説明

コンロ

【課題】直火加熱を行って熱効率と熱出力を高く維持しながら、美観と掃除のし易さに優れたコンロを提供する。
【解決手段】平板状の天板1と、天板1に形成された天板開口部2と、天板開口部2の下方に離間して設けられて燃料ガスを燃焼させ天板開口部2の下方に火炎を形成して被加熱物Nを加熱するバーナ3とを備えてあるコンロにおいて、天板1の天板開口部2の周囲に、被加熱物Nが載置される3つ以上の突起60を形成し、突起60に形成された窓部61を介して、天板1の下方から被加熱物Nの状態を検出する非接触型の被加熱物状態検出手段90を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平板状の天板と、天板に形成された天板開口部と、天板開口部の下方に離間して設けられて燃料ガスを燃焼させ前記天板開口部の下方に火炎を形成して被加熱物を加熱するバーナとを備えてあるコンロであって、主として調理に用いられる家庭用又は業務用のコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なコンロは、天板上方に露出するバーナで形成される火炎にて、五徳に載置された鍋(被加熱物の一例)を直火加熱するように構成してあった。このようなコンロは、熱効率が比較的良く(45%〜60%程度)、加熱の応答性に優れているという長所があった。また、この種のコンロに設けられる五徳は、天板に載置された台部から天板上空のバーナの周囲に向けて片持ち状態に延出するように形成してあった。
【0003】
また、特許文献1には、被加熱物である鍋等がコンロに対して位置ずれしているかどうかを検出するためのセンサー(特許文献1における図番13)を天板に設けたコンロが開示されている。これにより、鍋の有無または鍋の位置ずれを検知し使用者に表示または音声等で警告できる。
【0004】
また、特許文献2には、鍋の中にある調理物の温度を類推するため、鍋の底面に接触するサーミスタ等の接触型温度センサを設けたコンロ(特許文献2における第2図)、及び、鍋の底部の温度を検知するための非接触型温度センサーを設けたコンロ(特許文献2における第1図)が開示されている。
【0005】
また、高い熱効率及び熱出力と、優れた美観及び掃除のし易さとを併せ持つコンロとして、平板上の天板に開口する天板開口部の下方に離間して設けられたバーナにより被加熱物を直火加熱するように構成されたコンロが知られている(例えば、特許文献3及び4参照。)
この特許文献3及び4に記載のコンロは、天板開口部とバーナとの間に形成された燃焼部の燃焼排ガスを、天板下方に設けてある排気流路により外部に排出するように構成してある。そのため、被加熱物を天板開口部が閉鎖されるように載置できるため、被加熱物の五徳を設けることなく、美観性及び掃除のし易さが向上する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−302053号公報(段落0017等参照)
【特許文献2】特開平3−211315号公報(第1〜2図等参照)
【特許文献3】特開2002−267163号公報(段落0007〜0009、図2等参照)
【特許文献4】特開2003−269725号公報(段落0007〜0009、図2等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のコンロに設けられる五徳は、天板を平板状としても、その五徳がバーナの周囲の天板上空に存在するため、天板から露出したバーナや五徳は美観を損ね、また掃除のし易さにおいても問題がないとは言えない。
【0008】
また、特許文献3及び4に記載のコンロにおいては、被加熱物を加熱する際には天板開口部が閉鎖され、燃焼部の燃焼排ガスは被加熱物の側方部に流出しないため、被加熱物の底面しか加熱できない。そこで、このコンロに五徳を設けて、燃焼排ガスの一部を被加熱物の側方に沿って流出させることが考えられるが、この場合も美観性及び掃除のし易さを損ねるという問題点があった。
【0009】
また、特許文献1及び2に記載のコンロにおいては、被加熱物の位置ずれや温度検出のためのセンサがコンロの火炎や高温の燃焼ガスに直接曝されるため、故障し易いという問題点があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、上述した課題を解決するためになされたもので、直火加熱を行って熱効率と熱出力を高く維持しながら、美観と掃除のし易さに優れたコンロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係るコンロは、平板状の天板と、前記天板に形成された天板開口部と、前記天板開口部の下方に離間して設けられて燃料ガスを燃焼させ前記天板開口部の下方に火炎を形成して被加熱物を加熱するバーナとを備えてあるコンロであって、その第一特徴構成は、前記天板の天板開口部の周囲に、前記被加熱物が載置される3つ以上の突起を、その周縁部が傾斜面状となる状態で前記天板から膨出する形状で形成してある点にある。
