説明

シュートインゲーム装置

【課題】カヌーや車椅子等の乗り物の基体に装着させて、該カヌー等を利用した新規な遊戯を実現し、バラエティに富んだ球投げ入れゲームを楽しめるシュートインゲーム装置を提供する。
【解決手段】上方側を開口20し、内部に球の収容空間を有する球入れ籠部16と、球入れ籠部16の開口直上に玉入れ籠部16に連結状態で立設され横からの球を受けてバウンド球を球入れ籠部16内に導入させるバウンド壁18と、を一体的に組み付けてシュート受部12を構成し、シュート受部12に一端を連結し他端を基体に着脱可能に連結される支持杆32を介してシュート受部12を基体に着脱可能に連結支持させる着脱支持機構14を備えたことを特徴とするシュートインゲーム装置10から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カヌーや小型帆船等の船、車椅子、自転車、その他任意の基体に取付けられるシュートインゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、カヌー等のパドルを介して操作する船は、古くから川、湖、海等の水上の交通手段や貨物運搬手段として利用されてきたが、近時では、水上ツーリング、急(激)流下り等の水上遊戯やスポーツ競技等、趣味・レジャーとして用いられる場合も多くなり、水や周辺の自然と触れ合う機会を楽しめるツールとして知られている。しかしながら、水上では危険を伴うことも多いため、特に子供や初心者等は、場所や操作パターンが限られてしまって単調なものとなり、飽きてくる場合があった。よって、楽しく遊びながらカヌー操作の学習や技術向上も図れるような新規な遊戯が望まれている。
【0003】
一方、特許文献1には、例えば、地上や床等の予め定めた位置にボールを投げ入れる籠を設置する遊戯用球技具が開示されている。球技具は、基台(1)に、3本の支柱(2)を設け、支柱に水平に輪部(6)を設け、該輪部にボールを投げ入れ用の底なしの網籠(5)を装着し、該輪部(6)の上部には輪部の中心で連結される3本の弧状の枠(7b)を設け、これらの各枠には輪部の中心よりそれぞれ3分割した網体(7a)を張設して構成されている。そして、例えば、球技具を地面や床上に設置して、大勢の人数が1つの球技具に向けてボールを投げて競い合うものが提案されている。
【特許文献1】特開2006−26221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の球技具では、仮に、球技具を水に浮かべるとしても、網籠の位置が全く又はほとんど変わらないため、水球のような球技としてそれなりにゲームできるものの、遊戯のバリエーションとしては限られてしまうものであった。特に、輪部の中心より3分割して網体を設けているのでボールが籠の中に入りにくい構造となっており、例えば、遠隔位置から投げる場合にはボールがほとんど又は全く入らなくなるおそれが高く、面白味の少ないものであった。また、特許文献1の球技具では、網(7a)を張設する弧状の枠(7b)の端部が輪部(6)に連結されているだけなので、投げられたボールが網に当たると、弧状の枠の端部と輪部との接続部分に負荷が大きくかかるため、比較的壊れやすかった。よって、それぞれある程度強度の高い材質及び接続構造を必要とするとともに、基台の安定重量化及び籠を支持するために複数本の支柱を必要として、構造が複雑で重量化及び大型化していた。したがって、パドル操作するカヌー等の比較的不安定になりやすい小船に取付けることは現実的には困難ないし不可能であり、安定した地面や床上等に設置させるにとどまるものであった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、自在に操作するカヌーやヨット等の船や車椅子等の基体に装着させて、新規な遊戯を実現し、バラエティに富んだ球投げ入れゲームを楽しめるシュートインゲーム装置を提供することにある。