説明

ショット材投射装置及びショット材投射状態検出方法

【課題】ワークの仕上り状態を確保しつつ、ワークに対するショット材の投射状態の検出精度を向上させる。
【解決手段】ショット材投射装置10は、ワーク12にショット材を投射して、ワーク12をショットブラスト処理又はショットピーニング処理する投射ユニット16と、ワーク12の軸方向端面34Aに直接設置される弾性波検出センサ26とを備えている。弾性波検出センサ26は、ワーク12に直接設置されているので、ワーク12に生じた弾性波を弾性波検出センサ26で直接的に検出できる。従って、弾性波の検出精度、ひいては、ワーク12に対するショット材30の投射状態の検出精度を向上させることができる。しかも、弾性波検出センサ26のワーク12への設置箇所は、ワーク12の軸方向端面34Aとされている。従って、ショット材30の投射が弾性波検出センサ26によって阻害されることを回避できるので、ワーク12の仕上り状態を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショット材投射装置及びショット材投射状態検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ショットピーニング装置によりワークにショット粒を投射している間に、ワークに生じる弾性波(アコースティックエミッション:AE)を検出し、この弾性波に基づいてショットピーニング装置によるショット条件を観測する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−143141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の例では、弾性波を検出するためのセンサが支持板を介してワークに接続されている。このため、ワークに生じた弾性波がセンサに到達するまでに減衰される虞がある。従って、弾性波の検出精度、ひいては、ワークに対するショット材の投射状態の検出精度を向上させるためには改善の余地がある。
【0005】
また、ワークをショットブラスト処理又はショットピーニング処理する際に、弾性波検出センサを用いて弾性波を検出する場合には、ショット材の投射が弾性波検出センサによって阻害されずに、ワークの仕上り状態が確保されることが望まれる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ワークの仕上り状態を確保しつつ、ワークに対するショット材の投射状態の検出精度を向上させることができるショット材投射装置及びショット材投射状態検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のショット材投射装置は、ワークにショット材を投射して、前記ワークをショットブラスト処理又はショットピーニング処理する投射ユニットと、前記ワークの軸方向端面に直接設置される弾性波検出センサと、を備えている。
【0008】
このショット材投射装置によれば、ワークに生じる弾性波を検出するための弾性波検出センサは、ワークに直接設置されている。従って、ワークに生じた弾性波を弾性波検出センサで直接的に検出することができるので、弾性波の検出精度、ひいては、ワークに対するショット材の投射状態の検出精度を向上させることができる。
【0009】
しかも、弾性波検出センサのワークへの設置箇所は、元々、ショットブラスト処理又はショットピーニング処理する必要の無いワークの軸方向端面とされている。従って、ショット材の投射が弾性波検出センサによって阻害されることを回避できるので、ワークの仕上り状態を確保することができる。
【0010】
請求項2に記載のショット材投射装置は、請求項1に記載のショット材投射装置において、弾性を有し、前記弾性波検出センサを覆う保護部をさらに備えている。
【0011】
このショット材投射装置によれば、弾性波検出センサは、弾性を有する保護部によって覆われている。従って、弾性波検出センサに向けてショット材が飛んできても、ショット材が保護部に衝突したときには、このショット材の衝撃力を保護部で吸収することができる。これにより、ショット材の衝撃力が弾性波検出センサに伝わることを保護部によって抑制することができる。
【0012】
請求項3に記載のショット材投射装置は、請求項1又は請求項2に記載のショット材投射装置において、前記ワークを保持する保持部と、前記保持部に対して前記弾性波検出センサを弾性支持する弾性支持部と、をさらに備えている。
【0013】
このショット材投射装置によれば、弾性波検出センサは、ワークを保持する保持部に弾性支持部を介して弾性支持されている。従って、ショット材が保持部に投射された場合でも、保持部に生じた弾性波を弾性支持部によって減衰させることができる。これにより、保持部に生じた弾性波が弾性波検出センサで検出されることを抑制することができる。
【0014】
また、前記課題を解決するために、請求項4に記載のショット材投射状態検出方法は、ワークの軸方向端面に弾性波検出センサを直接設置した状態で、前記ワークにショット材を投射して、前記ワークをショットブラスト処理又はショットピーニング処理しながら、前記ワークに生ずる弾性波に応じて出力された前記弾性波検出センサからの信号に基づいて前記ワークに対する前記ショット材の投射状態を検出する方法である。
【0015】
このショット材投射状態検出方法によれば、ワークに対するショット材の投射状態を検出する際に、弾性波検出センサをワークに直接設置している。従って、ワークに生じた弾性波を弾性波検出センサで直接的に検出することができるので、弾性波の検出精度、ひいては、ワークに対するショット材の投射状態の検出精度を向上させることができる。
