説明

シャワー装置

【課題】シャワーを行わない場合にカウンターを使用することができると共に、カウンターを使用しない場合に邪魔にならないシャワー装置を提供する。
【解決手段】床パン71からなる洗い場部71aを設けると共に、洗い場部71aに隣接して浴槽72を設置し、洗い場部71aの端部と浴槽72のフランジ部73との間にエプロンを設け、エプロンよりも浴槽72側で且つフランジ部73の下側の空間74に給湯器75を設置する。浴室7の壁に設けられるシャワー装置本体部1に、シャワー装置本体部1の前方に着座した使用者にミストを吐出又はシャワーを行うための吐水口3と、湯水を吐出する本体部吐水口9と、下端部に設けられて前方に突出するカウンター8と、を備える。給湯器75から湯を搬送するための湯供給管(19、34)をシャワー装置本体部に接続し、カウンター8の突出基部を中心として先端部81aを回動させてカウンター8を収納可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方に着座した使用者の身体を包み込むように湯水を吐水することができるシャワー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から座部の上方にノズルアームを前方に突出するように設け、該ノズルアームに長手方向に複数のシャワー用の吐水口を設け、複数の吐水口から座部に座った使用者の身体を包み込むように湯水を吐水するシャワー装置が特許文献1により知られている。
【0003】
上記特許文献1に示され従来例にあっては、座部に座った楽な姿勢で、前方に突出するノズルアームの長手方向に設けた複数のシャワー用の吐水口からシャワーを噴出することで、座部に座った使用者は着座姿勢で首から下の身体全体(首、胸、腹、足)に一度にシャワーを浴びるようになっている。この従来例においては、複数のシャワー用の吐水口のうちノズルアームの基部側に位置するシャワー用の吐水口は首から下の身体の上部側にシャワーを浴びせ、ノズルアームの先端側に位置するシャワー用の吐水口程身体の下部側にシャワーを浴びせるようになっている。
【特許文献1】特開2007−68588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記シャワー装置にあっては、シャワーを行わない場合には座部をカウンターとして利用することができるものの、カウンターを使用しない場合に邪魔になってしまい、例えば車椅子等に乗った使用者がシャワーを行おうとすると車椅子から座部に移る必要があり、その移る動作が困難である使用者にとってはシャワーの利用が難しい、という問題があった。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、シャワーを行わない場合にカウンターを使用することができると共に、カウンターを使用しない場合に邪魔にならないシャワー装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、浴室7の少なくとも洗い場となる部分に床パン71からなる洗い場部71aを設けると共に、洗い場部71aに隣接する浴槽設置部71bに浴槽72を設置して、洗い場部71aの浴槽設置部71b側の端部と浴槽72の洗い場側のフランジ部73との間にエプロンを設け、エプロンよりも浴槽側で浴槽72のフランジ部73の下側の空間74に給湯器75を設置し、浴室7の壁に設けられるシャワー装置本体部1に、シャワー装置本体部1の前方に着座した使用者にミストを吐出又はシャワーを行うための吐水口3と、湯水を吐出する本体部吐水口9と、下端部に設けられて前方に突出するカウンター8と、を備えたシャワー装置Aにおいて、給湯器75から湯を搬送するための湯供給管(19、34)をシャワー装置本体部に接続し、カウンター8の突出基部を中心として先端部81aを回動させてカウンター8を収納可能として成ることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成とすることで、ミストの噴出やシャワーを行う際にはカウンター8を収納して、例えば身体の不自由な使用者が車椅子に乗ったままシャワー装置本体部1の前方に着座した状態で位置することができて、車椅子に乗った使用者でもミストの噴出やシャワーを行うことができる。また、カウンターを収納することで洗い場部を広く使用することができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記湯供給管の周囲を蓄熱材76で覆って成ることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成とすることで、湯供給管19、34からの放熱を小さく抑えてエネルギー効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にあっては、ミストの噴出やシャワーを行う際にはカウンターを収納して、例えば身体の不自由な使用者が車椅子に乗ったままシャワー装置本体部の前方に着座した状態で位置することができて、車椅子に乗った使用者でもミストの噴出やシャワーを行うことができる。また、カウンターを収納することで洗い場部を広く使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0012】
