説明

ゴルフ練習装置

【課題】プレイヤが欲する適切なスイング画像を得ることができるゴルフ練習装置を提供する。
【解決手段】被写体がゴルフクラブによりボールを打つときの動画像を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段とを有する。ゴルフクラブにより打たれたボールの速度を測定するボール速度測定手段と、ボール速度測定手段によりボール速度が決定されたボール速度決定時点に基づいて、記憶手段に記憶された動画像から、ボール速度決定時点の前後の所定時間の動画像を抽出する動画像抽出手段とを更に有し、動画像抽出手段により抽出された動画像を表示手段に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフを練習するためのゴルフ練習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフショップやゴルフ練習場等に設けられ、プレイヤのスイング画像を記録し、後にプレイヤに提示するゴルフスイング記録保存システムが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このゴルフスイング記録保存システムでは、プレイヤの打撃音や、ゴルフクラブの挙動検知センサの作動をトリガとして、トリガ発生の前後所定時間の画像をスイング画像とし、それをプレイヤに提示するようにしている。
【0004】
また、ゴルフショップやゴルフ練習場等に設けられ、プレイヤがゴルフクラブをスイングしたときのスイングスピードを計測するドップラーセンサとそれを用いたヘッドスピード計測装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−088604号公報
【特許文献2】特開2009−109194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のゴルフスイング記録保存システムでは、プレイヤが欲する適切なスイング画像を得ることができないことがあった。
【0007】
また、従来のヘッドスピード計測装置では、プレイヤが欲する適切なスイングデータを得ることができないことがあった。
【0008】
本発明の目的は、プレイヤが欲する適切なスイング画像を得ることができるゴルフ練習装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、プレイヤが欲する適切なスイングデータを得ることができるゴルフ練習装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によるゴルフ練習装置は、被写体がゴルフクラブによりボールを打つときの動画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段とを有するゴルフ練習装置において、前記ゴルフクラブにより打たれたボールの速度を測定するボール速度測定手段と、前記ボール速度測定手段により前記ボール速度が決定されたボール速度決定時点に基づいて、前記記憶手段に記憶された動画像から、前記ボール速度決定時点の前後の所定時間の動画像を抽出する動画像抽出手段とを更に有し、前記動画像抽出手段により抽出された動画像を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様によるゴルフ練習装置は、被写体がゴルフクラブによりボールを打つときの動画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段とを有するゴルフ練習装置において、前記ゴルフクラブにより打たれたボールの速度を測定するボール速度測定手段と、被写体がボールを打つ際の前記ゴルフクラブのスイング速度を測定するスイング速度測定手段とを更に有し、前記表示手段に、前記ボール速度と前記スイング速度を更に表示することを特徴とする。
【0012】
上述したゴルフ練習装置において、被写体がボールを打つ際の前記ゴルフクラブのスイング速度を測定するスイング速度測定手段を更に有し、前記表示手段に、前記ボール速度と前記スイング速度を更に表示するようにしてもよい。
【0013】
上述したゴルフ練習装置において、前記ボール速度測定手段は、前記ゴルフクラブにより打たれた前記ボールの飛球方向にアンテナが向いたドップラーセンサを有するようにしてもよい。
【0014】
