説明

コーティング液及び被記録材

【課題】ドット再現性に優れ、インク吸収性が高く、かつ発色性に優れた被記録材を提供すること。
【解決手段】少なくとも基材とインク受容層とを有する被記録材において、該インク受容層がバクテリアセルロースと少なくとも2種類の多糖を含有し、多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が100000未満であり、かつ多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が150000以上であることを特徴とする被記録材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録法に用いられる被記録材(記録用紙)に関し、特にインクの吸収性が高く、かつインクの発色性に優れた被記録材を作成するためのコーティング液及び被記録材に関する。
【背景技術】
【0002】
記録液を使用して記録を行う方式は、例えば万年筆による筆記など古くから一般的なものであるが、最近では、いわゆるインクジェット記録方式でも記録液が使用されている。
【0003】
インクジェット記録法は、種々の作動原理により記録液の小滴を発生させ、これを飛翔させて紙などの被記録材に付着させて記録を行うものであるが、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行える記録法として注目されている。インクジェット記録用の記録液としては、安全性、印刷適性の面から主に水系のものが使用されている。
【0004】
このインクジェット記録法に使用される被記録材としては、従来通常の紙が一般的に使用されてきた。しかし、記録の高速化あるいは多色化など、インクジェット記録機の性能の向上に伴い、インクジェット記録用の被記録材に対しても、より高度な特性が要求されるようになってきた。
【0005】
すなわち、高解像度、高品質の記録画質を得るためのインクジェット記録用被記録材としては、
1)インクの吸収が可及的速やかであること
2)インクドットが重なった際に、後で付着したインクが前のドットに流れ出さないこと
3)インクドットの径が必要以上に大きくならないこと
4)インクドットの形状が真円に近く、又その周辺が滑らかであること
5)インクドットの濃度が高く、ドット周辺がぼけないこと
等の要求性能を満たすものであることが必要とされる。
【0006】
更に、多色インクジェット記録方式によりカラー写真に匹敵する程度の記録画質を得るには、上記の要求性能に加え、
6)白色度が高いこと
7)インクの着色成分の発色性が優れたものであること
8)インクの色の数と同数のインク小液滴が、同一箇所に重ねて付着することがあるのでインク吸収性が特に優れていること
等の性能が加重して要求される。
【0007】
しかしながら、これらの要求性能を全て満たした被記録材は未だ見当たらないのが実状である。例えば、インクの吸収が速やかなインクジェット記録用紙が提案されているが、ドット径が大きくなりやすく、ドットの周辺がぼけてしまうことや、記録後の紙の寸法変化が大きくなってしまうという課題がある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
インク吸収性が得られ、ドット再現性を改善する方法として、バクテリアセルロースを添加したインク受容層を有する被記録材の提案がされている。例えば、インク吸収性とドット再現性を向上させる方法として、バクテリアセルロースをカルボキシメチルセルロースを用いて分散させ、乾燥させることにより製造した塗工紙が開示されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この塗工紙をインクジェット記録に用いた場合、インク吸収性は得られ、バクテリアセルロースの分散性が良好であるため、良好なドット再現性を得られが、分散のために用いているカルボキシメチルセルロースにより発色性が満足に得られないという問題があった。
【0009】
又、無機顔料と接着剤に加えてバクテリアセルロースを添加したインクジェット記録シートが開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、インク吸収は主に無機顔料により行われる為、本発明がバクテリアセルロースを主成分とする多孔質でのインク吸収である点で異なる。更にカルボキシメチルセルロースを分散剤に用いた場合を除き、インク吸収性と発色性は良好であるが、無機顔料と接着剤の分散液にバクテリアセルロースを均一に分散することが困難であり、インク受容層が不均一になり、ドット再現性が低下するという問題があった。次にカルボキシメチルセルロースを分散剤に用いた場合はインク吸収性とドット再現性は良好であるが、発色性が低下するという問題があった。
【0010】
更に、インク吸収性と発色性を向上させる方法として、バクテリアセルロース及び/又は木材由来のセルロースとカチオンポリマーを含有する表面サイズ剤を塗布した記録用紙が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この記録用紙はインク吸収性が得られ、発色性は良好であるが、バクテリアセルロースとカチオンポリマーを混合しただけでは分散が良好ではなく、ドット再現性は必ずしも満足な特性が得られなかった。又バクテリアセルロースにカチオンポリマーを結合できれば分散性が良好になることが考えられるが、分散性に効果が出るほどバクテリアセルロースにカチオンポリマーを結合させることが困難であり、ドット再現性は必ずしも満足な特性が得られなかった。
【特許文献1】特開昭52−74304号公報
【特許文献2】特開平5−009895号公報
【特許文献3】特開平10−291360号公報
【特許文献4】特開2001−226898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、インク吸収性とドット再現性を得る目的でバクテリアセルロースを利用した被記録材は開示されているが、インク吸収性とドット再現性と発色性を両立できていないのが現状である。
【0012】
