説明

コーヒー豆を定量供給するシステム、パッケージ、機器及び方法

コーヒー豆を定量供給するシステムは、複数回分の量のコーヒー豆用の内部空間を少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの壁が設けられているコーヒー豆パッケージと、コーヒー豆を送出するコーヒー豆排出口と、コーヒー豆グラインダーが備わった機器と、コーヒー豆パッケージからグラインダーにコーヒー豆を供給するコーヒー豆供給口と、コーヒー豆パッケージを機器に接続することで、コーヒー豆排出口をコーヒー豆供給口に接続することができるようにする接続装置と、一回分の所定量のコーヒー豆をコーヒー排出口からコーヒー供給口へ給送するように構成される定量供給空間が設けられた定量供給装置とを備える、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆を定量供給するシステムであって、複数回分の量のコーヒー豆用の内部空間を少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの壁と、コーヒー豆を送出するコーヒー豆排出口とが設けられたコーヒー豆パッケージと、コーヒー豆グラインダーが設けられた機器とを備える、システムに関する。
【0002】
本発明はさらに、コーヒー豆グラインダーと、当該グラインダーにコーヒー豆を供給するコーヒー豆供給口とが設けられた、コーヒー豆の定量供給機器に関する。
【0003】
本発明はまた、内部空間を少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの壁と、コーヒー豆を送出するコーヒー豆排出口とが設けられたコーヒー豆パッケージに関する。
【0004】
本発明はさらにまた、コーヒー豆を定量供給する方法であって、複数回分の所定量のコーヒー豆を1つのコーヒー豆パッケージに包装して、周囲空気がコーヒー豆と接触しないようにすることを含む方法に関する。
【背景技術】
【0005】
既存のコーヒーメーカーには、例えばフィルターコーヒーメーカー及びエスプレッソマシンがある。フィルターコーヒーメーカーの場合、或る量の挽いたコーヒーをフィルターに入れた後、挽いたコーヒーに熱湯を注ぐ。挽いたコーヒーに熱湯を通すと、挽いたコーヒーが抽出されてコーヒー飲料が得られ、その後、フィルターコーヒーとも呼ばれるコーヒー飲料がフィルターを流れると同時にコーヒー滓がフィルターに残る。熱湯が、挽いたコーヒー及びフィルターを重力により流れることが通例である。所望のコーヒー飲料の量に相応する熱湯が、挽いたコーヒーに注がれてフィルターに通された後、フィルターは、少なくとも使い捨てフィルターの場合、挽いたコーヒーの滓と一緒に廃棄することができる。そのような使い捨てフィルターは通常、実質的に紙からなる。二回以上使用するように設計されているフィルターも知られている。これらのフィルターは使用後、例えば洗浄されることにより、同じフィルターで新しいコーヒー飲料を調製するために次の分の挽いたコーヒーを充填することができる。
【0006】
エスプレッソマシンによって製造するコーヒーでは、或る量の挽いたコーヒーを保持するフィルターも備わっている。この場合、比較的高い圧力下で、熱湯が、挽いたコーヒー及びフィルターに勢いよく注がれる。これによって得られたコーヒー飲料は、概して、フィルターコーヒーよりも比較的濃く、通常、少なくとも同等量の挽いたコーヒーと供給水であると仮定すると、フィルターコーヒーよりもコーヒー抽出濃度が高い。典型的には、金属フィルターが使用される。
【0007】
また、コーヒー飲料はパーコレーターによって既知の方法で得ることができる。例えば、製造業者であるDouwe Egbers(ダウエグバーツ)(登録商標)社及びPhilips(フィリップス)(登録商標)社のSenseo(センセオ)(登録商標)コーヒーマシン等、特定の幾つかのマシンでは、例えば、使い捨て紙フィルター及び金属フィルターホルダーが使用されている。さらに、コーヒー濃縮物又は凍結乾燥コーヒーを熱湯に溶かすインスタントコーヒーが知られている。インスタントコーヒーの方法では、フィルターは全く使用されない。
【0008】
コーヒー豆を挽いてから、挽いたコーヒーでコーヒー飲料を調製するまでに比較的長い時間が経過する場合、コーヒー豆が与える風味と芳香の一部が失われる可能性がある。いかなる理論にも束縛されることは望まないが、同じ重量の挽いていないコーヒー豆の合わせた表面と比較して、挽いたコーヒー粒の総表面の方がより大きいことにより、表面と周囲空気との間にコーヒー豆の総表面よりも比較的多くの交わりが生じることになり、これがコーヒー飲料の味と香りに悪影響を及ぼす可能性があるであろう。その理由から、現在の、グラインダーが備わったマシンでは、コーヒー豆はコーヒー飲料を調製するほんの少し前に挽かれる。
【0009】
なお、コーヒー豆に関係する風味と香りは、挽いていないコーヒー豆が周囲空気に長い時間接触することになる場合においても、失われるか又は低減するであろう。該して、その理由から、コーヒー豆及び挽いたコーヒーは気密及び/又は真空のパッケージに包装される。
【0010】
特定の幾つかのコーヒーマシンには、当該コーヒーマシンの中に一体化したグラインダーを設けることができる。また、そのようなコーヒーメーカーには、コーヒー豆パッケージからコーヒー豆を直接給送するコーヒー豆ホルダーを設けることができる。コーヒー製造機器の操作を通じ、挽かれたコーヒーでコーヒー飲料を調製する。例えば、ボタンを押すことによってグラインダーを直接操作することで、例えばボタンを押す回数又はボタンを押す長さにより、挽かれるコーヒーの量を決めることができる。グラインダーが備わった自動コーヒーメーカーでは、コーヒー飲料の量及びその濃さを予め選択及び/又は予め設定することができ、その場合、選択した濃さに基づき、一定量の豆をホルダーからグラインダーへ供給するため、所定量の水と共に、所望の濃さの、所望量のコーヒー飲料を得ることができる。
【0011】
上記原理の不都合点は、コーヒー豆のパックが丸ごと、コーヒー豆ホルダーに空けられた際、或る量のコーヒー豆が、挽かれるまでの長い時間、コーヒーメーカー内に存在することであろう。このことは、これらのコーヒー豆で調製されるコーヒー飲料の味と香りに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0012】
また、既存のコーヒーメーカーのグラインダーの中及び周りには通常、前の挽き操作(grinding runs)の滓が残る。試験により、従来のグラインダーでは一回又は複数回の前の挽き操作の滓が通常3乃至10gグラインダー内に残ることが示されている。その後、前の挽き操作のこれらの残留物が新たな挽き操作の際に混入しかねず、コーヒー飲料の味に影響を及ぼす可能性がある。さらに、コーヒーメーカーに前の充填物とは味が異なる新たなコーヒー豆が充填される場合、おそらくは前の充填物の残留物が新たなコーヒー豆の挽いたコーヒーと混ざりかねないことにより、新たなコーヒー豆に固有の所望の味が得られなくなる可能性がある。このことは、ユーザーが定期的にコーヒー豆の種類を変えることを望む場合に特に不都合になるであろう。従来のコーヒーメーカーでは、ユーザーは、各場合に少量のコーヒー豆をコーヒー豆ホルダーに定量供給することによってしかこの問題を回避することができない。しかしながら、この場合に伴う不都合点は、その際にコーヒー豆パッケージの中身がコーヒーメーカーで完全には空にされず、一部が充填したまま残ることにより、残留しているコーヒー豆が周囲空気と接触することになることである。通常、その場合、コーヒー豆はその間、気密に閉鎖可能なポット又は缶のような、別個の、好ましくは気密ホルダー内に保管される。しかしながら、これらのホルダーは比較的多くの空間を占める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
現行の技術水準では、挽いてコーヒー飲料を製造した後、挽かれたコーヒーがコーヒーメーカー内に残るか若しくはコーヒー豆がコーヒーメーカー内に残るか、又はコーヒー豆パッケージが完全に空にされずにコーヒー豆がパッケージ内に残っているままか、或いは、別個のコーヒー豆ホルダーが使用される。挽きたてのコーヒーの味を効率的かつ都合の良い方法で定期的に変えることを可能にするシステムは存在しない。
【0014】
本発明の目的は、上述の不都合点及び/又は他の不都合点の少なくとも1つをなくすことである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以下の記載では、保存状態にあるか又はパッケージの新しい(package-fresh:包装されたての)コーヒー豆又は挽いたコーヒーとは、コーヒー豆又は挽いたコーヒーの味、芳香及び/又は揮発性成分が比較的保たれていることを意味すると理解されるであろう。本明細書において、パッケージの新しいとは、パッケージを開けて間もないコーヒー豆の特定の状態を意味することがさらに理解されるであろう。このパッケージは、好的にはコーヒー豆の焙煎直後の包装プロセスにおいて適用されていることが好ましい。パッケージは、コーヒー豆をより良好に保存することができるように気密であり、かつ/又は真空にされることが好ましい。特定の「種類」のコーヒー豆とは、当該種類が、特定のコーヒー豆に関係する味、コーヒー豆の芳香及び揮発性成分の組成に関連するか、又は、好的にはパッケージに関して述べたようなコーヒー豆の特定の混合、組成又はブレンドに関連していることを意味することが理解されるであろう。本明細書において、様々な種類のコーヒー豆を記載する場合、関係する味、芳香、混合、組成又はブレンドが異なっていることが理解されるであろう。特記しない限り、本明細書では、コーヒー豆は、焙煎したコーヒー豆であることが理解される。本明細書での所定量とは、例えば一定量が、例えば製造時に決定されたコーヒーメーカーの回路又は機械的システムの構成によって予め設定されていること、又はその量がコーヒーを製造する直前にユーザーによって設定されていることを意味することが理解されるであろう。
【0016】
第1の態様では、本発明は、請求項1に記載のコーヒー豆を定量供給するシステムを提供する。
【0017】
本発明によるシステムを用いると、一定量のコーヒー豆をコーヒー豆パッケージからグラインダーへ直接送出することができる。コーヒー豆パッケージは、消費のために初めて開けるまでは、コーヒー豆と周囲空気との接触を防ぐように閉鎖されている。例えば、パッケージは気密に閉鎖され、及び/若しくは真空にされ、並びに/又は、パッケージには貯蔵寿命を延ばすガス及び/若しくは酸素吸収材料が提供される。コーヒー豆パッケージはコーヒー製造機器に直接接続することができ、それによって、コーヒー豆をパッケージからグラインダーへ直接供給することができる。この場合、パッケージ自体がコーヒー製造機器に接続されるため、パッケージの新しいコーヒー豆を挽いて抽出することができる。これは、その後調製されることになるコーヒー飲料の風味にとって利点となるであろう。さらに、所望の種類のコーヒーを直接調製することができる。
【0018】
コーヒー豆パッケージにはコーヒー豆排出口を設けることができ、機器には対応するコーヒー豆供給口を設けることができる。コーヒー豆パッケージを接続するために、機器には接続装置を設けることができ、当該接続装置を用いてパッケージを機器に接続することができる。その場合、同時に、コーヒー豆排出口をコーヒー豆供給口に接続することができる。定量供給装置が、排出口から供給口へのコーヒー豆の給送(feed-through)に寄与することができる。
【0019】
