説明

コードレス電話装置

【課題】子機において親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの特定の状態にあるか否かを判別し、該子機からの発呼を制限し、あるいは、発呼の制限を解除する。
【解決手段】親機20と、当該親機20と無線接続可能な子機30と、を備えるコードレス電話装置10であり、子機30は、親機20から送信される状態通知情報に基づいて、親機の状態を判別する状態判別部(制御部41の状態判別ぶ411)と、子機30からの発呼を制限する発呼制限部(制御41の発呼制限部412)、を備え、親機20が所定の状態であると状態判別部411が判別すると、発呼制限部412は子機30からの発呼を制限し、状態判別部411が親機20の所定の状態が解消したと判別すると、発呼制限部412は、子機からの発呼の制限を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置に関するものであり、特に、子機において親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあるか否かを判別し、該子機からの発呼を制限し、あるいは、発呼の制限を解除するようにしたコードレス電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、家庭用電話機としてコードレス電話システムが多く利用されている。コードレス電話システムは、電話回線にケーブル接続される親機と、この親機と無線で接続される1又は2台以上の子機とからなる。
【0003】
この種のコードレス電話システムには、例えば下記特許文献1(特開平11−331324号公報)に示されるように、親機での保留を知らない子機の利用者が、子機から親機に対して通話要求をすることで意図せずに親機の保留を解除するのを防止できるようにしたコードレス電話装置が知られている。
【0004】
従来のコードレス電話装置では、親機が保留中或いは、親機で応答メッセージ送出中又は用件メッセージ録音中に、子機から通話指示があると、回線と接続されている相手先と子機との間に通話路が確立され、相手先と子機との間で通話状態となってしまう。これを回避するため、特許文献1に開示されたコードレス電話装置では、回線を通じて音声信号の送受信を行うと共に、子機とコードレス通信を行う無線送信部及び無線受信部と、通話を保留中の親機への子機からの通話要求に対して警告信号を送信する警告信号送信部とを有する親機と、親機とコードレス通信を行う子機とを備えたコードレス電話装置であって、親機が通話を保留中であれば、親機は子機からの通話要求に対しては警告信号を発して子機から警告を行わせると共に通話を一旦不許可とし、その後は所定の条件を満たせば通話を許可するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−331324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のコードレス電話装置では、子機から親機へ通話指示があった際に親機が保留中であれば、親機から子機へ警告信号を送信する必要があり、又、この警告信号を送信するための警告信号送信部を搭載する必要があった。そのため、回路構成が複雑になり、コスト高となるという問題が生じる。更に、このコードレス電話装置では、警告信号送信後に、親機の保留が解除した際に子機のユーザにその旨を報知することが望ましいが、その点に関してはなんら考慮されていない。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、子機において親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあるか否かを判別し、該子機からの発呼を制限し、あるいは、発呼の制限を解除することができるコードレス電話装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置であり、前記子機は、前記親機から送信される状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別する状態判別部と、前記子機からの発呼を制限する発呼制限部と、を備え、前記親機が所定の状態であると前記状態判別部が判別すると、前記発呼制限部は子機からの発呼を制限し、前記状態判別部が前記親機の所定の状態が解消したと判別すると、前記発呼制限部は、前記子機からの発呼の制限を解除することを特徴とするコードレス電話装置。
【0009】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1の発明にかかるコードレス電話装置において、前記所定の状態とは、前記親機が回線保留中の状態であるか、又は、前記親機が留守電応答中の状態であることを特徴とする。
【0010】
また、本願の請求項3にかかる発明は、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備え、前記子機が充電状態から非充電状態になると自動的に子機から親機に対して無線接続の要求を行うクイック通話機能を有するコードレス電話装置であり、前記子機は、前記親機から送信される状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別する状態判別部と、前記子機からの発呼を制限する発呼制限部と、を備え、
前記子機は、充電状態から非充電状態に変化した際に、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態であると判別すると、前記発呼制限部は子機からの発呼を制限し、
