説明

コードストッパー

【課題】 圧縮バネとして機能する弾圧手段を単品部品として取り扱うことを要せず、コードストッパーの組み付け分解が容易であり、しかも本体表面に表示物等を視認し易い状態で表示できるコードストッパーを提供すること。
【解決手段】 紐19の出入口(挿通凹部15,15’)、係止手段(係止片13a,14a,14a’)及び弾圧手段(4つのバネ部11)を平板状に一体形成して止め具10として構成し、この止め具10が係止手段の操作部13,14を外部に露出させた状態で平板状の収納ケースに収納されている。そして収納ケースの平板状部を利用することで、商品販売上必要な表示物等を見やすく表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紐の出入り口と、該出入り口の中間に配置され弾圧手段により紐を係止する位置に保持する係止手段と、前記弾圧手段に抗して係止手段を作動することにより紐が係止手段から解放するコードストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣服のフード等の周縁側に挿通されるコード(紐)の止め具として設けられるコードストッパーは、上方が解放した筒状の本体内に圧縮バネを本体内に収納し、この圧縮バネにより本体内に移動自在に嵌合したプッシュ部材を常時一方向に偏倚させると共に、これら本体およびプッシュ部材には、プッシュ部材の移動方向に対して直交する方向にコードが挿通可能な貫通孔が形成されている。両貫通孔を挿通しているコードは、通常の状態では圧縮バネの弾性力でプッシュ部材が上方に押し上げられているため、コードの本体内の位置は両貫通孔からずれて、コードの移動は阻止されている。しかし、プッシュ部材を圧縮バネの弾性力に抗する方向に押圧することで、コードの本体内の位置が両貫通孔の位置と整列し、利用者は容易に本体をコードに沿って移動させることが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−308511号公報(段落0008、図1及び2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら前記特許文献1にあっては、筒状の本体内に圧縮バネを収納しているため、コードストッパーの形状がコードの挿通している方向に対して直交する方向に長大化するだけでなく、圧縮バネを単品部品として用いているため組み付け分解に手間が掛かる不便さがあった。またコードストッパーの形状が筒状となるため、本体表面に商品販売上必要な表示物等を表示しようとしても表示し辛く、且つ表示しても視認しがたい不具合があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、圧縮バネとして機能する弾圧手段を単品部品として取り扱うことを要せず、コードストッパーの組み付け分解が容易であり、しかも本体表面に表示物等を視認し易い状態で表示できるコードストッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のコードストッパーは、紐の出入口と、該出入口の中間に配置され弾圧手段により紐を係止する位置に保持する係止手段と、前記弾圧手段に抗して係止手段を作動することにより紐が係止手段から解放されるコードストッパーであって、前記出入口、係止手段及び弾圧手段を平板状に一体形成して止め具として構成すると共に、該止め具が前記係止手段の操作部を外部に露出させた状態で平板状の収納ケースに収納されていることを特徴としている。
この特徴によれば、出入口、係止手段及び弾圧手段から成る止め具が一体構成されているので、一部品として取り扱うことができ便利であると共に、係止手段の操作部が平板状の収納ケースから露出しているので、係止手段の作動を外部から簡便に行うことができ、且つ収納ケースの平板状の表面を利用して、表面に商品販売上必要な表示物等を見やすく表示させることできる。
【0007】
本発明の請求項2に記載のコードストッパーは、請求項1に記載のコードストッパーであって、前記収納ケースの対向する二面側に前記係止手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、係止手段が収納ケースの対向する二面側に設けられているので、紐の係止を両側から確保できると共に、指の操作で紐を係止手段から容易に解放できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載のコードストッパーは、請求項2に記載のコードストッパーであって、前記二面側に設けた係止手段の操作部と、該係止手段と直交する方向に対向して設けられた一対の出入口との間に、それぞれ板状の弾圧手段が一体連結されていることを特徴としている。