【0016】
しかも、弾性波検出センサを、元々、ショットブラスト処理又はショットピーニング処理する必要の無いワークの軸方向端面に設置している。従って、ショット材の投射が弾性波検出センサによって阻害されることを回避できるので、ワークの仕上り状態を確保することができる。
【0017】
請求項5に記載のショット材投射状態検出方法は、請求項4に記載のショット材投射状態検出方法において、前記弾性波検出センサを弾性を有する保護部で覆った状態で、前記ワークに前記ショット材を投射する方法である。
【0018】
このショット材投射状態検出方法によれば、弾性波検出センサを弾性を有する保護部によって覆っている。従って、弾性波検出センサに向けてショット材が飛んできても、ショット材が保護部に衝突したときには、このショット材の衝撃力を保護部で吸収することができる。これにより、ショット材の衝撃力が弾性波検出センサに伝わることを保護部によって抑制することができる。
【0019】
請求項6に記載のショット材投射状態検出方法は、請求項4又は請求項5に記載のショット材投射状態検出方法において、前記ワークを保持する保持部に対して前記弾性波検出センサを弾性支持した状態で、前記ワークに前記ショット材を投射する方法である。
【0020】
このショット材投射状態検出方法によれば、弾性波検出センサを、ワークを保持する保持部に弾性支持部を介して弾性支持している。従って、ショット材が保持部に投射された場合でも、保持部に生じた弾性波を弾性支持部によって減衰させることができる。これにより、保持部に生じた弾性波が弾性波検出センサで検出されることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上詳述したように、本発明によれば、ワークの仕上り状態を確保しつつ、ワークに対するショット材の投射状態の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るショット材投射装置の一部断面を含む側面図である。
【図2】図1に示される弾性波検出センサ及びその周辺部の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
図1に示される本発明の一実施形態に係るショット材投射装置10は、ワーク12をショットブラスト処理又はショットピーニング処理するためのものであり、筐体14と、投射ユニット16と、テーブル機構18と、モータ駆動機構20と、ワーク押え機構22と、ゴム部材24と、弾性波検出センサ26とを備えている。
【0025】
投射ユニット16は、筐体14の側壁部28に設けられており、この筐体14の内部に配置されるワーク12にショット材30を投射する構成とされている。この投射ユニット16としては、例えば、遠心式やエア式が用いられる。また、ショット材30としては、種々の形態、材料のものが使用可能である。
【0026】
なお、このショット材投射装置10は、軸方向端面を有する部材を加工対象としている。本実施形態において、この加工対称であるワーク12は、一例として、複数のギア32A,32B,32Cと、この複数のギア32A,32B,32Cと同軸上に設けられた軸部34とを有する歯車部材とされている。
【0027】
テーブル機構18は、筐体14の内部に設けられており、軸受36と、シャフト38と、テーブル40と、歯車42とを有して構成されている。シャフト38は、テーブル40と同軸上に設けられると共に、テーブル40の下端部に一体回転可能に固定されている。また、このシャフト38は、軸受36を介して筐体14に回転可能に支持されている。
【0028】
また、このテーブル40には、シャフト38が設けられた側と反対側(上側)に、ワーク12を載置するための載置部44(上壁部)が形成されている。この載置部44は、テーブル40の軸方向と垂直な方向に延在されており、その中心部には、軸部34の一端側が挿入される貫通孔46が形成されている。
【0029】
この貫通孔46の内径は、軸部34の外径よりも大きく、且つ、ギア32Cの外径よりも小さい寸法に設定されている。また、この載置部44は、この載置部44にワーク12が載置された状態では軸部34の径方向外側からワーク12にショット材30が投射されるように、その投射ユニット16に対する相対的な位置(高さ)が設定されている。
【0030】
歯車42は、かさ歯車によって構成されており、シャフト38と同軸上に設けられると共に、テーブル40の下端部に一体回転可能に固定されている。
【0031】
モータ駆動機構20は、歯車48と、モータ50とを有して構成されている。歯車48は、かさ歯車によって構成されており、上述の歯車42と噛合されている。モータ50は、筐体14の側壁部28に固定されており、シャフト52を有している。シャフト52は、筐体14の側壁部28を貫通し、その先端には、上述の歯車48が一体回転可能に固定されている。
【0032】
ワーク押え機構22は、支持部材54と、シリンダ56と、軸受58と、シャフト60と、旋回確認センサ62と、保持部64とを有して構成されている。支持部材54は、筐体14の上壁部66に設けられており、シリンダ56の本体部68は、この支持部材54に支持されている。
【0033】