前記状態判別部が前記親機の所定の状態が解消したと判別すると、前記発呼制限部は、前記子機からの発呼の制限を解除することを特徴とする。
【0011】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3の何れかの発明にかかるコードレス電話装置において、前記子機は、更に表示部を有し、充電台に載置された状態で表示部を消灯する省電力機能を有し、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態であると判別すると、前記表示部を点灯し、前記親機が所定の状態にあることを所定の第1時間の間、報知することを特徴とする。
【0012】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項4の発明にかかるコードレス電話装置において、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態ではなくなったと判別すると、前記表示部に前記親機が所定の状態であることが解消されたことを、所定の第2時間の間、報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1にかかる発明においては、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置であり、前記子機は、前記親機から送信される状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別する状態判別部と、前記子機からの発呼を制限する発呼制限部と、を備え、前記親機が所定の状態であると前記状態判別部が判別すると、前記発呼制限部は子機からの発呼を制限し、前記状態判別部が前記親機の所定の状態が解消したと判別すると、前記発呼制限部は、前記子機からの発呼の制限を解除するように構成した。
【0014】
かかる構成によれば、子機から親機へ通話指示があった際に、子機において親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあるか否かを判別して子機からの発呼を制限し、あるいは、発呼の制限を解除するものであるから、親機から子機へ警告信号を送信する必要もなく、又、この警告信号を送信するための警告信号送信部を搭載する必要がない。従って、回路構成が複雑になり、コスト高となるという問題点を解消することができる。なお、親機から子機に対しては一定の周期で親機の状態を子機に通知するデータが送信されるから、子機はこのデータに基づいて親機の状態を判別することができ、子機側に特別の回路構成の追加などは必要ない。
【0015】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるコードレス電話装置において、所定の状態とは、前記親機が回線保留中の状態であるか、又は、前記親機が留守電応答中の状態である。従って、子機から親機へ通話指示があった際に、子機において親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの状態であった場合に、意図せずに親機の保留状態や留守電応答を解除してしまうような不都合を防止できる。
【0016】
請求項3かかる発明においては、親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備え、前記子機が充電状態から非充電状態になると自動的に子機から親機に対して無線接続の要求を行うクイック通話機能を有するコードレス電話装置であり、前記子機は、前記親機から送信される状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別する状態判別部と、前記子機からの発呼を制限する発呼制限部と、を備え、前記子機は、充電状態から非充電状態に変化した際に、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態であると判別すると、前記発呼制限部は子機からの発呼を制限し、前記状態判別部が前記親機の所定の状態が解消したと判別すると、前記発呼制限部は、前記子機からの発呼の制限を解除するように構成した。
【0017】
かかる構成によれば、クイック通話機能を有する子機が充電台から取り上げられ、子機から親機へ通話指示があった際に、子機において親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあるか否かを判別して子機からの発呼を制限し、あるいは、発呼の制限を解除するものであるから、親機から子機へ警告信号を送信する必要もなく、又、この警告信号を送信するための警告信号送信部を搭載する必要がない。従って、回路構成が複雑になり、コスト高となるという問題点を解消することができる。
【0018】
請求項4かかる発明においては、請求項1〜請求項3の何れかににかかるコードレス電話装置において、子機は、更に表示部を有し、充電台に載置された状態で表示部を消灯する省電力機能を有し、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態であると判別すると、前記表示部を点灯し、前記親機が所定の状態にあることを所定の第1時間の間、報知する。
【0019】
かかる構成によれば、子機のユーザは親機へ通話指示をした際に、親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあることを知ることができるようになる。
【0020】
請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかるコードレス電話装置において、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態ではなくなったと判別すると、前記表示部に前記親機が所定の状態であることが解消されたことを、所定の第2時間の間、報知する。
