説明

サービスロボット

【課題】高い処理能力を必要とせずに多様な行動を自律的かつインタラクティブに取ることが可能なサービスロボットの制御技術を提供する。
【解決手段】条件記憶部83は、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71cごとに、モーションプログラムとこのモーションプログラムの実施条件であるセンサ値範囲との対応関係を記憶している。モーションID検出部85は、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71cのセンサ値を順番に繰り返し取得し、センサ値の取得元の赤外線測距センサ71a〜71cの実施条件のなかから、取得したセンサ値を含む実施条件を検出する。そして、この実施条件に対応付けられているモーションプログラムを実行してモータ5、61、62を制御し、腕付きトルソ型サービスロボット1に行動をさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人型、動物型を含む、少なくとも一つの可動部を備えたサービスロボットに関し、特に、多様なポーズを自律的に取ることが可能なサービスロボットの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、魅力的で美しい動きをする人型ロボットの技術が開示されている。この技術において、人型ロボットの胴体は、胸部と腰部とに分離されており、胸部および腰部が体幹中心で互いに捩じれる動きと、肩および股関節の間が左右交互に開閉する動きとが同期して連動するように構成されている。このようにすることで、ファッションモデルの歩行のような魅力的な動きを実現している。
【0003】
ところで、特許文献1に記載の人型ロボットは、所定の動き(胸部および腰部が捩じれる動きと、肩および股関節の間が左右交互に開閉する動きとの連動)を繰り返し行うものであるため、例えばこのような人型ロボットを衣服等のディスプレイに用いても、最初は利用者の興味を引くかもしれないが、利用者がすぐに慣れてしまう。このため、宣伝効果が長続きしないという問題がある。
【0004】
これに対して、特許文献2には、外部環境および内部状態に基づいて状況を総合的に評価し、行動を選択するロボットの制御技術が開示されている。この技術をマネキン、トルソ等の人型ロボットに適用して、衣服等のディスプレイに用いることにより、人型ロボットは、利用者とのインタラクティブな行動を自律的に取ることが可能となるので、長期間に亘って高い宣伝効果を期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−11421号公報
【特許文献2】特開2003−334785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載のロボットの制御技術では、CCD等の撮像装置により取得した撮像データに対する画像認識処理、マイク等の集音装置により取得した音声データに対する音声認識処理、およびタッチセンサ等を利用した接触認識処理を組み合わせることにより、外部環境を認識している。このため、コストが高い。また、親子関係にある複数のスキーマで構成されたツリー構造の状況依存行動階層を用いて状況の評価および行動の選択を行うという高度な行動選択アルゴリズムを採用しており、その演算処理も複雑である。このため、高い処理能力が必要である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い処理能力を必要とせずに多様な行動を自律的かつインタラクティブに取ることが可能なサービスロボットの制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のサービスロボットでは、少なくとも一種類のセンサを複数備えたセンサアレイを用いるとともに、センサアレイを構成するセンサごとに、サービスロボットの可動部の制御内容とこの制御内容の実施条件であるセンサ値範囲との対応関係を少なくとも一つ記憶しておく。そして、センサアレイを構成する複数のセンサを順番に繰り返しモニタして、モニタ対象センサの実施条件のなかから、このモニタ対象センサのセンサ値を含む実施条件を検出し、この実施条件に対応付けられている制御内容に従ってサービスロボットの可動部を制御する。
【0009】
例えば、本発明は、制御命令に従い動作する可動部を少なくとも一つ備えたサービスロボットであって、
少なくとも一種類のセンサを複数備えて構成されたセンサアレイ手段と、
前記センサアレイ手段を構成するセンサごとに、前記可動部に対する制御内容および当該制御内容の実施条件であるセンサ値範囲が対応付けられて少なくとも一組記憶された条件記憶手段と、
