説明

サブバンド信号処理

【課題】入力信号のサブバンド処理のための装置を提供すること。
【解決手段】入力信号のサブバンド処理のための装置であって、2つの信号ブランチを含む分析フィルタバンクと、該分析フィルタバンクから該2つのサブバンド信号を供給される2つのサブバンド信号プロセッサと、出力信号を合成する合成フィルタバンクとを備え、該間引きフィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、または該第1の補間フィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、あるいは該間引きフィルタおよび該第1の補間フィルタの両方が無限インパルス応答(IIR)フィルタであるかのいずれかであり、該オールパスフィルタは、該間引きフィルタまたは該第1の補間フィルタあるいは該間引きフィルタおよび該第1の補間フィルタの両方の位相応答を補償するように適合された位相応答を有する、装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は信号処理に関し、特にサブバンドオーディオ信号処理に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
信号のサブバンド処理は、オーディオ信号処理システムにおいて広く使用される。このようなシステムにおいて、処理される信号は、少なくとも2つの周波数バンドのうちの1つのアレイに分解される。続いて、処理はバンドごとに行われる。このために、分析フィルタバンクが所定の数の周波数バンドに信号を分解するために用いられる。次いで、さまざまな動作がさまざまなサブバンド信号において行われる。処理されるサブバンド信号は、次いで、合成フィルタバンクによって、所望の処理信号に再結合される。しかし、従来のシステムにおいて、このような分析および合成フィルタの使用は、著しい遅延をもたらした。この分析および合成フィルタバンクにおいて用いられる複数のフィルタの公知の実装は、典型的には線形位相である(すなわち有限インパルス応答フィルタ(FIR))。このことは、線形位相分析フィルタおよび線形合成フィルタ(すなわち有限インパルス応答フィルタ(FIR))、または最小位相分析フィルタおよび最大位相合成フィルタもしくはその逆のいずれかを用いることをもたらす。しかしながら、フィルタのタイプ、すなわち線形位相フィルタまたは最小/最大位相フィルタのどちらが用いられるかにかかわらず、この実装は計算効率に関して満足いくものではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の概要)
入力信号のサブバンド処理のための装置が提示され、該装置は分析フィルタバンクを含み、該分析フィルタバンクは、2つのサブバンドを確立し、かつ、この入力信号を2つのサブバンド信号に分解する、2つの信号ブランチを含み、2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは、間引きフィルタと、引き続くダウンサンプリングユニットと、引き続く基本フィルタ(basis filter)とを含み、第2のブランチは、オールパスフィルタと減算器とを含み、該減算器は、該オールパスフィルタの下流と、第1のアップサンプリングユニットおよび引き続く第1の補間フィルタを介して基本フィルタの下流と接続される。2つのサブバンド信号が、分析フィルタバンクから2つのサブバンド信号プロセッサに供給され、該2つのサブバンド信号プロセッサは、対応するサブバンドにおいてサブバンド信号を処理し、2つの処理されたサブバンド信号を生成する。さらに、上記装置は、出力信号を合成する合成フィルタバンクを備え、該フィルタバンクは、加算器を含み、該加算器には第2のブランチの処理されたサブバンド信号と共に、第2のサンプリングユニットと引き続く第2の補間フィルタとを介して、第1のブランチの処理されたサブバンド信号が供給される。間引きフィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、または第1の補間フィルタが無限応答フィルタであるか、あるいは間引きフィルタおよび第1の補間フィルタの両方が無限インパルス応答(IIR)フィルタであるかのいずれかであり、オールパスフィルタが間引きフィルタまたは第1の補間フィルタあるいは間引きフィルタおよび第1の補間フィルタの両方の位相応答を補償するように適合される位相応答を有する。
【0004】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
入力信号のサブバンド処理のための装置であって、
2つの信号ブランチを含む分析フィルタバンクであって、該2つの信号ブランチは、2つのサブバンドを確立して、該入力信号を2つのサブバンド信号に分解し、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは間引きフィルタと、引き続くダウンサンプリングユニットと、引き続く基本フィルタとを含み、該第2のブランチはオールパスフィルタと減算器とを含み、該減算器は該オールパスフィルタの下流に接続され、そして第1のアップサンプリングユニットおよび引き続く第1の補間フィルタを介して該基本フィルタの下流に接続される、分析フィルタバンクと、
