説明

サンバイザーの支持構造

【課題】サンバイザー装置を複数の機種に共通使用することができるサンバイザーの支持構造を提供する。
【解決手段】ルーフパネル9にサンバイザー支持ブラケット20が取り付けられ、サンバイザー本体10から突出するアーム11の先端部12が、サンバイザー支持ブラケット20に形成された軸受け部52に回転自在に挿通保持されて、サンバイザー本体10が、所定のウインドガラスに対向する第1位置と、所定のウインドガラスから退避した第2位置とに切り換え揺動自在に構成され、サンバイザー本体10の第1位置を越える揺動を阻止するストッパ機構50が設けられ、アーム11の先端部12にストッパ機構50の被ストッパ部13が形成され、ストッパ機構50のストッパ部51は、サンバイザー支持ブラケット20に取り付けられたストッパ部材30に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ルーフパネルにサンバイザー支持ブラケットが取り付けられ、
サンバイザー本体から突出するアームの先端部が、前記サンバイザー支持ブラケットに形成された軸受け部に回転自在に挿通保持されて、前記サンバイザー本体が、所定のウインドガラスに対向する第1位置と、前記所定のウインドガラスから退避した第2位置とに前記軸受け部の軸芯周りに切り換え揺動自在に構成されているサンバイザーの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記のサンバイザーの支持構造では、特許文献1に開示されているように、前記サンバイザー本体の前記第1位置を越える揺動を阻止するストッパ機構が設けられ、前記アームの先端部に前記ストッパ機構の被ストッパ部が形成され、被ストッパ部に対するストッパ機構のストッパ部は、サンバイザー支持ブラケット(特許文献1では「カバー要素C」と称されている)に一体に形成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−531370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の機種が異なると車室内の形状やサンバイザー本体の揺動範囲も異なることから、上記従来の技術のように、ストッパ機構のストッパ部がサンバイザー支持ブラケットに一体に形成された構造では、車室内の形状の違いやサンバイザー本体の揺動範囲の違いに対応することができず、サンバイザー装置(サンバイザーとサンバイザー支持ブラケット)を異なる機種に共通使用することができなかった。
本発明の目的は、サンバイザー装置を複数の機種に共通使用することができるサンバイザーの支持構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
ルーフパネルにサンバイザー支持ブラケットが取り付けられ、
サンバイザー本体から突出するアームの先端部が、前記サンバイザー支持ブラケットに形成された軸受け部に回転自在に挿通保持されて、前記サンバイザー本体が、所定のウインドガラスに対向する第1位置と、前記所定のウインドガラスから退避した第2位置とに前記軸受け部の軸芯周りに切り換え揺動自在に構成されているサンバイザーの支持構造であって、
前記サンバイザー本体の前記第1位置を越える揺動を阻止するストッパ機構が設けられ、
前記アームの先端部に前記ストッパ機構の被ストッパ部が形成され、
前記被ストッパ部に対する前記ストッパ機構のストッパ部は、前記サンバイザー支持ブラケットに取り付けられたストッパ部材に形成され、
前記ストッパ部材は前記サンバイザー支持ブラケットとは別体に形成されている点にある。(請求項1)
【0006】
前記ストッパ機構の被ストッパ部はアームの先端部に形成され、ストッパ機構のストッパ部はサンバイザー支持ブラケットに取り付けられたストッパ部材に形成され、前記ストッパ部材は前記サンバイザー支持ブラケットとは別体に形成されているから、車両の機種に対応するストッパ部を備えるストッパ部材を各機種ごとに製作することで、車室内の形状の違いやサンバイザー本体の揺動範囲の違いに対応することができ、サンバイザー装置を各機種に共通使用することができる。
