説明

コート剤及びその乾燥塗膜を表面に有する包装材料

【課題】特にヨーグルトの付着が抑制された包装材料(特に蓋材)及びそれを得るために用いるコート剤を提供する。
【解決手段】下記手段に係る:
(1)ワックス、固体微粒子、界面活性剤及び分散媒を含有するコート剤、並びに
(2)包装基材の表面に上記コート剤の乾燥塗膜を形成してなる包装材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コート剤及びその乾燥塗膜を表面に有する包装材料に関し、特にヨーグルトを収容する容器の蓋材として有用な包装材料に関する。
【背景技術】
【0002】
ヨーグルト、プリン、ゼリー、ジャム、クリーム等を収容する容器の蓋材(包装材料)としては、アルミニウム箔、樹脂フィルム、紙等の包装基材に熱接着層(ヒートシール層)を積層したものが知られている。この場合、包装材料の熱接着層側を容器の開口部に載せて熱接着することで容器を密閉する。
【0003】
密閉後、上記食品は一般に輸送や保管に供されるが、その際に内容物が揺れ動いた場合には、包装材料の裏面(熱接着層側)に内容物が付着するという問題がある。内容物が包装材料の裏面に付着すると、開封時に内容物が飛散したり手指が汚れたりするほか、衛生上も好ましいと言えない。そして、このような問題は、流動性の高いヨーグルトを取扱う場合に顕著である。
【0004】
そこで、内容物(特にヨーグルト)が付着し難い包装材料について研究されているが、現状では満足のいく包装材料は開発されていない。
【0005】
本願に関連する技術として、例えば、特許文献1がある。特許文献1にはヨーグルトを収容する容器に適した蓋材が記載されている。
【特許文献1】特開2005−314700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特にヨーグルトの付着が抑制された包装材料(特に蓋材)及びそれを得るために用いるコート剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を含有するコート剤を用いる場合には上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記のコート剤及び包装材料に関する。
1.ワックス、固体微粒子、界面活性剤及び分散媒を含有するコート剤。
2.前記ワックス、前記固体微粒子及び前記界面活性剤は、いずれも食品添加物として使用可能である、上記項1に記載のコート剤。
3.前記ワックスは、モクロウ、モンタンワックス、キャンデリラ、蜜蝋、カルナバ、マイクロクリスタリン及びパラフィンからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1又は2に記載のコート剤。
4.前記固体微粒子は、平均粒子径が4nm〜5μmの親水性シリカである、上記項1〜3のいずれかに記載のコート剤。
5.前記固体微粒子は、前記ワックスにより表面被覆されている、上記項1〜4のいずれかに記載のコート剤。
6.前記界面活性剤のHLBが3〜16である、上記項1〜5のいずれかに記載のコート剤。
7.包装基材の表面に上記項1〜6のいずれかに記載のコート剤の乾燥塗膜を形成してなる包装材料。
8.前記乾燥塗膜を形成する前記包装基材の表面にホットメルト層を有する、上記項7に記載の包装材料。
9.前記乾燥塗膜の表面に存在する前記ワックスは、鱗片状及び/又は粒状である、上記項7又は8に記載の包装材料。
10.ヨーグルトを収容する容器の蓋材である、上記項7〜9のいずれかに記載の包装材料。
11.加熱した包装基材の表面に上記項1〜6のいずれかに記載のコート剤を塗布し、次いで乾燥させる包装材料の製造方法。

以下、本発明のコート剤及び包装材料について詳細に説明する。
【0009】
コート剤
本発明のコート剤は、ワックス、固体微粒子、界面活性剤及び分散媒を含有する。
【0010】
特に上記ワックス、固体微粒子及び界面活性剤としては、何れも食品添加物として使用可能なものを用いることが好ましい。食品添加物として使用可能であれば、コート剤の乾燥塗膜を食品包装の用途に用いる場合に人体への悪影響が殆どない。