前記センサアレイ手段を構成する各センサのセンサ値を順番に繰り返し取得し、当該センサ値の取得対象センサについて、当該センサ値を含む実施条件に対応付けられている制御内容を、前記条件記憶手段から逐次検出する制御内容検出手段と、
前記制御内容検出手段により制御内容が検出される度に、当該制御内容に従い前記可動部の動作を制御する制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、センサアレイを構成するセンサを順番に繰り返しモニタし、その都度、モニタ対象センサのセンサ値に応じた制御内容に従いサービスロボットの可動部を制御するので、センサアレイを構成するセンサのうちのいずれかが周囲の状況変化(例えば人の移動、増減)によってセンサ値を変化させることにより、サービスロボットの動作を自動的に変えることができる。また、センサアレイを構成するセンサのそれぞれに、実施条件(センサ値範囲)と制御内容とを少なくとも一組対応付けているので、センサアレイの出力に対して多様な制御内容の組み合わせを実現できる。このため、本発明は、高い処理能力を必要とせずに多様な行動を自律的かつインタラクティブに取ることが可能なサービスロボットの制御技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る腕付きトルソ型サービスロボット1の概略構成図である。
【図2】図2は、条件記憶部83の登録内容例を模式的に表した図である。
【図3】図3は、モーションプログラム記憶部84の登録内容を模式的に表した図である。
【図4】図4は、腕付きトルソ型サービスロボット1の動作制御を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る腕付きトルソ型サービスロボット1の概略構成図である。
【0014】
図示するように、本実施の形態に係る腕付きトルソ型サービスロボット1は、人間の胴体の形状を模し、筺体としても機能する胴体部2と、人間の腕の形状を模し、胴体部2の両肩に取り付けられた左右の腕部3a、3b(以下、単に腕部3とも呼ぶ)と、胴体部2を下から支えるように胴体部2の片方の腿付根に取り付けられたピラー4と、ピラー4の軸心回りに胴体部2を回転させるモータ5と、腕部3の関節部分(肩、肘)に設けられた可動部6a〜6d(以下、単に可動部6とも呼ぶ)と、ピラー4に取り付けられたセンサアレイ7と、胴体部2に内蔵された制御盤8および電源盤9と、を備えている。
【0015】
腕部3は、上腕を模した上腕リンク部と、下腕を模した下腕リンク部とを有しており、可動部6は、上腕リンク部と腕リンク部との間、および、上腕リンク部と胴体部2の肩との間を連結しており、それぞれ、互いの回転軸が所定の角度で交差(例えば直交)するように配置された2つのモータ61、62を備えている。これらのモータ61、62により、可動部6が設けられた関節部分の2自由度の回転運動を実現する。なお、ここでは、肩、肘に相当する関節部分に可動部6を設けているが、手首、指関節等のその他の関節部分に、それぞれの関節部分の動きに適した自由度の可動部6を設けてもよい。
【0016】
センサアレイ7は、それぞれの測定方向を異ならせて配列された複数の赤外線測距センサ71a〜71cを備えている。ここでは、3つの赤外線測距センサ71a〜71cを用いているが、2つあるいは4つ以上の赤外線測距センサを用いてセンサアレイ7を構成するようにしてもよい。
【0017】
制御盤8は、センサアレイ7の出力に基づいて、モータ5および各可動部6を構成するモータ61、62の動きを制御する。図示するように、制御盤8は、センサアレイインターフェース(IF)部81と、モータインターフェース(IF)部82と、条件記憶部83と、モーションプログラム(PG)記憶部84と、モーションID検出部85と、モーション制御部86と、を備えている。
【0018】
センサアレイインターフェース部81は、図示していない信号線もしくは無線により、センサアレイ7を構成する各赤外線測距センサ71a〜71cからセンサ値を取得する。
【0019】
モータインターフェース部82は、図示していない信号線もしくは無線により、各モータ5、61、62に対して制御命令を指示する。
【0020】
条件記憶部83には、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71c各々について、各モータ5、61、62に対する制御内容(回転角度等)とこの制御内容の実施条件(センサ値範囲)との対応関係が少なくとも一つ記憶されている。
【0021】