また、前記ストッパ機構が不要な車両では前記ストッパ部材を設けなければよく、ストッパ機構が不要な機種と必要な機種とにサンバイザー装置を共通使用することができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記ストッパ機構は、前記サンバイザー本体の前記第1位置を越える揺動と前記第2位置を越える揺動とを阻止するよう構成され、
前記被ストッパ部は、前記アームの先端部の先端面から前記アームの先端部に対し偏芯して突出し、
前記ストッパ部材は前記アームの先端部の先端面に対向するストッパ壁を備え、
前記被ストッパ部が挿入されるストッパ孔が前記ストッパ壁に形成され、
前記ストッパ孔は、前記サンバイザー本体の揺動に伴う前記被ストッパ部の前記軸芯周りの揺動を許すように形成されるとともに、内周部に前記ストッパ部を備え、
前記ストッパ部は、前記サンバイザー本体が前記第1位置に位置した時に前記被ストッパ部を受け止めて前記被ストッパ部の揺動を阻止する第1阻止面と、前記サンバイザー本体が前記第2位置に位置した時に前記被ストッパ部を受け止めて前記被ストッパ部の揺動を阻止する第2阻止面とから成ると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
サンバイザー本体が前記第1位置に位置すると、ストッパ部材のストッパ壁に形成されたストッパ孔の内周部の第1阻止面が、アームの先端部の先端面から突出する被ストッパ部を受け止めて被ストッパ部の揺動を阻止する。これにより、サンバイザー本体の前記第1位置を越える揺動を阻止することができる。
また、サンバイザー本体が前記第2位置に位置すると、前記ストッパ孔の内周部の第2阻止面が前記被ストッパ部を受け止めて被ストッパ部の揺動を阻止する。これにより、サンバイザー本体の前記第2位置を越える揺動を阻止することができる。
このように、簡易な構造でサンバイザー本体の前記軸芯周りの揺動を規制できる。
前記被ストッパ部は、アームの先端部の先端面から前記アームの先端部に対し偏芯して突出しているから、例えば前記被ストッパ部がアームの先端部から径方向外方側に突出している構造に比べると、ストッパ機構の構造を小型化することができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記軸受け部から突出した前記アームの先端部を囲む周壁が前記サンバイザー支持ブラケットの車室外側の面に立設され、
前記ストッパ部材のストッパ壁の周部から前記サンバイザー支持ブラケットの車室外側の面側に延びて、前記サンバイザー支持ブラケットの周壁に嵌合する嵌合壁が前記ストッパ部材に設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
サンバイザー支持ブラケットの車室外側の面に立設された前記周壁にストッパ部材の嵌合壁を嵌合することでストッパ部材をサンバイザー支持ブラケットに取り付けることができ、サンバイザー支持ブラケットへのストッパ部材の取り付け作業を簡単に行うことができる。また、ストッパ部材をサンバイザー支持ブラケットに係止させる機構を別途設ける必要がない。
さらに、互いに嵌合したサンバイザー支持ブラケットの前記周壁とストッパ部材の嵌合壁とストッパ壁とで閉じ断面を形成することができ、嵌合構造の強度を向上させることができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記ストッパ部材は、前記嵌合壁の前記周壁への嵌合により前記サンバイザー支持ブラケットに部組みされると、工場ラインでの工数が増加するのを防ぐことができる。(請求項4)
【0012】
本発明において、
前記アームの先端部は断面円形に形成され、
前記被ストッパ部は断面扇形に形成されて、前記被ストッパ部の円弧状の外周面が前記アームの先端部と同芯状に形成され、
前記ストッパ部の第1阻止面は前記アームの先端部の径方向に沿うように形成されて前記被ストッパ部の一方の側面を受け止め、