【0011】
上記ワックスとしては限定されないが、モクロウ、モンタンワックス、キャンデリラ、蜜蝋、カルナバ、マイクロクリスタリン及びパラフィンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのワックスの中でも、特にモクロウが撥ヨーグルト性能の点で好ましい。よって、ワックスの主成分(第一成分)をモクロウとし、他のワックスを第二成分や第三成分として用いてもよい。
【0012】
複数種類のワックスを併用する場合には、例えば、主成分(第一成分)をモクロウとし、第二成分をキャンデリラ、蜜蝋、マイクロクリスタリン及びパラフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種とすることが好ましい。この場合、第一成分と第二成分の重量比は、第一成分100重量部に対して第二成分1〜10重量部とすることが好ましい。
【0013】
上記固体微粒子としては限定されないが、焼成カルシウム、未焼成カルシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、粉末パルプ、粉末モミガラ、カカオ炭末、親水性シリカ及び疎水性シリカからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの固体微粒子の中でも、分散性及び撥ヨーグルト性の点で特に親水性シリカが好ましい。
【0014】
固体微粒子の平均粒子径は限定されないが、4nm〜5μm程度が好ましく、4nm〜100nm程度がより好ましい。このような範囲であれば、均質なコート剤を得るために適している。
【0015】
上記平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)で固体微粒子を観察することにより測定できる。粒子が球状の場合は、その直径を粒子径とし、粒子50個の総平均を平均粒子径とする。粒子が非球状の場合は、測定視野(写真)上の各粒子の最長径(平行な2本の線分で粒子を挟み込んだときの最大距離)及び最短径(平行な2本の線分で粒子を挟み込んだときの最短距離)の算術平均を粒子径とし、粒子50個の粒子径の総平均を平均粒子径とする。
【0016】
上記固体微粒子は、上記ワックスにより表面被覆されていることが好ましい。ここで、コート剤中のワックスと固体微粒子の重量比は10:90〜70:30程度が好ましく、ワックスが少なすぎると固体微粒子の表面を十分に被覆することが困難となり、逆にワックスが多すぎると後記するワックスの微細な鱗片構造や粒状構造が得られ難くなる。
【0017】
上記界面活性剤としては限定されないが、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値(小数点以下は四捨五入)が3〜16のものが好ましい。HLB値が0〜2の場合には分散媒に分散し難くなり、HLB値が17〜20の場合にはワックスとのなじみが低下し、均質なコート剤が得られ難くなるおそれがある。
【0018】
上記3〜16のHLB値を有する界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。界面活性剤の添加量は、固体微粒子100重量部に対して0.04〜40重量部程度が好ましい。
【0019】
上記分散媒としては限定されないが、シクロヘキサン、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)、トルエン、エタノール等が挙げられる。これらの分散媒は単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの分散媒の中でも、安全性の点でエタノールが好ましい。分散媒の量はコート剤の固形分濃度や塗布特性に応じて設定する。
【0020】
本発明のコート剤は、上記各成分を混合することにより得られる。例えば、ワックスを石油エーテル等の溶媒に溶解し、固体微粒子を添加して撹拌する。この際、固体微粒子とワックスの親和性を向上させるために界面活性剤を添加する。溶液が均一になった後、石油エーテル等の溶媒を加熱等によって除去することにより、ワックスに被覆された固体微粒子が得られる。次いで、ワックスに被覆された固体微粒子を分散媒に分散させることによってコート剤(分散液)が得られる。
