説明

サーボ情報記録装置及びサーボ情報記録方法

【課題】 簡易な構成を有して低コストで、且つ高い信頼性を有してサーボ情報をディスク媒体に書き込むことができるサーボ情報記録装置及びサーボ情報記録方法を提供する。
【解決手段】 所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、ヘッドの揺動軸を、前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が1.35以上となる位置に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置のヘッドをディスク媒体のトラックへ位置決めする為のサーボ情報をディスク媒体に記録するサーボ情報記録装置(Servo Track Writer(以下STWと記す))及びサーボ情報記録方法に関するものである。なお、本明細書においては、回転量が360度よりも小さい範囲での回転動を揺動という言葉を用いて表現している。
【背景技術】
【0002】
従来から知られる一般的なSTWは、記録媒体である磁気ディスクと、ヘッドを駆動するアクチュエータ(ヘッド駆動部)との配置関係が、その磁気ディスクが使用されることとなる磁気ディスク装置と同じになるように構成されている。
【0003】
かかる従来のSTWにおいては、磁気ディスクのサーボ情報書き込み領域における半径方向の内側と外側との少なくともいずれか一方において、ヘッドの揺動(回転)半径方向とディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(大きさ)であるYAW角が理想的な値よりも大きくなっている。また、YAW角が書き込み領域における半径方向の内側と外側とで大きく異なっている。
【0004】
これは、磁気ディスクのサーボ情報書き込み領域における半径方向の内側と外側との間において、揺動するヘッドの軌跡がこれら内側と外側に交差する二つの位置を結ぶ線分の方向が磁気ディスクの半径方向と大きくずれることによる。
【0005】
かかる従来のSTWによる書き込み動作は次のように行われる。まず、制御部は、アクチュエータのディスク媒体のR位置に対応したサーボ情報を一周分作成し、それをディスク媒体のある一定の基準位相(回転周期毎に同一タイミング)で書き始める。
【0006】
この場合、基準位相は全てのトラックに対し一定である。そして、一周分の書き込みが終了すると、アクチュエータを隣のトラックへ移動し、同じ動作を繰り返す。
【0007】
なお、本発明の関連技術として、スタックされた複数枚の磁気ディスクの記憶面を複数の同心円の環状記憶領域に区分すると共に、アーム長さの異なる二つの磁気ヘッドを用意して、内周側記録領域は外周側記録領域よりも長いアームを用いるように磁気ヘッドを切り替えるようにした技術が知られる(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−208411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の一般的に知られるSTWでは、磁気ディスクの書き込み領域(ZONE)の半径内側と外側のいずれか一方で、YAW角が理想値よりも大きくなる。その結果、ヘッドのYAW角に依存するサイドイレーズがいずれか一方で顕著となり、サイドイレーズによるサーボ情報のレベルダウンが発生する。例えば、磁気ディスクの半径内側から書き始めた場合は、サーボ情報の書き終わりエリア(半径外側)で顕著となり、その反対に半径外側から書き始めた場合は、インナ(半径内側)で顕著となる。
【0009】
また、STWのサーボ情報の書き込み領域は、磁気ディスク装置で用いられる領域より、部品公差及びディスク偏心分広い為、該領域両端におけるSTWのヘッドのYAW角もその分大きくなり、浮上マージンが磁気ディスク装置に比べ小さくなり、サーボ情報のサイドイレーズ等が発生しやすく、その情報品質が低下する。
【0010】
さらに、STWでは、磁気ディスクに記録するサーボ情報(ヘッド)の軌跡を磁気ディスク装置のヘッドの揺動軌跡に合わせる為に、ディスク回転中心とピボット(揺動軸)間の距離及びピボットとヘッド間距離を磁気ディスク装置のそれらに合わせている。この為、これらの位置構成が異なる磁気ディスク装置の新たな製造に際しては、専用のSTW及びそのアクチュエータ組立設備が必要となりコストが大きくなる。
【0011】
さらに、上述の特許文献1に記載された技術では、アーム長の異なるヘッドを複数用意しなければならないため、装置が大型化、複雑化すると共に、やはりコストが大きくなる。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構成を有して低コストで、且つ高い信頼性を有してサーボ情報をディスク媒体に書き込むことができるサーボ情報記録装置及びサーボ情報記録方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明は、ディスク媒体にサーボ情報を書き込むサーボ情報記録装置であって、所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、前記ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、前記ヘッドの揺動軸が、前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が約1.35以上となる位置に設けられているものである。
【0014】
