説明

コーヒー豆のチョコレート菓子及びその製造方法

【課題】焙煎したコーヒー豆はハニカム状の微細な多孔質になっていることに着目し、これに水素ガスを含浸させたチョコレート菓子の提供を目的とする。
【解決手段】コーヒー豆を焙煎した後に水素ガスと接触させ、その後にチョコレートで被覆されたものであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆にチョコレートを被覆した菓子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーの木の果実から果肉等を除去して得られたコーヒー豆は、炒り豆としてそのまま食用にできない。
一般的には焙煎し、コーヒーミルで粉砕し、粉砕したコーヒーの粉から熱湯で抽出した飲料をコーヒーとして広く飲まれている。
しかし、比較的低温で焙煎することで食べられるようになり、チョコレートで被覆した菓子が特許文献1に開示されている。
ところが、コーーヒー豆は焙煎により内部がハニカム状の微細な多孔質構造になるため、酸化が進行しやすく、焙煎時に生じた炭酸ガスが内部に多く残っていることもあって、コーヒー固有の香りがしなくなったり、焦げ臭くなる問題があった。
また、特許文献2に水素ガスが成人病や老化現象を引き起こす体内の過酸化物を中和する作用があるとして、食品に水素ガスを溶存させることが開示されている。
しかし、ゲル化食品に水素ガスを溶存させることは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−292508号公報
【特許文献2】特開2009−165459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、焙煎したコーヒー豆はハニカム状の微細な多孔質になっていることに着目し、これに水素ガスを含浸させたチョコレート菓子の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコーヒー豆のチョコレート菓子は、コーヒー豆を焙煎した後に水素ガスと接触させ、その後にチョコレートで被覆されたものであることを特徴とする。
このようなチョコレート菓子の製造方法は、コーヒー豆を焙煎する工程と、焙煎したコーヒー豆に水素ガスを接触させる工程と、次にチョコレートで被覆する工程とを有することを特徴とする。
【0006】
本発明に用いるコーヒーの生豆は、一般的に入手しやすいアラビア種、ロブスタ種等のコーヒー生豆でよい。
焙煎方法は、食べやすいように450℃以下の加熱温度で焙煎するのが好ましいが、熱湯から得られる水蒸気をさらに過熱した250℃〜500℃の過熱水蒸気をコーヒー生豆に接触させて焙煎するのがさらに好ましい。
過熱水蒸気は、乾燥したドライスチームであり、これをコーヒー生豆に向けて噴射すると雰囲気が周囲よりも相対的に酸素濃度が低い低酸素の還元雰囲気となり、従来の空中加熱焙煎と比較して焙煎豆に焦げ臭さがなくなり、豆の多孔質の内部も酸化されにくい。
【0007】
焙煎した豆を水素ガスに接触させる手段としては、この焙煎豆を容器に入れ、空気を水素ガスに置換するとともに加圧する方法が例として挙げられる。
また、この場合に焙煎豆を容器に入れた状態で一旦減圧し、豆内部のガスを外に排出させた後に水素ガスと接触させてもよい。
さらには水素ガスを循環させているパイプ中に焙煎豆を通過させてもよい。
【0008】
焙煎したコーヒー豆にチョコレートを被覆する方法は、公知の方法を用いることができ、例えば流動状態に加熱したチョコレートに接触させればよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコーヒー豆のチョコレート菓子は、多孔質の焙煎豆の内部に水素ガスを含浸させた状態でチョコレートを被覆したので、内部に水素が多く含まれるチョコレート菓子となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
網目状の容器にコーヒー生豆を入れ、約400〜500℃の過熱蒸気中に約3〜10分間容器を回転保持した。
次にこの焙煎した豆を容器に入れ、1〜2気圧の水素ガスと接触させた。
次に上記のように水素ガスを内部に含浸させた豆を容器の中に入れ、転がしながら上部からチョコレートを吹きかけコーティングした。
これにより、チョコレートで被覆された菓子が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を焙煎した後に水素ガスと接触させ、その後にチョコレートで被覆されたものであることを特徴とするコーヒー豆のチョコレート菓子。
【請求項2】
コーヒー豆を焙煎する工程と、
焙煎したコーヒー豆に水素ガスを接触させる工程と、
次にチョコレートで被覆する工程とを有することを特徴とするコーヒー豆のチョコレート菓子の製造方法。