説明

ゴルフクラブ

【課題】ヘッドスピードを速くする長尺のゴルフクラブを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブ1は、60度法により測定されるクラブ長さをLとしたときのLの値が45.5インチ以上のゴルフクラブ1であって、シャフト3と、シャフト3の一方端に取り付けられたグリップ2と、シャフト3の他方端に取り付けられたヘッド4とを備えている。グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離をrとしたときのr/Lの値が0.658以上0.732以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフクラブに関し、特に、いわゆる長尺のゴルフクラブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフクラブには飛距離を向上することが求められている。飛距離を向上するためには、ゴルフクラブのヘッドスピードを速くすることが有効である。ゴルフクラブのヘッドスピードを速くするためには、ゴルフクラブのクラブ長さを長くすることが有効である。そのため、ゴルフクラブのクラブ長さは長くなってきている。ゴルフクラブのクラブ長さは、以前では43インチが主流であったが、現在では45インチが主流になっている。そして、現在ではゴルフクラブのクラブ長さが45.5インチ以上のいわゆる長尺のゴルフクラブも使用されている。
【0003】
単純にゴルフクラブのクラブ長さを長くすると、慣性モーメントが大きくなるためゴルフクラブを振り難くなる。そこで、ゴルフクラブの慣性モーメントを低減させることが提案されている。たとえば、特開2000−185119号公報(特許文献1)には、スイングする時に軽く振り廻せるようにするためのゴルフクラブが提案されている。この公報のゴルフクラブでは、集中質量である重錘がグリップ内に付加されている。この重錘は、グリップの回転中心を中心として4cmの範囲内に設けられている。また、この重錘は5g〜18gが最適であると記載されている。これにより、このゴルフクラブの慣性モーメントを低減させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−185119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゴルフクラブのヘッドスピードを速くするためにゴルフクラブのクラブ長さを長くした場合、クラブ長さが45.5インチ以上に長尺化されると、多くのゴルファーではヘッドスピードが速くならないことがわかった。これはゴルフクラブのクラブ長さが45.5インチ以上になると、ゴルフクラブの重量が重くなることなどによってゴルフクラブが振り難くなるため、ゴルフクラブの回転速度(回転角速度)が低下することが要因の一つと考えられる。このように単純にゴルフクラブのクラブ長さを長くしただけではヘッドスピードが速くならないということがわかった。
【0006】
なお、上記公報のゴルフクラブは、ヘッドスピードを速くすることには着目していない。また、上記公報は長尺のゴルフクラブにも着目していない。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ヘッドスピードを速くする長尺のゴルフクラブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のゴルフクラブは、60度法により測定されるクラブ長さをLとしたときのLの値が45.5インチ以上のゴルフクラブであって、シャフトと、シャフトの一方端に取り付けられたグリップと、シャフトの他方端に取り付けられたヘッドとを備えている。グリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離をrとしたときのr/Lの値が0.658以上0.732以下である。
【0009】
通常、ゴルフクラブを長尺にすればするほどヘッドスピードは上がるといわれているが、本発明者等が検討したところ、必ずしもヘッドスピードが上がらないことがわかった。
【0010】
本発明者等は、ゴルフクラブを長尺にした場合でもヘッドスピードを上げる手法について鋭意検討し、ゴルフクラブの重心率を小さくすることによってヘッドスピードを速くすることができるという知見を得た。
【0011】
以下、この知見を得た経緯について説明する。ゴルフクラブの重心位置と回転中心CORとの距離を回転半径r1とすると、ゴルフクラブの運動は時々刻々変化する回転中心CORと回転半径r1とで決まる回転運動とすることができる。この回転半径r1について説明する。任意の瞬間における物体の運動状態は、1点回りの回転運動にほかならず、その中心を回転中心CORとする。瞬間回転中心ともいう。瞬間回転中心は瞬間速度が0になる点としても定義される。この回転中心CORとゴルフクラブの重心との距離を回転半径r1とする。よってこの回転半径r1も時々刻々変化する。
【0012】
ゴルフクラブのヘッドと回転中心CORとの距離を回転長さL1とし、ゴルフクラブの重心位置の速度をVcgとすると、ヘッドスピードVhは、Vh=L1/r1×Vcgと表すことができる。
【0013】
スイングを分解して考えると、回転長さL1はゴルフクラブが長くなると大きくなるが、回転半径r1も大きくなる。そのため、単純にゴルフクラブのクラブ長さを長くしただけではL1/r1が大きくならない。また、本発明者が検討したところ、重心位置の速度Vcgはほとんど変わらないことがわかった。そのため、L1/r1を大きくできれば、ヘッドスピードを上昇することができる。
【0014】
