説明

サーバ装置、広告提示方法及びプログラム

【課題】ネットワークストレージを使用するユーザに対し、そのユーザの使用の態様に応じた広告を提示するサーバ装置、広告提示方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置であって、前記記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークストレージを使用するユーザに広告を提示するサーバ装置、広告提示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(パーソナルコンピュータ)のHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置でなく、ネットワーク上のネットワークストレージにファイルを保存することにより、例えば、自宅のPCと、会社のPCと、で同じファイルを扱うことが可能になる。このようなネットワークストレージを提供するネットワークストレージサービスは、オンラインストレージサービス、ファイル・ホスティング・サービスなどと呼ばれることもある。
【0003】
ネットワークストレージを使用する際、ネットワークストレージに保存されたデータに関する情報は、通常、PC上には残らない。このため、ネットワークに接続していないときには、ネットワークストレージにどのようなファイルを保存したかを確認できない。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、ネットワークストレージに保存されたファイルに関する情報をPC上に残るようにし、ネットワークに接続していないときでも、PC上でネットワークストレージにどのようなファイルを保存したかを確認できるにする方法が開示されている。
【0005】
ネットワークストレージサービスには、無料で提供されているサービスや、低価格で提供されているサービスなどがある。このようなサービスでは、サービスを提供するための費用を広告収入により得ている。
【0006】
通常、ネットワークストレージサービスのユーザは、ファイルのアップロードやダウンロードをウェブブラウザにより行う。そこで、無料や低価格のネットワークストレージサービスは、ユーザの使用するウェブブラウザに広告を表示することにより、広告をユーザに提示をする。そして、ネットワークストレージサービスは、このユーザに提示した広告の数や、広告に対するユーザからの反響の数に応じて広告料を広告主から得て、この広告収入によりサービスの運営を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−238141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これまでのネットワークストレージサービスは、ユーザがネットワークストレージをどの程度使用しているかなどを考慮しておらず、すべてのユーザに同じ数の広告を提示していた。また、ユーザがウェブブラウザ以外のアプリケーションによりネットワークストレージを使用したときには、そのユーザに広告を提示することができない。
【0009】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ネットワークストレージを使用するユーザに対し、そのユーザの使用の態様に応じた広告を提示するサーバ装置、広告提示方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明におけるサーバ装置は、複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置であって、前記記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明におけるサーバ装置は、複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置であって、前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記ユーザのファイル数に対する前記ユーザに提示する広告の数の割合を決定する広告数決定手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明における広告提示方法は、記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入ステップを有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明における広告提示方法は、ユーザが記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定ステップと、前記負荷測定ステップにより測定された負荷に基づき、前記ユーザのファイル数に対する前記ユーザに提示する広告の数の割合を決定する広告数決定ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明におけるプログラムは、複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置を、前記記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入手段として機能させる。
【0015】
また、本発明におけるプログラムは、複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置を、前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記ユーザのファイル数に対する前記ユーザに提示する広告の数の割合を決定する広告数決定手段として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、ネットワークストレージを使用するユーザに対し、そのユーザの使用の態様に応じた広告を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワークストレージシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るネットワークストレージシステムの構成例を示す図である。
