説明

サイレントチェーン

【課題】製造、組立コストを抑制し、重量やサイズを増大させることなく、ロッカーピンの変形に伴う引張強度の低下や摩耗伸び、発熱、騒音、歯飛びを低減するとともに、アライメントのずれの許容量を大きくするサイレントチェーンを提供すること。
【解決手段】一対のガイドプレート110と複数のリンクプレート120、130とをロッカーピン141、142により交互に連結編成されてなるサイレントチェーン100において、ガイドプレート110が、前後一対のピン孔の間の位置で2つに分割されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のリンクプレートを連結ピンにより連結しかつ最外側にガイドプレートを配置してなる動力伝達用のサイレントチェーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、動力伝達用チェーンとして用いられるサイレントチェーンにおいて、一対のガイドプレートと、ガイドプレート間に配列された複数のリンクプレートよりなるガイドリンク列と、複数のリンクプレートよりなる非ガイドリンク列とを有し、ガイドプレートおよびリンクプレートの前後一対のピン孔にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピンが該ロッカー面を対抗させて挿通されて、ガイドリンク列のリンクプレートと非ガイドリンク列のリンクプレートが交互に連結編成されたものが公知である。
【0003】
公知のサイレントチェーン500は、図8、図9に示すように、各々一対の歯部およびピン孔が形成されたガイドリンク列のリンクプレート520と非ガイドリンク列のリンクプレート530を交互に積層するとともに、これらのリンクプレート520、530の各ピン孔内にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピン541、542を、該ロッカー面を対抗させて挿入して各リンクプレート520、530を枢動可能に連結し、さらにガイドリンク列のリンクプレート520の最外側にガイドプレート510を配置し、ガイドプレート510が長ロッカーピン541と密に嵌合して長ロッカーピン541を抜け止めする構造を有している。
【0004】
また、最外側に設けられたガイドプレート510は、図10に示すように、ガイドリンク列のリンクプレート520の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状に形成されており、サイレントチェーン500が幅方向にずれないように規制するガイド機能を有している。
【0005】
この公知のサイレントチェーン500は、スプロケットSに噛み合って張力が生じることとなるが、スプロケットSから受ける張力は各リンクプレート520、530で受け、ガイドプレート510は直接張力を受けない。
このことで、各リンクプレート520、530と長、短一対のロッカーピン541、542との僅かなクリアランスおよび弾性変形の影響で、図11に示すように、長ロッカーピン541の両端がガイドプレート510に規制されて中央部が弓状に変形し、ガイドプレート510も弓状に反ることとなる。
【0006】
この結果、各リンクプレート520、530と長、短一対のロッカーピン541、542とが幅方向での当接が不均一となり、局所的に張力が集中しサイレントチェーン500の全体としての引張強度が低下したり、繰り返しの変形によって摩耗伸びや発熱、騒音が増加したりするという問題があった。
【0007】
また、スプロケットSに噛み合う際に、前記変形の影響で、ガイドリンク列のリンクプレート520と非ガイドリンク列のリンクプレート530とので歯のピッチ差が生じて着座が不安定となり、歯飛びや騒音が増加するなどの問題があった。
【0008】
さらに、スプロケットのアライメントが幅方向にずれた場合、図12に示すように、ガイドリンク列のリンクプレート520は最外側に長ロッカーピン541と密に嵌合されたガイドプレート510が存在するため殆ど傾斜することができず、非ガイドリンク列のリンクプレート530のみが傾斜してサイレントチェーン500が斜行することとなるため、幅方向のアライメントのずれの許容量が非常に小さくなるという問題があった。
【0009】
これらの問題を軽減するため、円筒状のロッカーピンを有するサイレントチェーンにおいて、ガイドプレートをロッカーピンに対して長手方向に遊嵌し、ガイドプレートの外側にロッカーピンの抜け止め用プレートを密に嵌合させたものが公知である(特許文献1、特許文献2等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−205346号公報(全頁、全図)
