説明

サンシェード装置

【課題】底辺部の幅が上辺部の幅よりも広い非矩形状のドアウインドウをその上方から下方に向かって覆うことが可能なサンシェード装置において、ブラインドシートを伸縮させずに、ドアウインドウの全領域を見栄えよく覆うことを可能にする。
【解決手段】支柱9により仕切られた略矩形状の開口部2a及び略三角形状の開口部2bにおいて、開口部2aの上部の上枠3bにロールシェード部22Aを配設し、開口部2bの上部の後枠3cにロールシェード部22Bを配設する。ガイド部30は駆動部10の駆動力に基づいてシート21aの自由端の左右端部を上下動させ、シート21aを展張する。巻取機構部70は、シート21bの自由端にガイド部30の作動に基づいて駆動力を伝達すると共に、シート21bの余剰部分を支柱9側に巻取る。シート21a,21bはその下端が一直線となるように揃って展張される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサンシェード装置に係り、特に車両の開口部を覆って日差しを遮るためのサンシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアウインドウから車室内に差し込む太陽光を遮って、太陽光による眩しさを防ぐための車両搭載型の電動式のサンシェード装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。車両のドア上部に設けられたドアウインドウは通常矩形状ではなく、例えば、ドアの形状に対応して台形状,平行四辺形状等とされ、その辺は直線に限らず曲線をも含むものである。特許文献1〜3ではこのような非矩形状のドアウインドウ全体をブラインドシートで覆うようになっている。
特許文献1に記載のサンシェード装置(側面窓用ブラインド装置)は、縦枠状のガーニッシュにより2つに区切られたドアウインドウに取付けられている。特許文献1では、車両前方側の略矩形状のドアウインドウ前方部を、その下枠側に配設された巻取り軸から上方に向かって引出したブラインドシートで覆うことができる。また、車両後方側の非矩形状のドアウインドウ後方部を、2つの窓を仕切っているガーニッシュに配設された巻取り軸から側方に向かって引出したブラインドシートで覆うことができる。
【0003】
また、特許文献2に記載のサンシェード装置(窓用ウインドウシェード装置)は、特許文献1と同様に、縦枠状の中央ブリッジにより2つに区切られたドアウインドウに取付けられている。特許文献2では、車両前方側の略矩形状のドアウインドウ前方部の下方の内部ドアライナ内に、日除けシートを巻取る巻取りシャフトと、日除けシートの自由端に接続された引出しロッドの両端をドアウインドウ前方部の側縁部に沿って上下に移動させるための駆動ユニット等が配設されており、これによりドアウインドウ前方部を上方に向かって引出した日除けシートで覆うことができる。また、車両後方側のドアウインドウ後方部は窓枠がR状となっており非矩形状であるが、この窓は、中央ブリッジに沿って縦に配設された巻取りシャフトから側方に向かって引出した日除けシートで覆うことができる。
【0004】
また、特許文献3に記載のサンシェード装置は、上辺よりも下辺が長い略台形状のドアウインドウに取付けられており、上辺と斜辺を囲むウインドウ枠に取付けられたロールシェード部にブラインドシートを巻取って収納し、このロールシェード部から下方に向かってブラインドシートが引出される。特許文献3のブラインドシートは伸縮可能な素材からなり、ブラインドシートの自由端部を上方から下方へ下降させるのに伴ってブラインドシートを幅方向に伸長させることにより、ドアウインドウ全域を覆うことができる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−96529号公報(第4−6頁、図1−2)
【特許文献2】特開2003−182358号公報(第4−7頁、図1−6)
【特許文献3】特開2006−51925号公報(第16−19頁、図20−27)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2のサンシェード装置は、下側から上側へ、又は側方へ向かってブラインドシート(日除けシート)を繰出していく構成なので、バイザー(ひさし)の役目を果たすことはできず、ドアウインドウの上部からの太陽光を遮るには、ブラインドシート(日除けシート)をドアウインドウの上方まで覆うように繰出す必要があった。そしてこのときには、当然、ドアウインドウの下方部分はブラインドシート(日除けシート)に覆われてしまうので、ドアウインドウの上部からの太陽光を遮りつつ、ドアウインドウを通して外部への視認性を良好に確保することはできなかった。
また、特許文献1、2のサンシェード装置は、2つに区切られたドアウインドウ前方部とドアウインドウ後方部でブラインドシート(日除けシート)の引出し方向が異なっている。従って、途中まで展張した状態では見栄えが悪く、展張作動中も移動方向が揃わないので見栄えが悪いという問題点があった。
【0007】
また、特許文献3のサンシェード装置は、伸縮性のあるシート素材を用いてブラインドシートの幅を伸長させることにより非矩形状の窓を覆っているが、ブラインドシートを伸長状態に保持するために、その側端部に被係合部を設けてドアウインドウの側枠内の係合部に係合させていた。従って、ブラインドシートの側端部に加工が必要であり、構成が複雑になると共に、巻取られたシートがコンパクトにならないという問題点があった。
また、ブラインドシートを伸縮させて使用するのでシート素材が劣化しやすく、特に、ブラインドシートを伸長状態で長期間放置した場合には、ブラインドシートが伸び切って収縮しなくなり、スムーズに巻取れなくなるという問題点があった。
また、展張状態においてブラインドシートの自由端側の部位は伸長状態となる一方、ロールシェード部側の部位は伸長されていないので、ブラインドシートの外観にむらが生じ、見栄えが悪いという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、底辺部の幅が上辺部の幅よりも広い非矩形状のドアウインドウをその上方から下方に向かってブラインドシートで覆うことが可能であって、ブラインドシートを伸縮させずに、ドアウインドウの全領域を見栄えよく覆うことができるサンシェード装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明のサンシェード装置によれば、略直線状の上枠と、該上枠の一端側から斜め下方に延出された傾斜枠と、前記上枠と前記傾斜枠との接続部から下方に延出された支柱と、を備えたウインドウ枠に装着され、前記支柱により区画された略矩形状の第1開口部及び非矩形状の第2開口部を遮蔽するサンシェード装置であって、前記第1開口部と前記第2開口部のそれぞれに対応して設けられた第1シート及び第2シートと、前記第1シート及び前記第2シートを巻取って収納可能なロールシェード部と、前記第1シート及び前記第2シートをそれぞれ前記ロールシェード部から引出して展張可能な第1展張機構部及び第2展張機構部と、を備え、前記ロールシェード部は、前記上枠に沿って配設された直線部と、前記傾斜枠に沿って配設された傾斜部と、を有し、前記直線部に前記第1シートを巻取り可能に構成されると共に、前記傾斜部に第2シートを巻取り可能に構成され、前記第1展張機構部は、前記第1シートの自由端部側を前記第1開口部の上辺側又は下辺側に向かって移動させることにより前記第1シートを展張又は収納させ、前記第2展張機構部は、前記第1シートの自由端部側の位置に連動して作動され、前記第2シートの自由端部側を前記支柱の上端側又は下端側に向かって前記第1シートの自由端部側の位置に対応した位置まで移動させると共に、前記傾斜部から引出された前記第2シートの余剰部分を前記支柱側に巻取り可能に構成されたことにより解決される。
【0010】
このように、本発明のサンシェード装置では、上枠の一端側から斜め下方に延出された傾斜枠を有する非矩形状の開口部を支柱によって隣接する2つの開口部に区画したウインドウ枠において、これらの開口部を、上枠側と傾斜枠側からそれぞれ別のブラインドシート(第1シート、第2シート)を引出すことにより遮蔽する。その際、第1シートと第2シートを連動させるので、2つのブラインドシートにより、2つの開口部を同期して遮蔽してゆくことができる。よって、作動中のサンシェード装置の見栄えを向上させることができる。
また、傾斜枠から引出される第2シートは斜め下方に引出されるので、支柱側の側端部が第2開口部の領域からはみ出して支柱及び第1シートと重なって余剰部分となるが、本発明では、この余剰部分を巻取ることにより、第1シートと第2シートで開口部全域を覆うことができると共に、引出された第2シートが第2開口部の領域からはみだしたり、たるんだりすることがない。また、ブラインドシート同士が重なり合うことがない。従って、開口部を見栄え良く覆うことができる。また、余剰部分が生じないように第2シートを伸縮させる必要もない。よって、ブラインドシートの耐久性及び見栄えを向上させることができる。
【0011】
また、前記第1シートの下端辺と前記第2シートの下端辺が前記第1開口部及び前記第2開口部の下部見切り線に対して略平行かつ略一直線状となった状態で移動されるように前記第1シートと前記第2シートが引出されると好適である。このように、複数のシートを引出すときにそれらの下端辺が略一直線状に揃うようにしているので、更に見栄えを向上させることができる。
【0012】
前記第2シートは、前記傾斜部に沿う傾斜辺と、前記傾斜部の前記直線部側の端部における接線に対し、略垂直に延出した垂直延出辺と、前記第2開口部の下部見切り線に略平行で、前記傾斜辺及び前記垂直延出辺を繋ぐ水平辺と、に囲まれた形状を備えていると好適である。
このように、水平辺を第2開口部下部見切り線に略平行にすると同時に、垂直延出辺を傾斜部の直線部側の端部における接線に対し略垂直に延出させているので、余剰部分を支柱側に巻取りつつ、第2シートの下端辺を第2開口部下部見切り線に対して平行に保ちながら、よれ等を生ずることなく、第2シートを展張・収納可能となる。
【0013】
また、前記第2シートは、その前記支柱側の側端辺が前記傾斜部の前記直線部側の端部に位置するように位置合わせされて巻取られると共に、前記傾斜部から引出されるのに伴って引出された部位の幅が増大する形状に形成されていると好適である。
このように構成すると、引出された第2シートの傾斜枠側の下端部の位置が、傾斜枠の傾きに沿って徐々に下方に移動する。従って、第2シートが斜め下方に引出されるのに伴って第2シートの下端辺を下降させることができる。よって、第1シートの下端辺に同期して第2シートの下端辺を下降させることができ、複数のシートを引出すときにそれらの下端辺が一直線状に揃うようにすることができる。
【0014】
また、前記第2展張機構部は、前記支柱に沿って配設された略円柱状のガイドシャフトと、該ガイドシャフトに沿って案内される移動部材と、を有し、該移動部材に前記第2シートの自由端部側の側端辺が取付けられ、前記移動部材は、前記ガイドシャフトの外周面に形成された螺旋溝に沿って、前記第1シートの自由端部側の位置に連動して前記支柱の上端と下端との間で移動されると共に、前記螺旋溝の傾きに応じて前記ガイドシャフトの中心軸まわりに回動されるように構成されていると好適である。
このように第2展張機構部を構成すれば、第2シートの自由端部側の側端辺がガイドシャフトの外周面に沿って螺旋運動するので、第2シートを斜め下方に引出しながら、その一部をガイドシャフトと移動部材の外周に巻取ることができる。よって、第2シートの余剰部分を支柱側に巻取ることができる。
【0015】
また、前記移動部材は略円柱状の貫通孔が形成された筒状部材からなり、該筒状部材の内周面には前記螺旋溝に対応した形状の案内突起が形成されると共に、前記筒状部材の外周面には前記第2シートが取付けられ、前記貫通孔に前記ガイドシャフトが挿通されると共に、前記案内突起が前記螺旋溝に嵌合され前記螺旋溝内を案内されるように構成すると好適である。
このように筒状部材の内周面に案内突起を形成し、これにガイドシャフトを挿通すれば、螺旋溝に沿って筒状部材を回転させながら上下動させることができる。
【0016】
また、前記第1展張機構部は、前記第1開口部の側縁部に沿って配設された一対のガイドレールと、該ガイドレールに沿って案内されるスライダーと、該スライダーを前記ガイドレールに沿って移動させる第1駆動手段と、を有し、前記支柱には、前記ガイドシャフトに沿って前記ガイドレールの一方が配設され、前記移動部材は、前記スライダーに連動して移動されるように構成すると好適である。