【0021】
他の調製方法としては、70℃前後に加熱したエタノール中にワックスを溶解し、固体微粒子及び界面活性剤を添加して撹拌する。溶液が均一になった後、エタノールを室温付近まで冷却することによってワックスに被覆された固体微粒子が得られる。ここで、ワックスに被覆された固体微粒子は既にエタノール中に分散しているので、このまま又は更にエタノール等の分散媒を追加することによりコート剤(分散液)が得られる。
【0022】
包装材料
本発明の包装材料は、包装基材の表面に上記コート剤の乾燥塗膜を形成してなる。
【0023】
上記包装基材としては限定されないが、例えば、アルミニウム箔、紙、樹脂フィルムやこれらを2種以上積層したラミネート材が挙げられる。また、これらの包装基材には、熱接着層(ヒートシール層)が積層されていてもよい。
【0024】
熱接着層は、包装材料をヨーグルト容器等の開口部に熱接着するために用いる。熱接着層としては、公知のシーラントフィルムを始め、ラッカータイプ接着剤、イージーピール接着剤、ホットメルト接着剤等の接着剤からなる層が採用できる。本発明では、これらの熱接着層の中でも、ホットメルト接着剤からなる層(ホットメルト層)が好ましい。
【0025】
本発明では、コート剤の乾燥塗膜は、包装基材(必要に応じて熱接着層も含む)の内面(容器等の開口部と接する側:即ち裏面側)に形成すればよいが、必要に応じて包装基材の両面に形成してもよい。このように、コート剤の乾燥塗膜を形成することにより、包装材料に優れた撥水性及び撥ヨーグルト性が付与される。
【0026】
コート剤の乾燥塗膜は、例えば、包装基材の表面にコート剤を塗布し、次いで乾燥させることにより形成する。コート剤の塗布方法は限定されないが、スプレー法が好ましい。また、スプレー法で塗布する際には包装基材(熱接着層を含む)を加熱しておくことが好ましい。加熱下でスプレー塗布することにより、包装基材とコート剤との密着性が向上する。また、乾燥塗膜の表面に存在するワックスが鱗片状及び/又は粒状となることにより、撥水性や撥ヨーグルト性が向上する。加熱温度は熱接着層の溶融開始温度付近が好ましく、具体的には、熱接着層の溶融開始温度±50℃程度が好ましい。
【0027】
コート剤の厚み(乾燥後の最大厚み)は、0.2μm〜100μm程度が好ましく、0.5〜20μm程度がより好ましい。0.2μm未満では撥水性や撥ヨーグルト性の効果が不十分になるおそれがある。他方、100μmを超えるとコストアップ及び固体微粒子の脱落の可能性があるので避けた方がよい。
【0028】
コート剤の塗布量は上記厚みに応じて設定すればよいが、乾燥後重量で0.01〜20g/m程度が好ましく、0.4〜12g/mがより好ましい。0.01g/m未満の場合には撥水性や撥ヨーグルト性の効果が不十分になるおそれがある。他方、20g/mを超えるとコストアップ及び固体微粒子の脱落の可能性があるので避けた方がよい。
【0029】
乾燥塗膜に含まれるワックス、特に乾燥塗膜の表面に存在するワックスは、前記の通り、鱗片状及び/又は粒状であることが好ましい。このようなワックスの形状は、包装基材を加熱しながらコート剤を塗布することにより得られ易い。ワックスが鱗片状及び/又は粒状であることにより、ワックスの間隙に空気層が形成され、空気層が水やヨーグルト等の付着防止に効果を奏していると考えられる。
【0030】
なお、本発明では鱗片状や粒状は完全に独立した粒の状態のみを言うのではなく、粒が集合した凝集状態又はぶどうの房のような粒どうしが密着した状態のものも含む。乾燥塗膜中には固体微粒子がほぼ全体に分散しており、鱗片状及び/又は粒状のワックス中にも単分散又は凝集状態で固体微粒子が存在する。このような固体微粒子は、乾燥塗膜の微細構造の形成・維持に寄与していると考えられる。
【0031】
本発明の包装材料の使用形態は限定されず、各種袋、容器の蓋材、箱及びカップ等の成形容器、チューブ等の形態で使用できる。本発明では、包装材料の撥水性及び撥ヨーグルト性が優れているため、特にヨーグルトを収容する容器の蓋材として有用である。