【特許文献2】特開2002−130385号公報(全頁、全図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1、2等に記載された公知のサイレントチェーンによれば、上記のロッカーピンの変形による各問題はある程度軽減されるものの、サイレントチェーン本来の引張強度と無関係な部品点数が増加するため、製造、組立コストが増加しサイレントチェーンの重量も増加するという問題があった。
また、サイレントチェーンの幅方向のサイズが増加することとなるため、適用されるチェーン伝送装置のサイズも増大し、小型軽量化を阻害するという問題があった。
【0012】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、製造、組立コストを抑制し、重量やサイズを増大させることなく、ロッカーピンの変形に伴う引張強度の低下や摩耗伸び、発熱、騒音、歯飛びを低減するとともに、アライメントのずれの許容量を大きくするサイレントチェーンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本請求項1に係る発明は、一対のガイドプレートと、前記ガイドプレート間に配列された複数のリンクプレートよりなるガイドリンク列と、複数のリンクプレートよりなる非ガイドリンク列とを有し、前記ガイドプレートおよびリンクプレートの前後一対のピン孔にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピンが該ロッカー面を対抗させて挿通されて、前記ガイドリンク列のリンクプレートと前記非ガイドリンク列のリンクプレートが交互に連結編成されたサイレントチェーンにおいて、前記ガイドプレートが、前後一対のピン孔の間の位置で2つに分割されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0014】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたサイレントチェーンの構成に加えて、前記2つに分割されたガイドプレートのいずれか一方が、ガイド機能を有さないことにより、前記課題をさらに解決するものである。
【0015】
本請求項3に係る発明は、請求項1に記載されたサイレントチェーンの構成に加えて、前記2つに分割されたガイドプレートの一方が、前記ガイドリンク列のリンクプレートの外側でガイド機能を有し、前記2つに分割されたガイドプレートの他方が、前記非ガイドリンク列のリンクプレートの外側でガイド機能を有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0016】
本請求項1に係る発明のサイレントチェーンは、一対のガイドプレートと、ガイドプレート間に配列された複数のリンクプレートよりなるガイドリンク列と、複数のリンクプレートよりなる非ガイドリンク列とを有し、ガイドプレートおよびリンクプレートの前後一対のピン孔にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピンが該ロッカー面を対抗させて挿通されて、ガイドリンク列のリンクプレートと非ガイドリンク列のリンクプレートが交互に連結編成されたサイレントチェーンにおいて、ガイドプレートが前後一対のピン孔の間の位置で2つに分割されていることにより、各リンクプレートが張力を受け長ロッカーピンが離れる方向に移動しても、2つに分割されたガイドプレートはそれぞれ長ロッカーピンとともに自由に移動することができるため、各リンクプレートと長、短一対のロッカーピンとが幅方向で均一に当接して局所的に張力が集中することがなく、サイレントチェーン全体としての引張強度が低下したり、繰り返しの変形によって発熱や騒音が増加したりすることがない。
【0017】
また、2つに分割されたガイドプレートは、幅方向の最外側でガイド機能を有するとともに、長ロッカーピンに密に嵌合し抜け止めの機能を有しており、別途の部品を必要としないため、製造、組立コストや重量が増加することはなく、幅方向のサイズも増加することとはないため、適用されるチェーン伝送装置の小型軽量化が可能となる。
【0018】
本請求項2に係る発明のサイレントチェーンは、請求項1に係るサイレントチェーンが奏する効果に加えて、2つに分割されたガイドプレートのいずれか一方が、ガイド機能を有さないことにより、2つに分割されたガイドプレートのいずれか一方を長ロッカーピンに密に嵌合し抜け止めの機能のみを有する小さなものとすることができるため、さらに重量を小さくすることができ、適用されるチェーン伝送装置の小型軽量化が可能となる。
【0019】