図1乃至図3等に示すように、浴室7の床スラブに床パン71を設置し、床パン71の浴槽設置部71bに浴槽72を設置する。そして、床パン71の周囲に壁パネルを立設し、壁パネルの上端部に天井パネルを載設して、浴室7を形成してある。また、床パン71の洗い場部71aの浴槽設置部71b側の端部と浴槽72の洗い場側のフランジ部73との間にエプロンを設け、エプロンよりも浴槽72側で浴槽72のフランジ部73の下側の空間74に、後述するシャワー装置Aに湯を供給するための給湯器75を設置している。
【0013】
またなお、ハーフ床パン71を用いる場合には、浴室7の洗い場となる部分に、洗い場部71aを形成した床パン71を設置すると共に、床パン71に隣接する浴槽設置部に浴槽72を設置する。そして、床パン71の洗い場部71aの浴槽設置部側を除く周囲と、浴槽72のフランジ部73の洗い場側を除く周囲とに壁パネルを立設し、壁パネルの上端部に天井パネルを載設して、浴室7を形成する。
【0014】
シャワー装置Aは、図1、図2に示すように、浴室7の壁70に取付けられるシャワー装置本体部1と、シャワー装置本体部1の両側部に合成樹脂により略直方形状に成形されたノズルユニット4と、ノズルユニット4の外側に設けられるノズルアーム2とで主体が構成される。左右のノズルユニット4の前面上部には、使用者の主に肩に向かって衝撃的な水流を噴出する左右のマッサージ用吐水口8が配置してあり、前面下部には使用者の主に腰部に向かって微細水流(シャワー)を噴出する左右の腰シャワー用吐水口5がそれぞれ配置してある。
【0015】
左右のノズルユニット4の外側部には上端部を支点として略上下方向に回動自在で且つ任意の角度で保持が可能なように略直方体形状のノズルアーム2がそれぞれ設置してある。左右のノズルアーム2は連結バー(図示せず)で連結することにより一方のノズルアーム2を回動すれば他方のノズルアーム2も同時に連動して回動するような構成となっている。両側のノズルアーム2の間の前側は、車椅子や浴室用椅子に着座した使用者が位置する着座位置となっている。
【0016】
ノズルアーム2の裏面には前後方向に複数の吐水口3が設けてある。複数の吐水口3としては、着座位置で着座した使用者の身体を包み込むように粒子状の微細水流(シャワー)を噴出する複数のシャワー用の吐水口3aと、着座位置で着座した使用者の身体を包み込むように霧状(ミスト状)の水流を噴出する複数のミスト用の吐水口3bとが設けてあり、複数のシャワー用の吐水口3a、複数のミスト用の吐水口3bはいずれもノズルアーム2の長手方向にそれぞれ複数設けてあり、更に、実施形態では、複数のシャワー用の吐水口3a、複数のミスト用の吐水口3bがノズルアーム2のほぼ全長にわたり所定の間隔で交互に配設してある。
【0017】
上記シャワー用の吐水口3a、ミスト用の吐水口3b、腰シャワー用吐水口5、マッサージ用吐水口8は個々に水流の噴出方向を変更できる調整機能を備えたものであってもよい。
【0018】
左右のノズルユニット4の間に位置する開放面12の前面に左右のノズルユニット4の上下端部に枢支し、左右に開閉自在な背もたれカバー10が設置してある。
【0019】
図1に示すように左右に開閉自在な背もたれカバー10を開いた状態にすると、左右のノズルユニット4の間に位置する開放面12の上部には鏡13が設置してあり、鏡13の下端部には下方に向かって湯水を吐出する本体部吐水口(洗い場用吐水口)9が設置してある。また、開放面12の鏡13の下部には、収納自在なカウンター8が設けてある。カウンター8は、上面がフラットなカウンター面となる板状のカウンター本体部81と、カウンター本体部81の後端部から上方に向けて立壁部82を立設した側面視略L字状をしたもので、立壁部82の上端部をシャワー装置本体部1の開放面12の下端部に枢支している。これにより、カバー10を開いた状態で、カウンター8の先端部81aを下方に回動させてカウンター面を上向きとする使用状態と、カウンター8の先端部81aを上方に回動させてカウンター本体部81を鏡13と略面一状に収納する収納状態とを自在に選択できる。
【0020】
また、背もたれカバー10を開いた状態にすると、図1に示すように左右のノズルユニット4、左右のノズルアーム2が背もたれカバー10で覆われ、この状態では左右のノズルユニット4、左右のノズルアーム2に設けた腰シャワー用吐水口51、マッサージ用吐水口52、シャワー用の吐水口3a、ミスト用の吐水口3bからの吐水による本来の使用はしない非使用状態である。このように、カバー10の開閉により腰シャワー用吐水口51、マッサージ用吐水口52、シャワー用の吐水口3a、ミスト用の吐水口3bの使用が区別できるようになっている。
