サーマルプリンタ及びその制御方法
【課題】 温度検知するための構成を簡単にして、サーマルヘッドおよび用紙搬送モータの発熱を押さえることのできるサーマルプリンタを得る。
【解決手段】 用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータとを備えるサーマルプリンタにおいて、一つの温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御する。
【解決手段】 用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータとを備えるサーマルプリンタにおいて、一つの温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーマルプリンタ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のサーマルプリンタ及びその制御方法としては、サーマルヘッドユニットと用紙搬送モータが発熱体であるので、これらの発熱体が加熱して焼損することを防止するために、サーマルヘッドユニットと用紙搬送モータのそれぞれに温度検知手段を取り付け、これらの温度検知手段からの出力を制御回路によって監視して、サーマルヘッドユニットと用紙搬送モータの各温度がそれぞれの許容値を越えないように通電を禁止するように構成されていた。
【0003】
以下、従来例につき図面を参照して説明する。
図10は、特許文献1に開示されている第1従来例の全体構成を示すブロック図である。図11は、特許文献2に開示されている第2従来例のラベルプリンタのシステム構成を示すブロック図である。図12は、特許文献3に開示されている第3従来例のラインサーマルプリンタのブロック図である。図13は、特許文献4に開示されている第4従来例の一部回路図である。図14は、我々の知見による第5従来例のサーマルプリンタにおける用紙搬送モータとサーマルヘッドユニットの状態を示す説明図である。
【0004】
まず、図10を用いて特許文献1に開示されている第1従来例について説明する。
サーマルヘッドの温度が変動すると、そのことを表す情報が温度制御回路でデジタル信号に変換され、さらに環境温度情報と加算処理されて、モータ制御回路内部の発振回路へ送られる。そして、この発振回路から送られる信号は、モータの回転の基準信号であり、この基準信号に連動してモータの回転速度が変わる。すなわち、サーマルヘッドの温度が変化するにつれて、モータの速度が変更される。さらに、装置内部の環境温度が変化すると、上記のサーマルヘッドの温度変化と同様にモータの回転速度も変更される。さらに、システムコントローラからの情報も温度検知回路内部で加算されるため、システムコントローラから、必要なモータの速度変化を温度変化分に加えて行うことができるとしている。
【0005】
次に、図11を用いて特許文献2に開示されている第2従来例について説明する。
印字ヘッドに供給する電源を制御する電源部の温度を温度センサで掲出する。そして、この温度センサで検知された温度に対応したインターバル時間を記憶手段より読み出して、そのインターバル時間でラベルを発行させるようにしている。このようにして、電源部の温度が上昇した場合には、ラベル発行のインターバル時間を長くし、電源部の熱的破壊を未然に防止しているとしている。
【0006】
次に、図12を用いて特許文献3に開示されている第3従来例について説明する。
連続印字により用紙フィードモータの温度が上昇した場合、モータのフィードトルクが減少することによって脱調速度領域が広がる。この脱調速度領域の広がりは、フィードモータの温度の最高値で最高となる。フィードモータの温度上昇に応じた脱調速度領域の制御がされない場合には、フィードモータの温度の最高値での脱調速度領域に設定されるため、フィードモータの温度が低い場合には、脱調速度領域が必要以上に広く設定され、モータ速度は減速は減速補正されるため印字速度が低下する。これに対してフィードモータの温度に応じて脱調速度領域を切り換えることによって、必要以上に減速補正するのを防止し、印字速度が低下するのを抑制することができるとしている。
【0007】
次に、図13を用いて特許文献4に開示されている第4従来例について説明する。
サーマルヘッドの温度が上昇するような場合には、CPUにエラーが発生して正常に機能しない場合がある、このような場合にはサーマルヘッドの温度はさらに上昇して電圧Vはさらに低下する。そしてついには電圧Vが参照電圧を下回ると、OPアンプCMPの出力はLレベル(LHERR=L)となる。これがヘッドエラー信号である。この結果2入力ANDゲートGの出力はLレベルとなり、TR1、TR2がオフして、ヘッド駆動電源Vpからサーマルヘッド4へのヘッド駆動電流の供給は遮断される。こうしてCPUの機能が失われていても 、サーマルヘッドの加熱状態を安全な状態に復帰させることができるとしている。
【0008】
次に、図14を用いて我々の知見による第5従来例について説明する。
図示せぬ制御回路に印字指令が来ると、図示せぬ制御回路からの制御により用紙搬送モータ105を駆動し、図示せぬ用紙を搬送すると共に、図示せぬ制御回路からの制御によりサーマルヘッド103bを駆動して図示せぬ用紙にプリントを行う。サーマルヘッド103bと放熱部材103aとによりサーマルヘッドユニット103を構成している。サーマルヘッド103bからの発熱は、放熱部材103aからある程度外気に放散されるが、このようなプリント動作を続けていると、用紙搬送モータ105およびサーマルヘッド103bは逐次温度が上昇し、環境が高温である場合には、ある時点で許容温度を越えて焼損してしまうことがある。一方、用紙搬送モータ105からの発熱は、サーマルヘッドユニット103の放熱部材103aような熱放散部材が取り付けられていないので、温度上昇はサーマルヘッド103bに比べて厳しい状態にある。
【0009】
上述した第1従来例のように、サーマルヘッドの温度と環境温度情報とによりモータの回転速度をコントロールしてサーマルヘッドの更なる温度上昇を抑えたり、第2従来例のように、サーマルヘッドに供給する電源部の温度が上昇した場合にはラベル発行のインターバル時間を長くして電源部の熱的破壊を防止したり、第3従来例のように、用紙搬送モータの温度に応じて脱調速度領域を切り換えることによって、必要以上に減速補正するのを防止し、プリント速度が低下するのを抑制したり、第4従来例のように、サーマルヘッドの温度が許容値を越えて上昇しそうなときにCPUにエラーが発生した場合にTR1、TR2がサーマルヘッド4へのヘッド駆動電流の供給を遮断したりと、サーマルヘッド、電源部、あるいは用紙搬送モータの温度を検知して、それぞれの温度が許容値を超えないように制御していた。
【0010】
また、上述した第5従来例のように、用紙搬送モータ105およびサーマルヘッド103の焼損を防止するために、用紙搬送モータ105およびサーマルヘッド103が許容温度を越えることがないように用紙搬送モータ105にはモータ温度検知手段111、サーマルヘッド103にはヘッド温度検知手段110を取り付け、用紙搬送モータ105の温度が許容温度を越えそうなときにはモータ温度検知手段111から制御回路に対して出力を出し、この出力をうけた制御回路は用紙搬送モータ105への通電を禁止するように構成され、サーマルヘッド103の温度が許容温度を越えそうなときにはヘッド温度検知手段110から制御回路に対して出力を出し、この出力をうけた制御回路はサーマルヘッド103への通電を禁止するように構成されていた。
【特許文献1】特開平5−4371
【特許文献2】特開平8−1985
【特許文献3】特開平11−179991
【特許文献4】特開2001−191577
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、従来のサーマルヘッド、電源部、あるいは用紙搬送モータ等の発熱体の加熱焼損を防止するための温度制御装置としては、それぞれの発熱体に温度検知手段を取り付け、これらの温度検知手段からの出力を制御回路によって監視して、各温度が許容値を越えないように通電を禁止するように構成されていた。従って、それぞれの発熱体に温度検知手段を取り付けているので高価になっていた。
【0012】
本発明の目的は、温度検知するための構成を簡単にして、サーマルヘッドおよび用紙搬送モータの発熱を押さえることのできるサーマルプリンタを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明においては、用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータとを備えるサーマルプリンタにおいて、一つの温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするものである。