本請求項3に係る発明のサイレントチェーンは、請求項1に係るサイレントチェーンが奏する効果に加えて、2つに分割されたガイドプレートの一方が、ガイドリンク列のリンクプレートの外側でガイド機能を有し、2つに分割されたガイドプレートの他方が、非ガイドリンク列のリンクプレートの外側でガイド機能を有することにより、全てのスプロケットの歯の外側で幅方向のガイドを行うことができるため、より円滑にスプロケットと噛み合うことが可能となり、騒音や歯飛びをさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施例であるサイレントチェーンの平面図。
【図2】本発明の第1実施例であるサイレントチェーンの側面図。
【図3】本発明の第1実施例であるサイレントチェーンのスプロケットへの巻き掛け時の説明図。
【図4】本発明の第1実施例であるサイレントチェーンの引張時の説明図。
【図5】本発明の第1実施例であるサイレントチェーンの斜行時の説明図。
【図6】本発明の第2実施例であるサイレントチェーンの側面図。
【図7】本発明の第3実施例であるサイレントチェーンの側面図。
【図8】従来のサイレントチェーンの平面図。
【図9】従来のサイレントチェーンの側面図。
【図10】従来のサイレントチェーンのスプロケットへの巻き掛け時の説明図。
【図11】従来のサイレントチェーンの引張時の説明図。
【図12】従来のサイレントチェーンの斜行時の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、一対のガイドプレートと、ガイドプレート間に配列された複数のリンクプレートよりなるガイドリンク列と、複数のリンクプレートよりなる非ガイドリンク列とを有し、ガイドプレートおよびリンクプレートの前後一対のピン孔にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピンが該ロッカー面を対抗させて挿通されて、ガイドリンク列のリンクプレートと非ガイドリンク列のリンクプレートが交互に連結編成されたサイレントチェーンにおいて、ガイドプレートが前後一対のピン孔の間の位置で2つに分割され、製造、組立コストを抑制し、重量やサイズを増大させることなく、ロッカーピンの変形に伴う引張強度の低下や摩耗伸び、発熱、騒音、歯飛びを低減するとともに、アライメントのずれの許容量を大きくするという効果を奏するものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
【0022】
なお、各図面に示す各構成部材の形状、変形量やずれ量等は、実寸ではなく、発明が明確に支持される範囲内で、より解りやすく説明するために簡略化したり誇張したものである。
また、各図面に示す各リンクプレートの枚数についても、説明のために異なるものが混在しているが、実際には、枚数は如何なるものであっても良い。
【実施例1】
【0023】
以下に、本発明の実施例であるサイレントチェーンについて、図面に基づいて説明する。
本発明の第1実施例であるサイレントチェーン100は、図1、図2に示すように、各々一対の歯部およびピン孔が形成されたガイドリンク列のリンクプレート120と非ガイドリンク列のリンクプレート130を交互に積層するとともに、これらのリンクプレート120、130の各ピン孔内にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピン141、142が該ロッカー面を対抗させて挿入されて、各リンクプレート120、130を枢動可能に連結し、さらにガイドリンク列のリンクプレート120の最外側に2つに分割されたガイドプレート110を配置した構造を有している。
【0024】
そして、ガイドプレート110は、前後一対のピン孔の間の中央位置でクリアランスCを有するように2つに分割されており、それぞれ、1つの長ロッカーピン141と密に嵌合して長ロッカーピン141を抜け止めするとともに、図3に示すように、ガイドリンク列のリンクプレート120の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状に形成されており、サイレントチェーン100が幅方向にずれないように規制するガイド機能を有している。
【0025】
以上の構成の本発明の第1実施例であるサイレントチェーン100によれば、スプロケットSに噛み合って張力が生じると、各リンクプレート120、130で受けることとなり、各リンクプレート120、130と長、短一対のロッカーピン141、142との僅かなクリアランスおよび弾性変形によってサイレントチェーン100が張力方向に僅かに伸びる。
【0026】
この時、図4に示すように、各長ロッカーピン141の両端はそれぞれ2つに分割されたガイドプレート110a、110bに密に嵌合しており、互いに独立して変位可能なため、各リンクプレート120、130からの力を幅方向で均等に受けることができ、中央部が弓状に変形することはない。