上述したゴルフ練習装置において、前記スイング速度測定手段は、前記ボールを打つ前記ゴルフクラブの方向にアンテナが向いたドップラーセンサを有するようにしてもよい。
【0015】
本発明の一態様による打撃練習装置は、被写体が打撃用具により球を打つときの動画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段とを有する打撃練習装置において、前記打撃用具により打たれた球の球速度を測定する球速度測定手段と、前記球速度測定手段により前記球速度が決定された球速度決定時点に基づいて、前記記憶手段に記憶された動画像から、前記球速度決定時点の前後の所定時間の動画像を抽出する動画像抽出手段とを更に有し、前記動画像抽出手段により抽出された動画像を前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0016】
本発明の一態様による打撃練習装置は、被写体が打撃用具により球を打つときの動画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段とを有する打撃練習装置において、前記打撃用具により打たれた球の球速度を測定する球速度測定手段と、被写体が球を打つ際の前記打撃用具の打撃速度を測定する打撃速度測定手段とを更に有し、前記表示手段に、前記球速度と前記打撃速度を更に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の通り、本発明によれば、ゴルフクラブにより打たれたボールの速度を測定するボール速度測定手段と、ボール速度測定手段によりボール速度が決定されたボール速度決定時点に基づいて、記憶手段に記憶された動画像から、ボール速度決定時点の前後の所定時間の動画像を抽出する動画像抽出手段とを有し、動画像抽出手段により抽出された動画像を表示手段に表示するようにしたので、プレイヤが欲する適切なスイング画像を得ることができる。
【0018】
また、本発明によれば、被写体がボールを打つ際のゴルフクラブのスイング速度を測定するスイング速度測定手段を更に有し、表示手段に、ボール速度とスイング速度を更に表示するようにしたので、プレイヤが欲する適切なスイングデータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置におけるヘッド用ドップラーセンサとボール用ドップラーセンサの設置位置についての説明図(その1)である。
【図4】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置におけるヘッド用ドップラーセンサとボール用ドップラーセンサの設置位置についての説明図(その2)である。
【図5】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置においてプレイヤがゴルフクラブによりボールを打ったときの状態を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置により実行されるゴルフ練習処理のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置により実行されるゴルフ練習処理におけるプレイ進行処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[一実施形態]
本発明の一実施形態によるゴルフ練習装置について図1及び図2を用いて説明する。図1は本実施形態のゴルフ練習装置の外観を示す図であり、図2は本実施形態のゴルフ練習装置のブロック図である。
【0021】
(ゴルフ練習装置の外観)
まず、本実施形態のゴルフ練習装置10の外観構成について図1を用いて説明する。
【0022】
本実施形態のゴルフ練習装置10は、ゴルフショップやゴルフ練習場等におけるボールを打つための打席に設置され、プレイヤがクラブでボールを打つ際のプレイヤのスイングのビデオ撮影や再生表示を行い、ボールの飛球速度や飛距離、クラブのヘッドスピード等の諸データを測定し、プレイヤのゴルフ練習に供するものである。
【0023】
ゴルフ練習装置10は、メイン筐体11と背面筐体12とから構成されている。図1に示すように、メイン筐体11は、ボールを打つための打席に設けられた打席マット13のプレイヤに相対する位置に載置され、背面筐体12は、打席マット13のボール飛球方向と反対側に載置される。メイン筐体11と背面筐体12とはケーブル14により接続されている。
【0024】