パッケージは、例えば、第2のコーヒー豆パッケージをコーヒー製造機器に接続することができるように、機器から再び取り外すことも可能である。例えば異なる種類のコーヒーを含む異なるコーヒー豆パッケージを機器に配置することができることで、異なる風味の異なるコーヒー飲料を連続的に調製することができる。一実施形態では、パッケージからのコーヒー豆の望ましくない損失を防ぐために、また場合によってはパッケージ内でのコーヒー豆の保存の利点のために、パッケージを使用後に再び閉鎖することができる。
【0020】
さらに、システムには、コーヒー豆をパッケージから定量供給すると共に一定量をグラインダーへ供給するための定量供給装置を設けることができる。定量供給装置には例えば、一回分の所定量のコーヒー豆をコーヒー豆排出口からコーヒー豆供給口へ通す定量供給空間が設けられる。定量供給空間は例えば、コーヒー豆供給口とコーヒー豆排出口との間に中間空間を含むことができる。定量供給装置には、例えば、複数回分の所定量のコーヒー豆に対応する複数の定量供給空間も設けることができる。さらに、定量供給装置は、一定量のコーヒー豆が定量供給空間へ送出された後で、通過した量のコーヒー豆とパッケージ内のコーヒー豆とを隔離するように排出口を閉鎖する閉鎖手段を備えることができる。パッケージにもそのような閉鎖手段を設けることができる。
【0021】
パッケージからの所定量は、コーヒー飲料一杯分の重量、例えば20グラム未満、詳細には15グラム以下、より詳細には4乃至10グラム、例えば約7グラムとすることができる。定量供給空間は例えば、完全に充填された状態でそのような量を収容するように構成されることができる。定量供給空間は例えば、コーヒー豆の或る容積量に相当する特定の容積を有することができるため、当該容積量が上記重量のうちの1つを有している。
【0022】
定量供給装置は、およその所定量以上でも以下でもないコーヒー豆がグラインダーに供給されることに寄与することができる。定量供給装置は、部分的にパッケージ内に、かつ部分的にコーヒー製造機器内に含めることができる。これによって、所定量のコーヒー豆をパッケージから抜き取り、例えば残りの部分をパッケージ内に残したままとすることができる。定量供給装置は例えば、所定量がパッケージから放出された後でパッケージを閉鎖することができる。そのために、定量供給装置には、依然としてコーヒー製造機器に接続されており、コーヒー製造機器へのコーヒー豆の送出には用いられない、コーヒー豆パッケージを閉鎖する手段、特に閉鎖手段を設けることができる。閉鎖手段は、一定量のコーヒー豆をパッケージから隔離するように配置することができる。また、パッケージは、該パッケージがコーヒー製造機器から分離されたときに限って閉鎖されることも可能である。またさらなる実施形態では、定量供給装置は、部分的にコーヒー製造機器内に、部分的にパッケージ内に存在し、一方でこれらの2つの部分は互いに協働することができる。
【0023】
所定量のコーヒー豆は、例えば、最高でも約50グラム以下、詳細には約25グラム以下、より詳細には15グラム以下、例えば約7グラム、又は少なくとも4乃至10グラムを含む。一実施形態では、この所定量は、一杯分のコーヒー飲料、例えば20乃至500ミリリットルの容積量のコーヒー飲料を調製するのに必要なコーヒー豆の量に基づいており、濃さは、例えば機器に存在する操作要素によってユーザーが一部予め設定することができる。所定量は、コーヒー飲料の量、及び/又はユーザーが設定するコーヒー飲料の濃さに応じて変わり得る。この量は、例えばコーヒー豆の重量、容積又は量に基づいて決めることができる。例えばジョッキ一杯のコーヒーのようなより多量のコーヒー飲料を調製することも可能である。
【0024】
一実施形態では、定量供給装置は、少なくともパッケージが機器に結合されているときに、定量供給空間内の一定量のコーヒー豆をパッケージの内部空間内のコーヒー豆から隔離するように排出口に対して少なくとも部分的に移動可能である。好的には、コーヒー豆排出口は、定量供給空間が充填された後で閉鎖されるため、コーヒー豆が排出口を介してもはや逃げることができない。例えば、定量供給空間は、コーヒー豆がパッケージから定量供給空間内へ装填される第1の位置から、定量供給空間からのコーヒー豆が供給口へ供給されることができ、好的には排出口が閉鎖される第2の位置へ移動可能である。機器は、重力の影響下でコーヒー豆を定量供給空間に出入りさせるように構成されることができる。
【0025】
一実施形態では、定量供給装置は、コーヒー豆排出口に対して、例えば上述した第1の位置と第2の位置との間で少なくとも部分的に回転可能な回転要素を備える。排出口は、第1の位置では、例えば解放されることができ、一方で第2の位置では定量供給装置によって閉鎖されることができる。
【0026】
またさらなる実施形態では、定量供給装置は、定量供給空間が、第1の位置において、コーヒー豆排出口に接続され、第2の位置において、コーヒー豆を当該定量供給空間からコーヒー豆供給口へ供給するようにコーヒー豆供給口に接続され、かつ好的には第3の位置において、少なくともコーヒー豆が該定量供給空間へ供給された後で、該定量供給空間に実質的に所定量のコーヒー豆が提供されているか否かを測定するよう測定装置と協働するように構成され、第3の位置は好的には第1の位置と第2の位置との間に延在する。例えば、これらの位置は、回転要素の少なくとも2つの、好的には3つの異なる回転位置を含む。
【0027】
さらなる実施形態では、定量供給装置には、コーヒー豆が望ましくなくパッケージから送出され得ないようにコーヒー豆パッケージのコーヒー豆排出口を閉鎖すると共に、一定量のコーヒー豆をパッケージから隔離する閉鎖手段を設けることができる。閉鎖手段は、複数回分の量のコーヒー豆をパッケージから複数回隔離する再閉可能なクロージャーを備えることができる。クロージャーは、好的には排出口を複数回閉鎖することができ、パッケージ内に設けることができる。特に、クロージャーには、通路が設けられている弁を設けることができる。この場合、弁は、パッケージの再閉可能なクロージャーを形成することができる。弁は、排出口に対して移動可能に構成されることができるため、排出口は、弁によって閉鎖されるか、又は通路が排出口に少なくとも部分的に重なることで空けられる。弁の後者の位置では、豆はパッケージから定量供給空間内へ通過することができる。弁は例えば、排出口に対して回転することができる回転ディスクを備えることができる。
【0028】
閉鎖手段は、機器内に設けられる遮断手段をさらに備えることができる。
【0029】
一実施形態では、パッケージは、豆が存在するパッケージ内の空間と、高くとも1.1バール、好的には1.2バール、より好的には1.3バール、さらにより好的には1.5バールである周囲との間に少なくとも差圧が存在するいかなる場合にも、周囲からパッケージ内の豆に少なくとも実質的に全く空気を通さない(その逆も同様である)ように閉鎖される。
【0030】
さらなる実施形態では、定量供給空間が所定量で少なくとも実質的に充填されているか否かを判断することができる測定装置を設けることができる。定量供給空間が所定量で充填されていない場合を示すように構成されるインジケーターを設けることができ、それによって例えば、新たなパッケージを機器に接続して定量供給空間を再補充することができる。
【0031】
さらなる実施形態では、機器には、例えば上述した再閉可能なクロージャー、特に弁、より好的には回転ディスクの駆動によって排出口を解放又は閉鎖する開放手段が設けられる。開放手段は例えば、クロージャー、詳細には弁、より詳細には回転ディスクをパッケージの残りの部分に対して機械的に移動させる係止解除カムを備えることができる。開放手段は、例えば操作装置を介して自動的に、及び/又は手で操作することができる。一実施形態では、パッケージのクロージャーは、好的には手で直接操作され、例えば、パッケージを機器に対して回転させることによって解放される。
【0032】
例えば、コーヒー製造機器は、コーヒー豆供給口を分離したときにクロージャーがコーヒー豆排出口を自動的に閉鎖するように構成される。また、パッケージは、パッケージがコーヒー製造機器に接続されているときにもパッケージ内のコーヒー豆が比較的長期間保存されたままとなることができるように、コーヒー豆をグラインダーへ供給した後で閉鎖されることができる。別の実施形態では、パッケージは手動で開放及び/又は閉鎖することができる。
【0033】
さらに別の実施形態では、コーヒー豆パッケージには、それぞれパッケージを接続装置内へガイドし、かつ/又はパッケージと接続装置を結合するガイド部を設けることができる。例えば、コーヒー豆パッケージの底部側は、内部空間内のコーヒー豆をコーヒー豆排出口へガイドするようにコーヒー豆排出口の方向へ少なくとも部分的にテーパ状にすることができる。例えば、パッケージには、接続装置の対応する開口部及び/又はカムとそれぞれ接続するカム及び/又は開口部が設けられる。例えば、パッケージの底部は円錐形状であり、排出口は円錐部分のおよそ中間に延在する。
【0034】
第2の態様では、本発明は、請求項23に記載のコーヒー豆の定量供給機器を提供する。
【0035】
定量供給機器には、コーヒー豆グラインダーと、コーヒー豆をグラインダーへ供給するコーヒー豆供給口とを設けることができる。さらに、定量供給空間を設けて所定量のコーヒー豆をコーヒー豆パッケージからコーヒー豆供給口へ通すことができる。コーヒー豆パッケージを機器に接続するために、接続装置を設けることができる。定量供給空間は、所定量のコーヒー豆をパッケージから運ぶよう、接続装置に対して少なくとも部分的に移動可能であるようにも構成される。例えば、パッケージが機器に結合されているときに定量供給空間を接続装置に対して移動させることによって、定量供給空間は、受け入れた量のコーヒー豆をパッケージの内部空間に対して隔離することができ、一方で好的にはパッケージのコーヒー豆排出口は閉鎖されている。
【0036】
上述した定量供給空間は定量供給装置の一部とすることができる。定量供給装置は、部分的にパッケージ内に、かつ部分的に機器内に設けることができる。定量供給装置は例えば、定量供給空間内のコーヒー豆をパッケージの内部空間内のコーヒー豆から隔離する閉鎖手段を有して設計される。
【0037】
定量供給機器は、好的にはコーヒー製造機器の一部であるため、有利には、一定量のコーヒー豆をコーヒー製造機器のグラインダーへ供給してコーヒー飲料を調製することができる。定量供給機器は好的には、使用時に、グラインダーへ供給されたコーヒー豆の少なくとも実質的に全量が挽かれた場合に限りグラインダーが停止されるように構成される。定量供給空間を用いて、一定量のコーヒー豆をグラインダーへ供給することができる。挽いたコーヒーが残っておらず、各挽き操作後に排出口を閉鎖することができるため、比較的パッケージの新しいコーヒー豆をグラインダーへ供給することができることで、前の粉砕物(grindings)との混ざりが防止される。定量供給機器に様々な定量供給空間を設けることで、様々な所定量のコーヒー豆の送出を可能にすることができる。
【0038】
第3の態様では、本発明は、請求項26に記載のコーヒー豆パッケージを提供する。
【0039】
コーヒー豆パッケージには、内部空間と、コーヒー豆を送出するためのコーヒー豆排出口とが設けられている。パッケージには、通路を有する弁を備えることができるクロージャーを設けることができる。弁は、排出口を閉鎖するか又は空けるように排出口に対して移動可能に構成することができる。排出口は、弁によって閉鎖されることができるか、又は通路が排出口に少なくとも部分的に重なることで空けられることができる。排出口及び通路が互いに少なくとも十分に重なりあっていれば、排出口が空いてコーヒー豆がパッケージから例えば定量供給空間内へ送出される。
【0040】
一実施形態では、弁は、排出口に対して回転可能に構成することができる回転ディスクを備えることができる。回転ディスクには、機器に設けられている係止解除カムと接続する開口部を設けることができる。係止解除カムは開口部内に接続することができる。パッケージが機器に対して手で回転されると、係止解除カムが回転ディスクを停止させることができることにより、クロージャーが排出口を空けるか又は閉鎖する。