【0027】
したがって、各リンクプレート120、130と長、短一対のロッカーピン141、142とが幅方向で均等に当接し、局所的に張力が集中することなく、サイレントチェーン100の全体としての引張強度が低下することはない。
また、長、短一対のロッカーピン141、142が繰り返し変形することがなく、摩耗伸びや発熱、騒音を低減することができる。
【0028】
また、スプロケットSに噛み合う際にも、各長ロッカーピン141の両端はそれぞれ2つに分割されたガイドプレート110a、110bに密に嵌合しており、互いに独立して変位可能なため、ガイドリンク列のリンクプレート120と非ガイドリンク列のリンクプレート130とので歯のピッチ差が生じることを抑制でき、着座が安定し、歯飛びや騒音を防止することができる。
【0029】
さらに、スプロケットのアライメントが幅方向にずれた場合、図5に示すように、各長ロッカーピン141の両端はそれぞれ2つに分割されたガイドプレート110a、110bに密に嵌合しており、互いに独立して変位可能なため、ガイドリンク列のリンクプレート120および非ガイドリンク列のリンクプレート130が均等に傾斜してサイレントチェーン100が斜行することができ、幅方向のアライメントのずれの許容量を大きくすることができる。
【0030】
また、2つに分割されたガイドプレート110a、110bは、従来のガイドプレートよりも重量を増加させることなく、且つ、幅方向にも従来のガイドプレートと全く同様のサイズとすることができ、適用されるチェーン伝送装置の小型軽量化が可能となる。
【実施例2】
【0031】
本発明の第2実施例であるサイレントチェーン200は、図6に示すように、各々一対の歯部およびピン孔が形成されたガイドリンク列のリンクプレート220と非ガイドリンク列のリンクプレート230を交互に積層するとともに、これらのリンクプレート220、230の各ピン孔内にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピン241、242が該ロッカー面を対抗させて挿入されて、各リンクプレート220、230を枢動可能に連結し、さらにガイドリンク列のリンクプレート220の最外側に2つに分割されたガイドプレート210を配置した構造を有している。
【0032】
そして、ガイドプレート210は、前後一対のピン孔の間の中央位置で2つに分割されており、一方の長ガイドプレート211が長ロッカーピン241と密に嵌合して長ロッカーピン241を抜け止めするとともに、ガイドリンク列のリンクプレート220の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状に形成されており、サイレントチェーン200が幅方向にずれないように規制するガイド機能を有している。
【0033】
他方の短ガイドプレート212は、長ロッカーピン241と密に嵌合して長ロッカーピン241を抜け止めするとともに、長ロッカーピン241と嵌合するのに必要な大きさでリンクプレート220、230の外形より内側のみに収まる大きさとして、ガイド機能を有さないように構成されている。
【0034】
以上の構成の本発明の第2実施例であるサイレントチェーン200によれば、第1実施例であるサイレントチェーン100と同様の作用、効果に加えて、短ガイドプレート212を抜け止め機能のみ有する極めて軽量のものとすることができるとともに、長ガイドプレート211も、ガイド機能を達成できる最低限の大きさとすることが可能となり、サイレントチェーン200の重量をさらに小さくすることができ、適用されるチェーン伝送装置のさらなる小型軽量化が可能となる。
【実施例3】
【0035】
本発明の第3実施例であるサイレントチェーン300は、図7に示すように、各々一対の歯部およびピン孔が形成されたガイドリンク列のリンクプレート320と非ガイドリンク列のリンクプレート330を交互に積層するとともに、これらのリンクプレート320、330の各ピン孔内にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピン341、342が該ロッカー面を対抗させて挿入されて、各リンクプレート320、330を枢動可能に連結し、さらにガイドリンク列のリンクプレート320の最外側に2つに分割されたガイドプレート310を配置した構造を有している。
【0036】
そして、ガイドプレート310は、前後一対のピン孔の間の中央位置で2つに分割されており、一方の長ガイドプレート311aが長ロッカーピン341と密に嵌合して長ロッカーピン341を抜け止めするとともに、ガイドリンク列のリンクプレート320の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状に形成されており、サイレントチェーン200が幅方向にずれないように規制するガイド機能を有している。