また、本発明のサーボ情報記録装置において、前記制御部は前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、ディスク媒体にサーボ情報を書き込むサーボ情報記録装置であって、所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、前記ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、前記ヘッドの揺動軸は、前記ヘッドの回転半径方向と前記ディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが、前記所定の領域における半径方向の外側と内側とで、磁気ディスク装置の前記角度(YAW角)の大きさに対して共に小さくなる位置に設けられているものである。
【0016】
また、本発明のサーボ情報記録装置は、磁気ディスク装置に使用される磁気ディスクに予めサーボ情報を書き込む単板サーボ情報記録装置であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、所定の揺動軸を中心としてヘッドを揺動可能に支持し、前記ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させながら、所定の位相間隔でサーボ情報を書き込むサーボ情報記録方法であって、前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が1.15〜1.25となる位置に前記ピボットを設け、前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始するようにしたものである。
【0018】
また、本発明は、所定の揺動軸を中心としてヘッドを揺動可能に支持し、前記ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させながら、所定の位相間隔でサーボ情報を書き込むサーボ情報記録方法であって、
前記ヘッドの回転半径方向と前記ディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが前記所定の領域における半径方向の外側と内側とで、磁気ディスク装置の前記角度(YAW角)の大きさに対して共に小さくなる位置に前記ヘッドの所定の揺動軸を設け、前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始するようにしたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、簡易な構成を有して低コストで、且つ高い信頼性を有してサーボ情報をディスク媒体に書き込むことができるサーボ情報記録装置及びサーボ情報記録方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1を示す概略平面図、図2は本発明の実施の形態1を示す概略側面図、図3は制御ブロック図である。
【0021】
本実施の形態におけるサーボ情報記録装置は、図示しない磁気ディスク装置において使用される磁気ディスクに予め、該磁気ディスク装置とは異なる専用のサーボ情報記録装置(サーボ情報書き込み装置)によりサーボ情報を記録(書き込む)装置である単板STWについて説明する。この単板STWは、円盤状の磁気ディスク1に対して、所定の揺動軸としてピボット2により揺動可能に支持されたヘッド3と、このヘッド3を磁気ディスク1の半径方向の所定の領域内(サーボ情報書き込み領域1a)において揺動させるアクチュエータ(ヘッド駆動部)4と、磁気ディスク1を回転させるスピンドルモータ5と、アクチュエータ4の駆動位置及びスピンドルモータの回転位相情報をそれぞれ取得する非接触の位置センサ6および位相センサ7と、これらセンサ6,7からの情報に基づいて、アクチュエータ4を駆動制御すると共に、サーボ情報を生成して書き込む制御部8とを備える。なお、図1において、1bはサーボ情報の書き込み位置を示している。
【0022】
以上の構成において、ヘッド3の揺動軸となるピボット2の位置は、図1に示されるように、磁気ディスクの外周の半径をR、磁気ディスク1の中心とピボット2の距離をPとしたとき、P/Rの値が約1.25〜約2.0の間の値をとるように定められ、ここでは1.43となる位置に設けられている。なお、P/Rの範囲として約1.35以上約2.0以下の範囲が装置の構成上適用可能な有効範囲である。
【0023】
さらに、ピボット2の位置は、図4にSで示す位置(領域)に設けられる。このピボット2の位置は、ヘッド3の回転半径方向と磁気ディスク1の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが、サーボ情報の書き込み領域1aにおける磁気ディスクの半径方向の外側Aと内側Bとで、磁気ディスク装置のYAW角(磁気ディスク装置におけるヘッドの回転半径方向と磁気ディスクの回転円周方向とのなす角度)に対して共に小さくなるような領域である。なお、図4において、PDは磁気ディスク装置におけるヘッドの揺動軸(ピボット)の位置を示している。これにより、本実施の形態における単板STWのヘッドの軌跡HSと磁気ディスク装置のヘッドの軌跡HDは、図5に示すようになる。
【0024】
そして、制御部8は、後述するように、磁気ディスク1のサーボ情報書き込み領域1a内に形成される全てのトラックそれぞれに対し、磁気ディスク1の回転周方向における所定の基準位相位置から所定の位相量(図5のHSとHDの位相差)だけオフセットさせた位置よりサーボ情報の書き込みを開始する。
【0025】
図6は制御部の動作を示すフローチャートを示している。まずアクチュエータの磁気ディスクの半径方向位置(トラック形成位置)を位置センサ6により取得すると(S1,Y)、この位置に対応したサーボ情報のトラック一周分を作成する(S2)。
【0026】