【図3】ウェブブラウザによりユーザファイルリストを参照したときの表示を示す図である。
【図4】ウェブブラウザ以外のアプリケーションソフトによりユーザファイルリストを参照したときの表示を示す図である。
【図5】ウェブブラウザにより本発明の実施形態に係るユーザファイルリストを参照したときの表示を示す図である。
【図6】ウェブブラウザ以外のアプリケーションソフトにより本発明の実施形態に係るユーザファイルリストを参照したときの表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
<ネットワークストレージシステムの構成例>
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークストレージシステムの構成例を示す図である。本実施形態に係るネットワークストレージシステムは、記憶装置100と、複数の情報処理装置200と、サーバ装置300と、を有して構成される。複数の情報処理装置200とサーバ装置300とは、インターネットなどのネットワークを介して接続している。なお、記憶装置100は、サーバ装置300が備えるようにしても良いし、別個の装置としてサーバ装置300と接続しているようにも良い。また、記憶装置100とサーバ装置300とはネットワークを介して接続するようにしても良い。
【0020】
記憶装置100は、複数のユーザのファイル101を記憶する。例えば、記憶装置100は、いわゆるネットワークストレージサービスにおけるネットワークストレージである。つまり、記憶装置100は、例えば、ネットワークストレージサービスのユーザのファイル101を記憶する。
【0021】
情報処理装置200は、ユーザが記憶装置100にファイルを記憶させる(アップロード)ときや、記憶装置100に記憶されたファイルを読み出す(ダウンロード)ときなどに使用する装置である。
【0022】
例えば、情報処理装置200は、記憶装置100にファイルを記憶させる(アップロード)ときは、記憶させるファイルと、このファイルの記憶装置100への書き込みを要求する情報と、をサーバ装置300に送信する。また、また、例えば、情報処理装置200は、記憶装置100に記憶されたファイルを読み出す(ダウンロード)ときは、記憶装置100に記憶されたファイルの読み出しを要求する情報をサーバ装置300に送信し、その結果、サーバ装置300から送信されたファイルを受信する。また、例えば、情報処理装置200は、記憶装置100に記憶されたファイルを削除するときは、記憶装置100に記憶されたファイルの削除を要求する情報をサーバ装置300に送信する。
【0023】
サーバ装置300は、通信制御部210と、負荷測定部220と、広告数決定部230と、を有して構成される。サーバ装置300は、この構成により、情報処理装置200から送信されたファイルの記憶装置100への書き込みや、記憶装置100から読み出したファイルの情報処理装置200への送信などを行う。また、ユーザの記憶装置100の使用量等により、ユーザがこのシステムにかける負荷を測定し、この測定された負荷に基づき、ユーザに提供する広告の数を決定する。
【0024】
通信制御部310は、情報処理装置100との間でのファイルや情報の送受信を行う。また、通信制御部110は、情報処理装置200から受信した情報に基づいた処理を行う。
【0025】
例えば、通信制御部310は、情報処理装置200から、ファイルとともに、このファイルの記憶装置100への書き込みを要求する情報を受信したときは、この受信したファイルを記憶装置100に記憶する。また、例えば、通信制御部310は、情報処理装置200から、記憶装置100に記憶されたファイルの読み出しを要求する情報を受信したときは、この要求されたファイルを記憶装置100から読み出し、情報処理装置200に送信する。また、例えば、通信制御部310は、情報処理装置200から、記憶装置100に記憶されているファイルの削除を要求する情報を受信したときは、この要求されたファイルを記憶装置100から削除する。
【0026】
このようにすることにより、ユーザが情報処理装置200を使用し、記憶装置100のファイルの操作を行うことが可能になる。つまり、ユーザが情報処理装置200を使用し、記憶装置100にファイルを書き込むことや、記憶装置100に記憶されたファイルを読み出すこと、削除することなどができるようになる。
【0027】
負荷測定部320は、ユーザが記憶装置100やサーバ装置300に与える負荷をユーザごとに測定する。
【0028】
負荷測定部320により測定される負荷としてはいろいろと考えられる。
【0029】
例えば、負荷測定部320は、ユーザが記憶装置100やサーバ装置300に与える負荷として、そのユーザによる記憶装置100の使用量を測定するようにすると良い。ここで、ユーザによる記憶装置100の使用量とは、そのユーザが記憶装置100に記憶しているファイルの総データサイズである。ユーザによる記憶装置100の使用量が大きければ大きいほど、そのユーザによるファイルが記憶装置100の記憶領域を占有することになり、記憶装置100に負荷をかけることになる。
【0030】
また、例えば、負荷測定部320は、ユーザが記憶装置100やサーバ装置300に与える負荷として、そのユーザによる記憶装置100の使用頻度を測定するようにすると良い。例えば、所定の期間の間にユーザが記憶装置100やサーバ装置300を使用した回数を、ユーザによる記憶装置100の使用頻度として測定すると良い。つまり、ユーザが記憶装置100へのファイルの書き込みや、記憶装置100からのファイルの読み出しなどをした回数を使用頻度として測定する良い。この使用回数が多いほど、記憶装置100やサーバ装置300に処理を行わせる回数が多いことになり、記憶装置100やサーバ装置300に負荷をかけることになる。