【0032】
本発明のコート剤は、従来の包装材料の表面、特に熱接着層面にごく少量を塗布・乾燥させることで撥水性や撥ヨーグルト性を付与できるため、従来の包装材料の製造工程に、当該塗布工程を追加するだけで本発明の包装材料が得られる。また、実施例で示す通り、ヒートシール強度や封緘強度も従来品と同等又は問題のないレベルを示す。
【0033】
なお、本発明のコート剤及びその乾燥塗膜は良好な撥水性を発揮するため、包装材料に加えて、家庭用品、台所用品、スポーツ用品、自動車用品、工業用品、清掃用具、化粧品、塗料、被服、繊維、各種シート等の様々な分野に応用することもできる。
【発明の効果】
【0034】
1.本発明のコート剤の乾燥塗膜は、可食性材料(食品添加物)又は人体に影響の無い原材料で構成されているので、万一誤って喫食しても無害である。
2.本発明のコート剤の乾燥塗膜は、包装材料、特に熱性着剤との密着性に優れるため、耐久性に優れ脱落し難い。
3.本発明の包装材料は、撥水性、撥ヨーグルト性に優れ、内容物が付着し難い。
4.本発明のコート剤の乾燥塗膜は、非常に薄い層で良いため、熱接着強度(開封強度、封緘強度)に大きな影響を与えず、実用上問題無いレベルを維持する。
5.本発明のコート剤は、従来の包装材料に適用できるため、汎用性に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0036】
実施例1〜5
<ヨーグルト容器の蓋材の作製>
厚み20μmのアルミニウム箔(1N30、軟質箔)を用意した。片面にポリエチレン(厚み20μm)を押し出し積層した。ポリエチレン上にホットメルト剤(WAX:35重量部、ロジン:35重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体:30重量部)を塗布量(乾燥後重量)15g/mとなるようグラビアホットメルトコートした。これにより、ホットメルト層付きの包装基材を得た。
【0037】
包装基材を120℃に加熱し、ホットメルト層に後記各コート剤をスプレー塗布した。スプレーの条件は、空気圧力:0.6MPa、ノズルから被塗面までの距離:120mm、処理時間:約120秒であり、コート剤の塗布量(乾燥後重量)が約3g/mとなるように設定した。これにより包装基材上にコート剤の乾燥塗膜を形成して蓋材とした。
【0038】
<コート剤の調製>
各コート剤に含まれるワックス、固体微粒子及びそれらの重量比を表1に示す。
【0039】
それぞれ、ワックス10gを約70℃に加熱したエタノール1リットルに溶解し、更に親水性シリカ(平均粒子径:12nm)4.9〜10gと界面活性剤(ショ糖脂肪酸エステル)0.02gを添加して十分に撹拌混合した。次いで、エタノールを室温付近まで冷却し、ワックスに被覆されたシリカ微粒子を得た。ワックスに被覆されたシリカ微粒子とエタノールの重量比率が約1:66になるようエタノール量を調整して各コート剤とした。
【0040】
比較例1
コート剤を塗布せず、実施例1で用いた包装基材をそのまま蓋材とした。
【0041】
試験例1
実施例及び比較例で作製した蓋材について下記の試験を行った。
【0042】
<転落角>
協和界面化学製のCONTACT-ANGLE METER CA-DTを使用し、乾燥塗膜を上向きにしたシートサンプル(50mm×50mm)を水平のステージ上に静置して、水滴(1滴)を至近距離から垂らし、ステージを傾斜させた。
【0043】
水滴が転げ落ちたときの傾斜角を転落角(°)とした。
【0044】
<接触角>
純水の接触角を協和界面化学製のCONTACT-ANGLE METER CA-DTで測定した。
【0045】
<撥ヨーグルト性>
乾燥塗膜を上向きにした水平のシートサンプル(50mm×50mm)上に、ヨーグルト1滴(約0.4g)を至近距離から垂らし、シートサンプルを30°傾斜させたときにヨーグルトが転落するかどうか観察した。実施例1及び比較例1におけるシートサンプル上のヨーグルト液滴の状態を図2に示す。
【0046】
<構造>