さらに、他の目的は、簡単かつ軽量な構造でありながら、強固な構造のシュートインゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、基体(K)に取り付けられるシュートインゲーム装置であって、上方側を開口20し、内部に球の収容空間22を有する球入れ籠部16と、球入れ籠部16の開口20直上に玉入れ籠部16に連結状態で立設され横からの球Sを受けてバウンド球を球入れ籠部16内に導入させるバウンド壁18と、を一体的に組み付けてシュート受部12を構成し、シュート受部12に一端を連結し他端を基体(K)に着脱可能に連結される支持杆32を介してシュート受部12を基体(K)に着脱可能に連結支持させる着脱支持機構14を備えたことを特徴とするシュートインゲーム装置10から構成される。球入れ籠部16は、収容空間22の側面及び底面側を閉鎖するものでもよいが、例えばカヌー等の船に取付ける際には、水が抜ける多数の孔が形成されたものや通水性があるものの方が球入れ籠部内に水が溜まらずカヌーK等の船の操作性を損なわないので好適である。球入れ籠部16の形状は任意でよく、例えば、開口の形状が円形、楕円形、多角形状等その他任意形状のものでもよい。バウンド壁18の形状は、例えば、円形、半円形、多角形状等その他任意の形状でよい。
【0007】
また、バウンド壁18は両側に表裏面(36)を有する1つの縦壁であり、バウンド壁18に一端を連結された1つの支持杆32によりバウンド壁18と球入れ籠部16とを支持することとしてもよい。
【0008】
また、球入れ籠部16は、縁枠24と、縁枠24の内側において上面を開口20しつつ一部を下方に垂れる収容垂れ部26と、を含み、バウンド壁18の支持杆32下部が収容垂れ部26の中央部を貫通して下端側を基体(K)に着脱可能に取り付けられるとともに、縁枠24をバウンド壁18に固定することにより球入れ籠部16とバウンド壁18とを一体的に組み付けることとしてもよい。
【0009】
また、着脱支持機構14は、一端側がシュート受部12と連結し縦に配置される支持杆32と、基体(K)の一部に固定されて支持杆32を上方から挿脱自在に受け入れる受筒40と、を備えて成ることとしてもよい。受筒40は、基体に応じて適宜取付け態様を選択すればよい。例えば、その一部をカヌーKやヨット等の船体に埋め込み状に配置させてもよく、フランジ等を介して船のデッキD上に立設させてもよい。また、受筒は、車椅子や自転車等のフレームや荷台等に装着するホルダ等を備えてもよい。
【0010】
また、球入れ籠部16及び/又はバウンド壁18は、縁枠とネット部材で構成されたこととしてもよい。縁枠は、例えば、金属や硬質樹脂等の強度の高い素材から形成されるとよい。
【0011】
バウンド壁18と支持杆32は1つの柄付きネット33からなるとともに、球入れ籠部16は、該柄付きネット33の縁枠34が形成する面に交差する面を形成するように柄付きネットの縁枠34にその縁枠24を固定させた柄なしネット23からなることとしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシュートインゲーム装置によれば、基体に取り付けられるシュートインゲーム装置であって、上方側を開口し、内部に球の収容空間を有する球入れ籠部と、球入れ籠部の開口直上に玉入れ籠部に連結状態で立設され横からの球を受けてバウンド球を球入れ籠部内に導入させるバウンド壁と、を一体的に組み付けてシュート受部を構成し、シュート受部に一端を連結し他端を基体に着脱可能に連結される支持杆を介してシュート受部を基体に着脱可能に連結支持させる着脱支持機構を備えたことから、着脱支持機構を介して例えば、自由に移動できるカヌー等の船や車椅子等の基体に取付けられるので、シュートターゲットとなるシュート受部が基体とともに一体的に移動し、従来のように単に定位置においたゴールを狙うよりも、面白さ、醍醐味を含むゲーム性の高いゲームを期待できるとともに、バラエティに富んだゲームを行え、初心者から上級者まで幅広く、新規な球投げ入れゲームを楽しむことができる。また、ゲームを楽しみながらカヌー等の操作技術の向上を図ることができる。一方で、シュートインゲーム装置を基体から取外すことができるので、例えば、カヌーでのツーリングや車椅子、自転車等での通常走行等の通常の態様で基体を利用する際には、該シュートインゲーム装置が邪魔になることがない。