【0014】
また、用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータのと間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段を有することを特徴とするものである。
【0015】
また、用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータとの間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、サーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部がサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
また、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの加熱焼損を防止するために許容温度以下に抑えるための第1設定温度と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの駆動を再開させるための第2設定温度を設定したことを特徴とするものである。
【0017】
また、前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように制御することを特徴とするものである。
【0018】
また、前記サーマルヘッドユニットが前記サーマルヘッドと放熱部材を含むことを特徴とするものである。
【0019】
また、前記温度検知手段がサーマルヘッドユニットに配設されていることを特徴とするものである。
【0020】
また、前記熱伝導部材は前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの間の距離の変化に応じて変形することにより常時熱伝導可能に接触していることを特徴とするものである。
【0021】
また、前記熱伝導部材の材質がシリコーンゴムであることを特徴とするものである。
【0022】
また、前記熱伝導部材がアルミニウム合金の板材であることを特徴とするものである。
【0023】
また、前記熱伝導部材が銅合金の板材であることを特徴とするものである。
【0024】
また、用紙にプリントするためのサーマルヘッドと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部が前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするものである。
【0025】
また、前記サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、前記用紙搬送モータと、該用紙搬送モータと前記サーマルヘッドユニットとの間に配設した熱伝導部材と、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記温度検知データに基づいて前記サーマルヘッドユニット及び前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするものである。
【0026】
また、前記制御部は、前記温度検知データが第1設定温度に到達したと判断したときに、前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータの駆動を停止してプリント動作を停止させ、前記温度検知データが前記第1設定温度よりも低い第2設定温度に到達したと判断したときに前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータを駆動してプリント動作を再開させるように制御することを特徴とするものである。
【0027】
また、前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、1個の温度検知手段でサーマルヘッドおよび用紙搬送モータの温度上昇による焼損を防止することができるので、製造コストを廉価に抑えてサーマルヘッドおよび用紙搬送モータの温度上昇による焼損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
用紙に印字を行うサーマルヘッドと、用紙を搬送するプリント用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータとの間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、前記サーマルヘッド及び前記用紙搬送モータの動作を制御する制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御する制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部がサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御するサーマルプリンタ。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第1実施例のサーマルプリンタを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図2は、図1に示すサーマルプリンタの枠体1から歯車カバー4を外した状態を示す説明図である。図3は、図1に示すサーマルプリンタに用紙11を装填した状態を示す説明図である。図4は、図1に示すサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。図5は、検知温度と用紙搬送モータの駆動速度との関係を示すグラフである。図6は、駆動時間と検知温度との関係を示すグラフである。図7は、第2実施例におけるサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。
【0031】
図1、図2、図3、および図4を用いて、本発明の第1実施例のサーマルプリンタの概略の構成について説明する。図1に示すように枠体1には、紙送りローラ7を支持するための紙送りローラホルダ2が、枠体1に着脱自在に取り付けられており、紙送りローラ7に対向して配設されるサーマルヘッド3bと、サーマルヘッド3bが発生する熱を大気中に放散するための放熱部材3aによって構成されているサーマルヘッドユニット3が取り付けられている。また、図2に示すように枠体1には、用紙搬送モータ5の回転駆動力を紙送りローラ7に伝達するための歯車列6が組み付けられ、歯車列6は歯車カバー4によって覆われている。上述したサーマルプリンタには、図3に示すようにして用紙11が装填することによって用紙11にプリントを行う。
【0032】
図4を用いて、本発明における第1実施例のサーマルプリンタにおける温度制御装置の構成について説明する。用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の放熱部材3aとの間には、熱伝導率が高く弾力性がある材質で形成された第1熱伝導部材9aが固着され、用紙搬送モータ5が発生する熱をサーマルヘッドユニット3に伝達するように構成されている。本実施例では、サーマルヘッドユニット3は放熱部材3aとサーマルヘッド3bにより構成されていて、第1熱伝導部材9aは用紙搬送モータ5とサーマルヘッド3bとの間に固着してるが、用紙搬送モータ5と放熱部材3aとの間に固着してもよい。サーマルヘッドユニット3は、各種厚みの用紙11をサーマルヘッド3bに圧接させるために弾性部材により紙送りローラ7に対して押しつけられており、用紙11の厚みによって前後方向に移動するので、用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3との間隔が変動する。従って、第1熱伝導部材9aはこの間隔の変化に追随する必要から弾力性が要求されている。
【0033】
また、サーマルヘッドユニット3を構成しているサーマルヘッド3bには、サーマルヘッド3bが発生する熱と、用紙搬送モータ5が発生する熱とによって、上昇するサーマルヘッド3bの温度を検知して図示せぬ制御回路に伝達するための温度検知手段8が取り付けられている。熱伝導係数が高く弾力性がある材質で形成された第1熱伝導部材9aの一例として低硬度高熱伝導性シリコーンゴムを採用している。低硬度高熱伝導性シリコーンゴムは、熱伝導率が高く難燃性であり、柔らかく粘着性があり密着性がよいので熱伝導部材として適している。因みに、本実施例で採用している低硬度高熱伝導性シリコーンゴムは、熱伝導率が2.5W/m.kであり、硬さが30アスカーCである。本実施例における温度検知手段8は、熱伝対による接触方式の温度検知素子であり、シリコン接着剤によりサーマルヘッドユニット3を構成しているサーマルヘッド3bに取り付けられているが、サーマルヘッドユニット3を構成している放熱部材に取り付けてもよく、用紙搬送モータ5に取り付けてもよい。なお、温度検知手段の取り付け方法は前記接着に限られるものではなく、ねじ等の締結部材を用いて固定する方式でもよい。また、温度検知手段も前記前記接触タイプのサーミスタ熱伝対に限らず、非接触式のサーモパイルでもよい。