SEM観察により試料表面のワックスの微細構造を観察した。実施例3の当該SEM観察像を図3に示す。
【0047】
<開封強度>
フランジ付き紙/ポリエチレン製容器(フランジ幅3mm、フランジ外径80mm、高さ56mm;厚み約300μmの紙にポリエチレン100μmをコーティングしたものをポリエチレンが容器内面側になるよう成形したもの)に各サンプル蓋材をヒートシール(シール温度150℃×1kg/cm×1秒)し、100mm/min、45°剥離(剥離開始点からみて仰角45°方向に剥離)時の荷重を開封強度(ヒートシール強度)N/cupとした。
【0048】
<封緘強度>
フランジ付き紙/ポリエチレン製容器(上記同様)のフランジ上に各サンプル蓋材をヒートシール(シール温度150℃×1kg/cm×1秒)し、〔乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和54年4月16日厚生省令第17号)〕の封緘強度試験法に準じて封緘強度試験を行った。但し、容器内に空気を流入しつづけ、空気漏れする時点の内圧を測定した。
【0049】
以上の評価結果を表2に示す。
<ヨーグルト付着テスト>
ヨーグルトを内容積の90%充填したフランジ付き紙/ポリエチレン製容器(上記同様)のフランジ上に、実施例1及び比較例1の各サンプル蓋材をヒートシール(シール温度150℃×1kg/cm×1秒)し、天地逆転させた状態で60秒間放置した後に開封した状態を図1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】ヨーグルト付着テストの結果を示す図面代用写真である。(a)は実施例1の結果を示し、(b)は比較例1の結果を示す。
【図2】実施例1及び比較例1におけるシートサンプル上のヨーグルト液滴の状態を示す図面代用写真である。(A)は実施例1の結果を示し、(B)は比較例1の結果を示す。
【図3】実施例3の試料表面のワックスの微細構造を示す図面代用写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワックス、固体微粒子、界面活性剤及び分散媒を含有するコート剤。
【請求項2】
前記ワックス、前記固体微粒子及び前記界面活性剤は、いずれも食品添加物として使用可能である、請求項1に記載のコート剤。
【請求項3】
前記ワックスは、モクロウ、モンタンワックス、キャンデリラ、蜜蝋、カルナバ、マイクロクリスタリン及びパラフィンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のコート剤。
【請求項4】
前記固体微粒子は、平均粒子径が4nm〜5μmの親水性シリカである、請求項1〜3のいずれかに記載のコート剤。
【請求項5】
前記固体微粒子は、前記ワックスにより表面被覆されている、請求項1〜4のいずれかに記載のコート剤。
【請求項6】
前記界面活性剤のHLBが3〜16である、請求項1〜5のいずれかに記載のコート剤。
【請求項7】
包装基材の表面に請求項1〜6のいずれかに記載のコート剤の乾燥塗膜を形成してなる包装材料。
【請求項8】
前記乾燥塗膜を形成する前記包装基材の表面にホットメルト層を有する、請求項7に記載の包装材料。
【請求項9】
前記乾燥塗膜の表面に存在する前記ワックスは、鱗片状及び/又は粒状である、請求項7又は8に記載の包装材料。
【請求項10】
ヨーグルトを収容する容器の蓋材である、請求項7〜9のいずれかに記載の包装材料。
【請求項11】
加熱した包装基材の表面に請求項1〜6のいずれかに記載のコート剤を塗布し、次いで乾燥させる包装材料の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−241943(P2009−241943A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89478(P2008−89478)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(502435454)株式会社SNT (33)
【出願人】(399054321)東洋アルミニウム株式会社 (179)
【Fターム(参考)】