説明

ゴムベール用箱体及びゴムベールの保管方法

【課題】水分を含有したゴムベールを収納するための箱体であって、ゴムベールの保管中に析出する水分を閉じ込めることなく、よって水分によるゴムベールの品質低下を防止することができ、かつ収納するゴムベールへの異物混入を防止でき、更に十分な機械的強度を有するという優れた特徴を有するゴムベール用箱体を提供する。
【解決手段】(A):側壁面に開口部を有し、その開口率が50〜90%(B):箱体の側壁面が強度補償用の柱部分及び側壁板からなり、該柱部分は縦強度補償用柱1と横縦強度補償用柱2からなる (C):箱体の底部に表面コーティングのない段ボール紙からなる底板4を有し、該底板の四辺は箱体の側壁の内側に沿って立ち上がった構造を有する 等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムベール用箱体及びゴムベールの保管方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、水分を含有したゴムベールを収納するための箱体であって、ゴムベールの保管中に析出する水分を閉じ込めることなく、よって水分によるゴムベールの品質低下を防止することができ、かつ収納するゴムベールへの異物混入を防止でき、更に十分な機械的強度を有するという優れた特徴を有するゴムベール用箱体及び該箱体内に水分を含有したゴムベールを収納して保管するゴムベールの保管方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴムベールとは、ゴム製品に成形加工する前の合成ゴムからなり、通常、縦20〜45×横50〜80×高さ15〜40cm程度の直方体の固形体を言う。ゴムベールは、各種の添加物を配合して混練加工され、成形、加硫などの工程を経て、最終ゴム製品とされる。
【0003】
製造されたゴムベールは、製造過程で用いられた水分を約0.1〜1.0重量%程度含有する。ゴムベールは箱体(コンテナ)に積み重ねて収納・保管されるのが一般である(特許文献1、2参照。)。ところが、保管中にゴムベールに含まれていた水分が析出し、該水分がゴムベールの表面に結露し、またコンテナの底部に溜まった水分はコンテナ底部に収納されたゴムベールを著しく濡らし、更に水分がゴムベール表面への黴(かび)の発生を促すという問題を発生し、よってゴムベールの品質を低下させるという不都合を生じていた。
【0004】
【特許文献1】特開平8−143097号公報
【特許文献2】特開2001−240183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、水分を含有したゴムベールを収納するための箱体であって、ゴムベールの保管中に析出する水分を閉じ込めることなく、よって水分によるゴムベールの品質低下を防止することができ、かつ収納するゴムベールへの異物混入を防止でき、更に十分な機械的強度を有するという優れた特徴を有するゴムベール用箱体及び該箱体内に水分を含有したゴムベールを収納して保管するゴムベールの保管方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明のうち第一の発明は、水分を含有したゴムベールを収納するための箱体であって、下記(A)〜(E)のすべての条件を満足するゴムベール用箱体に係るものである。
(A):側壁面に開口部を有し、その開口率が50〜90%であること
(B):箱体の側壁面が強度補償用の柱部分及び側壁板からなり、該柱部分は縦強度補償用柱と横縦強度補償用柱からなること
(C):箱体の底部に表面コーティングのない段ボール紙からなる底板を有し、該底板の四辺は箱体の側壁の内側に沿って立ち上がった構造を有すること
(D):箱体の側壁の内側に表面コーティングのない段ボール紙からなる側板を有し、該側板は隣り合う二面が一体としてなる二組からなり、異なる組との接触部分は合重なる構造であり、かつ側板の下部は前記底板の立ち上がり部の外側に重なる構造を有すること
(E):箱体の上部に表面コーティングのない段ボール紙からなる天板を有し、該天板四辺は箱体の側壁の内側であって、前記側板の外側に重なって立ち下がる構造であり、かつ該立ち下り部分の端部に斜め方向の切欠きを有すること
【0007】