【0013】
また、バウンド壁は両側に表裏面を有する1つの縦壁であり、バウンド壁に一端を連結された1つの支持杆によりバウンド壁と球入れ籠部とを支持することから、バウンド壁で横からの球を受けやすいうえ、かつ籠部の開口を狭く制限しないので、球が入りやすく高いゲーム性を期待できる。また、部材点数が少なく、簡単な構造で製造できる。さらに、投げられた球から受けるバウンド壁の衝撃は基体に支持される支持杆に伝達されるのでバウンド壁の支持強度が高く、壊れにくい。
【0014】
また、球入れ籠部は、縁枠と、縁枠の内側において上面を開口しつつ一部を下方に垂れる収容垂れ部と、を含み、バウンド壁の支持杆下部が収容垂れ部の中央部を貫通して下端側を基体に着脱可能に取り付けられるとともに、縁枠をバウンド壁に固定することにより球入れ籠部とバウンド壁とを一体的に組み付けることから、縁枠をバウンド壁に固定しているので別途に球入れ籠部の支持杆以外の支持部材を必要とせず、簡単な構成で強度のあるシュート受部を製造できる。特に、球からバウンド壁が受ける衝撃は基体に支持される支持杆に伝達されるので、バウンド壁と球入れ籠部の縁枠との固定部分にかかる負荷が少なく、全体的に強固な構造を具現できる。
【0015】
また、着脱支持機構は、一端側がシュート受部と連結し縦に配置される支持杆と、基体の一部に固定されて支持杆を上方から挿脱自在に受け入れる受筒と、を備えて成ることから、簡単な構成で、例えば、既製のカヌーやヨット等の船や、車椅子、自転車等の基体の一部を必要に応じて簡単に加工するだけで着脱支持機構を具現でき、確実にシュート受部を基体に連結支持することができる。さらに、受筒に対して支持杆を挿脱するだけの簡単な着脱操作で、シュート受部を基体に対して着脱操作でき、使い勝手がよい。
【0016】
また、球入れ籠部及び/又はバウンド壁は、縁枠とネット部材で構成されたことから、簡単な構造で、低コストで製造することができる。また、軽量であり、水が溜まることもなく、風の影響等も受けにくいので、カヌー等の船や車椅子、自転車等の基体の操作に悪影響を及ぼしにくい。
【0017】
バウンド壁と支持杆は1つの柄付きネットからなるとともに、球入れ籠部は、該柄付きネットの縁枠が形成する面に交差する面を形成するように柄付きネットの縁枠にその縁枠を固定させた柄なしネットからなることから、例えば、既製の柄付きネットと柄なしネットとを一体的に組み付けるだけで、簡単にシュート受部を構成することができ、装置を低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下添付図面を参照しつつ本発明のシュートインゲーム装置について説明する。本発明のシュートインゲーム装置は、パドルを介して操作するカヌーやヨット等の船や車椅子、自転車等の乗り物、その他任意の基体に取付けて陸上または水上等での新規でバリエーションに富んだ球投げ入れゲームを行えるゲーム装置である。図1ないし図7は、本発明のシュートインゲーム装置の一実施形態を示している。本実施形態において、シュートインゲーム装置10は、図1に示すように、シュート受部12と、シュート受部12を基体に連結支持させる支持機構と、を備えている。本実施形態では、支持機構は、シュート受部12を基体に対して着脱可能に連結支持させる着脱支持機構14からなる。
【0019】
