説明

サンドイッチ構造部材製造器、及びサンドイッチ構造部材の製造方法

【課題】型枠内で複数のサンドイッチ構造部材を製造できるサンドイッチ構造部材製造器、及びサンドイッチ構造部材の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】型枠30の中に、複数の床版12を構成する表面材14、16を対向させて配置すると共に、表面材14、16の内面14A、16Aの間にコア材19が流れ込むスペース空けて保持する。また、表面材14、16の外面14B、16Bの間に、侵入阻止処理を施して固化する前のコア材19の浸入することを阻止する。これにより、隣り合う床版12を構成する表面材14、16が一体化されず、隣り合う床版12同士を切断せずに分離できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二枚の表面材の間にコア材を挟んだサンドイッチ構造部材を製造するサンドイッチ構造部材製造器、及びサンドイッチ構造部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築部材として、コア材(心材)を金属製等の表面材で挟んで一体化したサンドイッチパネルが知られている。サンドイッチパネルは、高強度、高剛性であることから、床構造に採用されることもあり、また、軽量化の観点から、コンクリート以外にALC等の軽量モルタル系材料がコア材として考えられる。
【0003】
一般的にALCの製造工程は、先ず、網目状の補強鉄筋が組み込まれた型枠内に、セメント系の混合液を流し込む。セメント系の混合液が半硬化状態になると脱型され、ピアノ線等により切断されて複数のALCパネル製品に分割される。その後、高温・高圧のオートクレーブにより養生され、各ALCパネル製品が完全に固化される。
【0004】
しかしながら、この製造工程では、半硬化状態のALCを切断して複数のALCパネル製品に分割するため、切断時の摩擦等によりALCパネル製品の端部が歪んだり、切断面が荒れるなどして品質が低下する恐れがある。更に、サンドイッチ構造とするためには、各ALCパネル製品の表面に金属製等の表面材を接合しなければならないため、製造コストが高くなる。
【0005】
一方、特許文献1には、薄板状の金属製の型枠を使用し、この金属製型枠を脱型せずにセメント系の混合液(ALC)と一体化させる複合パネルが提案されている。しかしながら、この複合パネルは、下面に金属製型枠を一体化させたものに過ぎず、サンドイッチ構造ではない。また、複数の複合パネルを製造する場合、複合パネルごとに用意された金属製型枠に、セメント系の混合液(ALC)を打設する必要があり、大量生産には不向きである。
【特許文献1】特開昭60−10041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の事実を考慮し、型枠内で一度に複数のサンドイッチ構造部材を製造できるサンドイッチ構造部材製造器、及びサンドイッチ構造部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、二枚の表面材の内面の間にコア材を挟んだサンドイッチ構造部材を製造するサンドイッチ構造部材製造器であって、固化する前の前記コア材が流し込まれる型枠と、前記型枠の中に、複数の前記サンドイッチ構造部材を構成する表面材を対向させて保持すると共に、外面同士の間に固化する前のコア材が浸入しないように浸入阻止処理が施された前記表面材の内面同士の間に前記コア材が流れ込むスペースを空けて保持する表面材保持手段と、を有する。
【0008】
上記の構成によれば、固化する前のコア材が流し込まれる型枠の中に、表面材保持手段によって保持された複数のサンドイッチ構造部材を構成する表面材を配置する。この表面材保持手段は、複数の表面材を対向した状態で保持すると共に、サンドイッチ構造部材を構成する表面材の内面の間にコア材が流れ込むスペース空けて保持する。
【0009】
このように、表面材保持手段によって、複数のサンドイッチ構造部材を構成する表面材を保持することで、サンドイッチ構造部材を構成する表面材の内面同士の間に固化する前のコア材が流れ込む。そして、表面材の内面同士の間に流れ込んだコア材が固化すると、コア材に表面材が付着して一体化される。従って、コア材に表面材を接合する手間がなくなり、サンドイッチ構造部材の生産性が向上する。
【0010】
また、隣り合うサンドイッチ構造部材を構成する表面材の外面同士は、固化する前のコア材が浸入しないよう浸入阻止処理が施されている。そのため、例えば、表面材の外面同士を密着させて保持したり、表面材の外面同士の間の隙間を埋めたり、又は表面材の外面同士を粘着力の弱い接着剤等で接着したりすることで、表面材の外面同士の間に、固化する前のコア材の浸入を防ぐことができる。このように、表面材の外面同士の間に、固化する前のコア材の浸入を阻止することで、隣り合うサンドイッチ構造部材同士が一体化されず、サンドイッチ構造部材同士を分離できる。よって、一つ型枠内で、一度に複数のサンドイッチ構造部材を製造することができ、生産性が向上する。
【0011】
請求項2に記載の発明は、表面材保持手段が、前記表面材の外面が密着される板部材を有する。
【0012】
上記の構成によれば、サンドイッチ構造部材を構成する表面材の外面を板部材に密着させて保持する。このように、表面材を板部材に密着させて保持することで、表面材の折れや歪みを防止できる。
【0013】
また、板部材に表面材の外面の全面又は周縁を密着させることで、表面材の外面同士の間に固化する前のコア材が侵入しない。従って、隣り合うサンドイッチ構造部材同士がコア材によって一体化されることを防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記表面材の外面が接触する前記板部材の接触面が、湾曲している。
【0015】
上記の構成によれば、表面材の外面が接触する板部材の接触面が湾曲している。接触面が湾曲した板部材に表面材の外面を密着させることで、表面材が湾曲した状態で保持される。そのため、表面材が湾曲したサンドイッチ構造部材を製造することができる。このように、表面材を湾曲させることで、サンドイッチ構造部材の曲げ剛性を高めることができる。例えば、サンドイッチ構造部材を床パネル(床版)として使用する場合、サンドイッチ構造部材を構成する上下の表面材のうち、下側の表面材を外側に張り出すように湾曲させる。この構成により、表面材を湾曲させない場合と比較して、上下の表面材間の間隔が広くなり、サンドイッチ構造部材の断面2次モーメントが大きくなる。従って、サンドイッチ構造部材の曲げ剛性を高めることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、二枚の表面材の内面の間にコア材を挟んだサンドイッチ構造部材を製造するサンドイッチ構造部材の製造方法であって、前記表面材の内面の間に固化する前のコア材が流れ込むスペースを空けると共に前記表面材の外面の間に固化する前の前記コア材を浸入させないように浸入阻止処理を施して、複数の前記サンドイッチ構造部材を構成する表面材を対向させる表面材保持工程と、前記サンドイッチ構造部材を構成する表面材を、固化する前のコア材が流し込まれる型枠の中へ配置する表面材配置工程と、 前記型枠に流し込まれた前記コア材が固化した後に前記型枠を解体して、前記サンドイッチ構造部材を個々に取り出すサンドイッチ構造部材取出工程と、を有する。
【0017】
上記の構成によれば、表面材保持工程において、表面材の内面の間に固化する前のコア材が流れ込むスペースを空けると共に表面材の外面の間に固化する前のコア材を浸入させないように侵入阻止処理を施して、複数のサンドイッチ構造部材を構成する表面材を対向させて保持する。次に、表面材配置工程において、サンドイッチ構造部材を構成する表面材を、固化する前のコア材が流し込まれる型枠の中へ配置する。最後に、サンドイッチ構造部材取出工程において、型枠内に流し込まれたコア材が固化した後に、型枠を解体してサンドイッチ構造部材を個々に取り出す。
【0018】
このように、サンドイッチ構造部材を構成する表面材の内面同士の間に、固化する前のコア材が流れ込むスペースを空けて表面材を対向させて保持する。表面材の内面同士の間に流れ込んだコア材が固化すると、表面材の内面にコア材が付着して一体化される。従って、コア材に表面材を接合する手間がなくなるため、サンドイッチ構造部材の生産性が向上する。