この特徴によれば、弾圧手段を単品部品として改めて準備する必要がなく、しかも板状の弾圧手段を均等配置することが可能であるので、係止手段を安定作動させることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載のコードストッパーは、請求項1乃至3のいずれかに記載のコードストッパーであって、前記収納ケースは係脱自在なケース本体と蓋体とで構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、収納ケースを係脱自在なケース本体と蓋体とで構成することにより、組立分解を簡便に行えると共に、止め具をケース本体と蓋体で収納することで係止手段に係止されている紐を外部から遮蔽ができ、係止手段の作動を安全に行うことができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載のコードストッパーは、請求項1乃至4のいずれかに記載のコードストッパーであって、前記係止手段は前記出入口を結ぶ線に対して直交方向に延びる係止片で構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、出入口を結ぶ線に対して係止手段を直交方向に延びる係止片で構成することにより、紐の解放と係止を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明の実施例1におけるコードストッパーの全体像を示す斜視図であり、図2は、図1に示したコードストッパーを裏返しにした斜視図で、指で操作した使用例を示し、図3は、コードストッパーの分解組立斜視図であり、図4(a)は、コードストッパーを押圧操作した状態を示す平面図であり、図4(b)は、コードストッパーの押圧操作を解除した状態を示す平面図である。
【0013】
図1、2に示されるコードストッパー1(以下ストッパー1)は、主に衣服のフード・襟・裾上がりの周縁や、ウエストの等に用いられる紐の端部近傍に取り付けられており、特にストッパー1の表裏に形成された平板状の平坦な平板状部3,7に商品のブランド名等を自由に表示可能な構成になっている。尚、本実施例の説明において、ストッパー1の操作部13を前方とし操作部14を後方とし、紐19の長さ方向を左右方向として以下に説明する。
【0014】
このストッパー1はプラスチックで構成され、蓋体2およびケース本体6からなる収納ケース5内に止め具10が収納されている。蓋体2およびケース本体6が一体となった収納ケース5の前後には操作溝A,Bが形成されており、これら前後の操作溝A,Bから止め具10の操作部13,14がそれぞれ突出するように、露出している。そしてストッパー1には、一本の紐19がケース本体内を左右方向に沿って貫通するように挿通されている。しかも紐19は、ストッパー1内で通常移動不能に係止されている。
【0015】
そして、ストッパー1内での紐19の係止状態を解除するには、図2に示すように、2本の指等で操作部13,14を把持して、さらに操作溝A,Bの内方に向けて押込んでいくことで(尚、操作部13,14の押込み構造については後述において説明する。)、ストッパー1内部での紐19の係止状態が解除され、紐19の長さ方向に沿ってストッパー1を左右に摺動可能となる。
【0016】
蓋体2の平板状部3およびケース本体6の平板状部7には商品名やブランド名等のマーク(例えばMD)が形成されている。このようにストッパー1の表裏に平坦な平板状部3,7が所定の大きさで形成されたことで、多様な名称やマークまたは模様等を印字や彫り込み等が簡便かつ安価に形成可能となるとともに、表示物等を視認し易い状態で表示できるストッパー1となっているので、商品の販売に必要なブランド力も高められる。
【0017】
次に図3に示されるように、止め具10、蓋体2、ケース本体6について説明する。止め具10は、操作部13,14を備えた係止片13a、14a、14a’と、その係止片13a、14a、14a’の先端に形成した係合凸部13b、14b、14b’からなる係止手段と、紐19の挿通凹部15,15’が形成された出入口と、操作部13,14と挿通凹部15,15’を一体連結した弾圧手段としてのバネ部11で構成されている。
【0018】
操作部13,14の外側面にはそれぞれ複数の突起部13c,14cが形成されており、操作部13,14を把持する際の滑り止めとして形成されている。止め具10の左右には、紐19が挿通可能な挿通凹部15,15’が左右方向に沿って一対形成されている。
【0019】
操作部13の左側端と左側の挿通凹部15の前方側は、弾性力を有する薄板状のバネ部11が形成され一体連結されており、操作部13の右側端と右側の挿通凹部15’の前方側もバネ部11で一体連結されている。同様にして、操作部14の左側端と左側の挿通凹部15の後方側、及び操作部14の右側端と右側の挿通凹部15’の後方側もバネ部11,11で一体連結されて形成されている。
【0020】
操作部13には、操作部13と一体に形成された内方に向けて延設された係止片13aが設けられ、その先端に上方に突出する係合凸部13bが形成されている。操作部14にも操作部14と一体に形成された内方に向けて延設されたの2本の係止片14a,14a’が設けられ、これらのそれぞれ先端に上方に突出する係合凸部14b,14b’が形成されている。2本の係止片14a,14a’間には遊嵌スペース16が凹設されている。
【0021】