メイン筐体11の前面上部には、LCDモニタ15が設けられている。LCDモニタ15は、プレイヤのスイングのビデオ画像を再生表示したり、プレイヤのゴルフスイングに関する諸データを表示したりする。
【0025】
メイン筐体11のLCDモニタ15の下部には、RFカードリーダ・ライタ16が設けられている。RFカードリーダ・ライタ16は、RFカードからデータを読み取ったり、RFカードにデータを書き込んだりする。
【0026】
メイン筐体11のRFカードリーダ・ライタ16の下部には、4つのボタン17A、17B、17C、17Dが設けられている。プレイヤは、4つのボタン17A、17B、17C、17Dにより、ゴルフ練習装置10を操作する。
【0027】
メイン筐体11の最上部には、プレイヤのスイングをプレイヤの正面から撮像するための正面用デジタルビデオカメラ20が設けられている。なお、デジタルビデオカメラとしては、撮像した画像を電気的な信号に変換できるものであれば、CMOSやCCD等の撮像素子を備えたカメラを適宜用いればよい。
【0028】
背面筐体12の上部には、プレイヤのスイングをプレイヤの背後から撮像するための背面用デジタルビデオカメラ21が設けられている。
【0029】
メイン筐体11の前面中部には、打席マット13の方向を向いているヘッド用ドップラーセンサ22が設けられている。ヘッド用ドップラーセンサ22は、主にゴルフのヘッド速度を測定する。
【0030】
メイン筐体11の下部内部には、ゴルフボールの飛球方向を向いているボール用ドップラーセンサ23が設けられている。ボール用ドップラーセンサ23は、ゴルフボールの速度を測定する。
【0031】
ヘッド用ドップラーセンサ22とボール用ドップラーセンサ23の設置位置や機能等の詳細については後述する。
【0032】
(ゴルフ練習装置の構成)
次に、本実施形態のゴルフ練習装置10の構成について図2を用いて説明する。
【0033】
ゴルフ練習装置10には、プレイプログラムの実行やシステム全体の制御や画像表示のための座標計算等を行うCPU30と、CPU30が処理を行うのに必要なプログラムやデータを格納するバッファメモリとして利用されるシステムメモリ(RAM)32とがバスラインにより共通接続され、バスアービタ34に接続されている。バスアービタ34は、ゴルフ練習装置10の各ブロックや外部に接続される機器とのプログラムやデータの流れを制御する。
【0034】
プレイプログラムやデータ(映像データや音楽データも含む)が格納されたプログラムデータ記憶装置又は記憶媒体(記録媒体であるCD−ROM等を駆動する光ディスクや光ディスクドライブ等も含む)36と、ゴルフ練習装置10を起動するためのプログラムやデータが格納されているBOOTROM38とがバスアービタ34に接続されている。
【0035】
更に、正面用デジタルビデオカメラ20による撮像画像を記憶するための正面用リングバッファ26と、背面用デジタルビデオカメラ21による撮像画像を記憶するための背面用リングバッファ27とがバスアービタ34に接続されている。
【0036】
三次元CG等の表示画像を生成するためには、システムメモリ32内に、表示するオブジェクトを構成する三次元ローカル座標データを有するポリゴンデータ(頂点データ)や、NURBS(Non Uniform Rational B-Spline)データ(曲面や制御点データ)を格納しておき、CPU30やジオメトリプロセッサ(図示しない)によって、これを三次元仮想空間のワールド座標系に配置してローカル座標をワールド座標系に変換する。
【0037】
更に、ワールド座標系に、プレイヤの操作やプレイの進行に伴って生成される視点座標を設定して、この視点から所定の視方向および画角でみた視野範囲にあるオブジェクトを、視点座標を原点とした視点座標系に変換して、この変換されたオブジェクトの座標をレンダリングプロセッサ40に送信する。
【0038】
レンダリングプロセッサ40は、送られてきたオブジェクトの座標に対して、まず、光源処理などの補間処理や、グラフィックメモリ42に格納されたテクスチャーデータをオブジェクトに貼り付けてオブジェクトの表面にディテールを施す。さらにレンダリングプロセッサ40は、三次元の立体オブジェクトから、LCDモニタ15に表示するために、2次元平面(スクリーン)にオブジェクト(ポリゴン)を投影して2次元座標データ(スクリーン座標系)に変換し、Z座標の深さが浅いポリゴン即ち視点座標に近いポリゴンから優先的に表示するようにして2次元画像を生成して、LCDモニタ15に出力する。
