説明

コーナー棚

【課題】意匠性および清掃性に優れたコーナー棚を提供する。
【解決手段】部屋のコーナー部に設置されるコーナー棚6であって、このコーナー棚6は、コーナー部の2つの壁面2a,2bに渡って水平に掛け渡された3本のパイプ6a,6b,6cで構成され、各パイプ6a,6b,6cは、それぞれ独立して台座金具8で支持されており、一番長いパイプ6cは、他のパイプ6a,6bよりも上方位置に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋のコーナー部に設置されるコーナー棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、L字状の板に複数のバーを水平に固定して構成されたタオル棚が、部屋のコーナー部に設置されている。
【特許文献1】実開昭63−52440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているタオル棚は、複数のバーを水平面内で段差なくL字状の板に配置したものであり、タオルを載せることはできるが、背の高いシャンプーボトル等は落下しやすく、載せることは困難であるという問題点があった。
なお、従来、シャンプーボトル等を載せることのできるコーナー棚は、底部がトレー式のものであり、底に水滴等の汚れが付きやすく、また、意匠性にも乏しいという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、意匠性に優れ、かつ清掃性にも優れたコーナー棚を提供することを目的の1つとし、この目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明は、部屋のコーナー部に設置される棚であって、該棚は、コーナー部の2つの壁面に渡って水平に掛け渡された複数のパイプで構成され、各パイプはそれぞれ独立していることを要旨とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のコーナー棚は、コーナー部の2つの壁面に渡って水平に掛け渡された複数のパイプで構成され、各パイプはそれぞれ独立しているため、パイプの長さによりコーナー棚の大小を設定することができ、しかも、スッキリとしたデザインで設置できるため意匠性に優れ、かつ、水垢等が付きにくいために清掃が楽なものとなる。
【0006】
また、本発明のコーナー棚において、前記複数のパイプのうち少なくとも1つのパイプは、他のパイプよりも上方位置に配置されている構成とすることができる。
こうすれば、複数のパイプ上に背の高いシャンプーボトル等を置いた際にも、上方位置に配置した1つのパイプにより落下が良好に防止されるため、背の高いものを置きやすくなる。
【0007】
また、本発明のコーナー棚において、前記コーナー部の2つの壁面にそれぞれ台座が固設され、該台座に対し前記パイプを着脱できるように構成することもできる。
こうすれば、台座に対しパイプを着脱できるため、パイプを台座から取り外して、パイプを良好に掃除することができるものとなる。
【0008】
また、本発明のコーナー棚において、前記台座に筒状の凹部を設け、該凹部に前記パイプの先端を差し込めるように構成することもできる。
こうすれば、壁面に固設した台座の筒状の凹部にパイプの先端を差し込んで、良好に台座にパイプを取り付けることができ、また、パイプを筒状の凹部から取り外して、パイプを良好に清掃することができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、浴室の平面構成図であり、浴室1は、壁面2a,2b,2c,2dに囲まれて内部に、浴槽4と洗い場5が設けられ、入口にはドア3が設けられている。
この浴室の壁面2aと壁面2dの交差するコーナー部にはコーナー棚6が設置されている。また、壁面2aと壁面2cの交差するコーナー部にもコーナー棚6が設けられている。
このコーナー棚6は、コーナー部の2つの壁面に渡って水平に掛け渡された3本のパイプ6a,6b,6cで構成されており、それぞれのパイプ6a,6b,6cは、それぞれ独立して壁面に設置されている。
【0010】
このコーナー棚6の平面拡大図を図2に示し、また図3では、コーナー棚を三段に設けた場合の拡大斜視図を示す。
なお、コーナー棚6を構成する3本のパイプ6a,6b,6cは、図4に平面図で示すように、長さ寸法がそれぞれ異なるものとなっており、それぞれ両端側が壁面に沿うように斜めに切断されて形成されており、この両端側の切断面から長手方向に延びるスリット7,7がそれぞれ底側に切り込み状に形成されている。このスリット7の部分の拡大斜視図は図5に示す。
【0011】
各パイプ6a,6b,6cは断面円形のものであり、先端側の底側に形成されているスリット7に、図6に示すように、台座金具の差込片8dを差し込むことができるように構成されている。
台座金具8は、ビス9を用いて壁面に固設されるものであり、台座金具8は、ビス9を通すビス孔8bを有する固定片8aと、固定片8aの上端に水平状に上面片8cが一体化され、上面片8cから上方へ向かって一体状に起立して差込片8dが形成されたものである。
【0012】
予め壁面2a,2bの所定位置にビス9で台座金具8,8を固定しておき、この一対の台座金具8に対し、パイプ6aのスリット7を差込片8dに整合させ、パイプ6aを上方側から押すことにより、スリット7内に差込片8dが係入され、これにより一対の台座金具8,8間に水平に掛け渡し状にパイプ6aが固定されるものである。
なお、他のパイプ6b,6cも同様に、その両端側を一対の台座金具8,8の各差込片8dにスリット7を係合させて取り付けることができる。
また逆に、パイプ6a,6b,6cは上方側へ引き上げることにより、スリット7から差込片8dが抜脱するので、パイプ6a,6b,6cを取り外しでき、各々が独立して棒状であるため良好に清掃することができる。
【0013】
なお、本例のコーナー棚6では、短い第1パイプ6aと、少し長めの第2パイプ6bを同一水平面内に固設し、この第1パイプ6a,第2パイプ6bの取り付け位置に対し、長い第3パイプ6cは上方位置に配置するものである。