【0031】
また、記憶装置100には、書き込み・読み出しの速度の速いが、高価である記憶装置と、書き込み・読み出しの速度は遅いが、廉価である記憶装置がある。すべてのファイルを速度の速い記憶装置に記憶させるとコストがかかってしまう。そこで、ネットワークストレージサービスでは、通常、頻繁に書き込み・読み出しが行われるファイルのみを速度の速い記憶装置に記憶し、それ以外のファイルは、速度の遅い記憶装置に記憶するようにしている。よって、速度の速い記憶装置の使用量が大きいユーザは、記憶装置100へのファイルの書き込みや、記憶装置100からのファイルの読み出しなどをした回数が多い、つまり、使用頻度が大きいユーザである。そこで、この速度の速い記憶装置の使用量により、各ユーザの使用頻度を測定するようにしても良い。また、このようにすることにより、高価な記憶装置の使用量が多いユーザを、大きい負荷をかけるユーザとすることができるようになる。
【0032】
また、例えば、負荷測定部320は、ユーザが記憶装置100やサーバ装置300に与える負荷として、そのユーザが情報処理装置200とサーバ装置300との間で送受信した情報の流量を測定するようにすると良い。ここで、ユーザが情報処理装置200とサーバ装置300との間で送受信した情報の流量は、所定の期間の間にユーザが情報処理装置200とサーバ装置300で送受信した情報の総データサイズである。この流量が大きければ大きいほど、記憶装置100やサーバ装置300に処理を行わせる時間が長いことになる。よって、この流量が大きければ大きいほど、記憶装置100やサーバ装置300に負荷をかけることになる。
【0033】
広告数決定部330は、負荷測定部320により測定された負荷に基づき、各ユーザに対する広告の数を決定する。広告数決定部340による広告の数の決定の仕方にはいろいろと考えられる。例えば、負荷測定部320により測定された負荷が大きくなるにつれ、決定される広告の数が多くなるようにする。
【0034】
ネットワークストレージサービスには、無料で提供されているサービスや、低価格で提供されているサービスなどがある。このようなサービスでは、サービスを提供するための費用を広告収入により得ている。このときに広告主から得る広告料は、通常、ユーザに提示した広告の数や、広告に対するユーザからの反響の数に応じて決められる。
【0035】
このため、ネットワークストレージサービス側としては、できるだけ多くの広告をユーザに提示をしたい。しかし、あまりに多くの広告をユーザに提示することになると、ユーザによるサービスの使用に支障がでる。このため、適正な数の広告を提示する必要がある。
【0036】
そこで、例えば、広告数決定部220が決定する広告の数は、このようなサービスにおいて、ユーザに提示する広告の数をユーザごとに決定するのに使用する。
【0037】
このようにすることにより、ユーザが記憶装置100やサーバ装置300にかける負荷の大きさに応じた数の広告をユーザに提示することができる。つまり、例えば、ユーザが記憶装置100やサーバ装置300にかける負荷が大きいユーザ、つまり、ネットワークストレージサービスを提供するためにかかる費用が大きいユーザには、多くの広告を提示することが可能になる。
【0038】
<ネットワークストレージシステムの別の構成例>
図2は、本発明の実施形態に係るネットワークストレージシステムの図1に示した構成例に、さらにいくつかの構成を加えた構成例を示す図である。
【0039】
図2に示した構成のネットワークストレージシステムにおける記憶装置100は、ユーザのファイル101に加え、ユーザファイルリスト102も記憶する。
【0040】
このユーザファイルリスト102は、ユーザごとに用意されたリストであり、それぞれのユーザが記憶装置100に記憶しているファイルの情報が記載されている。例えば、このユーザファイルリスト102には、それぞれのファイルのファイル名、サイズ、作成日などの情報が記載される。
【0041】
このファイルリスト102は、情報処理装置200により、記憶装置100に記憶されたファイルを参照する際に使用する。
【0042】
ファイルリスト102は、いわゆるフォルダ構造を有するようにすると良い。そして、情報処理装置200のアプリケーションからこのユーザファイルリスト102のフォルダ構造を編集できるようにすると良い。このようにすることにより、ユーザファイルリスト102が整理され、所望のファイルを探し出すことが容易になる。
【0043】
例えば、ユーザは、情報処理装置200のウェブブラウザにより、このユーザファイルリスト102をダウンロードし、ダウンロードしたユーザファイルリスト102を、図3に示すように、ウェブブラウザで表示するようにする。このようにすることにより、ユーザは、このウェブブラウザの表示により、記憶装置100にどのようなファイルが記憶されているかを確認できるようになる。この表示に基づいて、ファイルの選択ができるようになり、記憶装置100に記憶されたファイルをダウンロードすることができるようになる。また、例えば、記憶装置100にファイルをアップロードするときに、この表示を使用して、記憶するフォルダなどを選択できるようになる。
【0044】
また、書類作成ソフトや表計算ソフトなどの情報処理装置200の通常のアプリケーションソフトの起動時に、このユーザファイルリスト102を情報処理装置200が記憶装置からダウンロードし、これらのアプリケーションからこのダウンロードしたユーザファイルリスト102を参照できるようにすると良い。これは、例えば、特許文献1に開示された方法を使用することにより行うことが可能である。
【0045】