【0019】
また、隣り合うサンドイッチ構造部材を構成する表面材の外面同士の間に固化する前のコア材を浸入させないように浸入阻止処理を施す。例えば、表面材の外面同士を密着させて保持したり、表面材の外面同士の間の隙間を埋めたり、又は表面材の外面同士を粘着力の弱い接着剤等で接着したりすることで、表面材の外面同士の間に、固化する前のコア材の浸入を阻止する。このように、表面材の外面同士の間に、固化する前のコア材の浸入を阻止することで、隣り合うサンドイッチ構造部材同士が一体化されず、サンドイッチ構造部材同士を分離できる。よって、一つ型枠内で、一度に複数のサンドイッチ構造部材を製造することができ、生産性が向上する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記の構成としたので、型枠内で一度に複数のサンドイッチ構造部材を製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器、及び製造方法について説明する。なお、サンドイッチ構造部材としての床版12を製造する場合を例にとって説明するが、本発明は、壁パネルや屋根パネル等の各種のサントイッチ構造部材に適応可能である。
【0022】
先ず、第1の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器10について説明する。
【0023】
サンドイッチ構造部材製造器10は、図1(A)に示す床版12を一つの型枠内で複数製造する。床版12は、上下に配置された2枚の表面材14、16と、この表面材14、16の内面14A、16Aの間に挟まれたコア部18と、から構成されている。表面材14、16は、コア部18の表面を被膜する金属製シートであり、その肉厚は1〜2mmとされている。コア部18は、セメントペーストに発泡剤を加えた軽量気泡コンクリート(ALC)からなるコア材19を、表面材14、16の内面14A、16Aの間に流し込み、オートクレーブ養生を行って固化させたものである。
この床版12は、図1(B)に示すように、対向して配置された2つのH型鋼の梁20の上に架設され、建物の床構造を構成する床部材(床パネル)として使用される。
【0024】
次に、サンドイッチ構造部材製造器10の構成について説明する。
【0025】
サンドイッチ構造部材製造器10は、固化する前のコア材19が流し込まれる型枠30と、この型枠30内に表面材14、16を配置する表面材保持手段と、を備えている。
【0026】
図2に示すように、表面材保持手段は、略平行に配置された一対のフレーム体24と、このフレーム体24に架け渡される固定アーム26と、この固定アーム26の下方に配置される固定台28と、を備えている。
【0027】
フレーム体24は鋼製の角柱であり、型枠30(図5(A)参照)の上方に配置され、型枠30の外側で図示せぬ支持手段に固定される。また、フレーム体24の上面には、フレーム体24の長手方向に沿って所定の間隔で、複数のボルト孔34が形成されている。
【0028】
一対のフレーム体24の間には、固定アーム26が架け渡されている。この固定アーム26は、鋼製の角柱であり、両端部の下面にフレーム体24とスライド可能(矢印P)に係合する係止溝32が設けられている。この係止溝32の上方であって固定アーム26の上面には、固定アーム26を貫通するボルト孔(不図示)が設けられ、このボルト孔に固定ネジ36がねじ込まれている。この固定ネジ36を、フレーム体24の上面に形成されたボルト孔34にねじ込むことで、固定アーム26がフレーム体24に固定される。
【0029】
また、固定アーム26は、この固定アーム26の下面に突設された板状の保持部材38を備えている。この保持部材38は、固定アーム26の長手方向に沿って設けられている。保持部材38の下面には、薄い板状の上保持板40(板部材)が突設されている。この上保持板40の肉厚は、保持部材38の肉厚よりも薄く、これにより保持部材38と上保持板40と境界に段差が付けられている。この上保持板40の両面は、隣り合う床版12を構成する表面材14、16の外面14B、16Bが、上記の段差に沿って貼り付けられる接着面40A、40Bとされている。
【0030】
固定アーム26の下方に配置された固定台28は、鋼製の箱型に形成された土台部42を備えている。土台部42には、上面の縁に沿って板状の保持部材44が突設されている。この保持部材44は保持部材38と同一の構成とされており、保持部材44の上面には、薄い板状の下保持板46(板部材)が突設されている。この下保持板46の肉厚は、保持部材44の肉厚よりも薄く、これにより保持部材44と下保持板46との境界に段差が付けられている。この下保持板46の両面は、隣接する床版12を構成する表面材14、16の外面14B、16Bが、上記の段差に沿って貼り付けられる接着面46A、46Bとされている。
【0031】
これらの固定アーム26と固定台28とは、上保持板40の接着面40Aと下保持板46の接着面46A、及び上保持板40の接着面40Bと下保持板46の接着面46Bとが同一面上に位置するように配置される。これにより、接着面40A、46A及び接着面40B、46Bに表面材14、16の外面14B、16Bを貼り付けたときに、表面材14、16が歪まない。
【0032】
なお、フレーム体24に形成されたボルト孔34の間隔f、及び固定台28の奥行きgは、図5(A)に示すように、固定アーム26及び固定台28を複数並べたときに、表面材14、16が略垂直になるように設定される。また、この間隔f及び奥行きgを変えることで、床版12の板厚が調整される。
【0033】
型枠30は、図5(A)又は図5(B)に示すように、鋼製の箱型に形成され、左右の側板30A、30Bと、この側板30A、30Bと直交して立設される側板30C、30Dと、から構成される。型枠30は、固定アーム26及び固定台28に保持された表面材14、16の四周を囲むように建て込まれる。
【0034】
側板30Aは、固定台28の左側に配置される。側板30Aと土台部42との間には、土台部42と同じ形状のスペーサ50が土台部42に密着して配置され、側板30Aはスペーサ50の端部に沿って立設される。また、側板30Aの内面は、表面材14の外面14Bが粘着力の弱い両面テープ等で貼り付けられる接着面とされている。
【0035】
側板30Bは、固定台28の右側に配置され、土台部42の端部に沿って立設される。また、側板30Bの内面は、表面材16の外面16Bが粘着力の弱い両面テープ等で貼り付けられる接着面とされている。
【0036】
図6(A)に示すように、側板30C及び側板30Dの上部には、固化する前のコア材19を排出する排出孔52が形成されている。この排出孔52にはゴム栓54が挿入され、コア材19が漏れ出さないように密閉されている。また、図示を省略するが、側板30Cの両端面(側板30A、30Bとの接触面:図5(B)参照)には、蟻形の係合突起が突設され、側板30A、30Bの内面には、側板30Cの幅方向に延びる蟻溝が形成されている。側板30Cは、係合突起を側板30A、30Bの蟻溝に係合させることで、図6(B)に示すように、表面材14、16側へスライド可能(矢印D)とされている。側板30Dは、側板30Cと同様の構成とされており、表面材14、16側へスライド可能(矢印E)とされている。
【0037】
また、各側板30A〜30Dの内面、土台部42の上面、及びスペーサ50の上面には、コンクリート用の剥離剤が塗布されており、型枠30を解体するときに、半固化状態のコア材19が剥がれ易くなっている。
【0038】
次に、サンドイッチ構造部材製造器10により複数の床版12の製造する製造方法について説明する。
【0039】
先ず、図2に示すように、フレーム体24に固定アーム26を架け渡すと共に係止溝32にフレーム体24を嵌め合わせ、固定ネジ36をボルト孔34にねじ込んで固定アーム26をフレーム体24に固定する。また、固定アーム26の下方に固定台28を設置して、上保持板40の接着面40Aと下保持板46の接着面46Aとを同一面上に配置すると共に、上保持板40の接着面40Bと下保持板46の接着面46Bとを同一面上に配置する。
【0040】