このL1/r1を大きくするためには、L1を大きくしr1を小さくすればよい。つまり、ゴルフクラブを長尺にして、重心位置を手元にしたクラブが有効であることがわかった。すなわち、クラブ長を大きくし、グリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離を小さくすることでL1/r1を大きくすることができる。
【0015】
グリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離rをクラブ長さLで除した値が重心率r/Lである。L1/r1を大きくすることは、ゴルフクラブのスペックの一つである重心率r/Lを小さくすることに相当する。
【0016】
本発明者は、この知見に基づき重心率に着目し、長尺のゴルフクラブであっても重心率を最適化することによって、ヘッドスピードを速くすることができることを知得した。本発明者は、重心率を最適化し、ヘッドスピードが速くなるように長尺のゴルフクラブを設計できることを見出した。
【0017】
60度法は、日本ゴルフ協会が発行するゴルフ規則に定められたクラブ長さの測定方法である。この測定方法では、クラブ長さは、クラブを水平面に置き、ソールを角度60度の面に当てて測定したときの二つの面の交差点からグリップの上端までの距離と定義されている。また、クラブ長が45.5インチ以上のゴルフクラブを長尺のゴルフクラブとする。
【0018】
発明者が鋭意検討したところ、クラブ長さLが45.5インチ以上のゴルフクラブにおいて、グリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離をrとしたときの重心率r/Lの値が0.658以上0.732以下であるときに、ヘッドスピードを速くすることができることを知得した。つまり、このゴルフクラブでは、クラブ長さが45.5インチ以上の長尺のゴルフクラブにおいてヘッドスピードを速くすることができる。
【0019】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、rの値が0.785m以上0.865m以下である。これにより、クラブ長さ45.5インチ以上の長尺のゴルフクラブにおいてヘッドスピードを速くすることができる。
【0020】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、Lの値が46.5インチ以上である。これにより、クラブ長さを46.5インチ以上に長尺化してもヘッドスピードを速くすることができる。
【0021】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、r/Lの値が0.693以上0.720以下である。発明者が鋭意検討したところ、長尺のゴルフクラブにおいて、r/Lの値が0.693以上0.720以下であるときに振り易さを向上することができることを知得した。これにより、ヘッドスピードを速くすることができるとともに振り易さを向上することができる。
【0022】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、rの値が0.818m以上0.850m以下である。これにより、振り易さを向上することができる。このため、ヘッドスピードを速くすることができるとともに振り易さを向上することができる。
【0023】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、グリップの上端を回転軸とした場合のゴルフクラブの相当単振り子長をLpとしたときのLpの値が1.082m以上1.096m以下である。相当単振り子長は、慣性モーメントを1次モーメントで除した値である。慣性モーメントは、グリップの上端を支点にゴルフクラブを回転させることで示される量である。1次モーメントは、ゴルフクラブの質量にグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離を乗じた値である。
【0024】
発明者が鋭意検討したところ、長尺のゴルフクラブにおいて、Lpの値が1.082m以上1.096m以下であるときに、ゴルファーが好き嫌いの評価において好ましいとすることを知得した。これにより、ヘッドスピードを速くすることができるとともにゴルファーから好ましいとの評価を得ることができる。さらに、振り易さを向上することもあわせて実現できる。
【0025】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、rを調整するための錘がグリップの上端から0.1m以上0.5m以下の範囲に配置されている。これにより、重心率を最適化してヘッドスピードを速くすることができる。また、錘をグリップの下端に配置することによりゴルファーから好ましいとの評価を得ることができる。また、錘の位置の範囲を選択できるため、設計の自由度を向上することができる。
【0026】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、錘の質量が12g以上40g以下である。これにより、重心率を最適化してヘッドスピードを速くすることができる。また、錘の重さの範囲を選択できるため、設計の自由度を向上することができる。
【0027】
上記のゴルフクラブは、好ましくは、錘がタングステン含有プリプレグからなる。タングステン含有プリプレグは、樹脂の中にタングステン粉末が含有されたものである。ゴルフクラブの製造に使用されているタングステン含有プリプレグを錘として使用することにより、特別な製造装置が必要ないため、生産性を向上することができる。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明のゴルフクラブによれば、長尺のゴルフクラブにおいて、ヘッドスピードを速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施の形態におけるゴルフクラブの概略正面図である。