【0034】
図5を用いて、第1の制御方法による検知温度と、サーマルヘッド3bの駆動および用紙搬送モータの駆動速度との関係について説明する。温度検知手段8が検知する温度が、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが、許容温度を超えることがないように予め設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動を停止させると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5を停止させる。サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5が停止した状態で放熱により温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の駆動を開始する。因みに、本実施例の第1の制御方法で採用しているサーマルヘッド3bの温度許容値は65°Cであり、用紙搬送モータ5の温度許容値は115°Cとしており、これに対してt1を65°C、t2を60°Cに設定している。
【0035】
図6を用いて、第1の制御方法による駆動時間と検知温度との関係について説明する。上述したように温度検知手段8が検知する温度が、設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させる。サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動停止により温度検知手段8が検知する温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を開始する。サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動の開始に伴って温度検知手段8が検知する温度が上昇して第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路がサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させる。それに伴いサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5は放熱により温度が低下する。このように1個の温度検知手段8で検知したサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度検知データに基づいてサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の動作を制御することにより、部品点数が少なく簡単な構成で、温度検知手段8が検知する温度が設定した第1設定温度t1を越えることがなく、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5の温度が許容温度を超えることがないので、廉価にしてサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の焼損を防止するサーマルプリンタを得ることができる。
【0036】
図7を用いて、第2の制御方法による検知温度と、サーマルヘッド3bの駆動および用紙搬送モータの駆動速度との関係について説明する。温度検知手段8が検知する温度が、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが、許容温度に達する迄の時間を延長させるように予め設定した第3設定温度t3に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5の回転速度を遅くして回転速度v2で回転させる。
【0037】
サーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くすることにより、サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度上昇は緩やかになるが、温度検知手段8が検知する温度がサーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが許容温度を超えることがないように予め設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動を停止させると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5を停止させる。サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5が停止した状態で放熱により温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の駆動を開始する。因みに、本実施例の第2の制御方法で採用しているt1を65°C、t2を60°C、t3を62.5°Cに設定している。
【0038】
図8を用いて、第2の制御方法による駆動時間と検知温度との関係について説明する。上述したように温度検知手段8が検知する温度が設定した第3設定温度t3に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くする。サーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くすることにより、サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度上昇は緩やかになるが、温度検知手段8が検知する温度がサーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが許容温度を超えることがないように予め設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動を停止させると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5を停止させる。
【0039】
上述したように温度検知手段8が検知する温度が設定した第1設定温度t1に達してサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させると、サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動停止により温度検知手段8が検知する温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を開始する。サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動の開始に伴って温度検知手段8が検知する温度が上昇して第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路がサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させる。それに伴いサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5は放熱により温度が低下する。
【0040】
このように、温度検知手段8が検知する温度が設定した第3設定温度t3に達すると、サーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くするので、サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度上昇は緩やかになり許容温度に達するまでの時間が長くなる。従って、プリント処理速度は落ちるが停止することが少なくなるので、オペレータが故障したのかという心配をすることが少なくなり動作しなくなって不便になることもない。また、温度検知手段8が検知する温度が設定した第1設定温度t1を越えることがないので、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5の温度が許容温度を超えることがなく焼損を防止している。
【0041】