このようにして、操作部13および操作部14の向かい合う二面側には、左右の挿通凹部15、15’を結ぶ線に対して直交方向に延びる係止片13aおよび2本の係止片14a,14a’が設けられているとともに、係合凸部13b,係合凸部14b,14b’が左右の挿通凹部15、15’を結ぶ線に対して略同一線上になるように配置されている。
【0022】
次いで蓋体2について説明すると、商品名等が表面側に表示された平板状部3の前後左右の周端縁には下方に向けて係止片4が設けられ、その先端に外方を向く係合突起4aがそれぞれに突設されている。平板状部3の側端面3aは中央部で内方にくびれており、操作部13,14の押込み時に、この押圧操作を阻害しない形状になっている。平板状部3の内面には左右に所定間隔で離間され、前後方向を向く丈の低い凸条3b,3b’が設けられている。
【0023】
つづいてケース本体6について説明すると、商品名等が裏面側に表示された平板状部7の前後左右の周端縁には上方に向けて保持片8が設けられ、その略中央位置にそれぞれ係合孔8aが形成されており、前後の保持片8の間には紐19を挿通可能な凹部9,9’が形成されている。平板状部7の側端面7aは中央部で内方にくびれており、操作部13,14の押込み時に、この押圧操作を阻害しない形状になっている。平板状部7の内面には左右に所定間隔で離間され、前後方向を向く丈の低い凸条7b,7b’が設けられている。
【0024】
そこで、これらストッパー1の組立方法について説明する。まずケース本体6に止め具10を取り付ける。この際、左右前後の保持片8によって止め具10が案内されるので、円滑に平板状部7の上面に止め具10を載置することができるとともに、この保持片8で止め具10の左右前後の移動が規制される。さらに、この載置状態では平板状部7の凸条7bが止め具10の挿通凹部15と係止片14aの間隙に収納され、同様にして凸条7b’が挿通凹部15’と係止片14a’の間隙に収納されることで、止め具10のケース本体6内における左右方向への移動が確実に規制されている。
【0025】
そして、止め具10を覆うように蓋体2を上方より下方に向けてケース本体6に取り付けるのであるが、この際、係止片4を保持片8の内面に沿って下方に移動させながら、さらに下方に押し込むことで、4つの係合突起4aがそれぞれに対応する係合孔8aに嵌合係止されて前後に操作溝A,B(図1,2参照)を備えた収納ケース5が構成される。
【0026】
さらに、この蓋体2の取り付け状態では、平板状部3の凸条3bが止め具10の挿通凹部15と係合凸部14bの間隙に収納され、同様にして凸条3b’が挿通凹部15’と係合凸部14b’の間隙に収納されることで、収納ケース5内での止め具10の左右方向へのガタツキが上下の凸条7b,7b’、凸条3b,3b’の4箇所で規制されている。
【0027】
尚、再度ケース本体6から蓋体2を分離するには、係合孔8aの外方より係合突起4aを内方に押し込むことで、嵌合係止状態が解除されるので、収納ケース5の分解も簡便な作業で行える。このように収納ケース5を係脱自在なケース本体6と蓋体2とで構成して、操作部13,14を除く部分が収納ケース5で覆われることから、ストッパー1内に挿通される紐19を外部から遮蔽できるとともに、係止手段の操作を安全に行える。
【0028】
次に、操作部13,14の押圧操作及び押圧解除について図4に基づき説明する。操作部13,14が指(図2参照)で把持され、図4(a)に示すように、左右前後の4つのバネ部11の弾性反発力に抗して前後方向より押圧された状態においては、バネ部11が内方に圧縮されることから、係止片13aの係合凸部13bが後方に移動されるとともに、係止片14a,14a’の係合凸部14b,14b’が前方に移動される。
【0029】
すると、ストッパー1の内部において、係止片13a,が後方に、係止片14a,係止片14a’が前方に移動し、凹部9,挿通凹部15,挿通凹部15’,凹部9’が係止片に邪魔されずに左右方向に略一直線で連なる挿通経路が形成される。この挿通経路に紐19を挿通させることで、挿通された紐19の長さ方向に沿ってストッパー1を摺動移動することができる。
【0030】
尚、係止片13a,14b,14b’は紐19の出入口である挿通凹部15,15’を結ぶ線(紐9の挿通経路)に対して直交方向に延び、左右方向に間隔をあけて配置されているので、操作部13,14の押圧状態においても係止片13a,14a,14a’同士が互いに干渉することはない。しかも操作部14に凹設された遊嵌スペース16によって、押圧操作時に係合凸部13bが収納され、操作部14の内側面に衝突しない構成になっている。
【0031】
図4(b)に示されるように、操作部13,14の押圧状態を解放すると、圧縮されていたバネ部4の反発力により操作部13,14が元の位置に押し戻されるとともに、係止片13aが前方に向けて移動され、係止片14a,14a’が後方に向けて移動される。すると、直線状の紐19が係合凸部13bに前方へと押し上げられるとともに、この左右近傍に位置する係合凸部14b,14b’によって紐19が後方へと移動し、逆M字状に折り曲げられる。
【0032】