【図2】ゴルフクラブの回転運動を説明する概略図である。
【図3】実施例1におけるヘッドスピードとグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離との関係を示す図である。
【図4】実施例1におけるヘッドスピードと重心率との関係を示す図である。
【図5】実施例1におけるボール初速とグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離との関係を示す図である。
【図6】実施例1におけるボール初速と重心率との関係を示す図である。
【図7】実施例1における飛距離とグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離との関係を示す図である。
【図8】実施例1における飛距離と重心率との関係を示す図である。
【図9】実施例3における振り易さとグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離との関係を示す図である。
【図10】実施例3における振り易さと重心率との関係を示す図である。
【図11】実施例3における振り易さと相当単振り子長との関係を示す図である。
【図12】実施例3における好き嫌いとグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離との関係を示す図である。
【図13】実施例3における好き嫌いと重心率との関係を示す図である。
【図14】実施例3における好き嫌いと相当単振り子長との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
図1を参照して、本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、60度法により測定されるクラブ長さをLとしたときのLの値が45.5インチ(in)以上になるように形成されている。なお、45.5インチ(in)は、1.156メートル(m)である。ゴルフクラブ1は、グリップ2と、シャフト3と、ヘッド4とを主に備えている。グリップ2はシャフト3の一方端に取り付けられており、ヘッド4はシャフト3の他方端に取り付けられている。ヘッド4は、打撃面4aを有している。
【0031】
グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rをクラブ長さLで除した重心率r/Lの値は0.658以上0.732以下になるように設定されている。グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rの値は0.785m以上0.865m以下に設定されている。
【0032】
また、ゴルフクラブ1のクラブ長さLの値が46.5インチ以上に設定されていてもよい。また、重心率r/Lの値は、0.693以上0.720以下に設定されていてもよい。グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rの値は0.818m以上0.850m以下に設定されていてもよい。
【0033】
振り易さを向上させる為には、ゴルフクラブ1の相当単振り子長Lpを短くすることが効果的である。なお、本発明の一実施の形態では、実際のスイング分析に従い、ゴルフクラブ1の回転中心としての回転軸5の位置をグリップ2の上端2aに設定した。グリップ2の上端2aは、シャフト3の後端に実質的に相当する。
【0034】
グリップ2の上端2aを回転軸5とした相当単振り子長Lp(m)は、グリップ2の上端2aまわりの慣性モーメントI(kg・m2)を、クラブ質量m(kg)とグリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離r(m)とによってそれぞれ除した値であり、次の第(1)式で表される。
【0035】
Lp=I/(mr) …(1)
ゴルフクラブ1では、グリップ2の上端2aを回転軸5とした場合のゴルフクラブ1の相当単振り子長Lpの値が1.082m以上1.096m以下に設定されていてもよい。
【0036】
ゴルフクラブ1では、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを調整するための錘がグリップ2の上端2a付近に配置されている。ゴルフクラブ1を長尺化すると、ゴルフクラブ1の質量が重くなる。クラブ質量mを小さくすることおよびグリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを小さくすることにより慣性モーメントIを小さくすることができる。
【0037】
しかし、実際の設計においては強度の関係上ヘッド4の質量を軽くすることは困難である。そのため、クラブ質量mを小さくすることは困難である。したがって、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを小さくするために、上述のように錘がグリップ2の上端2a付近に配置されている。
【0038】
たとえば、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを調整するための錘がグリップ2の上端2aから0.1m以上0.5m以下の範囲に配置されていてもよい。この場合もグリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを小さくすることができる。
【0039】