前記ストッパ部の第2阻止面は前記アームの先端部の径方向に沿うように形成されて前記被ストッパ部の他方の側面を受け止めると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0013】
前記被ストッパ部は断面扇形に形成されて、前記被ストッパ部の円弧状の外周面が前記アームの先端部と同芯状に形成され、前記ストッパ部の第1阻止面は前記アームの先端部の径方向に沿うように形成されて前記被ストッパ部の一方の側面を受け止めるから、前記第1阻止面で被ストッパ部の一方の側面を確実に受け止めることができる。
また、前記ストッパ部の第2阻止面は前記アームの先端部の径方向に沿うように形成されて前記被ストッパ部の他方の側面を受け止めるから、前記第2阻止面で被ストッパ部の他方の側面を確実に受け止めることができる。(請求項5)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、サンバイザー装置を複数の機種に共通使用することができるサンバイザーの支持構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】サンバイザーの支持構造の斜視図(サンバイザーの支持構造を車内側から見上げた斜視図)
【図2】サンバイザーの支持構造の縦断側面図
【図3】(a)はストッパ機構の作用を示す図(模式図)、(b)はストッパ部材の斜視図(模式図)、(c)は組み付け状態のアームの先端部とサンバイザー支持ブラケットとを車室外側から見た斜視図、(d)は図3(c)のA−A断面図
【図4】アームとサンバイザー支持ブラケットの連結構造の斜視図
【図5】別実施形態のストッパ機構の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に示すように、自動車のフロントピラー8の上方のルーフパネル9に樹脂製のサンバイザー支持ブラケット20が取り付けられ、サンバイザー19の長方形状のサンバイザー本体10から突出する断面円形のアーム11の先端部12が、サンバイザー支持ブラケット20に形成された第1軸受け部52に回転自在に挿通保持されて自動車のサンバイザーの支持構造が構成されている。図1において、符号7はセンターピラー、G1はフロントウインドガラス、G2はサイドドアのサイドウインドガラス、Frは車両前方側、Rrは車両後方側である。
【0017】
前記サンバイザー本体10の一つのコーナー部には、サンバイザー本体10の長手方向に沿う第2軸受け部(図示せず)が形成され、この第2軸受け部に前記アーム11の残部(先端部以外の部分)が回転自在に挿通保持されている。アーム11の先端部12はアーム11の残部に対して鈍角に屈曲しており、アーム11の先端部12に径方向外方側に張り出す張り出し部12Hが設けられている(図3(d)参照)。
【0018】
これにより、図1に示すように、サンバイザー本体10がサイドウインドガラスG2に対向する第1使用位置(第1位置に相当)と、第1使用位置から第1軸受け部52の軸芯O周りに車室内側に揺動してサイドウインドガラスG2から退避するとともに、フロントウインドガラスG1に対向する第2使用位置(第2位置に相当)と、第2使用位置から第2軸受け部の軸芯周りに上方に揺動してルーフライナー6(内装材である)の前部の下面6M(図2参照)に対向する収納位置(図2参照)とに切り換え揺動自在に構成されている。前記ルーフライナー6の前部の下面6Mは上方に凹んでいる(図2参照)。
【0019】
[サンバイザー支持ブラケット20の構造]
図2〜図4に示すように、前記サンバイザー支持ブラケット20は、ルーフライナー6の車室内側の面(下面)に重なるブラケット本体21を備え、ブラケット本体21は車両前方側Frが円弧状の舌形状に形成されている。
【0020】
前記第1軸受け部52は、ブラケット本体21にアーム挿通孔21H1を形成するとともに、ブラケット本体21の車室外側の面から前記アーム挿通孔21H1と同芯状の円筒状の第1ボス14を突出させて構成されている。円筒状の第1ボス14には周方向に均等な間隔を空けて複数のスリット14Sが形成されている(図3(c)参照)。