従って、本発明の目的は、バクテリアセルロースを用いることにより特にドット再現性に優れ、インク吸収性が高く、かつ発色性に優れた被記録材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。
【0014】
本発明にかかるコーティング液は、バクテリアセルロースと少なくとも1種類の多糖を含有することを特徴とする。
【0015】
又、本発明にかかるコーティング液は、バクテリアセルロースと少なくとも2種類の多糖を含有し、多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が100000以下であり、かつ多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が150000以上であることを特徴とする。
【0016】
又、本発明にかかる被記録材は、基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する被記録材において、該インク受容層がバクテリアセルロースと少なくとも1種類の多糖を含有することを特徴とする。
【0017】
又、本発明にかかる被記録材は、少なくとも基材とインク受容層とを有する被記録材において、該インク受容層がバクテリアセルロースと少なくとも2種類の多糖を含有し、多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が100000未満であり、かつ多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が150000以上であることを特徴とする。
【0018】
又、本発明にかかる被記録材は、インク受容層を構成するの少なくとも1層がバクテリアセルロースを50wt%以上含有することを特徴とする。
【0019】
又、前記多糖がプルラン、ペクチン、キトサン、アラビアガム、アルギン酸、ヒアルロン酸、デキストラン、キシラン、ヘパリンからなる群より選ばれるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の被記録材は、基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する被記録材において、該インク受容層がバクテリアセルロースと多糖の少なくとも1つを含有する被記録材であり、バクテリアセルロースの分散性が良好で、特にドット再現性に優れ、インク吸収性が高く、かつ耐ブロッキング性に優れたフルカラーの記録を行う場合のインクジェット記録用の被記録材として好適なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明者らはバクテリアセルロースを添加したインク受容層において、インク吸収性が得られ、ドット再現性と発色性を改善する目的で鋭意検討した結果、バクテリアセルロースに加えて、少なくとも1種類の多糖を添加することにより、ドット再現性と発色性を改善できること、及び、重量平均分子量が100000未満の少なくとも1種類の多糖と重量平均分子量が100000以上の少なくとも1種類の多糖を組み合わせて使用することにより、ドット再現性が更に向上することを見出し、本発明に至った。
【0022】
この効果が発現する機構は定かではないが、ドット再現性は主にバクテリアセルロースの分散性が影響を及ぼし、分散され均一なほどドット再現性は良好であった。又発色性はバクテリアセルロース自体ではなく、主に分散剤が影響を及ぼすことがわかった。更にバクテリアセルロースは無機粒子の接着剤として一般的に使用されているポリビニルアルコール、酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド等の有機ポリマーの水溶液に対して良好な分散性を得ることが困難である。以上の実験的知見から推測する。バクテリアセルロースは多糖より構成され、通常、セルロース繊維間の水素結合を形成して凝集した状態で水に分散している。その凝集状態を解いて水素結合を弱めて安定化させる為には、セルロース繊維に対して親和性が良く、かつ水中で溶解して安定になるか反発しあうイオン的な性質が必要になると考えられる。本発明の多糖はセルロースと類似した多糖類であり、水への溶解性が高いものか、イオン性を持つものである。バクテリアセルロースと均一に混合しやすく、セルロースに対して親和性が高いと考えられる。又多糖はインクジェットインクの色材との親和性が良く、発色が比較的良いということが考えられる。しかし同じ多糖であるカルボキシメチルセルロースはアニオン性基を多量に含み分散性は良好であるがアニオン性基の作用か強すぎるため染料との親和性が低下し、発色性は低下すると考えられる。
【0023】
又分子量の大きい多糖はインク受容層の平滑性を与えることでドット再現性に寄与し、分子量の小さい多糖はバクテリアセルロースの分散性をより向上することでドット再現性に寄与していると考えられる。したがって分子量の小さい多糖と分子量の大きい多糖を組み合わせて使用することで更にドット再現性を向上できたと推測される。
【0024】
以下、本発明にかかる被記録材の構成について述べる。
【0025】
(バクテリアセルロース)
バクテリアセルロースは、一般的には厚さ1〜20nm、幅10nm〜1μmのリボン状のミクロフィブリルからなっている。微生物培養により得られるものはゲル状であり、その含水率は95%(w/v)以上である。
【0026】
バクテリアセルロースはセルロース及びセルロースを主鎖としたヘテロ多糖を含むもの及びβ−1,3、β−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分はマンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六炭糖、五炭糖及び有機酸等である。尚、これらの多糖が単一物質である場合もあるし、2種以上の多糖が水素結合等により混在していてもよい。
【0027】
バクテリアセルロースは上記のようなものであればいかなるものであっても使用可能である。
【0028】