錘の質量は12g以上40g以下であってもよい。より具体的には、錘の質量は、12g、20g、22g、32g、40gであってもよい。錘がタングステン含有プリプレグからなっていてもよい。より具体的には、タングステン含有プリプレグがシャフト3に積層されていてもよい。
【0040】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブの作用効果について説明する。
発明者が鋭意検討したところ、本発明の一実施の形態のゴルフクラブによれば、長尺のゴルフクラブにおいてもヘッドスピードを速くすることができることを知得した。理由は、以下の通りである。
【0041】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、60度法により測定されるクラブ長さをLとしたときのLの値が45.5インチ以上のゴルフクラブ1であって、シャフト3と、シャフト3の一方端に取り付けられたグリップ2と、シャフト3の他方端に取り付けられたヘッド4とを備えている。グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離をrとしたときのr/Lの値が0.658以上0.732以下である。
【0042】
発明者が鋭意検討したところ、クラブ長さLが45.5インチ以上のゴルフクラブ1において、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離をrとしたときのr/Lの値が0.658以上0.732以下であるときに、ヘッドスピードを速くすることができることを知得した。
【0043】
重心率r/Lの値が0.658未満では、錘の質量が大きくなるためゴルフクラブ1のクラブ質量mが重くなる。このため、慣性モーメントIが大きくなる。そのため、ヘッドスピードを速くすることができない。したがって、重心率r/Lの値は0.658以上に設定されている。また、発明者は、重心率r/Lの値が0.732より大きくなるとヘッドスピードが低下する傾向があることを見出した。したがって、重心率r/Lの値は0.732以下に設定されている。
【0044】
ゴルフクラブ1では、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離をrとしたときの重心率r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることにより、クラブ長さLが45.5インチ以上の長尺のゴルフクラブ1においてヘッドスピードを速くすることができる。
【0045】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rの値が0.785m以上0.865m以下であることが好ましい。rの値が0.785m未満では、錘の質量が大きくなるためゴルフクラブ1のクラブ質量mが重くなる。このため、慣性モーメントIが大きくなる。そのため、ヘッドスピードを速くすることができない。したがって、rの値は0.785m以上に設定されている。また、発明者は、rの値が0.865mより大きくなるとヘッドスピードが低下する傾向があることを見出した。したがって、rの値は0.865m以下に設定されている。
【0046】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1では、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rの値が0.785m以上0.865m以下にすることにより、クラブ長さLが45.5インチ以上の長尺のゴルフクラブ1においてヘッドスピードを速くすることができる。
【0047】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、クラブ長さLの値が46.5インチ以上であることが好ましい。本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1では、クラブ長さLの値が46.5インチ以上でもヘッドスピードを速くすることができることを見出した。これにより、クラブ長さLを46.5インチ以上に長尺化してもヘッドスピードを速くすることができる。
【0048】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、重心率r/Lの値が0.693以上0.720以下であることが好ましい。発明者が鋭意検討したところ、長尺のゴルフクラブにおいて、重心率r/Lの値が0.693以上0.720以下であるときに振り易さを向上することができることを知得した。
【0049】
これにより、本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1では、重心率r/Lの値を0.693以上0.720以下にすることにより、ヘッドスピードを速くすることができるとともに振り易さを向上することができる。したがって、ヘッドスピードを速くすることと振り易さを向上することを両立できる。
【0050】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rの値が0.818m以上0.850m以下であることが好ましい。これにより、本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1では、rの値を0.818m以上0.850m以下にすることにより振り易さを向上することができる。このため、ヘッドスピードを速くすることができるとともに振り易さを向上することができる。
【0051】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、グリップ2の上端2aを回転軸5とした場合のゴルフクラブ1の相当単振り子長をLpとしたときのLpの値が1.082m以上1.096m以下であることが好ましい。