【0021】
前述のように、アーム挿通孔21H1に挿通されるアーム11の先端部12には、アーム挿通孔21H1よりも大径の張り出し部12Hが設けられているが、上記の円筒状の第1ボス14には周方向に均等な間隔を空けて複数のスリット14Sが形成されているから、第1軸受け部52に前記アーム11の先端部12を挿通させるに伴って、第1ボス14を拡径させることができて、アーム11の先端部12を第1軸受け部52に挿通させやすくすることができる。
【0022】
図3(c),図3(d)に示すように、前記第1軸受け部52から突出したアーム11の先端部12を囲む周壁29がサンバイザー支持ブラケット20の車室外側の面に立設されている。この周壁29は、車両前方側Frの前壁25と、車両後方側Rrの後壁26と、左右一対の側壁27とから成る。前壁25の上面はV字状に形成されている。
【0023】
前記前壁25の車両前方側Frにはボルト挿通孔21H2が形成され、ボルト挿通孔21H2と同芯状の第2ボス21B2がブラケット本体21の車室外側の面に突設されている。
【0024】
また、後壁26の上端部から挟持片28が車両後方側Rrに延出している。挟持片28は車両後方側Rrほど幅狭の台形状に形成され、挟持片28の上面に車両前後方向に沿う複数の補強リブ28Aが突設されている。
【0025】
そして、図2に示すように、ルーフパネル9及びルーフライナー6に形成された開口Hに前記周壁29及び挟持片28が挿通され、ブラケット本体21の車両後方側Rrの端部と挟持片28とでルーフパネル9及びルーフライナー6を挟持し、前記ボルト挿通孔21H2に車内側から挿通させたボルトをルーフパネル9の裏側のナットに螺合してサンバイザー支持ブラケット20をルーフパネル9に固定してある。
【0026】
[ストッパ機構50の構造]
図3(a)〜図3(d)に示すように、サンバイザー本体10の前記第1使用位置を越える揺動と前記第2使用位置を越える揺動とを阻止するストッパ機構50(図3(d)参照)が設けられている。すなわち、アーム11の先端部12にストッパ機構50の被ストッパ部13が形成され、被ストッパ部13に対するストッパ機構50のストッパ部51が、サンバイザー支持ブラケット20に取り付けられたストッパ部材30に形成されている。ストッパ部材30はサンバイザー支持ブラケット20とは別体に形成されている。
【0027】
前記被ストッパ部13は、アーム11の先端部12の先端面12Mからアーム11の先端部12に対し偏芯して前記先端部12の軸方向に突出している。この被ストッパ部13は断面扇形に形成されて、被ストッパ部13の円弧状の外周面がアーム11の先端部12と同芯状に形成されている。
【0028】
[ストッパ部材30の構造]
図3(a),図3(b)に示すように、前記ストッパ部材30はアーム11の先端部12の先端面12Mに対向するストッパ壁34を備え、被ストッパ部13が挿通されるストッパ孔34Hがストッパ壁34に形成されている。ストッパ孔34Hは中心角が180度よりも大の扇形に形成されている。
【0029】
また、前記ストッパ部材30のストッパ壁34の周部からサンバイザー支持ブラケット20の車室外側の面側に延びて、サンバイザー支持ブラケット20の周壁29に嵌合(図3(d)参照)する嵌合壁39がストッパ部材30に設けられている。嵌合壁39は、車両前方側Frの前壁35と、車両後方側Rrの後壁36と、左右一対の側壁37とから成る。つまり、ストッパ部材30は車室内側が開放した箱形に形成されている。このストッパ部材30は、嵌合壁39の前記周壁29への嵌合によりサンバイザー支持ブラケット20に部組みされる。これにより、工場ラインでの工数が増加するのを防ぐことができる。
前記嵌合壁39の外寸は前記周壁29の内寸と同等又は内寸よりも若干大きく設定されている。
【0030】
図3(a)に示すように、前記ストッパ孔34Hは、サンバイザー本体10の揺動に伴う前記被ストッパ部13の前記軸芯O周りの揺動を許すように形成されるとともに、内周部に前記ストッパ部51を備えている。図3(a)の符号Aは被ストッパ部13の前記軸芯O周りの揺動方向を示している。