図9を用いて、本発明における第2実施例のサーマルプリンタにおける温度制御装置の構成について説明する。用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の放熱部材3aとの間には、熱伝導係数が高く弾力性がある板材を曲げ加工して成形された第2熱伝導部材9bが固着され、用紙搬送モータ5が発生する熱をサーマルヘッドユニット3に伝達するように構成されている。第2熱伝導部材9bも上述した第1熱伝導部材9aと同様の理由で弾力性が要求されている。因みに、本実施例で採用している第2熱伝導部材9bは熱伝導係数が高い板材を曲げ加工した板材であり、アルミニウム合金あるいは銅合金が好ましい。
【0042】
また、サーマルヘッドユニット3には、サーマルヘッド3bが発生する熱と、用紙搬送モータ5が発生する熱とによって、上昇するサーマルヘッドユニット3の温度を検知して図示せぬ制御回路に伝達するための温度検知手段8が取り付けられている。
【0043】
上述したように本発明においては、用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータと前記サーマルヘッドとを備えるサーマルプリンタにおいて、1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御するので、部品点数が少なく組み立て工数も減少するので製造コストを廉価に押さえることができる。また、サーマルヘッド3bだけでなく用紙搬送モータ5の発熱も放熱部材3aによって放熱するので、用紙搬送モータ5の温度上昇を低く抑えることができ、放熱部材3aに接続されていない構成と比較して高温の環境における連続動作時間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る第1実施例のサーマルプリンタを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すサーマルプリンタの枠体1から歯車カバー4を外した状態を示す説明図である。
【図3】図1に示すサーマルプリンタに用紙11を装填した状態を示す説明図である。
【図4】図1に示すサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。
【図5】第1の制御方法による検知温度と用紙搬送モータの回転速度との関係を示すグラフである。
【図6】第1の制御方法によるサーマルプリンタの動作経過時間と検知温度との関係を示すグラフである。
【図7】第2の制御方法による検知温度と用紙搬送モータの回転速度との関係を示すグラフである。
【図8】第2の制御方法によるサーマルプリンタの動作経過時間と検知温度との関係を示すグラフである。
【図9】第2実施例におけるサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。
【図10】第1従来例の全体構成を示すブロック図である。
【図11】第2従来例のラベルプリンタのシステム構成を示すブロック図である。
【図12】第3従来例のラインサーマルプリンタのブロック図である。
【図13】第4従来例の一部回路図である。
【図14】第5従来例のサーマルプリンタにおける用紙搬送モータとサーマルヘッドユニットの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1、101 枠体
2、102 紙送りローラホルダ
3、103 サーマルヘッドユニット
3a、103a 放熱部材
3b、103b サーマルヘッド
4 歯車カバー
5、105 用紙搬送モータ
6 歯車列
7 紙送りローラ
8 温度検知手段
9a 第1熱伝導部材
9b 第2熱伝導部材
110 ヘッド温度検知手段
111 モータ温度検知手段
12 用紙
【技術分野】
【0001】
本発明はサーマルプリンタ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のサーマルプリンタ及びその制御方法としては、サーマルヘッドユニットと用紙搬送モータが発熱体であるので、これらの発熱体が加熱して焼損することを防止するために、サーマルヘッドユニットと用紙搬送モータのそれぞれに温度検知手段を取り付け、これらの温度検知手段からの出力を制御回路によって監視して、サーマルヘッドユニットと用紙搬送モータの各温度がそれぞれの許容値を越えないように通電を禁止するように構成されていた。
【0003】
以下、従来例につき図面を参照して説明する。
図10は、特許文献1に開示されている第1従来例の全体構成を示すブロック図である。図11は、特許文献2に開示されている第2従来例のラベルプリンタのシステム構成を示すブロック図である。図12は、特許文献3に開示されている第3従来例のラインサーマルプリンタのブロック図である。図13は、特許文献4に開示されている第4従来例の一部回路図である。図14は、我々の知見による第5従来例のサーマルプリンタにおける用紙搬送モータとサーマルヘッドユニットの状態を示す説明図である。
【0004】
まず、図10を用いて特許文献1に開示されている第1従来例について説明する。
サーマルヘッドの温度が変動すると、そのことを表す情報が温度制御回路でデジタル信号に変換され、さらに環境温度情報と加算処理されて、モータ制御回路内部の発振回路へ送られる。そして、この発振回路から送られる信号は、モータの回転の基準信号であり、この基準信号に連動してモータの回転速度が変わる。すなわち、サーマルヘッドの温度が変化するにつれて、モータの速度が変更される。さらに、装置内部の環境温度が変化すると、上記のサーマルヘッドの温度変化と同様にモータの回転速度も変更される。さらに、システムコントローラからの情報も温度検知回路内部で加算されるため、システムコントローラから、必要なモータの速度変化を温度変化分に加えて行うことができるとしている。
【0005】
次に、図11を用いて特許文献2に開示されている第2従来例について説明する。
印字ヘッドに供給する電源を制御する電源部の温度を温度センサで掲出する。そして、この温度センサで検知された温度に対応したインターバル時間を記憶手段より読み出して、そのインターバル時間でラベルを発行させるようにしている。このようにして、電源部の温度が上昇した場合には、ラベル発行のインターバル時間を長くし、電源部の熱的破壊を未然に防止しているとしている。
【0006】
次に、図12を用いて特許文献3に開示されている第3従来例について説明する。
連続印字により用紙フィードモータの温度が上昇した場合、モータのフィードトルクが減少することによって脱調速度領域が広がる。この脱調速度領域の広がりは、フィードモータの温度の最高値で最高となる。フィードモータの温度上昇に応じた脱調速度領域の制御がされない場合には、フィードモータの温度の最高値での脱調速度領域に設定されるため、フィードモータの温度が低い場合には、脱調速度領域が必要以上に広く設定され、モータ速度は減速は減速補正されるため印字速度が低下する。これに対してフィードモータの温度に応じて脱調速度領域を切り換えることによって、必要以上に減速補正するのを防止し、印字速度が低下するのを抑制することができるとしている。
【0007】
次に、図13を用いて特許文献4に開示されている第4従来例について説明する。
サーマルヘッドの温度が上昇するような場合には、CPUにエラーが発生して正常に機能しない場合がある、このような場合にはサーマルヘッドの温度はさらに上昇して電圧Vはさらに低下する。そしてついには電圧Vが参照電圧を下回ると、OPアンプCMPの出力はLレベル(LHERR=L)となる。これがヘッドエラー信号である。この結果2入力ANDゲートGの出力はLレベルとなり、TR1、TR2がオフして、ヘッド駆動電源Vpからサーマルヘッド4へのヘッド駆動電流の供給は遮断される。こうしてCPUの機能が失われていても 、サーマルヘッドの加熱状態を安全な状態に復帰させることができるとしている。
【0008】
次に、図14を用いて我々の知見による第5従来例について説明する。
図示せぬ制御回路に印字指令が来ると、図示せぬ制御回路からの制御により用紙搬送モータ105を駆動し、図示せぬ用紙を搬送すると共に、図示せぬ制御回路からの制御によりサーマルヘッド103bを駆動して図示せぬ用紙にプリントを行う。サーマルヘッド103bと放熱部材103aとによりサーマルヘッドユニット103を構成している。サーマルヘッド103bからの発熱は、放熱部材103aからある程度外気に放散されるが、このようなプリント動作を続けていると、用紙搬送モータ105およびサーマルヘッド103bは逐次温度が上昇し、環境が高温である場合には、ある時点で許容温度を越えて焼損してしまうことがある。一方、用紙搬送モータ105からの発熱は、サーマルヘッドユニット103の放熱部材103aような熱放散部材が取り付けられていないので、温度上昇はサーマルヘッド103bに比べて厳しい状態にある。
