説明

シャシダイナモメータ

【課題】より現実の状況に即した態様で、前輪と後輪に、所望の速度差を与える。
【解決手段】前輪用シャシダイナモメータ2のモータ23と後輪用シャシダイナモメータ3のモータ23の回転速度を制御し、前輪用シャシダイナモメータ2のローラ22の周速度LVFと後輪用シャシダイナモメータ3のローラ22の周速度LVRとの平均速度MVが所定速度未満であるときには、平均速度MVが0から指定平均速度n×TrgΔVまで大きくなるにつれて、周速度LVFと周速度LVRの速度差ΔVが0から漸増し、平均速度MVがn×TrgΔVとなったときに目標速度差TrgΔVとなるようにする。また、平均速度MVが指定平均速度n×TrgΔV以上であるときには、速度差ΔVが目標値TrgΔVを維持するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪駆動車の試験に用いられるシャシダイナモメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車の走行状態を再現するために車両に対して走行中の路面を模擬するローラと、前記ローラのトルクを制御するモータとを、四輪駆動車の前輪用と後輪用にそれぞれ備え、各ローラと車輪間に作用する力を計測/制御するシャシダイナモメータが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-005676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
四輪駆動車の試験としては、前輪と後輪に、所定の速度差を与えて行う四輪駆動車の4WDシステムの試験がある。
そして、このような4WDシステムの試験を行う場合には、前輪と後輪とを、停止状態から、所定の速度差をもって回転する状態に遷移させる際に、できるだけ現実の状況に即した態様で当該遷移が行われるように、前輪と後輪との各々の速度を制御する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、より現実の状況に即した態様で、前輪と後輪に、所望の速度差を与えることのできるシャシダイナモメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、自動四輪車用のシャシダイナモメータに、自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータとを有する前輪用ダイナモメータと、前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータとを有する後輪用ダイナモメータと、前記前輪用ローラの回転速度を検出する前輪用回転計と、前記後輪用ローラの回転速度を検出する後輪用回転計と、前記前輪用回転計が検出した回転速度と、前記後輪用回転計が検出した回転速度と、設定された指定平均速度と、設定された目標速度差とに応じて、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御する制御手段とを設け、前記制御手段において、前記前輪用回転計が検出した回転速度と前記後輪用回転計が検出した回転速度とより求まる前記前輪と前記後輪の周速度の平均速度が、前記指定平均速度以下である場合に、前記平均速度が零のとき零となり、前記平均速度が大きいほど大きくなり、前記平均速度が前記指定平均速度と一致したときに前記目標速度差と一致するように定まる速度差制御値に、前記前輪用ローラの周速度と前記後輪用ローラの周速度との速度差が等しくなるように、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御するようにしたものである。ここで、前記制御手段においては、前記平均速度が前記指定平均速度を超える場合には、前記速度差が、前記目標速度差を維持するように、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御するようにしてもよい。
【0007】
このようなシャシダイナモメータによれば、高速時に比べ低速時に周速度差が小さくなる現実の自動車の挙動に即した試験を行えるようになる。また、前記指定平均速度と目標速度差を適当に設定することにより、平均速度が零の時を除き、常に前輪と後輪を共に回転させることができ、これにより、自動車の発進時に前輪と後輪とが異なるスリップ量で回転を増加させつつ、前輪と後輪との周速度差が少しずつ拡大し所定の周速度差に達するといった、自動車の発進時の現実の挙動に即した試験等を行うことができる。
【0008】
すなわち、たとえば、前記速度差制御値を、前記平均速度を前記指定平均速度で除算した値に、前記目標速度差を乗算した値として定まるものとした場合には、前記指定平均速度を、前記目標速度差の1/2を超える値とすれば、平均速度が零の時を除き、常に前輪と後輪を共に回転させることができる。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によれば、より現実の状況に即した態様で、前輪と後輪に、所望の速度差を与えることのできるシャシダイナモメータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るシャシダイナモメータの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るダイナモメータと制御装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る前後速度差制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る前後速度差制御処理の処理例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係るシャシダイナモメータの構成を模式的に示す。