【0031】
図3(a),図3(b)に示すように、前記ストッパ部51は、サンバイザー本体10が前記第1使用位置に位置した時に被ストッパ部13を受け止めて被ストッパ部13の揺動を阻止する第1阻止面34S1と、サンバイザー本体10が前記第2使用位置に位置した時に被ストッパ部13を受け止めて前記被ストッパ部13の揺動を阻止する第2阻止面34S2とから成る。
【0032】
前記ストッパ部51の第1阻止面34S1はアーム11の先端部12の径方向に沿うように形成されて被ストッパ部13の一方の側面13S1を受け止め、ストッパ部51の第2阻止面34S2はアーム11の先端部12の径方向に沿うように形成されて被ストッパ部13の他方の側面13S2を受け止める。
【0033】
上記の構成により、サンバイザー本体10が前記第1使用位置に位置すると、ストッパ部51の第1阻止面34S1(ストッパ部材30のストッパ壁34に形成されたストッパ孔34Hの内周部の第1阻止面34S1)が、アーム11の先端部12の先端面12Mから突出する被ストッパ部13の一方の側面13S1を受け止めて被ストッパ部13の揺動を阻止する。これにより、サンバイザー本体10の前記第1使用位置を越える揺動を阻止することができる。
また、サンバイザー本体10が前記第2使用位置に位置すると、前記ストッパ孔34Hの内周部の第2阻止面34S2(ストッパ部材30のストッパ壁34に形成されたストッパ孔34Hの内周部の第2阻止面34S2)が前記被ストッパ部13の他方の側面13S2を受け止めて被ストッパ部13の揺動を阻止する。これにより、サンバイザー本体10の前記第2使用位置を越える揺動を阻止することができる。
このように、簡易な構造でサンバイザー本体10の前記軸芯O周りの揺動を規制できる。
前記被ストッパ部13は、アーム11の先端部12の先端面12Mからアーム11の先端部12に対し偏芯して突出しているから、例えば前記被ストッパ部13がアーム11の先端部12から径方向外方側に突出している構造に比べると、ストッパ機構50の構造を小型化することができる。
【0034】
上記の構成によれば、
前記ストッパ機構50の被ストッパ部13はアーム11の先端部12に形成され、ストッパ機構50のストッパ部51はサンバイザー支持ブラケット20に取り付けられたストッパ部材30に形成されているから、車両の機種に対応するストッパ部51を備えるストッパ部材30を各機種ごとに製作することで、車室内の形状の違いやサンバイザー本体10の揺動範囲の違いに対応することができ、サンバイザー装置を各機種に共通使用することができる。
また、前記ストッパ機構50が不要な車両ではストッパ部材30を設けなければよく、ストッパ機構50が不要な機種と必要な機種とにサンバイザー装置を共通使用することができる。
【0035】
そして、サンバイザー支持ブラケット20の車室外側の面に立設された前記周壁29にストッパ部材30の嵌合壁39を嵌合することでストッパ部材30をサンバイザー支持ブラケット20に取り付けることができ、サンバイザー支持ブラケット20へのストッパ部材30の取り付け作業を簡単に行うことができる。また、ストッパ部材30をサンバイザー支持ブラケット20に係止させる機構を別途設ける必要がない。
さらに、互いに嵌合したサンバイザー支持ブラケット20の前記周壁29とストッパ部材30の嵌合壁39とストッパ壁34で閉じ断面を形成することができ、嵌合構造の強度を向上させることができる。
【0036】
[別実施形態]
(1) 上記のストッパ部材30の取り付け構造に換えて、前記ストッパ部材30を前記サンバイザー支持ブラケット20に接着剤で固定してあってもよい。
【0037】
(2) 図5に示すように、前記ストッパ部材30の嵌合壁39の下端部に、ストッパ部材30の内方側に突出する複数の係合爪60を設け、前記ブラケット本体21の車室外側の面から突出する第1ボス14に形成された複数のスリット14Sに前記複数の係合爪60を各別に挿入するとともに、前記アーム11の先端部12に形成された張り出し部12Hに前記係合爪60を係合させて、ストッパ部材30をサンバイザー支持ブラケット20に取り付けてあってもよい。