【0039】
バスアービタ34を介して、プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体36や、正面用リングバッファ26、背面用リングバッファ27から読み出した映像(MOVIE)データを再生したり、プレイヤの操作やプレイ進行に応じて画像表示のための画像を生成したりするレンダリングプロセッサ40と、そのレンダリングプロセッサ40が画像生成を行うために必要なグラフィックデータ等を格納しておくグラフィックメモリ42とが接続されている。レンダリングプロセッサ40から出力される画像信号は、ビデオDAC44によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、LCDモニタ15により表示される。
【0040】
バスアービタ34を介して、プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体36や、正面用リングバッファ26、背面用リングバッファ27から読み出した音データを再生したり、プレイヤによる操作やプレイ進行に応じて効果音や音声を生成したりするサウンドプロセッサ46と、そのサウンドプロセッサ46により効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等を格納しておくサウンドメモリ48とが接続されている。サウンドプロセッサ46から出力される音声信号は、オーディオDAC50によりデジタル信号からアナログ信号に変換され、LCDモニタ15のスピーカから出力される。
【0041】
バスアービタ34には、通信インターフェース52が接続されている。通信インターフェース52はLANアダプタ54を介して電話回線等の外部ネットワークに接続される。必要に応じて、ゴルフ練習装置10はLANアダプタ54によりインターネットに接続され、他の情報処理装置やネットワークサーバ等との通信が可能となる。
【0042】
なお、通信インターフェース52及びLANアダプタ54は電話回線を使用するものであるが、電話回線を使用するターミナルアダプタ(TA)やルータ、ケーブルテレビ回線を使用するケーブルモデム、携帯電話やPHSを利用して無線通信手段、光ファイバを用いた光ファイバ通信手段等の他の通信方法を利用してもよい。
【0043】
バスアービタ34には、ペリフェラルI/F60とUSBI/O62が接続されている。ペリフェラルI/F60とUSBI/O62を介して、様々な周辺機器を接続することができる。
【0044】
ペリフェラルI/F60には、正面用デジタルビデオカメラ20、背面用デジタルビデオカメラ21、RFカードリーダ・ライタ16が接続されている。
【0045】
ペリフェラル1/F60には、更に、センサ制御部24を介して、ヘッド用ドップラーセンサ22とボール用ドップラーセンサ23が接続されている。センサ制御部24は、ヘッド用ドップラーセンサ22とボール用ドップラーセンサ23の検出信号に基づいて、ゴルフクラブのヘッド速度(HS)とボール速度(BS)を測定する。
【0046】
USBI/O62には、4つのボタン17A、17B、17C、17Dが接続されている。
【0047】
なお、上記のようなゴルフ練習装置10のハードウエア構成は単なる一例に過ぎず、本発明は、表示装置を備える任意のコンピュータシステムに適用することができる。また、本発明のプログラムは、メモリカード等の外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもよいし、さらにはコンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。
【0048】
(ドップラーセンサ)
次に、本実施形態のゴルフ練習装置10におけるヘッド用ドップラーセンサ22とボール用ドップラーセンサ23の設置位置や機能等の詳細について、図3及び図4を用いて説明する。
【0049】
本実施形態におけるドップラーセンサは、誘電体発振器から出力されたマイクロ波を、ホーン形状のアンテナから発射し、人や物体から反射されてホーン形状のアンテナから入射されたマイクロ波の周波数のずれから、人や物体の動きの速度を検出するセンサである。
【0050】
ドップラーセンサの検出範囲は、ホーン形状のアンテナの向きにより決定される。図1乃至図4においては、ヘッド用ドップラーセンサ22とボール用ドップラーセンサ23のアンテナの向きが分かるように図示している。
【0051】