【0037】
他方の長ガイドプレート311bは、長ロッカーピン341と密に嵌合して長ロッカーピン341を抜け止めするとともに、非ガイドリンク列のリンクプレート330の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状に形成されており、サイレントチェーン200が幅方向にずれないように規制するガイド機能を有している。
【0038】
以上の構成の本発明の第3実施例であるサイレントチェーン300によれば、第1実施例であるサイレントチェーン100と同様の作用、効果に加えて、両方の長ガイドプレート311a、311bが、それぞれ、ガイドリンク列のリンクプレート320の外側および非ガイドリンク列のリンクプレート330の外側でガイド機能を有することにより、全てのスプロケットの歯の外側で幅方向のガイドを行うことができるため、より円滑にスプロケットと噛み合うことが可能となり、騒音や歯飛びをさらに低減することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明によれば、製造、組立コストを抑制し、重量やサイズを増大させることなく、ロッカーピンの変形に伴う引張強度の低下や摩耗伸び、発熱、騒音、歯飛びを低減するとともに、アライメントのずれの許容量を大きくできるなど、その効果は甚大である。
【0040】
なお、上記各実施例では、ガイドプレートの形状として従来の形状を2分割したもの、円形、小判型のものを図示して例示しているが、ロッカーピンを抜け止めでき、ガイド機能を発揮できる形状であれば、いかなる形状であっても良い。
【0041】
また、上記実施例2において、長ガイドプレート211がガイドリンク列のリンクプレート220の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状に形成されているが、長ガイドプレート211が非ガイドリンク列のリンクプレート230の歯部がスプロケットSに噛み合う際にスプロケットSの歯Tの両側部にかかる形状(図6の左右逆斜め方向に延びる小判形)に形成されていても良い。
【0042】
さらに、長ガイドプレート211がガイドリンク列のリンクプレート220および非ガイドリンク列のリンクプレート230の両方の歯部をカバーする形状(図6の左右両斜め方向に広がる小判型以外の形状)であっても良く、その場合、実施例3と同様の作用・効果も奏することとなる。
【符号の説明】
【0043】
100、200、300、500 ・・・サイレントチェーン
110、210、310、510 ・・・ガイドプレート
211、311 ・・・長ガイドプレート
212 ・・・短ガイドプレート
120、220、320、520 ・・・ガイドリンク列リンクプレート
130、230、330、530 ・・・非ガイドリンク列リンクプレート
141、241、341、541 ・・・長ロッカーピン
142、242、342、542 ・・・短ロッカーピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のガイドプレートと、前記ガイドプレート間に配列された複数のリンクプレートよりなるガイドリンク列と、複数のリンクプレートよりなる非ガイドリンク列とを有し、前記ガイドプレートおよびリンクプレートの前後一対のピン孔にロッカー面を有する長、短一対のロッカーピンが該ロッカー面を対抗させて挿通されて、前記ガイドリンク列のリンクプレートと前記非ガイドリンク列のリンクプレートが交互に連結編成されたサイレントチェーンにおいて、
前記ガイドプレートが、前後一対のピン孔の間の位置で2つに分割されていることを特徴とするサイレントチェーン。
【請求項2】
前記2つに分割されたガイドプレートのいずれか一方が、ガイド機能を有さないことを特徴とする請求項1に記載のサイレントチェーン。
【請求項3】
前記2つに分割されたガイドプレートの一方が、前記ガイドリンク列のリンクプレートの外側でガイド機能を有し、
前記2つに分割されたガイドプレートの他方が、前記非ガイドリンク列のリンクプレートの外側でガイド機能を有することを特徴とする請求項1に記載のサイレントチェーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−13111(P2012−13111A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148053(P2010−148053)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)