このようなバクテリアセルロースを産生する微生物は特に限定されないが、アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キシリナム(Acetobacteraceti subsp/xylinum)ATCC 10821あるいは同パストウリアヌス(A・pasteurianus)、同ランセンス(A・rancens)、サルシナ・ベントリクリ(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイデス(Bacterium xyloides)、シュードモナス属細菌、アグロバクテリウム属細菌等でバクテリアセルロースを産生するものを利用することができる。
【0029】
これらの微生物を培養してバクテリアセルロースを生成蓄積させる方法は、一般的な培養方法に従えばよい。すなわち、炭素源、窒素源、無機塩類、その他必要に応じてアミノ酸、ビタミン等の有機微量栄養素を含有する通常の栄養培地に微生物を接種し、静置又はゆるやかに通気攪拌を行う。炭素源としては、グルコース、シュクロース、マルトース、澱粉加水分解物、糖密等が利用されるが、エタノール、酢酸、クエン酸等も単独あるいは上記の糖と併用して利用することができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸塩、尿素、ペプトン等の有機あるいは無機の窒素源が利用される。無機塩類としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等が利用される。有機微量栄養素としては、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、核酸、さらにはこれらの栄養素を含むペプトン、カザミノ酸、酵母エキス、大豆蛋白加水分解物等が利用され、生育にアミノ酸等を要求する栄養要求性変異株を用いる場合には要求される栄養素をさらに補添する必要がある。
【0030】
培養条件も常法でよく、pHを5〜9、温度を20〜37℃に制御しつつ1〜30日間、静置培養あるいは通気攪拌培養する。静置培養の場合は、培養表層にバクテリアセルロースがマット状あるいはゲル状に蓄積される。一方、通気攪拌培養の場合は、バクテリアセルロースは種々の大きさの塊状物の形で培養液に分散して生産される。ここで得られるバクテリアセルロースは、通常厚さ1〜20nm、幅10〜200nmのミクロフィブリルからなるが(特開昭62−36467号公報、米国特許4,863,565号明細書等)、培地中にクロラムフェニコール又はナルジクス酸等の細胞分裂阻害剤を添加することにより、厚さは同等だが、幅が1000nm程度まで広がったバクテリアセルロース繊維状物を産生させることもできる(米国特許出願09/436,756)。又、培地中にジチオスレイトール等の有機還元剤を添加すると、幅の短いバクテリアセルロース繊維状物を得ることができる。
【0031】
本発明で使用するバクテリアセルロースは微生物の培養物から単離された精製品のほか、用途に応じある程度不純物を含むものであっても良い。例えば培養液中の残糖,塩類,酵母エキス等が微生物セルロースに残留していてもさしつかえない。又、菌体がある程度含まれていても良い。
【0032】
このゲルを取り出して必要により、水洗する。この水洗水には目的に応じて殺菌剤、前処理剤などの薬剤を添加することができる。
【0033】
水洗後は乾燥しあるいは他の混練物等と混練後乾燥して使用に供する。乾燥の方法は、どのような方法でもよいが、通常セルロースが分解しない温度範囲で行うことが必要なのは言うまでもない。又、該セルロース性物質は表面に多数の水酸基を有する微細な繊維より成っているので、乾燥中に繊維が相互膠着することにより繊維状の形態が失われることがあるため、凍結乾燥や臨界点乾燥等の方法を用いることが望ましい。
【0034】
バクテリアセルロース繊維の相互膠着を防ぎ、サイズ剤中に均一分散させるため、ゲル状バクテリアセルロースを細かく微粉砕して、スラリーにすることや、又は乾燥してパウダー状にすることが好ましい。バクテリアセルロースの粉砕方法は特に限定されず、例えば、特開平5−51885号公報のホモジナイザーを用いて水中にて超高速回転する等の手法や、特公平5−80484号公報の酸加水分解処理を施した後、機械的せん断する手法を用いることができる。
【0035】
バクテリアセルロースの含有量はインク受容層の固形分に対して1wt%以上、より好ましくは3wt%以上である。1wt%未満ではバクテリアセルロースのドット再現性の向上効果が充分に得られない。
【0036】
(多糖)
多糖は1つもしくは2つ以上を組み合わせて使用することができる。多糖のうち、プルラン、ペクチン、アラビアガム、キトサン、アルギン酸、ヒアルロン酸、デキストラン、キシラン、ヘパリンは発色が良好であり好ましい。
【0037】
使用する多糖は市販のものが使用できる。
【0038】
多糖の含有量はバクテリアセルロースの固形分100重量部に対して、0.1〜2000重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜1000重量部の範囲である。
【0039】
0.1重量部未満ではバクテリアセルロースを分散する効果が充分得られず、ドット再現性が低下する恐れがあり、2000重量部を超えると印字後の乾燥に時間がかかる恐れがある。
【0040】
2種類以上の多糖を組み合わせて使用する場合、多糖の重量平均分子量は、100000以下の少なくとも1種類と150000以上の少なくとも1種類を組み合わせて使用することが好ましい。より好ましくは100000以下の少なくとも1種類と200000以上の少なくとも1種類を組み合わせである。
【0041】
(インク受容層)
本発明の被記録材が有するインク受容層は結着剤により基材上に固定された無機顔料粒子を主体として構成される。この無機顔料粒子としては、例えばシリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、リトポン、アルミナ、ゼオライト等の白色系不定形無機顔料からなる粒子の1種以上を用いることができる。
【0042】