本実施形態のゴルフ練習装置10では、ゴルフのヘッド速度を測定するためのヘッド用ドップラーセンサ22と、ゴルフボールの速度を測定するためのボール用ドップラーセンサ23という2つのドップラーセンサを設けている。
【0052】
ヘッド用ドップラーセンサ22は、メイン筐体11の前面中部に設けられ、そのアンテナは打席マット13の方向を向いている。図3に示すように、ヘッド用ドップラーセンサ22の検出範囲は、打席マット13のほぼ全体をカバーしている。
【0053】
プレイヤがゴルフクラブによりボールを打つと、ヘッド用ドップラーセンサ22によりゴルフクラブのヘッドの速度と、打たれたボールの速度を検出することができる。
【0054】
ボール用ドップラーセンサ23は、メイン筐体11の下部内部に設けられ、そのアンテナはゴルフボールの飛球方向を向いている。図3に示すように、ボール用ドップラーセンサ23の検出範囲は、ボールの飛球方向をカバーしている。
【0055】
プレイヤがゴルフクラブによりボールを打つと、ボール用ドップラーセンサ23により打たれたボールの速度を検出することができる。ゴルフクラブのヘッドは、ボール用ドップラーセンサ23の検出範囲外であるので、ヘッドの速度は検出されない。
【0056】
図4に、ヘッド用ドップラーセンサ22とボール用ドップラーセンサ23の設置位置の詳細を示す。図4(a)はゴルフ練習装置10のメイン筐体11を上方から見た平面図であり、図4(b)はゴルフ練習装置10のメイン筐体11を正面から見た正面図である。
【0057】
図4(a)に示すように、ゴルフボールのセット位置Bからボール飛球方向の基準線をL1、ボール飛球方向に垂直な基準線をL2とする。基準線L1に対するヘッド用ドップラーセンサ22への距離はA[m]であり、ボール用ドップラーセンサ23への距離はC[m]である。基準線L2に対するヘッド用ドップラーセンサ22への距離はB[m]であり、ボール用ドップラーセンサ23への距離はD[m]である。
【0058】
ヘッド用ドップラーセンサ22のホーン形状のアンテナの中心線と、ヘッド用ドップラーセンサ22とボールのセット位置Bとを結ぶ線とがなす角度はθ1[度]である。ボール用ドップラーセンサ23のホーン形状のアンテナの中心線と基準線L1とがなす角度はθ2[度]である。
【0059】
図4(b)に示すように、ヘッド用ドップラーセンサ22の高さはE[m]であり、ボール用ドップラーセンサ23の高さはF[m]である。ヘッド用ドップラーセンサ22のホーン形状のアンテナの中心線は、ゴルフ練習装置10のメイン筐体11を正面から見て、ボールのセット位置Bの方向と一致している。
【0060】
(リングバッファ)
本実施形態のゴルフ練習装置10を起動すると、メイン筐体11の最上部に設けられた正面用デジタルビデオカメラ20による撮像画像は、正面用リングバッファ26に順次記憶され、背面筐体12の上部に設けられた背面用デジタルビデオカメラ21による撮像画像は、背面用リングバッファ27に順次記憶される。
【0061】
正面用デジタルビデオカメラ20により撮像すると、正面用リングバッファ26の最も古い撮像画像を削除しつつ、正面用デジタルビデオカメラ20による新たな撮像画像を順次正面用リングバッファ26に記憶し、正面用デジタルビデオカメラ20による撮像画像をエンドレスに記憶する。
【0062】
同様に、背面用デジタルビデオカメラ21により撮像すると、背面用リングバッファ27の最も古い撮像画像を削除しつつ、背面用デジタルビデオカメラ21による新たな撮像画像を順次背面用リングバッファ27に記憶し、背面用デジタルビデオカメラ21による撮像画像をエンドレスに記憶する。
【0063】
正面用リングバッファ26と背面用リングバッファ27には、例えば、4秒間の撮像画像を記憶するだけの容量を有している。
【0064】
プレイヤがゴルフクラブによりボールを打つと、所定時期に、正面用リングバッファ26と背面用リングバッファ27に対するトリガ信号を発生し、トリガ信号に基づいて各リングバッファにおける新たな撮像画像の記憶を止め、プレイヤの最適な打撃プレイのビデオ画像を抽出し、再生してプレイヤの練習に供する。
【0065】
図5は、プレイヤがゴルフクラブによりボールを打ったときの状態を示す図である。図5(a)は、ゴルフ練習装置10のメイン筐体11を正面から見た図である。図5(b)は、ゴルフ練習装置10のメイン筐体11を上方から見た図とリングバッファ26、27の取り込み画像を示す図である。
【0066】