【0009】
上述した第1従来例のように、サーマルヘッドの温度と環境温度情報とによりモータの回転速度をコントロールしてサーマルヘッドの更なる温度上昇を抑えたり、第2従来例のように、サーマルヘッドに供給する電源部の温度が上昇した場合にはラベル発行のインターバル時間を長くして電源部の熱的破壊を防止したり、第3従来例のように、用紙搬送モータの温度に応じて脱調速度領域を切り換えることによって、必要以上に減速補正するのを防止し、プリント速度が低下するのを抑制したり、第4従来例のように、サーマルヘッドの温度が許容値を越えて上昇しそうなときにCPUにエラーが発生した場合にTR1、TR2がサーマルヘッド4へのヘッド駆動電流の供給を遮断したりと、サーマルヘッド、電源部、あるいは用紙搬送モータの温度を検知して、それぞれの温度が許容値を超えないように制御していた。
【0010】
また、上述した第5従来例のように、用紙搬送モータ105およびサーマルヘッド103の焼損を防止するために、用紙搬送モータ105およびサーマルヘッド103が許容温度を越えることがないように用紙搬送モータ105にはモータ温度検知手段111、サーマルヘッド103にはヘッド温度検知手段110を取り付け、用紙搬送モータ105の温度が許容温度を越えそうなときにはモータ温度検知手段111から制御回路に対して出力を出し、この出力をうけた制御回路は用紙搬送モータ105への通電を禁止するように構成され、サーマルヘッド103の温度が許容温度を越えそうなときにはヘッド温度検知手段110から制御回路に対して出力を出し、この出力をうけた制御回路はサーマルヘッド103への通電を禁止するように構成されていた。
【特許文献1】特開平5−4371
【特許文献2】特開平8−1985
【特許文献3】特開平11−179991
【特許文献4】特開2001−191577
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述したように、従来のサーマルヘッド、電源部、あるいは用紙搬送モータ等の発熱体の加熱焼損を防止するための温度制御装置としては、それぞれの発熱体に温度検知手段を取り付け、これらの温度検知手段からの出力を制御回路によって監視して、各温度が許容値を越えないように通電を禁止するように構成されていた。従って、それぞれの発熱体に温度検知手段を取り付けているので高価になっていた。
【0012】
本発明の目的は、温度検知するための構成を簡単にして、サーマルヘッドおよび用紙搬送モータの発熱を押さえることのできるサーマルプリンタを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明においては、用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータとを備えるサーマルプリンタにおいて、一つの温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするものである。
【0014】
また、用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータのと間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段を有することを特徴とするものである。
【0015】
また、用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータとの間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、サーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部がサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するように構成したことを特徴とするものである。
【0016】
また、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの加熱焼損を防止するために許容温度以下に抑えるための第1設定温度と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの駆動を再開させるための第2設定温度を設定したことを特徴とするものである。
【0017】
また、前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように制御することを特徴とするものである。
【0018】
また、前記サーマルヘッドユニットが前記サーマルヘッドと放熱部材を含むことを特徴とするものである。
【0019】
また、前記温度検知手段がサーマルヘッドユニットに配設されていることを特徴とするものである。
【0020】
また、前記熱伝導部材は前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの間の距離の変化に応じて変形することにより常時熱伝導可能に接触していることを特徴とするものである。
【0021】
また、前記熱伝導部材の材質がシリコーンゴムであることを特徴とするものである。
【0022】
また、前記熱伝導部材がアルミニウム合金の板材であることを特徴とするものである。
【0023】
また、前記熱伝導部材が銅合金の板材であることを特徴とするものである。
【0024】
また、用紙にプリントするためのサーマルヘッドと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部が前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするものである。
【0025】
また、前記サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、前記用紙搬送モータと、該用紙搬送モータと前記サーマルヘッドユニットとの間に配設した熱伝導部材と、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記温度検知データに基づいて前記サーマルヘッドユニット及び前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするものである。
【0026】
また、前記制御部は、前記温度検知データが第1設定温度に到達したと判断したときに、前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータの駆動を停止してプリント動作を停止させ、前記温度検知データが前記第1設定温度よりも低い第2設定温度に到達したと判断したときに前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータを駆動してプリント動作を再開させるように制御することを特徴とするものである。
【0027】
また、前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、1個の温度検知手段でサーマルヘッドおよび用紙搬送モータの温度上昇による焼損を防止することができるので、製造コストを廉価に抑えてサーマルヘッドおよび用紙搬送モータの温度上昇による焼損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
用紙に印字を行うサーマルヘッドと、用紙を搬送するプリント用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータとの間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、前記サーマルヘッド及び前記用紙搬送モータの動作を制御する制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御する制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部がサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御するサーマルプリンタ。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る第1実施例のサーマルプリンタを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。図2は、図1に示すサーマルプリンタの枠体1から歯車カバー4を外した状態を示す説明図である。図3は、図1に示すサーマルプリンタに用紙11を装填した状態を示す説明図である。図4は、図1に示すサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。図5は、検知温度と用紙搬送モータの駆動速度との関係を示すグラフである。図6は、駆動時間と検知温度との関係を示すグラフである。図7は、第2実施例におけるサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。