また、前記移動部材は、前記支柱に配設された前記ガイドレールに沿って案内される前記スライダーに連結部材により回動自在に連結されていると好適である。
このように構成すれば、移動部材とスライダーが隣接して配設されるので、これらを容易に連動して移動させることができる。更に、移動部材をスライダーに回動自在に連結することにより、移動部材とスライダーを容易に連動させることができ、第2シートと第1シートの自由端部を連動させて移動させることができる。
【0017】
また、前記移動部材の外面には保持部が形成され、前記連結部材は、一端側が前記スライダーに接合されると共に、他端側に前記保持部により保持可能な被保持部が形成され、前記移動部材は、前記被保持部が前記保持部に相対移動可能に保持されたことにより、前記連結部材に回動自在に連結された構成とすることができる。
また、前記保持部は前記移動部材の外周面に形成された環状溝からなり、前記被保持部は前記環状溝に外嵌可能に形成された略U字状部からなり、前記移動部材は、前記略U字状部が前記環状溝内に摺動可能に保持されたことにより、前記連結部材に回動自在に連結された構成とすることができる。
このような構成により、隣接して配設された移動部材とスライダーを回動自在に連結することができ、第2シートと第1シートの自由端部を連動させて移動させることができる。
【0018】
前記第2展張機構部は、前記支柱に沿って前記第2開口部の下部見切り線に対して鋭角に傾斜して配設され、下端が前記見切り線より下方に位置する略円柱状のガイドシャフトと、該ガイドシャフトに沿って案内される移動部材と、を有し、該移動部材に前記第2シートの自由端部側の側端辺が取付けられ、前記移動部材は、前記ガイドシャフトの外周面に形成された螺旋溝に沿って、前記第1シートの自由端部側の位置に連動して前記支柱の上端と前記見切り線より下方に位置する前記下端との間で移動されると共に、前記螺旋溝の傾きに応じて前記ガイドシャフトの中心軸まわりに回動され、前記第2シートは、前記移動部材の下降に伴い、前記ガイドシャフトに螺旋状に巻取られながら、前記第2シートの自由端部側の側端辺を前記見切り線より下方の位置まで下降させると共に、前記第2シートの下端辺を、前記見切り線に略平行のまま前記見切り線付近まで下降させると好適である。
ガイドシャフトが、第2開口部の下部見切り線に対して鋭角に傾斜している場合には、ガイドシャフトに螺旋状に巻かれる第2シートの自由端部側の側端辺は、第2シートの下端辺よりも下側に位置することになるため、このようにガイドシャフト下端を見切り線より下方に位置させて、移動部材を見切り線より下方まで下降可能とすることにより、第2シートの下端辺を、開口部下部見切り線に略平行のまま見切り線付近まで下降させることが可能になる。その結果、複数のシートを引出すときにそれらの下端辺が略一直線状に揃うようにでき、見栄えを向上させることができる。
【0019】
前記第1展張機構部は、前記第1開口部の側縁部に沿って配設された一対のガイドレールと、該ガイドレールに沿って案内されるスライダーと、該スライダーを前記ガイドレールに沿って移動させる第1駆動手段と、を有し、一対の前記スライダーを結ぶ直線は、前記第1開口部の下部見切り線に対して角度を持っており、前記第1シートの前記自由端部側には、一対の前記スライダーに両端が連結され、少なくとも前記第1シートの展張時において、一方の前記スライダーに近い位置で曲がった長尺の自由端部保持部材が固定され、前記第1シートの展張時には、前記自由端部保持部材の前記曲がった位置より他方の前記スライダー側の部分が、前記一方のスライダーとは異なる高さで、かつ前記見切り線と略平行となるよう保持され、前記第1シートの収納時には、前記自由端部保持部材が前記ロールシェード部の収納部に格納されると好適である。
このように構成されているので、一対のスライダーを結ぶ直線が、第1開口部の下部見切り線に対して平行でなく、そのままでは第1シートの自由端部が第1開口部の下部見切り線に対して斜めになってしまう場合でも、自由端部保持部材を設けることにより、第1シートの自由端部の大部分を占める他方のスライダー側の部分を、見切り線と略平行になるよう保持しつつ、展張・収納することができ、外観上の不自然さを解消できると同時に、第1シートを歪みなく展張することが可能となる。また、第1シートの自由端部が、スライダーの最下端に達した時点でも、第1シートの自由端部の大部分を占める他方のスライダー側の部分が、見切り線と略平行になっているため、第1シートの自由端部の他方のスライダー側の部分を、下部見切り線に重なる位置まで下降させることにより、第1開口部全体を隙間を生ずることなく遮蔽することができる。更に、自由端部保持部材は、第1シートの収納時には、ロールシェード部の収納部に格納されるため、収納時の外観性も保つことができる。
【0020】
また、前記第2展張機構部は、前記移動部材を前記ガイドシャフトに沿って移動させる第2駆動手段を有し、前記第1シートの自由端部側の現在位置及び前記移動部材の現在位置を検出する検出手段と、該検出手段からの検出信号に基づいて前記第1駆動手段と前記第2駆動手段を同期して駆動制御する制御手段を備えるように構成すると好適である。このように、第1シートと第2シートを別々の駆動手段によって駆動させ、その際、これらを同期させるように駆動制御すれば、第1展張機構部と第2展張機構部を物理的に連結しなくても、第1シートと第2シートを同期して引出すことができる。
また、前記第1展張機構部及び前記第2展張機構部は、前記ウインドウ枠と前記ウインドウ枠の車室内側に配設されるトリム部材との間に配設されると好適である。このようにすれば、第1展張機構部及び第2展張機構部が車室側から視認されないので、外観が良好となる。
【0021】
また、前記ロールシェード部は、少なくとも前記傾斜部が可撓性を有すると好適である。このようにすれば、ウインドウ枠が湾曲部を有していても、その枠形状に合わせてロールシェード部を配設することができる。
また、前記第1シート及び前記第2シートは、伸縮不能に形成されてなる。このように、本発明では、伸縮不能なシート素材であっても展張・収納可能である。
また、本発明のサンシェード装置は、車両のフロントウインドウ,リヤウインドウ又はサイドウインドウに適用される。
【発明の効果】
【0022】
本発明のサンシェード装置によれば、底辺部の幅が上辺部の幅よりも広い非矩形状の開口部を支柱によって隣接する2つの開口部に区画したウインドウ枠において、上枠側と傾斜枠側からそれぞれ別のブラインドシートを引出して遮蔽する際、傾斜枠から引出されるブラインドシート(第2シート)の余剰部分を支柱側に巻取ることにより、ブラインドシートを伸縮させずに、開口部の全領域を見栄え良く覆うことができる。また、複数のブラインドシートの下端辺が一直線状に揃うように引出すことにより、更に見栄えを向上させることができる。
また、支柱に配設されたガイドシャフトの外周面に形成された螺旋溝に案内されて移動部材が移動することにより、移動部材に取付けられた第2シートの自由端部側の側端辺がガイドシャフトの外周面に沿って螺旋運動するように構成しているので、第2シートを斜め下方に引出しながら、その一部をガイドシャフトと移動部材の外周に巻取ることができる。
更に、支柱にガイドシャフトとガイドレールを隣接して配設し、移動部材をスライダーに回動自在に連結することにより、スライダーに伝達される駆動力に基づいて、移動部材をスライダーと連動させて移動させることができる。よって、1つの駆動源の駆動力に基づいて、第2シートと第1シートの自由端部側を連動させて移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1〜図14は、第1の実施形態のサンシェード装置に係るものであり、図1〜図3はサンシェード装置の説明図、図4は駆動部の説明図、図5〜図7はロールシェード部の説明図、図8はスライダー、ガイドレール、巻取機構部の斜視図、図9はスライダー、ガイドレール、巻取機構部の分解斜視図、図10、図11はガイドレール及び巻取機構部が配設された支柱の断面説明図(図10は図1のX1−X1断面図、図11は図3のX2−X2断面図)、図12、図13は巻取機構部の断面説明図(図12は図8のY1−Y1断面図、図13は図8のY2−Y2断面図)、図14はサンシェード装置の電気的構成を示すブロック図である。また、図15〜20は改変例のサンシェード装置S1〜S4の説明図である。
図21〜図31は、第2の実施形態のサンシェード装置に係るものであり、図21,図22はサンシェード装置の説明図、図23は自由端部保持部材の斜視図、図24は図22のZ1−Z1断面図、図25は図22の他の例のZ1−Z1断面図、図26は図22の更に他の例のZ1−Z1断面図、図27は第2シートの説明図、図28はスライダー及びガイドレールの分解斜視図、図29はガイドシャフトの概略説明図、図30はガイド部及び巻取機構部の分解斜視図、図31は連結部材及びスライダーの斜視図である。
【0024】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態は、車両のリアサイドドア1(以下「ドア1」という)のサイドウインドウとしてのドアウインドウに適用したサンシェード装置Sに関し、請求項1〜10,13〜17に対応するものである。
図1〜図3は右後部座席側のドア1を車室側から見た説明図であって、サンシェード装置Sのブラインドシート21a,21b(以下、「シート21a,21b」という)が収納位置,収納位置と遮蔽位置の間の途中位置,遮蔽位置にある状態が示されている。
【0025】
本実施形態のサンシェード装置Sが適用されるドア1は、公知のドアパネル2と、ドアパネル2の車室側に取付けられた公知のドアトリム(不図示)と、ドアパネル2の上端付近に設けられた第1開口部としての開口部2a(メインウインドウ)及び第2開口部としての開口部2b(クォータウインドウ)と、開口部2a,2bを塞ぐウインドウガラス6a,6bと、開口部2a,2bを取囲むウインドウ枠としての窓枠3と、窓枠3の車室側に取付けられたトリム部材5を備えている。
開口部2a,2bは、車両の窓を構成する開口であって、ドアパネル2の上端付近に設けられている。開口部2a,2bを合わせた開口全体の形状は、図1に示すように略台形であり、支柱9によって車両前方側の略矩形の開口部2aと車両後方側の略直角三角形の開口部2bに仕切られている。開口部2bの上端辺を構成する斜辺は、丸みを帯びている。
ウインドウガラス6a,6bは、それぞれ開口部2a,2bを塞ぐウインドウガラスであって、不図示の駆動装置によって上下動可能である。
【0026】
窓枠3は、開口部2a,2bの上部及び側部を囲む枠であり、ドアパネル2と一体に形成され、前枠3a,上枠3b,支柱9,傾斜枠としての後枠3cから構成されている。
前枠3a,上枠3b及び支柱9は略直線状で、上枠3bは略水平に配設されている。前枠3a,後枠3c,及び支柱9は、窓枠3の下枠部分となるドアパネル2本体から上方へ延出し、それぞれ上端が上枠3bに接続されている。前枠3aと支柱9は上枠3bに略垂直である。また、後枠3cは、上枠3bに対して斜めに形成され、後枠3cの上端部分は湾曲しながら上枠3bに繋がっており、下端部分も湾曲しながらドアパネル2本体後側の端部付近に繋がっている。後枠3cの上端部分と下端部分に挟まれた中間部分は、略直線状に車両後方に向かって斜めに下降し、後枠3cは、全体として車両後部側に張出すR形状となっており、窓枠3の下方が幅広となるよう形成されている。
支柱9は、その上端が上枠3bと後枠3cとの境目に接続され、下端がドアパネル2本体の中間部に接続されている。支柱9は前枠3aと略平行に配設されている。
【0027】
トリム部材5は、図10,図11に示すように、断面略コ字状の長尺部材からなり、前枠3a,上枠3b,後枠3c,及び支柱9の車室側に固定され、前枠3a,上枠3b,後枠3c,支柱9を、車室側から見えないように被覆している。なお、トリム部材5は不図示のドアトリムと一体に形成されていてもよい。
図10,図11に示すように、支柱9に固定されたトリム部材5の側壁には、シート21a,21bの右側端辺を支柱9とトリム部材5との間の空間内に挿入するためのスリット5a,5bが、ウインドウガラス6a,6b側に向かって、支柱9に平行に、それぞれ形成されている。
【0028】