図2は、条件記憶部83の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、条件記憶部83には、赤外線測距センサ71a〜71cおよび実施条件の組み合わせごとにレコード830が記憶されている。レコード830は、レコード830の識別情報であるレコードIDが登録されたフィールド831と、赤外線測距センサ71a〜71cの識別番号であるセンサIDが登録されたフィールド832と、実施条件(センサ値範囲)が登録されたフィールド833と、後述するモーションプログラムの識別情報であるモーションIDが登録されたフィールド834と、を有する。フィールド833は、実施条件の下限値が登録されたサブフィールド8331と、実施条件の上限値が登録されたサブフィールド8332と、を有する。
【0022】
なお、図2に示す例では、複数の実施条件に対して、同じ実施条件ごとに、赤外線測距センサ71a〜71cが所定の順番で並ぶように、レコード830を条件記憶部83に記憶している。すなわち、実施条件のフィールド833(具体的にはサブフィール8331、8332)に同じ値が登録されている複数のレコード830が、フィールド832に登録されているセンサIDが例えば「ADC−0」、「ADC−1」、「ADC−2」の順番でソートされて、まとまって記憶されている。しかし、レコード830の記憶順は、この順番に限定されるものではなく、ユーザが任意に設定可能である。
【0023】
モーションプログラム記憶部84にはモーションプログラムが記憶されている。図3は、モーションプログラム記憶部84の登録内容例を模式的に表した図である。図示するように、モーションプログラム記憶部84には、モーションIDごとにレコード840が記憶されている。レコード840は、モーションIDが登録されたフィールド841と、モーションプログラムが登録されたフィールド842と、を有する。ここで、モーションプログラムとは、腕付きトルソ型サービスロボット1に所望の行動をさせるための、各モータ5、61、62に対する制御内容が記述された制御プログラムである。
【0024】
モーションID検出部85は、センサアレイインターフェース部81を介して、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71cから所定の順番にセンサ値を繰り返し取得する。そして、センサ値を取得する度に、条件記憶部83を参照して、取得元の赤外線測距センサ71a〜71cおよび取得したセンサ値を含む実施条件に対応付けられているモーションIDを検出する。
【0025】
モーション制御部86は、モーションID検出部85によりモーションIDが検出される度に、検出されたモーションIDに対応付けられてモーションプログラム記憶部84に記憶されているモーションプログラムを実行して、モータインターフェース部82を介して各モータ5、61、62に、必要に応じて制御命令を指示する。
【0026】
電源盤9は、図示していない電源ケーブルを介して、モータ5、各可動部6のモータ61、62、センサアレイ7、および制御盤8に、外部電源からの受電電力、もしくは内蔵バッテリの蓄電電力を駆動電力として供給する。
【0027】
図4は、腕付きトルソ型サービスロボット1の動作制御を説明するためのフロー図である。
【0028】
まず、モーションID検出部85は、条件記憶部83において最初に記憶されているレコード830(図2において、レコードID「001」のレコード830)を選択する(S10)。そして、センサアレイインターフェース部81を介して、選択したレコード830のフィールド832に登録されているセンサIDにより特定される赤外線測距センサ71a〜71cをモニタして、この赤外線測距センサ71a〜71cのセンサ値を取得する(S11)。
【0029】
つぎに、モーションID検出部85は、選択したレコード830のフィールド833に登録されている実施条件を参照し、取得したセンサ値がこの実施条件に該当するか否か、具体的には、取得したセンサ値がサブフィールド8331、8332に登録されている実施条件の下限値と上限値との間に含まれているか否かを調べる(S12)。取得したセンサ値が実施条件に該当しない場合は(S12でNO)、S15に進む。
【0030】
一方、取得したセンサ値が実施条件に該当する場合(S12でYES)、モーションID検出部85は、選択したレコード830のフィールド834に登録されているモーションIDを、検出結果としてモーション制御部86に渡す。これを受けて、モーション制御部86は、このモーションIDがフィールド841に登録されているレコード840をモーションプログラム記憶部84から検索する。そして、検索したレコード840のフィールド842に登録されているモーションプログラムを読み出して実行し、モータインターフェース部82を介して各モータ5、61、62に、必要に応じて、腕付きトルソ型サービスロボット1に所定の行動をさせるための制御命令を指示する(S14)。その後、S15に進む。