該分析フィルタバンクから該2つのサブバンド信号を供給される2つのサブバンド信号プロセッサであって、該2つのサブバンド信号プロセッサは、対応するサブバンドにおいて該サブバンド信号を処理し、2つの処理されたサブバンド信号を生成する、2つのサブバンド信号プロセッサと、
出力信号を合成する合成フィルタバンクであって、該合成フィルタバンクは、該第2のブランチの該処理されたサブバンド信号を供給され、第2のアップサンプリングユニットおよび引き続く第2の補間フィルタを介して、該第1のブランチの該処理されたサブバンド信号を供給される加算器を含む、合成フィルタバンクと
を備え、
該間引きフィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、または該第1の補間フィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、あるいは該間引きフィルタおよび該第1の補間フィルタの両方が無限インパルス応答(IIR)フィルタであるかのいずれかであり、
該オールパスフィルタは、該間引きフィルタまたは該第1の補間フィルタあるいは該間引きフィルタおよび該第1の補間フィルタの両方の位相応答を補償するように適合された位相応答を有する、装置。
(項目2)
上記基本フィルタは有限インパルス応答(FIR)フィルタを含む、上記項目に記載の装置。
(項目3)
上記基本フィルタは線形位相無限インパルス応答(IIR)フィルタを含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目4)
上記第2のブランチは、第1の遅延ユニットを含み、該第1の遅延ユニットは、上記オールパスフィルタと直列に接続され、少なくとも上記基本フィルタの上記位相応答を補償するように適合されている位相応答を有する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目5)
上記間引きフィルタと、上記第1の補間フィルタと、上記第2の補間フィルタとが同一の伝達関数を有する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目6)
上記間引きフィルタと、上記第1の補間フィルタと、上記第2の補間フィルタとがローパスフィルタである、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目7)
上記間引きフィルタと、上記第1の補間フィルタと、上記第2の補間フィルタとが最小位相無限インパルス応答(IIR)フィルタである、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目8)
上記分析フィルタバンク内において、上記間引きフィルタは上記ダウンサンプリングユニットおよび上記オールパスフィルタの下流に接続される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目9)
少なくとも1つの分析フィルタバンクの上記第1のブランチがカスケードされた引き続く分析フィルタバンクの上記第1のブランチおよび上記第2のブランチを含むように、n個の分析フィルタバンクとn個のサブバンド信号プロセッサとn個の分析フィルタバンクとをさらに備える、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目10)
上記基本フィルタはマルチレート相補フィルタである、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目11)
上記基本フィルタはサブ基本フィルタ入力信号を供給される2つの信号ブランチを備え、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは、さらなる間引きフィルタと第2のダウンサンプリングユニットとさらなる基本フィルタとを含み、第2のブランチは、第2の遅延ユニットと基本フィルタ出力信号を提供する第2の減算器とを含み、該第2の減算器は、該第2の遅延ユニットの下流に接続され、第3のアップサンプリングユニットおよび引き続く第3の補間フィルタを介して該基本フィルタの下流に接続される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目12)
上記第2の間引きフィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、または上記第3の補間フィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、あるいは該第2の間引きフィルタおよび該第3の補間フィルタの両方が無限インパルス応答(IIR)フィルタであるかのいずれかであり、
第2のオールパスフィルタは上記第2の遅延ユニットに直列に接続され、
該第2のオールパスフィルタは、該第2の間引きフィルタまたは該第3の補間フィルタあるいは該第2の間引きフィルタおよび該第3の補間フィルタの両方の位相応答を補償するように適合されている、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目13)