紐19が係合凸部14b,13b,14b’間に係止されることから、紐19に沿ったストッパー1の移動に規制が掛かり、紐19の所定位置にストッパー1が移動不能に固定される。このように、操作部13および操作部14の対向する二面側にそれぞれ交互に係止片14a,13a,14a’が設けられたことで、紐19の係止を前後(両側)から確保できるとともに、指の押圧操作のみで係合凸部14b,13b,14b’から紐19が解放される。したがって、ストッパー1への紐19の挿通および解放を操作部13,14の押圧操作によって容易に行える。
【0033】
そして、前後の操作部13,14と左右の挿通凹部15,15’とを弾性手段である板状のバネ部11で一体に連結したことで、別個に従来公知の螺旋状のバネ等を改めて準備する必要がない。しかも、バネ部11が前後左右の4箇所に均等配置されたことで、押圧操作では操作部13,14に均等な圧力が加わることになり、係止手段である係止片13a,14a,14a’の前後移動を常に安定作動させ、円滑な押圧操作を繰り返し行える。
【0034】
以上の説明により実施例1では、紐19の出入口(挿通凹部15,15’)、係止手段(係止片13a,14a,14a’)及び弾圧手段(4つのバネ部11)を平板状に一体形成して止め具10として構成したので、一部品として取り扱うことができ便利であると共に、この止め具10と蓋体2とケース本体6のみでストッパー1が構成されるので、これらの分解および組み立てが容易である。さらに、操作部13,14が収納ケース5の操作溝A,Bから露出しているので、外部から押圧操作を簡便に行うことができ、且つ収納ケース5の表裏の平板状部3,7を利用して、商品販売上必要な表示物等を見やすく表示できる。
【実施例2】
【0035】
次に、本発明の実施例2を図5に基づいて説明する。図5(a)は、本発明の実施例2におけるストッパーの押圧操作を示す平面図であり、図5(b)は、ストッパーの押圧操作を解除した状態を示す平面図である。なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0036】
図5(a)に示されるように、ストッパー21の止め具10’の操作部23の内側面右方には、紐19の出入口(挿通凹部15,15’)を結ぶ線に対して直交する方向に係止片23aが設けられ、この先端に上方に突出する係合凸部23bが形成されている。同様に操作部24の内側面左方にも直交する方向に係止片24aが設けられ、この先端に係合凸部24bが形成されている。
【0037】
操作部23,24がバネ部11に抗して指で押圧されると、係合凸部23bが後方に向けて移動されるとともに、係合凸部24bが前方に向けて移動される。すると、紐19が左右方向に沿って略一直線状に挿通可能な挿通経路が形成される。したがって、実施例1と同様に押圧操作によってストッパー21を容易に紐19の長さ方向に沿って、摺動移動可能となる。
【0038】
図5(b)に示されるように、操作部23,24から指が離間され押圧操作が解除されると圧縮されていたバネ部11の反発力により、係止片23aおよび係止片24aが前方および後方に移動されるとともに、紐19が係合凸部23bおよび係合凸部24bのそれぞれに引っ掛けられて前後に向けて屈曲され、紐19が係合凸部23bおよび係合凸部24b間に係止される。
【0039】
以上の説明により実施例2では、ストッパー21が操作部23,24の互いに向かい合う二側面に係止手段(係止片23a,24a)が一つずつ設けられた場合であっても、操作部23,24の押圧操作が解放されると、紐19の左右方向に沿ったストッパー21の移動に規制が掛かり、紐19の所定位置にストッパー21を移動不能に固定できる。
【実施例3】
【0040】
次に、本発明の実施例3を図6に基づいて説明する。図6(a)は、本発明の実施例3におけるストッパーの押圧操作を示す平面図であり、図6(b)は、ストッパーの押圧操作を解除した状態を示す平面図である。なお、以下の実施例3において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0041】
図6(a)に示されるように、ストッパー31の止め具10’’の操作部33の内側面中央位置には、紐19の出入口(挿通凹部15,15’)を結ぶ線に対して直交して幅広い舌片状の係止片33aが設けられ、この先端に上方に突出する大型の係合凸部33bが形成されている。操作部34の内側面中央位置には、後方に凹設された遊嵌スペース35が形成されている。
【0042】
操作部33,34がバネ部11に抗して指で押圧されると、係合凸部33bが後方に向けて移動され、紐19が左右方向に沿って略一直線状に挿通可能な挿通経路が形成される。したがって、前記各実施例と同様に、押圧操作によってストッパー31を容易に紐19の長さ方向に沿って、摺動移動することができる。尚、この押圧操作時には遊嵌スペース35に係合凸部33bが収納され、操作部34の内側面に衝突しない構成になっている。
【0043】
図6(b)に示されるように、操作部33,34から指が離間され押圧操作が解除されると圧縮されていたバネ部11の反発力により、係止片33aが前方に移動されるとともに、紐19が係合凸部33bに引っ掛けられて前方に向けて屈曲され、紐19が係合凸部33bに係止される。
【0044】