本発明において用いる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレー、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができるが、もちろんこれらに限られるものではない。そして、これらの無機微粒子には、インク吸収性はそれほど必要ない。
【0043】
例えば、微粒子として高吸水性樹脂粒子を用いると、この樹脂粒子自体もインクを吸収し、膨潤する。その結果、樹脂粒子の機械的強度が低下し、ピックアップローラへの引っ掛かり性が大きく低下して、搬送性、連続給紙性は実用レベルのものではなくなってしまう。
【0044】
この場合、無機微粒子を用いることで、印字後の機械的強度を持続できるために、本発明の目的を満足させることができる。
【0045】
バインダー層に用いる樹脂としては、とくに限られるものではないが、いわゆる水性インクを受容できる、水性インクに対して溶解性あるいは親和性を示すものなら限られるものではなく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メラミン樹脂、あるいはこれらの変性物等の合成樹脂、又、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂などの水溶性樹脂を挙げることができるがこれらに限られるものではない。
【0046】
本発明では水分散型樹脂をバインダー層として用いてもよく、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド系共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル等多数列挙することができるが、もちろんこれらに限られるものではない。又、これらの水溶性樹脂、水分散性樹脂は複数を同時に用いてもよい。
【0047】
さらに、画像保存性を向上させる意味で、カチオン性化合物をさらに含有させてもよい。このカチオン性化合物は、分子内にカチオン性部分を含むものであれば特に限られるものではない。例えば、モノアルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムクロライド、エチレンオキサイド付加アンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、あるいはアミン塩型のカチオン性界面活性剤、さらにはカチオン性部分を含むアルキルベタイン、イミダゾリミウムベタイン、アラニン系等の両性界面活性剤でもよい。
【0048】
又、ポリマーあるいはオリゴマーとしては、ポリアクリルアミドのカチオン変性物あるいはアクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合体、ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリビニルピリジニウムハライド、各種ポリアミン系樹脂、例えばポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン等が挙げられる。
【0049】
さらに、ビニルピロリドン系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルオキサゾリドン系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニルイミダゾール系モノマーの単独あるいは、他の一般的なモノマーとの共重合体等が挙げられる。上記の一般的なモノマーとしてはメタクリレート、アクリレート、アクリロニトリル、ビニルエーテル、酢酸ビニル、エチレン、スチレン等が挙げられる。
【0050】
これらのカチオン性化合物のインク受容層中の含有量は、前記した本発明で使用する第1の化合物であるカチオン変性PVAのインク受容層中の含有量に対して0.01〜30重量%の範囲であることが望ましい。
【0051】
0.01重量%未満の場合には、高温高湿環境下における長期保存に安定な画像を形成するという効果は未添加の場合に比べて顕著ではなく、30重量%を越えた場合には、吸湿性が強くなり過ぎ、ブロッキングを起こしやすくなる。又記録面の機械的強度が弱くキズがつきやすくなる。
【0052】
(添加剤)
本発明では上記バインダー成分と無機微粒子を必須成分として含有する組成物を、基材表面の少なくとも片方の面に被覆して基材表面にインク受容層を有する被記録材とするものであるが、この組成物には本発明の目的達成を妨げない範囲において各種添加剤を混合させてもよい。
【0053】
添加剤の具体的な一例としては各種界面活性剤、染料固着剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑剤が挙げられる。これらの添加剤については従来公知の化合物から目的に応じて任意に選択すればよい。
【0054】
(基材)
本発明の被記録材の基材としては、紙を使用するのが適当であるが、布、樹脂フィルムあるいは合成紙等も使用することができる。
【0055】
本発明の被記録材を構成する基材としては、上質紙、中質紙、アート紙、光沢紙、ボンド紙、再生紙、バライタ紙、キャストコート紙、ダンボール紙、非木材紙、合成紙などの紙や、ポリエチレンテレフタレート、ジアセテート、トリアセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンクロライド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックからなるフィルム、ベニア、桧、杉などの木もしくは板、ガラス板、セラミックス、アルミ、鉄、鋼などの金属板あるいは木綿、レーヨン、アクリル、ナイロン、絹、ポリエステルなどの布、牛、羊、ワニなどの皮革や人工皮革、不織布、ゴム状弾性体、無機質紙などを使用することができる。前記基材の表面が滑らかな表面であっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。又、これらの基材を2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。更に印字面の反対側にマット層、剥離粘着層などを設けても良く、又印字後、印字面に粘着層などを設けても良い。被記録材の記録目的、記録画像の用途、あるいはその上部に被覆される組成物との密着性などの諸条件に応じて上記基材の中から適宜選択される。透光性の被記録材を得るには基材として透明なプラスチックフィルムもしくはガラスが使用され、光沢のある被記録材を得るには基材として不透明なプラスチックフィルムや紙が使用される。
