説明

サンプリング装置

【課題】樽中の液体をサンプリングする作業を容易化することを目的とする。
【解決手段】サンプリング装置100は、樽10中の液体をサンプリングするために使用される。サンプリング装置100は、樽10の口部12に取り付けられる排出管20と、排出管20から排出される液体をサンプリングするためのサンプリング容器30を保持する保持部50と、排出管20を通して液体が排出されるように樽10を回動させるための回動機構40とを備える。保持部50は、樽10の回動に関らずサンプリング容器30の姿勢を維持するように排出管20から吊り下げられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプリング装置に係り、特に、樽中の液体をサンプリングするためのサンプリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールや発泡酒等の飲料を出荷するために樽が使用される。樽の安全性を保証するために、樽は様々な検査を受ける。例えば、樽の内部に微生物が存在しないことを保証するための検査では、無菌の水を樽に注入し適当時間が経過した後に樽から水を排出して、その水がサンプリングされる。その後、その水の中に微生物が存在するか否かが検査される。樽から排出される水のサンプリングは、典型的には、樽の口部が下方に向くように樽を回動させて、口部またはそれに取り付けられた排出管から排出される水をシャーレ等のサンプリング容器で受けることによって行われうる。
【特許文献1】特開2006−64603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
大きな樽について上記のような検査を行う場合、例えば、一人の作業者が樽を操作し他の作業者がその樽から排出される液体をサンプリング容器でサンプリングするというように、二人以上の作業者で作業を行う必要があり、効率が悪い。
【0004】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、樽中の液体をサンプリングする作業を容易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のサンプリング装置は、樽中の液体をサンプリングするために使用される。前記サンプリング装置は、前記樽の口部に取り付けられる排出管と、前記排出管から排出される液体をサンプリングするためのサンプリング容器を保持する保持部と、前記排出管を通して液体が排出されるように前記樽を回動させるための回動機構とを備える。前記保持部は、前記樽の回動に関らず前記サンプリング容器の姿勢を維持するように前記排出管から吊り下げられている。
【発明の効果】
【0006】
本発明のよれば、例えば、樽中の液体をサンプリングする作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0008】
図1および図2は、本発明の好適な実施形態のサンプリング装置の概略構成を示す側面図である。図3は、図2に示す状態における保持部およびその周辺を示す側面図である。
【0009】
本発明の好適な実施形態のサンプリング装置100は、樽10中の液体をサンプリングするために使用される。樽10は、例えば、ビールや発泡酒等の飲料を出荷するために使用される容器である。
【0010】
サンプリング装置100は、例えば、樽10の内部に微生物が存在しないことを保証するための検査において使用されうる。この検査では、無菌の水(液体)を樽10に注入し適当時間が経過した後に樽10から水を排出してサンプリング装置100によってサンプリングする。このサンプリングは、樽10中の水をサンプリング容器30に注ぐことによって行われる。サンプリングされた水は、その中に微生物が存在するか否かについて検される。
【0011】
サンプリング装置100は、他の検査のために使用されてもよいし、製品としてのビール等の飲料自体をサンプリングするために使用されてもよい。
【0012】
サンプリング装置100は、樽10の口部12に取り付けられる排出管20と、排出管20から排出される液体70をサンプリングするためのサンプリング容器30を保持する保持部50と、排出管20を通して液体70が排出されるように樽10を回動させるための回動機構40とを備える。保持部50は、樽10の回動に関らずサンプリング容器30の姿勢を維持するように排出管20の出口近傍の部分から連結部材52によって吊り下げられている。
【0013】
この実施形態の回動機構40は、樽10を支持する支持部材44と、支持部材44を回動可能に軸支する軸受け42とを含んで構成される。軸受け42は、ベース部材60によって支持される。支持部材44は、樽10の上面(口部12が設けられている側の端面)を支持する第1支持部44aと、樽10の胴部分を支持する第2支持部44bとを含む。この実施形態では、回動機構40は、作業者が手で樽10を回動させる作業を補助するように構成されている。しかしながら、回動機構40は、樽10を自動で回動させるように構成されてもよい。
【0014】
保持部50は、その自重およびサンプリング容器30の自重によって姿勢を維持する。保持部50は、サンプリング容器30の姿勢をより確実に維持するために錘56を含むことが好ましい。ここで、姿勢を維持するとは、サンプリング容器30を支持する支持面50sがほぼ水平な状態を維持することを意味する。
【0015】
このように樽10の回動に関らず保持部50がサンプリング容器30の姿勢を維持することによって、排出管20から排出される液体70がサンプリング容器30に入らずに外側にこぼれることが防止され、また、サンプリング容器30に注がれた液体70がサンプリング容器30からこぼれることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好適な実施形態のサンプリング装置の概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明の好適な実施形態のサンプリング装置の概略構成を示す側面図である。
【図3】図2に示す状態における保持部およびその周辺を示す側面図である。
【符号の説明】
【0017】
10 樽
12 口部
20 排出管
30 サンプリング容器
40 回動機構
42 軸受け
44 支持部材
44a 第1支持部
44b 第2支持部
50 保持部
50s 支持面
52 連結部材
60 ベース部材
70 液体
100 サンプリング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樽中の液体をサンプリングするためのサンプリング装置であって、
前記樽の口部に取り付けられる排出管と、
前記排出管から排出される液体をサンプリングするためのサンプリング容器を保持する保持部と、
前記排出管を通して液体が排出されるように前記樽を回動させるための回動機構とを備え、
前記保持部は、前記樽の回動に関らず前記サンプリング容器の姿勢を維持するように前記排出管から吊り下げられている、
ことを特徴とするサンプリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−42116(P2009−42116A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208454(P2007−208454)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【Fターム(参考)】