プレイヤにより振られたゴルフクラブのヘッドHによりボールBが打たれ、前方に飛んでいく状態を示している。
【0067】
ゴルフボールBの速度は、ボール用ドップラーセンサ23により検出されるが、打たれた直後にはボール速度は決定されない。センサ制御部24は、ボール用ドップラーセンサ23からの検出信号に基づいて、ヘッド用ドップラーセンサ22からスイングを検出した際の検出信号があった場合に、ゴルフクラブによりボールが普通に打たれたと判断し、ボール速度の測定値を決定する。
【0068】
本実施形態では、ボール速度の測定値が決定された時点で、正面用リングバッファ26と背面用リングバッファ27に対してトリガ信号を発生し、その決定時を基準に、前後所定時間の撮像画像を、再生用のビデオ画像として抽出する。例えば、ボール速度決定時の2.5秒前からボール速度決定時の1.5秒後までの4秒間の撮像画像を再生用のビデオ画像として抽出する。
【0069】
このように、本実施形態によれば、ボール速度の決定時をトリガとしているので、実際にボールが飛んだときだけのビデオ画像を抽出することができる。プレイヤが打撃に失敗した場合のビデオ画像を誤って抽出することがない。仮に、ゴルフクラブのヘッド速度の検出時をトリガとすると、プレイヤが打撃に失敗した場合のビデオ画像までも抽出することになる。
【0070】
また、本実施形態によれば、ボール速度の決定時をトリガとしているので、リングバッファ26、27においてプレイヤが欲する適切な期間のビデオ画像を抽出することができる。
【0071】
(ゴルフ練習処理の概要)
本実施形態のゴルフ練習装置10を用いて実行するゴルフ練習処理の概要について、図6及び図7のフローチャートを用いて説明する。図6はゴルフ練習処理のメインのフローチャートであり、図7はゴルフ練習処理におけるプレイ進行処理のフローチャートである。
【0072】
まず、ゴルフ練習装置10の電源をオンする(ステップS01)。ゴルフ練習装置10のオペレーティングシステムが起動し(ステップS02)、続いて、ゴルフ練習処理のアプリケーションプログラムが起動する(ステップS03)。
【0073】
ゴルフ練習処理のアプリケーションプログラムが起動すると、イニシャライズ処理が実行され(ステップS04)、続いて、LCDモニタ15に警告表示(WARNING表示)される(ステップS05)。
【0074】
次に、ゴルフ練習装置10のベンダーのロゴがLCDモニタ15に表示される(ステップS06)。
【0075】
次に、ゴルフ練習処理のタイトルがLCDモニタ15に表示され(ステップS07)、続いて、ゴルフ練習処理のデモンストレーション映像がLCDモニタ15に表示される(ステップS08)。
【0076】
次に、RFカードリーダ・ライタ16に、プレイヤによりゴルフ練習用のRFカードが載置され、プレイヤのIDが検出されたか否かを判定する(ステップS09)。
【0077】
ステップS09によりプレイヤのIDが検出されない場合には、ステップS06に戻り、ステップS06〜S09を繰り返す。
【0078】
ステップS09によりプレイヤのIDが検出されると、プレイが開始され(ステップS10)、ゴルフ練習プレイが進行する(ステップS11)。RFカードには、プレイヤの名前や性別、年齢、プレイ履歴等のプレイヤ情報が記録されており、これらプレイヤ情報に基づいてゴルフ練習プレイがカスタマイズされる。
【0079】
ゴルフ練習プレイの詳細については後述する。
【0080】
ゴルフ練習プレイが終了すると。RFカードリーダ・ライタ16からゴルフ練習用のRFカードが取り除かれたか否か判断する(ステップS12)。
【0081】
RFカードリーダ・ライタ16からゴルフ練習用のRFカードが取り除かれていなければ、ステップS11に戻り、再度、ゴルフ練習プレイを実行する(ステップS11)。
【0082】
RFカードリーダ・ライタ16からゴルフ練習用のRFカードが取り除かれた場合には、プレイ終了処理が行われ(ステップS13)、プレイが終了する(ステップS14)。
【0083】
次に、ゴルフ練習プレイの詳細については図7を用いて説明する。
【0084】
まず、LCDモニタ15にウェルカム画面を表示し(ステップ21)、続いて、LCDモニタ15に警告画面を表示する(ステップS22)。
【0085】
次に、LCDモニタ15にショット待機画面を表示する(ステップS23)。ショット待機画面は、デジタルビデオカメラ20、21によるプレイヤの撮像画像を表示する画面であり、これによりプレイヤはアドレス等の自分の姿を確認する。