【0041】
第4の態様では、本発明は、請求項29に記載のコーヒー豆を定量供給する方法を提供する。
【0042】
コーヒー豆を定量供給する方法では、コーヒー豆は、好的には周囲空気がコーヒー豆と接触しないように包装することができる。好的には、複数回分の量のコーヒーを1つのパッケージから得るために複数回分の量のコーヒー豆が1つのパッケージに包装される。パッケージは好的には、コーヒー豆グラインダーを有する機器と直接接続可能であるように構成される。この接続した状態では、パッケージからの一回分の所定量のコーヒー豆をグラインダーへ供給することができ、残りの量のコーヒー豆はパッケージ内に残ったままである。好的には、残りの量のコーヒー豆は、コーヒー豆がパッケージから送出されていない状態でパッケージの排出口を閉鎖することができることでパッケージ内に残ったままにすることができる。クロージャーは、送出された一定量のコーヒー豆をパッケージ内の残りのコーヒー豆から隔離することができる。
【0043】
コーヒー豆パッケージと機器とが結合した状態で、一定量のコーヒー豆をパッケージから機器へ送出することができる。一定量のコーヒー豆は、パッケージから定量供給空間内、又は中間空間内へ装填することができる。この場合、定量供給空間はパッケージの排出口に接続されており、クロージャーがそのために定量供給空間を空けることができる。一定量のコーヒー豆が定量供給空間内に装填されると、定量供給空間を、パッケージの内部空間から再び閉鎖することができ、それによって、定量供給空間内の一定量のコーヒー豆がパッケージの内部空間内のコーヒー豆から隔離される。例えば、定量供給空間は、排出口に対して、好的にはコーヒー豆供給口へ向かって移動して、一定量のコーヒー豆をグラインダーへ供給することができる。好的には、一定量のコーヒー豆は重力の影響下で供給口へ供給される。
【0044】
一実施形態では、コーヒー豆パッケージは、例えばコーヒー豆パッケージからの一定量のコーヒー豆がグラインダーへ供給されて排出口が再び閉鎖された後で、機器から外すことができる。パッケージを取り外すときに排出口を閉鎖することによって、取り外し後にパッケージからコーヒー豆がこぼれ落ちることを防止することができる。例えば、異なる種類のコーヒー豆を有する異なるコーヒー豆パッケージをコーヒー製造機器に次々と接続することができ、各種コーヒー豆をパッケージの新しいままグラインダーへ供給することができる。また別の実施形態では、パッケージは、一定量のコーヒー豆がそこから出た後で閉鎖される。有利には、パッケージは実質的に気密に閉鎖されることができる。その結果、パッケージは、機器に対して複数回接続及び分離することができるが、その中に包装されているコーヒー豆を実質的にパッケージの新しいままとすることができる。
【0045】
本発明によるさらなる実施形態及び効果は従属項に記載されており、添付の図面を参照しながら複数の例示的な実施形態において本発明をより詳細に記載する説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】コーヒー豆を定量供給するシステムの断面の概略側面図である。
【図2A】定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図2B】定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図2C】定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図2D】定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図2E】定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図2F】定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図3A】別の定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図3B】別の定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図3C】別の定量供給システムの一部の一ステップの概略断面図である。
【図4A】コーヒー豆パッケージの側断面を概略的に示す図である。
【図4B】図4Aによるコーヒー豆パッケージの分解斜視図である。
【図5A】コーヒー豆パッケージと機器とを結合する前のコーヒー豆定量供給システムの一部の斜視図である。
【図5B】図5Aのシステムのコーヒー豆パッケージの分解斜視図である。
【図5C】図5A及び図5Bからのコーヒー豆パッケージの底面斜視図である。
【図5D】コーヒー豆パッケージが機器に接続されている状態の、図5A乃至図5Cのシステムの斜視図である。
【図5E】測定装置を省いて図示した、豆をパッケージから定量供給空間へ送出する位置にある、図5A乃至図5Dのシステムの側断面を概略的に示す図である。
【図5F】豆をパッケージから定量供給空間へ送出する位置にある、図5A乃至図5Eのシステムの部分断面上面図である。
【図5G】切断ディスクが定量供給空間を閉鎖する異なる位置にある、図5A乃至図5Fのシステムの部分断面上面図である。
【図5H】回転ディスク及び第2のディスクの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書では、同じ部分又は対応する部分は同じ参照符号又は対応する参照符号を有する。図面では、実施形態は例としてのみ示す。実施形態において用いられている要素は例として言及されているにすぎず、本発明を限定するものと解釈すべきではない。図に示す実施形態の比率は、概略的にかつ/又は誇張的に示されている場合があり、限定するものと解釈すべきではない。
【0048】
本明細書では、特に、コーヒー豆用のパッケージについて言及する。しかしながら、本明細書は細かくしていないコーヒー豆のみに関連するものではない。コーヒー豆とは、砕いたコーヒー豆、すなわち、所望のコーヒー飲料を抽出するのにさらに挽く必要のあるコーヒー豆砕片も含むものと理解される。コーヒー豆はパッケージ詰めされる前に例えば破砕される。一実施形態では、コーヒー豆パッケージ内のコーヒー豆の少なくとも一部は約30以下、詳細には約15以下、より詳細には約10以下の破片に分割される。その場合、1つのコーヒー豆砕片は例えば、1粒のコーヒー豆の1/30部分、詳細には1/15部分、より詳細には1/10部分又はそれ以上を含む。例えば、コーヒー豆砕片は、1粒のコーヒー豆の半分又は1/4を含む。細かくしていないコーヒー豆と比較したコーヒー豆砕片の使用の利点は、コーヒー豆砕片をグラインダーに比較的簡単に供給することができること、及び/又はパッケージを比較的簡単に閉鎖することができることである。この理由は、コーヒー豆砕片が比較的小さく、したがって、パッケージ及び機器の開口部を比較的容易に摺動することができ、かつ/又はコーヒー豆排出口及び/又は閉鎖手段を簡単には塞がないであろうからである。コーヒー豆は挽かずに予め分割して砕片にしておくことができるが、その間、細かくしていないコーヒー豆の場合に当てはまるであろうよりも比較的より多くの豆表面が周囲の空気と接触する可能性がある。その一方、挽いたコーヒーの場合に当てはまるであろうよりも少ない豆表面が空気と接触し得ることにより、コーヒー豆砕片は挽いたコーヒー豆よりも比較的良好に保存することができる。コーヒー飲料を調製する直前に限り、コーヒー飲料を得るためにコーヒー豆砕片が挽かれる。したがって、本明細書では、コーヒー豆は、所望のコーヒー飲料を調製するためにさらに挽く必要のある砕いたコーヒー豆を含むことも理解されるであろう。
【0049】
図1には、コーヒー飲料を調製するためのシステム1が示されている。システムは、コーヒー製造機器2及びコーヒー豆パッケージ3を備える。好的にはコーヒー豆パッケージ3をコーヒー製造機器2に直接接続するために接続装置4を設けることができる。
【0050】
コーヒー豆パッケージ3は、少なくとも使用前にコーヒー豆で充填されている内部空間を有する。内部空間は例えば、少なくとも1つの周壁3A、頂壁3B及び底部3Cによって包囲されることができる。任意選択的には、頂壁3Bはカバーを備えることができるが、又はなくてもよい。好的には、コーヒー豆パッケージ3は、少なくともコーヒー製造機器2に配置される前では、コーヒー豆を周囲空気へ晒すことを防ぐために、それ自体が閉鎖されている。好的には、そのため、パッケージ3は気密に閉鎖され、かつ/又は真空化される。コーヒー豆パッケージ3は、使い捨てパッケージとすることができ、かつ/又は、例えば、実質的に紙及び/又は箔及び/又はセルロース及び/又はプラスチック及び/又はスズから作製することができ、その一方、空になった後では、廃棄することができる。
【0051】
接続装置4は、コーヒー豆パッケージ3を全体的に又は部分的に受け入れるように構成されることができる。一実施形態では、コーヒー豆パッケージ3には、例えば、コーヒー豆パッケージ3をコーヒー製造機器2に接続するために、接続装置4に沿うガイドとして働くことができる比較的剛性のガイド部を設けることができる。例えば、接続装置4及びパッケージ3には対応するガイド部が設けられ、一方でガイド部は、例えばカム、ねじ山、スナップ接続部、バヨネットクロージャー又は考えられ得る他の接続を備えることができる。
【0052】
一実施形態では、コーヒー豆供給口5が設けられ、それによって、コーヒー豆パッケージ3がコーヒー製造機器2に接続されているときに、かつ排出口5が放出位置に位置決めされているときに、コーヒー豆をコーヒー豆パッケージ3からグラインダー6に供給する。コーヒー製造機器2のコーヒー豆供給口5とグラインダー6との間には、コーヒー豆搬送路が延在することができる。グラインダー6は、挽いたコーヒーを得るためにコーヒー豆を挽くように構成される。挽いたコーヒーは、コーヒー調製装置7へ供給することができる。コーヒー調製装置7は、挽いたコーヒーへ水を供給することによってコーヒー飲料を調製するように構成される。コーヒー排出口8が、好的にはその下に配置されるカップ9、マグ、ポット又は魔法瓶等へコーヒー飲料を注出するために設けられる。コーヒー調製装置7は例えば、エスプレッソマシンの場合のように圧力下で熱湯を供給するように構成されることができ、かつ/又は、上から注ぐ方式(a pour-on system)、すなわち、少なくとも過度の圧力を用いない、例えばフィルターコーヒーメーカーの場合のようなコーヒーメーカーとして構成されることができる。また、コーヒー調製装置7は、およそ1.1乃至2バール、特に1.1乃至1.5バールのわずかに高い圧力下でコーヒー飲料を調製するように構成されることができる。コーヒー飲料を調製するために、水、好的には熱湯を提供する水供給部10を設けることができる。水を加熱するために、少なくとも熱素子を設けることができる。
【0053】
機器2のグラインダー6は、好的には、コーヒー製造機器が、挽き操作を停止した後で少なくとも実質的に挽いたコーヒーをもはや含まないように構成される。機器2には、コーヒー豆供給口5からグラインダー6へ延在するコーヒー豆搬送路を設けることができ、一方で、機器2は、コーヒー飲料を調製した後で実質的に未使用の挽いたコーヒー又はコーヒー豆がグラインダー6及びコーヒー豆搬送路に残っていないように構成されることができる。特に、機器2は、使用時に、グラインダー6へ供給されたコーヒーの少なくとも実質的に全ての量が挽かれたときに限りグラインダー6が停止するように構成されることができる。さらに、機器2は、使用時に、挽いたコーヒーが重力の影響下でグラインダー6からコーヒー調製装置7へ搬送されるように構成されることができる。特に、機器2は、挽いたコーヒー豆が重力の影響下でコーヒー豆パッケージ3からグラインダー6へ搬送されることができるように構成されることができる。