次に、接着面40B及び接着面46Bに、表面材16の短辺側の端部の外面16Bをそれぞれ貼り付ける(図2は、接着面40B、46Bに表面材16の外面16Bを貼り付けた状態を示す)。また、接着面40A及び接着面46Aに表面材14の短辺側の端部の外面14Bを貼り付け、隣り合う床版12を構成する表面材14、16を背合わせの状態で対向させる(表面材保持工程)。これらの表面材14、16の外面14B、16Bは、粘着力の弱い両面テープや粘着性の小さい接着剤により、上保持板40及び下保持板46に密着して貼り付けられる。これにより、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとの間に侵入阻止処理が施され、固化する前のコア材19の浸入が阻止される。
【0041】
上保持板40及び下保持板46に表面材14、16の外面14B、16Bを貼り付けると、対向する表面材14、16の間に、上保持板40及び下保持板46の肉厚分に相当する隙間が生じる。この隙間から固化する前のコア材19の浸入を阻止するため、対向する表面材14、16の長辺側の端部の縁に、粘着力の弱いテープやマスキングテープ等を貼付して浸入阻止処理を施す。この際、図3に示すように、上保持板40と下保持板46との間に、上保持板40及び下保持板46と同じ肉厚の2つの板材48を表面材16の長辺側の端部に沿って配置し、この板材48に表面材14の外面14Bを貼り付けても良い。これにより、上保持板40、下保持板46、及び2つの板材48に表面材14、16の周縁が隙間なく密着される。
【0042】
次に、図4(A)に示すように、表面材14、16が貼り付けられた1組の固定アーム26及び固定台28(図2参照)を2組用意する。なお、説明の便宜上、図において左側に位置する固定アーム26、固定台28を、固定アーム26A、固定台28Aとし、右側に位置する固定アーム26、固定台28を、固定アーム26B、固定台28Bとする。
【0043】
図4(A)に示すように、右側に配置された一組の固定アーム26B及び固定台28Bを矢印A方向に移動させ、図4(B)に示すように、固定アーム26A及び固定台28Aに保持された表面材14に、固定アーム26B及び固定台28Bに保持された表面材16を対向させる。これにより、固定アーム26A及び固定台28Aに保持された表面材14の内面14Aと、固定アーム26B及び固定台28Bに保持された表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込むスペースLが確保される。このスペースLに流れ込んだコア材19が固化すると、床版12のコア部18(図1参照)が形成される。
なお、隣接する固定台28Aと固定台28Bとを隙間なく密着させ、隣接する固定台28Aと固定台28Bとの隙間から、後述する固化する前のコア材19が漏れ出さないように、固定台28Aと固定台28Bとの隙間をシール材等で密閉する。
【0044】
次に、図4(B)に示すように、表面材14、16が貼り付けられた1組の固定アーム26C及び固定台28Cを用意し、矢印B方向に移動させて、固定アーム26B及び固定台28Bに保持された表面材14に、固定アーム26C及び固定台28Cに保持された表面材16を対向させる。これにより、固定アーム26B及び固定台28Bに保持された表面材14の内面14Aと、固定アーム26C及び固定台28Cに保持された表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込むスペースが確保される。このように、図4(A)、(B)の作業を繰り返すことで、床版12を構成する複数の表面材14、16を対向させる。
【0045】
次に、表面材保持手段に保持された複数の表面材14、16を型枠30の中へ配置する(表面材配置工程)。具体的には、図5(A)又は図5(B)に示すように、固定アーム26及び固定台28に保持された表面材14、16の四周を囲むように、側板30A〜30Dを建て込む。
【0046】
図5(A)に示すように、側板30Aの内面及び側板30Bの内面には、予め表面材14の外面14B、表面材16の外面16Bを粘着力の弱い両面テープ等で予め貼り付けておく。この側板30Aをスペーサ50の端部に沿って立設し、側板30Aの内面に貼り付けられた表面材14と固定アーム26及び固定台28で保持された表面材16とを対向させ、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に、固化する前のコア材19が流れ込むスペースを確保する。
【0047】
また、側板30Bを右側に配置された土台部42の端部に沿って立設し、側板30Bの内面に貼り付けられた表面材16と固定アーム26及び固定台28で保持された表面材14とを対向させ、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に、固化する前のコア材19が流れ込むスペースを確保する。更に、側板30C、30Dを、図6(A)に示すように、土台部42の上に立設する。
【0048】
次に、型枠30の中へ固化する前のコア材19を流し込む。コア材19は、型枠30の上方から流し込み、図5(A)に示すように、型枠30の底から充填高さHまで徐々に充填される。この際、図5(B)に示すように、対向する表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間へコア材19が流れ込む(矢印C)。
【0049】
ここで、各表面材14、16の内面14A、16Aにコア材19が流れ込むと、表面材14、16に側圧が作用する。しかし、コア材19を型枠30の底から徐々に流し込むため、背合わせの状態で保持された表面材14、16の内面14A、16Aに作用する側圧が打ち消し合う。従って、表面材14、16の歪みが防止される。
なお、背合わせの状態で保持された表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとの間には、侵入阻止処理が施されているため、固化する前のコア材19が浸入しない。
【0050】
コア材19を充填高さHまで充填した後、図6(A)、図6(B)に示すように、排出孔52からゴム栓54を抜き出す。そして、側板30C、30Dを表面材16側へスライドさせながら、排出孔52から余分なコア材19を排出する。これらの側板30C、30Dは、保持部材38、44の側面に当接するまでスライドし、床版12(図1参照)の側面を区画する。このように、側板30C、30Dをスライドさせて型枠30内の充填されたコア材19に圧力をかけることで、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に隙間なくコア材19が充填される。なお、余分なコア材19の排出は、コア材19が固化する前に行なわれる。
【0051】
なお、本実施形態では、側板30C及び側板30Dをスライドさせたが、側板30C又は側板30Dの一方をスライドさせても良い。例えば、側板30Cを保持部材38、44に当接させて立設し、固化する前のコア材19を型枠30内に流し込んだ後に、側板30Dをスライドさせて、余分なコア材19を排出しても良い。
【0052】
次に、コア材19が半硬化状態となった後に型枠30を解体し、複数の床版12を個々に取り出す(サンドイッチ構造部材取出工程)。型枠30を解体した状態を図7に示す。隣接する表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間には、半硬化状態となったコア材19が充填され、表面材14、16がコア材19と一体化されている。この状態で、図7(B)に示すように、上保持板40及び下保持板46から、それぞれ表面材14、16の外面14B、16Bを剥がし、隣り合った床版12を分離する。そして、各床版12の長手方向の両端部において、表面材14、16から突出した半硬化状態のコア材19の断片19Aを切断して床版12を成形する。その後、分離した複数の床版12を、オートクレーブにより養生し、コア材19を完全に固化させてコア部18を形成する。
なお、半固化状態とは、表面材14、16が自立する程度に固化した状態をいう。
【0053】
次に、第1の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器10の作用及び効果について説明する。
【0054】