【0086】
次に、プレイヤがショットする(ステップS24)。
【0087】
プレイヤがショットすると、ボール速度決定に基づくトリガ信号を受信し、ゴルフクラブのヘッドスピード(HS)とボールスピード(BS)を取得する(ステップS25)。
【0088】
トリガ信号を基準時として、例えば、基準時の2.5秒前から基準時の1.5病後までの4秒間の正面用デジタルビデオカメラ20及び背面用デジタルビデオカメラ21によるプレイヤの撮像画像を、それぞれ、正面用リングバッファ26及び背面用リングバッファ27から、再生用のビデオ映像として抽出する(ステップS25)。
【0089】
次に、LCDモニタ15にショットの自動再生画面を表示する(ステップS26)。ゴルフクラブのヘッドスピード(HS)とボールスピード(BS)と共に、抽出した再生用ビデオ映像を繰り返し自動再生する。
【0090】
次に、RFカードリーダ・ライタ16からゴルフ練習用のRFカードが取り除かれた否か判断する(ステップS27)。
【0091】
RFカードリーダ・ライタ16からゴルフ練習用のRFカードが取り除かれていなければ、ステップS23に戻り、ステップS23〜26により、再度、ゴルフ練習処理を実行する。
【0092】
RFカードリーダ・ライタ16からゴルフ練習用のRFカードが取り除かれた場合には、LCDモニタ15に、IDがオフされたので30秒後に終了する旨の終了確認画面を表示する(ステップS28)。
【0093】
次に、RFカードリーダ・ライタ16に、プレイヤによりゴルフ練習用のRFカードが載置されていない状態が継続しているか否か判断する(ステップS29)。オフ状態が継続していれば、LCDモニタ15に終了画面を表示して(ステップS31)、プレイ進行処理を終了する。
【0094】
ステップS29で、RFカードリーダ・ライタ16に、プレイヤによりゴルフ練習用のRFカードが載置され、オフ状態が継続していないと判断された場合には、そのIDが同じプレイヤのIDか否か判断する(ステップS30)。
【0095】
同じIDの場合にはステップS23に戻り、ステップS23〜29により、再度、同じIDのプレイヤに対するゴルフ練習処理を実行する。
【0096】
同じIDでない場合には、ステップS21に戻り、ステップS23〜29により、別のIDのプレイヤに対するゴルフ練習処理を実行する。
【0097】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0098】
例えば、上記実施形態では、RFカードを用いたが、プレイヤのIDを認識させることができれば、他の手段によりIDを認識するようにしてもよい。例えば、OCR文字記載のカード、磁気カード、ICカード等を用いてもよい。更に、カードに限らず、情報を記憶できるものであれば、他の形態の外部情報記憶媒体であってもよい。
【0099】
また、RFカードの機能として、IDの認識に用いるだけでなく、電子通貨としての機能や、プレイ回数等の履歴を記録する機能を付加して、ゴルフ練習装置10の他の機器によってプレイクレジットやプレイ履歴の管理を行えるようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、ゴルフショップやゴルフ練習場等に設けられる所謂アーケード型のゴルフ練習装置を例として説明したが、家庭用ゲーム装置や、パーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話機等を用いたゴルフ練習装置にも適用することができる。
【0101】
また、上記実施形態では、プレイヤがクラブでボールを打つ際のプレイヤのゴルフ練習に供するゴルフ練習装置に本発明を適用したが、他のスポーツ、例えば、野球においてプレイヤがバットでボールを打つ打撃練習や、テニスにおいてプレイヤがラケットでボールを打つ打撃練習、卓球においてプレイヤがラケットでボールを打つ打撃練習等のための装置に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0102】
10…ゴルフ練習装置
11…メイン筐体
12…背面筐体
13…打席マット
14…ケーブル
15…LCDモニタ
16…RFカードリーダ・ライタ
17A、17B、17C、17D…ボタン
20…正面用デジタルビデオカメラ
21…背面用デジタルビデオカメラ
22…ヘッド用ドップラーセンサ
23…ボール用ドップラーセンサ
24…センサ制御部
26…正面用リングバッファ
27…背面用リングバッファ
