説明

シェード装置

【課題】シェードの両側縁を案内して折り曲げることができるシェード装置の提供。
【解決手段】一対のレール2と、一対のレール2の間に配置されたシェード収納手段3と、ロール状に巻かれてシェード収納手段3に収納される収納状態と収納状態からシート状に展開される展開状態との間で切り替えられるシェード4と、を備え、各レール2は、それぞれ折り曲げ案内空間50を囲むように構成された折り曲げ案内部5を有し、且つシェード収納手段3側から離れるにつれて、折り曲げ案内空間50におけるシェード4が展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、一対のレール2が向かい合う方向における距離も徐々に狭くなるように形成されていることを特徴とするシェード装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシェード装置に関し、特に、光を遮蔽するシェードがロール状に巻かれて収納され、且つ収納状態からシート状に展開されることができるシェード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光を遮蔽するシェードがロール状に巻かれて収納され、且つ収納状態からシート状に展開されることができるシェード装置は、例えば特許文献1に記載されているものがある。この特許文献1に記載されている従来のシェード装置の一例は、図1及び図2に示されているように、光を遮蔽するシェード12の収納や展開をスムーズに行わせるために、シェードの両側縁122を折り曲げて厚くしてからシェード12の両側にあるガイドレール11で案内する構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7967052号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のシェード装置では、シェード12をロール状に巻いて収納するには、側縁122を折れ曲がった状態から解放しなければ収納の体裁ないし効率が悪いので、シェード12を案内されて曲がった状態と展開状態との間で切り替える際に側縁122を丁寧に調整する必要があり、とても不便である。
【0005】
従って、本発明は、シェードがロール状に巻かれる収納状態とシート状に展開される使用状態との間で切り替えられる際に、シェードの両側縁を案内して折り曲げながら展開したり、前記折り曲げを平たく広げながら巻いたりすることができるシェード装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、長尺状に形成され、且つ向かい合って平行に配置されている一対のレールと、前記一対のレールの一端側の間に延伸するように配置されており、且つ前記一対のレールの延伸方向に面して開口するシェード出入り口を有するように形成されたシェード収納手段と、本体の先端部が前記シェード出入り口外に露出し、前記先端部以外の大部分がロール状に巻かれて前記シェード収納手段に収納される収納状態と前記先端部が前記一対のレールの延伸方向に沿って引き出されて前記本体が前記収納状態からシート状に展開される展開状態との間で切り替えることができるように構成されているシェードと、を備えており、各前記レールは、それぞれ延伸方向に沿って形成された案内レール部と、前記案内レール部と前記シェード収納手段との間に介在する折り曲げ案内部と、を有しており、前記シェードは、前記シート状に展開されると、両側縁がそれぞれ各前記レールが有する前記折り曲げ案内部を経由してから、各案内レール部に進入するように各前記レールによって案内されると共に、前記折り曲げ案内部を通過することによって、前記収納状態からシート状に展開される前記シェードの側縁は折り曲げられて、前記案内レール部に案内されるようになり、前記折り曲げ案内部は、折り曲げ案内空間を囲むように構成されており、且つ前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記折り曲げ案内空間における前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記一対のレールが向かい合う方向においての距離も徐々に狭くなるように形成されており、前記シェードの両側縁がそれぞれ前記折り曲げ案内空間に進入し、前記折り曲げ案内空間の形状によって折り曲げられるように案内されることを特徴とするシェード装置を提供する。
【0007】
上記シェード装置において、各前記レールがそれぞれ有する前記折り曲げ案内部は、他の一つのレール側に向かう端壁と、前記端壁からそれぞれ他の一つの前記レール側へ突出する上壁及び下壁と、前記下壁に取り付けられている案内ブロックと、を有することによって、前記折り曲げ案内空間を囲むと共に、且つ前記上壁と前記下壁との先端の間に案内部開口を有しており、前記案内ブロックは、前記折り曲げ案内空間に臨みながら、前記折り曲げ案内部の前記折り曲げ案内空間が、前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記端壁から前記案内部開口までの距離も徐々に狭くなるように、スムーズにカーブするように形成された案内面を有していることが好ましい。