【0052】
発明者が鋭意検討したところ、長尺のゴルフクラブ1において、相当単振り子長Lpの値が1.082m以上1.096m以下であるときに、ゴルファーが好き嫌いの評価において好ましいとすることを知得した。これにより、本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1では、相当単振り子長Lpの値を1.082m以上1.096m以下にすることにより、ヘッドスピードを速くすることができるとともにゴルファーから好ましいとの評価を得ることができる。さらに、振り易さを向上することもあわせて実現できる。
【0053】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、rを調整するための錘がグリップ2の上端2aから0.1m以上0.5m以下の範囲に配置されていることが好ましい。これにより、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを小さくすることにより、重心率r/Lを最適化してヘッドスピードを速くすることができる。また、錘をグリップの下端に配置することによりゴルファーから好ましいとの評価を得ることができる。また、錘の位置の範囲を選択できるため、設計の自由度を向上することができる。
【0054】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブは、錘の質量が12g以上40g以下であることが好ましい。これにより、グリップ2の上端2aからゴルフクラブ1の重心Gまでの距離rを小さくすることにより、重心率r/Lを最適化してヘッドスピードを速くすることができる。また、錘の質量の範囲を選択できるため、設計の自由度を向上することができる。
【0055】
本発明の一実施の形態のゴルフクラブ1は、錘がタングステン含有プリプレグからなることが好ましい。これにより、ゴルフクラブ1の製造に使用されているタングステン含有プリプレグを錘として使用することにより、特別な製造装置が必要ないため、生産性を向上することができる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、上記と同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない場合がある。
【0057】
(実施例1)
最初に実施例1の前提を示す。ここでは、回転半径、回転長さなどの着眼点より従来の長尺のゴルフクラブのヘッドスピードを検討した。これにより、通常、ゴルフクラブを長尺にすればするほどヘッドスピードは上がるといわれているが、ゴルフクラブを長尺化しても必ずしもヘッドスピードが上がらないことを検証した。発明者等は、ゴルフクラブの重心率を小さくすることによってヘッドスピードを速くすることができることを検証した。以下、このことを詳細に説明する。
【0058】
まず、表1に示されたスペックを備えたウッド型ゴルフクラブを比較例X、Y、Zとしてそれぞれ従来の設計方法で作成した。なお、図1および図2に示されたゴルフクラブの符号は、表1〜3の比較例における同一の符号に対応する。
【0059】
【表1】

【0060】
表1の各符号について説明する。Lはクラブ長さであり、L(in)はインチを単位として示されており、L(m)はメートルを単位として示されている。m(kg)はクラブ質量である。rはグリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離である。Ig(kg・m2)は重心位置まわりの慣性モーメントである。I(kg・m2)はグリップの上端まわりの慣性モーメントである。mr(kg・m)は1次モーメントである。Lp(m)は相当単振り子長である。r/Lは重心率である。
【0061】
次に、表2および表3に示された各測定項目に関して、比較例X、Y、Zのそれぞれについて被験者A〜Fの6名でスイング計測を実施した。6名の被験者は全て分析能力の高いゴルファーであり、シングルプレイヤーも含まれている。より詳細には、Motion Analysis社製モーションキャプチャシステム「MAC 3D System」を用いて比較例X、Y、Zの各ゴルフクラブについて計測を実施した。表2および表3の各測定値は、インパクト直前10ms(ミリ秒)時の値である。
【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
表2および表3の各符号について説明する。図2を参照して、回転角速度impactω(rad/s)は回転中心CORまわりのゴルフクラブの回転角速度である。回転半径r1(m)はゴルフクラブの重心位置と回転中心CORとの距離である。回転長さL1(m)は、ゴルフクラブのヘッドと回転中心CORとの距離である。重心速度Vcg(m/s)は、ゴルフクラブの重心位置の速度であり、Vcg=ω×r1で表される。ヘッドスピードVh(m/s)は、ゴルフクラブのヘッドスピードであり、Vh=L1/r1×Vcgで表される。
【0065】
表2を参照して、比較例Xと比較例Yとを比較すると、ヘッドスピードVhは平均で37.2m/sから38.3m/sへと1.1m/s上昇することがわかった。これにより、クラブ長さLが45インチの比較例Xと比較して、クラブ長さLが46インチの比較例Yではヘッドスピードが上昇することがわかった。
【0066】
一方、比較例Yと比較例Zとを比較すると、ヘッドスピードVhは平均で38.3m/sと38.4m/sでほどんど差がないことがわかった。これにより、クラブ長Lさを比較例Yの46インチから比較例Zの47.5インチに長くしてもヘッドスピードが速くなるという効果が見られないことがわかった。