【0021】
かかる構成によれば、子機のユーザは親機へ通話指示をした際に、親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあり、その後、親機が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態が解消されたことを知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の全体図である。
【図2】本発明を適用してなる実施例装置の親機のブロック図である。
【図3】本発明を適用してなる実施例装置の子機のブロック図である。
【図4】子機30の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術的思想を具体化するためのコードレス電話装置を例示するものであって、本発明をこのコードレス電話装置に特定することを意図するものではなく、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって定められるものである。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の実施例にかかるコードレス電話装置10の全体構成を示す図である。本実施例のコードレス電話装置10は、電話回線に接続された電話装置の親機20と、無線通信機能を介してこの親機20と接続される2台の子機30a,30bとを有してなる。更に、子機30aと30bとは、親機20を介在して無線接続される。尚、このコードレス電話システム10の通信方式はデジタルコードレス電話の通信方式である。
【0025】
次に、本発明の実施例にかかるコードレス電話装置10の回路構成を説明する。図2は、本発明の実施例にかかる親機20の構成を示すブロック図である。親機20は、制御部21、着信検出部22、回線接続部23、表示部24、操作部25、メモリ部26、ACアダプタ27、電源部28、送信部30、受信部31、周波数シンセサイザー32、送受信アンテナ33、受話器34などを備えて構成されている。
【0026】
制御部21は、マイクロプロセッサを中心に構成され、一般的なコンピュータ装置と同様にROM、フラッシュメモリなどのメモリ機能を備えており、このメモリに格納されている各種制御プログラムを読み出して処理を担う。
【0027】
回線接続部23は、電話回線と接続されて回線の解放閉結を行ったり、親機20の電話帳データに記憶されている電話番号情報に基づいて電話回線を通じた発呼処理を行う。又、回線接続部23は、回線の極性反転を検出する機能と、回線からの音声信号を検出する機能と、回線からのRBT(リングバックトーン)を検出する機能を有している。
【0028】
着信検出部22は、回路接続部23からの着信信号を受けて着信を検出すると共に、当該着信信号をパルス信号に波形整形して制御部21に出力する。尚、回線からのRBT(リングバックトーン)を検出する機能をこの着信検出部22に持たせても良い。
【0029】
表示部24は、液晶パネル等から構成される表示ユニットであり、制御部21からの制御信号に応じて、電話帳データである電話番号、通話時間や、通話料金などのテキストデータ等の適宜の表示を行う。
【0030】
操作部25は、数字や文字の入力などを行うためのテンキー、発呼および通話の開始などを操作するための通話キー、通話の終了などを操作するための終話キー、電話帳の検索・登録を行うための電話帳キー、その他の各種モードを設定するための操作を行うためのモード設定キー等から構成される。
【0031】
メモリ部26は、例えばフラッシュメモリによって構成され、氏名と電話番号とを対で複数格納可能な電話帳機能や、着信履歴や発信履歴を格納する機能等を有している。
【0032】
電源部28は、ACアダプタ27から所定の直流電圧を受けて、各回路構成要素に電源を供給する。
【0033】
送信部30と受信部31は、送受信アンテナ33を介して子機30との間に無線通信による通話リンクを確立させて、信号の送受信を行う。また、周波数シンセサイザー32は、当該子機との無線通信のための信号発振を担い、制御部21からの制御信号によって、送信部30と受信部31の送受信周波数を適宜切り換える。親機20は一定の時間間隔で親機20の現在の状態を示す状態通知情報を子機30に通知する。例えば、親機30が回線保留中か否か、あるいは留守電応答中か否かなど親機30の状態を示す状態通知情報が子機30に送信される。なお、留守電応答中とは、着信後自動的に回線接続して用件を録音し、録音動作が終了するまでの間をいう。
【0034】
受話器34は、通話用のスピーカ(SP)とマイク(MIC)とで構成される。スピーカ(SP)は、図示しない制御部21内の音声信号処理部で生成された電気信号を増幅して音声として出力する。マイク(MIC)は、音声を電気信号に増幅変換して制御部21内の音声信号処理部に出力する。
【0035】
次に、図3を参照しつつ、本発明の実施例にかかる子機30の構成を説明する。コードレス電話装置10の子機30は、制御部41、表示部42、操作部43、メモリ部44、電源部45、充電部46、ACアダプタ47、送信部48、受信部49、周波数シンセサイザー50、送受信アンテナ51、レシーバ52などを備えて構成されている。これらの構成は基本的な機能は親機と変わらず、親機20と異なる構成のみ以下に説明する。
【0036】
電源部45は、充電式のバッテリーを内蔵し、子機30の各回路構成要素に電源を供給する。充電部46は、子機30が充電台(図示せず)に載置されている間、ACアダプタ47から与えられる直流電圧により電源部45のバッテリーの充電を行う。