【0012】
上記第一特徴構成によれば、この3つ以上の突起に被加熱物を載置すると、被加熱物の底面は天板の上面より高くなる。そのため、天板開口部の内径よりも大径の被加熱物が天板開口部上に載置されたとき、天板開口部は閉鎖されず、天板と被加熱物との間に隙間ができる。このように隙間が形成されることにより、燃焼部からの燃焼排ガスが隙間から被加熱物の側方部に沿って天板上方に流出できるようになる。従って、隙間から流出した燃焼排ガスにより被加熱物を側方部からも加熱できるようになる。そのため、被加熱物の底面だけでなく側方部も伝熱面として利用できることになり、熱効率及び熱出力を高く維持できる。
【0013】
さらに、突起の形状を、その周縁部が傾斜面状となる状態で天板から膨出する形状、即ち、天板上面と突起側面との接触角が鈍角となる形状とすることで、雑巾等の清掃具で天板開口部周囲を掃除する際、清掃具が突起に引っかかることがなく、清掃具の移動が滑らかになる。また、天板上面と突起側面とが接触する境界部分にゴミが溜まり難くなる。一方、この境界部分にゴミが溜まったとしても容易に取り除くことができる。
このとき、突起の高さをできるだけ低くすることにより、優れた美観を呈するコンロとなる。
【0014】
本発明に係るコンロの第二特徴構成は、平板状の天板と、前記天板に形成された天板開口部と、前記天板開口部の下方に離間して設けられて燃料ガスを燃焼させ前記天板開口部の下方に火炎を形成して被加熱物を加熱するバーナとを備えてあるコンロであって、前記天板の天板開口部の周囲に、前記被加熱物が載置される3つ以上の突起を形成し、前記突起に、前記被加熱物の状態を検出する被加熱物状態検出手段を設けてある点にある。
【0015】
上記第二特徴構成によれば、上記第一特徴構成に記載したように、この3つ以上の突起に被加熱物を載置することによって被加熱物の底面は天板の上面より高くなり、天板開口部の内径よりも大径の被加熱物が天板開口部上に載置されたとき、天板開口部は閉鎖されず、天板と被加熱物との間に隙間ができる。この隙間から、燃焼部からの燃焼排ガスが被加熱物の側方部に沿って天板上方に流出し、流出した燃焼排ガスにより被加熱物を側方部からも加熱できるようになる。そのため、被加熱物の底面だけでなく側方部も伝熱面として利用できることになり、熱効率及び熱出力を高く維持できる。
【0016】
さらに、被加熱物を載置する突起に被加熱物状態検出手段を設けることで、被加熱物状態検出手段に対する火炎の影響を抑制した状態で被加熱物の状態を正確に判断することができる。
【0017】
本発明に係るコンロの第三特徴構成は、前記被加熱物状態検出手段として、前記被加熱物の有無を検出する被加熱物有無検出手段を複数配設し、前記複数の被加熱物有無検出手段の検出結果から前記被加熱物のずれを判定するずれ判定手段を設けてある点にある。
【0018】
上記第三特徴構成によれば、被加熱物の支持突起に複数の被加熱物有無検出手段を配設することにより、確実に被加熱物の有無を検出できる。
このような被加熱物のずれを検出したとき、LED等による表示や音声等による報知により使用者に対して警告するように構成するなどして、被加熱物のずれに対する対策を促すことができる。
【0019】
本発明に係るコンロの第四特徴構成は、前記被加熱物状態検出手段として、前記被加熱物の温度を検出する接触型温度検出手段を設けた点にある。
【0020】
上記第四特徴構成によれば、被加熱物と接触する接触型温度検出手段を突起に内蔵することで、接触型温度検出手段に対する火炎や高温の燃焼ガスの影響を抑制した状態で被加熱物の温度を検出することができる。そのため、故障が発生し難くなり、かつ、被加熱物の正確な温度検出ができる。
従って、被加熱物である鍋等の過熱を防止することができ、火災などの事故を未然に防ぐことができる。また、温度検出手段としても安価な接触型の温度センサを用いることができる。
【0021】
本発明に係るコンロの第五特徴構成は、平板状の天板と、前記天板に形成された天板開口部と、前記天板開口部の下方に離間して設けられて燃料ガスを燃焼させ前記天板開口部の下方に火炎を形成して被加熱物を加熱するバーナとを備えてあるコンロであって、前記天板の天板開口部の周囲に、前記被加熱物が載置される3つ以上の突起を形成し、前記突起に形成された窓部を介して、前記天板の下方から前記被加熱物の状態を検出する非接触型の被加熱物状態検出手段を設けた点にある。