本実施形態では、シュートインゲーム装置10を取付ける基体としては、図1に示すように、例えば、デッキが閉鎖され、人が乗り込むコックピット部分を開口して設けられたクローズドデッキタイプのカヌー(カヤック)Kの場合について説明する。本実施形態では、カヌーKは、例えば、木製、FRP(Fiber Reinforced Plastics)等を加工して形成され、1人乗り用として構成されている。本実施形態では、例えば、カヌーKの後方(スターン)側Rの船体上面側デッキDにシュートインゲーム装置10が一体的に連結されている。そして、例えば、相手側のカヌーに取付けられたシュートインゲーム装置10に向けて球Sを投げ入れて競い合うことができる。なお、シュートインゲーム装置10を1台のカヌーKの複数個取り付けることとしてもよく、例えば、前方側(バウ)Fと後方側(スターン)Rにそれぞれ取付けてもよい。また、上記のカヌーに限らず、例えば、その他のタイプのカヌー、ディンギータイプのヨット(小型帆船)等の種々のタイプの船に取付けてもよい。また、シュートインゲーム装置10は船に限らず、車椅子や自転車、その他移動体、構造体等、その他任意の基体に取付けてもよい。
【0020】
図1、図2、図3に示すように、シュート受部12は、球入れ籠部16と、バウンド壁18と、を一体的に組み付けて構成されている。シュート受部12は、球Sが投げ入れられる一種の的又はゴール様のターゲット部である。なお、本実施形態では、シュートインゲーム装置10に投げ入れられる球Sは、例えば、比較的柔らかい素材で水に浮ぶゴムボール等が用いられる。
【0021】
図2、図3、図4に示すように、球入れ籠部16は、上方側を開口20し、内部に該開口20から連続する球Sの収容空間22を有する。本実施形態では、球入れ籠部16は、縁枠24と、該縁枠24の内側において上面を開口20しつつ一部を下方に垂れる収容垂れ部26と、を含む。縁枠24は、例えば、ステンレス等の金属線部材からなり、平面視円環形に設けられている。収容垂れ部26は、糸や合成樹脂製の糸を編んで形成された任意のメッシュ孔の可撓性ネット部材からなる有底籠状の収容部であり、中央部を下部に向けて垂れ下げた状態で上方側を縁枠24に連結されている。すなわち、球入れ籠部16は、縁枠とネット部材で構成された柄なしネット23からなる。なお、収容垂れ部を構成するネットのメッシュ孔の大きさは球を通過させない任意の大きさに設定される。収容垂れ部26は、開口20に連続する中空の収容空間22内部に上面側の開口20から投げ入れられた球Sを収容保持する。さらに、図5、図6にも示すように、収容垂れ部26の下方に垂れた底部の略中央には、縦に貫通した貫通孔28を形成する円環状のリング部30が設けられている。この貫通孔28に後述の支持杆が貫通される。
【0022】
図5、図6、図7に示すように、バウンド壁18は、球入れ籠部16の開口20直上に立設され横からの球Sを受けてバウンド球を球入れ籠部16内に導入させる。本実施形態では、バウンド壁18は、左右両側に表裏面を有する1つの縦壁からなり、球入れ籠部16の円形の縁枠24の略中央位置、すなわち直径に沿った位置に横切るように球入れ籠部16と連結状態で立設配置されている。よって、2面の壁面で球Sを受けやすいとともに、球入れ籠部16の上面側開口20は2分割された2つの半円開口となっており、該バウンド壁18によるバウンド球が球入れ籠部16内へ比較的入りやすいようになっている。本実施形態では、図1に示すように、バウンド壁18の表裏面(36)は、カヌーKの両側面側を向くように設定されている。なお、例えば、バウンド壁18の表裏面がカヌーの前後方向に向くように設定されていても良く、その他任意の向きに設定されていてもよい。また、支持杆を縦軸周りに回転させて壁面を任意の向きに変更できるようにしても良い。図5、図8に示すように、本実施形態では、バウンド壁18には、縦に配置される1つの支持杆32の上端部32a側が連結されており、該1つの支持杆32によりバウンド壁18と該バウンド壁18に連結された球入れ籠部16と支持しつつ、該支持杆32の下端部32b側を介してカヌーKの船体に着脱可能に連結される。すなわち、支持杆32は、着脱支持機構14の一部を構成している。