【0021】
シャワー浴(つまり微細水流浴)やミスト浴、あるいは水流マッサージなどを行うときは開放面12を閉じることにより鏡13のほぼ全面と本体部吐水口9を背もたれカバー10で隠蔽することができ、この状態ではノズルユニット4の前面と背もたれカバー10の前面とがほぼ面一となるように構成してある。
【0022】
図4には本発明の配管ブロック図が示してある。図4の配管ブロック図に示す実施形態では配管路が主配管路17と副配管路18との2系統となっている。
【0023】
主配管路17は上流側が湯供給管19、水供給管20となっており、更に、この湯供給管19、水供給管20が温度制御手段21に接続してあり、この温度制御手段21より下流側の主配管路17に温度検知部22、流量制御手段23が設けてあり、更に、主配管路17の流量制御手段23より下流側を複数の分岐路24a、24b、24c、24eに分岐してあり、各分岐路24a、24b、24c、24eにはそれぞれ弁25a、弁25b、弁25c、弁25eが設けてある。湯供給管19は、給湯器75とシャワー装置本体部1とを接続するものである。本実施形態では上述したようにエプロンよりも浴槽72側で浴槽72のフランジ部73の下側の空間74に設置された給湯器75に接続されるもので、前記空間74から浴室7の壁を通して(すなわち壁パネルに形成した貫通孔を通して)浴室7の外部に導出される。そして、浴室7の壁のシャワー装置本体部1を設けた部分の外側まで伸ばして、浴室7の壁を通して浴室7内に導入してノズルアーム2内の流路に接続し、ノズルアーム2内の流路に形成した開口である後述するシャワー用の吐水口3aやミスト用の吐水口3bからシャワーやミストを噴出させる。この湯供給管19は、周囲を蓄熱材76で覆って蓄熱性及び保温性を向上させている。
【0024】
湯供給管19及び後述の湯供給管34は、図7(a)に示すように、蓄熱材76としてマイクロバルーン入りの蓄熱材シートを湯供給管19、湯供給管34の周囲に被せたり、図7(b)に示すように、蓄熱材76としてマイクロバルーン入りの蓄熱管を湯供給管19、湯供給管34の周囲に被せたり、あるいは図7(c)に示すように、蓄熱材76としてマイクロバルーン入りの蓄熱管を湯供給管19、湯供給管34として使用してもよい。
【0025】
従来のようにシャワー装置本体部1の下部に座部を備えたシャワー装置Aにあっては、座部内に給湯器75を設置することで給湯器75からの湯供給管19、湯供給管34は短くて済んで、湯供給管19、湯供給管34からの放熱はあまり大きくなくて問題とならないが、本実施形態の場合には湯供給管19、湯供給管34が長くてしかも浴室外を通るため、湯供給管19、湯供給管34からの放熱が問題となる。そこで、蓄熱材76を用いて蓄熱性及び保温性を向上させることで、湯供給管19、湯供給管34からの放熱を小さく抑えてエネルギー効率を向上させることができる。
【0026】
分岐路24aはノズルアーム2に設けた複数のシャワー用の吐水口3a(シャワー用の吐水口3a1、3a2、3a3、3a4、3a5)に湯水を供給するための流路であり、分岐路24aの弁25aの下流側が更に複数の分岐路26a、26b、26c、26d、26eに分岐してあり、分岐路26aの先端にシャワー用の吐水口3a1が設けてあり、分岐路26bの先端にシャワー用の吐水口3a2が設けてあり、分岐路26cの先端にシャワー用の吐水口3a3が設けてあり、分岐路26dの先端にシャワー用の吐水口3a4が設けてあり、分岐路26eの先端にシャワー用の吐水口3a5が設けてある。ここで、図5に示すように、複数のシャワー用の吐水口3a1、3a2、3a3、3a4、3a5はノズルアーム2の基部から先端側に向けて所定間隔で順に位置している(つまり、シャワー用の吐水口3a1がノズルアーム2の基部に位置し、シャワー用の吐水口3a5がノズルアーム2の先端に位置し、シャワー用の吐水口3a3、3a4がその間に位置している)。
【0027】
ノズルアーム2の基部側に位置するシャワー用の吐水口3a1には弁25aを通過した湯水が分岐路26aを介して直接流れるようになっている。つまり、シャワー用の吐水口3a1には温度制御手段21で設定した温度の湯水が供給される。
【0028】