そこで、例えば、情報処理装置200が、アプリケーションソフトの起動時にユーザファイルリスト102の読み出しを要求する情報をサーバ装置300に送信する手段と、サーバ装置300から送信されたユーザファイルリスト102を受信する手段と、この受信したユーザファイルリスト102をアプリケーションから参照からできる形式に変換する手段と、を備えるようにすると良い。このようにすることにより、ウェブブラウザ以外のアプリケーションソフトを使用する際にも、このユーザファイルリスト102を、図4に示すように、参照できるようになる。そして、ウェブブラウザ以外のアプリケーションソフトを使用する際にも、このユーザファイルリスト102を参照しながら、アプリケーションソフトから記憶装置100にアクセスし、記憶装置100に記憶されたファイルをダウンロードすることができるようになる。また、ウェブブラウザ以外のアプリケーションソフトを使用する際にも、記憶装置100にファイルをアップロードするときに、このユーザファイルリストを参照して、アプリケーションソフトから記憶装置100にアクセスし、記憶するフォルダなどを選択し、ファイルを記憶させることなどができるようになる。
【0046】
また、情報処理装置200が、上記の受信したユーザファイルリスト102を、Windows(登録商標)などの情報処理装置200のOS(Operating System)から参照できる形式に変換する手段を備えるようにしても良い。つまり、OSのファイル参照機能、例えば、Windows(登録商標)のエクスプローラなどにより、ユーザファイルリスト102が参照できるようにすると良い。このようにすることにより、このユーザファイルリスト102を参照しながら、OSの操作により記憶装置100に直接アクセスし、記憶装置100に記憶されたファイルをダウンロードすることができるようになる。また、記憶装置100にファイルをアップロードするときに、OSの操作により記憶装置100に直接アクセスし、このユーザファイルリストを参照して、記憶するフォルダなどを選択し、ファイルを記憶させることができる。
【0047】
また、記憶装置100は、複数の広告ファイル103を記憶する。また、記憶装置100は、広告ファイルのリストである広告ファイルリスト104を記憶する。この広告ファイルリスト104は、広告ファイルの情報で構成されている。広告ファイル104は、記憶装置100に記憶された広告ファイルのみの情報で構成されるようにしても良いし、他の装置に記憶された広告ファイルの情報も含めて構成されるようにしても良い。
【0048】
図2に示した構成のネットワークストレージシステムにおけるサーバ装置300は、図1に示したサーバ装置300の構成に、さらに、リスト更新部340と、広告挿入部350と、を加え、構成される。
【0049】
リスト更新部340は、記憶装置100に記憶されたユーザファイルリストの更新を行う。つまり、リスト更新部340は、記憶装置100に記憶されたファイルの情報に変更があったときに、ユーザリストファイルに含まれたそのファイルに対する情報の変更を行う。
【0050】
例えば、リスト更新部340は、ある情報処理装置200から送信されたファイルが記憶装置100に記憶されたときに、その情報処理装置200のユーザに対するユーザファイルリストを更新する。つまり、その記録されたファイルが新たなファイルであるならば、そのファイルの情報をユーザファイルリストに加える。また、その記録されたファイルがすでに記憶されたファイルを更新したファイルであるならば、ユーザファイルリストに含まれている更新前のファイルの情報を更新後のファイルの情報に書き換える。また、例えば、リスト更新部340は、ある情報処理装置200から送信された要求に基づいて記憶装置100に記憶されたファイルを削除したときに、その情報処理装置200のユーザに対するユーザファイルリストを更新する。つまり、その削除要求を受けたファイルの情報をユーザファイルリストから削除する。
【0051】
また、ネットワークストレージサービスの中には、ネットワーク上のアプリケーションを使用し、ネットワークストレージ(記憶装置100)内のファイルの編集を行うことができるサービスもある。リスト更新部340は、このようなネットワーク上のアプリケーションによりファイルが編集され、編集後のファイルが記憶装置100に記憶されたときにも、ユーザファイルリスト102の情報を更新するようにする。このようにすることにより、同じファイルを、ネットワーク上にアプリケーションと情報処理装置100上のアプリケーションの両方で編集できるようになる。
【0052】
広告挿入部350は、広告数決定部330の決定された広告の数に基づいて、広告ファイルリスト104を構成する広告ファイルの情報をユーザファイルリストに挿入する。このとき、広告挿入部350は、挿入される広告ファイルを、広告ファイルリストに構成する広告ファイルの中からランダムに選択するようにしても良いし、特定の規則に基づいて選択するようにしても良い。
【0053】
上述したように、負荷測定部320により測定される負荷、つまり、ユーザによる記憶装置100の使用量、使用頻度などにより、そのユーザに対する広告の数が変動する。広告挿入部350は、広告数決定部330により広告の数に変更があったユーザのユーザファイルリスト102に挿入された広告の数を、その変更後の広告の数に変更する。つまり、広告挿入部350は、広告の数が大きくなったときは、ユーザファイル102に新たに広告ファイルの情報を追加挿入し、広告の数が小さくなったときは、ユーザファイル102に挿入されている広告ファイルの情報のうちのいくつかを削除する。
【0054】
また、本実施形態では、広告挿入部250によりユーザファイルリストに挿入される広告ファイルは、ファイル名が広告のコピーになっている。このため、ユーザが、上述したように、情報処理装置200のウェブブラウザやその他のアプリケーションソフトによりユーザファイルリスト102を参照したときに、例えば、図5、図6に示すように、リストに表示される。図6は、ウェブブラウザによりユーザファイルリスト102を参照したときの表示を示す図であり、図7は、ウェブブラウザ以外のアプリケーションソフトによりユーザファイルリスト102を参照したときの表示を示す図であり、図8は、OSの参照機能によりユーザファイルリスト102を参照したときの表示を示す図である。
【0055】