【0023】
本実施形態では、バウンド壁18と支持杆32は、例えば、1つの柄付きネット33からなる。具体的には、バウンド壁18は、縁枠34と、縁枠34の内側に張設されるネット部材からなる壁面36と、から構成されるとともに、縁枠34の下部側略中央に支持杆32の一端32aが連結固定されてラケットのように構成されている。バウンド壁18の縁枠34は、例えば、ステンレス等の金属線からなり、球入れ籠部16の縁枠24と略同じ径かやや大きな径の立面視円環形状に形成されている。壁面36は、例えば、糸や合成樹脂製の糸を編んで形成された任意のメッシュのネット部材を張設して表裏面を形成されている。本実施形態では、バウンド壁18の縁枠34と球入れ籠部16の縁枠24とは直交しているとともに、バウンド壁18の縁枠34の円弧状の下部側の一部を収容垂れ部26内に収容しつつ、バウンド壁の縁枠34と球入れ籠部16の縁枠24どうしが接する部分を連結固定部38として、例えば溶接等の固定手段で連結固定されている。すなわち、バウンド壁18の壁面36が下部側の一部を球入れ籠部16の開口20から収容空間22内に入れつつ、該バウンド壁の壁面36と、球入れ籠部16の縁枠24が形成する開口20を含む面と、が直交するように交差している。バウンド壁18を構成するネットのメッシュ孔の大きさは球Sを通過させない任意の大きさに設定される。なお、バウンド壁18は、壁面36を形成しているネット部材に換えて、縁枠34にキャンバス生地等の布地や板材を張設して構成してもよい。また、バウンド壁18は、後述のように、例えば、袋状カバー部材60で構成してもよい。バウンド壁18は例えばネット部材のようにバウンド球の跳ね返り力をある程度弱めるような緩衝壁面で設けておくとバウンド球が球入れ籠部内に入りやすい。また、バウンド壁18は、例えば枠縁34の下部側を直線状に形成し球入れ籠部の縁枠24上に架設状に配置させて、壁面全体が球入れ籠部よりも上方に配置されるように形成しても良い。支持杆32は、例えば、ステンレス等の金属又は木製や硬質樹脂等の強度の高い素材で形成された断面円形の杆部材からなり、縦方向に長手方向を向けて配置され、その上端部32aを円環形状の縁枠32に連結固定されつつ、収容垂れ部16の中央部に設けられた貫通孔28を貫通して、その下端部32bを船体側へ長く延長し、該下端部32bを船体側への着脱可能に取付けられている。
【0024】
すなわち、1つの支持杆32によりバウンド壁18をカヌーK船体に支持するとともに、バウンド壁18の縁枠34に球入れ籠部16の縁枠24が連結固定部38により固定されて球入れ籠部16とバウンド壁18とが一体的に組み付けられており、1つの支持杆32によりバウンド壁18と球入れ籠部16とを支持している。すなわち、支持杆32に支持されたバウンド壁18を介して間接的に球入れ籠部16が船体に支持される態様となっている。さらに、本実施形態では、上述のようにバウンド壁18と支持杆32とを構成する1つの柄付きネット33と球入れ籠部16を構成する1つの柄なしネット23とを、柄付きネット33の壁面36と球入れ籠部16の縁枠24が形成する面とを直交状に交差させて、柄付きネット33の縁枠34に柄なしネット23の縁枠24を連結固定部38で連結固定させて一体的に組み付けられている。これにより、簡単な構成でシュート受部及び着脱支持機構を構成でき、低コストで製造することができる。なお、玉入れ籠部16とバウンド壁18とは着脱可能に連結される構成としてもよい。また、球入れ籠部16の支持杆32を貫通させる貫通孔28は、リング部によって形成するものに限らず、例えば、ネット部材のメッシュ孔の1つを利用したり、ネット部材の一部を切欠いたりして形成してもよい。
【0025】