上記第2の遅延ユニットは、少なくとも上記サブ基本フィルタの上記位相応答を補償するように適合されている位相応答を有する、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目14)
入力信号のサブバンド処理のための方法であって、該方法は、
分析ステップであって、該分析ステップは、第1のブランチにおいて、間引きフィルタリングをし、その後ダウンサンプリングをして、その後基本フィルタリングを行うことによって、該入力信号を2つのサブバンドを確立する2つのサブバンド信号に分解することと、第2のブランチにおいて、オールパスフィルタリングをし、アップサンプリングされて、その後補間フィルタリングされた該第1のブランチの信号を、該オールパスフィルタリングされた入力信号から減算することとを含む、分析ステップと、
対応するサブバンドにおいて該第1のブランチおよび該第2のブランチからの該2つのサブバンド信号を処理して、該処理された2つのサブバンド信号を生成するサブバンド信号処理ステップと、
該第2のブランチの処理されたサブバンド信号と、アップサンプリングされ、その後補間フィルタリングされた該第1のブランチの処理されたサブバンド信号とを加算することによって、出力信号を合成する合成ステップと
を包含し、
該間引きフィルタリングまたは該第1の補間フィルタリング、あるいは該間引きフィルタリングおよび該第1の補間フィルタリングの両方のいずれかが無限インパルス応答(IIR)を示し、
位相応答をオールパスフィルタリングすることは、該間引きフィルタリングまたは該第1の補間フィルタリング、あるいは該間引きフィルタリングおよび該第1の補間フィルタリングの両方の位相応答を補償するように適合される、方法。
(項目15)
上記基本フィルタリングは有限インパルス応答(FIR)を示す、上記項目に記載の方法。
(項目16)
上記基本フィルタリングは線形位相無限インパルス応答(IIR)を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
上記間引きフィルタリング、および上記複数の補間フィルタリングステップのうちの少なくとも1つが同一の伝達関数を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
上記間引きフィルタリングステップ、および上記少なくとも1つの補間フィルタリングステップは、ローパスフィルタの特性を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記間引きフィルタリングステップ、および上記少なくとも1つの補間フィルタリングステップが、最小位相無限インパルス応答(IIR)を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記第2のブランチにおいて、上記信号が遅延する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
上記基本フィルタリングステップはマルチレート相補フィルタリングを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目22)
上記基本フィルタリングステップは、基本フィルタ入力信号を2つの信号ブランチに供給することを含み、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは、第2の間引きフィルタリングステップと、引き続く第2のダウンサンプリングステップと、引き続くサブ基本フィルタリングステップとを含み、第2のブランチは、第2の信号遅延ステップと第2の減算ステップとを含み、該減算ステップにおいて、アップサンプリングされ、その後補間フィルタリングされた該第1のブランチの信号は、該遅延した基本フィルタ入力信号から減算され基本フィルタ出力信号を形成する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
第2の間引きフィルタリングステップおよび第3の補間フィルタリングステップ、または該第2の間引きフィルタリングステップおよび該第3の補間フィルタリングステップの両方のうちの少なくとも1つが無限インパルス応答(IIR)を示し、
第2のオールパスフィルタリングステップは、上記第2の信号遅延ステップの前または後に行われ、
該第2のオールパスフィルタリングステップは、上記第2の間引きフィルタリングステップまたは上記第3の補間フィルタリングステップ、あるいは該第2の間引きフィルタリングステップおよび該第3の補間フィルタリングステップの両方を補償するように適合されている位相応答を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目24)
上記第2の遅延ステップは、少なくとも上記サブ基本フィルタの上記位相応答を補償するように適合されている位相応答を示す、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0005】
(摘要)
