説明

シャワーヘッド

【課題】通気にも係わらず依然としてマッサージ効果を発揮しうる通気マッサージ噴流を生じしめることができるシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】 本発明のシャワーヘッドは、閉鎖板を有する回転体を含んでいる。前記閉鎖板は、噴流通路開口を有する噴流ディスクに当接するとともに、前記回転体が回転すると前記噴流通路開口を交番的に開閉する。その結果として、間欠的なマッサージ噴流が噴流通路開口の吐出口において生じしめられる。噴流吐出開口を有するさらに他の噴流吐出ディスクは、前記噴流ディスクの下流において、前記噴流吐出開口を前記噴流ディスクの前記噴流通路開口の軸方向反対側に整合させて配置される。通気室は、前記2個のディスク間に配置されており、前記通気室は、シャワーヘッドの外側に接続される。その結果として、前記間欠的な噴流は、前記噴流通路開口の下流において通気される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージスプレー用のシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のマッサージスプレーは、噴流水が断続的に噴出するシャワー吐水口であり、開口から流出する噴流は、周期的に遮断される。マッサージ効果は、個別のパルスが皮膚に加えられるという点において達成される。
【0003】
このようなマッサージ噴流を生じしめる遮断装置は、その他の種類の噴流を噴出させることもできるため、シャワーヘッドの内側に取り付けられることがよくある。異なる種類の噴流水間における切替えを行なう切替装置が、シャワーヘッド上に直接設けられる。
【0004】
通常の種類の噴流においては、一般に噴流の通気が行なわれる。さらにまた、通常の種類の噴流水とマッサージ噴流とを噴出させうるシャワーヘッドもある。この場合は、遮断装置の上流に通気部を設けて、一般に通常の噴流とさらにまたマッサージ噴流との通気が行なわれる。しかし、ある一定の状況下では通気の効果が遮断によって打ち消されてしまうため、このことが特に好都合な結果をもたらすわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、通気にも係わらず依然としてマッサージ効果を発揮しうる通気マッサージ噴流を生じしめることができるシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載の特徴を有するシャワーヘッドを提案するものである。本発明のさらに他の開発形態は、従属請求項の目的となっている。
【発明の実施の形態】
【0007】
シャワーヘッドおよび/または切替装置付きシャワー吐水口の一部分のいずれとしても用いられうる前記シャワーヘッドは、噴流ディスクの噴流通路開口から流出する断続的または間欠的な噴流を生じしめる手段を内蔵する。流動方向に見たとき、これらの噴流通路開口の裏側において、これらのマッサージ噴流は、通気装置を補助的に用いて通気される。この種の通気は、意外にも、良好かつ効果的な結果をもたらすことになった。
【0008】
この種のマッサージ噴流の通気は、あらゆる種類の間欠的な噴流の生成に適用されうる。たとえば、前記装置は、噴流通路開口の開口と閉鎖とを交番的に行なって間欠的なマッサージ噴流を生じしめる閉鎖要素を特徴としうる。
【0009】
この閉鎖要素は、たとえば、連続移動可能とされ得、以って連続動作で移動しうる。この目的のために、回転体が、シャワーヘッドを通って流れる水により駆動されうる駆動装置として用いられうる。
【0010】
特に、本発明によれば、前記閉鎖要素、たとえば閉鎖板は、流動方向に噴流吐出開口の前に配置されるものとされうる。
【0011】
噴流通路開口の下流において作用する前記通気装置は、たとえば、噴流通路開口の下流に配置される少なくとも1個の通気室を特徴としうる。この通気室内には、空気が、該通気室を通って流出するマッサージ噴流によって吸い込まれる。
【0012】
本発明のまた他の開発形態において、前記シャワーヘッドは、同様に噴流開口を特徴とする、前記噴流ディスクの下流の噴流吐出ディスクを特徴とするものとされうる。通気は、これらの2個のディスク間において達成されうる。特に、少なくとも1個の通気室は、これらの2個のディスク間に配置または形成されるものとされうる。
【0013】
単一の通気室が、全ての噴流通路開口および全ての噴流吐出開口に対して設けられるものとされうる。しかしながら、本発明によれば、前記通気装置は、それが必要な場合には、前記2個の噴流ディスク間の隙間全体に均一に分布せしめられるいくつかの通気室を特徴とすることも同様に可能とされ、かつ提案される。
【0014】
前記噴流吐出ディスクは、使用者が外側から視認可能な噴流開口を含む。前記ディスクは、噴流通路開口を有する噴流ディスクを覆う。本発明によれば、噴流吐出ディスクは、各噴流通路開口に対して1個の軸方向反対側に配向される噴流吐出開口を特徴とするものとされうる。このため、前記噴流吐出ディスクは、通気マッサージ噴流を妨害しないように形成され、かつ配置されなければならない。したがって、いくつかの噴流通路開口は、該開口が事実上密接に連続する噴流束を形成するように互いに近接して組み合わされるものとされうる。より大きい噴流吐出開口が、このような噴流束に対して設けられうる。