【符号の説明】
【0038】
9 ルーフパネル
10 サンバイザー本体
11 アーム
12 アームの先端部
12M アームの先端部の先端面
13 被ストッパ部
13S1 被ストッパ部の一方の側面
13S2 被ストッパ部の他方の側面
20 サンバイザー支持ブラケット
29 周壁
30 ストッパ部材
34 ストッパ壁
34H ストッパ孔
34S1 第1阻止面
34S2 第2阻止面
39 嵌合壁
50 ストッパ機構
51 ストッパ部
52 軸受け部(第1軸受け部)
G2 ウインドガラス(サイドウインドガラス)
O 軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーフパネルにサンバイザー支持ブラケットが取り付けられ、
サンバイザー本体から突出するアームの先端部が、前記サンバイザー支持ブラケットに形成された軸受け部に回転自在に挿通保持されて、前記サンバイザー本体が、所定のウインドガラスに対向する第1位置と、前記所定のウインドガラスから退避した第2位置とに前記軸受け部の軸芯周りに切り換え揺動自在に構成されているサンバイザーの支持構造であって、
前記サンバイザー本体の前記第1位置を越える揺動を阻止するストッパ機構が設けられ、
前記アームの先端部に前記ストッパ機構の被ストッパ部が形成され、
前記被ストッパ部に対する前記ストッパ機構のストッパ部は、前記サンバイザー支持ブラケットに取り付けられたストッパ部材に形成され、
前記ストッパ部材は前記サンバイザー支持ブラケットとは別体に形成されているサンバイザーの支持構造。
【請求項2】
前記ストッパ機構は、前記サンバイザー本体の前記第1位置を越える揺動と前記第2位置を越える揺動とを阻止するよう構成され、
前記被ストッパ部は、前記アームの先端部の先端面から前記アームの先端部に対し偏芯して突出し、
前記ストッパ部材は前記アームの先端部の先端面に対向するストッパ壁を備え、
前記被ストッパ部が挿入されるストッパ孔が前記ストッパ壁に形成され、
前記ストッパ孔は、前記サンバイザー本体の揺動に伴う前記被ストッパ部の前記軸芯周りの揺動を許すように形成されるとともに、内周部に前記ストッパ部を備え、
前記ストッパ部は、前記サンバイザー本体が前記第1位置に位置した時に前記被ストッパ部を受け止めて前記被ストッパ部の揺動を阻止する第1阻止面と、前記サンバイザー本体が前記第2位置に位置した時に前記被ストッパ部を受け止めて前記被ストッパ部の揺動を阻止する第2阻止面とから成る請求項1記載のサンバイザーの支持構造。
【請求項3】
前記軸受け部から突出した前記アームの先端部を囲む周壁が前記サンバイザー支持ブラケットの車室外側の面に立設され、
前記ストッパ部材のストッパ壁の周部から前記サンバイザー支持ブラケットの車室外側の面側に延びて、前記サンバイザー支持ブラケットの周壁に嵌合する嵌合壁が前記ストッパ部材に設けられている請求項2記載のサンバイザーの支持構造。
【請求項4】
前記ストッパ部材は、前記嵌合壁の前記周壁への嵌合により前記サンバイザー支持ブラケットに部組みされる請求項3記載のサンバイザーの支持構造。
【請求項5】
前記アームの先端部は断面円形に形成され、
前記被ストッパ部は断面扇形に形成されて、前記被ストッパ部の円弧状の外周面が前記アームの先端部と同芯状に形成され、
前記ストッパ部の第1阻止面は前記アームの先端部の径方向に沿うように形成されて前記被ストッパ部の一方の側面を受け止め、
前記ストッパ部の第2阻止面は前記アームの先端部の径方向に沿うように形成されて前記被ストッパ部の他方の側面を受け止める請求項2〜4のいずれか一つに記載のサンバイザーの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−32053(P2013−32053A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167940(P2011−167940)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)