図2、図6、図8に示すように、着脱支持機構14は、バウンド壁18に一体的に連結された支持杆32を介してシュート受部12を船体に着脱可能に連結支持させる連結支持手段である。シュートインゲーム装置を着脱可能とすることにより、必要に応じてシュートインゲーム装置10をカヌーKに取り付けて球投げ入れ遊戯を楽しめるとともに、不要時にはシュートインゲーム装置10をカヌーKから取り外すことができ、該装置が邪魔になることなく通常のカヌーとして利用することができる。本実施形態では、着脱支持機構14は、上述の一端側32aがバウンド壁18の縁枠34と連結し縦に配置される支持杆32と、船体の一部に固定されて支持杆32を上方から挿脱自在に受け入れる受筒40と、を備えている。受筒40は、ステンレス等の金属又は硬質樹脂製で横断面円形状の縦長中空円筒管からなり、その内径の大きさが支持杆32の外径と略同じかわずかに大きく形成され、上端を開口し、下端を閉鎖している。受筒40の上端よりやや下方位置には、該受筒40をカヌーKのデッキに取付けるためのフランジ41が一体的に設けられている。受筒40は、予めカヌー船体のデッキDに穿穴した穴にフランジ41より下部側を挿し込んで、フランジ41をデッキD上面に当着させた状態で、ボルトや接着剤等の任意の固定手段を介して船体側に連結固定されている。本実施形態では、受筒40のデッキDよりも上方に突設する部分の長さが比較的小さく設定されており、支持杆32を外した際に邪魔にならないようになっている。受筒40の上端部側には支持杆32の固定手段として蝶ネジ42が捩じ込み式に取り付けられている。支持杆32の下端部32bを挿し入れた状態で横方向に蝶ネジ42を締めると、支持杆32の抜脱を規制するとともに軸周り回転を規制している。これにより、支持杆32が簡単に抜けず、シュート受部12の取付け状態を確実に保持する。一方、蝶ネジ42を緩めると支持杆32を受筒40から自在に挿脱可能な状態となり、簡単にシュート受部12を取り外すことができる。
【0026】
また、図2、図3に示すように、収容垂れ部28の下部中央で支持杆32の貫通孔28を形成しているリング部30には複数の短冊状の細長い金属片44が索条46を介して吊支されている。これらの金属片44は、例えば、収容垂れ部28の収容空間22内に球Sが入ると、その落下衝撃等により揺れて互いに衝突しあい音を発するようになっており、カヌー操者自身が見えにくいカヌー後部側Rにシュートインゲーム装置を取付けても、収容垂れ部内に球Sが投げ入れられたか等を音である程度判断できる。なお、金属片44に換えて、鈴やその他音が鳴るものを取り付けてもよい。
【0027】
次に、本実施形態に係るシュートインゲーム装置10の作用を説明する。例えば、シュートインゲーム装置をそれぞれのカヌーKに取付ける際には、カヌー後方側Rに固定された受筒40にシュート受部12に一体的に連結された支持杆32の下部側を挿し入れて蝶ネジ42を介して固定する。図10に示すように、各プレイヤはカヌーに1個ないし複数個のゴムボール等の球Sを持って乗り込み、パドルを介して操作しながら、相手プレイヤのカヌーKに取付けられたシュート受部12に向けて球を投げ入れあう。この際、球入れ籠部16及びバウンド壁18は縁枠とネット部材とで構成されるので、装置全体が軽量であるとともに風等の影響を受けにくく、本装置10をカヌーKに取り付けてもカヌーの操作性に悪影響を及ぼしにくい。図7に示すように、バウンド壁18の壁面に向けて球Sを投げると、バウンド壁18にバウンドした球が球入れ籠部16内に収容される。例えば、該球入れ籠部16内に投げ入れられた球の個数等を競い合う。ターゲットとなるシュートインゲーム装置10がカヌーとともに一体的に移動するので、従来のように単に定位置においた球入れ籠を狙うよりも、面白さ、醍醐味を含むゲーム性の向上を期待できる。さらに、個人対戦形式としてもよいし、何人かでチームを組んでチーム対戦形式としてもよく、その他バラエティに富んだゲームを行え、初心者から上級者まで幅広く、カヌーを利用した球入れ遊戯を楽しむことができる。さらに、ゲームを楽しみながらカヌーの操作技術の向上を図ることができる。また、バウンド壁18はカヌー船体に連結支持される支持杆32に直接連結されているので、球の衝撃に対する耐久性が高く、例えば、バウンド壁18と球入れ籠部16との連結固定部38等の局所的な部位に大きな負荷がかからず壊れにくい。一方、カヌーでツーリングや急流下り等を行う際には、蝶ネジ42を緩めて支持杆32を受筒40から離脱させるだけでシュートインゲーム装置10をカヌーKの船体から簡単に取外すことができ、該シュートインゲーム装置が邪魔になることなく通常のカヌーとして利用できる。