そして、作成したサーボ情報をそのトラックに対して、その基準位相位置から所定のオフセット量を持たせて書き込みを開始する((S3,Y),(S4))。ここで、所定のオフセット量とは、磁気ディスク1(ディスク媒体)の回転周方向における所定の基準位相に対して、本実施の形態で説明しているサーボ情報記録装置のヘッド3と、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク1が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分(図5に示したヘッド軌跡HSとHDの位相ズレ量)に対応している。
【0027】
このオフセット量は、例えば磁気ディスク1のトラックに対応させて、制御部8が有するテーブルに予め記録させておき、ステップS3の動作において制御部8はこのテーブルからオフセット量を読み取ることで取得されるようにする。制御部8は磁気ディスク1の回転位相がそのオフセット量に到達した時点で書き込みを開始する。
【0028】
制御部8は、トラック一周分の書き込みが終了すると(S5,Y)、書き込み領域が終了していない場合は(S6,N)、アクチュエータ4により隣のトラックに移動させ(S7)、ステップS1に戻る。書き込み領域を終了した場合は(S6,Y)、処理を終了する。
【0029】
本実施の形態によれば、例えば、磁気ディスク装置のアクチュエータに対して、上述したR(磁気ディスクの外周の半径)、P(磁気ディスクの中心とピボットの距離)との関係を満たすアクチュエータを、単板STWで用いることができる。そして、それによれば下記効果を奏することができる。
【0030】
(1)サーボ情報書き終わりエリアでのSTW用ヘッドのYAW角が小さくなり、サイドイレーズによるレベルダウンが小さくなる。
(2)単板STWのサーボ情報書込み領域(ZONE)両端(外側縁と内側縁)におけるSTW用ヘッドのYAW角が小さくなり、STW用ヘッドの浮上マージンが大きくなる。
(3)磁気ディスク装置の小径化に対して、上述した関係を満たす全ての既存のアクチュエータを使用することができ、新たな設備投資が不要となり、コスト低減を図れる。
(4)ディスク媒体の基準位相に対し、トラックに対応した所定のオフセット量を持たせてサーボ情報の書き込みを行うことにより、本発明の実施の形態のサーボ情報記録装置でサーボ情報が記録されたディスク媒体を従来の磁気ディスク装置に使用した場合に、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレに伴うシーク動作を磁気ディスク装置で行う必要が無くなり、磁気ディスク装置での書き込み、読み取り動作を効率的に行うことができる。
【0031】
なお、本実施の形態において上述したオフセット量は、サーボ情報記録装置のヘッド3と、磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量に基づいて、全てのトラックにおいて設定するようにしても良いし、一部のみに設定するようにしても良い。更には、上記(4)の動作の効率化を無視すれば、オフセット量は設定せず、同一の基準位相で各トラックへのサーボ情報の書き込みを開始するようにしても良い。
【0032】
また、本実施の形態においては、ディスク媒体を磁気ディスクの場合について説明したが、光ディスクなど、揺動するヘッドを用いてサーボ情報を書き込むディスク媒体であればどのような記録媒体にも適用し得ることも言うまでもない。
【0033】
(付記1) ディスク媒体にサーボ情報を書き込むサーボ情報記録装置であって、
所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、
前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、
前記ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、
前記ヘッドの揺動軸が、前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が約1.35以上となる位置に設けられているサーボ情報記録装置。
(付記2) 付記1に記載のサーボ情報記録装置において、
前記制御部は、前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始することを特徴とするサーボ情報記録装置。
(付記3)ディスク媒体にサーボ情報を書き込むサーボ情報記録装置であって、
所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、
前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、
前記ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、
前記ヘッドの揺動軸は、前記ヘッドの回転半径方向と前記ディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが、前記所定の領域における半径方向の外側と内側とで、磁気ディスク装置の前記角度(YAW角)の大きさに対して共に小さくなる位置に設けられているサーボ情報記録装置。
(付記4) 付記3に記載のサーボ情報記録装置において、
前記制御部は、前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始することを特徴とするサーボ情報記録装置。
(付記5) 付記1に記載のサーボ情報記録装置において、
磁気ディスク装置に使用される磁気ディスクに予めサーボ情報を書き込む単板サーボ情報記録装置であることを特徴とするサーボ情報記録装置。
(付記6) 所定の揺動軸を中心としてヘッドを揺動可能に支持し、前記ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させながら、所定の位相間隔でサーボ情報を書き込むサーボ情報記録方法であって、