30…CPU
32…ステムメモリ(RAM)
34…バスアービタ
36…プログラムデータ記憶装置又は記憶媒体
38…BOOTROM
40…レンダリングプロセッサ
42…グラフィックメモリ
44…ビデオDAC
46…サウンドプロセッサ
48…サウンドメモリ
50…オーディオDAC
52…通信インターフェース
54…LANアダプタ
60…ペリフェラルI/F
62…USBI/O

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体がゴルフクラブによりボールを打つときの動画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段と
を有するゴルフ練習装置において、
前記ゴルフクラブにより打たれたボールの速度を測定するボール速度測定手段と、
前記ボール速度測定手段により前記ボール速度が決定されたボール速度決定時点に基づいて、前記記憶手段に記憶された動画像から、前記ボール速度決定時点の前後の所定時間の動画像を抽出する動画像抽出手段とを更に有し、
前記動画像抽出手段により抽出された動画像を前記表示手段に表示する
ことを特徴とするゴルフ練習装置。
【請求項2】
被写体がゴルフクラブによりボールを打つときの動画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段と
を有するゴルフ練習装置において、
前記ゴルフクラブにより打たれたボールの速度を測定するボール速度測定手段と、
被写体がボールを打つ際の前記ゴルフクラブのスイング速度を測定するスイング速度測定手段とを更に有し、
前記表示手段に、前記ボール速度と前記スイング速度を更に表示する
ことを特徴とするゴルフ練習装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のゴルフ練習装置において、
前記ボール速度測定手段は、前記ゴルフクラブにより打たれた前記ボールの飛球方向にアンテナが向いたドップラーセンサを有する
ことを特徴とするゴルフ練習装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載のゴルフ練習装置において、
前記スイング速度測定手段は、前記ボールを打つ前記ゴルフクラブの方向にアンテナが向いたドップラーセンサを有する
ことを特徴とするゴルフ練習装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゴルフ練習装置において、
前記撮影手段は、前記被写体の正面からの動画像を撮影する正面用撮影手段と、前記被写体の背面からの動画像を撮影する背面用撮影手段とを有する
ことを特徴とするゴルフ練習装置。
【請求項6】
被写体が打撃用具により球を打つときの動画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段と
を有する打撃練習装置において、
前記打撃用具により打たれた球の球速度を測定する球速度測定手段と、
前記球速度測定手段により前記球速度が決定された球速度決定時点に基づいて、前記記憶手段に記憶された動画像から、前記球速度決定時点の前後の所定時間の動画像を抽出する動画像抽出手段とを更に有し、
前記動画像抽出手段により抽出された動画像を前記表示手段に表示する
ことを特徴とする打撃練習装置。
【請求項7】
被写体が打撃用具により球を打つときの動画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された動画像をエンドレスに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された動画像を表示する表示手段と
を有する打撃練習装置において、
前記打撃用具により打たれた球の球速度を測定する球速度測定手段と、
被写体が球を打つ際の前記打撃用具の打撃速度を測定する打撃速度測定手段とを更に有し、
前記表示手段に、前記球速度と前記打撃速度を更に表示する
ことを特徴とする打撃練習装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−24805(P2011−24805A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174164(P2009−174164)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)