【0067】
図2を参照して、上述のようにゴルフクラブ1の運動は時々刻々変化する回転中心CORと回転半径r1とで決まる回転運動とすることができる。スイングを分解して考えると、回転長さL1はゴルフクラブ1が長くなると大きくなるが、回転半径r1も大きくなるため、単純にゴルフクラブのクラブ長さを長くしただけではL1/r1が大きくならない。
【0068】
また表2に示すように、比較例Yと比較例Zとは重心位置の速度(重心速度)Vcgはほとんど変わらないことがわかった。そのため、L1/r1を大きくできれば、ヘッドスピードを上昇することができる。このL1/r1を大きくするためには、ゴルフクラブ1を長尺にして、重心位置を手元にしたクラブが有効であることがわかった。
【0069】
図1を参照して、グリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離rをクラブ長さLで除した値が重心率r/Lであるので、L1/r1を大きくすることは重心率r/Lを小さくすることに相当する。このようにして、本発明者等は、ゴルフクラブ1の重心率r/Lを小さくすることによってヘッドスピードを速くすることができることを検証した。
【0070】
次に、本発明の実施例1について説明する。実施例1では、上記検証に基づいて、重心率などの着眼点より長尺のゴルフクラブのヘッドスピード、ボール初速、飛距離などを検討した。これにより、重心率などを最適化することによりヘッドスピードなどを向上できることを検証した。実施例B、E、F、Gは本発明の実施例である。比較例A、H、Iは本発明に対する比較例である。
【0071】
表4に示されたスペックを備えたウッド型ゴルフクラブを実施例および比較例としてA、B、E、F、G、H、Iまでそれぞれ作成した。なお、図1に示されたゴルフクラブの符号は、表4の実施例および比較例における同一の符号に対応する。実施例B、E、F、Gでは、それぞれ錘はグリップの上端付近に配置されている。比較例A、H、Iでは、それぞれ錘は付加されていない。
【0072】
【表4】

【0073】
表5に示された各測定項目について、実施例および比較例A、B、E、F、G、H、Iのそれぞれを測定した。より詳細には、ミズノ株式会社製の打球分析装置「ピタゴラス」を用いて実施例および比較例A、B、E、F、G、H、Iの各ゴルフクラブでボールを打って各測定項目について測定した。
【0074】
【表5】

【0075】
表5の各測定項目について説明する。ヘッドSP(m/s)はゴルフクラブのヘッドスピードである。ボールSP(m/s)はゴルフクラブで打たれた際のボール初速である。打ち出し上下(°)はゴルフクラブで打たれた際のボールの上下の角度である。打ち出し左右(°)はゴルフクラブで打たれた際のボールの左右の角度である。なお、飛球線に対して右方向がプラスで示されており、左方向がマイナスで示されている。Bスピン(rpm)はボールのバックスピンの回転数である。ミート率はボールSPをヘッドSPで除した値である。飛距離(yard)はボールの飛距離である。
【0076】
図3は、表4に示されるrと表5に示されるヘッドスピードとの関係を示している。図4は、表4に示されるr/Lと表5に示されるヘッドスピードとの関係を示している。表4および表5ならびに図3および図4を参照して、実施例B、E、F、Gのヘッドスピード(m/s)は、L(in)が45インチの比較例A、Hと比較して大幅に速くなっている。
【0077】
これにより、r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることで、L(in)が45インチの場合と比較してヘッドスピード(m/s)を大幅に速くできることがわかった。また、r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることで、L(in)が45.5インチより長い場合でもヘッドスピード(m/s)を速くできることがわかった。
【0078】
また、r(m)の値を0.785m以上0.865m以下にすることで、L(in)が45インチの場合と比較してヘッドスピード(m/s)を大幅に速くできることがわかった。r(m)の値を0.785m以上0.865m以下にすることで、L(in)が45.5インチより長い場合でもヘッドスピード(m/s)を速くできることがわかった。
【0079】
図5は、表4に示されるrと表5に示されるボール初速との関係を示している。図6は、表4に示されるr/Lと表5に示されるボール初速との関係を示している。表4および表5ならびに図5および図6を参照して、実施例B、E、F、Gのボール初速(m/s)は、L(in)が45インチの比較例A、Hと比較して大幅に速くなっている。
【0080】
これにより、r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることで、L(in)が45インチの場合と比較してボール初速(m/s)を大幅に速くできることがわかった。また、r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることで、L(in)が45.5インチより長い場合でもボール初速(m/s)を速くできることがわかった。
【0081】
また、r(m)の値を0.785m以上0.865m以下にすることで、L(in)が45インチの場合と比較してボール初速(m/s)を大幅に速くできることがわかった。r(m)の値を0.785m以上0.865m以下にすることで、L(in)が45.5インチより長い場合でもボール初速(m/s)を速くできることがわかった。
【0082】