ここで、図1aはシャシダイナモメータの上面模式図を、図1bはシャシダイナモメータの側面模式図を示している。
図示するように、このシャシダイナモメータは、四輪駆動の自動車用のシャシダイナモメータであり、ピット1と、ピット1内に配置された前輪用ダイナモメータ2と、ピット1内に配置された後輪用ダイナモメータ3と、4つのベルト固定装置4と、制御装置5とを備えている。
【0012】
ここで、図2に、前輪用ダイナモメータ2と後輪用ダイナモメータ3と制御装置5の構成を示す。なお、前輪用ダイナモメータ2と後輪用ダイナモメータ3は同じ構成を備えているので、図2では、後輪用ダイナモメータ3の構成の図示は省略している。
さて、図2に、前輪用ダイナモメータ2の正面図を模式的に表しているように、前輪用ダイナモメータ2は、ベース21、左右一対の円筒形状のローラ22、ベース21に固定されたモータ23を有している。そして、各ローラ22の中心軸24は、ベース21に固定された二つの支柱25によって回動可能に支持されている。また、左側のローラ22の中心軸24の右端は、左軸トルク計26を介在して、モータ23のモータ軸27の左端に連結し、右側のローラ22の中心軸24の左端は、右軸トルク計28を介在して、モータ23のモータ軸27の右端に連結している。また、モータ23には、モータ軸27のモータ23の回転速度VFを検出し、検出した回転速度VFを制御装置5に出力する回転速度計29が設けられている。
【0013】
このような構成において、モータ23は、制御装置5から出力される指令信号CNTFに従って稼働し、各ローラ22の回転の動力を供給または吸収する。また、左軸トルク計26は、たとえば歪みゲージであり、モータ23のモータ軸27と左側のローラ22の中心軸24との間に働く軸トルクDTFLをねじれ方向の歪み量より検出し、検出した軸トルクDTFLを制御装置5に出力する。また、同様に、右軸トルク計28は、たとえば歪みゲージであり、モータ23のモータ軸27と右側のローラ22の中心軸24との間に働く軸トルクDTFRを、たとえば、ねじれ方向の歪み量より検出し、検出した軸トルクDTFRを制御装置5に出力する。
【0014】
ここで、前述のように後輪用ダイナモメータ3は、前輪用ダイナモメータ2と同様に構成されており、制御装置5の出力される指令信号CNTRに従って稼働するモータ23、モータ23の回転速度VRを検出し、検出した回転速度VRを制御装置5に出力する回転速度計29、モータ23のモータ軸27と左側のローラ22の中心軸24との間に働く軸トルクDTRLを検出し制御装置5に出力する左軸トルク計26、モータ23のモータ軸27と右側のローラ22の中心軸24との間に働く軸トルクDTRRを検出し制御装置5に出力する右軸トルク計28とを備えている。
【0015】
次に、制御装置5は、図2に示すように、目標値設定部51、前輪トルク制御部52、後輪トルク制御部53、解析部54とを備えている。
さて、図1に戻り、前輪用ダイナモメータ2と後輪用ダイナモメータ3は各々のローラ22の頂部がピット1上面に設けられた開口から露出するように配置されている。
そして、自動車の試験は、図示するように、ピット1上に自動車を進行させ、左右の前輪を前輪用ダイナモメータ2の左右のローラ22上にそれぞれ位置決めすると共に、左右の後輪を後輪用ダイナモメータ3の左右のローラ22上にそれぞれ位置決めした上で、自動車をピットに対して4つのベルト固定装置4を用いて固定して行う。
【0016】
以下、前輪と後輪に所定の速度差を与えて行う四輪駆動車の4WDシステムの試験である、前後速度差試験を、このようなシャシダイナモメータにおいて行う際の動作について説明する。
前後速度差試験を行う場合、オペレータは、予め試験パラメータとして、前後輪速度差目標値TrgΔV、 前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値nを制御装置に設定する。
そして、自動車を、運転者または自動運転により、所望の速度推移で運転する。
一方、制御装置の目標値設定部51は、設定された試験パラメータを用いて前後速度差制御処理を行い、前輪用ダイナモメータ2のモータ23の回転速度の制御値CNTVFと、後輪用ダイナモメータ3のモータ23の回転速度の制御値CNTVRを出力する。この前後速度差制御処理の詳細については後述する。
【0017】
前輪トルク制御部52は、前輪用ダイナモメータ2の回転速度計29が検出した回転速度VFと目標値設定部51から出力される制御値CNTVFとの差分等に基づいて、前輪用ダイナモメータ2のモータの回転速度VFを、制御値CNTVFに一致させるために必要な前輪用ダイナモメータ2のモータ23の発生トルクを算出し、指令信号CNTFとして前輪用ダイナモメータ2のモータ23に出力する。そして、前輪用ダイナモメータ2のモータ23は、前輪トルク制御部52から出力される指令信号CNTFに従ったトルクを発生するように動作する。
【0018】