オーディオ信号のサブバンド処理のための装置が提示され、該装置は分析フィルタバンクと信号プロセッサと合成フィルタバンクとを備えている。分析フィルタバンクは2つのサブバンドを確立し、かつオーディオ信号を2つのサブバンド信号に分解する2つの信号ブランチを含み、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは間引きフィルタと、引き続くダウンサンプリングユニットと、引き続く基本フィルタとを含み、第2のブランチは、オールパスフィルタと減算器とを含み、該減算器は、該オールパスフィルタの下流に接続され、アップサンプリングユニットおよび引き続く補間フィルタを介して該基本フィルタの下流に接続される。間引きフィルタおよび補間フィルタのうちの少なくとも1つが無限インパルス応答(IIR)フィルタであり、該オールパスフィルタは、該間引きフィルタおよび該補間フィルタのうちの少なくとも1つの位相応答を補償するように適合された位相応答を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、2つのサブバンドを処理する新規のサブバンド信号処理装置をブロック図で示している。
【図2】図2は、図1の装置において用いられ得るダイレクトフォームIIの3次IIRフィルタをブロック図で示している。
【図3】図3は、図1の装置において用いられ得るダイレクトフォームIIの3次オールパスフィルタをブロック図で示している。
【図4】図4は、図1の装置において用いられ得る間引きフィルタおよび補間フィルタならびに対応するオールパスフィルタのローパスフィルタカスケードの理想的な周波数および位相特性のグラフ表記である。
【図5】図5は、サブバンド信号処理なしのエイリアシングのための周波数スワッピングした間引きフィルタと、基本フィルタと、補間フィルタとの周波数特性のグラフ表示である。
【図6】図6は、複数のオクターブ間隔の空いたサブバンドを処理するサブバンド信号処理装置を、簡略化したブロック図のフォームで示している。
【図7】図7は、図1の装置で用いられ得る基本フィルタの詳細を、簡略化したブロック図のフォームで示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(詳細な説明)
図1は、入力オーディオ信号X(z)のサブバンド処理のための新規の装置の例を示す。この装置は、オーディオ信号X(z)を受信し、2つの信号ブランチ2、3を有する分析フィルタバンク1を含み、これらの信号ブランチ2、3は、2つのサブバンド(ローパスサブバンドLP−SBおよびハイパスサブバンドHP−SB)を確立し、オーディオ信号X(z)をそれぞれ2つのサブバンド信号X(z)およびY(z)に分解する。第1のブランチ2は、伝達関数Hを有する間引きフィルタ4と、オーディオ信号X(z)のサンプルレートを2だけ低減させるための引き続くダウンサンプリングユニット5と、伝達関数Hを有する引き続く基本フィルタ6とを含む。第2のブランチ3は、伝達関数Hを有するオールパスフィルタ7と、遅延時間z−νを有する遅延要素8と、オールパスフィルタ7の下流部および遅延要素8に接続され、かつ第1のアップサンプリングユニット10および信号Y(z)を生成する引き続く第1の補間フィルタ11を介して基本フィルタ6の下流にも接続される減算器9とを含む。
【0008】
2つのサブバンド信号X(z)およびY(z)を供給される2つのサブバンド信号プロセッサ12、13は、対応するサブバンドLP−SB、HP−SBにおいてこれらの信号を処理し、2つの処理されたサブバンド信号を生成する。処理されたオーディオ信号Y(z)を合成するための引き続く合成フィルタバンク14は、加算器15を含み、該加算器15は、第2のブランチ3の処理されたサブバンド信号
【0009】
【化1】

を供給され、さらには、第2のアップサンプリングユニット16および引き続く第2の補間フィルタ17を介して第1のブランチ2の処理されたサブバンド信号
【0010】
【化2】

を供給される。この加算器は処理されたオーディオ信号Y(z)を供給する。本例において、間引きフィルタ4と、補間フィルタ11、17とは、同一のローパス伝達関数を有する無限インパルス応答(IIR)フィルタである。オールパスフィルタ7は、カスケードフィルタ4および11の帰納的部分を提示する。したがって、オールパスフィルタ7は、間引きフィルタ4および補間フィルタ11の位相応答を補償するように適合された位相応答を有する。
【0011】
本例において、基本フィルタ6は、有限インパルス応答(FIR)フィルタまたは線形位相無限インパルス応答(IIR)フィルタなどの線形位相フィルタである。線形位相は、一部の用途において非常に望ましい特性であり得る。線形位相は、出力と入力との間の全周波数成分に対する一定の遅延を規定する。厳密な線形位相の要件は、FIRフィルタを用いるための主な理由である。線形位相フィルタは、位相応答が、周波数の線形関数であるフィルタである。対照的に、間引きフィルタ4ならびに補間フィルタ11および17は、IIR最小位相フィルタである。その伝達関数とその伝達関数の逆数が共に安定し、因果関係があるとき、フィルタは最小位相と呼ばれる。言い換えると、両方が単位円内にゼロと極とを有する。
【0012】