【0031】
S15において、モーションID検出部85は、選択したレコード830が条件記憶部83において最後に記憶されているレコード830であるか否かを判断する。最後に記憶されているレコード830であるならば(S15でYES)、S10に戻る。一方、最後に記憶されているレコード830でないならば(S15でNO)、条件記憶部83において、選択したレコード830の次に記憶されているレコード830を新たに選択し(S16)、それから、S11に戻る。
【0032】
なお、S15でYESの場合に、ユーザの指示、所定のタイムアウト時間の経過、このフローの実行回数を示すカウンタ値の所定値へ到達等の所定の終了イベントが発生しているか否かを判断し、発生しているならば、このフローを終了させるようにしてもよい。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を説明した。
【0034】
本実施の形態では、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71cごとに、モーションプログラムとこのモーションプログラムの実施条件であるセンサ値範囲との対応関係を少なくとも一つ記憶している。そして、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71cのセンサ値を所定の順番で繰り返し取得して、取得元の赤外線測距センサ71a〜71cの実施条件のなかから、取得したセンサ値を含む実施条件を検出し、この実施条件に対応付けられているモーションプログラムを実行する。これにより、各モータ5、61、62を制御し、腕付きトルソ型サービスロボット1に、自動的に、センサアレイ7の出力に応じた行動をさせる。
【0035】
このため、赤外線測距センサ71a〜71cのいずれかが、周囲の状況変化(例えば人の移動、増減)によってセンサ値を変化させることにより、腕付きトルソ型サービスロボット1の行動を変えることができる。また、センサアレイ7を構成する赤外線測距センサ71a〜71cのそれぞれに、実施条件(センサ値範囲)とモーションプログラムとを少なくとも一つ対応付けているので、センサアレイ7の出力に対して、腕付きトルソ型サービスロボット1に取らせるポーズの多様な組み合わせを実現できる。
【0036】
このように本実施の形態によれば、複数種類の認識処理の実行、および、高度な行動選択メカニズムの採用を伴わないため、高い処理能力を必要とせず、かつ安価な構成で多様な行動を自律的かつインタラクティブに取ることが可能な腕付きトルソ型サービスロボット1の制御技術を提供できる。
【0037】
また、本実施の形態では、それぞれ測定方向を異ならせて配列された複数の赤外線測距センサ71a〜71cを用いてセンサアレイ7を構成しているので、センサアレイ7から、周囲の状況変化(例えば人の移動、人数の増減による空間構成の変化)に応じた様々な値(赤外線測距センサ71a〜71cのセンサ値の組み合わせ)が出力される。これにより、例えば、利用者が予測できない様々な動き等、周囲の状況変化に応じて変化する動きを腕付きトルソ型サービスロボット1に行わせることが可能となる。
【0038】
また、本実施の形態では、条件記憶部83に、センサID、実施条件、およびモーションIDを登録したレコード830が実施条件単位で所定のセンサIDの順番で並ぶように記憶されている。モーションID検出部85は、条件記憶部83から順番にレコード830を選択し、レコード830を選択するごとに、選択したレコード830に登録されているセンサIDに対応する赤外線測距センサ71a〜71cのセンサ値を取得して、このセンサ値が、選択したレコード830に登録されている実施条件に含まれているか否か判断する。そして、センサ値が、選択したレコード830に登録されている実施条件に含まれているならば、選択したレコード830のモーションIDを検出する。モーション制御部86は、モーションIDが検出される度に、このモーションIDにより特定されるモーションプログラムを実行する。このため、条件記憶部83から順番にレコード830を読み出し、読み出したレコード830に基づく処理を行うという簡単な処理の繰り返しで、腕付きトルソ型サービスロボット1に多様な行動を取らせることができる。ここで、選択したレコード830の実施条件に含まれるか否かの判断対象となるセンサ値を、条件記憶部83における、実施条件ごとのセンサID登録順と同じ順番で赤外線測距離センサ71a〜71cから取得すれば、選択したレコード830の実施条件に含まれるか否かの判断対象となるセンサ値を取得すべき赤外線測距離センサ71a〜71cを特定するための処理が不要となるため、処理速度が向上し、周囲の状況変化に対する腕付きトルソ型サービスロボット1の追従性をよくことができる。