以上の説明により実施例3では、互いに向かい合う操作部33,34のいずれか一方(本実施例では操作部33側)に係止手段(係止片33a)が設けられた場合であっても、操作部33,34の押圧操作が解放されると、紐19の左右方向に沿ったストッパー31の移動に規制が掛かり、紐19の所定位置にストッパー31を移動不能に固定できる。尚、本実施例3の場合、操作部34はバネ部11と連結させずに直接出入口に連結される構造であっても良い。
【0045】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、弾圧手段(4つのバネ部11)を兼ね備えた一体連結構造の止め具10を利用することで、ストッパー1の構造を複雑にすることなく容易に組み立てでき、安価かつ軽量に製作できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、バネ部11に替えて金属板金のバネ板を用いて、挿通凹部15,15’および操作部13,14をバネ板で連結させるようにしても良い。
【0046】
また、紐19と当接する係合凸部13b,14b,14b’の当接面に複数の凹凸を形成して摩擦抵抗面を増やしても良く、このようにすれば操作部13,14の押圧操作の解放時に紐19に対する摩擦抵抗が高められ、より確実に紐19に沿ったストッパー1の移動が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1におけるコードストッパーの全体像を示す斜視図である。
【図2】図1に示したコードストッパーを裏返しにした斜視図で、指で操作した使用例を示す。
【図3】コードストッパーの分解組立斜視図である。
【図4】(a)は、コードストッパーを押圧操作した状態を示す平面図であり、(b)は、コードストッパーの押圧操作を解除した状態を示す平面図である。
【図5】(a)は、本発明の実施例2におけるコードストッパーの押圧操作を示す平面図であり、(b)は、コードストッパーの押圧操作を解除した状態を示す平面図である。
【図6】(a)は、本発明の実施例3におけるコードストッパーの押圧操作を示す平面図であり、(b)は、コードストッパーの押圧操作を解除した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ストッパー(実施例1のコードストッパー)
2 蓋体(収納ケースの一部)
3 平板状部
3a 側端面
3b、3b’ 凸条
4 係止片
4a 係合突起
5 収納ケース
6 ケース本体(収納ケースの一部)
7 平板状部
7a 側端面
7b、7b’ 凸条
8 保持片
8a 係合孔
9、9’ 凹部
10、10’、10’’ 止め具
11 バネ部(弾圧手段)
13 操作部
13a 係止片
13b 係合凸部
13c 突起部
14 操作部
14a、14a’ 係止片
14b、14b’ 係合凸部
14c 突起部
15、15’ 挿通凹部(紐の出入口)
16 遊嵌スペース
19、19’ 紐
21 ストッパー(実施例2のコードストッパー)
23 操作部
23a 係止片
23b 係合凸部
24 操作部
24a 係止片
24b 係合凸部
31 ストッパー(実施例3のコードストッパー)
33 操作部
33a 係止片
33b 係合凸部
34 操作部
35 遊嵌スペース
A、B 操作溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐の出入口と、該出入口の中間に配置され弾圧手段により紐を係止する位置に保持する係止手段と、前記弾圧手段に抗して係止手段を作動することにより紐が係止手段から解放されるコードストッパーであって、前記出入口、係止手段及び弾圧手段を平板状に一体形成して止め具として構成すると共に、該止め具が前記係止手段の操作部を外部に露出させた状態で平板状の収納ケースに収納されていることを特徴とするコードストッパー。
【請求項2】
前記収納ケースの対向する二面側に前記係止手段が設けられている請求項1に記載のコードストッパー。
【請求項3】
前記二面側に設けた係止手段の操作部と、該係止手段と直交する方向に対向して設けられた一対の出入口との間に、それぞれ板状の弾圧手段が一体連結されている請求項2に記載のコードストッパー。
【請求項4】
前記収納ケースは係脱自在なケース本体と蓋体とで構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のコードストッパー。
【請求項5】
前記係止手段は前記出入口を結ぶ線に対して直交方向に延びる係止片で構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載のコードストッパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−7145(P2007−7145A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−191759(P2005−191759)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(591115279)株式会社アイリス (16)
【出願人】(591070831)株式会社マーゼンプロダクツ (24)