固定アーム26及び固定台28により、複数の床版12を構成する表面材14、16を対向させると共に、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込むスペースを空けて保持し、型枠30内に配置する。これにより、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に、固化する前のコア材19が流れ込む。そして、コア材19が固化するとコア部18が形成され、コア部18の表面に表面材14の内面14A及び表面材16の内面16Aが付着してコア部18と一体化される。そのため、コア部18に表面材14、16を接合する手間がなくなり、サンドイッチ構造部材の生産性が向上する。
【0055】
また、対向する表面材14、16の長辺側の端部の縁に、粘着力の弱いテープやマスキングテープ等を貼付するなどの浸入阻止処理を施すことで、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとの間に、固化する前のコア材19の浸入を阻止する。そのため、隣り合う床版12を構成する表面材14と表面材16とがコア材19により一体化されず、上保持板40、下保持板46から表面材14、16を剥がすことで、隣り合う床版12を個々に分離することができる。よって、一つの型枠30内で、一度に複数の床版12を生産することができ、生産性が向上する。
【0056】
また、本実施形態では、表面材14、16として肉厚(1〜2mm)の薄い金属シート、即ち面外剛性が小さい薄板で床版12を構成するが、型枠30内の底から徐々に固化する前のコア材19を充填することで、表面材14、16に作用する側圧が打ち消し合うため、表面材14、16の歪み等が防止される。
【0057】
更に、不純物等が溜まり易いコア材19の断片19A(図7(B)参照)を切断することで、床版12の品質を向上させることができる。従って、保持部材44を設けると共に固化する前のコア材19を充填高さH(図)まで充填することで、断片19Aを形成する領域を確保することが好ましい。しかしながら、本実施形態はこれに限らず、例えば、保持部材44を設けずに土台部42の上面に下保持板46を立設し、土台部42に表面材14、16の下端部を当接させても良く、また、表面材14、16の上端部まで固化する前のコア材19が充填されるように、排出孔52を側板30C、30Dに形成しても良い。
【0058】
なお、本実施形態では、上保持板40及び下保持板46により、表面材14、16を保持したが、図8に示すように、把持具56により、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとを密着させて保持しても良い。把持具56は、固定アーム26(図2参照)に取り付けられ、下面が開口された断面C型の長手材である本体58と、先端に板状の押え板60が設けられた蝶ネジ62と、を備えている。押え板60は、本体58の側壁58Bに対向して配置され、本体58の側壁58Aに形成されたネジ孔64にねじ込まれた蝶ネジ62を回すことで、本体58の側壁58Bに対して接離自在とされている。
【0059】
押え板60と側壁58Bとの間で表面材14、16の端部を把持することで、表面材14、16を外面14B、16Bを密着させた状態で保持することができる。そのため、外面14Bと外面16Bとの間に、固化する前のコア材19の浸入を阻止できる。この際、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとを粘着力の弱い両面テープ等で密着させる侵入阻止処理を施すことが望ましい。
なお、把持具56によって把持された表面材14、16の上部については、コア材19が固化した後に切断等する。
【0060】
次に、第2の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器70について説明する。サンドイッチ構造部材製造器70では、第1の実施形態と同様に、図1(A)に示す床版12を一つの型枠内で複数製造する。なお、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0061】
図9に示すように、サンドイッチ構造部材製造器70は、固化する前のコア材19が流し込まれる型枠76と、この型枠76に配置される板状の保持板74と、仕切板84と、固定具88と、を備えている。
【0062】
型枠76は鋼製の箱型に形成され、左右の側板76A、76Bと、この側板76A、76Bと直交して立設される側板76C、76Dと、底壁となる底板76Eと、から構成される。これらの側板76A〜76D、及び底板76Eは、図示せぬボルト等によって相互に接合され、型枠76内に流し込まれるコア材19が漏れないようにシール材等で密閉される。
【0063】
側板76C、76Dの内面には、保持板74(板部材)の長手方向の端部が挿入される側溝78が所定の間隔で形成されている。また、側板76C、76Dの下部には、型枠76内に流し込まれたコア材19を排出する排出孔92が形成され、この排出孔92には蝶ネジ94がねじ込まれ、コア材19が漏れ出さないように密封されている。
【0064】
保持板74は、側板76C、76Dの側溝78に挿入されて型枠76内に固定される。このように型枠76内に保持板74を配置すると、保持板74によって型枠76内が複数の領域に仕切られる。しかし、保持板74の長手方向の両端部には、図10(B)に示すように、複数の貫通孔82が上下方向に形成され、この貫通孔82を通して、固化する前のコア材19が各領域に充填される。なお、床版12(図1参照)の板厚は、側溝78の間隔と、保持板74の肉厚を適宜変更することで調整される。また、第2の実施形態においる表面材保持手段は、保持板74と、側板76C、76Dの内面に形成された側溝78とから構成される。
【0065】
保持板74の両面は、図11に示すように、表面材14、16の外面14B、16Bがそれぞれ貼り付けられる接着面74A、74Bとされている。隣り合う保持板74は、固定具88によって固定される。この固定具88は、板状の本体96の下面に突設された2つの固定板96Aと、この固定板96Aよりも外側に突設された2つの側板96Bとを備えている。側板96Bにはボルト孔(不図示)が形成され、このボルト孔には、先端にリング状の押圧部100Aを備える蝶ネジ100がねじ込まれている。この蝶ネジ100を回すことで、本体96の固定板96Aに対して押圧部100Aが接離自在とされている。そして、固定板96Aと押圧部100Aとの間で保持板74を挟み込むことで、隣り合う保持板74が固定される。
【0066】
保持板74には、図10(A)又は図10(B)に示すように、接着面74A、74Bの短辺側の縁に沿って溝部86が形成されている。なお、図10(B)における斜線部は、接着面74Bを示している。
この溝部86には、図12に示すように、仕切板84が挿入される。この仕切板84を溝部86に挿入することで、保持板74に保持された表面材14、16の端部に沿って仕切板84が配置され、床版12(図1参照)の側面が区画される。
【0067】
次に、サンドイッチ構造部材製造器70により複数の床版12の製造する製造方法について説明する。
【0068】
先ず、保持板74の接着面74A、74Bに、それぞれ表面材14の外面14B、表面材16の外面16Bを粘着力の弱い両面テープ等で貼り付けて、隣り合う床版12を構成する表面材14、16を背合わせの状態で保持する(表面材保持工程)。これにより、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとの間に侵入阻止処理が施され、固化する前のコア材19の浸入が阻止される。また、表面材14、16の全面を保持板74に密着させるため、表面材14、16の歪み等が防止される。
なお、図10(A)に示すように、側板76A側に配置される保持板74には、表面材14のみを貼り付ける。
【0069】
次に、図9に示すように、この保持板74を側板76C、76Dの側溝78に挿入し、型枠76内に複数配置する(表面材配置工程)。これにより、図11に示すように、表面材14と表面材16とが対向して配置され、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に、固化する前のコア材19が流れ込むスペースが確保される。また、隣り合う保持板74を、固定具88で固定する。