【0008】
上記シェード装置において、各前記レールが有する前記折り曲げ案内部の前記シェード収納手段から離れた端部には、それぞれ前記上壁から前記案内ブロックの前記案内面に向かって突出する押付け突起が形成されており、前記折り曲げ案内部を通過した前記シェードを、前記押付け突起で確実に折り曲げるように構成されることが好ましい。
【0009】
上記シェード装置において、各前記レールがそれぞれ有する前記折り曲げ案内部の間には、前記シェードの前記両側縁が折り曲げられやすいように、前記両側縁の間の部分を持ち上げるライン状突起が配置されていることが好ましい。
【0010】
上記シェード装置において、各前記レールがそれぞれ有する前記折り曲げ案内部は、他の一つのレール側に向かう端壁と、前記端壁に滑らかに繋がっていると共にそれぞれ他の一つの前記レール側へ突出する上壁及び下壁と、を有することによって、前記折り曲げ案内空間を囲むと共に、且つ前記上壁と前記下壁との先端の間に案内部開口を有しており、前記端壁と前記上壁と前記下壁とが前記折り曲げ案内空間に臨む面は、互いに繋がり合っており、前記折り曲げ案内部の前記折り曲げ案内空間には、前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記端壁から前記案内部開口までの距離も徐々に狭くなるように、スムーズにカーブする案内面が形成されるように構成することもできる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成により、本発明の折り曲げ案内部は、前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記折り曲げ案内空間における前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記端壁から前記案内部開口までの距離も徐々に狭くなるように形成することによって、ロール状に巻かれた収納状態からシート状に展開される際には、前記シェードの両側縁を案内して自然に折り曲げることができ、また、シート状に展開された状態からロール状に巻かれる際には、前記シェードの折り曲げられた両側縁を案内して自然に平たく広げることができるので、折れ曲がった状態と展開状態との間で切り替る際に手で側縁を調整する必要がなく、とても便利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来のシェード装置の構成例の一部斜視図である。
【図2】同従来のシェード装置の構成例の断面図である。
【図3】本発明のシェード装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明のシェード装置の第1の実施形態の一部拡大斜視図である。
【図5】本発明のシェード装置の第1の実施形態の断面図である。
【図6】本発明のシェード装置の第1の実施形態の一部拡大斜視図である。
【図7】本発明のシェード装置の第1の実施形態の一部拡大斜視図である。
【図8】本発明のシェード装置の第1の実施形態の断面図である。
【図9】本発明のシェード装置の第1の実施形態の断面図である。
【図10】本発明のシェード装置の第2の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では各図面を参照しながら、本発明の各好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0014】
図3は本発明のシェード装置の第1の実施形態の斜視図であり、図4はその一部拡大図である。図示されているように、本発明のシェード装置は、互いに向かい合って平行に延伸している一対のレール2と、該一対のレールの一端側の間に延伸するように配置されているシェード収納手段3と、光を遮蔽することができるシェード4と、を有している。
【0015】
図3に示されているように、この実施形態におけるシェード収納手段3は、一対のレール2の一端側を繋ぐように取り付けられているロール設置部であり、シェード収納手段3の延伸方向に沿っているシェード収納部31と、同じ延伸方向に延伸して、前記一対のレール2の延伸方向に面して開口するシェード出入り口32と、を有している。
【0016】
シェード4は、光を遮蔽することができ、且つシート状に展開されたり、ロール状に巻かれたりすることができるやわらかい材料によって製造された本体40を有し、該本体40は先端部401がシェード出入り口32外に露出し、先端部401以外の大部分がロール状に巻かれてシェード収納手段3のシェード収納部31に収納される収納状態と、先端部401が一対のレール2の延伸方向に沿って引き出されて収納状態からシート状に展開される展開状態と、に切り替えることができるようになっている。
【0017】