【0022】
上記第五特徴構成によれば、上記第一特徴構成に記載したように、この3つ以上の突起に被加熱物を載置することによって被加熱物の底面は天板の上面より高くなり、天板開口部の内径よりも大径の被加熱物が天板開口部上に載置されたとき、天板開口部は閉鎖されず、天板と被加熱物との間に隙間ができる。この隙間から、燃焼部からの燃焼排ガスが被加熱物の側方部に沿って天板上方に流出し、流出した燃焼排ガスにより被加熱物を側方部からも加熱できるようになる。そのため、被加熱物の底面だけでなく側方部も伝熱面として利用できることになり、熱効率及び熱出力を高く維持できる。
【0023】
さらに、非接触型の被加熱物状態検出手段は直接被加熱物と接触せず、窓部を介して間接的に被加熱物の状態を検出する。そのため、被加熱物が過熱状態になったときにおいても、高温状態の被加熱物からの影響を受け難い。そのため、非接触型の被加熱物状態検出手段が破損し難い状態で被加熱物の状態を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明のコンロの設置状態を示す概略図
【図2】本発明のコンロの部分側断面図
【図3】長円形状突起の概略図
【図4】円形状突起の概略図
【図5】多角形状突起の概略図
【図6】突起に被加熱物状態検出手段を設けたコンロの概略図
【図7】突起に被加熱物有無検出手段を設けたコンロの断面概略図
【図8】接触型温度検出手段及び非接触型温度検出手段を設けたコンロの概略図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るコンロとして構成されたビルトイン式のコンロ100の概略図であり、コンロ100は、システムキッチンのカウンター101に開口された設置部102に設けられる。
【0026】
また、コンロ100には、図2に示すように、耐熱ガラス製で平板状の天板1と、天板1に開口する状態で形成され、鍋等の被加熱物Nが周囲に載置される天板開口部2と、都市ガス等の燃料ガスGを燃焼させ天板開口部2の下方側に火炎10を形成して被加熱物Nを加熱するバーナ3とが設けてある。
【0027】
天板1は、平面状の上面を有し、その上面は前記カウンター101の上面と略同一平面状にあるように構成してある。天板開口部2は、一般的な被加熱物Nの外径(幅)よりも若干小さい内径(開口幅)を有する円形開口であり、例えば天板開口部2の内径は、φ70〜φ150mm程度である。さらに、天板開口部2は、不使用時には蓋等により塞ぐこともできる。
【0028】
バーナ3は、ブンゼン燃焼式のバーナであり、ガスノズル6により燃料ガスGの噴出により混合管5に供給された燃料Gと空気との混合気を、複数の炎口3aから噴出させて燃焼させて一次火炎を形成し、後述する環状ケーシング部材3bの内側下方から供給される二次燃焼用空気を取り込んで二次火炎を形成して、天板開口部2の下方に火炎10を形成するように構成してある。
さらに、バーナ3は、天板開口部2の下方に離間して設けられ、燃料ガスGと空気の混合気が内部に供給される環状ケーシング部材3bと、環状ケーシング部材3bの環状の内面に形成され、燃料ガスGと空気の混合気を環状の内向きに噴出させて燃焼させる複数の炎口3aとを有して構成してある。
このようなバーナ3においては、混合管5から環状ケーシング部材3b内に供給された燃料ガスGと空気の混合気は炎口3aから環状の内向きの概略水平方向に噴出される。その噴出された燃料ガスGと空気の混合気が燃焼した一次火炎は浮力により上方の天板開口部2側に向きを変えて、二次火炎が天板開口部2側に向かって形成されることになり、火炎10により、天板開口部2にある被加熱物Nの底面等を良好に加熱できる。
【0029】
さらに、バーナ3の炎口3aは、天板1の上面、即ち被加熱物Nの底面から、10〜50mm程度下方に離間して設けてあり、バーナ3と天板開口部2との間には、燃焼部11が形成される。
【0030】
天板1の天板開口部2の周囲には、載置された被加熱物Nと天板1との間に、燃焼排ガスを外部に流出させる隙間Sを形成するための隙間形成部が設けてある。具体的には、隙間形成部は、被加熱物Nが載置される4つの突起60を、天板開口部2を中心として周方向に均等に設けて構成してある。この突起60は、被加熱物Nが載置されたときに姿勢が安定するよう、天板開口部2の周囲に3つ以上設けてあればよい。
【0031】