【0056】
(被記録材の作成方法)
本発明の被記録材を作成するに当たっては、まず前記組成物を、必要により他の添加剤と共に、水あるいはアルコール、多価アルコール類、又は他の適当な有機溶媒に溶解、又は分散し、塗工液を調整する。
【0057】
得られた塗工液を、例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などにより基材表面に塗工する。その後、例えば熱風乾燥炉、熱ドラムなどを用いて乾燥し、本発明の被記録材が得られる。
【0058】
さらに必要に応じてインク受容層の平滑化或は表面強度を上げるためにスーパーカレンダー処理などを施してもよい。
【0059】
インク受容層の塗工量としては総量として0.2〜50g/m2、より好ましくは1〜30g/m2の範囲内である。塗工量が少ない場合には基材の一部が表面に露出していてもよい。又、塗工量が0.2g/m2に満たない場合には、インク受容層を設けなかった場合に比べて塗料の発色性の点で効果がなく、一方、50g/m2を越えて設けた場合には特に、低温低湿環境下に於けるカールの発生が著しく好ましくない。塗工量を厚さで表した場合の塗工量は0.5〜100μmの厚みになる範囲が好適である。
【0060】
インク受容層には、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の各種添加剤を混在させることもできる。
【0061】
本発明の被記録材は、これらのインク受容層形成用の成分を、水等の媒体中に分散させて調製した塗工液を、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法等により基材上に塗工し、その後可及的速やかに乾燥させて製造することができる。
【0062】
塗工液中の無機顔料粒子と結着剤の混合比としては、無機顔料粒子100重量部に対して結着剤が10及至100重量部が適当であり、無機顔料粒子の平均粒径が大きいときには、できるだけ結着剤の量を少なく用いることが好結果をもたらす。
【0063】
基材上の被覆層の量は乾燥塗工量で、通常1〜50g/m2程度とすることができる。乾燥塗工量の上限としては、30g/m2程度が好ましい。又、下限としては、2g/m2程度が好ましく、10g/m2程度がより好ましい。
【0064】
<インク>
以上説明した被記録材にインクジェット記録を行う場合のインクそれ自体は、公知のものが何等問題なく使用可能である。又、記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素に代表される水溶性染料、さらに分散性染料、顔料が使用可能であり、通常のインクジェット記録用のものであれば特に制限なく使用することが出来る。この様な水溶性染料あるいは分散性染料、顔料は、従来のインク中において一般には約0.1〜20重量%を占める割合で使用されており、本発明においてもこの割合と同様でよい。
【0065】
本発明に用いる水系インクに使用する溶媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒であり、特に好適なものは水と水溶性有機溶剤と混合溶媒であって、水溶性有機溶剤としてインクの乾燥防止効果を有する多価アルコールを含有するものである。
【0066】
<インクジェット記録方法、インクジェット記録装置>
前記の被記録材に上記のインクを付与して記録を行う為の方法は、好ましくはインクジェット記録方法であり、該方法は、インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体である被記録材にインクを付与し得る方式であればいかなる方式でもよい。
【0067】
特に、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット方式は有効に使用することが出来る。
【0068】
本発明の被記録材を用いて記録を行うのに好適な一例のインクジェット記録装置を以下に説明する。その装置の主要部であるヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。
【0069】
図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコンまたはプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子基板15は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0070】
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。
【0071】
図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0072】
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、図示した例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0073】
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面の水分、塵埃等の除去が行われる。
【0074】
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0075】
51は被記録材を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録の進行につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