シェード4の先端部401には固定バー42が固定されており、固定バー42の両端はそれぞれ1つの駆動ブロック43に連結されている。2つの駆動ブロック43は、一対のレール2にそれぞれはめ込まれていると共に、レール2に沿って移動することによって、シェード4の本体40をシェード収納手段3から引っ張り出して展開させることができるようになっている。
【0018】
図3及び図4に示されているように、各レール2は、それぞれ長尺状に形成され、互いに平行となるように配置されていると共に、その延伸方向に沿って形成された案内レール部21と、案内レール部21とシェード収納手段3との間に介在する折り曲げ案内部5と、を有している。
【0019】
折り曲げ案内部5は、シェード収納部31から引き出されながら展開されるシェード4の側縁412を折り曲げながら通過させることができるようになっている。
【0020】
もっと詳しく説明すると、折り曲げ案内部5は、図6に示されているように、端壁51と、端壁51からそれぞれ他の一つのレール2側へ突出する上壁52及び下壁53と、下壁53に取り付けられている案内ブロック54と、を有し、この端壁51と上壁52と下壁53と案内ブロック54との囲みによって折り曲げ案内空間50が画成され、且つ上壁52と下壁53との先端の間に案内部開口55を有している。案内ブロック54は、下壁53に固定されていると共に端壁51の一部に当接しており、上壁52に面しながらスムーズにカーブするように形成された案内面541によって、折り曲げ案内空間50は、シェード収納手段3側から離れるにつれて、シェード4が展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、端壁51から案内部開口55までの距離(即ち一対のレール2が互いに向かい合う方向においての距離)も徐々に狭くなるように画成している。更に、各レール2が有する折り曲げ案内部5のシェード収納手段3から離れた端部には、それぞれ上壁52から案内ブロック54の案内面541に向かって突出し、且つ先端が案内面541に接触せずに、端壁51側へ曲がる押付け突起56が形成されている。
【0021】
図7〜図9に示されているように、この構成により、シェード4が収納状態から前記シート状に展開される際に、両側縁412は、いずれも折り曲げ案内部5の端壁51に当接しており、折り曲げ案内空間50がシェード収納手段3側から離れるにつれてシェード4が展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、端壁51から案内部開口55までの距離も徐々に狭くなる形状によって、案内されて他側縁412の方へ自然に折り曲げられることができる。この際、押付け突起56はシェード4の折り曲げる必要のない部分を押さえて、折り曲げを確実にすることができる。また、シート状に展開された状態からロール状に巻かれる際に、シェード4の折り曲げられた両側縁412を案内して自然に平たく広げることもできるので、折れ曲がった状態と展開状態との間で切り替る際に手で側縁412を調整する必要がなく、とても便利である。
【0022】
また、図3及び図9に示されているように、各レール2がそれぞれ有する折り曲げ案内部5の間には、シェード4の両側縁412の間にあって折り曲げる必要のない部分を持ち上げるライン状突起58が配置されており、このライン状突起58の設置は、シェード4の両側縁412をより折り曲げやすくする効果がある。
【0023】
図10は本発明のシェード装置の第2の実施形態の断面図であり、ここではその折り曲げ案内部5の断面が示されている。図9に示されているように、この第2の実施形態において折り曲げ案内部5の構成は、簡素化されており、端壁51と端壁51に滑らかに繋がっている上壁52及び下壁53とを有している。
【0024】
端壁51と上壁52と下壁53とが折り曲げ案内空間50に臨む面は、互いに連続した案内面59となり、この案内面59は、折り曲げ案内部5の折り曲げ案内空間50がシェード収納手段3側から離れるにつれて、シェード4が展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、端壁51から案内部開口55までの距離も徐々に狭くなるように、スムーズにカーブしている。
【産業上の利用可能性】
【0025】
上記構成により、本発明の折り曲げ案内部は、前記シェード収納手段側から離れるにつれて、折り曲げ案内空間における前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記端壁から前記案内部開口までの距離も徐々に狭くなるように形成することによって、ロール状に巻かれた収納状態からシート状に展開される際には、前記シェードの両側縁をスムーズに案内して折り曲げることができ、また、シート状に展開された状態からロール状に巻かれる際には、前記シェードの折り曲げられた両側縁をスムーズに案内して平たく広げることができるので、例えば自動車の天窓などに取り付けることができる。
【符号の説明】
【0026】
2 レール
21 案内レール部
3 シェード収納手段
31 シェード収納部
32 シェード出入り口
4 シェード