突起60の水平面視の形状は、長円形状(図3)、円形状(図4)、多角形状(図5)等、各種形状を採用できる。図3〜4に示す突起60のように、被加熱物Nが載置される突起60の上方から突起60の側方に亘って曲面形状とするのが好ましい。このとき、清掃時に天板開口部周囲を掃除する際、清掃具が突起に引っかかるのを防止できる。
各突起60は、例えば長円形状であれば、長寸法(L)40〜50mm、短寸法(W)10〜20mm程度のサイズが例示される。また、上記突起60の高さ寸法(H)は、美観及び掃除のし易さと熱効率及び熱出力とのバランスを鑑みて、5〜20mmの範囲内、好ましくは5mm〜10mmの範囲内と比較的低い値に設定される。
また、各突起60は、天板1と同じ耐熱ガラスで形成可能である。
上述したサイズ、材質ともにこれらに限られるものではない。突起60を耐熱ガラスで形成した場合、好ましい美観を呈する。
【0032】
この3つ以上の突起60に被加熱物Nを載置すると、被加熱物Nの底面は天板1の上面より高くなる。そのため、天板開口部2の内径よりも大径の被加熱物Nが天板開口部2上に載置されたとき、天板開口部2は閉鎖されず、天板1と被加熱物Nとの間に隙間Sができる。このように隙間Sが形成されることにより、燃焼部11からの燃焼排ガスが隙間Sから被加熱物Nの側方部に沿って天板1上方に流出できるようになる。
従って、隙間Sから流出した燃焼排ガスにより被加熱物Nを側方部からも加熱できるため、被加熱物Nの底面だけでなく側方部も伝熱面として利用できることになり、熱効率及び熱出力を高く維持できる。
【0033】
突起60は、例えば、その周縁部が傾斜面状となる状態で天板1から膨出する形状で形成するのが好ましい。このとき、天板1上面と突起60側面との接触角は鈍角となる。そのため、雑巾等の清掃具で天板開口部2周囲を掃除する際、清掃具の移動が滑らかになり清掃具が突起60に引っかかることが殆どない。また、天板1上面と突起60側面とが接触する境界部分にゴミが溜まり難くなる。一方、この境界部分にゴミが溜まったとしても容易に取り除くことができる。従って、掃除がし易く、かつ、清潔に保ちやすいコンロとなる。
前記境界部分は、滑らかな曲線状に形成すると、清掃具で天板開口部2周縁を掃除する際、さらに清掃具の移動が滑らかになり、掃除し易さが向上する。
【0034】
また、突起60は、天板1と一体成形して構成することができる。このとき、突起60と天板1とは隙間なく形成できるため、突起60と天板1との境界部分にゴミが溜まり難くなる。或いは、突起60は、天板1から着脱自在に構成できる。清掃時に突起60を天板1から取り外すと天板1上面の凸部が無くなり、更に掃除がし易い状態となる。
【0035】
突起60には、被加熱物Nの状態を検出する被加熱物状態検出手段7を設けることが可能である(図6〜8)。
被加熱物Nを載置する突起60に被加熱物状態検出手段7を設けることで、被加熱物状態検出手段7に対する火炎10の影響を抑制した状態で被加熱物Nの状態を正確に判断することができる。
【0036】
例えば、図6〜7に示したように、被加熱物状態検出手段7としては、被加熱物Nの有無を検出する被加熱物有無検出手段71を複数配設し、複数の被加熱物有無検出手段71の検出結果から被加熱物Nのずれを判定するずれ判定手段8を設けることができる。
尚、被加熱物有無検出手段71は、例えば、被加熱物Nとの接触の有無を検出可能なセンサで構成することができる。
【0037】
被加熱物有無検出手段71は、例えば、2つの突起60に設け、さらに、それぞれの突起60に3つ(71a-71c)配設する。このように、被加熱物Nの支持突起に複数の被加熱物有無検出手段71を配設することにより、確実に被加熱物Nの有無を検出できる。
【0038】
各突起60において、被加熱物Nを検出する被加熱物有無検出手段71の数が同じとき、例えば、各突起60における2つの被加熱物有無検出手段71a、71bが被加熱物Nを検出すれば、被加熱物Nは正常に突起60上に載置してあると判断できる。しかし、各突起60において、被加熱物Nを検出する被加熱物有無検出手段71の数が異なるとき、被加熱物Nは、突起60上にずれた状態で載置してあると判断できる。
【0039】
このような被加熱物Nのずれを検出したとき、LED等による表示や音声等による報知により使用者に対して警告するように構成するなどして、被加熱物Nのずれに対する対策を促すことができる。また、ずれの大きさに応じた数のLEDを点灯する等して、ずれの程度や方向を使用者に報知するように構成しても良い。
【0040】
また、被加熱物状態検出手段7としては、図6及び8に示したように、被加熱物Nの温度を検出する接触型温度検出手段72を設けることが可能である。