このように長い第3パイプ6cを上方位置に配置することで、図3に示すように、第1パイプ6a,第2パイプ6b上に背の高いシャンプーボトルB等を置いた際にも、第3パイプ6cでシャンプーボトルB等の落下を良好に防ぐことができ、背の高い物を良好にコーナー棚6に載せておくことができるものである。
【0014】
なお、このようなコーナー棚6では、3本の第1パイプ6a,第2パイプ6b,第3パイプ6cの長さを変更することにより、コーナー棚6の大小を容易に設定することができ、浴室の大きさ等に対応してコーナーに設置されるコーナー棚6の大きさを設定することができるものである。
【0015】
なお、コーナー棚6にシャンプーボトルB等を載せない状態では、壁面2a,2bのタイル柄等は最小限にしか隠れないために、壁面2a,2bの柄等も隠されることがなく、スッキリとした意匠性を呈してコーナーにコーナー棚6が設置されるものである。
また、トレー式ではないため、コーナー棚6の底に水が溜まることがなく、特にコーナー棚6を構成するパイプ6a,6b,6cが断面円形状あるいは断面楕円形状に形成されている場合には水滴が付きにくく、水垢等がパイプ6a,6b,6cに付きにくいために掃除が楽なものとなる。
【0016】
なお、一番長い第3パイプ6cにはタオルを掛けることも可能であり、また、S字フックを用いてフックを設置することも可能である。
また、小物類を置きたい場合には、別途、専用トレーを用意して、第1パイプ6a,第2パイプ6b上に専用トレーをセットすることで、小物等を置くことができるものとなる。
【0017】
なお、コーナー棚6を構成するパイプ6a,6b,6cは、本例ではステンレスパイプで構成されているが、光沢のあるメッキ処理を施したりして、このパイプ6a,6b,6cの表面に色を付けて意匠性を高めることも可能である。
なお、パイプ6a,6b,6cは断面円形あるいは楕円形状の他に、断面角状あるいは扁平角状等のものであっても良い。
【0018】
次に、図7および図8では、パイプ6a,6b,6cの取り付け構造の変更例を示す。
変更例では、各パイプ6a,6b,6cの左右両端側を樹脂製の樹脂台座80に差し込んで構成するものであり、図7には全体斜視図を示し、また、図8には要部拡大断面構成図を示す。
図8の要部拡大断面構成図で示すように、樹脂台座80は、ビス9で壁面2a等に固設できる固定片80bが基部80aに一体形成されており、基部80aから水平方向に一体状に筒部80cが形成されたものであり、筒部80c内には筒状の差込凹部81が形成されており、この内部には、例えばステンレス製のスプリング82を入れておくことができ、ビス9で樹脂台座80の固定片80bを所定位置に固定して、樹脂台座80を予め壁面2aに固設しておき、この状態でパイプ6aの先端を差込凹部81内に差し込んでパイプ6aを取り付けることができ、パイプ6aの他端側も、予め壁面2bに固設した樹脂台座80の差込凹部81内に差し込んで、パイプ6aの両端側がそれぞれの樹脂台座80の差込凹部81内に支持されるものである。
【0019】
なお、スプリング82は左右いずれか一方側の樹脂台座80の差込凹部81内に設けておけば良いが、両側の樹脂台座80内に入れておいても良く、スプリング82の付勢力によりパイプ6aはガタつくことなく、安定した状態で両端側が樹脂台座80,80に支持されるものである。
なお、パイプ6aは、その先端を差込凹部81から抜き取ることで容易に取り外すことができ、取り外して良好に掃除することができる。
なお、この図7および図8のような取り付け構造は、全てのパイプ6a,6b,6cに適用することができるものである。
【0020】
なお、本例では、コーナー棚6は3本のパイプ6a,6b,6cで構成されているが、4本あるいは5本あるいは6本のパイプで構成しても良く、そのうち1本の落下防止用のパイプは、他のパイプよりも高い位置に配置する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】コーナー棚を設けた浴室の平面構成図である。
【図2】コーナー棚の拡大平面構成図である。
【図3】上下三段にコーナー棚を設けた場合のコーナー棚の拡大斜視構成図である。
【図4】コーナー棚を構成する3本のパイプの平面構成図である。
【図5】各パイプの先端側に形成されたスリットの部分の斜視構成図である。
【図6】台座金具の差込片をパイプのスリット内に差し込んだ状態の作用説明図である。
【図7】パイプの左右両端側を樹脂台座に支持させた変更例のパイプの斜視構成図である。
【図8】図7におけるパイプの先端が樹脂台座内に差し込まれている状態の要部断面拡大構成図である。
【符号の説明】
【0022】
1 浴室
2a,2b,2c,2d 壁面
6 コーナー棚
6a,6b,6c パイプ
7 スリット
8 台座金具
8a 固定片
8d 差込片
9 ビス
80 樹脂台座
80a 基部
80b 固定片
80c 筒部
81 差込凹部
82 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋のコーナー部に設置される棚であって、
該棚は、コーナー部の2つの壁面に渡って水平に掛け渡された複数のパイプで構成され、各パイプはそれぞれ独立していることを特徴とするコーナー棚。
【請求項2】
前記複数のパイプのうち少なくとも1つのパイプは、他のパイプよりも上方位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のコーナー棚。
【請求項3】
前記コーナー部の2つの壁面にそれぞれ台座が固設され、該台座に対し前記パイプを着脱できるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコーナー棚。
【請求項4】
前記台座に筒状の凹部を設け、該凹部に前記パイプの先端を差し込めるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のコーナー棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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