図2および図3は、ダイレクトフォームIIの3次ローパスIIRフィルタの例(図2)と、ダイレクトフォームIIの3次オールパスフィルタの例(図3)とを示し、これらの例は上記の装置において用いられ得る。このようなフィルタの基本構造は、3次フィルタの場合には、それらの間のタップと直列に接続された3つの遅延要素18、19、20を有する遅延ラインを含む。遅延ラインの入力(遅延要素18の入力)と、タップ(遅延要素18および19の出力)と、遅延ラインの端部(遅延要素20の出力)とは、フィルタ係数b、b、bおよびbを有する乗算器によって重み付けされ、その後加算されて、出力信号yを形成する。さらに、タップ(遅延要素18および19の出力)および遅延ラインの端部(遅延要素20の出力)は、フィルタ係数−a、−aおよび−aを有する乗算器によって重み付けされ、その後入力信号xと加算されて、遅延ラインの入力(遅延要素18の入力)に供給される信号を形成する。
【0013】
概して、オールパスフィルタ(図3)の伝達関数は、IIRフィルタ(図2)の特別な場合である。図2に示されるような3次IIRフィルタの伝達関数H(z)は、
H(z)=y/x
=(b+b・z−1+b・z−1+b・z−1)/(1+a・z−1+a・z−1+a・z−1) (1)
である。
このようなフィルタのオールパス関数は、
=1,c=a,c=a,c=a
である。
【0014】
図2および図3のフィルタと関連して用いられるフィルタ構造およびフィルタ次数の代わりに、他の構造および次数が場合に応じて用いられ得る。このような構造は、例えば、ダイレクトフォームI、格子などであり得る。もっとも簡単なオールパスフィルタは、単位遅延
【0015】
【数1】

であり、ここでfは、Hz単位で周波数を示しており、Tは、T=1/fsである、秒単位でサンプリング期間を示している。
【0016】
図4において、対応する2次オールパスフィルタと比較して、4次ローパスフィルタの挙動が示される。容易に理解され得るように、両方のフィルタの位相特性(周波数に対する位相)は同一である。しかしながら、両方のフィルタの振幅特性(周波数に対する大きさ)は、ローパスフィルタにおいては周波数が増加するにつれ振幅が減少する一方でオールパスフィルタにおいては周波数に対して振幅が一定であるという点で異なる。
【0017】
図1に見られるような新規の装置は、分析フィルタバンクの特性をかなり変化させる追加の基本フィルタH(z)を用いる。ローパスフィルタH(z)によって、分割周波数はp/2からより低い周波数にシフトされ得、サブバンドにおけるエイリアシングコンポーネントが完全に回避され得る。さらに、複数のサブバンド間の遷移帯域幅は、1つのフィルタによって制御され得、遷移帯域幅は一定の計算効率を維持しながら小さくされ得る。
【0018】
さまざまな信号処理(SP)がサブバンド内で行われる場合には、エイリアシングは完全にはキャンセルされない。しかしながら、基本フィルタの適切な伝達関数H(z)は、この問題を解決し得る。図1の装置内でのローパス信号X(z)は、入力信号X(z)に関して、
(z)=1/2H(z1/2)・X(z1/2)・H(z)
+1/2H(−z1/2)・X(−z1/2)・H(z) (2)
と読むことができる。
【0019】
したがって、補間された信号は、
(z)=X(z)・H(z)
=1/2H(z)・H(z)・H(z)・X(z)
+1/2H(−z)・H(z)・H(z)・X(−z) (3)
である。
【0020】
ハイパスサブバンド信号Y(z)は、遅延され、オールパスフィルタリングされた入力信号z−v・X(z)からY(z)を減算することによって生成される。
(z)=H(z)・z−v・X(z)−Y(z) (4)
ローパスサブバンドLP−SBおよびハイパスサブバンドHP−SBにおける信号プロセッサ(SP)が、それぞれ、因子aLPおよびaHPによる純粋なスケーリングであることを仮定すると、図1および図2に示される合成フィルタバンクにおける2つの信号
【0021】
【化3】

は、
【0022】
【化4】

であり、2つの信号の合計である出力信号Y(z)は、
【0023】
【化5】

である。
【0024】
式(7)においてX(−z)で始まる項は、フィルタバンクの出力における残存エイリアシングを説明する。H(z)=1である通常のラプラシアンピラミッド型フィルタバンクにおいて、エイリアシングは、サブバンド内の異なるスケーリング因子aLPおよびaHPの存在下ではキャンセルされない。このことは、有限量子化誤差または異なる周波数応答をともなうサブバンド信号処理に適用する。
【0025】
伝達関数H(−z)を有する周波数スワッピングされた間引きフィルタと、伝達関数H(z)を有する基本フィルタと、エイリアシングなしのサブバンド信号処理のための伝達関数H(z)を有する2次補間フィルタとの周波数特性が図5に示される。サブバンドにおいて、信号が信号プロセッサ12、13によって変化しないことを仮定すると、エイリアシングは合成フィルタバンク14において完全にキャンセルされる。このことは、追加のフィルタ、すなわち伝達関数H(z)を有する基本フィルタによって達成される。H(z)=H(z)であり、両者は、通過帯カットオフ周波数Ωおよび阻止帯カットオフ周波数Ωを共に有し、そして、H(z)の阻止帯カットオフ周波数ΩB,Sがπ−Ωよりも大きくないので、H(−z)・H(z)・H(z)は、0≦Ω≦πの規格化された周波数でz=ejΩのときゼロになる。したがって、エイリアシングの項(2)および(3)は取り除かれ、エイリアシングなしのサブバンド処理が提供される。
【0026】