【0054】
一実施形態では、パッケージ3には、パッケージ3からのコーヒー豆を通すコーヒー豆排出口11を設けることができる。システム1には、コーヒー豆をパッケージ3からグラインダー6へ定量供給する定量供給装置13を設けることができる。このために、定量供給装置13には、一回分の所定量のコーヒー豆を保持する移動可能な定量供給空間14を設けることができ、また定量供給装置13は、所定量以上のコーヒー豆がパッケージ3から送出されることを防止するために排出口11を閉鎖する閉鎖手段12を備える。機器2には、定量供給空間14を設けることができる。排出口11は、コーヒー豆をコーヒー豆パッケージ3の内部空間からグラインダー6へ供給するために、定量供給空間14を介して供給口5と結合されることができる。定量供給装置13は、例えば、排出口11が定量供給空間14と結合されているが供給口5が定量供給空間14から閉鎖されている位置と、供給口5が定量供給空間14と結合されているが排出口11が定量供給空間14から遮断されている位置との間で少なくとも部分的に移動可能に構成されることができる。
【0055】
パッケージ3のガイド部は、例えば、剛性壁、又はコーヒー豆排出口11の周りに円錐形状の壁を含むことができるため、コーヒー豆排出口11は、機器2に対して所望の位置へガイドされることができる。システム1は、例えば、コーヒー豆パッケージ3とコーヒー製造機器2とを互いに接続するために、かつ/又は互いから隔離するために、コーヒー豆排出口11が接続装置4に手で結合されることができ、かつ/又は接続装置4から分離されることができるように構成される。
【0056】
定量供給装置13には、排出口11を閉鎖する閉鎖手段12を設けることができる。閉鎖手段12は、コーヒー豆をパッケージ3から定量供給空間14を介してグラインダー6へ送出するために開放することができる。コーヒー豆を送出した後、閉鎖手段12はパッケージを再び閉鎖することができる。閉鎖手段12の開放は、例えば手で操作することができる開放手段12Cによって行うことができる。また、システム1、特にコーヒー製造機器2にも、閉鎖手段12を開放する開放手段12Cを設けることができる。例えば、閉鎖手段12は機器2に設けられている遮断手段15を備え、かつ/又は閉鎖手段12はパッケージ3に設けられるクロージャー12Aを備える。
【0057】
クロージャー12Aは、パッケージ3、又は分離状態にある少なくとも排出口11を閉鎖することができるため、パッケージ3を取り外すときに排出口11からコーヒー豆がこぼれ落ちない。また、クロージャー12Aは、コーヒー豆がパッケージ3から定量供給空間14内へ通過するのを防止することができる。クロージャー12A及び/又は遮断手段15は、コーヒー豆が閉鎖すべき開口部に位置する場合であっても、それぞれの閉鎖手段がこの豆を破砕してでも開口部を完全に閉鎖することができるような強度を持たせる設計とすることができる。
【0058】
一実施形態では、コーヒー豆パッケージ3には、例えば図2Aに示されるように、コーヒー豆排出口11がコーヒー豆供給口5から分離される場合に、コーヒー豆排出口11を閉鎖するクロージャー12Aが設けられている。クロージャー12Aは、パッケージ3がコーヒー製造機器2に接続されているときにも、例えば定量供給空間14とコーヒー豆排出口11とが連結されている間にもコーヒー豆パッケージ3を閉鎖することができるため、パッケージ3と機器2とが結合されている間にもコーヒー豆と周囲空気との接触を防止することができる(図2B、図2D乃至図2Fを参照のこと)。
【0059】
一実施形態では、クロージャー12Aは通路12Dを備える。クロージャー12Aは、好的には回転ディスクの形態の弁を備えることができる。クロージャー12Aは、コーヒー豆排出口11を空けるか又は閉鎖するために手で、及び/又は機器2によって操作されることができる。排出口11を空けるために、例えば通路12Dを、例えば図2Cに示されるように排出口11と少なくとも部分的に重なる状態にすることができる。通路12D及び排出口11は、例えば特に周壁3A及び底部3Cの側部付近に配置することができるため、通路12Dは、クロージャー12Aが回転すると円形経路を横断することができる。例えば、通路12Dは、少なくともクロージャー12Aの放出状態においてコーヒー豆が重力の影響下で排出口11、また通路12Dも通過するように位置決めすることができることによって、豆が定量供給空間14に取り込まれる。その後、クロージャー12Aを再び動かすことによって、通路12Dを例えば図2Aに示されるように重なり状態から外すことができ、それにより排出口11が再び閉鎖され、さらなるコーヒー豆がもはや定量供給空間14へ送出されることはできない。例えば、クロージャー12Aは、排出口11が空けられる位置と排出口11が閉鎖される位置との間で回転することができる。クロージャー12Aは、好的には排出口11を複数回閉鎖することができる。
【0060】
一実施形態では、クロージャー12Aは、排出口11の閉鎖状態では、豆が存在するパッケージ内の空間と周囲との間、高くとも1.1バール、好的には1.2バール、より好的には1.3バール、さらにより好的には1.5バールの差圧が存在する場合に、周囲からパッケージ内の豆に少なくとも実質的に全く空気を通し得ず、かつ、その逆も同様である。
【0061】
図2Aには、定量供給装置13に接続されることができるコーヒー豆パッケージ3が概略的に示されている。定量供給装置13には、所定量のコーヒー豆をコーヒー豆排出口11からコーヒー豆供給口5へ通過させるように構成される定量供給空間14が設けられている。図2A乃至図2Cに示されるように、定量供給装置13は、少なくとも部分的に移動可能に構成されることができる。定量供給装置13は、好的には、パッケージ3の結合状態で排出口11に対して少なくとも部分的に移動可能に構成される。例えば、定量供給装置13は、定量供給空間14が第1の位置において排出口11の下に位置することによって、通路12Dが排出口11と重なる場合に、一定量のコーヒー豆が少なくとも通路12Dを介して排出口11から定量供給空間14へ供給されることができるように構成されることができる。これは図2B乃至図2Dに示されている。クロージャー12Aは、排出口11を閉鎖するか、又は定量供給空間14が排出口11の下に位置する場合には排出口11を解放して、コーヒー豆をパッケージ3から定量供給空間14へ送出することができる。
【0062】
定量供給装置13の第2の位置では、例えば定量供給空間14は、例えば図2Fに示されるようにコーヒー豆供給口5に接続されて、コーヒー豆を定量供給空間14からグラインダー6へ供給する。第2の位置では、定量供給空間14は例えば、排出口5の上方に位置決めされるため、定量供給空間14からのコーヒー豆を重力の影響下で排出口5及び/又はグラインダー6へ通すことができる。図2A乃至図2Fに示されるように、定量供給装置13は、定量供給空間14を含む回転要素を備えることができ、回転要素は、少なくとも言及した第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。さらに、定量供給空間14は、定量供給空間14が正確な量を収容しているか否かを判断するために、第3の位置に位置決めされることができる。定量供給空間14は、所望の量が定量供給空間14内に存在するか否かを判断するために第1の位置から第3の位置へ、次いで、好的な所望の量を送出するために第2の位置へ移動することができる。この第3の位置は図2Eに示されており、以下でより広範にわたって説明する。
【0063】
定量供給装置13は、定量供給空間14内のコーヒー豆がパッケージ3の内部空間内のコーヒー豆から隔離されることができるように構成されることができる。このために、定量供給空間14は例えば、排出口11から離れる方向へ、例えば上述した第1の位置から上述した第2の位置へ移動することができ、それによって定量供給装置13の上面が排出口11を閉鎖し、そうすることにより排出口11のための遮断手段15として機能することができる。さらに、又はそれに代えて、クロージャー12Aは、パッケージ3内のコーヒー豆を定量供給空間14内のコーヒー豆から隔離するために排出口11を閉鎖することができる。一実施形態では、定量供給装置13は、該定量供給装置13が移動するときに上述した開放手段がクロージャー12Aを操作するように当該開放手段を備える。
【0064】
一実施形態では、定量供給装置13には測定装置16が設けられる。測定装置16は、定量供給空間14に所定量が充填されているか否かを判断するように構成されることができる。一実施形態では、所定量は製造中に設定することができる。別の実施形態では、製造中に、複数回分の所定量を設定することができるが、この際、機器2には、ユーザーが複数の可能なコーヒー豆の所定量から選択することを可能にする操作要素を設けることができ、一方で測定装置16は、使用時に、定量供給空間14にユーザーが選択した量が充填されているか否かを判断することができるように構成される。また、定量供給装置13に、様々な所定量に対応する様々な容積の様々な定量供給空間14を設けることによって、ユーザーが複数の所定量を選択することができることが可能である。さらなる実施形態では、ユーザー自身が、使用中に、好的には所定の範囲内からコーヒー豆の量を決定することができ、測定装置16は、定量供給空間14が、ユーザーが決定した量のコーヒー豆を含んでいるか否かを判断するように構成される。測定装置16は、例えば、定量供給空間14内の充填高さを求めることを可能にする光センサー及び/又は距離センサーを含むことができる。このように、定量供給空間14内のコーヒー豆の量の体積を求めることができ、ここから例えばコーヒー豆の重量も導き出すことができる。またさらなる実施形態では、測定装置16は、重量に基づいてコーヒー豆の量を求めることができるように、定量供給空間14内のコーヒー豆の重量を測定することができる重量センサーを備える。測定装置16は、例えば、メカニカルセンサー及び/又は圧力センサーも備えることができ、これらのセンサーを用いて、例えば定量供給空間14内のコーヒー豆の充填高さ及び/又は重量を求めることができる。測定装置16は例えば定量供給空間14付近に延在することができる。例えば、定量供給空間14及び測定装置16は互いに対して移動可能であるため、例えば図2Fに示されるように、第3の位置において定量供給空間14が測定装置16による充填の測定を可能にする。第3の位置は、例えば、定量供給装置13の前述の第1の位置と第2の位置との間に位置決めされる回転位置を含むことができる。
【0065】
同等の方法では、少なくともパッケージ3が機器2と結合されているときに、パッケージ3内のコーヒー豆の量を測定することができる第2の測定装置を設けることができる。この第2の測定装置を用いて、例えば、コーヒー豆パッケージ3がほとんど又は完全に空であることをユーザーにタイムリーに警告することができる。
【0066】
一実施形態では、機器2には、定量供給空間14がコーヒー豆の所定量に従って充填されているか否かを少なくともユーザーに示すように構成されることができるインジケーター17が設けられる。例えばコーヒー豆がパッケージ3から送出された後で定量供給空間14が所定量に従って充填されていない場合、インジケーター17は、このことを、例えば測定装置16から得られた信号に基づいて例えば視覚的に及び/又は聴覚的に示すことができる。これはまた、コーヒー豆パッケージ3が空であり、交換する必要があることを意味することができるため、定量供給空間14に、所定量が達成されるまで新たなパッケージ3からコーヒー豆を充填することができる。インジケーター17は、測定装置16及び/又は第2の測定装置からの信号に基づいて信号を発することができる。