【0076】
以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0077】
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングのときの位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0078】
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0079】
下記組成に基づきインク受容層塗工用組成物を作製した。インク受容層塗工用組成物は秤量後、ジューサーミキサーを用いて、15分間攪拌し、脱泡したものを用いた。基材としては、孔雀ケント紙(坪量157g/m2)を使用し、この基材上に上記塗工用組成物を乾燥塗工量10g/m2の割合でブレードコーター法により塗工し、常法により乾燥させて被記録材を得た。
バクテリアセルロース(攪拌培養タイプ)0.4wt%水分散液 200重量部
プルラン10wt%水溶液(平均分子量50000〜100000) 8重量部
【実施例2】
【0080】
実施例1で用いたプルランの代わりに、ペクチン10wt%水溶液0.8重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例3】
【0081】
実施例1で用いたプルランの代わりに、デキストラン(平均分子量5000)10wt%水溶液0.8重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例4】
【0082】
実施例1で用いたプルランの代わりに、デキストラン(平均分子量300000)10wt%水溶液0.8重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例5】
【0083】
実施例1で用いたプルランの代わりに、デキストラン(平均分子量5000)1.5wt%水溶液2.6重量部とデキストラン(平均分子量100000)1.5wt%水溶液2.6重量部を組み合わせて用いたこと以外は同様にして被記録材を得た。
【実施例6】
【0084】
実施例1で用いたプルランの代わりに、デキストラン(平均分子量300000)1.5wt%水溶液2.6重量部とデキストラン(平均分子量1000000)1.5wt%水溶液2.6重量部を組み合わせて用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例7】
【0085】
実施例1で用いたプルランの代わりに、デキストラン(平均分子量5000)1.5wt%水溶液2.6重量部とデキストラン(平均分子量3000000)1.5wt%水溶液2.6重量部を組み合わせて用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例8】
【0086】
実施例1で用いたプルランの代わりに、平均分子量100000のキトサン塩酸塩1.5wt%水溶液5.3重量部を用いたこと以外は同様にして被記録材を得た。
【実施例9】
【0087】
実施例1で用いたプルランの代わりに、平均分子量1000000のキトサン塩酸塩1.5wt%水溶液5.3重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例10】
【0088】
実施例1で用いたプルランの代わりに、キトサン塩酸塩(平均分子量100000)1.5wt%水溶液2.6重量部とキトサン塩酸塩(平均分子量1000000)1.5wt%水溶液2.6重量部を組み合わせて用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例11】
【0089】
実施例1で用いたプルランの代わりに、プルラン(平均分子量70000)1.5wt%水溶液2.6重量部とキトサン塩酸塩(平均分子量200000)1.5wt%水溶液2.6重量部を組み合わせて用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例12】
【0090】
実施例1で用いたプルランの代わりに、カルボキシメチルセルロース(平均分子量70000)10wt%水溶液0.4重量部を用いたこと以外は同様にして被記録材を得た。
【実施例13】
【0091】
実施例1で用いたプルランの代わりに、カルボキシメチルセルロース(平均分子量200000)1.5wt%水溶液2.6重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【実施例14】
【0092】
実施例1で用いたプルランの代わりに、カルボキシメチルセルロース(平均分子量70000)1.5wt%水溶液1.3重量部とカルボキシメチルセルロース(平均分子量200000)1.5wt%水溶液1.3重量部を組み合わせて用いたこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【0093】
(比較例1)
実施例1のプルランを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【0094】
(比較例2)
実施例1のバクテリアセルロースを用いなかったこと以外は実施例1と同様にして被記録材を得た。
【0095】
<評価基準及び評価結果>
得られた実施例1〜14及び比較例1、2の被記録材をインクジェットプリンタ(キヤノン製 BJF900)を用いて印字し、ドット再現性と発色性を評価した。その結果を表1に示す。
【0096】
1.ドット再現性
印字ドットを実体顕微鏡で観察して、同じ画像印字したプロフェッショナルフォトペーパー(キヤノン製 PR101)と比較した。評価基準は以下の通りである。
◎:印字ドットの輪郭がPR101とほぼ同等で、ほぼ円形のもの
○:印字ドットの輪郭がPR101に比べて少し不鮮明で、円形が多少くずれたもの
×:印字ドットの輪郭がPR101に比べて明らかに劣り、不定形のもの
2.インク吸収性
レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ブラックの各色のベタ画像が接して印字される画像を作成し、目視で観察を行った。評価基準は以下の通りである。
○:各色間の相互のインクの流れ出しがなく、画像が鮮明なもの
△:各色間の相互のインクの流れ出しが少しあり、画像が少し不鮮明なもの
×:各色間の相互のインクの流れ出しがあり、画像が不鮮明なもの
3.耐ブロッキング性
レッド、ブルー、グリーン、イエロー、ブラックの各色のベタ画像を印字し、印字1分後にケント紙を乗せ200g/cm2の圧力をかけた。その後、ケント紙を取り除き、目視で観察を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:ケント紙にインクもしくはインク吸収層の移りがないもの
○:ケント紙にインクの移りはあるが、インク受容層の移りがないもの
×:ケント紙にインクの移りがあり、インク受容層の移りがあるもの
【0097】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
13 ヘッド
14 インクノズル
15 発熱素子基板
16 保護層
17−1、17−2 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス(微細孔)
23 メニスカス
24 インク滴
25 被記録材
26 マルチノズル
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
51 紙給部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バクテリアセルロースと少なくとも1種類の多糖を含有することを特徴とするコーティング液。
【請求項2】
バクテリアセルロースと少なくとも2種類の多糖を含有し、多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が100000以下であり、かつ多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が150000以上であるコーティング液。
【請求項3】
多糖がプルランである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項4】
多糖がペクチンである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項5】
多糖がキトサンである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項6】
多糖がアラビアガムである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項7】
多糖がアルギン酸である請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項8】
多糖がヒアルロン酸である請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項9】
多糖がデキストランである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項10】
多糖がキシランである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項11】
多糖がヘパリンである請求項1又は2に記載のコーティング液。
【請求項12】
基材と少なくとも1層のインク受容層とを有する被記録材において、該インク受容層がバクテリアセルロースと少なくとも1種類の多糖を含有することを特徴とする被記録材。
【請求項13】
少なくとも基材とインク受容層とを有する被記録材において、該インク受容層がバクテリアセルロースと少なくとも2種類の多糖を含有し、多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が100000未満であり、かつ多糖のうち少なくとも1種類の重量平均分子量が150000以上であることを特徴とする被記録材。
【請求項14】
多糖がプルランである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項15】
多糖がペクチンである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項16】
多糖がキトサンである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項17】
多糖がアラビアガムである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項18】
多糖がアルギン酸である請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項19】
多糖がヒアルロン酸である請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項20】
多糖がデキストランである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項21】
多糖がキシランである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項22】
多糖がヘパリンである請求項12又は13に記載の被記録材。
【請求項23】
該インク受容層を構成するの少なくとも1層がバクテリアセルロースを50wt%以上含有することを特徴とする請求項12〜22の何れか1項に記載の被記録材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−160816(P2006−160816A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351032(P2004−351032)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】