一方、ノズルアーム2の基部以外の箇所に位置するシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5には弁25aを通過した湯水が温度制御手段27を経て各分岐路26b、26c、26d、26eを介して流れるようになっている。上記温度制御手段27には弁25aを通過した湯水と、別経路である給湯管28から湯が供給され(弁25aを通過した湯水の温度よりも高い湯が供給される)、弁25aを通過した湯水と、給湯管28から供給される湯とを混合して温度調整して、それぞれシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5に供給するようになっており、この場合、シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5に供給する湯水毎に温度調整をおこなって、シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5の順に次第に温度が高くなるように(つまりノズルアーム2の先端側に位置するシャワー用の吐水口3a側程高温に調整された湯水が供給されるように)温度制御されるように設定してある。また、シャワー用の吐水口3a2に供給する湯水の温度はシャワー用の吐水口3a1に供給する湯水の温度よりも高くなるように設定してある。
【0029】
分岐路24bは、ノズルアーム2に設けた複数のミスト用の吐水口3b(ミスト用の吐水口3b1、3b2、3b3、3b4、3b5)に湯水を供給するための流路であり、分岐路24bの弁25bの下流側が更に複数の分岐路29a、29b、29c、29d、29eに分岐してあり、分岐路29aの先端にミスト用の吐水口3b1が設けてあり、分岐路29bの先端にミスト用の吐水口3b2が設けてあり、分岐路29cの先端にミスト用の吐水口3b3が設けてあり、分岐路29dの先端にミスト用の吐水口3b4が設けてあり、分岐路29eの先端にミスト用の吐水口3b5が設けてある。ここで、図5に示すように、複数のミスト用の吐水口3b1、3b2、3b3、3b4、3b5はノズルアーム2の基部から先端側に向けて所定間隔で順に位置している(つまり、ミスト用の吐水口3b1がノズルアーム2の基部に位置し、ミスト用の吐水口3b5がノズルアーム2の先端に位置し、ミスト用の吐水口3b3、3b4がその間に位置している)。
【0030】
ノズルアーム2の基部側に位置するミスト用の吐水口3b1には弁25bを通過した湯水が分岐路29aを介して直接流れるようになっている。つまり、ミスト用の吐水口3b1には温度制御手段21で設定した温度の湯水が供給される。
【0031】
一方、ノズルアーム2の基部以外の箇所に位置するミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5には弁25bを通過した湯水が温度制御手段30を経て各分岐路29b、29c、29d、29eを介して流れるようになっている。上記温度制御手段30には弁25bを通過した湯水と、別経路である給湯管31から湯が供給され(弁25bを通過した湯水の温度よりも高い温度の湯が供給される)、弁25bを通過した湯水と、給湯管28から供給される湯とを混合して温度調整して、それぞれミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5に供給するようになっており、この場合、ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5に供給する湯水毎に温度調整をおこなって、ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5の順に次第に温度が高くなるように(つまりノズルアーム2の先端側に位置するミスト用の吐水口3b側程高温に調整された湯水が供給されるように)温度制御されるように設定してある。また、ミスト用の吐水口3b2に供給する湯水の温度はミスト用の吐水口3b1に供給する湯水の温度よりも高くなるように設定してある。
【0032】
また、分岐路24cの弁25cの下流側の端部には左右のマッサージ用吐水口8が設けてあり、分岐路24eの弁25eの下流側の端部には本体部吐水口9が設けてある。
【0033】
また、主配管路17の温度検知部22と流量制御手段23との間から排水弁32を有する排水管路33が分岐してある。
【0034】
一方、副配管路18は上流側が湯供給管34、水供給管35となっており、更に、この湯供給管34、水供給管35が腰シャワー温度制御手段6に接続してあり、副配管路18の腰シャワー温度制御手段6より下流側において温度検知部36、流量制御手段37、弁38が順に配置してあり、弁38より下流側に左右の腰シャワー用吐水口5が設けてある。湯供給管34も、上述した湯供給管19と同様にエプロンよりも浴槽72側で浴槽72のフランジ部73の下側の空間74に設置された給湯器75に接続されるもので、前記空間74から浴室7の壁を通して浴室7の外部に導出され、浴室7の壁のシャワー装置本体部1を設けた部分の外側まで伸ばして、浴室7の壁を通して浴室7内に導入してノズルユニット4内の流路に接続し、ノズルユニット4内の流路に形成した開口である上述した腰シャワー用吐水口5からシャワーを噴出させる。この湯供給管34も、周囲を蓄熱材76で覆って保温性を向上させている。