また、本発明のうち第二の発明は、請求項1に記載の箱体内に水分を含有したゴムベールを収納して保管するゴムベールの保管方法に係るものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、水分を含有したゴムベールを収納するための箱体であって、ゴムベールの保管中に析出する水分を閉じ込めることなく、よって水分によるゴムベールの品質低下を防止することができ、かつ収納するゴムベールへの異物混入を防止でき、更に十分な機械的強度を有するという優れた特徴を有するゴムベール用箱体及び該箱体内に水分を含有したゴムベールを収納して保管するゴムベールの保管方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の箱体は、概ね直方体又は立方体の形状を有し、その大きさは、通常、縦110〜120cm×横110〜150cm×高さ90〜130cm程度である。
【0010】
本発明の箱体は、側壁面に開口部を有し、その開口率が50〜90%であり、好ましくは開口率が65〜85%である。開口率が低すぎると、ゴムベールの保管中に析出する水分を閉じ込めることなく、よって水分によるゴムベールの品質低下を防止するという課題を解決することができず、一方開口率が高すぎると箱体自体の強度上の問題が発生する。
【0011】
本発明の開口率とは、側壁面の全面積に占める開口部分の合計面積の割合をいう。開口率の算出にあたっては、表面コーティングのない段ボール紙からなる側壁面の面積は開口部分の面積に含めて算出する。
【0012】
本発明の箱体は、その側壁面が強度補償用の柱部分及び側壁板からなり、該柱部分は縦強度補償用柱と横縦強度補償用柱からなり、かつ箱体の内側に開口部を塞ぐための表面コーティングのない段ボール紙からなる側板を有するもの(図1)である。このようにすることにより、箱体自体の強度を十分に補償し、かつゴムベールより析出した水分が表面コーティングのない段ボール紙に積極的に吸収して除去され、該吸収された水分は箱体の開口部から箱体の外部へ蒸散し、ゴムベール表面への水分の滞留を防止することにより、水分による問題を解決できる。
【0013】
本発明の箱体は、縦強度補償用柱及び横強度補償用柱を有し、底部に隣接する側壁部に側壁板を有することで、表面コーティングの無い段ボール紙からなる側板が、側壁部の開口部分から、はみ出すことを防止できる。また、表面コーティングの無い段ボール紙からなる天板は、収納されるゴムベールにより、表面コーティングの無い段ボール紙からなる側板と、縦強度補償用柱及び横強度補償用柱に挟まれる構造であるため、隙間が無くなり、運搬中の振動等によっても、ずれが発生しない構造を有するため、異物の混入を防止することができる。
【0014】
開口部分は側壁面のある部分に集中しているより、側壁面全体に分布していることが好ましい。
【0015】
本発明の箱体は、内側に表面コーティングのない段ボール紙からなる底板、側板及び天板を有するものである。表面コーティングのない段ボール紙とは、撥水、防水用途で使用されるポリエチレンテレフタレートやポリエチレンフィルム等をラミネート加工したライナーや、アルミ蒸着加工したライナー等を使用ものではなく、通気性、吸水性、経済性、入手容易性などの観点から、ライナーは、Cライナー、Kライナーを使用し、中しんは一般中しん(120g/m2、150g/m2の,180g/m2)及び強化しん(180g/m2、200g/m2)を使用することが好ましい。ゴムベールへの段ボール紙接着剤の混入を防止する観点から、両面段ボール紙及び複両面段ボール紙を使用したものが好ましい。
【0016】
本発明の箱体は、箱体の底部に表面コーティングのない段ボール紙からなる底板を有し、該底板の四辺は箱体の側壁の内側に沿って立ち上がった構造を有するものであり、かつ箱体の側壁の内側に表面コーティングのない段ボール紙からなる側板を有し、該側板は隣り合う二面が一体としてなる二組からなり、異なる組との接触部分は合重なる構造であり、かつ側板の下部は前記底板の立ち上がり部の外側に重なる構造を有するものであり、かつ箱体の上部に表面コーティングのない段ボール紙からなる天板を有し、該天板四辺は箱体の側壁の内側であって、前記側板の外側に重なって立ち下がる構造であり、かつ該立ち下り部分の端部に斜め方向の切欠きを有するものである。このようにすることにより、表面コーティングのない段ボール紙からなる底板の立ち上がり部の外側に、表面コーティングのない段ボール紙からなる側板が重なり、かつ隣り合う二面の表面コーティングのない段ボール紙からなる側板が合重なり、かつ表面コーティングのない段ボール紙からなる側板の外側に、表面コーティングのない段ボール紙からなる天板が重なることで、箱体の開口部を塞ぐ各段ボール紙同士に隙間が無くなることによって、保管されるゴムベールへの異物の混入を防止することができる。重なりを有しない場合は、ゴムベールを保管する際に、各段ボール紙同士に隙間が発生するために異物の混入を防止することができない。