【0037】
送信部48と受信部49は、送受信アンテナ51を介して親機20との間に無線通信による通話リンクを確立させて、信号の送受信を行う。また、周波数シンセサイザー50は、当該親機20との無線通信のための信号発振を担い、制御部41からの制御信号によって、送信部48と受信部49の送受信周波数を切り換える。
【0038】
なお、子機30は、充電台から取り上げられると、親機30に対して自動的に接続を要求するクイック通話機能を備えたものであってもよく、また、子機30が充電台に載置されている時には子機の表示部42を消灯状態にし、充電台から取り上げられると表示部42を点灯状態にする省電力制御を行う構成であってもよい。尚、クイック通話機能では、子機30が充電台から取り上げられると、自動的に親機20と子機30とが無線接続され、親機20を介して子機30が回線と自動的に接続され、子機30のスピーカから回線からのトーン音が聞こえる状態になる。
【0039】
親機20から一定の時間間隔で送信される状態通知情報を記憶するメモリ26に記憶され、必要に応じて制御部41により参照される。子機30は、この状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別し、子機30からの発呼を制限する。このため、子機30の制御部41は、図4に示すように、この状態通知情報に基づいて親機20の状態を判別する状態判別部411、発呼制限部412を備えている。発呼制限部412は、状態判別部411により親機が所定の状態であると判別されると、子機30からの発呼を制限し、所定の状態が解消したと判別すると、子機30からの発呼の制限を解除する。所定の状態は、前述のように親機20が回線保留中の状態、あるいは、留守電応答中の状態などである。また、制御部41は親機20の状態を報知する時間長を制御するためのタイマーa、タイマーbを備えている。
【0040】
子機30はこのような構成であるので、子機30から親機20へ通話指示があった際に、子機30において状態通知情報に基づいて親機20が回線保留中あるいは留守電応答中などの所定の状態にあるか否かを判別して子機30からの発呼を制限し、あるいは、発呼の制限を解除するから、従来技術である特許文献1に記載の技術のように、親機20から子機30へ警告信号を送信する必要もなく、又、この警告信号を送信するための警告信号送信部を搭載する必要がない。従って、回路構成が複雑になり、コスト高となることもない。
【0041】
上述のような構成を有する本実施例の電話装置の動作内容を図5のフローチャートを参照しつつ以下詳細に説明する。図5は子機30の動作を示すフロー図である。
【0042】
図5のS01ステップにおいて、制御部41は、操作部43からダイヤル番号の入力とダイヤル発信の操作があると判定すると、S02ステップへ処理を進める。
【0043】
続くS02ステップでは、制御部41は、状態判別部411によりメモリ部44に格納されている親機20の状態通知情報を参照して親機20の状態が所定の状態であるか否かを判別する。ここでは、親機20が回線保留中(以下、保留中という)であるか否かを判別する場合を例に説明する。この状態通知情報は所定時間間隔で常時親機20から子機30へ送信され、子機30はこれを受信すると受信した情報をメモリ部44へ上書き保存する。よってメモリ部44へは最新の親機の状態情報が格納される。この参照の結果、親機20が保留中であればS03ステップへ処理を進め、保留中でなければS17ステップ以降の動作をする(通常の発呼動作)。
【0044】
S03ステップでは、制御部41は、表示部42のバックライトを消灯状態から点灯状態に変えると共に親機20が保留中である旨の報知(音声、表示等)を行う。また、発呼制限部412は、子機30からの発呼があってもこれを制限(禁止)する。
【0045】
S04ステップでは、制御部41は、タイマーaを起動し、所定時間(例えば3〜5秒)の計時を開始する。
【0046】
S05ステップでは、制御部41は、タイマーaによる所定時間の計時が終了した否かを判定する。所定時間の計時が終了したと判定するとS06ステップへ処理を進める。
【0047】
S06ステップでは、制御部41は、S03ステップで開始した親機20が保留中である旨の報知(音声、表示等)を終了し、S09ステップで制御部41は、状態判別部411により親機20の状態が保留中から解消されたか否かを判別する。保留中の解消が判別されなければ、S09ステップの処理を繰り返し、解消が判別されると、S10ステップへ処理を進める。
【0048】
一方、S05ステップで所定時間の計時が終了したと判定するとS07ステップへ処理を進める。S07ステップでは、制御部41は、状態判別部411により親機20の状態が保留中から解消されたか否かを判別する。保留中の解消が判別されなければ、S05ステップに戻り、解消が判別されると、S08ステップで親機20の保留中報知を終了し、S10ステップへ処理を進める。発呼制限部412は、子機30からの発呼があった場合の発呼制限を解除する(S03ステップでした発呼制限を解除する)。
【0049】
S10ステップでは、親機保留中が解消された旨の報知(音声、表示)を行い、S11ステップでは、子機30における通話キー押下、あるいは、クイック通話を有効にする。そして、S12ステップで制御部41は、タイマーbを起動し、所定時間(例えば10〜20秒)の計時を開始する。
【0050】
S13ステップでは、制御部41は、タイマーbによる所定時間の計時が終了した否かを判定する。所定時間の計時が終了したと判定するとS16ステップへ処理を進める。
【0051】
S16ステップでは、制御部41は、S10ステップで開始した親機20の保留中状態が解消した旨の報知(音声、表示等)を終了し、表示部42のパックライトを消灯して節電状態に入り、一連の処理を終了する。