【0035】
また、副配管路18の温度検知部36と流量制御手段37との間から排水弁50を有する排水管路51が分岐してある。
【0036】
上記した主配管路17の弁25a、弁25b、弁25c、弁25e、副配管路18の弁38は弁切換え制御手段39からの信号で切換えられるようになっている。
【0037】
図6には上記構成のシャワー装置Aの操作を行うためのリモコンスイッチ装置Bが示してあり、湯温調整用主スイッチ部40、流量調整用主スイッチ部41、湯温調整用副スイッチ部42、流量調整用副スイッチ部43、シャワー用スイッチ部44、ミスト用スイッチ部45、マッサージ用スイッチ部46、カラン用スイッチ部48が設けてある。
【0038】
ここで、湯温調整用主スイッチ部40を操作することで主配管路17に設けた温度制御手段21において湯供給管19から供給される湯と水供給管20から供給される水との混合割合を変化させて湯温調整をすることができ、流量調整用主スイッチ部41を操作することで、主配管路17に設けた流量制御手段23による流量調整を行うことができ、また、湯温調整用副スイッチ部42を操作することで副配管路18に設けた腰シャワー温度制御手段6において湯供給管34から供給される湯と水供給管35から供給される水との混合割合を変化させて湯温調整をすることができ、流量調整用副スイッチ部43を操作することで副配管路18に設けた流量制御手段37による流量調整を行うことができる用に設定してある。また、シャワー用スイッチ部44をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25aと、副配管路18の弁38が開となるように制御され(この場合他の弁は閉である)、ミスト用スイッチ部45をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25bと、副配管路18の弁38が開となるように制御され(この場合他の弁は閉である)、マッサージ用スイッチ部46をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25cと、副配管路18の弁38が開となるように制御され(この場合他の弁は閉である)、カラン用スイッチ部48をオン操作すると、弁切換え制御手段39により主配管路17の弁25eのみが開となるように制御されるように設定してある。
【0039】
上記のような構成のシャワー装置Aの使用に当たっては、図2に示すように背もたれカバー10を閉じた状態で使用者が着座位置で着座し、この状態でシャワー用スイッチ部44、ミスト用スイッチ部45、マッサージ用スイッチ部46のいずれかをオン操作することで、着座位置で着座した状態で身体の略全体を包み込むようなシャワー浴や、身体の略全体を包み込むようなミスト浴や、水流マッサージを行うことができる。
【0040】
例えば、シャワー浴をする場合は、ノズルアーム2を回動して前方に突出させ、この状態でシャワー用スイッチ部44をオン操作すると弁25a、弁38が開き、左右のノズルアーム2の長手方向に設けたシャワー用の吐水口3a1、3a2、3a3、3a4、3a5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、着座位置で着座した使用者の身体のほぼ全体を包み込むようシャワー浴を行い、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、着座位置で着座した使用者の背方から腰にシャワーを浴びせる。
【0041】
この場合、湯温調整用主スイッチ部40を操作して温度制御手段21で湯水の温度を任意の温度に設定し、主配管路17の下流側に流すのであるが、シャワー用の吐水口3a1からは上記温度制御手段21で設定した温度の湯水が噴出する。また、シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5から噴出する湯水は、上記温度制御手段21で設定された温度の湯水に、これよりも高温の湯(例えば50℃以上の湯)を温度制御手段27部分で加え、高温の湯を加える量をそれぞれ変えることでシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5の順で次第に湯温が高くなるように調整されるものであり、また、上記温度制御手段21では最高の温度となるシャワー用の吐水口3a5から噴出する湯水の温度がシャワー用の吐水口3a5直近で人が浴びても安全な温度以下となるように制御される。このように、ノズルアーム2の長手方向に複数設けたシャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5からシャワーを噴出して着座位置で着座した使用者を包み込むようなシャワー浴を行う際、噴出位置から身体までの距離が短いシャワー用の吐水口3aよりも噴出位置から身体までの距離が長いシャワー用の吐水口3a程噴出する湯水の温度を高くしてあるので、各シャワー用の吐水口3a2、3a3、3a4、3a5から噴出したシャワーが着座位置で着座した使用者の首から下の身体の各部に到達した際はほぼ同じ湯温となり、身体各部に当たる湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【0042】