トリム部材5の側壁内面には、図10,11に示すように、シート21a,21bを支持する案内部材7,8が設けられている。案内部材7,8は、トリム部材5の長さ方向に伸びる断面矩形の突起からなり、スリット5a,5bの両側に平行に設けられている。前枠3a,上枠3b,後枠3cの不図示のトリム部材の側壁にも、ウインドウガラス6a,6b側に向かって不図示のスリット及び案内部材が形成されている。
支柱9のトリム部材5及び前枠3aの不図示のトリム部材が案内部材7,8を備えているので、シート21a,21bが展張・収納されるときには、案内部材7,8が、シート21a,21bの側端辺を支持し、シート21a,21bの側端辺がウインドウガラス6a,6bの表面から浮くことを抑制できる。従って、シート21a,21bをウインドウガラス6a,6bの表面に近い位置で展張でき、太陽光による車室内の温度の上昇を低減することが可能となる。更に、シート21a,21bとトリム部材5との間に隙間ができて光が漏れることを防止できる。また、上枠3b,後枠3cの不図示のトリム部材が、スリット及び案内部材を備えているので、ロールシェード部22A,22Bをトリム部材で遮蔽しつつ、シート21a,21bを繰出すことが可能となる。
【0029】
本実施形態のサンシェード装置Sは、図1に示すように、ドア1に配設されて開口部2a,2bを見栄え良く覆うことができるように構成されている。サンシェード装置Sは、シート21a,21bを巻取方向に常時付勢し、不使用時はシート21a,21bを収納するロールシェード機構部20と、展張時開口部2a,2bを覆う第1シート,第2シートとしてのシート21a,21bと、シート21aを展張・収納させるガイド部30と、ガイド部30を駆動する駆動部10と、シート21bを展張・収納させる巻取機構部70と、を備えている。なお、駆動部10及びガイド部30が特許請求の範囲の第1展張機構部に相当し、巻取機構部70が特許請求の範囲の第2展張機構部に相当する。
【0030】
ロールシェード機構部20は、図1〜3に示すように、ロールシェード部22A,22Bの両端を支持するロールシェード保持部26a,26bと、シート21a,21bを巻取り方向に常時付勢すると共に、不使用時にシート21a,21bを巻取って収納する直線部としてのロールシェード部22A及び傾斜部としてのロールシェード部22Bと、を備えて構成されている。
ロールシェード保持部26a,26bは、公知の固定部材からなり、図1〜図3に示すように、それぞれ開口部2a,2b上辺左右端の外側に配設されている。ロールシェード保持部26a,26bは、ロールシェード部22A,22Bのセンタシャフト22aの両端を支持固定している。
【0031】
本実施形態のロールシェード部22Aは、上枠3bとこれを覆う不図示のトリム部材との間に、上枠3bに沿って略直線状に配設され、図1〜図3,図5〜図7に示すように、ロールシェード保持部26aに両端が固定されたセンタシャフト22aと、センタシャフト22aの外周に周設されたコイルスプリング22bと、コイルスプリング22bの一端をセンタシャフト22aの一端側に固定されセンタシャフト22aに対して回動可能なスプリングホルダ22cと、センタシャフト22a及びコイルスプリング22bに周設された円筒形状の回動ロッド22dとを備えて構成されている。
【0032】
センタシャフト22aは、長尺の円柱体からなり、開口部2a上辺の長さよりも若干長く形成され、両端がロールシェード保持部26aに支持固定されている。また、センタシャフト22aの一端側には、図5に示すように、スプリングホルダ22cが回動可能に周設されている。
スプリングホルダ22cは、図6に示すように、大径のフランジ部が一端側に形成され、フランジ部以外の部分が同径の中空略円筒体からなる。フランジ部以外の部分は、外側面の一部が切欠かれて平面を形成し、断面は、円弧の一部が直線状に切欠かれた形状になっている。
スプリングホルダ22cは、図5に示すように、センタシャフト22aの一端側付近に、フランジ部をセンタシャフト22aの一端側に向けてセンタシャフト22aに対して回動自在に周設されている。また、スプリングホルダ22cのフランジ部逆側の端部は、図5に示すように、コイルスプリング22bの一端に固定されると共に、図6に示すように、コイルスプリング22bを覆う回動ロッド22dの一端にも固定されている。
【0033】
なお、センタシャフト22aは、取付けるロールシェード部22A,22Bの形状に合うよう予め湾曲形成された樹脂製の長尺円筒体として形成してもよいし、可撓性材料で形成された長尺円筒体として形成してもよく、取付けるロールシェード部22A,22Bの中心線に沿って配設可能な形状であればよい。
【0034】
コイルスプリング22bは、図5に示すように、センタシャフト22aよりも若干短いコイルバネからなり、センタシャフト22a,コイルスプリング22b,スプリングホルダ22cは、全体としてねじりコイルばねを構成している。コイルスプリング22bはセンタシャフト22aの外周に周設され、コイルスプリング22bの一端は、図5に示すように、センタシャフト22aの一端側に回動可能に周設されたスプリングホルダ22cのフランジ部逆側の端部に固定され、センタシャフト22aに対して回動可能になっている。また、コイルスプリング22bの他端は、スプリングホルダ22cを備えないセンタシャフト22a他端側に直接固定されている。
【0035】
回動ロッド22dは、回動ロッド22dの両端部を構成する一対のサイドロッド23,一対のサイドロッド23の間に連結された複数のセンタロッド25,各サイドロッド23及びセンタロッド25を繋ぐジョイント24を連結して構成されている。
サイドロッド23は合成樹脂製で、剛体の中空略円筒体からなる。サイドロッド23の両端面は、長さ方向に垂直な平面であり、センタロッド25が連結される側の端面には、図6に示すように、略180度対向する2箇所の位置に、軸方向に突出し所定の角度幅を有する係合突起23aが形成されている。サイドロッド23のセンタシャフト22a端部側の端面付近の内周は、円弧の一部が直線状に切欠かれた形状の断面を有し、断面が直線状に切欠かれた部分が、スプリングホルダ22cの切欠かれた平面と係合する平面部として形成されている。
【0036】
センタロッド25は合成樹脂製で、剛体の中空略円筒体からなる。サイドロッド23の両端面は、長さ方向に垂直な平面であり、センタロッド25の両端面には、図6に示すように、略180度対向する2箇所の位置に、軸方向に突出し所定の角度幅を有する係合突起25aがそれぞれ形成されている。センタロッド25両端面の係合突起25aは、相互に周方向に略90度位相をずらして形成されている。
ジョイント24は合成樹脂製で、剛体の中空略円筒体からなる。ジョイント24の両端面には、図6に示すように、所定の角度幅で軸方向にコの字に切欠かれた係合凹部24aが、それぞれ2箇所に形成され、係合突起23aあるいは係合突起25aと係合可能に構成されている。両端面の係合凹部24aは、相互に周方向に略90度位相をずらして形成されている。
サイドロッド23及びセンタロッド25の係合突起23a,25aは、ジョイント24の係合凹部24aに遊嵌され、サイドロッド23とセンタロッド25,又はセンタロッド25同士がジョイント24により軸方向に連結され、回動ロッド22dが構成される。
【0037】
サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25をサブアセンブリ化してロールシェード部22A,22Bを組立てるとき、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25の間には空間の余裕(遊び)を持たせて組付けられる。この遊び分によって、ジョイント24の両側に連結されたサイドロッド23又はセンタロッド25は、ジョイント24を関節部として略90度折曲がることも可能となる。
なお、本実施形態では、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25は、係合突起23a,25aと係合凹部24aが嵌合することにより連結されているが、ヒンジピン等により相互に回動自在に連結して、関節状に折曲容易に構成してもよい。
【0038】
また、係合突起23a,25aの周方向の幅は係合凹部24aの周方向の幅と略同じに形成されており、回動ロッド22dがセンタシャフト22aを回転軸として回転したときに、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25は殆ど回転方向にずれを生じることなく回転力の伝達が可能となっている。従って、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25が軸方向に連結されたまま、回動ロッド22dは、全体として湾曲して、センタシャフト22aの湾曲形状に追従しながら一体として回動可能である。
【0039】
ロールシェード部22Bは、ロールシェード保持部26bに両端が固定されている点、後枠3cとこれを覆うトリム部材5との間に配設されている点、図1に示すように、R状の後枠3cに沿って湾曲して取付けられている点を除いては、ロールシェード部22Aの構成と同様である。
【0040】
このようにロールシェード部22A,22Bは、センタシャフト22a及び回動ロッド22dを備えて湾曲可能に構成されているので、ロールシェード部22A,22Bをサブアセンブリ化させて、開口部2a,2bの上辺が直線状か曲線状かに関わらず適用できる。
また、回動ロッド22dは、サイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25が連結されてなるため、センタシャフト22aが湾曲していても、センタシャフト22aを回動軸として、その湾曲した形状を維持したまま、その形状に追従しながら回動できる。
また、ロールシェード部22A,22Bが湾曲して配置可能であるため、狭いスペースや従来は配設できなかったスペースに配設でき、ロールシェード部22A,22Bの設置箇所の自由度が向上すると共に、全体としてサンシェード装置Sをコンパクトに構成できる。
【0041】
また、本実施形態では、剛体からなるサイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25を連結して回動ロッド22dを構成しているため、回動ロッド22dにねじれが生じることがなく、スムーズにシート21bを展開・収納できる。
例えば、R形状のロールシェード部22Bの回動ロッド22dをビニールホースのような弾性チューブで形成し、弾性チューブ両端を回動可能に支持した場合、弾性チューブは後枠3cに沿って湾曲可能である一方、弾性力によりねじれが生じて両端でシート21bの巻取りがずれてしまうが、本実施形態では、回動ロッド22dを剛体で構成するため、このような不具合が生じない。更に、回動ロッド22dを、湾曲成形した樹脂製の管で構成した場合、管の回動により管の両サイドが大きな円軌跡を描くように振れるが、本実施形態では、剛体からなるサイドロッド23,ジョイント24,センタロッド25を連結して回動ロッド22dを構成するため、このような不具合が生じない。
【0042】
また、コイルスプリング22bの一端側はスプリングホルダ22cを介して回動ロッド22dに連結され、他端側はセンタシャフト22aに固定されているので、回動ロッド22dがシート21a,21bを展張する正方向に回転すると、コイルスプリング22bにはシート21a,21bを収納する方向に回転力が掛かり、展張時にシート21a,21bにテンションを与えると共に収納時にもスムーズに収納できる。
【0043】
シート21a,21bは、所定の透過率を有し、展張・収納方向に殆ど伸縮しない公知の車両のサイドドアガラス用の日除け用のシート素材で形成されている。シート21aは略矩形の開口部2aを遮蔽するために略矩形に、シート21bは、三角形に近い非矩形状の開口部2bを遮蔽するために、略三角形に形成されている。
シート21a,21bの基端部は、ロールシェード部22A,22Bの回動ロッド22dにそれぞれ取付けられている。開口部2a,2bを覆うシート21a,21bは、前枠3a,後枠3cに取付けられた不図示のトリム部材のスリットを通して、ロールシェード部22Bから繰出されるようになっている。