【0067】
定量供給するシステム1及び方法は、図2A乃至図2Fを参照して以下のように説明することができる。図2Aでは、閉鎖されたコーヒー豆パッケージ3が示されているが、これはまだ定量供給装置13には接続されていない。好的には、コーヒー豆は、パッケージ3がユーザーへ供給される前では、好的には実質的に気密のパッケージ3及び/又は真空パッケージ3で既に包装されている。パッケージ3には、パッケージ3内で放出される可能性があり、パッケージ3内に余分な圧力をもたらす可能性があるガスの逃がしを可能にする弁を設けることができる。パッケージ3には、少なくとも使用前に、周囲からパッケージ3内の豆に実質的に全く空気を通さない(その逆も同様である)ことを可能にするクロージャー12Aが設けられる。クロージャー12Aの開放後には、クロージャー12Aは、好的には排出口11をさらに複数回閉鎖することができる。
【0068】
図2Bにおいて分かるように、排出口11を定量供給空間14に、又は定量供給空間14の少なくとも1つに接続することができるために、閉鎖されたパッケージ3が機器2と結合される。図示の実施形態では、定量供給装置13は、例えばコーヒー豆の様々な所定量に対応する複数の定量供給空間14を備える。接続装置4及び/又はガイド部は、好的には排出口11を定量供給空間14と結合することができるように構成される。好的には、排出口11は、機器2の結合状態及び直立状態では定量供給空間14の上方に延在し、それによって、コーヒー豆が重力の影響下で定量供給空間14へ供給されることができる。図2Bに示される位置では、排出口11はまだクロージャー12Aによって空けられていないため、コーヒー豆は内部空間から定量供給空間14へまだ通されていない。
【0069】
図2Cでは、排出口11が、クロージャー12Aによって、特に通路12Dが排出口11に重なるようにクロージャー12Aが回転することで解放され、それによって、コーヒー豆が重力の影響下で内部空間から排出口11及び通路12Dを通って定量供給空間14内へ落下することができることが分かる。このために、通路12Dは定量供給空間14と少なくとも部分的に重なる。好的には、回転ディスクは、通路12Dが排出口11の下に実質的に直線的に、かつ、定量供給空間14の上方に実質的に直線的に延在するように位置決めされる。
【0070】
異なる実施形態では、排出口11の解放を異なった方法で進めることができる。例えば、クロージャー12Aは手で、又は機器2によって駆動されることができる。機器2には、クロージャー12Aと係合して当該クロージャー12Aを移動させる開放手段12Cを設けることができ、当該開放手段は例えばモーター及び/又は手動で駆動されることができる。代替的な実施形態では、機器には、クロージャー12Aに加えて又はクロージャー12Aの代わりに、例えば定量供給装置13の上面の形状となっている遮断手段15が設けられ、当該遮断手段15は、原則的に例えば手又はモーター等と同等の方法で駆動されることができる。図5A乃至図5Gを参照して以下で説明する別の実施形態では、例えば、排出口11を通路12Dの方向に回転させることができ、それによってコーヒー豆が例えば自動的に又は手動で送出される。例えば、排出口11を空けるか又は閉鎖するために、閉鎖手段12をパッケージ3に対して移動させることができるか、かつ/又はパッケージ3を閉鎖手段12に対して移動させることができる。
【0071】
図2Dにおいて分かるように、定量供給空間14内の豆は、パッケージ3の内部空間内の豆から隔離されることができる。このために、例えばクロージャー12Aは排出口11を再び閉鎖することができる。次いで、パッケージ3を例えば閉鎖状態で機器2から外すことができる。一定量のコーヒー豆を受け取った定量供給空間14は、例えば測定装置16が定量供給空間14の充填を測定することができる位置(図2E)の方向へ、及び/又は一定量のコーヒー豆をグラインダー6へ供給する位置(図2F)の方向へ移動することができる。図2Eにおいて分かるように、定量供給空間14は、当該定量供給空間14がその充填を測定するための測定装置16付近へ延在するように回転することができる。測定装置が所定量におよそ等しい豆の一定量であると確定した場合、定量供給空間14は、その一定量のコーヒー豆を供給口5へ送出することができる位置(図2F)まで回転することができる。コーヒー豆の所定量以外の異なるコーヒー豆の一定量であると測定装置16によって確定された場合、すなわち定量供給空間に空きがあると判断された場合、例えば所望の量を依然として達成するために、例えば測定装置16が、例えばインジケーター17を介してユーザーへ、又は機器2へ信号を送ることができる。例えば、この場合パッケージ3が交換され、かつ/又は定量供給空間14が排出口11に再び接続される。
【0072】
図2Fには、定量供給空間14がコーヒー豆を供給口5を介してグラインダー6へ送出するところが示されている。好的には、定量供給空間14は、コーヒー豆が重力の影響下で供給口5へ通されるように供給口5に対して配置される。特に、そのために、定量供給空間14は供給口5の上方に位置決めされる。
【0073】
定量供給空間14が移動する代わりに、例えば定量供給空間14を供給口5の方向に解放するために第2の閉鎖手段を設けることができる。それに応じて、遮断手段15が排出口11を閉鎖することができ、一方で遮断手段15及び/又は第2の閉鎖手段は定量供給装置13の可動部分としてみなされることができる。
【0074】
一実施形態では、排出口11は、好的には、例えば図2Cに示されるような、内部空間からのコーヒー豆が定量供給空間14へ送出される位置とは別に、パッケージ3の結合状態及び分離状態の両方において実質的に連続的に閉鎖され、そのためパッケージ3内のコーヒー豆が比較的保存されたままとなることができる。
【0075】
図3には、システム1の代替的な実施形態が示される。パッケージ3には例えば、排出口11の方向へ少なくともわずかにテーパ状になっている底部3Cが設けられ、そのため底部3Cは少なくとも部分的に円錐状である。この底部3Cにより、豆を、重力の影響下でパッケージ3の比較的下方へ、好的には排出口11の閉鎖手段12に対して集めることができるため、排出口11を開放すると最後の豆も排出口11を通過する。例えば、機器2には、排出口11を開閉するように構成される遮断手段15が設けられる。パッケージ3にはクロージャー12Aを設けることができる。例えば、クロージャー12Aは、機器2に配置する前に手で開放されるように構成され、かつ/又はクロージャー12Aは、機器2及び/若しくは手で開放されるよう、再閉可能に構成される。
【0076】
定量供給装置13は、移動可能に構成される回転要素を備えることができる。遮断手段15は、回転要素の上面に配置されることができる。定量供給装置13は、図1及び図2A乃至図2Fに関して上述した原理と同様の原理に従って実質的に構成されることができる。図3Aでは、システム1は、コーヒー豆がパッケージ3から定量供給空間14へ送出される送出位置で示されている。このために、排出口11及び定量供給空間14は好的には互いに接続され、そのためパッケージ3からのコーヒー豆を底部3Cに沿って定量供給空間14内へ通すことができる。
【0077】
定量供給空間14が充填されると、遮断手段15が、例えば定量供給空間14の移動によって排出口11を閉鎖することができる。これは図3Bに示されている。例えば、定量供給空間14は、充填された後で、測定装置16が定量供給空間14内に存在するコーヒー豆の一定量、少なくともコーヒー豆の容積、重量及び/又は充填高さを求めることができるように位置決めされる。測定装置16は例えば、定量供給空間14内の豆の充填レベルの高さを測定するメカニカルセンサーを備えることができる。測定装置16は例えば、定量供給空間14が所定量で充填されているのか(17A)、及び/又は所定量の一部しか充填されていないのか(17B)、及び/又は実質的に空であるのか(17C)を表すようにインジケーター17を制御することができる。定量供給空間14が実質的に空であると測定された場合、インジケーター17は例えば、パッケージ3が実質的に空であることを示すことができるため、ユーザーは、空のパッケージ3を機器2から外して、少なくとも部分的に充填されているパッケージ3を機器2に接続することができる。その後、定量供給及びコーヒー製造を再開することができる。パッケージ3が所定量未満しか収容していないために定量供給空間14が所定量の一部しか収容していない場合にも、ユーザーは例えば、空のパッケージ3を第2の少なくとも部分的に充填されたパッケージ3と取り替えて、定量供給空間14を、第2の送出を通じて所定量まで充填することができるように選択することができる。次の位置(図3C)では、定量供給空間14は例えば、コーヒー豆が定量供給空間から出てグラインダー6に向かって通るように供給口5に接続されている。定量供給空間14への異なる送出の合間に、排出口を閉鎖手段12、特に遮断手段15によって閉鎖することができる。
【0078】
また別の実施形態では、測定装置16は、定量供給空間14を排出口11に接続することができる少なくとも第1の位置において定量供給空間14付近に設けられる。そのような測定装置16は、定量供給空間14の充填中にコーヒー豆の量を求めて比較するように構成されることができる。測定装置16は、実質的にコーヒー豆の所定量が達成されると閉鎖手段12によって排出口11を閉鎖するように構成されることができる。本発明による測定装置16は、例えばマイクロプロセッサー及び/又はメモリーと、電源への接続用の考えられ得る接続とを備える。
【0079】
一実施形態では、パッケージ3は、例えば図4A及び図4Bに示されるように、内部空間内のコーヒー豆を排出口11へガイドするために排出口11の方向へテーパ状になっている底面を含む。詳細には、そのために、内部空間の下側境界3Dを、テーパ状にするか又は傾斜させ、より詳細には側部付近に排出口11を有する漏斗の形状にすることができる。内部空間の下側境界3Dがテーパ状であるため、内部空間内に存在する最後のコーヒー豆も重力の影響下で排出口11へ通ることを達成することができる。見られるように、排出口11は周壁3A付近又は少なくともパッケージ3の側部付近に設けることができるため、下側境界3Dは周壁3Aの方向にテーパ状になることができる。パッケージ3は例えば、上述した傾斜している下側境界3D及び排出口11が設けられている底部カバー18を備えることができる。底部カバー18には、例えば上記で既に説明したように通路12Dを有するクロージャー12Aも設けることができ、一方でクロージャー12Aは、排出口11に対して及び/又はパッケージ3の残りの部分に対して回転可能である回転ディスクを備えることができる。底部カバー18は、パッケージ3の製造中に周壁3Aに取り付けることができる。上記で既に記載されているものと同等に、クロージャー12Aを操作することにより、通路12Dを少なくとも部分的に排出口11と重なる状態にすることができ、それによってパッケージ3がコーヒー豆を送出することができる。
【0080】
定量供給システム1のさらに精巧な実施形態を、図5A乃至図5Hを参照して説明することができ、この場合、定量供給システム1は様々なステップ及び図で示される。図5Aは、接続装置4にまだ結合されていないパッケージ3が接続装置4の上方で保持されている、システム1を示す。特に、図5Aは、支持体29と結合されている定量供給装置13の試験的な設定を示すが、実際には、定量供給装置13は定量供給機器の一部、特にコーヒー製造機器2の一部とすることができる。
【0081】