また、上記のように使用者が着座位置で着座した状態でノズルアーム2に設けた複数のシャワー用の吐水口3aからシャワーを噴出して使用者の身体を包み込むようなシャワー浴を行っている際、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれシャワーが噴出して腰に当たるため、使用者の背面側が冷えることがないようになっている。この場合、湯温調整用副スイッチ部42を操作して腰シャワー温度制御手段6により腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を調整する。つまり、腰シャワー用吐水口5から着座位置で着座した使用者の腰部分までの距離は短い(シャワー用の吐水口3a1から首までの距離よりも短い)ため、仮に、シャワー用の吐水口3a1と同じ温度の湯水を腰シャワー用吐水口5から噴出すると、腰シャワー用吐水口5から身体までの距離が短いため腰に当たる湯水が熱過ぎて快適な使用ができないが、上記のように、腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を腰シャワー温度制御手段6により独立して調整することで、身体全体の温まり感を同じにできる。
【0043】
次に、使用者が着座位置で着座してミスト浴をする場合は、ノズルアーム2を回動して前方に突出させ、この状態でミスト用スイッチ部45をオン操作すると弁25b、弁38が開き、左右のノズルアーム2の長手方向に設けたミスト用の吐水口3b1、3b2、3b3、3b4、3b5からそれぞれミストを噴出して、着座位置で着座した使用者の身体のほぼ全体を包み込むようミスト浴を行い、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、着座位置で着座した使用者の背方から腰にシャワーを浴びせる。
【0044】
この場合、湯温調整用主スイッチ部40を操作して温度制御手段21で湯水の温度を任意の温度に設定し、主配管路17の下流側に流すのであるが、ミスト用の吐水口3b1からは上記温度制御手段21で設定した温度の湯水が噴出する。ミスト浴の際は通常シャワー浴よりも少し高い湯温となるように設定する。また、ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5から噴出するミストとなる湯水は、上記温度制御手段21で設定された温度の湯水に、これよりも高温の湯(例えば50℃以上の湯)を温度制御手段30部分で加え、高温の湯を加える量をそれぞれ変えることでミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5の順で次第に湯温が高くなるように調整されるものであり、また、上記温度制御手段21では最高の温度となるミスト用の吐水口3b5から噴出する湯水の温度がミスト用の吐水口3b5直近で人が浴びても安全な温度以下となるように制御される。このように、ノズルアーム2の長手方向に複数設けたミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5からミストを噴出して着座位置で着座した使用者を包み込むようなミスト浴を行う際、噴出位置から身体までの距離が短いミスト用の吐水口3bよりも噴出位置から身体までの距離が長いミスト用の吐水口3b程噴出する湯水の温度を高くしてあるので、各ミスト用の吐水口3b2、3b3、3b4、3b5から噴出したミストが着座位置で着座した使用者の首から下の身体の各部に到達した際はほぼ同じ湯温となり、身体各部に当たる湯温のばらつきがなく、身体全体の温まり感を同じにできて、温熱効果を高めることができる。
【0045】
また、上記のように使用者が着座位置で着座した状態でノズルアーム2に設けた複数のミスト用の吐水口3bからミストを噴出して使用者の身体を包み込むようなミスト浴を行っている際、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれシャワーが噴出して腰に当たるため、使用者の背面側が冷えることがないようになっている。この場合、湯温調整用副スイッチ部42を操作して腰シャワー温度制御手段6により腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を調整する。つまり、腰シャワー用吐水口5から着座位置で着座した使用者の腰部分までの距離は短い(ミスト用の吐水口3b1から首までの距離よりも短い)ため、仮に、ミスト用の吐水口3b1と同じ温度の湯水を腰シャワー用吐水口5から噴出すると、腰シャワー用吐水口5から身体までの距離が短いため腰に当たる湯水が熱過ぎて快適な使用ができない。しかも、これに加えてミストをシャワー温度と同じにすると体感温度が低くなるので、一般的にミスト温度の噴出温度はシャワーの噴出温度よりも高くする。この点でもシャワー用の吐水口3b1と同じ温度の湯水を腰シャワー用吐水口5から噴出すると、腰に当たる湯水が熱過ぎて快適な使用ができない。そこで、上記のように腰シャワー用吐水口5から噴出する湯水の温度を腰シャワー温度制御手段6により独立して調整することで、身体全体の温まり感を同じにできる。