【0017】
また、表面コーティングのない段ボール紙からなる天板は、斜め方向の切欠きを有することにより、天板ゴムベールを収納した後に、強度補償用の柱部分と表面コーティングのない段ボール紙からなる側板の間に、容易に差し込むことができる構造となっている。このことにより、保管中の箱体に収納されたゴムベールの点検が必要になった際に、ゴムベール最上段の点検であれば、側壁面を取り外すことなく、表面コーティングのない段ボール紙からなる天板を取り外すことで点検することができる。
【0018】
ゴムベール側面部の点検であれば、該当する一面の側壁面を取り外し、表面コーティングのない段ボール紙からなる天板の側壁の内側に差し込んである部分のみを上に折り返し、表面コーティングのない段ボール紙からなる側板の該当する側壁面部分を外側に引き出すことで、容易に点検することができる。この際、表面コーティングのない段ボール紙からなる側板は、表面コーティングのない段ボール紙からなる底板の立ち上がり部の外側にあるため、容易に引き出すことが可能である。ゴムベールの点検終了後は、上記手順を逆に行なうことで、容易に元の姿に戻すことができる。異物混入防止及び保管中の点検の観点から、本発明の表面コーティングのない段ボール紙からなる底板、側板及び天板のそれぞれの形状と、その重ね合わせ方法は、極めて重要なのである。
【0019】
箱体の段ボール部分を除く、構成部分は、鉄、ステンレス等の金属、各種プラスチック等を用いることができる。本発明の箱体の具体例としては、特開平8−143097号公報や、特開2001−240183号公報に記載されたものに、強度補償用の柱部分及び側壁面に開口部を設けたものをあげることができる。
【0020】
本発明の箱体内に水分を含有したゴムベールを収納して保管することにより、前記の本発明が解決しようとする課題が解決できる。また、ゴムベールを収納した本発明の箱体は、倉庫、工場、作業場などの屋根のついた場所、運搬に使用するコンテナ内、トラック荷台、船内等、雨などの水の影響を受けない場所での保管が好ましい。なお、本発明の箱体は、異物の混入を防止できるため、水分を含有したゴムベールを収納して、トラック、船、飛行機で運搬することができる。
【0021】
なお、ゴムベールは、通常、汚染を防止するため、ポリエチレン等のフィルム(通気用の小孔を有する場合もある。)に包んで箱体内に収納される。
【実施例】
【0022】
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
図1に示す箱体(縦112.5cm×横145cm×高さ95cm、高さには、パレット高さ12cmを含まない)を用いた。側壁面は、縦強度補償用柱(1)、横強度補償用柱(2)及び箱体の底板に隣接する高さ10cmの側壁板(3)はスチールからなる。全側壁面の面積は、4.89m2であり、側壁面の開口部分の合計面積は3.59m2であり、よって開口率は73.4%である。
図1に示す箱体の内側に、図2に示すコーティングの無い段ボール紙(170g/m2のCライナーと、120g/m2の一般中しんと、170g/m2のCライナーを貼りあわせた、厚み約5mmAフルート段ボール紙)からなる底板(4)、側板(5、5’)及び天板(6)をそれぞれ、点線にあわせ90°段ボールを折り曲げ、図3に示す段ボール紙形状にし、図4及び図5(図4中のe部分の詳細図)のように、底板(4)の外側に、側板(5)及び側板(5')を10cm幅で重ね、側板(5)と側板(5')をお互いに10cm幅で重ね合わせ、その外側に、天板(6)を最大30cm幅で重ね合わせ、開口部を塞ぐ形で覆い、ゴムベール(エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、約35×70×20cm程度の直方体、初期の水分含有量は約1重量%)を図1に示す箱体内に重ねて合計30個収納した。