一方、後輪トルク制御部53は、後輪用ダイナモメータ2の回転速度計29が検出した回転速度VRと、目標値設定部51から出力される制御値CNTVRとの差分等に基づいて、後輪用ダイナモメータ3のモータの回転速度VRを制御値CNTVRに一致させるために必要な後輪用ダイナモメータ3のモータ23の発生トルクを算出し、指令信号CNTRとして後輪用ダイナモメータ3のモータ23に出力する。そして、後輪用ダイナモメータ3のモータ23は、後輪トルク制御部53から出力される指令信号CNTRに従ったトルクを発生するように動作する。
【0019】
一方、この間、解析部54は、前輪用ダイナモメータ2から入力する回転速度VF、軸トルクDTFL、軸トルクDTFRと、後輪用ダイナモメータ3から入力する回転速度VR、軸トルクDTRL、軸トルクDTRRに基づいて自動車の4WDシステムの挙動を解析する。
【0020】
次に、前述のように前後速度差試験を行う際に制御装置の目標値設定部51が行う前後速度差制御処理について説明する。
図3に、この前後速度差制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、以下の処理を、テスト終了がオペレータから指示されるまで(ステップ310)、繰り返し行う。
すなわち、まず、前輪用ダイナモメータ2の回転速度計29が検出した回転速度VFと後輪用ダイナモメータ2の回転速度計29が検出した回転速度VRとから、自動車の前輪と後輪の周速度の平均速度MVを、各ローラ22の直径をRとして、
MV= (VF - VR)×R×π
によって算出する(ステップ302)。
【0021】
そして次に、算出した平均速度MVが、指定されている試験パラメータである前後輪速度差目標値TrgΔVに 指定されている試験パラメータである前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値nを乗じた値以下となっているかどうか、すなわち次式が成立しているかどうかを判定する(ステップ304)。
【0022】
MV > n×TrgΔV
そして、V が n×TrgΔV以下であれば、
速度差制御値CNTΔVを、
CNTΔV= (TrgΔV/2)×[MV/(n×TrgΔV)]により設定する(ステップ306)。
【0023】
一方、MV が n×TrgΔVを超えていれば、速度差制御値CNTΔVを、
CNTΔV = TrgΔV/2
により設定する(ステップ312)。
そして、前輪の回転速度の制御値CNTVFと、後輪の回転速度の制御値CNTVRを、
CNTVF = {(MV) + (CNTΔV)}/(R×π)
CNTVR = {(MV) - (CNTΔV)}/(R×π)
によって算出し出力する(ステップ308)。
【0024】
以上、前後速度差制御処理について説明した。
このような前後速度差制御処理によれば、前輪用ダイナモメータ2のローラ22の周速度すなわち自動車の前輪の周速度LVFと、後輪用ダイナモメータ3のローラ22の周速度すなわち自動車の後輪の周速度LVRと、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVは、周速度LVFと周速度LVRとの平均速度MVと、ユーザから設定された試験パラメータ(前後輪速度差目標値TrgΔV、 前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値n)に従って、以下のように制御されることになる。
【0025】
すなわち、図4aに示すように、平均速度MVがn×TrgΔV以下であるときには、平均速度MVが0からn×TrgΔVまで大きくなるにつれて、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVが0から漸増し、平均速度MVがn×TrgΔVとなったときにTrgΔVとなるように制御される。また、平均速度MVがn×TrgΔVから0まで小さくなるにつれて、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVがTrgΔVから漸減し、平均速度MVが0となったときに0となるように制御される。
【0026】
また、平均速度MVがn×TrgΔVを超えるときは、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVは、常に、速度差ΔVがTrgΔVとなるように制御される。
このような制御の結果、たとえば、図4bに示すように、自動車の前輪の周速度LVFと自動車の後輪の周速度LVRとの平均速度MVが時間tと共に推移した場合には、自動車の前輪の周速度LVFと、自動車の後輪の周速度LVと、周速度LVFと周速度LVRとの速度差ΔVは、図4b、cに示すように変化する。なお、図4bに周速度LVFと周速度LVRの時間変化を、図4cに速度差ΔVの時間変化を表したものである。
【0027】
すなわち、自動車が停止状態から始動されて平均速度MVが一定の加速度で0からVa(但し、Va>n×TrgΔV)まで増加する期間T1については、平均速度MVがn×TrgΔVに到るまでは、周速度LVFと周速度LVRとが異なる加速度で増加すると共に、これによって速度差ΔVが0から漸増し、平均速度MVがn×TrgΔVに到った時点で、速度差ΔVがTrgΔVとなる。また、その後、平均速度MVがn×TrgΔVを超えている期間には、周速度LVFと周速度LVRとは同じ加速度で変化し、速度差ΔVをTrgΔVに維持する。
【0028】