接続装置4には、好的には、パッケージ3を専ら1つの所定の向きで機器2と結合することができるようにガイド部が設けられる。パッケージ3には対応するガイド部を設けることができる。接続装置4は、例えばパッケージ3の周壁3Aをガイドするホルダー壁4Aを備える。好的には、ホルダー壁4Aは、パッケージ3の少なくとも円筒形の下部を少なくとも部分的に囲む円筒の一部の形状を有する。接続装置4は、図5A乃至図5Cにおいて分かるように、好的にはパッケージ3の底部3Cに及び/又は底部3C付近に設けられる、パッケージ3の対応する孔部4B、4F、4G及び/又はカムとそれぞれ接続するカム4C、4D、4E、4K及び/又は孔部をさらに含むことができる。
【0082】
パッケージ3には例えば底部カバー18が設けられ、当該底部カバー18は、図5Bに示されるように漏斗19、回転ディスク12E及び第2のディスク12Fを備えることができる。回転ディスク12Eは第2のディスク12Fの下に延在することができる。第2のディスク12Fは、例えば漏斗19と回転ディスク12Fとの間に延在し、好的には漏斗19に対して固定位置決めされる。パッケージ3の排出口11は、この例では、漏斗19にある開口部20、及び第2のディスク12Fにある対応する開口部21によって形成することができる。クロージャー12Aは回転ディスク12Eによって形成することができる。回転ディスク12Eには通路12Dが設けられる。回転ディスク12Eは、第2のディスク12F及び漏斗19に対して回転可能に配置されることができる。第2のディスク12F及び漏斗19は、互いに対して、また周壁3Aに対して固定配置されることができる。第2のディスク12Fは、製造技術の理由から、漏斗19とは別に製造されてから少なくとも回転方向に漏斗19と接続固定されることができる。代替的な実施形態では、第2のディスク12Fは、例えば漏斗19と共に1つの部品を形成する。
【0083】
機器2の接続装置4には接続カム4Cを設けることができ、当該接続カム4Cは、例えばパッケージ3が定量供給装置13に対して位置決めされて回転することができるように、パッケージ3の底部3Cの中心にある開口部4Bに係合するように構成される。パッケージ3の底部3Cの中心にある開口部4Bは例えば、回転ディスク12E及び第2のディスク12Fに設けることができる。接続装置4には、パッケージ3の底部3Cの摺動開口部4Fに係合する摺動ガイド4Dも設けることができる。摺動ガイド4D及び摺動開口部4Fは、パッケージ3の定量供給装置13に対する回転方向へのガイドに寄与することができる。また、摺動開口部4Fの縁部は、回転ディスク12E及び/又は第2のディスク12Fの停止部を形成することができるため、これらはさらに回転することができない。摺動開口部4Fは、回転ディスク12Eにある第1の摺動開口部4F1と第2のディスク12Fにある第2の摺動開口部4F2とを備えることができる。さらに、接続装置4には、パッケージ3の回転ディスク12Eにある対応する係止解除開口部4Gに係合する開放カム4Eを設けることができる。ホルダー壁4A、接続カム4C、摺動ガイド4D及び/又は開放カム4Eは、パッケージ3を機器2と所定の向きで結合するために機器2のガイド部を形成することができる。開口部4B、摺動開口部4F及び係止解除開口部4Gは、パッケージ3の対応するガイド部を形成することができる。
【0084】
開放カム4Eは機器2の開放手段の一部とすることができる。開放カム4Eをパッケージ3の係止解除開口部4Gを通してガイドすることによって、例えば、回転ディスク12E及び第2のディスク12Fが互いに対して係止解除される。また、回転ディスク12Eはこの場合、接続装置4に対して固定されることができる。第2のディスク12Fには少なくとも1つのばね要素4Hを設けることができ、当該ばね要素4Hは係止カム4Iの底面に設けることができる。ばね要素4Hは、図5B及び図5Hにおいて分かるように、第2のディスク12Fの摺動開口部4F2の外側又は内側に延在することができる。パッケージ3の分離状態では、ばね要素4H、特に係止カム41が回転ディスク12Eの係止解除開口部4Gに少なくとも部分的に延在する。その結果、回転ディスク12E及び第2のディスク12Fが互いに対して係止される。この係止位置において、排出口11は好的には、パッケージ3、特に排出口11が閉鎖されるように回転ディスク12Eによって閉鎖される。パッケージ3を接続装置4に接続することによって、接続装置4の開放カム4Eが、ばね要素4Hのばね力に反して、係止解除開口部4Gを通って押し、好的には係止カム4Iに当接し、それによって、ばね要素4H、特に係止カム4Iが係止解除開口部4Gから押し出され、回転ディスク12Eが排出口11に対して係止解除されて回転することができる。開放カム4Eが係止解除開口部4Gに係合すると、第2のディスク12Fを例えば手で回転ディスク12Eに対して回転させることができ、一方で回転ディスク12Eは、開放カム4E及び/又は摺動ガイド4Dによって接続装置4に対して定位置に保持されることができる。特に、摺動ガイド4Dは、回転ディスク12Eを定位置に保持するのに用いることができる停止部としての役割を果たすことができる。その結果、排出口11は、排出口11を解放するために通路12Dの上方まで回転することができる。好的には、複数の開放カム4E、対応する係止解除開口部4G及び対応する係止カム4Iが設けられているため、ユーザーにとっては、パッケージ3が機器2から分離しているときに排出口11を手で開放するのは比較的困難である可能性がある。
【0085】
図示しない別の実施形態では、開放手段、特に開放カム4Eが移動可能に構成されるため、回転ディスク12Eを開放カム4Eによって回転させることができ、一方でパッケージ3の残りは接続装置4によって機器2に対して定位置に保持される。例えば、この場合、パッケージ3は機器2によって自動的に開放される。
【0086】
既に記載したように、パッケージ3の接続状態では摺動開口部4Fを通って突出する摺動ガイド4Dは、回転ディスク12Eに対する第2のディスク12Fの回転範囲を制限するように停止部として構成されることができる。摺動ガイド4Dは、摺動ガイド4Dを通すように対応する形状を有する摺動開口部4F1、4F2を有する円周の一部の形態の直立壁を備えることができる。例えば、パッケージ3は、接続後に、排出口11が通路12Dと重なるまで60度回転させることができるが、摺動ガイド4Dは、該摺動ガイド4Dが第2のディスク12Fの第2の摺動開口部4F2の縁部4Jと当接することで回転ディスク12Eに対するパッケージ3のさらなる回転を妨げる。さらに、接続装置4には、例えばパッケージ3の配置中に第1の摺動開口部4F1によって回転ディスク12Eをガイドし、かつ/又はパッケージ3の回転時に第2の摺動開口部4F2によって第2のディスク12Fをガイドする第2の摺動ガイド4Kを設けることができる。
【0087】
図5Aにおいて分かるように、第2の摺動ガイド4Kは、2つの第1のフランジ4L1、4L2を備えることができる。第1のフランジ4L1、4L2間には開口部4Mが延在する。パッケージ3、特に第2のディスク12Fには、第1のフランジ4L1、4L2に対応する第2のフランジ4Nが設けられる(図5C、図5H)。パッケージ3を定量供給装置13に配置すると、第1のフランジ4L1、4L2は第2のフランジ4Nよりも高く延在する。したがって、第2のフランジ4Nはパッケージ3を位置決めするときに2つの第1のフランジ4L1、4L2を通り越す。第2のフランジ4Nは、当該2つの第1のフランジ4L1、4L2間の開口部を通じて当該2つの第1のフランジ4L1、4L2を通り越し、通り越した後は、2つの第1のフランジ4L1、4L2の高さよりも下に位置付けられる。この配置後、第2のディスク12Fを含むパッケージ3は、回転ディスク12Eに対して回転することができ、一方で第2のフランジ4Nは第1のフランジ4L1、4L2の一方の下方に延在する。その結果、パッケージ3を機器2から外すことができない。パッケージ3は、第2のフランジ4Nが2つの第1のフランジ4L1、4L2間の開口部に隣接して当該2つの第1のフランジ4L1、4L2間に位置付けられる場合に限って機器2から外すことができる。図示の実施形態では、漏斗19及び第2のディスク12Fにある開口部20、21によってそれぞれ形成される排出口11が定量供給空間14Bの上方に延在する場合、フランジ4L1、4L2、4Nが機器2からのパッケージ3の取り外しを妨げることができる。
【0088】
一実施形態では、定量供給装置13のカム及び/又はガイド4G、4H、4K、4Dは複数の機能を有することができる。第1の機能では、パッケージ3を定量供給装置13にガイドすることもできる。第2の機能では、パッケージ3を定量供給装置13に対してしっかりと固定することもできる。第3の機能では、パッケージ3の排出口11を開閉することもできる。第4の機能では、定量供給装置13を作動させる検出システムを作動させることもできる。例えば、定量供給空間14は、パッケージ3が定量供給装置13のカムと係合するまで解放することができない。例えば、カム4Kは様々な表面を有するが、各表面は異なる機能を有することができる。
【0089】
図5Dには、システム1の一部がパッケージ3の結合状態で示されており、パッケージはホルダー壁4A内に延在している。
【0090】
定量供給装置13には好的には切断ディスク15Aが設けられ、当該切断ディスク15Aには第2の通路15B(図5Eを参照のこと)が設けられる。切断ディスク15Aの下方には回転要素22を設けることができ、回転要素22内には定量供給空間14が設けられる。切断ディスク15A及び回転要素22は、好的には互いに対して回転可能に配置される。切断ディスク15Aは、好的には定量供給空間14を閉鎖すると共に、定量供給空間14を充填した後でコーヒー豆を切断するように構成される。切断ディスク15Aは、当該切断ディスク15Aを駆動する駆動部、例えば電気モーターに接続することができる。図5Fに示されるように、定量供給空間14が所定量のコーヒー豆で充填されているか否かを測定するために、測定装置16を設けることができる。図5Eに示される位置では、漏斗19の開口部11、第2のディスク12Fの開口部21、回転ディスク12Eの開口部12D、及び切断ディスク15Aの開口部15Bがそれぞれ実質的に互いの上方に、かつ定量供給空間14の上方に延在するため、コーヒー豆を内部空間から定量供給空間14へ送出することができる。
【0091】
定量供給空間14の閉状態では、第2の通路15Bが定量供給空間14から或る距離を置いて位置付けられることができるため、切断ディスク15Aが定量供給空間14を閉鎖し、コーヒー豆が定量供給空間14へ送出されることができない。図5Fには、第2の通路15Bが排出口11及び/又は通路12Dから或る距離のところへ延在し、それによってコーヒー豆が、接続されているパッケージ3から定量供給空間14へ送出されることができないところが示されている。送出状態(図5E)では、第2の通路15Bは、例えば定量供給空間14の上方、及び通路12Dによって開放される排出口11の下方に位置決めされるため、コーヒー豆が定量供給空間14へ通ることができる。定量供給空間14が排出口11及び/又は通路12Dの下方に既に延在している位置では、切断ディスク15Aは、定量供給空間14をその充填のために空け、また閉鎖することができる。
【0092】
図5Gには、3つの位置にある第2の通路15Bを示すことによって切断ディスク15Aを回転させることができる方法が示されている。第1の位置15B1において、第2の通路15Bは依然として測定装置16付近に延在している。第2の位置15B2では、第2の通路15Bは排出口11及び/又は定量供給空間14の方向に移動している。第3の位置15B3では、第2の通路15Bが排出口11及び/又は通路12Dの実質的に下方に延在するため、コーヒー豆をパッケージ3から定量供給空間14へ通過させるための開口部11、12D、15Bが互いに重なり、コーヒー豆が定量供給空間14まで通ることができる。一実施形態では、第2の通路15Bは、パッケージ3が接続される前に、言及した第3の位置に位置付けられることができるため、パッケージ3を接続して開放するように回転させると、豆を直接送出することができる。別の実施形態では、切断ディスク15Aは、パッケージ3が接続されるまで、かつ/又は開放するように回転されるまでは、第3の位置へは回転されない。