このようにすることにより、ユーザがユーザファイルリスト102を参照するとき、つまり、ユーザがオンラインストレージサービスを使用する際に、広告のコピーを目にすることになる。よって、ファイルを開かれなくてもユーザに広告を提示することが可能になる。
【0056】
また、この広告のコピーを読むことにより、広告に興味を持ったユーザは、この広告ファイルをダウンロードができる。よって、広告に興味を持ったユーザに対しては、ファイル名の短いコピーだけなく、多くの情報を含んだ広告ファイルを提供することが可能になる。
【0057】
また、本実施形態では、ユーザファイルリスト102の表示により広告を行う。このため、上述したように、ユーザが、ブラウザ以外のアプリケーションソフトやOSによりネットワークストレージを直接使用したような場合にも、ユーザに広告を提示することが可能である。
【0058】
また、最初にユーザに提示する広告はファイル名のコピーだけであり、つまり、ユーザの情報処理装置200にダウンロードされるものはユーザファイルリスト102だけである。上述したように、ユーザファイルリスト102は、ファイル名やサイズなどのファイルの情報を含むだけであり、テキストだけのファイルで作成できる。このため、ユーザファイルリスト102のデータサイズは小さい。よって、ネットワークに負荷をかけることなく、ユーザに広告を提供することができる。また、データサイズが小さいため、ダウンロード時間も短く、ユーザに負担をかけることなく、ユーザに広告を提示することが可能になる。
【0059】
また、上述したように、ユーザファイルリスト102に挿入される広告ファイルは、広告挿入部350により、広告ファイルリスト104を構成する広告ファイルの中から選択される。広告ファイルリスト104には、広告主の装置が記憶している広告ファイルも含ませることができる。このため、本実施形態では、広告主が記憶装置100に広告ファイルを記憶しなくても良い。よって、広告主は、記憶装置100にアクセスせずに広告ファイルの更新できるようになる。
【0060】
また、ユーザファイルリスト102に、上記のテキスト情報だけでなく、それぞれのファイルのアイコンやサムネイルを含めるようにしても良い。このようにすることにより、コピーだけでなく、画像も使用して広告を提示することができるようになる。
【0061】
また、広告挿入部250は、定期的にユーザファイルリスト102に挿入する広告ファイルを変更するようにすると良い。このようにすることにより、常に新しい広告をユーザに提示することが可能になる。
【0062】
また、サーバ装置200が、記憶装置100に記憶されているユーザのファイルを解析する手段を備えるようにし、広告挿入部250は、この解析結果に基づいた内容の広告ファイルを、ユーザファイルリスト102に挿入するようにしても良い。このようにすることにより、それぞれのユーザに適した広告をユーザに提示することが可能になる。
【0063】
上述した実施形態における処理動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0064】
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムが格納されているROM(Read Only Memory)から、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリ(RAM)にプログラムを読み込んで実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
【0065】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク等の磁気ディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、MO(Magneto Optical)ディスク等の光磁気ディスクなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。
【0066】
このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することが可能である。
【0067】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0068】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【0069】
また、上記実施形態で説明したシステムは、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各装置の機能を混在させたりするように構築することも可能である。
【0070】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【0071】
また、本発明におけるサーバ装置は、前記広告挿入手段により挿入される広告ファイルのファイル名は、広告であるようにしても良い。
【0072】
また、本発明におけるサーバ装置は、前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記広告挿入手段により前記ユーザファイルリストに挿入する広告ファイルの数を決定する広告数決定手段と、を有するようにしても良い。
【0073】
また、本発明におけるサーバ装置は、前記負荷は、前記ユーザによる前記記憶装置の使用量であるようにしても良い。
【0074】
また、本発明におけるサーバ装置は、前記負荷は、前記ユーザによる前記記憶装置の使用頻度であるようにしても良い。
【0075】
また、本発明におけるサーバ装置は、前記負荷は、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に授受したデータの流量であるようにしても良い。
【0076】
また、本発明における広告提示方法は、前記広告挿入ステップにより挿入される広告ファイルのファイル名は、広告であるようにしても良い。
【0077】