次に、平均速度MVが一定に維持されている期間T2には、周速度LVFと周速度LVRも一定速度を維持し、速度差ΔVをTrgΔVに維持する。
次に、平均速度MVがVb(但し、Vb<n×TrgΔV)まで漸減する期間、T3については、平均速度MVがn×TrgΔVに到るまでは、周速度LVFと周速度LVRとは同じ加速度で減少し、速度差ΔVをTrgΔVに維持する。一方、平均速度MVがn×TrgΔV以下となると、周速度LVFと周速度LVRとが異なる加速度で減少し、これにより速度差ΔVも速度差TrgΔVから漸減していく。
【0029】
そして、この後、再び、平均速度MVが一定の加速度でVc(但し、Vc>n×TrgΔV)まで増加する期間T4については、平均速度MVがn×TrgΔVに到るまでは、周速度LVFと周速度LVRとが異なる加速度で増加して速度差ΔVが漸増し、平均速度MVがn×TrgΔVに到った時点で、速度差ΔVがTrgΔVとなる。また、その後、平均速度MVがn×TrgΔVを超えると期間には、周速度LVFと周速度LVRとは同じ加速度で変化し、速度差ΔVをTrgΔVに維持される。
【0030】
よって、このような前後速度差制御処理によれば、高速時に比べ低速時に周速度差が小さくなる現実の自動車の挙動に即した試験を行えるようになる。また、nとして1/2を超える値を設定して、速度差ΔVをTrgΔVで安定させる最小の平均速度MVをTrgΔVの1/2を超える値とすることにより、平均速度MVが0の時を除き、常に前輪と後輪を共に回転させることができ、これにより、自動車の発進時に前輪と後輪とが異なるスリップ量で回転しつつ、前輪と後輪との周速度差が少しずつ拡大し所定の周速度差に達するという、自動車の発進時の現実の挙動に即した試験等を行うことができる。
【0031】
なお、制御装置5は、TrgΔV/2<n×TrgΔVを満たさない、TrgΔVとnの組み合わせは、これを試験パラメータとして受け付けないように構成してもよい。
なお、オペレータは、試験パラメータ(前後輪速度差目標値TrgΔV、 前後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値n)を任意に設定することができ、後輪速度差安定時前後輪平均速度指定値nによって、速度差ΔVを安定させる最小の平均速度MVを、前後輪速度差目標値TrgΔVによって、速度差ΔVを安定させる値を、適宜、所望の値に設定することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明した。
【符号の説明】
【0033】
1…ピット、2…前輪用ダイナモメータ、3…後輪用ダイナモメータ、4…ベルト固定装置、5…制御装置、21…ベース、22…ローラ、23…モータ、24…中心軸、25…支柱、26…左軸トルク計、27…モータ軸、28…右軸トルク計、29…回転速度計、41…固定ベルト、42…巻取装置、51…目標値設定部、52…前輪トルク制御部、53…後輪トルク制御部、54…解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動四輪車用のシャシダイナモメータであって、
自動四輪車の前輪が載置される前輪用ローラと当該前輪用ローラと連結した前輪用モータとを有する前輪用ダイナモメータと、
前記自動四輪車の後輪が載置される後輪用ローラと当該後輪用ローラと連結した後輪用モータとを有する後輪用ダイナモメータと、
前記前輪用ローラの回転速度を検出する前輪用回転計と、
前記後輪用ローラの回転速度を検出する後輪用回転計と、
前記前輪用回転計が検出した回転速度と、前記後輪用回転計が検出した回転速度と、設定された指定平均速度と、設定された目標速度差とに応じて、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記前輪用回転計が検出した回転速度と前記後輪用回転計が検出した回転速度とより求まる前記前輪と後輪の周速度の平均速度が、前記指定平均速度以下である場合に、前記平均速度が零のとき零となり、前記平均速度が大きいほど大きくなり、前記平均速度が前記指定平均速度と一致したときに前記目標速度差と一致するように定まる速度差制御値に、前記前輪用ローラの周速度と前記後輪用ローラの周速度との速度差が等しくなるように、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御することを特徴とするシャシダイナモメータ。
【請求項2】
請求項1記載のシャシダイナモメータであって、
前記制御手段は、前記平均速度が前記指定平均速度を超える場合には、前記速度差が、前記目標速度差を維持するように、前記前輪用モータと前記後輪用モータとを制御することを特徴とするシャシダイナモメータ。
【請求項3】
請求項1または2記載のシャシダイナモメータであって、
前記指定平均速度は、前記目標速度差の1/2を超える値であり、前記速度差制御値は、前記平均速度を前記指定平均速度で除算した値に、前記目標速度差を乗算した値として定まることを特徴とするシャシダイナモメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−197129(P2010−197129A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40420(P2009−40420)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000145806)株式会社小野測器 (230)