図7は、表4に示されるrと表5に示される飛距離との関係を示している。図8は、表4に示されるr/Lと表5に示される飛距離との関係を示している。表4および表5ならびに図7および図8を参照して、実施例B、E、F、Gの飛距離(yard)は、L(in)が45インチの比較例A、Hと比較して大幅に大きくなっている。
【0083】
これにより、r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることで、L(in)が45インチの場合と比較して飛距離(yard)を大幅に大きくできることがわかった。また、r/Lの値を0.658以上0.732以下にすることで、L(in)が45.5インチより長い47インチの場合と比較しても飛距離(yard)を大きくできることがわかった。
【0084】
また、r(m)の値を0.785m以上0.865m以下にすることで、L(in)が45インチの場合と比較して飛距離(yard)を大幅に大きくできることがわかった。r(m)の値を0.785m以上0.865m以下にすることで、L(in)が45.5インチより長い場合でも飛距離(yard)を大きくできることがわかった。
【0085】
上記より、ヘッドスピード、ボール初速、飛距離とも、実施例B、E、F、Gは、比較例A、H、Iと比較して優れていることが分かった。実施例B、E、F、Gは、L(in)が45.5〜48インチである。そのため、L(in)が45.5インチ以上の場合には、少なくとも測定した48インチまでは同様の傾向があると考えられる。
【0086】
また、実施例B、F、GはL(in)が46.5インチ以上である。そのため、L(in)が46.5インチ以上であってもヘッドスピードを速くすることができることがわかった。あわせて、ボール初速を速くすることができ、飛距離を大きくすることができることもわかった。
【0087】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2では、回転半径、回転長さなどの着眼点より本実施例の長尺のゴルフクラブのヘッドスピードを検討した。
【0088】
表6に示された各測定項目に関して、上記実施例1で説明した比較例A、実施例B、実施例Eの各ゴルフクラブについて被験者A、B、C、E、Fの5名でスイング計測を実施した。5名の被験者は全て分析能力の高いゴルファーであり、シングルプレイヤーも含まれている。より詳細には、上記と同様にMotion Analysis社製モーションキャプチャシステム「MAC 3D System」を用いて比較例A、実施例B、実施例Eの各ゴルフクラブについて計測を実施した。
【0089】
【表6】

【0090】
表6を参照して、実施例Bのヘッドスピードは比較例Aと比較して平均で1.3m/s上昇することがわかった。また実施例Eのヘッドスピードは比較例Aと比較して平均で2.9m/s上昇することがわかった。
【0091】
この理由は以下のように考察される。実施例Bはクラブ長さが47インチであり、実施例Eはクラブ長さが48インチであるが、表4に示されるrを比較例Aに対して小さくした効果があり、実施例Bおよび実施例Eは比較例Aに比して回転半径r1が小さくなった。この影響もあり、実施例Bおよび実施例Eは、比較例Aと比較してヘッドスピードが上昇した。これにより、本実施例のゴルフクラブではクラブ長さが47インチおよび48インチの場合でもヘッドスピードを上昇できることを検証した。
【0092】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例K、L、M、Nは本発明の実施例である。比較例Jは本発明に対する比較例である。
【0093】
表7に示されたスペックを備えたウッド型ゴルフクラブを実施例および比較例としてJ〜Nまでそれぞれ作成した。なお、図1に示されたゴルフクラブの符号は、表7における同一の符号に対応する。比較例Jでは錘は配置されていない。実施例K、Lでは錘はグリップの上端に配置されている。実施例Kでは錘の質量は40gである。実施例Lでは錘の質量は20gである。実施例M、Nでは、錘はグリップの下端に配置されている。より詳細には、グリップ長さが270mmであるため、錘はグリップの上端から270mm〜300mmの位置に30mm幅で配置されている。実施例Mでは錘の質量は40gである。実施例Nでは錘の質量は20gである。
【0094】
【表7】

【0095】
表8に示された各官能評価項目について、実施例および比較例J〜Nのそれぞれを評価した。より詳細には、12名の被験者が実施例および比較例J〜Nの各ウッド型ゴルフクラブでそれぞれ5球ずつ打った平均値で評価した。この12名の被験者には、被験者として分析能力の高いプロゴルファーが含まれている。
【0096】
【表8】

【0097】
官能評価項目は、振り易さ、タイミング、好き嫌いの3項目である。官能評価方法としては、官能検査の最も代表的な一対比較法を用いた。各官能評価項目について、7;大変良い−6;良い−5;どちらかというと良い−4;どちらともいえない−3;どちらかというと悪い−2;悪い−1;大変悪い、という7段階で評価した。
【0098】
振り易さについては、振り易い方を評価が高くなるようにした。タイミングは、取り易い方を評価が高くなるようにした。好き嫌いは、好きの方を評価が高くなるようにした。
【0099】
図9は、表7に示されるrと表8に示される振り易さとの関係を示している。図10は、表7に示されるr/Lと表8に示される振り易さとの関係を示している。表7および表8ならびに図9および図10を参照して、振り易さの評価については、実施例L、M、Nは、比較例Jおよび実施例Kと比較して大幅に高くなっている。
【0100】
これにより、r/Lの値を0.693以上0.720以下にすることで、振り易さを大幅に向上することができることがわかった。また、rの値を0.818m以上0.850m以下にすることで振り易さを大幅に向上することができることがわかった。