図1の2バンドフィルタは、図6に示されるように、それぞれのローパスサブバンドを2つの帯域幅の等しいサブバンドに継続して分割することによって分割するオクターブバンドを有するnバンドフィルタ(n>2)に拡張され得る。このことは、n個の分析フィルタバンク、n個のサブバンド信号プロセッサおよびn個の合成フィルタバンクがカスケードされ、その結果、少なくとも1つの分析フィルタバンクの第1のブランチがカスケード状態の引き続く分析フィルタの第1のブランチおよび第2のブランチを含むことを意味する。第1の分析フィルタバンクのローパス出力信号X(z)は、第1の分析フィルタバンクのサンプリングレートの半分で動作される次の分析フィルタバンクに送られる。次の分析フィルタバンクの出力信号X(z)は、その次の分析フィルタバンクなどに送られる。最後の分析フィルタバンクの全てのハイパスサブバンド信号およびローパス信号は、サブバンド信号処理(SP)に対するそれぞれの遅延z−μ1、z−μ2によって同期された態様で出力され、次いで補間区画で再構築されて、出力信号Yを生成する。
【0027】
図1の2チャネル分析フィルタバンクはまた、伝達関数H(z)を有する基本フィルタ6が図7に示されるようなマルチレート相補配列によって実装されるように適合され得る。このような基本フィルタの入力信号X(z)は、まず、伝達関数HD1(z)を有する間引きハイパスフィルタ28およびダウンサンプラ29によって、因子2だけダウンサンプリングされる。次いで入力信号は、伝達関数H(z)を有するkernelフィルタ30(サブ基本フィルタ)においてフィルタリングされ、この伝達関数は基本フィルタ6の通過帯と阻止帯との間の遷移勾配を担う。次いで、出力信号がアップサンプラ31および伝達関数HI1(z)を有する補間ハイパスフィルタ32によって、因子2だけ補間され、信号X(z)を形成する。入力信号X(z)は、遅延要素33によってさらに遅延され、信号X(z)は、遅延信号X(z)から差し引かれ、信号X(z)を形成する。全体的に見て、ローパスフィルタH(z)は、2倍のサンプリング周波数を有するハイパスフィルタにマッピングされる。サンプリング周波数に対する遷移帯域幅は、因子2だけ減少される。
【0028】
最後のステップにおいて、出力信号X(z)を遅延入力信号z-v1・(z)から減算することによって、相補ローパスフィルタH(z)が得られる。このフィルタのカットオフ周波数は、p/2とpとの間である。基本フィルタの遷移帯域幅は、上記の継続する間引き、補間および相補動作によって任意に低減され得る。サンプリングレートを低減させることによって、単位時間ごとのフィルタ動作が制限され、第1の間引き/補間区画のフィルタ動作の2倍になる傾向がある。したがって、帯域幅は小さいままに保持され得る一方で、計算効率がほぼ一定になる。他方で、相補動作に必要な遅延および遅延要素の数は遷移帯域幅が低減するにつれ増大することが留意され得る。
【0029】
間引きフィルタおよび補間フィルタは、本例において、FIRフィルタであり得る。しかしながら、このような線形位相間引きフィルタおよび線形位相補間フィルタを、図7を参照して説明される装置において用いる代わりに、基本フィルタ6自体が、図1に示されるようなマルチレート相補配列として実装され得る。したがって、再び、FIRフィルタは、IIRローパスフィルタ28および32によって置き換えられ、伝達関数HA1を有する対応するオールパスフィルタ34は、遅延ライン33にカスケードされ、この遅延ライン33は、線形位相サブ基本フィルタ30の遅延(位相応答)を補償するだけである。
【0030】
本明細書に提示される新規の装置は、少なくとも分析フィルタバンク内でIIR最小位相フィルタを用いることによって、遅延を低減し、実質的にオーディオシステムのサブバンド処理における計算効率を増大させる。ヒトの聴覚系は処理されるオーディオ信号内の位相歪みに対して比較的感度が低いことが認識されているので、このことが可能になる。
【0031】
本発明のさまざまな例示的な実施形態が開示されてきたが、本発明の利点のいくつかを達成するさまざまな変化および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得ることが当業者には明らかである。同一の機能を行う他の構成要素が適切に置き換えられ得ることが当業者に対して明白である。さらに本発明の方法が、適切なプロセッサ命令を用いて全てのソフトウェア実装において、または同一の結果を達成するハードウェアロジックおよびソフトウェアロジックの組み合わせを利用するハイブリッドの実装においてのいずれかで達成され得る。本発明の概念に対するこのような修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【符号の説明】
【0032】
1 フィルタバンク
2、3 信号ブランチ
4 間引きフィルタ
5 ダウンサンプリングユニット
6 基本フィルタ
7 オールパスフィルタ
8 遅延要素
9 減算器
10 第1のアップサンプリングユニット
11 第1の補間フィルタ
12、13 サブバンド信号プロセッサ
14 合成フィルタバンク
15 加算器
16 第2のアップサンプリングユニット
17 第2の補間フィルタ17