シート21a自由端部である下端辺の右側端部は、図10に示すように、スリット5aを通って、支柱9とトリム部材5との間の空間内に挿入され、ガイドレール31の案内溝内を摺動するスライダー35に固定されている。シート21a自由端部である下端辺の左側端部も同様に、前枠3aの不図示のトリム部材のスリットを通って前枠3aとトリム部材5との間の空間内に挿入され、ガイドレール31の案内溝内を摺動するスライダー35に固定されている。シート21bの自由端部の左側端辺は、図8〜図10に示すように、スリット5bを通って支柱9とトリム部材5との間の空間内に挿入されており、支柱9に配設された巻取機構部70の回動部材72に連結されている。
シート21a,21bは、収納時、ロールシェード部22A,22Bの回動ロッド22dに巻回され、展張時、開口部2a,2bをそれぞれ遮蔽可能に構成されている。
【0044】
なお、本実施形態では、シート21aの下端辺の左右側端部に直接スライダー35が取付けられているが、シート21aの下端辺に、シート21aの下端辺よりも若干長く形成された長尺で剛性のガイド部材を取付け、このガイド部材の両端にスライダー35を取付けても良い。ガイド部材は、直線状又はガラス面の曲率に合った湾曲状等、ウインドウガラス6aのガラス面の形状に沿った形状とするとよい。このように構成することにより、シート21aとウインドウガラス6aとの間に隙間ができることを防止できる。
【0045】
ガイド部30は、シート21aの下端辺を上下動させてシート21aを展張・収納させるものであって、図1〜図3に示すように、開口部2aの縁に沿って前枠3a,支柱9及び開口部2a下側のドアパネル2上に取付けられている。ガイド部30は、前枠3aと支柱9に固定された一対のガイドレール31と、各ガイドレール31下端にそれぞれ連結された一対の中空のケーブルパイプ32と、ケーブルパイプ32を支持するケーブルパイプホルダ33と、ケーブルパイプ32及びガイドレール31の案内溝内で摺動可能なスパイラルケーブル34と、スパイラルケーブル34に駆動されて上下に摺動するスライダー35を備えて構成されている。
2本のガイドレール31は、図1,図8に示すように、開口部2aの上下方向の長さよりも若干長く形成された長尺体からなり、ガイドレール31の長さ方向に亘って、車室側に開口した溝状の案内溝が形成されている。ガイドレール31は、図10,図11に示すように、前枠3a又は支柱9とトリム部材5との間の空間に、互いに平行になるよう配置され、トリム部材5によって車室側から見えないように覆われている。ガイドレール31は、開口部2aに沿って前枠3a及び支柱9の上端付近から下端よりやや下側まで伸びている。
【0046】
ケーブルパイプ32は中空円筒体のパイプからなり、前枠3a、支柱9の下側で直角に折曲げられている。一方のケーブルパイプ32は、開口部2aの左辺から下部見切り線2cに沿って配設され、前枠3aから前枠3aの下端を経て車両後方へ延出している。もう一方のケーブルパイプ32は、開口部2aの右辺から下部見切り線2cに沿って配設され、支柱9から支柱9の下端を経て車両前方へ延出している。2本のケーブルパイプ32の開口部2a下部見切り線2cに沿った部分は、図1,図4に示すように、開口部2aの下側で、それぞれの先端が逆方向を向くよう、上下に並んで略平行にドアパネル2上に配設され、ケーブルパイプホルダ33により、互いに平行になるように支持されている。
【0047】
開口部2a下側で、前枠3aと支柱9の略中間の位置には、図1に示すように、ケーブルパイプホルダ33が固定されている。ケーブルパイプホルダ33は、図4に示すように、2本のケーブルパイプ32が挿通可能で一対の貫通孔と、出力歯車11aの軸が貫通可能な貫通孔と、を備えている。ケーブルパイプホルダ33は、一対の貫通孔に、2本のケーブルパイプ32が挿通されることにより、2本のケーブルパイプ32を支持している。
【0048】
スパイラルケーブル34は、コイル状のケーブルと、このコイル状のケーブル内に、長さ全体に亘って挿通された可撓性のフレキシブルケーブルとによって構成されている。スパイラルケーブル34の上端は、スライダー35に固定されている。スパイラルケーブル34の上端側の部分はガイドレール31の案内溝に挿通され、下端側の部分はケーブルパイプ32内に挿通されている。
【0049】
スパイラルケーブル34の下端側は、ケーブルパイプ32に挿通された状態で、ケーブルパイプホルダ33の貫通孔内に挿通されている。図4に示すように、ケーブルパイプホルダ33内では、2本のケーブルパイプ32のそれぞれの一部分が長さ方向に切欠かれており、その切欠部分からスパイラルケーブル34が露出している。この露出部分には、2本のスパイラルケーブル34間に取付けられた出力歯車11aがそれぞれ噛合しており、スパイラルケーブル34と出力歯車11aはラック・ピニオンのように機能する。モータ装置11が作動して出力歯車11aが正逆いずれかに回転すると、出力歯車11aに噛合する各スパイラルケーブル34はケーブルパイプ32内を左右反対方向へ送出される。スパイラルケーブル34は、フレキシブルケーブルとコイル状のケーブルからなるため、直角に折曲されたケーブルパイプ32の内部をスムーズに移動可能である。
【0050】
スライダー35は、図9に示すように、略矩形板体からなるシート取付部35bと、シート取付部35bと一体に形成され、ガイドレール31の案内溝に係合可能な形状を有してシート取付部35bから突出するスライド部35aとを備えている。スライド部35aは、ガイドレール31の案内溝内に係合可能な断面略円形の部分と、この断面略円形の部分をシート取付部35bと一体に接続する頸部とを備えたΩ字状の断面形状からなり、ガイドレール31の長さ方向に亘って同じ断面形状を有している。シート取付部35bは、図9に示すように、ウインドウガラス6a側(シート21a側)に延出し、シート21aの下端辺の左又は右側端部が固定されている。スライダー35は、スライド部35aがガイドレール31の案内溝内を摺動することにより、ガイドレール31の上端と下端との間で移動可能である。
【0051】
駆動部10は、開口部2a下側の不図示のドアトリムとドアパネル2との間に配設され、図4に示すように、モータ装置11と、モータ装置11を固定するモータ固定部材12と、モータ装置11に連結された出力歯車11aとを備えている。モータ装置11はモータ部,減速機構部を備え、モータ部としては、DCモータ,ブラシレスモータ,超音波モータ等の各種のモータを適用できる。モータ装置11の出力軸には、スパイラルケーブル34と噛合する出力歯車11aが連結されている。出力歯車11aは、ケーブルパイプホルダ33内に配置され、スパイラルケーブル34と噛合可能に形成されている。
なお、スパイラルケーブル34、モータ装置11、出力歯車11aが本発明の第1駆動手段に相当する。
【0052】
巻取機構部70は、シート21bを展張・収納するものであって、図1〜図3,図10に示すように、支柱9とトリム部材5との間の空間に取付けられている。巻取機構部70は、図8、図9に示すように、ガイドレール31と平行に支柱9に固定されたガイドシャフト71と、ガイドシャフト71に沿って上下動する移動部材としての回動部材72と、回動部材72とスライダー35とを連結する連結部材73と、を備えている。
ガイドシャフト71は、図1,図8に示すように、支柱9と略同じ長さの略円柱体からなり、外周面に、螺旋状の螺旋溝71aが刻設されている。
回動部材72の上昇又は下降速度と回動部材72の回転速度との比率は、螺旋溝71aの傾きに依存するため、螺旋溝71aの傾きは、斜め左下方に引出されるシート21bの余剰部分を丁度巻取ることができるように設定されている。つまり、直角三角形からなる余剰部分の横幅をw(cm),高さをh(cm)とし、回動部材72の外周の長さをL(cm),螺旋溝71a1周分の高さの変位量,即ち、螺旋溝71aが回動部材72の外周を1周したときの上端と下端との高さの差をH(cm)としたときに、w/h=L/Hとなるように設定されている。
ガイドシャフト71は、ガイドレール31に沿って支柱9の上端から下端に亘って伸びている。ガイドシャフト71の上下端は支柱9の上下端付近にそれぞれ固定され、ガイドシャフト71の上下端の間の中間部と支柱9との間には所定の隙間が確保されている。
【0053】
回動部材72は中空の略円筒体からなり、中心には、軸方向にガイドシャフト71が挿通される貫通孔が形成されている。回動部材72外周面の中央よりやや下寄りには、回動部材72の貫通孔に垂直な環状溝としての嵌合溝72aが、全周に亘って環状に形成されている。回動部材72の外周面には、シート21bの自由端部の左側端辺が、シート21bが回動部材72の貫通孔に平行になるように固定されている。回動部材72の内周面には、螺旋溝71a内を摺動可能な案内突起としての摺動突起72bが形成されている。
回動部材72は、図8,図13に示すように、ガイドシャフト71外周に周設されている。
【0054】
連結部材73は、回動部材72とスライダー35とを連結する部材であって、棒状の接合部73aと、接合部73aの一端に連続して、棒体がU字状に折曲された被保持部としてのU字状部73bとが、一体に形成された略h字状の部材からなる。嵌合溝72aがU字状部73b内で回動,摺動可能なように、U字状部73bの内周は、回動部材72の嵌合溝72aより若干大きく形成されている。
図8,図12に示すように、接合部73aは、スライダー35の下端面に固定され、U字状部73bは、回動部材72の嵌合溝72aと遊びを持って係合し、これにより、スライダー35と回動部材72とが、連結部材73により連結されると共に、回動部材72がスライダー35に対して回動自在になっている。
【0055】
本実施形態では、U字状部73bを、内周及び外周の形状がU字状になるように構成しているが、内周形状が嵌合溝72aに対応していればよく、内周形状がC字状や環状、又は、外周形状が矩形や円形等であってもよい。嵌合溝72aは、回動部材72外周面よりも凹んでいるが、これに限定されず、回動部材72の外周面から突出した箇所に設けられていてもよい。また、嵌合溝72aの代わりに、回動部材72の外周面に環状の突起を形成し、U字状部73bの代わりにこの環状突起に係合可能な溝を設けても良い。あるいは、回動部材72の上下端面にそれぞれ環状の案内溝を形成し、連結部材73に、これら案内溝内に上下から挿入される突起を設けてもよい。
【0056】
次に、図14に基づいてサンシェード装置Sの電気的構成を説明する。サンシェード装置Sは、乗員により操作される操作スイッチ41と、各種センサ42〜45と、モータ装置11へ駆動信号を送出する制御部40を備えている。
【0057】
操作スイッチ41は、乗員がシート21a,21bを展張・収納したいときに操作されるスイッチであって、車両の不図示のインストルメントパネル,ドアパネル2等に設けられている。操作スイッチ41は、通常時中央位置にあり、乗員の操作によって一端側,他端側に倒すことが可能なレバー式のスイッチであって、レバーを一端側に倒すとシート21a,21bの展張方向への移動、レバーを他端側に倒すとシート21a,21bの収納方向への移動を指示可能で、乗員が手を離すと中央位置に復元するようになっている。操作スイッチ41が操作されると、その操作の内容により、シート21a,21bの展張又は収納方向への移動又は移動の停止を指示する操作信号が制御部40へ送出される。
【0058】
乗員は、操作スイッチ41を一端側又は他端側に倒したまま保持し、シート21a,21bが所望の位置に達したときに操作スイッチ41から手を離して中央位置に戻すと、制御部40からの信号によりモータ装置11の駆動が停止され、所望の位置でシート21a,21bを止めることができる。
【0059】
温度センサ42は、ウインドウガラス6a,6b内面や運転席のシートバック側面等に設置され、車室内の温度を検出して温度に応じた検出信号を制御部40へ送出している。
光センサ43は、指向性のある1又は複数のセンサからなり、ウインドウガラス6a,6b内面に設置され、車室内への入射光の照度と共に、太陽光が所定の入射角度(方向)範囲内で入射していることを検出できる。光センサ43は、前面にスリット部を備え、所定入射角度の入射光のみがセンサ面に到達できるよう指向性が与えられたセンサを備えていてもよい。
【0060】
位置センサ44はシート21a,21bの展張位置を検出するセンサである。図1の収納位置,図3の遮蔽位置等に応じてガイドレール31及びガイドシャフト71に沿って複数のリミットスイッチを備えており、スライダー35及び回動部材72とリミットスイッチとが当接することによりリミットスイッチから当接した旨の信号が送出され、制御部40はこの信号をもとにスライダー35及び回動部材72の位置を知ることができる。なお、位置センサ44を、ロールシェード部22A,22Bの回転量に応じて展張状況を検出するような構成としてもよい。