【0070】
次に、型枠76内に固化する前のコア材19を流し込む。コア材19は、型枠76の底から徐々に充填され、表面材14、16の長辺側の端部の縁まで充填される。この際、固化する前のコア材19は、保持板74の両端部に形成された貫通孔82を通過して、型枠76の隅々まで充填される。
【0071】
コア材19を型枠76に充填した後に、図12に示すように、保持板74の溝部86に仕切板84を挿入し、表面材14、16の長手方向の端部に沿って仕切板84を配置する。この仕切板84により、床版12(図1参照)が区画される。なお、仕切板84の表面には、剥離剤を塗布しておく。
【0072】
仕切板84を配置した後に、側板76C、76Dの排出孔92から蝶ネジ94を外して、側板76Cと仕切板84との間、及び側板76Dと仕切板84との間に充填された余分なコア材19を排出する。これにより、側板76C、76Dと仕切板84とがコア材19によって一体化されず、型枠76を解体し易くなる。なお、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に充填されたコア材19は、仕切板84によって仕切られているため排出されない。
【0073】
次に、コア材19が半硬化状態となった後に型枠76を解体し、複数の床版12を個々に取り出す(サンドイッチ構造部材取出工程)。隣接する表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間には、半硬化状態となったコア材19が充填され、表面材14、16がコア材19と一体化される。この状態で、保持板74から表面材14、16の外面14B、16Bを剥がし、隣り合った床版12を分離する。その後、分離した複数の床版12を、オートクレーブにより養生し、コア材19を完全に固化させてコア部18を形成する。
【0074】
次に、第2の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器70の作用及び効果について説明する。
【0075】
表面材14、16の外面14B、16Bが接着面74A、74Bに貼り付けられた複数の保持板74を型枠76内に配置する。この際、側板76C、76Dの側溝78に保持板74を挿入するだけで、複数の表面材14、16を対向させると共に、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込むスペースを確保することができる。
【0076】
また、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に流れ込んだコア材19を固化させるとコア部18が形成され、コア部18の表面に表面材14の内面14A及び表面材16の内面16Aが付着して一体化される。そのため、コア部18に表面材14、16を接合する手間がなくなり、生産性が向上する。更に、本実施形態では、仕切板84により、隣接する保持板74の間を仕切って床版12を区画するため、床版12の端部を切断する等の手間を省くことができる。
【0077】
また、隣り合う床版12の表面材14、16は、保持板74により外面14B、16Bが対向するように背合わせの状態で保持される。具体的には、保持板74の接着面74Aに表面材14の外面14Bを両面テープ等で貼り付けると共に、保持板74の接着面74Bに表面材16の外面16Bを両面テープ等で貼り付ける。これにより、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとの間に侵入阻止処理が施され、固化する前のコア材19が浸入しない。そのため、隣り合う床版12の表面材14と表面材16とがコア材19により一体化されず、保持板74から表面材14、16を剥がすことで、隣り合う床版12を個々に分離することができる。
【0078】
更に、表面材14、16は、その外面14B、16Bを保持板74に密着させた状態で保持される。このように、表面材14、16の全面又は周縁を保持板74に密着させて保持することで、表面材14、16の折れや歪みが防止され、床版12の品質が向上する。
【0079】
なお、本実施形態では、隣接する保持板74の間を、2つの仕切板84で仕切って床版12を区画したがこれに限らない。表面材14、16を側板76C又は側板76Dの一方に寄せて配置し、一つの仕切板84で床版12を区画しても良い。また、固定具88は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜配置すれば良い。
【0080】
次に、第3の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器110について説明する。サンドイッチ構造部材製造器110では、第1、第2の実施形態と同様に、図1(A)に示す床版12を一つの型枠内で複数製造する。なお、第1、第2の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0081】
図13(A)に示すように、サンドイッチ構造部材製造器110は、固化する前のコア材19が流し込まれる型枠112と、この型枠112に配置される板状の保持板114と、この保持板114を把持する固定アーム116と、を備えている。
【0082】
型枠112は、図14(A)に示すように、鋼製の箱型に形成され、左右の側板112A、112Bと、この側板112A、112Bと直交して立設される側板112C、112Dと、底壁となる底板112Eと、から構成される。これらの側板112A〜112D、及び底板112Eは、図示せぬボルト等によって相互に接合され、型枠112内に流し込まれるコア材19が漏れないようにシール材等で密閉されている。また、底板112Eの上面には、図13(A)に示すように、保持板114(板部材)の下端部が挿入される底溝118が所定の間隔で形成されている。
【0083】
固定アーム116は、複数の保持板114を対向した状態で固定する。この固定アーム116は、板状の本体120を備えている。本体120の下面には、一対の固定板120A、120Bが所定の間隔で突設されている。固定板120Bには、ボルト孔(不図示)が形成され、このボルト孔には、先端にリング状の押圧部122Aを備える蝶ネジ122がねじ込まれている。この蝶ネジ122を回すことで、固定板120Aに対して押圧部122Aが接離自在とされている。そして、固定板120Aと押圧部122Aとの間で保持板114の上端部を挟み込むことで保持板114を固定する。
【0084】
保持板114の両面は、図13(A)に示すように、表面材14、16の外面14B、16Bがそれぞれ接着される接着面114A、114Bとされている。また、保持板114は、図14(A)に示すように、型枠112の側板112A、112Bとほぼ同じ形状に形成されており、型枠112内に配置したときに、保持板114の長手方向の端部が側板112C、112Dの内面に当接する。
なお、本実施形態における表面材保持手段は、固定アーム116と、保持板114と、型枠112の底板112Eの上面に形成された底溝118と、から構成される。
【0085】
次に、サンドイッチ構造部材製造器110により複数の床版12の製造する製造方法について説明する。
【0086】
先ず、図13(A)に示すように、保持板114の接着面114A、114Bに、それぞれ表面材14の外面14B、表面材16の外面16Bを粘着力の弱い両面テープ等で貼り付け、隣り合う床版12を構成する表面材14、16を背合わせの状態で保持する(表面材保持工程)。これにより、表面材14の外面14Bと表面材16の外面16Bとの間に侵入阻止処理が施され、固化する前のコア材19の浸入が阻止される。また、表面材14、16の全面を保持板114に密着させるため、表面材14、16の歪み等が防止される。なお、図13(A)に示すように、側板112A側に配置される保持板114には、表面材14のみを貼り付け、側板112B側に配置される保持板114には、表面材16のみを貼り付ける。
【0087】
この保持板114を複数用意し、固定アーム116に対向した状態で固定する(表面材保持工程)。これにより、床版12を構成する表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に、固化する前のコア材19が流れ込むスペースが確保される。