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号のサブバンド処理のための装置であって、
2つの信号ブランチを含む分析フィルタバンクであって、該2つの信号ブランチは、2つのサブバンドを確立して、該入力信号を2つのサブバンド信号に分解し、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは間引きフィルタと、引き続くダウンサンプリングユニットと、引き続く基本フィルタとを含み、該第2のブランチはオールパスフィルタと減算器とを含み、該減算器は該オールパスフィルタの下流に接続され、そして第1のアップサンプリングユニットおよび引き続く第1の補間フィルタを介して該基本フィルタの下流に接続される、分析フィルタバンクと、
該分析フィルタバンクから該2つのサブバンド信号を供給される2つのサブバンド信号プロセッサであって、該2つのサブバンド信号プロセッサは、対応するサブバンドにおいて該サブバンド信号を処理し、2つの処理されたサブバンド信号を生成する、2つのサブバンド信号プロセッサと、
出力信号を合成する合成フィルタバンクであって、該合成フィルタバンクは、該第2のブランチの該処理されたサブバンド信号を供給され、第2のアップサンプリングユニットおよび引き続く第2の補間フィルタを介して、該第1のブランチの該処理されたサブバンド信号を供給される加算器を含む、合成フィルタバンクと
を備え、
該間引きフィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、または該第1の補間フィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、あるいは該間引きフィルタおよび該第1の補間フィルタの両方が無限インパルス応答(IIR)フィルタであるかのいずれかであり、
該オールパスフィルタは、該間引きフィルタまたは該第1の補間フィルタあるいは該間引きフィルタおよび該第1の補間フィルタの両方の位相応答を補償するように適合された位相応答を有する、装置。
【請求項2】
前記基本フィルタは有限インパルス応答(FIR)フィルタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記基本フィルタは線形位相無限インパルス応答(IIR)フィルタを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のブランチは、第1の遅延ユニットを含み、該第1の遅延ユニットは、前記オールパスフィルタと直列に接続され、少なくとも前記基本フィルタの前記位相応答を補償するように適合されている位相応答を有する、請求項1〜3のうちの1項に記載の装置。
【請求項5】
前記間引きフィルタと、前記第1の補間フィルタと、前記第2の補間フィルタとが同一の伝達関数を有する、請求項1〜4のうちの1項に記載の装置。
【請求項6】
前記間引きフィルタと、前記第1の補間フィルタと、前記第2の補間フィルタとがローパスフィルタである、請求項1〜5のうちの1項に記載の装置。
【請求項7】
前記間引きフィルタと、前記第1の補間フィルタと、前記第2の補間フィルタとが最小位相無限インパルス応答(IIR)フィルタである、請求項1〜6のうちの1項に記載の装置。
【請求項8】
前記分析フィルタバンク内において、前記間引きフィルタは前記ダウンサンプリングユニットおよび前記オールパスフィルタの下流に接続される、請求項1〜7のうちの1項に記載の装置。
【請求項9】
少なくとも1つの分析フィルタバンクの前記第1のブランチがカスケードされた引き続く分析フィルタバンクの前記第1のブランチおよび前記第2のブランチを含むように、n個の分析フィルタバンクとn個のサブバンド信号プロセッサとn個の分析フィルタバンクとをさらに備える、請求項1〜8のうちの1項に記載の装置。
【請求項10】
前記基本フィルタはマルチレート相補フィルタである、請求項1〜9のうちの1項に記載の装置。
【請求項11】
前記基本フィルタはサブ基本フィルタ入力信号を供給される2つの信号ブランチを備え、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは、さらなる間引きフィルタと第2のダウンサンプリングユニットとさらなる基本フィルタとを含み、第2のブランチは、第2の遅延ユニットと基本フィルタ出力信号を提供する第2の減算器とを含み、該第2の減算器は、該第2の遅延ユニットの下流に接続され、第3のアップサンプリングユニットおよび引き続く第3の補間フィルタを介して該基本フィルタの下流に接続される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の間引きフィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、または前記第3の補間フィルタが無限インパルス応答(IIR)フィルタであるか、あるいは該第2の間引きフィルタおよび該第3の補間フィルタの両方が無限インパルス応答(IIR)フィルタであるかのいずれかであり、
第2のオールパスフィルタは前記第2の遅延ユニットに直列に接続され、