【0101】
図11は、表7に示されるLpと表8に示される振り易さとの関係を示している。表7および図11を参照して、振り易さの評価については、実施例M、Nは、比較例Jおよび実施例Kと比較して大幅に高くなっており、実施例Lと比較しても高くなっている。これにより、Lpの値を1.082m以上1.098m以下にすることで、さらに振り易さを向上することができることがわかった。
【0102】
図12は、表7に示されるrと表8に示される好き嫌いとの関係を示している。図13は、表7に示されるr/Lと表8に示される好き嫌いとの関係を示している。図14は、表7に示されるLpと表8に示される好き嫌いとの関係を示している。表7および表8ならびに図14を参照して、好き嫌いの評価については、実施例Mは、比較例Jおよび実施例K、Lと比較して大幅に高くなっている。また、実施例Mは、実施例Nと比較しても高くなっている。
【0103】
これにより、Lpの値を1.082m以上にすることで、好き嫌いの評価を大幅に高くすることができることがわかった。また、Lpと好き嫌いの評価とについて回帰直線を計算すると、回帰直線は次の第(2)式で表される。なお、yが好き嫌いの評価に該当し、xがLpに該当する。
【0104】
y=28.032x+35.096 …(2)
この場合、決定係数R2=0.7507となり、相関係数R=0.8664となり、信頼性の高い値となる。第(2)式に基づいて、好き嫌いの評価について好ましい評価としてy=4で計算すると、x=1.096となる。これにより、Lpの値を1.096以下にすることで、好ましい評価を得ることができることがわかった。
【0105】
また、実施例M、Nとでは、実施例K、Lと比較して好き嫌いの評価が大幅に高くなっている。これにより、グリップの上端に錘を配置するより、グリップの下端に錘を配置した方が好き嫌いの評価が大幅に高くなることがわかった。
【0106】
また、錘をグリップの上端から0.1m以上0.5m以下の範囲に配置した。また、錘の質量は、12g、20g、22g、32g、40gを採用した。また、錘としてタングステン含有プリプレグを採用した。これらの場合、上記と同様の結果が得られることがわかった。また、錘としてタングステン含有プリプレグを採用した場合、タングステン含有プリプレグをシャフトに積層させてゴルフクラブを製造した。このように、錘としてタングステン含有プリプレグを採用した場合、従来のゴルフクラブと同様の製造方法によりゴルフクラブを製造することができることがわかった。
【0107】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、いわゆる長尺のゴルフクラブに特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0109】
1 ゴルフクラブ、2 グリップ、2a 上端、3 シャフト、4 ヘッド、4a 打撃面、5 回転軸、G 重心、I 慣性モーメント、Lp 相当単振り子長、m クラブ質量、r グリップの上端からゴルフクラブの重心までの距離、r/L 重心率。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
60度法により測定されるクラブ長さをLとしたときのLの値が45.5インチ以上のゴルフクラブであって、
シャフトと、
前記シャフトの一方端に取り付けられたグリップと、
前記シャフトの他方端に取り付けられたヘッドとを備え、
前記グリップの上端から前記ゴルフクラブの重心までの距離をrとしたときのr/Lの値が0.658以上0.732以下である、ゴルフクラブ。
【請求項2】
前記rの値が0.785m以上0.865m以下である、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記Lの値が46.5インチ以上である、請求項1または2に記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
前記r/Lの値が0.693以上0.720以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項5】
前記rの値が0.818m以上0.850m以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項6】
前記グリップの上端を回転軸とした場合の前記ゴルフクラブの相当単振り子長をLpとしたときのLpの値が1.082m以上1.096m以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項7】
前記rを調整するための錘が前記グリップの上端から0.1m以上0.5m以下の範囲に配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項8】
前記錘の質量が12g以上40g以下である、請求項7に記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
前記錘がタングステン含有プリプレグからなる、請求項7または8に記載のゴルフクラブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−235024(P2011−235024A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111252(P2010−111252)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000005935)美津濃株式会社 (239)
【Fターム(参考)】