【0088】
次に、型枠112には、固化する前のコア材19を流し込む。
【0089】
次に、図13(A)に示すように、複数の保持板114が固定された固定アーム116を、図示せぬクレーン等で吊り上げ、型枠112の上方から降ろして型枠112内へ落とし込み、保持板114の下端部を底板112Eの底溝118に挿入する(表面材配置工程)。この際、保持板114の下方から表面材14、16の内面14A、16Aの間に固化する前のコア材19が徐々に流れ込む。また、保持板114を型枠112内に配置すると、図14(A)に示すように、型枠112が複数の領域に仕切られ、床版12(図1参照)が区画される。
【0090】
コア材19が半硬化状態となった後、図14(B)に示すように、各側板112A〜112Dを相互に接合するボルト(不図示)等を外して型枠112の外側へ倒し、型枠112を解体する。また、固定アーム116による保持板114の固定を解除する。なお、図14(B)では、側板112C、112Dの図示を省略している。
【0091】
隣接する表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間には、半硬化状態となったコア材19が充填され、表面材14、16がコア材19と一体化されている。この状態で、保持板114から表面材14、16の外面14B、16Bを剥がし、隣り合った床版12を個々に分離する(サンドイッチ構造部材取出工程)。その後、分離した複数の床版12を、オートクレーブにより養生し、コア材19を完全に固化させてコア部18を形成する。
【0092】
次に、第3の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器110の作用及び効果について説明する。
【0093】
表面材14、16の外面14B、16Bが接着面114A、114Bに貼り付けられた複数の保持板114を対向させた状態で、固定アーム116により固定する。これにより、複数の床版12を構成する表面材14、16を対向させると共に、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に、固化する前のコア材19が流れ込むスペースを確保することができる。
【0094】
また、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に流れ込んだコア材19が固化すると、コア部18が形成され、コア部18の表面に表面材14の内面14A及び表面材16の内面16Aが付着して一体化される。そのため、コア部18に表面材14、16を接合する手間がなくなり、生産性が向上する。更に、本実施形態では、型枠112の側板112C、112Dにより床版12を区画するため、床版12の端部を切断する必要がない。
【0095】
また、隣り合う床版12の表面材14、16は、保持板114により外面14B、16Bが対向するように背合わせの状態で保持される。従って、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0096】
更に、保持板114を型枠112の上方から型枠112内に配置することで、表面材14、16の内面14A、16Aの間に下から徐々にコア材19が流れ込み、表面材14、16に作用する側圧が打ち消し合う。そのため、保持板114の板厚を薄くして面外剛性を小さくしても、表面材14、16の歪み等を防止することができる。
【0097】
次に、第4の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器130について説明する。なお、第1〜3の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0098】
サンドイッチ構造部材製造器130では、図15(A)に示す床版132を一つの型枠内で複数製造する。床版132は、図1に示す床版12に替えて、表面材16が外側(下方)に張り出すように湾曲している。このように、表面材16を湾曲させることで、表面材14、16の間隔が広くなる。そのため、断面2次モーメントが大きくなり、また、床版132の表面材16の引張り抵抗系となるため、床版132の面外曲げ剛性が大きくなる。
この床版132は、対向して配置された2つのH型鋼の梁20の上に架設され、建物の床構造を構成する床部材(床パネル)として使用される。
【0099】
次に、サンドイッチ構造部材製造器130の構成について説明する。
【0100】
サンドイッチ構造部材製造器130は、図16、図17に示すように、第1の実施形態に替えて、表面材16を、接着面が湾曲した上保持板及び下保持板で保持する。なお、図16、図17では、図が煩雑となるため、フレーム体24、固定アーム26の図示を省略している。
【0101】
図16に示すように、左側に配置された上保持板40、下保持板46の接着面40A、46Aに、表面材14の外面14Bを貼り付ける。即ち、上保持板40及び下保持板46により、隣り合う床版12を構成する表面材14の外面14B同士を背合わせの状態で保持する。なお、図16は、上保持板40、下保持板46の接着面40B、46Bに表面材14の外面14Bを貼り付けた状態である。
【0102】
上保持板40及び下保持板46の右側には、保持部材138、140が配置される。この保持部材138は、固定アーム26(図2参照)の長手方向に沿って設けられている。また、保持部材138の下面には、薄い板状の上保持板142(板部材)が突設されている。この保持部材138、上保持板142は、隣接する上保持板40と反対側に向かって張り出すように湾曲している。また、上保持板142の肉厚は、保持部材138の肉厚よりも薄く、これにより、上保持板142の内側の面(上保持板40側の面)に、段差が付けられている。この上保持板142の内側の面は、表面材16の外面16Bが、上記の段差に沿って貼り付けられる接着面142Aとされている。
【0103】
保持部材140は、土台部42の上面の縁に沿って突設されている。保持部材140の上面には、板状の下保持板144(板部材)が突設されている。この保持部材140、下保持板144は、隣接する下保持板46と反対側に向かって張り出すように湾曲している。また、下保持板144の肉厚は、保持部材140の肉厚よりも薄く、これにより、下保持板144の内側の面(下保持板46側の面)に、段差が付けられている。この下保持板144の内側の面は、表面材16の外面16Bが、上記の段差に沿って貼り付けられる接着面144Aとされている。表面材16は、上下の接着面142A、144Aに沿って、湾曲した状態で保持される。なお、上保持板142と下保持板144とは、同じ曲率で湾曲している。また、表面材16の曲率は、上保持板142、下保持板144の曲率を替えることで調整される。
【0104】
保持部材138、140の右側には、図17に示すように、保持部材146、148が配置される。この保持部材146、148は、保持部材138、140と同じ構成とされ、保持部材146、148を180度回転させたものを固定アーム26(図2参照)又は土台部42に取り付けたものである。
【0105】
保持部材146、148には、それぞれ上保持板150、下保持板152が設けられている。この上保持板150(板部材)、下保持板152(板部材)の内側の面は、表面材16の外面16Bが貼り付けられる接着面150A、152Aとされている。表面材16は、上下の接着面150A、152Aに沿って、湾曲した状態で保持される。
なお、保持部材146、148の右側には、図16に示す保持部材38、44が配置され、表面材16の内面16Aと表面材14の内面14Aとが対向して保持される。
【0106】
次に、サンドイッチ構造部材製造器130により複数の床版132の製造する製造方法について説明する。なお、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0107】
図16又は図17に示すように、隣り合う床版132を構成する表面材14の外面14B同士を対向させると共に、隣り合う床版132を構成する表面材16の外面16B同士を対向させた状態で保持し(表面材保持工程)、第1の実施形態と同様の手順で型枠30内に配置する(表面材配置工程)。
【0108】