ギア位置センサ45は、車両のギアポジションを検出するセンサであって、ギアがパーキング・ポジション,ドライブ・ポジション等のポジションにあることを検出する。
【0061】
制御部40はマイコンにより構成され、操作スイッチ41からの操作信号と、温度センサ42,光センサ43,位置センサ44,ギア位置センサ45の検出信号を受信して、これらの信号に基づきモータ装置11へ正逆方向の駆動信号を送出する。
【0062】
制御部40は、温度センサ42,光センサ43からの信号により車室内の温度が所定以上になった、又は所定照度以上の太陽光が差込んでいると判断すると、自動的にモータ装置11へ駆動信号を送出してシート21a,21bを展張し、ウインドウガラス6a,6bを覆って太陽光を遮断する。なお、モータ装置11への駆動信号の送出は、ギア位置センサ45からギアがパーキング・ポジションにある旨の信号を受信したことに基づき、車両が駐車中であるとみなして、行ってもよい。
【0063】
つまり、シート21a,21bを展張させずに車両を駐車した場合で、車室内の温度が所定以上となるか、強い太陽光が差込んできたと制御部40が判断したときには、自動的にシート21a,21bを閉めて車室内の温度の上昇を抑える。このように駐車中に自動的にシート21a,21bを展張させるため、乗員が戻ってきたときにも車室内の温度上昇が抑えられており、車室内の温度を急激に下げるためにエアコンの噴出量を大きくする必要がなく、大量のエネルギーを消費することを防ぐことができる。
【0064】
また、制御部40は、ギア位置センサ45から、ギアがドライブ・ポジションにある旨の信号を受信して、車両が走行中であると判断し、かつ、光センサ43からの信号により入射光の照度が所定以上の値であり、入射光の入射方向が所定範囲内であると判断した場合には、自動的に駆動信号をモータ装置11へ送出し図2のような途中位置までシート21a,21bを展張させる。シート21a,21bが途中位置まで展張されると、位置センサ44からの検出信号に基づき制御部40はモータ装置11への駆動信号の送出を停止する。
更に、制御部40は、光センサ43からの信号により照度及び入射方向が所定範囲外となったと判断した場合には、モータ装置11へ逆回転の駆動信号を送出し、自動的にシート21a,21bを収納させる。
【0065】
なお、駐車中にシート21a,21bが図3の遮蔽位置にあって、ギアをドライブ・ポジションにシフトした場合に、制御部40はモータ装置11へ逆回転の駆動信号を自動的に送出してシート21a,21bを図1の収納位置まで移動させるようにしてもよい。
【0066】
制御部40は、シート21a,21bの展張・収納動作中、シート21a,21bが、停止させるべき位置に達すると、シート21a,21bを停止させる位置に達したことを位置センサ44からの信号により検知し、その位置で駆動信号の送出を停止させる。駆動信号送出を停止した状態では、モータ装置11の自己保持機能(例えばクラッチ)によって、収納位置,遮蔽位置,収納位置と遮蔽位置の間の中間位置にシート21a,21bが保持される。
【0067】
次に、本実施形態のサンシェード装置Sの動作を説明する。
通常時、サンシェード装置Sのシート21a,21bは、図1の収納位置にあり、ロールシェード部22A,22Bに巻取られた状態にある。図1に示すように、シート21aがロールシェード部22Aに最大限巻取られた状態において、シート21a下端の自由端部は開口部2aの上端と略同一位置にある。シート21aの自由端部は、更に上方まで巻上げられていてもよい。シート21bは、図1に示すようにロールシェード部22Bに最大限巻取られた状態において、ロールシェード部22Bの左側端部からその先端部分のみが引出されている。
この収納位置にある状態で、車両の乗員により操作スイッチ41でシート21aの展張が指示され、又は、温度センサ42,光センサ43,ギア位置センサ45からの検出信号に基づき、駐車中又は走行中であって車室内温度が所定以上になったか所定照度以上の太陽光が差込んでいると判断した場合には、制御部40は、モータ装置11を正方向に回転駆動させる駆動信号を送信する。
【0068】
この駆動信号に基づき、モータ装置11は、正回転を開始し、図4の出力歯車11aも正回転を開始する。出力歯車11aが正回転すると、出力歯車11aに噛合する2本のスパイラルケーブル34が、下側の端部側に向かって移動する。これに伴い、スパイラルケーブル34の上端に固定された一対のスライダー35が、図1の開口部2a上端の位置から下降を開始し、スライダー35に固定されたシート21a下端の自由端部もスライダー35の下降に伴い下降を開始し、シート21aは、ロールシェード部22Aから繰出され、上枠3bの不図示のトリム部材のスリットを通過して展張を開始する。シート21aは、両スライダー35の下降に伴って、下端辺が、水平な開口2aの下部見切り線2cに平行になるよう、ロールシェード部22Aから左右略同一幅で引出される。
シート21aの自由端部の右端部は、図9,図10に示すようにスライダー35に固定されると共に、右側端辺の全体は図10に示すように、スリット5a及び案内部材7,8に支持されており、シート21aの右側端辺は、ウインドウガラス6a表面から浮くことも、よれることもなく、スリット5aに沿って真っ直ぐ下降する。前枠3aも同様の不図示のスリット及び案内部材を備えるため、シート21aの左側端辺も同様である。
【0069】
同時に、スライダー35に連結部材73で連結された回動部材72も、スライダー35から、下方向への力を受けるが、このとき、摺動突起72bがガイドシャフト71の螺旋溝71aに案内されるため、回動部材72は、反時計回りに回転しながら下降する。
回動部材72の下降により、回動部材72に固定されたシート21b先端の自由端部が、シート21aの自由端部と同期して下降を開始し、シート21bは後枠3cに取付けられた不図示のトリム部材の下側を通過してロールシェード部22Bから繰出される。このとき、ロールシェード部22Bが斜めに配設されているため、シート21bは、その引出し方向が真っ直ぐ下方ではなく、斜め左下方に向かって引出される。また、回動部材72の反時計回りの回転により、図11に示すように、シート21bは、自由端部から、回動部材72及びガイドシャフト71の外周面に巻付けられ、左方向に引っ張られる。シート21bの余剰部分は、左側端辺から回動部材72及びガイドシャフト71に巻取られ、巻取られない部分は開口部2bに展張される。
【0070】
本実施形態では、伸縮しないシート21bを開口部2bの形状に合わせて展張するために、シート21bの引出し動作に同期して、シート21bの左側端辺が、その自由端部側から巻取機構部70によって巻取られる。これにより、シート21bが左下方に向かって引出されたことにより、開口部2bよりも左側にはみ出して余剰部分となった部分が巻取られる。よって、シート21bが開口部2bの上方から下方に向かって、常にたるまないように展張される。
【0071】
また、シート21bは、下方に向かって引出されるのに伴い、引出されている部分の幅が徐々に幅広になっていく。すなわち、引出されているシート21bの右端部の位置が、ロールシェード部22Bの左端部から右端部(開口部2bの下端部に接続されている部位)に向かって徐々に斜め下方に移動する。本実施形態では、シート21bの右端部の下降移動と、シート21bの左端部を巻取っている巻取機構部70の回動部材72の下降移動とが同期するので、図2、図3に示すように、展張中のシート21bの下端辺は、常に、水平な開口2bの下部見切り線2cに平行になるよう、略水平となる。
シート21bの自由端部は、図9,図10に示すように回動部材72に固定されると共に、シート21bの支柱9側の側端辺は、図10に示すように、スリット5b及び案内部材7,8に支持されており、シート21bの支柱9側の側端辺は、ウインドウガラス6b表面から浮くことも、よれることもない。
【0072】
図2の途中位置において、操作スイッチ41が中央位置に戻されることにより、展張動作の停止を指示する信号を制御部40が操作スイッチ41から受信した場合、又は、制御部40が光センサ43,ギア位置センサ45からの検出信号に基づき、車両走行中で、入射光の照度が所定以上、又は入射方向が所定範囲内であると判断した場合には、制御部40は、モータ装置11の駆動を停止する。これにより、出力歯車11a,スライダー35が停止し、シート21a,21bの途中位置までの展張動作が完了する。
また、図2の途中位置を経て図3の遮蔽位置に達すると、位置センサ44が、シート21a,21bが遮蔽位置にある旨の信号を制御部40に送信し、制御部40は、この信号に基づき、遮蔽が完了したとして、モータ装置11の駆動を停止する。これにより、出力歯車11a,スライダー35が停止し、シート21a,21bの遮蔽位置までの展張動作が完了する。
【0073】
シート21a,21bの収納動作では、展張動作と逆の動作が実行される。
サンシェード装置Sのシート21a,21bが、図2の途中位置又は図3の遮蔽位置にある状態で、車両の乗員によりシート21a,21bの収納を指示する操作スイッチ41が選択された場合、又は光センサ43及びギア位置センサ45からの信号により制御部40が、走行中であって、照度及び入射方向が所定範囲外になったと判断した場合、又はギア位置センサ45からの信号により、制御部40が、ギアがドライブ・ポジションにシフトされたと判断した場合には、制御部40は、モータ装置11を逆方向に回転駆動させる駆動信号を送信する。
この駆動信号に基づき、モータ装置11は、逆回転を開始し、図4の出力歯車11aも逆回転を開始する。出力歯車11aが逆回転すると、出力歯車11aに噛合する2本のスパイラルケーブル34が、上方に向かって移動する。これに伴い、スパイラルケーブル34の上端に固定された一対のスライダー35が、図3の開口部2a下端の位置から上昇を開始し、スライダー35に固定されたシート21a下端の自由端部もスライダー35の上昇に伴い上昇を開始して、シート21aは収納を開始する。
【0074】
同時に、スライダー35に連結部材73で連結された回動部材72も、スライダー35から、上方向への力を受けるが、このとき、摺動突起72bがガイドシャフト71の螺旋溝71aに案内されるため、回動部材72は、時計回りに回転しながら上昇する。
回動部材72の上昇により、回動部材72に固定されたシート21b先端の自由端部が、シート21aの自由端部と同期して上昇を開始する。また、回動部材72の時計回りの回転により、図11に示すように、回動部材72及びガイドシャフト71の外周面に巻付けられていたシート21bは、余剰部分がほどかれて、ウインドウガラス6b側に繰出され、ロールシェード部22Bのコイルスプリング22bの付勢力により、右方向に引っ張られる。このように、シート21bは、回動部材72の上昇及び回転により、上及び右方向への力を受け、回動部材72及びガイドシャフト71からほどかれて、ウインドウガラス6b側に繰出されると同時に、繰出された分は、上端から巻取方向へ付勢されたロールシェード部22Bに巻取られる。
【0075】
図2のように、途中までシート21a,21bが収納された状態で、操作スイッチ41が中央位置に戻されることにより、収納動作の停止を指示する信号を制御部40が操作スイッチ41から受信した場合には、制御部40は、モータ装置11の駆動を停止する。これにより、出力歯車11a,スライダー35が停止し、シート21a,21bの途中位置までの収納動作が完了する。
図2の途中位置を経て図1の収納位置に達すると、位置センサ44が、シート21a,21bが収納位置にある旨の信号を制御部40に送信し、制御部40は、この信号に基づき、モータ装置11の駆動を停止する。これにより、出力歯車11a,スライダー35が停止し、シート21a,21bの収納動作が完了する。
【0076】
以上のようにして、本実施形態の巻取機構部70にはスライダー35を介して駆動部10の駆動力が伝達され、スライダー35と一体となって回動部材72が下降する。これにより、シート21bがシート21aと同期して展張・収納される。また、伸縮しないシート素材を用いていても、展張・収納中にシート21bがたるむことがなく、隣のシート21aと重なってしまうようなこともない。