また、本発明における広告提示方法は、前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定ステップと、前記負荷測定ステップにより測定された負荷に基づき、前記広告挿入ステップにより前記ユーザファイルリストに挿入する広告ファイルの数を決定する広告数決定ステップと、を有するようにしても良い。
【0078】
また、本発明におけるプログラムは、前記広告挿入手段により挿入される広告ファイルのファイル名は、広告であるようにしても良い。
【0079】
また、本発明におけるプログラムは、前記サーバ装置を、前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記広告挿入手段により前記ユーザファイルリストに挿入する広告ファイルの数を決定する広告数決定手段として機能させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0080】
100 記憶装置
101 ユーザファイル
102 ユーザファイルリスト
103 広告ファイル
104 広告ファイルリスト
200 情報処理装置
300 サーバ装置
310 通信制御部
320 負荷測定部
330 広告数決定部
340 リスト更新部
350 広告挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置であって、
前記記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入手段を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記広告挿入手段により挿入される広告ファイルのファイル名は、広告であることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置であって、
前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、
前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記ユーザのファイル数に対する前記ユーザに提示する広告の数の割合を決定する広告数決定手段と、を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、
前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記広告挿入手段により前記ユーザファイルリストに挿入する広告ファイルの数を決定する広告数決定手段と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記負荷は、前記ユーザによる前記記憶装置の使用量であることを特徴とする請求項3または4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記負荷は、前記ユーザによる前記記憶装置の使用頻度であることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記負荷は、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に授受したデータの流量であることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入ステップを有することを特徴とする広告提示方法。
【請求項9】
前記広告挿入ステップにより挿入される広告ファイルのファイル名は、広告であることを特徴とする請求項8に記載の広告提示方法。
【請求項10】
ユーザが記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定ステップと、
前記負荷測定ステップにより測定された負荷に基づき、前記ユーザのファイル数に対する前記ユーザに提示する広告の数の割合を決定する広告数決定ステップと、を有することを特徴とする広告提示方法。
【請求項11】
前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定ステップと、
前記負荷測定ステップにより測定された負荷に基づき、前記広告挿入ステップにより前記ユーザファイルリストに挿入する広告ファイルの数を決定する広告数決定ステップと、を有することを特徴とする請求項8または9に記載の広告提示方法。
【請求項12】
複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置を、
前記記憶装置に記憶されたファイルの情報をユーザごとにまとめたリストであり、前記ユーザが前記記憶装置を使用する際に参照するリストであるユーザファイルリストに、前記ユーザに提示する広告のファイルである広告ファイルの情報を挿入する広告挿入手段として機能させるプログラム。
【請求項13】
前記広告挿入手段により挿入される広告ファイルのファイル名は、広告であることを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
複数のユーザのファイルが記憶された記憶装置の制御をするサーバ装置を、
前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、
前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記ユーザのファイル数に対する前記ユーザに提示する広告の数の割合を決定する広告数決定手段として機能させるプログラム。
【請求項15】
前記サーバ装置を、
前記ユーザが前記記憶装置にかける負荷をユーザごとに測定する負荷測定手段と、
前記負荷測定手段により測定された負荷に基づき、前記広告挿入手段により前記ユーザファイルリストに挿入する広告ファイルの数を決定する広告数決定手段として機能させる請求項12または13に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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