【0052】
一方、S13ステップで所定時間の計時が終了したと判定するとS14ステップへ処理を進める。S14ステップでは、制御部41は、子機20の何らかのキー操作があったか否かを判別する。何らかのキー操作があったと判別されると、S15ステップへと処理を進め、S15ステップで上記キー操作に応じた動作を実行する。何らかのキー操作とは、例えば、子機20において発呼キーが操作された場合であり、S15ステップの処理これに対する親機20から子機30への呼出し処理に対する応答処理の実行である。
【0053】
S14ステップで。何のキー操作も判別されなければ、S13のステップの所定時間の計時の終了判別の処理に戻る。
【0054】
ここで、タイマーbの計時時間はタイマーaの計時時間よりも長く設定することが好ましい。タイマーaによる計時は、子機30において発呼操作があった際に、親機20が保留中にある状態あることの報知開始から、その報知を終了するまでの時間を計時するものである。この場合、ユーザは子機30の傍に所在するものであるから、報知の時間は短時間でよい。
【0055】
これに対してタイマーbによる計時は、親機20の保留中状態が解消された旨の報知の開始から、その報知を終了するまでの時間を計時するものである。この状態では、ユーザは親機20が保留中の状態にあることを報知された(S03ステップの報知)後であるから、子機30の傍らから離れていることも予想される。このため、タイマーbの計時時間は、長く(ユーザが保留解消に気付くまでの時間を考慮する)することが好ましい。なおこ、ここでの報知は表示のみならず音声報知を併用することが好ましい。
【0056】
尚、本実施例ではコードレス電話装置について本発明を適用する例で説明したが、コードレス電話機能付ファクシミリ装置、Voip(Voice Over Internet Protocol)等の電話装置においても同様に本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10・・・・コードレス電話装置
20・・・・親機
21・・・・制御部
22・・・・着信検出部
23・・・・回線接続部
24・・・・表示部
25・・・・操作部
26・・・・メモリ部
27・・・・メモリ
27・・・・ACアダプタ
28・・・・電源部
29・・・・録音・再生ユニット
30・・・・送信部
30a,30b 無線子機
31・・・・受信部
32・・・・周波数シンセサイザー
33・・・・無線通信アンテナ
34・・・・受話器
41・・・・制御部
411・・・状態判別部
412・・・発呼制限部
42・・・・表示部
43・・・・操作部
44・・・・メモリ部
45・・・・電源部
46・・・・充電部
47・・・・ACアダプタ
48・・・・送信部
49・・・・受信部
50・・・・周波数シンセサイザ
51・・・・無線通信アンテナ
52・・・・レシーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備えるコードレス電話装置であり、
前記子機は、前記親機から送信される状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別する状態判別部と、
前記子機からの発呼を制限する発呼制限部と、を備え、
前記親機が所定の状態であると前記状態判別部が判別すると、前記発呼制限部は子機からの発呼を制限し、
前記状態判別部が前記親機の所定の状態が解消したと判別すると、前記発呼制限部は、前記子機からの発呼の制限を解除することを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項2】
前記所定の状態とは、前記親機が回線保留中の状態であるか、又は、前記親機が留守電応答中の状態であることを特徴とする請求項1に記載のコードレス電話装置。
【請求項3】
親機と、当該親機と無線接続可能な子機と、を備え、前記子機が充電状態から非充電状態になると自動的に子機から親機に対して無線接続の要求を行うクイック通話機能を有するコードレス電話装置であり、
前記子機は、前記親機から送信される状態通知情報に基づいて、前記親機の状態を判別する状態判別部と、前記子機からの発呼を制限する発呼制限部と、を備え、
前記子機は、充電状態から非充電状態に変化した際に、前記状態判別部が、前記親機が所定の状態であると判別すると、前記発呼制限部は子機からの発呼を制限し、
前記状態判別部が前記親機の所定の状態が解消したと判別すると、前記発呼制限部は、前記子機からの発呼の制限を解除することを特徴とするコードレス電話装置。
【請求項4】
前記子機は、更に表示部を有し、充電台に載置された状態で表示部を消灯する省電力機能を有し、
前記状態判別部が、前記親機が所定の状態であると判別すると、前記表示部を点灯し、前記親機が所定の状態にあることを所定の第1時間の間、報知することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のコードレス電話装置。
【請求項5】
前記状態判別部が、前記親機が所定の状態ではなくなったと判別すると、前記表示部に前記親機が所定の状態であることが解消されたことを、所定の第2時間の間、報知することを特徴とする請求項4に記載のコードレス電話装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−49859(P2012−49859A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190616(P2010−190616)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】