【0031】
図1、図2、図3、および図4を用いて、本発明の第1実施例のサーマルプリンタの概略の構成について説明する。図1に示すように枠体1には、紙送りローラ7を支持するための紙送りローラホルダ2が、枠体1に着脱自在に取り付けられており、紙送りローラ7に対向して配設されるサーマルヘッド3bと、サーマルヘッド3bが発生する熱を大気中に放散するための放熱部材3aによって構成されているサーマルヘッドユニット3が取り付けられている。また、図2に示すように枠体1には、用紙搬送モータ5の回転駆動力を紙送りローラ7に伝達するための歯車列6が組み付けられ、歯車列6は歯車カバー4によって覆われている。上述したサーマルプリンタには、図3に示すようにして用紙11が装填することによって用紙11にプリントを行う。
【0032】
図4を用いて、本発明における第1実施例のサーマルプリンタにおける温度制御装置の構成について説明する。用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の放熱部材3aとの間には、熱伝導率が高く弾力性がある材質で形成された第1熱伝導部材9aが固着され、用紙搬送モータ5が発生する熱をサーマルヘッドユニット3に伝達するように構成されている。本実施例では、サーマルヘッドユニット3は放熱部材3aとサーマルヘッド3bにより構成されていて、第1熱伝導部材9aは用紙搬送モータ5とサーマルヘッド3bとの間に固着してるが、用紙搬送モータ5と放熱部材3aとの間に固着してもよい。サーマルヘッドユニット3は、各種厚みの用紙11をサーマルヘッド3bに圧接させるために弾性部材により紙送りローラ7に対して押しつけられており、用紙11の厚みによって前後方向に移動するので、用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3との間隔が変動する。従って、第1熱伝導部材9aはこの間隔の変化に追随する必要から弾力性が要求されている。
【0033】
また、サーマルヘッドユニット3を構成しているサーマルヘッド3bには、サーマルヘッド3bが発生する熱と、用紙搬送モータ5が発生する熱とによって、上昇するサーマルヘッド3bの温度を検知して図示せぬ制御回路に伝達するための温度検知手段8が取り付けられている。熱伝導係数が高く弾力性がある材質で形成された第1熱伝導部材9aの一例として低硬度高熱伝導性シリコーンゴムを採用している。低硬度高熱伝導性シリコーンゴムは、熱伝導率が高く難燃性であり、柔らかく粘着性があり密着性がよいので熱伝導部材として適している。因みに、本実施例で採用している低硬度高熱伝導性シリコーンゴムは、熱伝導率が2.5W/m.kであり、硬さが30アスカーCである。本実施例における温度検知手段8は、熱伝対による接触方式の温度検知素子であり、シリコン接着剤によりサーマルヘッドユニット3を構成しているサーマルヘッド3bに取り付けられているが、サーマルヘッドユニット3を構成している放熱部材に取り付けてもよく、用紙搬送モータ5に取り付けてもよい。なお、温度検知手段の取り付け方法は前記接着に限られるものではなく、ねじ等の締結部材を用いて固定する方式でもよい。また、温度検知手段も前記前記接触タイプのサーミスタ熱伝対に限らず、非接触式のサーモパイルでもよい。
【0034】
図5を用いて、第1の制御方法による検知温度と、サーマルヘッド3bの駆動および用紙搬送モータの駆動速度との関係について説明する。温度検知手段8が検知する温度が、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが、許容温度を超えることがないように予め設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動を停止させると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5を停止させる。サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5が停止した状態で放熱により温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の駆動を開始する。因みに、本実施例の第1の制御方法で採用しているサーマルヘッド3bの温度許容値は65°Cであり、用紙搬送モータ5の温度許容値は115°Cとしており、これに対してt1を65°C、t2を60°Cに設定している。
【0035】
図6を用いて、第1の制御方法による駆動時間と検知温度との関係について説明する。上述したように温度検知手段8が検知する温度が、設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させる。サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動停止により温度検知手段8が検知する温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を開始する。サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動の開始に伴って温度検知手段8が検知する温度が上昇して第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路がサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させる。それに伴いサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5は放熱により温度が低下する。このように1個の温度検知手段8で検知したサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度検知データに基づいてサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の動作を制御することにより、部品点数が少なく簡単な構成で、温度検知手段8が検知する温度が設定した第1設定温度t1を越えることがなく、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5の温度が許容温度を超えることがないので、廉価にしてサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の焼損を防止するサーマルプリンタを得ることができる。
【0036】
図7を用いて、第2の制御方法による検知温度と、サーマルヘッド3bの駆動および用紙搬送モータの駆動速度との関係について説明する。温度検知手段8が検知する温度が、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが、許容温度に達する迄の時間を延長させるように予め設定した第3設定温度t3に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5の回転速度を遅くして回転速度v2で回転させる。
【0037】
サーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くすることにより、サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度上昇は緩やかになるが、温度検知手段8が検知する温度がサーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが許容温度を超えることがないように予め設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動を停止させると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5を停止させる。サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5が停止した状態で放熱により温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の駆動を開始する。因みに、本実施例の第2の制御方法で採用しているt1を65°C、t2を60°C、t3を62.5°Cに設定している。
【0038】