【0028】
なお、図10には、バウンド壁18の変形例を適用する態様を示している。図10に示すように、この実施形態では、バウンド壁18は、縁枠34と、縁枠34に着脱自在に装着される袋状カバー部材50と、から構成される。袋状カバー部材50は、一部に挿入口52を有するように壁面を形成する2枚の布体54a、54bを重ね合わせて接合して設けられており、挿入口52から開いて縁枠34に被せて装着して横からの球を受ける壁面36を形成する。布体54a、54bには、例えば、種々のマーク、模様、図形、色、文字、記号、キャラクター等が記載されており、個別のカヌー又は敵味方のカヌーを識別する際に一種の旗となる。これにより、マーク等の異なる種々の袋状カバーを簡単に着脱して自在に変更できる。袋状カバー部材50は、例えば縁枠34の略円環形状に合わせて円形状の2枚の布体54a、54bを重ねて、外縁部の上部側略半円部分を逢着56し、下部側略半円部分を逢着せず挿入口52として扁平袋状に形成されている。また、布体54a、54bの下部側には、紐通し用孔58が穿孔されており、袋状カバー部材50を縁枠34に装着した際に紐を結んで縁枠34に対して該袋状カバー部材を固定できる。なお、2枚の布体54a、54bにボタンやフック等の固定具を取り付けて袋状カバー部材の縁枠34からの離脱を防止するようにしてよい。図10では、縁枠34の内側にネット部材が張設されており、袋状カバー部材50を離脱してバウンド壁面36をネット部材とする態様と、袋状カバー部材50を装着して壁面36を種々のマーク等が付された布体による態様と、に手軽に変更できるようになっている。なお、縁枠34の内側にネット部材を張設しなくてもよい。
【0029】
また、図11、図12は、シュートインゲーム装置10を車椅子のハンドルに取り付けた実施形態を示しているが、上記実施形態と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。図11、図12に示すように、着脱支持機構14の構成が上記実施形態と異なっており、例えば、車椅子のハンドルHに着脱可能に取り付ける構成となっている。支持杆32を受ける受筒40の側方に、車椅子のハンドルHへの取付用ホルダ60が一体的に接続されている。ホルダ60は、ハンドルHの直線フレーム部分に着脱可能に装着する構成となっており、例えば、受筒40に固定された固定片60aと、該固定片60aに対して可動するように連結された可動片60bを含み、それらの対向内側にハンドルHを挟装する円弧状曲面が形成されている。そして、該固定片60a,可動片60bでハンドルHを挟んだ状態で、固定片、可動片の横方向に曲折突出した部分を蝶ネジ62により螺合連結して、受筒40がハンドルHへ固定される。シュートインゲーム装置10を車椅子に取り付けることで、車椅子を利用したバラエティに富んだ球入れ遊戯を楽しむことができる。なお、ハンドルへの取付用ホルダ60の構成は任意でよい。また、例えば、受筒40の構成を基体に対応して取付け構成を設計すればよく、自転車の荷台やその他任意の基体へも簡単に取付けることができる。
【0030】
以上説明した本発明のシュートインゲーム装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のシュートインゲーム装置は、例えば、カヌーやディンギータイプの小型帆船等の船、自転車、車椅子等の乗り物、その他任意の基体に取り付けて適用され、互いに球を投げ入れ合うゲームを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の本実施形態に係るシュートインゲーム装置をカヌー等に取り付けた状態を示す概略側面図である。