40 本体
401 先端部
412 側縁
42 固定バー
43 駆動ブロック
5 折り曲げ案内部
51 端壁
52 上壁
53 下壁
54 案内ブロック
541 案内面
55 案内部開口
56 押付け突起
58 ライン状突起
59 案内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状に形成され、且つ向かい合って平行に配置されている一対のレールと、
前記一対のレールの一端側の間に延伸するように配置されており、且つ前記一対のレールの延伸方向に向かうシェード出入り口を有するように形成されたシェード収納手段と、
本体の先端部が前記シェード出入り口外に露出し、前記先端部以外の大部分がロール状に巻かれて前記シェード収納手段に収納される収納状態と前記先端部が前記一対のレールの延伸方向に沿って引き出されて前記本体が前記収納状態からシート状に展開される展開状態との間で切り替えることができるように構成されているシェードと、を備えており、
各前記レールは、それぞれ延伸方向に沿って形成された案内レール部と、前記案内レール部と前記シェード収納手段との間に介在する折り曲げ案内部と、を有しており、
前記シェードは、前記シート状に展開されると、両側縁がそれぞれ各前記レールが有する前記折り曲げ案内部を経由してから、各案内レール部に進入するように各前記レールによって案内されると共に、前記折り曲げ案内部を通過することによって、前記収納状態からシート状に展開される前記シェードの側縁は折り曲げられて、前記案内レール部に案内されるようになり、
前記折り曲げ案内部は、折り曲げ案内空間を囲むように構成されており、且つ前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記折り曲げ案内空間における前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記一対のレールが向かい合う方向においての距離も徐々に狭くなるように形成されており、
前記シェードの両側縁がそれぞれ前記折り曲げ案内空間に進入し、前記折り曲げ案内空間の形状によって折り曲げられるように案内されることを特徴とするシェード装置。
【請求項2】
各前記レールがそれぞれ有する前記折り曲げ案内部は、他の一つのレール側に向かう端壁と、前記端壁からそれぞれ他の一つの前記レール側へ突出する上壁及び下壁と、前記下壁に取り付けられている案内ブロックと、を有することによって、前記折り曲げ案内空間を囲むと共に、且つ前記上壁と前記下壁との先端の間に案内部開口を有しており、
前記案内ブロックは、前記折り曲げ案内空間に臨み、前記折り曲げ案内部の前記折り曲げ案内空間が、前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記端壁から前記案内部開口までの距離も徐々に狭くなるように、スムーズにカーブするように形成された案内面を有していることを特徴とする請求項1に記載のシェード装置。
【請求項3】
各前記レールが有する前記折り曲げ案内部の前記シェード収納手段から離れた端部には、それぞれ前記上壁から前記案内ブロックの前記案内面に向かって突出する押付け突起が形成されており、
前記折り曲げ案内部を通過した前記シェードを、前記押付け突起で確実に折り曲げることを特微とする請求項2に記載のシェード装置。
【請求項4】
各前記レールがそれぞれ有する前記折り曲げ案内部の間には、前記シェードの前記両側縁が折り曲げられやすいように、前記両側縁の間の部分を持ち上げるライン状突起が配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシェード装置。
【請求項5】
各前記レールがそれぞれ有する前記折り曲げ案内部は、他の一つのレール側に向かう端壁と、前記端壁に滑らかに繋がっていると共にそれぞれ他の一つの前記レール側へ突出する上壁及び下壁と、を有することによって、前記折り曲げ案内空間を囲むと共に、且つ前記上壁と前記下壁との先端の間に案内部開口を有しており、
前記端壁と前記上壁と前記下壁とが前記折り曲げ案内空間に対向する面は、互いに繋がり合っており、前記折り曲げ案内部の前記折り曲げ案内空間には、前記シェード収納手段側から離れるにつれて、前記シェードが展開する平面と直交する方向の幅が徐々に狭くなると共に、前記端壁から前記案内部開口までの距離も徐々に狭くなるように、スムーズにカーブする案内面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシェード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−158324(P2012−158324A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16288(P2012−16288)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【出願人】(510017985)皇田工業股▲フン▼有限公司 (5)