図8を用いて、第2の制御方法による駆動時間と検知温度との関係について説明する。上述したように温度検知手段8が検知する温度が設定した第3設定温度t3に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くする。サーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くすることにより、サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度上昇は緩やかになるが、温度検知手段8が検知する温度がサーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5のいずれかが許容温度を超えることがないように予め設定した第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bの駆動を停止させると共に、回転速度v1で回転している用紙搬送モータ5を停止させる。
【0039】
上述したように温度検知手段8が検知する温度が設定した第1設定温度t1に達してサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させると、サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動停止により温度検知手段8が検知する温度が低下して第2設定温度t2になると、図示せぬ制御回路はサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を開始する。サーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動の開始に伴って温度検知手段8が検知する温度が上昇して第1設定温度t1に達すると、図示せぬ制御回路がサーマルヘッド3bと用紙搬送モータ5の駆動を停止させる。それに伴いサーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5は放熱により温度が低下する。
【0040】
このように、温度検知手段8が検知する温度が設定した第3設定温度t3に達すると、サーマルヘッド3bの駆動をピッチを遅くすると共に用紙搬送モータ5の回転速度を遅くするので、サーマルヘッド3bおよび用紙搬送モータ5の温度上昇は緩やかになり許容温度に達するまでの時間が長くなる。従って、プリント処理速度は落ちるが停止することが少なくなるので、オペレータが故障したのかという心配をすることが少なくなり動作しなくなって不便になることもない。また、温度検知手段8が検知する温度が設定した第1設定温度t1を越えることがないので、サーマルヘッド3bあるいは用紙搬送モータ5の温度が許容温度を超えることがなく焼損を防止している。
【0041】
図9を用いて、本発明における第2実施例のサーマルプリンタにおける温度制御装置の構成について説明する。用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の放熱部材3aとの間には、熱伝導係数が高く弾力性がある板材を曲げ加工して成形された第2熱伝導部材9bが固着され、用紙搬送モータ5が発生する熱をサーマルヘッドユニット3に伝達するように構成されている。第2熱伝導部材9bも上述した第1熱伝導部材9aと同様の理由で弾力性が要求されている。因みに、本実施例で採用している第2熱伝導部材9bは熱伝導係数が高い板材を曲げ加工した板材であり、アルミニウム合金あるいは銅合金が好ましい。
【0042】
また、サーマルヘッドユニット3には、サーマルヘッド3bが発生する熱と、用紙搬送モータ5が発生する熱とによって、上昇するサーマルヘッドユニット3の温度を検知して図示せぬ制御回路に伝達するための温度検知手段8が取り付けられている。
【0043】
上述したように本発明においては、用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータと前記サーマルヘッドとを備えるサーマルプリンタにおいて、1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御するので、部品点数が少なく組み立て工数も減少するので製造コストを廉価に押さえることができる。また、サーマルヘッド3bだけでなく用紙搬送モータ5の発熱も放熱部材3aによって放熱するので、用紙搬送モータ5の温度上昇を低く抑えることができ、放熱部材3aに接続されていない構成と比較して高温の環境における連続動作時間を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る第1実施例のサーマルプリンタを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すサーマルプリンタの枠体1から歯車カバー4を外した状態を示す説明図である。
【図3】図1に示すサーマルプリンタに用紙11を装填した状態を示す説明図である。
【図4】図1に示すサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。
【図5】第1の制御方法による検知温度と用紙搬送モータの回転速度との関係を示すグラフである。
【図6】第1の制御方法によるサーマルプリンタの動作経過時間と検知温度との関係を示すグラフである。
【図7】第2の制御方法による検知温度と用紙搬送モータの回転速度との関係を示すグラフである。
【図8】第2の制御方法によるサーマルプリンタの動作経過時間と検知温度との関係を示すグラフである。
【図9】第2実施例におけるサーマルプリンタに組み込まれている用紙搬送モータ5とサーマルヘッドユニット3の状態を示す説明図である。
【図10】第1従来例の全体構成を示すブロック図である。
【図11】第2従来例のラベルプリンタのシステム構成を示すブロック図である。
【図12】第3従来例のラインサーマルプリンタのブロック図である。
【図13】第4従来例の一部回路図である。
【図14】第5従来例のサーマルプリンタにおける用紙搬送モータとサーマルヘッドユニットの状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1、101 枠体
2、102 紙送りローラホルダ
3、103 サーマルヘッドユニット
3a、103a 放熱部材
3b、103b サーマルヘッド
4 歯車カバー
5、105 用紙搬送モータ
6 歯車列
7 紙送りローラ
8 温度検知手段
9a 第1熱伝導部材
9b 第2熱伝導部材
110 ヘッド温度検知手段
111 モータ温度検知手段
12 用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータとを備えるサーマルプリンタにおいて、一つの温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータのと間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段を有することを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項3】
用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータとの間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、サーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部がサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するように構成したことを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの加熱焼損を防止するために許容温度以下に抑えるための第1設定温度と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの駆動を再開させるための第2設定温度を設定したことを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように構成したことを特徴とする請求項3乃至請求項4に記載のサーマルプリンタ。
【請求項6】
前記サーマルヘッドユニットが前記サーマルヘッドと放熱部材を含むことを特徴とする請求項2乃至3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項7】
前記温度検知手段がサーマルヘッドユニットに配設されていることを特徴とする請求項2乃至3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項8】