【図2】図1シュートインゲーム装置の正面図である。
【図3】図1のシュートインゲーム装置の側面図である。
【図4】図1シュートインゲーム装置の平面図である
【図5】図2のA−A線断面図である。
【図6】図1のシュートインゲーム装置の一部省略斜視図である。
【図7】作用説明図である。
【図8】図1のシュートインゲーム装置の分解図である。
【図9】図1シュートインゲーム装置をカヌー等に取り付けた球投げ入れゲームの一例を示す概略説明図である。
【図10】バウンド壁の変形例を示す要部説明図である。
【図11】シュートインゲーム装置を車椅子のハンドルに取り付けた実施形態の要部側面図である。
【図12】図11のB−B線断面図の受筒部分の説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10 シュートインゲーム装置
12 シュート受部
14 着脱支持機構
16 球入れ籠部
18 バウンド壁
20 開口
22 収容空間
24 縁枠
26 収容垂れ部
32 支持杆
34 縁枠
40 受筒
K カヌー
S 球


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体に取り付けられるシュートインゲーム装置であって、
上方側を開口し、内部に球の収容空間を有する球入れ籠部と、
球入れ籠部の開口直上に玉入れ籠部に連結状態で立設され横からの球を受けてバウンド球を球入れ籠部内に導入させるバウンド壁と、を一体的に組み付けてシュート受部を構成し、
シュート受部に一端を連結し他端を基体に着脱可能に連結される支持杆を介してシュート受部を基体に着脱可能に連結支持させる着脱支持機構を備えたことを特徴とするシュートインゲーム装置。
【請求項2】
バウンド壁は両側に表裏面を有する1つの縦壁であり、
バウンド壁に一端を連結された1つの支持杆によりバウンド壁と球入れ籠部とを支持することを特徴とする請求項1記載のシュートインゲーム装置。
【請求項3】
球入れ籠部は、縁枠と、縁枠の内側において上面を開口しつつ一部を下方に垂れる収容垂れ部と、を含み、
バウンド壁の支持杆下部が収容垂れ部の中央部を貫通して下端側を基体に着脱可能に取り付けられるとともに、縁枠をバウンド壁に固定することにより球入れ籠部とバウンド壁とを一体的に組み付けることを特徴とする請求項2記載のシュートインゲーム装置。
【請求項4】
着脱支持機構は、一端側がシュート受部と連結し縦に配置される支持杆と、基体の一部に固定されて支持杆を上方から挿脱自在に受け入れる受筒と、を備えて成ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシュートインゲーム装置。
【請求項5】
球入れ籠部及び/又はバウンド壁は、縁枠とネット部材で構成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシュートインゲーム装置。
【請求項6】
バウンド壁と支持杆は1つの柄付きネットからなるとともに、球入れ籠部は、該柄付きネットの縁枠が形成する面に交差する面を形成するように柄付きネットの縁枠にその縁枠を固定させた柄なしネットからなることを特徴とする請求項5記載のシュートインゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−307139(P2008−307139A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155843(P2007−155843)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(507195405)