同様に行った40個の箱体を4段に積み重ねた状態で、20個を15〜25℃の倉庫内に7日間保管し、また残りの20個を45〜50℃の倉庫に2日間保管した後、それぞれの箱体内及びゴムベールの表面を観察した。その結果、いずれの場合も、すべての箱体について、水分の滞留や結露及び収納されたゴムベールへの異物の混入は見られなかった。なお、18個の箱体を屋根及び側壁の付いている荷台を有するトラック(外部から荷台を見ることはできない。)に載せ、千葉県袖ヶ浦市から福岡県博多区まで輸送を行なったが、段ボール紙天板及び側板の箱体からのはみ出し及び収納されたゴムベールへの異物の混入は見られなかった。
【0023】
実施例2
実施例1にて、ゴムベールを収納した図1に示す箱体(縦112.05cm×横144.70cm×高さ95cm、高さには、パレット高さ12cmを含まない)を用いた。機械的強度を確認するため、箱体を圧縮試験機に荷重が均等に加わるようにセットし、100kN(10.197tf)時、及び120kN(12.237tf)及び150kN(15.296tf)時で、箱体上から40cm部分の寸法の測定を行なった。100kN荷重時、箱体の寸法は、縦1117.0cm×横145.05cmであり、無荷重(0kN)に比較して、縦+0.35cm、横−0.35cmの寸法差であり、外観上も破損は見られなかった。また、120kN荷重時、箱体の寸法は、縦112.00cm×横144.80cmであり、無荷重(0kN)に比較して、縦−0.05cm、横+0.10cmの寸法差であり、外観上も破損は見られなかった。また、150kN荷重時、箱体の寸法は、縦1119.0cm×横145.05cmであり、無荷重(0kN)に比較して、縦+0.35cm、横−0.15cmの寸法差であり、外観上も破損は見られなかった。
【0024】
比較例1〜4
従来の箱体として、特開平8−143097号公報に示す、側壁面をポリプロピレン製パネルで覆われた箱体(縦112.5cm×横144.9cm×高さ91.3cm、高さには、パレット高さ12.4cmを含まない)(比較例1)、特開2001−240183号公報に示す、側壁面を鉄製の側板で覆われた箱体(縦112.5cm×横144.9cm×高さ95cm、高さには、パレット高さ12cmを含まない)(比較例2)、図1に示す箱体の側壁面の開口部を鉄製の側板にて埋めた箱体(比較例3)及び実施例1に示す箱体の段ボール紙部分に表面コーティングのある段ボール紙(ポリエチレンフィルムをラミネートしたライナー)を用いた箱体(比較例4)を用いた。それぞれゴムベール(エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、約35×70×19cm程度の直方体、初期の水分含有量は約1重量%)を箱体内に重ねて合計30個収納した。同様に行った40個の箱体を4段に積み重ねた状態で、20個を15〜25℃の倉庫内に7日間保管し、また残りの20個を45〜50℃の倉庫に2日間保管した後、それぞれの箱体内及びゴムベールの表面を観察した。その結果、15〜25℃の倉庫内に、7日間保管した場合は、すべての箱体について、箱体の底部に水分が滞留し、ゴムベールの表面に結露が見られ、45〜50℃の倉庫に2日間保管した場合は、すべての箱体について、箱体の底部に水分の滞留が無かったが、ゴムベールの表面に結露が見られた。
【0025】
比較例5
従来の箱体として、図1に示す箱体の横強度補償用柱(2)及び側壁板(3)がない箱体を用いた。この箱体の内側に、図2に示すコーティングのない段ボール紙(170g/m2のCライナーと、120g/m2の一般中しんと、170g/m2のCライナーを貼りあわせた、厚み約5mmAフルート段ボール紙)からなる底板(4)、側板(5、5’)及び天板(6)について、それぞれに重ね合わる部分のない形状に加工した段ボール紙を用い、開口部を塞ぐ形で覆い、ゴムベール(エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、約35×70×19cm程度の直方体、初期の水分含有量は約1重量%)を箱体内に重ねて合計30個収納した。同様に行った40個の箱体を4段に積み重ねた状態で、20個を15〜25℃の倉庫内に7日間保管し、また残りの20個を45〜50℃の倉庫に2日間保管した後、それぞれの箱体内及びゴムベールの表面を観察した。その結果、いずれの場合も、すべての箱体について、水分の滞留や結露は見られなかったが、ゴムベールの静置状態での流れ性(「フロー」という。)により、表面コーティングのない段ボールからなる側板に圧力がかかり、表面コーティングのない段ボールからなる側板が、箱体の外側へ浮き上がる形で押されたため、ずれが発生し、段ボールからなる側板、天板、底板の間に、隙間が空いたことで、箱体外部から収納されたゴムベールが見える状態となり、収納されたゴムベールの表面に埃(ほこり)の付着が見られた。