図18に、型枠30内に表面材14、16を配置した模式図を示す。なお、図が煩雑となるため、保持部材38、138、148等の表面材保持手段の図示は省略している。
【0109】
図16、図17に示す順序で、上保持板40、142、150、及び下保持板46、144、152を隣接させて型枠30内に配置すると、図18に示すように、床版132を構成する複数の表面材14、16が対向する。即ち、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込むスペースが確保され、矢印D方向から固化する前のコア材19が流れ込む。
【0110】
また、隣り合う床版132を構成する表面材14の外面14B同士が背合わせの状態で対向する。従って、第1の実施形態と同様に、隣り合う表面材14の外面14B同士を密着させることで、固化する前のコア材19の浸入を阻止することができる。
【0111】
一方、隣り合う床版132を構成する表面材16の外面16B同士の間には、H型鋼からなる支持柱154と、C型鋼からなる支持柱156、158を立設する。これらの支持柱154、156により、隣接する表面材16の外面16Bを支持することで、表面材16の歪みが防止され、更に、表面材16の湾曲形状が保持される。
【0112】
また、表面材16の長手方向の端部に立設された支持柱158は、表面材16を支持すると共に、隣接する表面材16の外面16B同士の間に固化する前のコア材19の浸入を阻止する。この支持柱158は、本体部158Aの両端部に設けられた支持部158Bを表面材16の外面16Bに密着させて配置される。表面材16の外面16Bと支持部158Bとは、粘着力の弱い両面テープ等で接着される。これにより、隣接する表面材16の外面16B同士の間に侵入阻止処理が施され、固化する前のコア材19の浸入が阻止される。従って、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0113】
更に、上保持板142、150及び下保持板144、152に表面材16の外面16Bを貼り付けるだけで、表面材16が湾曲し、曲げ剛性を高められた床版132(図15(A)参照)を製造することができる。また、製造する床版132の形状に合わせて、上保持板142、150及び下保持板144、152の曲率を変えることで、種々の形状を有する床版132を製造することができる。
【0114】
次に、第5の実施形態に係るサンドイッチ構造部材製造器160について説明する。なお、第1〜4の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0115】
サンドイッチ構造部材製造器160では、図15(B)に示す床版162を一つの型枠内で複数製造する。床版162は、図15(A)に示す床版132に替えて、床版162の長手方向の両端部に取付リブ134を設けている。取付リブ134は、C型鋼からなり、表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に配置されている。この取付リブ134と梁20とをボルト及びナットで接合することで、床版162が梁20に固定される。
【0116】
また、コア部18の内部に、補剛リブ136が設けられている。補剛リブ136は、H型鋼からなり、床版162の長手方向に沿って所定の間隔で配置されている。また、取付リブ134及び補剛リブ136には、図19(B)に示すように、所定の間隔で貫通孔166が設けられている。この貫通孔166を通して表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込む。
これらの取付リブ134、補剛リブ136を設けることで、床版162の曲げ剛性が大きくなる。また、補剛リブ136と表面材14、16とを接合することで、表面材14、16の局部座屈が防止される。
【0117】
次に、サンドイッチ構造部材製造器160の構成について説明する。
【0118】
図19(A)に示すように、サンドイッチ構造部材製造器160は、第2の実施形態に替えて、隣り合う床版162を構成する表面材16を、接着面が湾曲した保持板164(板部材)で保持する。保持板164の両面は、隣り合う表面材16の外面16Bが接着される接着面164Aとされている。この接着面164Aは、保持板164の内側へ凹むように湾曲しており、表面材16は、この接着面164Aに沿って湾曲した状態で保持される。なお、表面材16の曲率は、接着面164Aの曲率を替えることで調整される。
【0119】
一方、保持板74の両面は、隣り合う床版162を構成する表面材14の外面14Bが貼り付けられる接着面74Aとされている。
【0120】
次に、サンドイッチ構造部材製造器160により複数の床版162の製造する製造方法について説明する。なお、第2の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0121】
先ず、保持板74の接着面74Aに、表面材14の外面14Bを粘着力の弱い両面テープ等で貼り付け、隣り合う床版162を構成する表面材14を背合わせの状態で保持する。また、保持板164の接着面164Aに表面材16の外面16Bを貼り付け、隣り合う床版162を構成する表面材16を背合わせの状態で保持する(表面材保持工程)。これにより、隣り合う床版162を構成する表面材14の外面14B同士の間、及び隣り合う床版162を構成する表面材16の外面16B同士の間に浸入阻止処理が施され、固化する前のコア材19の浸入が阻止される。
【0122】
これらの保持板74、164を、型枠76の側板76C、76Dの内面に形成された側溝78に挿入して、型枠76内に配置する(表面材配置工程)。これにより、隣り合う床版162を構成する表面材14の内面14Aと表面材16の内面16Aとの間に固化する前のコア材19が流れ込むスペースが確保される。
【0123】
次に、型枠76内に固化する前のコア材19を流し込む。表面材14、16の内面14A、16Aとの間には、取付リブ134、補剛リブ136に形成された貫通孔166を通して、コア材19が充填される。従って、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
更に、本実施形態では、保持板164の接着面164Aに、表面材16の外面16Bを貼り付けるだけで、表面材16が湾曲した床版162(図15(B)参照)を製造することができる。このように、表面材16を湾曲させることで、曲げ剛性が高められた床版132を製造することができる。また、製造する床版162の形状に合わせて、保持板164の接着面164Aの曲率を替えることで、種々の形状を有する床版162を製造することができる。
【0125】
なお、上記の第4、第5の実施形態では、表面材16を外側に張り出すように湾曲させたがこれに限らず、表面材14を湾曲させても良い。例えば、第5の実施形態において、表面材14を保持板74ではなく、保持板164の接着面164Aに貼り付けて保持することで、表面材14、16が湾曲した床版を製造することができる。このように、本発明は、対向する表面材14、16の間に固化する前のコア材19を流し込んで固化させるため、保持板164の形状を変えることで、表面材14、16の形状を容易に変えることができ、目的・用途に応じた種々の床版を製造することができる。
【0126】
また、上記の全ての実施形態において、型枠内に配置される表面材14、16の向きは、表面材14、16の短辺を横にして型枠内に配置しても良いし、表面材14、16の長辺を横にして型枠内に配置しても良い。例えば、第1の実施形態では、表面材14、16の短辺側の端部を上保持板40、下保持板46で保持し、表面材14、16の短辺を横にして型枠30内に配置したが、表面材14、16の長辺側の端部を上保持板40、下保持板46で保持し、長辺を横にして型枠30内に配置しても良い。このように、表面材14、16を型枠内に配置する向きは、表面材14、16の形状、大きさ、型枠の設置スペース等に合わせて適宜変更可能である。
【0127】
また、上記の全ての実施形態において、対向する表面材14、16の間に、第5の実施形態における取付リブ134、補剛リブ136や鉄筋等を配置し、コア部18と一体化させて床版の曲げ剛性を高めても良いし、また、表面材14、16の内面14A、16Aに沿って板状のブレースを配置し、コア部18と一体化させて表面材14、16の面内剛性を高めて良い。更に、表面材14、16の内面14A、16Aにスタッド、凹凸、接着剤等を付けてコア部18との付着力を高めて、表面材14、16の座屈防止を図っても良い。更にまた、ボイドを形成するボイド管等を配置して、床版の軽量化を図ることもできる。