該第2のオールパスフィルタは、該第2の間引きフィルタまたは該第3の補間フィルタあるいは該第2の間引きフィルタおよび該第3の補間フィルタの両方の位相応答を補償するように適合されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の遅延ユニットは、少なくとも前記サブ基本フィルタの前記位相応答を補償するように適合されている位相応答を有する、請求項11または請求項12に記載の装置。
【請求項14】
入力信号のサブバンド処理のための方法であって、該方法は、
分析ステップであって、該分析ステップは、第1のブランチにおいて、間引きフィルタリングをし、その後ダウンサンプリングをして、その後基本フィルタリングを行うことによって、該入力信号を2つのサブバンドを確立する2つのサブバンド信号に分解することと、第2のブランチにおいて、オールパスフィルタリングをし、アップサンプリングされて、その後補間フィルタリングされた該第1のブランチの信号を、該オールパスフィルタリングされた入力信号から減算することとを含む、分析ステップと、
対応するサブバンドにおいて該第1のブランチおよび該第2のブランチからの該2つのサブバンド信号を処理して、該処理された2つのサブバンド信号を生成するサブバンド信号処理ステップと、
該第2のブランチの処理されたサブバンド信号と、アップサンプリングされ、その後補間フィルタリングされた該第1のブランチの処理されたサブバンド信号とを加算することによって、出力信号を合成する合成ステップと
を包含し、
該間引きフィルタリングまたは該第1の補間フィルタリング、あるいは該間引きフィルタリングおよび該第1の補間フィルタリングの両方のいずれかが無限インパルス応答(IIR)を示し、
位相応答をオールパスフィルタリングすることは、該間引きフィルタリングまたは該第1の補間フィルタリング、あるいは該間引きフィルタリングおよび該第1の補間フィルタリングの両方の位相応答を補償するように適合される、方法。
【請求項15】
前記基本フィルタリングは有限インパルス応答(FIR)を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基本フィルタリングは線形位相無限インパルス応答(IIR)を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記間引きフィルタリング、および前記複数の補間フィルタリングステップのうちの少なくとも1つが同一の伝達関数を示す、請求項14〜16のうちの1項に記載の方法。
【請求項18】
前記間引きフィルタリングステップ、および前記少なくとも1つの補間フィルタリングステップは、ローパスフィルタの特性を示す、請求項14〜17のうちの1項に記載の方法。
【請求項19】
前記間引きフィルタリングステップ、および前記少なくとも1つの補間フィルタリングステップが、最小位相無限インパルス応答(IIR)を示す、請求項14〜18のうちの1項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のブランチにおいて、前記信号が遅延する、請求項14〜19のうちの1項に記載の方法。
【請求項21】
前記基本フィルタリングステップはマルチレート相補フィルタリングを含む、請求項14〜20のうちの1項に記載の方法。
【請求項22】
前記基本フィルタリングステップは、基本フィルタ入力信号を2つの信号ブランチに供給することを含み、該2つの信号ブランチのうちの第1のブランチは、第2の間引きフィルタリングステップと、引き続く第2のダウンサンプリングステップと、引き続くサブ基本フィルタリングステップとを含み、第2のブランチは、第2の信号遅延ステップと第2の減算ステップとを含み、該減算ステップにおいて、アップサンプリングされ、その後補間フィルタリングされた該第1のブランチの信号は、該遅延した基本フィルタ入力信号から減算され基本フィルタ出力信号を形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
第2の間引きフィルタリングステップおよび第3の補間フィルタリングステップ、または該第2の間引きフィルタリングステップおよび該第3の補間フィルタリングステップの両方のうちの少なくとも1つが無限インパルス応答(IIR)を示し、
第2のオールパスフィルタリングステップは、前記第2の信号遅延ステップの前または後に行われ、
該第2のオールパスフィルタリングステップは、前記第2の間引きフィルタリングステップまたは前記第3の補間フィルタリングステップ、あるいは該第2の間引きフィルタリングステップおよび該第3の補間フィルタリングステップの両方を補償するように適合されている位相応答を示す、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の遅延ステップは、少なくとも前記サブ基本フィルタの前記位相応答を補償するように適合されている位相応答を示す、請求項22または請求項23に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−136343(P2010−136343A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238785(P2009−238785)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)