【0093】
定量供給空間14が充填された後で、切断ディスク15A及び第2の通路15Bは、第3の位置15B3から第1の位置15B1へ再び回転し戻される。この逆回転中に、定量供給空間14より少なくとも部分的に上方に突出するコーヒー豆は、閉鎖手段12、特に遮断手段15及び/又はクロージャー12A、より詳細には切断ディスク15Aをブロック、かつ/又は妨げないように切断又は破砕されることができる。定量供給空間14の容積は、定量供給空間14が遮断手段15によって閉鎖された状態で完全に充填されている場合に所定量のコーヒー豆を収容するような寸法にすることができる。
【0094】
一実施形態では、定量供給空間14は、その充填後に、測定装置16に向かって回転することができるため、測定装置16を、定量供給空間14に所定量が充填されているか否かを判断可能にすることができる。さらなる実施形態では、定量供給装置13は、切断ディスク15Aが例えば駆動部27によって測定装置16まで約75度さらに回転することにより、定量供給空間14が閉鎖されると共にコーヒー豆が切断されるように構成され、その後、切断ディスク15Aがさらに回転することができ、さらに回転し続けると、少なくとも定量供給空間14が測定装置16の下方に延在するまで回転要素22を運ぶように構成される。その結果、駆動部27は切断ディスク15Aを回転させて測定装置16まで戻し、それによって測定装置16は定量供給空間14内の豆に接触することができる。
【0095】
測定装置16は、スタンプ等のプローブ要素23を備えることができ、当該プローブ要素23は、少なくとも定量供給空間14が測定位置に延在して遮断手段15によって解放される際に定量供給空間14の方向に移動するように移動可能に構成される。定量供給空間14は例えば、プローブ要素23の実質的に直線下方に延在する場合、測定位置に延在することができる。測定装置16は、マイクロスイッチ24、及び少なくとも1つのプローブ要素ガイド25も備えることができ、該少なくとも1つのプローブ要素ガイド25は、プローブ要素23を、第2の通路15Bを通して定量供給空間14付近の地点まで、かつ/又は定量供給空間14内へガイドするように構成される。測定装置16は、プローブ要素23が、完全に充填された定量供給空間14内のコーヒー豆までカイドされることができるように構成される。測定装置16は、さらに接触素子26(図5D)を有して設計されることができる。例えば、接触素子26によって、プローブ要素23が、定量供給空間14の所定量の豆による充填に対応する所定の高さよりもさらに移動すると、接触が妨げられるため信号が中断され、これは不完全に充填された空間に対応する。所定量が測定されない場合、これは例えば、インジケーター17を介してユーザーに知らせることができるため、ユーザーは例えば、パッケージ3を交換することができ、かつ/又はパッケージ3が実際に空であるのかを確かめることができる。新たなパッケージ3を接続すると、又は古いパッケージ3を再接続すると、システム1は例えば自動的に再び作動されることができ、それによって所定量が測定されるまで定量供給空間14に補充することができる。定量供給空間14に所定量のコーヒー豆が提供されているか否かを測定することは、他の方法及び/又は場所でも、例えば他の種類の測定装置及び/又は排出口11の下方の地点でもそれぞれ行うことができることが明らかであろう。
【0096】
次のステップでは、定量供給装置13は、少なくとも定量供給空間14に所定量のコーヒー豆が提供されたことが測定されたときに、コーヒー豆を定量供給空間14から供給口5へ放出することができる。このために、回転要素22は、定量供給空間14を例えば供給口5の上方の、少なくともコーヒー豆が好的には重力の影響下で定量供給空間14から供給口5へ送出されるような位置に位置決めすることができる。このために、回転要素22をさらに回転させることができ、例えば回転要素22を、駆動部27によって駆動される切断ディスク15Aで運ぶか、又は回転要素22を、第2の通路15B及び定量供給空間14が供給口5の上方へ延びるまで直接駆動する。図5Hにおいて、供給口5及び定量供給空間14は、コーヒー豆を定量供給空間14から供給口5へ送出するために互いに接続されているところが示されている。
【0097】
コーヒー豆を供給口5を介してグラインダー6へ送出した後で、所定量のコーヒー豆をパッケージ3からグラインダー6へ送出するサイクルを再び開始することができる。切断ディスク15A及び回転要素22は例えば再び送出位置へ移動して戻ることができるため、豆は、少なくともパッケージ3の結合状態及び排出口11の解放状態においてパッケージ3から定量供給空間14へ送出されることができる。
【0098】
一実施形態では、接続装置4は、排出口11がクロージャー12Aによって閉鎖されているときにのみパッケージ3が外されることができるように構成される。例えば、パッケージ3は、機器2と結合されていた向きと同じ向きでのみ外されることができる。このために、例えば、パッケージ3は、排出口11がクロージャー12Aによって再び閉鎖されることができるように回転し戻されることになる。別の実施形態では、各定量供給後に、パッケージ3は機器2、特に接続装置4によって自動的に回転し戻され、それによって排出口11がクロージャー12Aによって閉鎖される。
【0099】
一実施形態では、定量供給装置13は、複数回分の所定のコーヒー豆の量を設定することができるように構成することができる。例えば、定量供給装置13には、様々な量に対応する様々な容積の複数の定量供給空間14が設けられる。定量供給装置13は、この場合、例えばユーザーによる操作要素の操作を通じて、様々な所定のコーヒー豆の量を所望に応じて定量供給空間14のうちの1つからグラインダー6へ送出するように構成されることができる。
【0100】
特定の実施形態では、コーヒー豆供給口5は例えば、例えば図1に概略的に示されているようにグラインダー6の一部とすることができるか、又は例えば図2Aに示されるような別個に配置された給送口(feed-through)を備えることができる。図において、図2Aでは、コーヒー豆供給口5は或る種の漏斗として示されている。
【0101】
図示しないさらなる実施形態では、定量供給装置13は例えばパッケージ3の一部である。定量供給装置13は例えば、使用時に排出口11の下に延在するように構成され、この場合、定量供給空間14及び排出口11は、遮断手段15によって排出口11を空け、また遮断手段15によって閉鎖するために、互いに対して移動可能に構成されることができる。
【0102】
閉鎖手段12は、パッケージ3から送出された一定量のコーヒー豆をパッケージ3内のコーヒー豆から隔離するために配置されることができる。一定量のコーヒー豆を送出した後で、閉鎖手段12は排出口11及び/又は定量供給空間14を閉鎖することができる。したがって、本明細書では閉鎖手段12は定量供給装置13の一部としてみなされることができる。
【0103】
また別の実施形態では、コーヒー豆パッケージの内部空間は、未使用の場合は、少なくとも20グラム、より詳細には少なくとも50グラム、さらにより詳細には少なくとも70グラム、さらにより詳細には少なくとも200グラムのコーヒー豆を含む。ここから、複数回分の量のコーヒー飲料を定量供給することができる。コーヒー製造機器は、様々な種類のコーヒー飲料を連続的に、すなわち異なるコーヒー豆の種類に基づいて調製するのに好適であるものとすることができるため、コーヒー豆パッケージを比較的小さい容積とすることが好ましいであろう。コーヒー豆パッケージは使い捨てとすることができ、これは1つには、使用が簡便であるという利点があり、製造コストを低く抑えることができる。パッケージは概して、環境に優しく処分可能な、分解可能な、又は再利用可能な材料、例えば箔、紙又はセルロースから作製することができる。別の実施形態では、パッケージ3は一回分の量のコーヒー豆のみを備えることができるため、システムはパッケージの毎回の接続の後で、一回分の量のコーヒー豆を処理し、一回分の消費、例えば一杯分のコーヒー飲料を調製する。この場合、例えば、パッケージが未使用の場合の内部空間は、一回分のコーヒー消費、例えば一杯分のコーヒー、好的には約5乃至10グラム、より好的には約6乃至8グラムのコーヒー豆を調整するためのコーヒー豆の量を備えることになる。
【0104】
さらに別の実施形態では、パッケージ3の上面を、コーヒー豆を内部空間へ供給するために開放することができる。例えば、上面は恒久的に開放しているか、又はパッケージ3には着脱可能な若しくはヒンジ式のカバーが設けられる。したがってパッケージ3には少なくとも周壁及び底部が設けられる。
【0105】
さらなる実施形態では、パッケージ3は、少なくとも使用前には箔及び/又は第2のパッケージによって包囲されており、当該該箔及び/又は第2のパッケージは、周囲空気がパッケージ3内のコーヒー豆と交わることを防止する。箔及び/又は第2のパッケージには、例えばガスがコーヒー豆から放出されることにより、箔及び/又は第2のパッケージ内に生じるであろう例えば過剰な圧力に関して、ガス抜きのために弁を設けることができる。パッケージ3、及び/又は第1のパッケージ3の周りの箔若しくは第2のパッケージに設けることができる弁を用いて、酸素等のガスをパッケージ3から、及び/又は箔若しくは第2のパッケージから圧送することができる。
【0106】
一実施形態では、パッケージ3の内部空間及び/又は壁には、酸素吸収材料、及び/又は貯蔵寿命を延ばすガスを提供することができる。
【0107】
記載した変形形態及び多くの匹敵する変形形態、並びにそれらの組合せは、特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲内にあるものと理解される。明らかに、種々の実施形態及び/又はそれらの組合せの種々の態様は、互いに組み合わせることができると共に入れ替えることができる。したがって、言及した実施形態のみに限定されることはないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を定量供給するシステムは、
複数回分の量のコーヒー豆用の内部空間を少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの壁と、コーヒー豆を送出するコーヒー豆排出口とが設けられたコーヒー豆パッケージと、
コーヒー豆グラインダーが設けられた機器と、
コーヒー豆を該コーヒー豆パッケージから該グラインダーへ供給するコーヒー豆供給口と、
該機器に対して該コーヒー豆パッケージを接続して分離することで、該コーヒー豆排出口を該コーヒー豆供給口に接続して分離することができるようにする、接続装置と、
一回分の所定量のコーヒー豆を該コーヒー豆排出口から該コーヒー豆供給口へ給送するように構成される定量供給空間が設けられた定量供給装置と、
を備える、システム。
【請求項2】
該定量供給装置は、該所定量のコーヒー豆が給送された後で該コーヒー豆排出口を閉鎖するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
該定量供給装置は、該定量供給空間内の一定量のコーヒー豆と該パッケージ内の該コーヒー豆とを隔離するように、該コーヒー豆排出口に対して少なくとも部分的に移動可能に構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
該定量供給装置は回転要素を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