また、展張中はシート21bの下端辺が、常に、水平な開口部2aの下部見切り線2cに平行で、略水平となるようにシート21bの形状及びそのロールシェード部22Bへの巻取り方が設定されている。従って、シート21bは、シート21aと同様に開口部2bの上方から下方へ向かって真っ直ぐ下方向きに展張される。従って、本実施形態の巻取機構部70は、略三角形の開口部2bを矩形の開口部2aと同じ方向(上方から下方に)に覆ってゆくことができる。また、シート21bの下端をシート21aと同様に、水平な開口部2a,2bの下部見切り線2cに平行になるよう、水平にして、両シートの下端を揃えた状態で展張・収納することができる。
【0077】
以上の構成により、本実施形態のサンシェード装置Sは、ドア1の車両前方部分の略矩形状の開口部2aについては、駆動部10及びガイド部30の作動に基づいて、開口部2aの上端と下端の間で略矩形状のシート21aを展張・収納することができ、開口部2aを上方から遮蔽することができる。このとき、シート21aの両側端部はトリム部材5のスリット5aに支持されるので、シート21aと前枠3a又は支柱9との間に隙間(覆い残し部分)が生じない。よって、見栄え良く開口部2aを覆うことができる。
【0078】
また、本実施形態のサンシェード装置Sは、ドア1の車両後方部分の略三角形状の開口部2bについても、ガイド部30に連動する巻取機構部70の作動に基づいて、開口部2bの上端と下端の間で略三角形状のシート21bを展張・収納することができ、開口部2bを上方から遮蔽することができる。その際、シート21bの余剰部分を巻取ることにより伸縮性のないシート21bでもたるむことがないように展張することができ、かつ、シート21bの下端が常に水平になるように展張している。また、シート21bの左側端部はトリム部材5のスリット5bに支持されているので、シート21bと支柱9との間に隙間(覆い残し部分)が生じない。よって、見栄え良く開口部2bを覆うことができる。
【0079】
また、本実施形態のサンシェード装置Sは、巻取機構部70がガイド部30に連動して駆動部10の出力に基づいて作動されるので、2つのシートを駆動するために駆動源を1つ設けるだけで済み、構成が簡易化されている。また、シート21aとシート21bを同期させて同じ方向に引出すことができ、その下端を同じ高さに揃えて下降させることができるので、2枚のシートの展開動作が揃い、見栄え良くウインドウガラス6a,6bの全領域を覆うことができる。
また、本実施形態のサンシェード装置Sでは、このようにシート21a,21bを伸縮させずに展張することができるので、シート21a,21bが展張中に伸び切って収縮しなくなり、スムーズに巻取れないというような不具合が発生しない。
【0080】
また、本実施形態のサンシェード装置Sでは、シート21a,21bは開口部2a,2bをそれぞれ上側から覆っていくので、収納位置と遮蔽位置との間に1箇所又は複数箇所の途中停止位置を設け、車両の運転中にこれらの途中停止位置までシート21a,21bを自動的に展張するように構成すれば、サンバイザーの代わりに使用でき、本実施形態のサンシェード装置Sをバイザー及びシェードとして構成することもできる。サンバイザーとして使用した場合、サンシェード装置Sは自動的に展張できるので、乗員が操作スイッチ41を操作しなくても太陽光をシート21a,21bにより遮ることができ便利である。
乗員は、ウインドウガラス6a又は6bを下げて窓を開けた状態でシート21a,21bを下げることにより、本実施形態のサンシェード装置Sを虫除けとして使用することもできる。また、シート21a,21bを所定位置まで下げることにより、走行中に頭部等上半身へ風が当るのを防ぐこともできる。
【0081】
また、本実施形態のサンシェード装置Sでは、構成部材である駆動部10、ロールシェード機構部20、ガイド部30、巻取機構部70を、ドアパネル2とドアトリム(不図示)又はトリム部材5の間に配設したので、不使用時にもサンシェード装置Sは邪魔にならない。また、車室側から見えないので、外観性が良好である。更に、サンシェード装置Sは車両側ではなくドア側に配設されているので、カーテンシールドエアバッグが作動する際の邪魔にならないので好適である。
また、シート21a,21bの素材を様々に変えて適宜な光透過率に設定すれば、サンシェード装置Sにスモークフィルムの機能を果たさせることもできる。
【0082】
また、本実施形態では、車両の右後部ドアのドアウインドウにサンシェード装置Sを適用した例を示したが、これに限らず、サイドウインドウの全てにサンシェード装置Sを適用してもよい。サイドウインドウには、ドアウインドウや、ドアウインドウ以外にも車両の側面に配設された嵌め殺しウインドウや開閉可能なウインドウのすべてを含めることができる。このようにすれば、更に車室内の温度上昇を抑制することができる。また、非矩形状のフロントウインドウ,リヤウインドウにサンシェード装置Sを適用することも可能である。
以下、第1の実施形態の構成の一部を変更した改変例について説明する。第1の実施形態と異なる点のみ説明し、重複する部分は説明を省略する。
【0083】
(改変例1)
図15に示すように、本改変例のサンシェード装置S1は、ガイド部30に代えてガイド部130を、駆動部10に代えて駆動部110を備えている。ガイド部130は、スパイラルケーブル34の代わりに、先端にスライダー35が固定されたワイヤ132を備え、ワイヤ132を電動モータ111で巻取ることによってスライダー35を下方へ移動させるように構成されている。
本例のガイド部130は、一対のガイドレール31と、ガイドレール31の案内溝に沿って移動可能な一対のスライダー35と、スライダー35に先端が連結されガイドレール31案内溝に挿通された一対のワイヤ132と、ガイドレール31と駆動部110との間でワイヤ132を支持搬送するプーリー133とを備えている。支柱9側のスライダー35には、第1の実施形態と同様に、巻取機構部70の回動部材72が連結部材73により連結されている。
各ワイヤ132のスライダー35と逆側の端部側は、ガイドレール31の下側で、プーリー133を介して駆動部110のリール113に連結されている。
なお、プーリー133の代わりに、中空のパイプや、溝を備えた部材を用いてワイヤ132を支持搬送してもよい。
【0084】
駆動部110は、電動モータ111と、電動モータ111の出力軸に連結され、電動モータ111の回転に伴い回転するリール113とを備え、ガイドレール31の下側の2箇所に設けられている。
リール113には、ワイヤ132の下端が固定され、正逆回転することによりワイヤ132を巻取り又はほどくことが可能である。
【0085】
本例のサンシェード装置S1の動作を説明する。制御部40が、電動モータ111を正方向に回転駆動させる駆動信号を送信すると、電動モータ111は、正回転を開始し、リール113が正回転する。これにより、ワイヤ132がリール113に巻取られ、スライダー35がガイドレール31に沿って下降し、シート21aが展張される。そして、第1の実施形態と同様に、回動部材72にスライダー35の下向きの力が伝達され、スライダー35と一体となって回動部材72が反時計回りに回転しながら下降し、シート21bがシート21aと同期して展張される。シート21a,21bの収納動作では、展張動作と逆の動作が実行される。
【0086】
(改変例2)
本改変例のサンシェード装置S2では、ガイド部30に代えてガイド部230を、駆動部10に代えて駆動部210を備えている。ガイド部230では、スパイラルケーブル34の代わりに、樹脂製のラック232とピニオン211aを備えている。
ガイド部230は、図16に示すように、一対のガイドレール31と、ガイドレール31の案内溝に沿って移動可能な一対のスライダー35と、スライダー35に先端が連結されガイドレール31案内溝に上下動可能に挿通された一対のラック232を備えている。図16は、前枠3a側のガイド部230を示すが、支柱9側のガイド部230も同様の構成である。
駆動部210は、電動モータ211と、電動モータ211の出力軸に連結され、電動モータ211の回転に伴い回転する平歯車からなるピニオン211aを備えている。
【0087】
本例のサンシェード装置S2の動作を説明する。制御部40が、電動モータ211を正方向に回転駆動させる駆動信号を送信すると、電動モータ211は、正回転を開始し、ピニオン211aが正回転する。これにより、ピニオン211aに噛合するラック232がガイドレール31に沿って下降し、シート21aが展張される。そして、第1の実施形態と同様に、回動部材72にスライダー35の下向きの力が伝達され、スライダー35と一体となって回動部材72が反時計回りに回転しながら下降し、シート21bがシート21aと同期して展張される。シート21a,21bの収納動作では、展張動作と逆の動作が実行される。
【0088】
(改変例3)
本改変例のサンシェード装置S3a,S3bは、ガイド部30,330又は130,430及び駆動部10,310又は110,410を3組ずつ備え、そのうち2組が、シート21aの展張・収納動作に、残りの1組がシート21bの展張・収納動作に用いられるよう構成されている。巻取機構部70は、シート21aを駆動するガイド部30又は130及び駆動部10又は110とは別の伝達機構及び駆動源により駆動される。第1の実施形態と異なり、巻取機構部70は、シート21aを展張・収納するガイド部30又は130のスライダー35に連結されるのではなく、シート21bの展張・収納のみのために設けられた第3のガイド部330又は430のスライダー335又は435に連結されている。
【0089】
サンシェード装置S3aの巻取機構部70は、図17に示すように、ガイド部330と駆動部310により駆動されている。
ガイド部330は、ガイドレール31,ケーブルパイプ32,スパイラルケーブル34,スライダー35とそれぞれ同様の構成のガイドレール331,ケーブルパイプ332,スパイラルケーブル334,スライダー335を一組だけ備えている。ガイドレール331は、ガイドレール31とガイドシャフト71の間に、ガイドシャフト71に沿って配設され、スライダー335は連結部材73により回動部材72に連結されている。
駆動部310は、駆動部10と同様の構成からなり、モータ装置11と同様のモータ装置311を備えている。駆動部310は、駆動部10と同期して駆動されるように構成されている。また、本例のサンシェード装置S3aは、図18に示すように、モータ装置11,311の双方へ駆動信号を送出することを除いては、制御部40と同様の構成からなる制御部340を備えている。
制御部340は、各センサからの検出信号に基づいて駆動部310と駆動部10に駆動信号を送出して同期して駆動させ、これによりシート21a,21bを同期して展張し、ウインドウガラス6a,6bを覆って太陽光を遮蔽することができる。このように、1つの駆動源からの駆動力を部材同士を物理的に連結して伝達することによりシート21a,21bの展張動作を揃えるかわりに、駆動制御によって複数の駆動源を同期させ、これによりシート21a,21bの展張動作を揃えることができる。
【0090】
また、サンシェード装置S3bの巻取機構部70は、図19に示すように、ガイド部430と駆動部410により駆動されている。
ガイド部430は、改変例1のガイド部130と同様の構成からなる。ガイドレール431は、ガイドレール31とガイドシャフト71の間に、ガイドシャフト71に沿って配設され、スライダー435は連結部材73により回動部材72に連結されている。
駆動部410は、駆動部10と同様の構成からなり、電動モータ111と同様の電動モータ411を備えている。駆動部410は、駆動部10と同期して駆動されるように構成されている。また、本例のサンシェード装置S3aは、電動モータ111,411の双方へ駆動信号を送出することを除いては、制御部40と同様の構成からなる制御部340を備えている。
制御部340は、各センサからの検出信号に基づいて駆動部410と駆動部110に駆動信号を送出して同期して駆動させ、これによりシート21a,21bの展張動作を揃えることができる。
【0091】
(改変例4)
本改変例のサンシェード装置S4は、図20に示すように、第1の実施形態のロールシェード部22A,22Bに代えて、これらを一体にしたロールシェード部122を備えている。
本例のロールシェード部122は、直線状の上枠3bからR状の後枠3cにかけて伸びている点を除いては、第1の実施形態のロールシェード部22Bと同様の構成であり、巻取方向に付勢されていると共に、湾曲部に配設されていても、ねじれを発生させずにシート21bを巻取ることができる。