【0039】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0040】
例えば、上記の実施の形態では、複数の赤外線測距センサ71a〜71cを用いてセンサアレイ7を構成したが、センサアレイ7は少なくとも一種類のセンサを複数用いて構成したものであればよい。例えば、測距センサ、温度センサ、湿度センサ、光センサ、音センサ、超音波センサ、放射線センサ等の複数種類のセンサを混在させてセンサアレイを構成してもよい。
【0041】
また、上記の実施の形態では、可動部6を2つのモータ61、62を用いて構成したが、モータを含む少なくとも一つのアクチュエータを用いて可動部6を構成してもよい。
【0042】
また、上記の実施の形態において、図1に示す制御盤8の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD等の補助記憶装置、およびNIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを備えた汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することで実現されるものでもよい。
【0043】
また、上記の実施の形態では、ピラータイプの腕付きトルソ型サービスロボット1に本発明を適用した場合を説明したが、本発明は、ピラータイプに限らず、吊り下げタイプのトルソ型サービスロボットにも適用可能である。また、本発明は、腕付きトルソ型サービスロボット1に限らず、マネキン等のその他の人型サービスロボット、および動物型サービスロボット等、少なくとも一つの可動部を備えた様々な外観のロボットにも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1:腕付きトルソ型サービスロボット、2:胴体部、3、3a、3b:腕部、4:ピラー、5:モータ、6、6a〜6d:可動部、7:センサアレイ、8:制御盤、9:電源盤、61、62:モータ、71a〜71c:赤外線測距センサ、81:センサアレイインターフェース部、82:モータインターフェース部、83:条件記憶部、84:モーションプログラム記憶部、85:モーションID検出部、86:モーション制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御命令に従い動作する可動部を少なくとも一つ備えたサービスロボットであって、
少なくとも一種類のセンサを複数備えて構成されたセンサアレイ手段と、
前記センサアレイ手段を構成するセンサごとに、前記可動部に対する制御内容および当該制御内容の実施条件であるセンサ値範囲が対応付けられて少なくとも一組記憶された条件記憶手段と、
前記センサアレイ手段を構成する各センサのセンサ値を順番に繰り返し取得し、当該センサ値の取得対象センサについて、当該センサ値を含む実施条件に対応付けられている制御内容を、前記条件記憶手段から逐次検出する制御内容検出手段と、
前記制御内容検出手段により制御内容が検出される度に、当該制御内容に従い前記可動部の動作を制御する制御手段と、を有する
ことを特徴とするサービスロボット。
【請求項2】
請求項1に記載のサービスロボットであって、
前記センサアレイ手段は、
それぞれ測定方向を異ならせて配列された複数の測距センサであり、
前記条件記憶手段には、
前記センサの識別情報であるセンサID、前記実施条件、および前記制御内容の識別情報である制御IDを登録したレコードが、前記実施条件ごとに、前記センサIDに付与された順番の並びとなるように記憶されており、
前記制御内容検出手段は、
前記条件記憶手段に記憶されている複数のレコードに対して順番に、
前記レコードに登録されている前記センサIDに対応するセンサのセンサ値を取得し、当該取得したセンサ値が当該レコードの前記実施条件に含まれているならば、当該レコードの前記制御IDを検出する処理を繰り返し実行し、
前記制御手段は、
前記制御内容検出手段により前記制御IDが検出される度に、当該制御IDにより特定される制御内容を実現するための制御プログラムを実行する
ことを特徴とするサービスロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−94923(P2013−94923A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241884(P2011−241884)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(511267871)有限会社杉浦機械設計事務所 (1)
【Fターム(参考)】