該コーヒー豆パッケージが該機器に接続されているときに、該定量供給装置は、該定量供給空間が、第1の位置において、該コーヒー豆排出口と結合されることによって、コーヒー豆を該パッケージから該定量供給空間へ送出することができ、また、第2の位置において、該定量供給空間が該コーヒー豆供給口と結合されることによって、コーヒー豆を該定量供給空間から該グラインダーへ供給することができるように構成され、該第2の位置において該コーヒー豆排出口は閉鎖されている、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも該コーヒー豆パッケージが該機器に結合されているときに、該所定量のコーヒー豆が重力の影響下で該グラインダーへ供給されるように構成される、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
該定量供給装置には、該コーヒー豆パッケージの該コーヒー豆排出口を閉鎖する閉鎖手段が設けられる、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
該閉鎖手段は遮断手段を備え、該機器には、該コーヒー豆排出口を閉鎖するか、又は該排出口を該定量供給空間と結合するように該排出口を解放する該遮断手段が設けられ、それによって、コーヒー豆を該排出口から該定量供給空間へ送出することができ、該遮断手段には好的には切断縁部が設けられる、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
該閉鎖手段は再閉可能なクロージャーを備え、該コーヒー豆パッケージには該コーヒー豆排出口を閉鎖する該再閉可能なクロージャーが設けられる、請求項7又は請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
該クロージャーには通路を有する弁が設けられており、該弁及び該通路は該排出口に対して移動可能に構成されているため、該排出口は該弁によって閉鎖されるか、又は該通路が該排出口と少なくとも部分的に重なることで解放され、それによって、所定量のコーヒー豆を該排出口を通して該定量供給空間へ送出することができる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
該接続装置は、該パッケージが該機器に接続されると該クロージャーを係止解除するように構成される、請求項9又は請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
該クロージャーは、該機器と接続された状態で該排出口に対して回転することができる回転ディスクを備え、該接続装置は、該クロージャーと係合して該クロージャーを停止させるように構成され、一方で該排出口は該クロージャーに対して移動し、それによって、該排出口は接続状態で解放されるか又は閉鎖される、請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
該接続装置には、該クロージャーと係合する少なくとも1つの係止解除カムが設けられ、該係止解除カムは該クロージャーを停止させるように構成され、一方で該パッケージの残りの部分は回転するため、該排出口は該クロージャーによって解放又は閉鎖される、請求項9乃至請求項12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
該接続装置は該機器のスイッチを入れるスイッチを備え、該パッケージには該パッケージの下面付近に停止部が設けられ、該停止部は、該排出口に対して固定位置を有し、該排出口が該クロージャーに対して回転して該定量供給空間の実質的に上方の位置になると該スイッチを作動させるように構成される、請求項9乃至請求項13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
該機器には第1のフランジが設けられており、該パッケージの下面付近には第2のフランジが設けられており、該第2のフランジは該排出口に対して固定位置を有し、該第1のフランジ及び該第2のフランジは、該排出口が該クロージャーに対して回転すると互いに重なるようガイドされるように構成され、該第1のフランジは、該パッケージが該機器に接続されてわずかに回転した状態では、該第2のフランジの上部に係合して該パッケージを該機器に少なくとも1つの方向で係止するように構成される、請求項9乃至請求項14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
該機器にはカムが設けられ、該カムは、接続時及び/又は回転時に該パッケージをガイドするように構成され、該パッケージが該機器に接続されると該機器の作動を可能にする検出システムに接続され、かつ、好的には該パッケージを該機器に対して係止するように構成される、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
該内部空間はその内側が、該内部空間内のコーヒー豆を該コーヒー豆排出口へガイドするように該コーヒー豆排出口の方向に少なくともわずかにテーパ状になっている、請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
該定量供給装置には、該定量供給空間が実質的に該所定量のコーヒー豆を収容しているか否かを判断するように少なくとも構成される測定装置がさらに設けられる、請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
該定量供給装置は、該定量供給空間が、コーヒー豆の供給後に、該定量供給空間が実質的に該所定量のコーヒー豆を収容しているか否かを判断する該測定装置へ移動するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
該定量供給空間が実質的に該所定量に従って充填されているか否かを少なくとも表すインジケーターが設けられる、請求項18又は請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
該コーヒー豆パッケージには、それぞれ該パッケージを該接続装置にガイドし、かつ/又は該接続装置と結合するガイド部が設けられる、請求項1乃至請求項20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
該パッケージの該上面は開放しており、かつ/又は着脱可能なキャップが設けられている、請求項1乃至請求項21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
コーヒー豆の定量供給機器は、
コーヒー豆グラインダーと、
コーヒー豆を該グラインダーへ供給するコーヒー豆供給口と、
一回分の所定量のコーヒー豆をコーヒー豆パッケージから該コーヒー豆供給口へ通過させるように構成される定量供給空間と、
コーヒー豆パッケージを該機器に接続する接続装置と、
を備え、
該定量供給空間は、該所定量のコーヒー豆を該パッケージの内部空間内のコーヒー豆と隔離するよう、該パッケージを定位置に保つように構成される該接続装置の一部に対して少なくとも部分的に移動可能に構成される、定量供給機器。
【請求項24】
該機器は、使用時に、該グラインダーへ供給されたコーヒー豆の少なくとも実質的に全量が挽かれたときに限って該グラインダーが停止されるように構成される、請求項23に記載の定量供給機器。
【請求項25】
請求項23又は請求項24に記載の定量供給機器が設けられたコーヒー製造機器。
【請求項26】
コーヒー豆パッケージは、
内部空間を少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの壁と、
コーヒー豆を送出するコーヒー豆排出口と、
通路を有する弁であって、該通路は該排出口に対して移動可能に構成されているため、該排出口は、所定量のコーヒー豆を通すように、該通路が該排出口と少なくとも部分的に重なることで解放されるか、又は、該通した量のコーヒー豆を該内部空間内のコーヒー豆から隔離するように該弁によって閉鎖され、該弁は、該弁が該排出口を閉鎖する閉位置と、該通路が該排出口を解放して所定量のコーヒー豆を通す解放位置との間で回転することができる回転ディスクを備える、弁と、
を備える、コーヒー豆パッケージ。
【請求項27】
該コーヒー豆パッケージの下面は実質的に平坦であり、少なくとも該パッケージのどの部分も該排出口の下に突出しない、請求項26に記載のコーヒー豆パッケージ。
【請求項28】
該パッケージには、該パッケージの少なくとも使用位置において該排出口の比較的下に延在し、該排出口に対して移動可能に構成される定量供給空間がさらに設けられる、請求項26又は請求項27に記載のコーヒー豆パッケージ。
【請求項29】
コーヒー豆を定量供給する方法は、
周囲空気がコーヒー豆と接触しないように、複数回分の所定量のコーヒー豆を1つのコーヒー豆パッケージに包装することと、
該コーヒー豆パッケージを、グラインダーを有する機器に直接接続することと、
接続状態で、一回分の所定量のコーヒー豆を該パッケージから該グラインダーへ供給することと、
を含む、方法。
【請求項30】
該機器には、該パッケージと該グラインダーとの間に所定量のコーヒー豆を保持する定量供給空間が設けられ、該所定量のコーヒー豆は該パッケージから該定量供給空間内へ装填される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
該機器は、該パッケージ内のコーヒー豆と該定量供給空間内のコーヒー豆とを互いから隔離する、請求項29又は請求項30に記載の方法。
【請求項32】
該一定量のコーヒー豆を該定量供給空間内に装填した後で、該定量供給空間は、コーヒー豆供給口に接続されて該一定量のコーヒー豆を該グラインダーへ供給するまで該排出口に対して移動する、請求項29乃至請求項31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
該パッケージには通路を有する回転ディスクが設けられ、該回転ディスクは該パッケージの該排出口を閉鎖し、該回転ディスクは、その閉鎖状態では該排出口に対して係止されており、該回転ディスクは、該回転ディスクが排出口に対して係止解除されるように該機器に接続され、該排出口は、該通路が実質的に該排出口の上方に延在するまで該回転ディスクに対して回転する、請求項29乃至請求項32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
該パッケージは接続状態で、該排出口が該回転ディスクに対して少なくともわずかに回転した後では該機器に係止されており、該排出口は、コーヒー豆の送出後に再び回転されて該閉鎖状態に戻り、その後、該パッケージは、該機器に対して係止解除されてから該機器から外される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
該パッケージは、該通路が実質的に該排出口の上方に延在すると機器のスイッチをオンにし、所定量のコーヒー豆が該パッケージから該定量供給空間へ通る、請求項33又は請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【公表番号】特表2012−510335(P2012−510335A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539465(P2011−539465)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050736
【国際公開番号】WO2010/064912
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(591157394)サラ リー/デーエー ビー.ヴィ. (29)
【Fターム(参考)】