ロールシェード部122の両端には、それぞれロールシェード部122の回動を支持するロールシェード保持部26a,26bと同様の構成のロールシェード保持部126aが取付けられている。
サンシェード装置S4は、単一のロールシェード部122で2つのシート21a,21bを巻取る構成となっているが、このような構成でも、第1の実施形態と同様に、シート21bの余剰部分を巻取機構部70により巻取りながらシート21aと同期させて展張することができ、シート21a,21bの展張動作を揃えることができる。
【0092】
(第2の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。本実施形態は、車両のリアサイドドア1(以下「ドア1」という)のサイドウインドウとしてのドアウインドウに適用したサンシェード装置S5に関し、請求項1〜17に対応するものである。
なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品には、前記第1の実施形態と同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態のサンシェード装置S5が適用されるドア1は、第1の実施の形態と同様に、ドアパネル2,ドアトリム(不図示),第1開口部としての開口部2a,第2開口部としての開口部2b,ウインドウガラス6a,6b,ウインドウ枠としての窓枠3,トリム部材5を備えている。
本実施形態の開口部2aは、第1の実施形態と異なり、図21に示すように、上辺が水平ではなく、車両後方側が低くなるように傾斜している。また、開口部2bの上辺の開口部2a側端部は、開口部2aの上辺の開口部2b端部と略同じ高さであるため、第1の実施形態の開口部2bよりも低い位置になっている。開口部2aの両側辺及び開口部2bの左側端辺は、鉛直ではなく、やや右に傾斜している。
【0093】
窓枠3のうち上枠3bは、水平ではなく、車両後方側が低くなるように傾斜し、前枠3a及び支柱9も、やや右に傾斜している。
ドアパネル2,ドアトリム(不図示),開口部2a,2b,ウインドウガラス6a,6b,窓枠3,トリム部材5のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0094】
本実施形態のサンシェード装置S5は、シート21a,21bを巻取方向に常時付勢し、不使用時はシート21a,21bを収納するロールシェード機構部20と、展張時開口部2a,2bを覆う第1シート,第2シートとしてのシート21a,21bと、シート21aを展張・収納させるガイド部30と、ガイド部30を駆動する駆動部10と、シート21bを展張・収納させる巻取機構部70と、を備えている。駆動部10の構成は、第1の実施形態と同様である。なお、駆動部10及びガイド部30が特許請求の範囲の第1展張機構部に相当し、巻取機構部70が特許請求の範囲の第2展張機構部に相当する。
【0095】
ロールシェード機構部20は、図21,図22に示すように、ロールシェード部22A,22Bの両端を支持するロールシェード保持部26a,26bと、シート21a,21bを巻取り方向に常時付勢すると共に、不使用時にシート21a,21bを巻取って収納する直線部としてのロールシェード部22A及び傾斜部としてのロールシェード部22Bと、を備えて構成されている。
ロールシェード機構部20は、ロールシェード部22Aが、傾斜する開口部2aの上端辺に平行になるよう、水平ではなく車両後方が低くなるよう傾斜して設置されている点を除いては、第1の実施形態と同様の構成である。
【0096】
シート21aは、図22に示すように、左右の端辺が互いに平行な略台形に形成され、先端の自由端部には、自由端部の長さ方向に伸びる自由端部保持部材550が固定されている。
自由端部保持部材550は、アルミ製の長尺体からなり、図23に示すように、アルミロッド551と、アルミロッド551の両端に同軸状に連結されたアルミパイプ552と、自由端部保持部材550をスライダー535又は連結部材573に連結する連結部553とからなる。
【0097】
アルミロッド551は、アルミ製の長尺略円柱体からなり、図22,図23に示すように、支柱側端部555に近い位置に、上方が凸になるように湾曲した曲がった位置としての湾曲部556が設けられ、前枠側端部554と湾曲部556との間は略直線になるように形成されている。なお、湾曲部556の位置や角度を含め、アルミロッド551の湾曲形状は、開口部2aの上辺の形状に合わせて適宜選択される。また、開口部の上辺が直線状である場合は、図21の収納位置から図22の遮蔽位置に向かって展張するに伴い、徐々に湾曲の角度が増大するように構成してもよい。
アルミパイプ552は、アルミ製の略中空円筒体からなる。アルミロッド551とアルミパイプ552とは、アルミロッド551の端部がアルミパイプ552の中心の孔に挿入されることにより連結されており、自由端部保持部材550に、上方向である図23のA方向の力が掛かると、挟込み防止のため、アルミロッド551がアルミパイプ552から外れるように構成されている。
【0098】
連結部553は、アルミパイプ552のアルミロッド551逆側端部に固定されており、前枠側端部554側の連結部553は、図22,図28に示すように、他方のスライダーとしての前枠3aのスライダー535に連結され、支柱側端部555の連結部553は、図30に示すように、支柱9の連結部材573に連結され、これにより、自由端部保持部材550の両端が、スライダー535及び連結部材573の上下移動に伴って上下移動可能となっている。支柱側端部555の連結部553は、支柱9の連結部材573を介してスライダー535に連結されており、この支柱9のスライダーが、特許請求の範囲の一方のスライダーに相当する。
【0099】
自由端部保持部材550は、図24に示すように、シート21aの自由端部が折返され、折返された自由端部が、対面する部分に固定されることによりできる貫通孔内に、通されることにより、シート21aの自由端部に固定されている。
なお、固定の方法はこれに限定されず、図25に示すように、シート21aの自由端部に樹脂や金属製のパイプ又は,布製の中空円筒体からなるロッドガイド557を固定し、その中に挿通することにより固定してもよい。
また、図23に示す自由端部保持部材550に代えて、図26に示すように、中央に溝558aを備えた断面コの字型の樹脂製の自由端部保持部材558を用いてもよい。溝558aは、シート21aの厚みよりも若干小さな幅を備え、溝558aの開口の両側には、溝558aの幅を狭める方向に突出し、抜止めとして機能する突起558bが設けられている。シート21aの自由端は、溝558aに挿入され、突起558bにより保持されることにより、自由端部保持部材558に固定される。
【0100】
自由端部保持部材550は、図21の収納位置では、前枠3aとロールシェード部22Aとの間に収納され、車室側から見えないようになっている。この前枠3aとロールシェード部22Aとの間が、特許請求の範囲の収納部に相当する。また、図22の遮蔽位置では、湾曲部556よりも前枠3a側の部分が、開口部2aの下部見切り線2cと平行でかつ下部見切り線2cに重なるように配置されるため、シート21aが、ドアパネル2の上端辺との間に隙間を生ずることなく、開口部2a全体を遮蔽可能である。
【0101】
シート21bは、図27に示すように、ロールシェード部22Bに沿うと共にロールシェード部22Bに固定された傾斜辺561と、ロールシェード22A側の端部564におけるロールシェード部22Bの接線565に対して垂直な垂直延出辺562と、開口部2bの下部見切り線2cに平行で、傾斜辺561及び垂直延出辺562を繋ぐ水平辺563との3辺により囲まれた略三角形からなる。
シート21b先端の自由端部の側端辺は、図30に示すように、回動部材72の外周面に、シート21bが回動部材72の貫通孔に平行になるように固定されている。
【0102】
ガイド部30は、ガイドレール31,スライダー35の代わりに図28に示すガイドレール531,スライダー535を備えることを除いては、第1の実施形態と同様の構成である。
ガイドレール531は、案内溝が車両後方側に開口するように構成され、図21,図22に示すように、傾斜した開口部2aの両側辺に平行になるよう、鉛直よりも少し右に傾斜して設けられている。
スライダー535は、図28に示すように、略矩形板体からなるシート取付部535bと、ガイドレール31の案内溝に係合可能な形状を有してシート取付部535bに連続して一体に形成されたスライド部535aとを備えている。スライド部535aは、ガイドレール31の案内溝内に係合可能な略円柱体からなる。シート取付部535bは、ウインドウガラス6a側(シート21a側)に延出し、自由端部保持部材550の連結部553が固定されている。スライダー535は、ガイドレール31の上端と下端との間で移動可能である。
【0103】
巻取機構部70は、ガイドレール531と平行に支柱9に固定されたガイドシャフト71と、ガイドシャフト71に沿って上下動する移動部材としての回動部材72と、回動部材72とスライダー535とを連結する連結部材573と、を備えている。
ガイドシャフト71は、図21,22に示すように、鉛直よりも少し右に傾斜しており、支柱9に、ガイドレール531と平行に固定されている。ガイドシャフト71の下端は、図21,22に示すように、開口部2a,2bの下部見切り線2cよりも下側に配置され、回動部材72及び回動部材72に固定されたシート21b先端の自由端部は、開口部2a,2bの下部見切り線2cよりも下側まで下降可能になっている。
ガイドシャフト71が、鉛直よりも右に傾斜しており、図29に示すように、ガイドシャフト71と、水平の開口部2b下部見切り線2cとの間の角度が鋭角であることから、ガイドシャフト71に螺旋状に巻かれるシート21b自由端部の先端21cは、シート21bの下端辺21dよりも下側にずれて位置することになるため、シート21bの先端21cを開口部2bの下部見切り線2cよりも下側まで下降させ、シート21bの下端辺21dを、開口部2bの下部見切り線2cまで下降可能にしたものである。
【0104】
連結部材573は、図30,図31に示すように、略矩形板体からなる接合部573aと、接合部573aの一端から垂直に立設され、略矩形板体の一部がU字状に切欠かれた被保持部としてのU字状部573bと、接合部573aと平行になるよう、U字状部573bの一方の腕部から垂直に立設された略矩形板体の連結部573cと、を備えている。
接合部573aとU字状部573bとは、図31に示すように、略L字状を構成していると共に、接合部573aとU字状部573bとの間には、スライダー535のシート取付部535bを嵌合して接合可能なように、シート取付部535bよりやや幅広の溝が設けられている。
U字状部573bは、嵌合溝72aがU字状部573b内で回動して摺動可能なように、その内周が回動部材72の嵌合溝72aより若干大きく形成されている。
図30,図31に示すように、接合部573aは、スライダー535のシート取付部535bに固定され、U字状部573bは、回動部材72の嵌合溝72aと遊びを持って係合し、これにより、スライダー535と回動部材72とが、連結部材573により連結されると共に、回動部材72がスライダー535に対して回動自在になっている。
巻取機構部70のその他の構成,サンシェード装置S5の電気的構成及び動作は、第1の実施形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1の実施形態のサンシェード装置の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のサンシェード装置の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のサンシェード装置の説明図である。
【図4】駆動部の説明図である。
【図5】ロールシェード部の説明図である。
【図6】ロールシェード部の説明図である。
【図7】ロールシェード部の説明図である。
【図8】スライダー、ガイドレール、巻取機構部の斜視図である。
【図9】スライダー、ガイドレール、巻取機構部の分解斜視図である。
【図10】ガイドレール及び巻取機構部が配設された支柱の断面説明図(図1のX1−X1断面図)である。
【図11】ガイドレール及び巻取機構部が配設された支柱の断面説明図(図3のX2−X2断面図)である。