前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が約1.35以上となる位置に前記ピボットを設け、
前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始するようにしたサーボ情報記録方法。
(付記7) 所定の揺動軸を中心としてヘッドを揺動可能に支持し、前記ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させながら、所定の位相間隔でサーボ情報を書き込むサーボ情報記録方法であって、
前記ヘッドの回転半径方向と前記ディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが前記所定の領域における半径方向の外側と内側とで、磁気ディスク装置の前記角度(YAW角)の大きさに対して共に小さくなる位置に前記ヘッドの所定の揺動軸を設け、
前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始するようにしたサーボ情報記録方法。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1を示す概略平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1を示す概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す制御ブロック図である。
【図4】本実施の形態における単板STWにおけるピボットの位置を磁気ディスク装置のピボットとの関係で示す図である。
【図5】本実施の形態における単板STWにおけるヘッドの軌跡を磁気ディスク装置のヘッドの軌跡と比較して示す図である。
【図6】実施の形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
1 磁気ディスク、2 ピボット、3 ヘッド、4 アクチュエータ(ヘッド駆動部)、5 スピンドルモータ、6 位置センサ、7 位相センサ、8 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク媒体にサーボ情報を書き込むサーボ情報記録装置であって、
所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、
前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、
前記ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、
前記ヘッドの揺動軸が、前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が1.35以上となる位置に設けられているサーボ情報記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーボ情報記録装置において、
前記制御部は、前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始することを特徴とするサーボ情報記録装置。
【請求項3】
ディスク媒体にサーボ情報を書き込むサーボ情報記録装置であって、
所定の揺動軸に対して揺動可能に支持されたヘッドと、
前記ヘッドを前記ディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させるヘッド駆動部と、
前記ヘッド駆動部を制御すると共に、サーボ情報を前記ディスク媒体のトラックに書き込む制御部とを備え、
前記ヘッドの揺動軸は、前記ヘッドの回転半径方向と前記ディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが、前記所定の領域における半径方向の外側と内側とで、磁気ディスク装置の前記角度(YAW角)の大きさに対して共に小さくなる位置に設けられているサーボ情報記録装置。
【請求項4】
所定の揺動軸を中心としてヘッドを揺動可能に支持し、前記ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させながら、所定の位相間隔でサーボ情報を書き込むサーボ情報記録方法であって、
前記ディスク媒体の外周の半径をR、前記ディス媒体中心と前記ピボットの距離をPとしたとき、P/Rの値が1.35以上となる位置に前記ピボットを設け、
前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始するようにしたサーボ情報記録方法。
【請求項5】
所定の揺動軸を中心としてヘッドを揺動可能に支持し、前記ヘッドをディスク媒体の半径方向の所定の領域内において揺動させながら、所定の位相間隔でサーボ情報を書き込むサーボ情報記録方法であって、
前記ヘッドの回転半径方向と前記ディスク媒体の回転円周方向とのなす角度(YAW角)の大きさが前記所定の領域における半径方向の外側と内側とで、磁気ディスク装置の前記角度(YAW角)の大きさに対して共に小さくなる位置に前記ヘッドの所定の揺動軸を設け、
前記ディスク媒体の回転周方向における所定の基準位相に対して、該サーボ情報記録装置のヘッドと、該サーボ情報記録装置によってサーボ情報が書込まれたディスク媒体が用いられる磁気ディスク装置のヘッドとの軌跡位相ズレ量分をオフセットさせて、前記トラックにサーボ情報の書き込みを開始するようにしたサーボ情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−47217(P2008−47217A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221965(P2006−221965)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】