【0015】
本発明のさらに他の開発形態においては、各噴流通路開口またはさらには各組をなす噴流通路開口に対して1個の個別通気室が設けられることが意図されうる。
【0016】
本発明のまた他の開発形態において、いくつかの通気室への給気は、中央に配置される共通の空気室から行なわれ得、この位置は、一般に丸い噴流の場合に、前記2個の噴流ディスク間において略中間に吐出ディスクが配置されるはずの位置である。この共通の空気室は、たとえば噴流吐出ディスクの中央におけるシャワーヘッドハウジングの外側への接続を特徴としうる。この外方接続を異なる点において行なうことも可能である。
【0017】
本発明により提案されるさらに他の可能性は、いくつかの通気室への給気を別々に、たとえば各通気室に関して、シャワーヘッドハウジングの外側から半径方向に行なうことを可能にすることによって構成される。
【0018】
中央空気室への中央給気の場合は、給気を遮断する遮断弁を配置することが設計上は特に簡単である。
【0019】
本発明のさらに他の特徴と詳細と好ましい態様とは、図面に基づいて、その文言が前記の内容とさらにまた以下の本発明の好適な実施例の説明とを示す特許請求の範囲および要約書から得られる。
【実施例】
【0020】
図1に簡単な略図として示されているシャワーヘッドは、おねじ2を有する管体部3を含む基礎部1を含む。この管体部3は、給水管路に螺入されるか、または給水ホースに接続されることを意図される。軸方向チャネルの形態をとる給水路4は、前記管体部3内に設けられる。基礎部1は、同様におねじ6を特徴とする突出部5において終端する。導水路4は、この突出部5まで拡大して、該突出部において、前記導水路は扁平な円筒状部分7へと変形する。
【0021】
底部9を有するスリーブとして形成される構成部材8は、シャワーヘッドハウジングの基礎部1上に螺着される。さらに他のスリーブ部分10が前記底部9に接続される。構成部材8の外側ジャケット面11は、基礎部材1のジャケット面12と面一に延在する。
【0022】
回転体14を支持する支承点13は、構成部材8の底部9上に形成される。前記底部9は、複数個の噴流通路開口15が形成される外側部分を環状に取り巻く部分を含む。これらの開口は、シャワーヘッドの軸方向に延在する。前記底部9は、これにより、この環状の外側部分において噴流ディスクを形成する。
【0023】
支持管体部13の周の一部分にわたって外側に延在する閉鎖板16が、この噴流ディスク9の内側面上において、導水路4の方を向いて配置される。この閉鎖板16は、回転体14に単体部品として接続されて、前記回転体14が支持管体部13のまわりにおいて回転せしめられる場合に、前記回転体とともに移動するようになっている。
【0024】
基礎部1の突出部5の端部には、自身の周の部分内において斜めに延在する通路開口18を特徴とする回路板17が取り付けられる。これらの開口は、管14の翼の方へと配向されるとともに、いずれも同じ方向に斜めに延在して、開口18を通って流れる水が回転体14を回転させるようになっている。これらを手段として、閉鎖板16は、構成部材8の底部9の噴流通路開口15を開閉する。
【0025】
噴流ディスクを形成する構成部材8の底部9の噴流通路開口15が開閉される結果として、15本の間欠マッサージ噴流が噴流通路開口15の出力側において得られる。
【0026】
底部9の下流において、噴流吐出ディスク20が管体部10内に挿入される。この噴流吐出ディスク20は、底部9により形成される噴流ディスクの表面上に突出部21を有して配置される。底部9に対して噴流ディスク20を適正な位置に整合させるための少なくとも1個の軸方向ピン22が設けられる。
【0027】
底部9と底部9に向き合う噴流ディスク20の側部との間に、噴流通路開口15の吐出口に直接隣接する個別通気室23が形成される。噴流吐出ディスク20は、噴流通路開口15の軸方向延長線上において、軸方向に延在する内腔の形態をとる噴流吐出開口24を含む。さらに他の詳細は、図3から得られうる。噴流ディスク20の中央において、該ディスクは、底部9に向き合う自身の内側に空気室を形成する中央切欠部25を含む。この空気室25から、半径方向に延在するチャネル26が、底部9と噴流吐出ディスク20との間の前記通気室23へと至る。これらのチャネル26は、半径方向に内側から外方に延在する。
【0028】
噴流吐出ディスク20の中央において、ナット28内で空気室25内に螺入される回転要素27が旋回する。この回転要素27は、図示された位置において噴流吐出ディスクの通路開口30と接続されてシャワーヘッドハウジングの外側からの空気案内部が空気室25内において得られるようにする偏心通路開口部29を含む。作動管体部31により支持される回転要素27を回転させることにより、これらの通路の整合状態が打ち消されて、もはやいかなる空気も空気室25内に流入しないようになる。
【0029】