【0026】
比較例6
従来の箱体として、ゴムベールを収納した図1に示す箱体の横強度補償用柱(2)がない箱体(縦111.70cm×横144.40cm×高さ95cm、高さには、パレット高さ12cmを含まない)を用いた。実施例2と同条件で、機械的強度を確認するため、箱体を圧縮試験機に荷重が均等に加わるようにセットし、100kN(10.197tf)時、及び120kN(12.237tf)及び150kN(15.296tf)時で、箱体上から50cm部分の寸法の測定を行なった。100kN荷重時、箱体の寸法は、縦112.65cm×横144.40cmであり、無荷重(0kN)に比較して、縦+0.95cm、横−1.05cmの寸法差であり、箱体のゆがみは、実施例2の同条件と比較して大きいが、外観上も破損は見られなかった。また、120kN荷重時、箱体の寸法は、縦113.05cm×横145.60cmであり、無荷重(0kN)に比較して、縦+1.35cm、横+1.20cmの寸法差であり、箱体のゆがみは、実施例2の同条件と比較して大きく、かつ前記の100kN荷重時と比較して大きくなり、外観上も縦強度補償用柱の1本が折れ曲がる結果となった。また、150kN荷重時、箱体の寸法は、縦1140.0cm×横146.35cmであり、無荷重(0kN)に比較して、縦+2.30cm、横−1.95cmの寸法差であり、箱体のゆがみは、実施例2の同条件と比較して大きく、かつ前記の120kN荷重時と比較して大きくなり、外観上も縦強度補償用柱の1本が折れ曲がる結果となった。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例1で用いた箱体の外観を示す図である。
【図2】実施例1の段ボール紙の形状を示す図である。
【図3】実施例1の段ボール紙の折り曲げた後の形状及び組み立てを示す図である。
【図4】実施例1の段ボール紙の重なり状態を示す図である。
【図5】実施例1の図4に示したコーナー部分の段ボール紙からなる側板と底板の重なりを示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1: 縦強度補償用柱
2: 横強度補償用柱
3: 側壁板
4: 段ボール紙からなる底板
5: 段ボール紙からなる側板
6: 段ボール紙からなる天板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を含有したゴムベールを収納するための箱体であって、下記(A)〜(E)のすべての条件を満足するゴムベール用箱体。
(A):側壁面に開口部を有し、その開口率が50〜90%であること
(B):箱体の側壁面が強度補償用の柱部分及び側壁板からなり、該柱部分は縦強度補償用柱と横縦強度補償用柱からなること
(C):箱体の底部に表面コーティングのない段ボール紙からなる底板を有し、該底板の四辺は箱体の側壁の内側に沿って立ち上がった構造を有すること
(D):箱体の側壁の内側に表面コーティングのない段ボール紙からなる側板を有し、該側板は隣り合う二面が一体としてなる二組からなり、異なる組との接触部分は合重なる構造であり、かつ側板の下部は前記底板の立ち上がり部の外側に重なる構造を有すること
(E):箱体の上部に表面コーティングのない段ボール紙からなる天板を有し、該天板四辺は箱体の側壁の内側であって、前記側板の外側に重なって立ち下がる構造であり、かつ該立ち下り部分の端部に斜め方向の切欠きを有すること
【請求項2】
請求項1に記載の箱体内に水分を含有したゴムベールを収納して保管するゴムベールの保管方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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