接触型温度検出手段72は、例えば、サーミスタ等の温度センサが適用できる。
【0041】
このように、被加熱物Nと接触する接触型温度検出手段72を内蔵することで、接触型温度検出手段72に対する火炎10や高温の燃焼ガスの影響を抑制した状態で被加熱物Nの温度を検出することができる。そのため、故障が発生し難くなり、かつ、被加熱物Nの正確な温度検出ができる。そのため、被加熱物Nの過熱を防止することができ、火災などの事故を未然に防ぐことができる。また、温度検出手段としても安価な接触型の温度センサを用いることができる。
【0042】
接触型温度検出手段72により検出した被加熱物Nの温度に基づき、火力を制御するように構成することが可能である。例えば、火力を制御する火力制御手段を設け、当該制御手段は、接触型温度検出手段72からの被加熱物Nの温度情報を解析し、ガスノズル6からの燃料ガスGの噴出量を適宜調節してバーナ3の火力を制御するように構成する。このとき、当該制御手段が被加熱物Nの温度を高すぎると判断したとき、燃料ガスGの供給を遮断するように構成してもよい。
【0043】
さらに、図8に示したように、突起60に形成された窓部61を介して、天板1の下方から被加熱物Nの状態を検出する非接触型の被加熱物状態検出手段として、非接触型温度検出手段90を設けることが可能である。
非接触型温度検出手段90は、例えば、物体から放射される赤外線の強度を感知する温度センサが適用できる。
【0044】
窓部61は、突起60上端から天板1下端を連通する連通口として形成することができ、この連通口に、例えば透明の耐熱ガラス等をはめ込んで構成しても構わない。
この非接触型温度検出手段90は直接被加熱物Nと接触せず、窓部61を介して間接的に被加熱物Nの温度を検出する。そのため、被加熱物Nが過熱状態になったときにおいても、高温状態の被加熱物Nからの影響を受け難い。そのため、非接触型温度検出手段90が破損し難い状態で被加熱物Nの温度を正確に検出できる。
【0045】
また、非接触型の被加熱物状態検出手段としては、窓部61を介して、天板1の下方から被加熱物Nの有無を検出する被加熱物有無検出手段71を配設し、被加熱物有無検出手段71の検出結果から、上述したずれ判定手段8により被加熱物Nのずれを判定しても構わない。
【0046】
〔別実施の形態〕
次に、本発明のコンロの別実施形態を説明する。
(1)上記実施形態において、突起60には、被加熱物Nの状態を検出する被加熱物状態検出手段7として、被加熱物有無検出手段71、接触型温度検出手段72及び非接触型温度検出手段90を設けた構成を説明したが、これら構成は適宜省略した形態で実施できる。
(2)上記実施形態において、突起60と天板1とは別部材とし、突起60と天板1とを別々に製造した後、突起60を天板1に固定するように構成してもよい。
(3)上記実施形態において、燃焼部11からの燃焼排ガスを隙間Sを介して天板1上方に流出するように構成したが、この燃焼排ガスの一部を、上記隙間Sを介することなく、別に排出するように構成しても構わない。
【符号の説明】
【0047】
1 天板
2 天板開口部
3 バーナ
11 燃焼部
60 突起
71 被加熱物有無検出手段(被加熱物状態検出手段)
72 接触型温度検出手段(被加熱物状態検出手段)
90 非接触型温度検出手段(非接触型の被加熱物状態検出手段)
N 被加熱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の天板と、前記天板に形成された天板開口部と、前記天板開口部の下方に離間して設けられて燃料ガスを燃焼させ前記天板開口部の下方に火炎を形成して被加熱物を加熱するバーナとを備えてあるコンロにおいて、
前記天板の天板開口部の周囲に、前記被加熱物が載置される3つ以上の突起を形成し、前記突起に形成された窓部を介して、前記天板の下方から前記被加熱物の状態を検出する非接触型の被加熱物状態検出手段を設けたコンロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−151442(P2010−151442A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49212(P2010−49212)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【分割の表示】特願2004−104141(P2004−104141)の分割
【原出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)