図2に、図1の構成の平面図が図1と同じ縮尺で示されている。噴流ディスク20の噴流吐出開口24は、4個の噴流通路開口15を組み合わせて、こうした噴流吐出開口24内に配置される1個の束にすることができるほどの大きさの直径を特徴とする。
【0030】
シャワーヘッドに流入する水により、回転体14が回転せしめられて、閉鎖板16が噴流通路開口15を流動方向に開閉するようになる。このような態様で、間欠的な噴流が、全ての噴流通路開口15において発生し、これらの噴流は、前記開口の下流で通気室23内において通気される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明によるシャワーヘッドの軸方向断面図である。
【図2】図1の下側から見たシャワーヘッドの平面図である。
【図3】図1の軸方向断面図の拡大詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドハウジング(1、8)と、
前記シャワーヘッドハウジング内に配置される噴流通路開口(15)を特徴とする噴流ディスク(底部9)と、
前記シャワーヘッドハウジング内に配置されて、前記噴流通路開口(15)から流出する間欠的なマッサージ噴流を生じしめる装置と、
噴流通路開口(5)から流出する前記マッサージ噴流を通気する通気装置とを有するマッサージスプレー用シャワーヘッド。
【請求項2】
前記間欠的なマッサージ噴流を生じしめる装置は、前記噴流通路開口(15)を交番的に開閉する閉鎖要素(閉鎖板16)を特徴とする請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記閉鎖要素は、連続移動可能である請求項2に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記閉鎖要素は、回転体(14)を手段として駆動されうる請求項2または3に記載のシャワーヘッド。
【請求項5】
前記閉鎖要素は、味噌すり運動を行なう請求項1〜4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項6】
前記閉鎖要素は、流動方向に、前記噴流ディスクの前記噴流通路開口(15)の前に配置される請求項2〜4のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項7】
前記通気装置は、前記噴流ディスクの前記噴流通路開口(15)の下流に配置される少なくとも1個の通気室(23)を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項8】
噴流吐出ディスク(20)が、前記噴流ディスク(9)の下流に配置され、前記通気は、前記2個の噴流ディスク(9、20)間において達成される請求項1〜7のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項9】
少なくとも1個の通気室(23)が、前記2個のディスク(9、20)間に配置される請求項7に記載のシャワーヘッド。
【請求項10】
いくつかの通気室(23)を有する、請求項6〜8のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項11】
前記噴流吐出ディスク(20)は、各噴流通路開口(15)に対して、前記開口の軸方向反対側に配向される1個の噴流吐出開口(24)を特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項12】
個別通気室(23)が、各噴流通路開口(15)に対して設けられる請求項6〜10のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項13】
個別通気室(23)が、各組をなす噴流通路開口(15)に対して設けられる請求項6〜10のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項14】
いくつかの通気室(23)への給気は、好ましくは中央に配置される共通の空気室(25)から行なわれる請求項9〜12のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項15】
いくつかの通気室(23)への給気は、別個に行なわれる請求項9〜12のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【請求項16】
前記通気装置への給気を遮断する遮断弁を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−541900(P2008−541900A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513971(P2008−513971)
【出願日】平成18年5月20日(2006.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004809
【国際公開番号】WO2006/128604
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(599161339)ハンスグローエ アーゲー (17)
【Fターム(参考)】