前記熱伝導部材は前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの間の距離の変化に応じて変形することにより常時熱伝導可能に接触していることを特徴とする請求項2乃至3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項9】
前記熱伝導部材の材質がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記熱伝導部材がアルミニウム合金の板材であることを特徴とする請求項8に記載のサーマルプリンタ。
【請求項11】
前記熱伝導部材が銅合金の板材であることを特徴とする請求項8に記載のサーマルプリンタ。
【請求項12】
用紙にプリントするためのサーマルヘッドと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部が前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするサーマルプリンタの制御方法。
【請求項13】
前記サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、前記用紙搬送モータと、該用紙搬送モータと前記サーマルヘッドユニットとの間に配設した熱伝導部材と、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記温度検知データに基づいて前記サーマルヘッドユニット及び前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とする請求項12に記載のサーマルプリンタの制御方法。
【請求項14】
前記制御部は、前記温度検知データが第1設定温度に到達したと判断したときに、前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータの駆動を停止してプリント動作を停止させ、前記温度検知データが前記第1設定温度よりも低い第2設定温度に到達したと判断したときに前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータを駆動してプリント動作を再開させるように制御することを特徴とする請求項12乃至13に記載のサーマルプリンタの制御方法。
【請求項15】
前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように制御することを特徴とする請求項12乃至13に記載のサーマルプリンタの制御方法。
【請求項1】
用紙に印字を行うサーマルヘッドと用紙を搬送する用紙搬送モータとを備えるサーマルプリンタにおいて、一つの温度検知手段で検知したサーマルヘッド及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいてサーマルヘッド及び用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータのと間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段を有することを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項3】
用紙にプリントするためのサーマルヘッドと該サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータとの間に配設される熱伝導部材と、前記サーマルヘッドユニットと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、サーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知したサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部がサーマルヘッドユニット及び用紙搬送モータの動作を制御するように構成したことを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの加熱焼損を防止するために許容温度以下に抑えるための第1設定温度と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの駆動を再開させるための第2設定温度を設定したことを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように構成したことを特徴とする請求項3乃至請求項4に記載のサーマルプリンタ。
【請求項6】
前記サーマルヘッドユニットが前記サーマルヘッドと放熱部材を含むことを特徴とする請求項2乃至3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項7】
前記温度検知手段がサーマルヘッドユニットに配設されていることを特徴とする請求項2乃至3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項8】
前記熱伝導部材は前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの間の距離の変化に応じて変形することにより常時熱伝導可能に接触していることを特徴とする請求項2乃至3に記載のサーマルプリンタ。
【請求項9】
前記熱伝導部材の材質がシリコーンゴムであることを特徴とする請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記熱伝導部材がアルミニウム合金の板材であることを特徴とする請求項8に記載のサーマルプリンタ。
【請求項11】
前記熱伝導部材が銅合金の板材であることを特徴とする請求項8に記載のサーマルプリンタ。
【請求項12】
用紙にプリントするためのサーマルヘッドと、用紙を搬送するための用紙搬送モータと、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と、前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御するための制御部を備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの温度検知データに基づいて前記制御部が前記サーマルヘッドおよび前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とするサーマルプリンタの制御方法。
【請求項13】
前記サーマルヘッドを含むサーマルヘッドユニットと、前記用紙搬送モータと、該用紙搬送モータと前記サーマルヘッドユニットとの間に配設した熱伝導部材と、前記サーマルヘッドと前記用紙搬送モータの温度を検知するための1個の温度検知手段と備え、前記1個の温度検知手段で検知した前記温度検知データに基づいて前記サーマルヘッドユニット及び前記用紙搬送モータの動作を制御することを特徴とする請求項12に記載のサーマルプリンタの制御方法。
【請求項14】
前記制御部は、前記温度検知データが第1設定温度に到達したと判断したときに、前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータの駆動を停止してプリント動作を停止させ、前記温度検知データが前記第1設定温度よりも低い第2設定温度に到達したと判断したときに前記サーマルヘッドユニットおよび前記用紙搬送モータを駆動してプリント動作を再開させるように制御することを特徴とする請求項12乃至13に記載のサーマルプリンタの制御方法。
【請求項15】
前記第1設定温度と前記第2設定温度の間に第3設定温度を設定し、前記温度検知データが上昇して前記第3設定温度に到達したと判断したときに前記用紙搬送モータの回転速度をそれまでの回転速度より遅くするように制御することを特徴とする請求項12乃至13に記載のサーマルプリンタの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−30428(P2007−30428A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219712(P2005−219712)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【出願人】(000001960)シチズン時計株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000124362)シチズンセイミツ株式会社 (120)
【出願人】(000001960)シチズン時計株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】
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