【0046】
次に、使用者が着座位置で着座して水流マッサージをする場合は、マッサージ用スイッチ部46をオン操作すると弁25c、弁38が開き、左右のマッサージ用吐水口8から使用者の主に肩に向かって衝撃的な水流を噴出して水流マッサージを行い、同時に左右の腰シャワー用吐水口5からそれぞれ粒子状に水流を噴出し(シャワーが噴出し)て、着座位置で着座した使用者の背方から腰にシャワーを浴びせる。
【0047】
また、本体部吐水口9から湯水を吐出する場合は、カラン用スイッチ部48をオン操作することで弁25eが開き、本体部吐水口9から湯水を吐水することができる。
【0048】
また、前述の実施形態ではリモコンスイッチ装置Bを設けてリモコン操作で各モードの切換えや湯温や湯量の調整を行うようにした例を示したが、湯水混合栓を手で直接操作することで各温度制御手段による温度制御を行ったり、流量調整弁を手で直接操作することで各流量制御手段による流量調整をおこなったり、流路切換え弁を手で直接操作することで、各モードを選択自在としてもよい。
【0049】
また、前述の実施形態ではノズルアーム2の長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口3aと、霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口3bとを設け、シャワー用の吐水口3aからの吐水とミスト用の吐水口3bからの吐水とが選択可能とした例を示したが、ノズルアーム2の長手方向に粒子状に水流を吐水する複数のシャワー用の吐水口3aのみを設けたものでもよく、あるいは、ノズルアーム2の長手方向に霧状の水流を噴霧する複数のミスト用の吐水口3bのみを設けたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のシャワー装置の通常使用状態の斜視図である。
【図2】同上のシャワー装置の着座使用状態の斜視図である。
【図3】同上のシャワー装置を設けた浴室の一部切欠した側面図である。
【図4】本発明の配管ブロック図である。
【図5】同上のノズルアームを突出した状態の要部斜視図である。
【図6】同上に用いるリモコンスイッチ装置の正面図である。
【図7】(a)(b)(c)は湯供給管及び断熱材の各例の切断端部の斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 シャワー装置本体部
7 浴室
71 床パン
72 浴槽
73 フランジ部
75 給湯器
76 蓄熱材
70 壁
8 カウンター
81 カウンター本体部
82 立壁部
9 本体部吐水口
A シャワー装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室の少なくとも洗い場となる部分に床パンからなる洗い場部を設けると共に、洗い場部に隣接する浴槽設置部に浴槽を設置して、洗い場部の浴槽設置部側の端部と浴槽の洗い場側のフランジ部との間にエプロンを設け、エプロンよりも浴槽側で浴槽のフランジ部の下側の空間に給湯器を設置し、浴室の壁に設けられるシャワー装置本体部に、シャワー装置本体部の前方に着座した使用者にミストを吐出又はシャワーを行うための吐水口と、湯水を吐出する本体部吐水口と、下端部に設けられて前方に突出するカウンターと、を備えたシャワー装置において、給湯器から湯を搬送するための湯供給管をシャワー装置本体部に接続し、カウンターの突出基部を中心として先端部を回動させてカウンターを収納可能として成ることを特徴とするシャワー装置。
【請求項2】
前記湯供給管の周囲を蓄熱材で覆って成ることを特徴とする請求項1記載のシャワー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−125496(P2009−125496A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306576(P2007−306576)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(505154956)パナソニック電工バス&ライフ株式会社 (306)
【Fターム(参考)】