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物。
【請求項19】
コンベヤトラック又は容器を潤滑する方法であって、請求項1又は4に記載のコンベヤトラック又は容器用のシリコーン潤滑剤組成物を該コンベヤトラック又は容器に適用することを含む、コンベヤトラック又は容器を潤滑する方法。

【公表番号】特表2008−509249(P2008−509249A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524914(P2007−524914)
【出願日】平成17年8月2日(2005.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/027420
【国際公開番号】WO2006/017503
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(398061050)ジョンソンディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】