【図12】巻取機構部の断面説明図(図8のY1−Y1断面図)である。
【図13】巻取機構部の断面説明図(図8のY2−Y2断面図)である。
【図14】本発明の第1の実施形態のサンシェード装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】改変例のサンシェード装置の説明図である。
【図16】改変例のサンシェード装置の説明図である。
【図17】改変例のサンシェード装置の説明図である。
【図18】改変例のサンシェード装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図19】改変例のサンシェード装置の説明図である。
【図20】改変例のサンシェード装置の説明図である。
【図21】本発明の第2の実施形態のサンシェード装置の説明図である。
【図22】本発明の第2の実施形態のサンシェード装置の説明図である。
【図23】自由端部保持部材の斜視図である。
【図24】図22のZ1−Z1断面図である。
【図25】図22の他の例のZ1−Z1断面図である。
【図26】図22の更に他の例のZ1−Z1断面図である。
【図27】本発明の第2の実施形態の第2シートの説明図である。
【図28】本発明の第2の実施形態のスライダー及びガイドレールの分解斜視図である。
【図29】本発明の第2の実施形態のガイドシャフトの概略説明図である。
【図30】本発明の第2の実施形態のガイド部及び巻取機構部の分解斜視図である。
【図31】本発明の第2の実施形態の連結部材及びスライダーの斜視図である。
【符号の説明】
【0106】
1‥リアサイドドア(ドア)、2‥ドアパネル、2a,2b‥開口部、2c‥下部見切り線
3‥窓枠、3a‥前枠、3b‥上枠、3c‥後枠、5‥トリム部材
5a,5b‥スリット、6a,6b‥ウインドウガラス、7,8‥案内部材、9‥支柱
10,110,210,310,410‥駆動部、11,311‥モータ装置
11a‥出力歯車、12‥モータ固定部材、20‥ロールシェード機構部
21a,21b‥ブラインドシート(シート)、21c‥先端、21d‥下端辺
22A,22B,122‥ロールシェード部、22a‥センタシャフト
22b‥コイルスプリング、22c‥スプリングホルダ、22d‥回動ロッド
23‥サイドロッド、23a,25a‥係合突起、24‥ジョイント
24a‥係合凹部、25‥センタロッド
26a,26b,126a‥ロールシェード保持部
30,130,230,330,430‥ガイド部
31,231,331,431,531‥ガイドレール、32,332‥ケーブルパイプ
33‥ケーブルパイプホルダ、34,334‥スパイラルケーブル
35,235,335,435,535‥スライダー、35a,535a‥スライド部
35b,535b‥シート取付部、40,340‥制御部、41‥操作スイッチ
42‥温度センサ、43‥光センサ、44‥位置センサ、45‥ギア位置センサ
70‥巻取機構部、71‥ガイドシャフト、71a‥螺旋溝、72‥回動部材
72a‥嵌合溝、72b‥摺動突起、73,573‥連結部材
73a,573a‥接合部、73b,573b‥U字状部
111,211,411‥電動モータ、113‥リール、132‥ワイヤ
133‥プーリー、211a‥ピニオン、232‥ラック
550,558‥自由端部保持部材、551‥アルミロッド、552‥アルミパイプ
553‥連結部、554‥前枠側端部、555‥支柱側端部、556‥湾曲部
557‥ロッドガイド、558a‥溝、558b‥突起、561‥傾斜辺
562‥垂直延出辺、563‥水平辺、564‥端部、565‥接線、573c‥連結部
S,S1,S2,S3a,S3b,S4,S5‥サンシェード装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直線状の上枠と、該上枠の一端側から斜め下方に延出された傾斜枠と、前記上枠と前記傾斜枠との接続部から下方に延出された支柱と、を備えたウインドウ枠に装着され、前記支柱により区画された略矩形状の第1開口部及び非矩形状の第2開口部を遮蔽するサンシェード装置であって、
前記第1開口部と前記第2開口部のそれぞれに対応して設けられた第1シート及び第2シートと、前記第1シート及び前記第2シートを巻取って収納可能なロールシェード部と、前記第1シート及び前記第2シートをそれぞれ前記ロールシェード部から引出して展張可能な第1展張機構部及び第2展張機構部と、を備え、
前記ロールシェード部は、前記上枠に沿って配設された直線部と、前記傾斜枠に沿って配設された傾斜部と、を有し、前記直線部に前記第1シートを巻取り可能に構成されると共に、前記傾斜部に第2シートを巻取り可能に構成され、
前記第1展張機構部は、前記第1シートの自由端部側を前記第1開口部の上辺側又は下辺側に向かって移動させることにより前記第1シートを展張又は収納させ、
前記第2展張機構部は、前記第1シートの自由端部側の位置に連動して作動され、前記第2シートの自由端部側を前記支柱の上端側又は下端側に向かって前記第1シートの自由端部側の位置に対応した位置まで移動させると共に、前記傾斜部から引出された前記第2シートの余剰部分を前記支柱側に巻取り可能に構成されたことを特徴とするサンシェード装置。
【請求項2】
前記第1シートの下端辺と前記第2シートの下端辺が前記第1開口部及び前記第2開口部の下部見切り線に対して略平行かつ略一直線状となった状態で移動されるように前記第1シートと前記第2シートが引出されることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項3】
前記第2シートは、前記傾斜部に沿う傾斜辺と、前記傾斜部の前記直線部側の端部における接線に対し、略垂直に延出した垂直延出辺と、前記第2開口部の下部見切り線に略平行で、前記傾斜辺及び前記垂直延出辺を繋ぐ水平辺と、に囲まれた形状を備えることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項4】
前記第2シートは、その前記支柱側の側端辺が前記傾斜部の前記直線部側の端部に位置するように位置合わせされて巻取られると共に、前記傾斜部から引出されるのに伴って引出された部位の幅が増大する形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項5】
前記第2展張機構部は、前記支柱に沿って配設された略円柱状のガイドシャフトと、該ガイドシャフトに沿って案内される移動部材と、を有し、該移動部材に前記第2シートの自由端部側の側端辺が取付けられ、
前記移動部材は、前記ガイドシャフトの外周面に形成された螺旋溝に沿って、前記第1シートの自由端部側の位置に連動して前記支柱の上端と下端との間で移動されると共に、前記螺旋溝の傾きに応じて前記ガイドシャフトの中心軸まわりに回動されることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項6】
前記移動部材は略円柱状の貫通孔が形成された筒状部材からなり、該筒状部材の内周面には前記螺旋溝に対応した形状の案内突起が形成されると共に、前記筒状部材の外周面には前記第2シートが取付けられ、
前記貫通孔に前記ガイドシャフトが挿通されると共に、前記案内突起が前記螺旋溝に嵌合され前記螺旋溝内を案内されることを特徴とする請求項5に記載のサンシェード装置。
【請求項7】
前記第1展張機構部は、前記第1開口部の側縁部に沿って配設された一対のガイドレールと、該ガイドレールに沿って案内されるスライダーと、該スライダーを前記ガイドレールに沿って移動させる第1駆動手段と、を有し、
前記支柱には、前記ガイドシャフトに沿って前記ガイドレールの一方が配設され、
前記移動部材は、前記スライダーに連動して移動されることを特徴とする請求項5に記載のサンシェード装置。
【請求項8】
前記移動部材は、前記支柱に配設された前記ガイドレールに沿って案内される前記スライダーに連結部材により回動自在に連結されたことを特徴とする請求項7に記載のサンシェード装置。
【請求項9】
前記移動部材の外面には保持部が形成され、
前記連結部材は、一端側が前記スライダーに接合されると共に、他端側に前記保持部により保持可能な被保持部が形成され、
前記移動部材は、前記被保持部が前記保持部に相対移動可能に保持されたことにより、前記連結部材に回動自在に連結されたことを特徴とする請求項8に記載のサンシェード装置。
【請求項10】
前記保持部は前記移動部材の外周面に形成された環状溝からなり、
前記被保持部は前記環状溝に外嵌可能に形成された略U字状部からなり、
前記移動部材は、前記略U字状部が前記環状溝内に摺動可能に保持されたことにより、前記連結部材に回動自在に連結されたことを特徴とする請求項9に記載のサンシェード装置。
【請求項11】
前記第2展張機構部は、前記支柱に沿って前記第2開口部の下部見切り線に対して鋭角に傾斜して配設され、下端が前記見切り線より下方に位置する略円柱状のガイドシャフトと、該ガイドシャフトに沿って案内される移動部材と、を有し、該移動部材に前記第2シートの自由端部側の側端辺が取付けられ、
前記移動部材は、前記ガイドシャフトの外周面に形成された螺旋溝に沿って、前記第1シートの自由端部側の位置に連動して前記支柱の上端と前記見切り線より下方に位置する前記下端との間で移動されると共に、前記螺旋溝の傾きに応じて前記ガイドシャフトの中心軸まわりに回動され、
前記第2シートは、前記移動部材の下降に伴い、前記ガイドシャフトに螺旋状に巻取られながら、前記第2シートの自由端部側の側端辺を前記見切り線より下方の位置まで下降させると共に、前記第2シートの下端辺を、前記見切り線に略平行のまま前記見切り線付近まで下降させることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項12】
前記第1展張機構部は、前記第1開口部の側縁部に沿って配設された一対のガイドレールと、該ガイドレールに沿って案内されるスライダーと、該スライダーを前記ガイドレールに沿って移動させる第1駆動手段と、を有し、
一対の前記スライダーを結ぶ直線は、前記第1開口部の下部見切り線に対して角度を持っており、
前記第1シートの前記自由端部側には、一対の前記スライダーに両端が連結され、少なくとも前記第1シートの展張時において、一方の前記スライダーに近い位置で曲がった長尺の自由端部保持部材が固定され、
前記第1シートの展張時には、前記自由端部保持部材の前記曲がった位置より他方の前記スライダー側の部分が、前記一方のスライダーとは異なる高さで、かつ前記見切り線と略平行となるよう保持され、前記第1シートの収納時には、前記自由端部保持部材が前記ロールシェード部の収納部に格納されることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項13】
前記第2展張機構部は、前記移動部材を前記ガイドシャフトに沿って移動させる第2駆動手段を有し、
前記第1シートの自由端部側の現在位置及び前記移動部材の現在位置を検出する検出手段と、該検出手段からの検出信号に基づいて前記第1駆動手段と前記第2駆動手段を同期して駆動制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載のサンシェード装置。
【請求項14】
前記第1展張機構部及び前記第2展張機構部は、前記ウインドウ枠と前記ウインドウ枠の車室内側に配設されるトリム部材との間に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項15】
前記ロールシェード部は、少なくとも前記傾斜部が可撓性を有することを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項16】
前記第1シート及び前記第2シートは、伸縮不能に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。
【請求項17】
車両のフロントウインドウ,リヤウインドウ又はサイドウインドウに適用されることを特徴とする請求項1に記載のサンシェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−110745(P2008−110745A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−105130(P2007−105130)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)