【0128】
また、表面材14、16及びコア部18は、サンドイッチ構造部材の使用目的に合わせて、寸法、材料等を選択すれば良く、例えば、表面材14、16を、高張力鋼、カーボン繊維・ガラス繊維補強プラスチック(FRP)などで構成しても良いし、コア部18をコンクリート、軽量コンクリート等のセメント系材料で構成しても良い。
【0129】
以上、本発明の第1〜第5の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1〜第5の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】(A)は、本発明の第1の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器に製造される床版を示す斜視図であり、(B)は、床版の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる表面材保持手段を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる表面材保持手段を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる表面材保持手段を示す説明図である。
【図5】(A)は、本発明の第1の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を模式化した図5(B)の5−5線断面図であり、(B)は平面図である。
【図6】(A)、(B)は、本発明の第1の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を模式化した図5(B)の6−6線断面図である。
【図7】(A)、(B)は、本発明の第1の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器の要部を拡大した説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態にかかる表面材保持手段の変形例を示す側面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す斜視図である。
【図10】(A)は、本発明の第2の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す平面図であり、(B)は、板部材の要部を示す正面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかる板部材の要部を示す側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す斜視図である。
【図13】(A)、(B)は、本発明の第3の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す側面図である。
【図14】(A)は、本発明の第3の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す平面図であり、(B)は、本発明の第3の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器の側面を示す説明図ある。
【図15】(A)は、本発明の第4の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器で製造される床版を示す側面図であり、(B)は、本発明の第5の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器で製造される床版を示す側面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態にかかる表面材保持手段を示す斜視図である。
【図17】本発明の第4の実施形態にかかる表面材保持手段を示す斜視図である。
【図18】本発明の第4の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す平面図である。
【図19】(A)は、本発明の第5の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器を示す平面図であり、(B)は、本発明の第5の実施形態にかかるサンドイッチ構造部材製造器で製造される床版の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0131】
10 サンドイッチ構造部材製造器
12 床版(サンドイッチ構造部材)
14 表面材
14A 内面
14B 外面
16 表面材
16A 内面
16B 外面
18 コア部(コア材)
19 コア材
24 フレーム体(表面材保持手段)
26 固定アーム(表面材保持手段)
28 固定台(表面材保持手段)
30 型枠
38 保持部材(表面材保持手段)
40 上保持板(板部材、表面材保持手段)
42 土台部(表面材保持手段)
44 保持部材(表面材保持手段)
46 下保持板(板部材、表面材保持手段)
56 把持具(表面材保持手段)
70 サンドイッチ構造部材製造器
74 保持板(板部材、表面材保持手段)
76 型枠
78 側溝(表面材保持手段)
110 サンドイッチ構造部材製造器
112 型枠
114 保持板(板部材、表面材保持手段)
116 固定アーム(表面材保持手段)
118 底溝(表面材保持手段)
130 サンドイッチ構造部材製造器
132 床版(サンドイッチ構造部材)
138 保持部材(表面材保持手段)
140 保持部材(表面材保持手段)
142 上保持板(板部材、表面材保持手段)
144 下保持板(板部材、表面材保持手段)
146 保持部材(表面材保持手段)
150 上保持板(板部材、表面材保持手段)
152 下保持板(板部材、表面材保持手段)
160 サンドイッチ構造部材製造器
162 床版(サンドイッチ構造部材)
164 保持板(板部材、表面材保持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚の表面材の内面の間にコア材を挟んだサンドイッチ構造部材を製造するサンドイッチ構造部材製造器であって、
固化する前の前記コア材が流し込まれる型枠と、
前記型枠の中に、複数の前記サンドイッチ構造部材を構成する表面材を対向させて保持すると共に、外面同士の間に固化する前のコア材が浸入しないように浸入阻止処理が施された前記表面材の内面同士の間に前記コア材が流れ込むスペースを空けて保持する表面材保持手段と、
を有するサンドイッチ構造部材製造器。
【請求項2】
表面材保持手段が、前記表面材の外面が密着される板部材を有する請求項1に記載のサンドイッチ構造部材製造器。
【請求項3】
前記表面材の外面が接触する前記板部材の接触面が、湾曲している請求項2に記載のサンドイッチ構造部材製造器。
【請求項4】
二枚の表面材の内面の間にコア材を挟んだサンドイッチ構造部材を製造するサンドイッチ構造部材の製造方法であって、
前記表面材の内面の間に固化する前のコア材が流れ込むスペースを空けると共に前記表面材の外面の間に固化する前の前記コア材を浸入させないように浸入阻止処理を施して、複数の前記サンドイッチ構造部材を構成する表面材を対向させる表面材保持工程と、
前記サンドイッチ構造部材を構成する表面材を、固化する前のコア材が流し込まれる型枠の中へ配置する表面材配置工程と、
前記型枠に流し込まれた前記コア材が固化した後に前記型枠を解体して、前記サンドイッチ構造部材を個々に取り出すサンドイッチ構造部材取出工程と、
を有するサンドイッチ構造部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−292087(P2009−292087A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149127(P2008−149127)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】