シリンダ56は、本体部68に対して軸方向に可動する可動部70を有し、この可動部70で後述するシャフト60をテーブル40側に押圧する構成とされている。シャフト60は、軸受58を介して可動部70に回転可能に支持されている。また、このシャフト60は、テーブル40と同軸上に設けられており、その一端側は、筐体14の上壁部66に形成された貫通孔72に挿通されて筐体14の内部に配置されている。この貫通孔72の周囲には、シール部材74が設けられており、このシール部材74によって貫通孔72のシール性が確保されている。
【0034】
旋回確認センサ62は、例えば、近接スイッチ等により構成されており、シャフト60の周方向の一部に設けられた図示しない突起と接触された場合に、スイッチオンとなって所定の信号を出力する構成とされている。
【0035】
保持部64は、シャフト60の先端部に設けられており、図2に示されるように、円柱状の本体部76と、この本体部76からテーブル40(図1参照)側に延びる円筒部78とを有して構成されている。円筒部78の内径は、軸部34の外径よりも若干大きい寸法に設定されている。
【0036】
ゴム部材24は、筒状部80と、この筒状部80の一端側に形成された底部82とを有する軸方向に沿う断面視にて概略コの字状に形成されている。このゴム部材24は、その開口が円筒部78の開口側に向いた状態で円筒部78の内側に配置されている。また、ゴム部材24が円筒部78の内側に配置された状態では、筒状部80が円筒部78の内周面と密着されると共に、底部82が本体部76と密着されている。
【0037】
弾性波検出センサ26は、後に詳述するように、ワーク12に生じる弾性波に応じた信号を出力する構成とされている。なお、この場合の弾性波とは、アコースティックエミッション(AE)のことである。この弾性波検出センサ26としては、種々の方式のものを用いることが可能である。この弾性波検出センサ26は、上述の概略コの字状に形成されたゴム部材24の内側にゴム部材24と密着された状態で収容されており、このゴム部材24を介して保持部64に弾性支持されている。
【0038】
また、この弾性波検出センサ26の先端面26Aは、ゴム部材24の開口24Aを通じてテーブル40側に露出されており、軸部34の軸方向端面34Aに直接的且つ同軸的に接触されるようになっている。つまり、この弾性波検出センサ26は、軸方向端面34Aに直接設置されるようになっている。また、この弾性波検出センサ26における軸方向端面34Aとの接触面である先端面26A以外の外表面、すなわち、外周面26B及び後端面26Cは、上述のゴム部材24によって覆われている。
【0039】
また、この弾性波検出センサ26には、図1に示されるように、計測回路84が電気的に接続されている。この計測回路84は、増幅回路86と、包絡線検波回路88と、カウンタ回路90と、ピーク測定回路92とによって構成されている。この計測回路84の詳細については、以下のショット材投射状態検出方法と併せて説明する。
【0040】
なお、本実施形態において、ゴム部材24は、本発明における保護部及び弾性支持部に相当する。
【0041】
次に、上述のショット材投射装置10の動作と併せて、本発明の一実施形態に係るショット材投射状態検出方法について説明する。
【0042】
先ず、テーブル40の載置部44に形成された貫通孔46に軸部34の一端側が挿入されて、ワーク12が載置部44に載置される。続いて、図2に示されるように、このワーク12の軸部34の他端側が円筒部78の内側に挿入されて、この軸部34の他端側が円筒部78によって保持される。また、このときに、この軸部34の他端側の軸方向端面34Aに弾性波検出センサ26の先端面26Aが接触される。なお、軸部34の軸方向端面34Aは、弾性波検出センサ26への弾性波の伝播効率を高めるために、鏡面仕上げされていると好適である。
【0043】
また、このとき、図1に示されるシリンダ56によってシャフト60がテーブル40側に押圧されることにより、弾性波検出センサ26の先端面26Aが軸方向端面34Aに一定の押圧力で接触されると共に、ワーク12が保持部64によってテーブル40に押さえ付けられる。そして、これにより、保持部64、弾性波検出センサ26、ワーク12、及び、テーブル40が一体回転可能な状態とされる。
【0044】
続いて、この状態で、モータ50が駆動される。モータ50が駆動されると、シャフト52と共に歯車48が回転され、この歯車48と噛合された歯車42と共にシャフト38及びテーブル40が回転される。また、これにより、ワーク12と共に弾性波検出センサ26、ゴム部材24、保持部64、シャフト60が回転される。
【0045】
また、このときには、投射ユニット16からショット材30がワーク12に投射される。そして、これにより、ワーク12がショットブラスト処理又はショットピーニング処理される。
【0046】
さらに、このときには、ショット材30がワーク12に衝突することによりワーク12に弾性波が生じる。そして、この弾性波に応じた信号が弾性波検出センサ26から出力され、この信号が計測回路84に入力される。
【0047】
計測回路84では、先ず、弾性波検出センサ26から出力された信号が増幅回路86にて増幅され、この増幅信号に対し包絡線検波回路88にて包絡線が検波される。その後、包絡線検波回路88から出力された信号の発生回数がカウンタ回路90にてカウントされると共に、包絡線検波回路88から出力された信号のピーク値がピーク測定回路92にて測定される。
【0048】
そして、カウンタ回路90にて得られるカウント値により、ショット材30の投射回数が得られると共に、ピーク測定回路92にて測定されたピーク値により、ショット材30の投射力が得られる。つまり、ここでは、ワーク12に対するショット材30の投射状態として、ショット材30の投射回数及び投射力が検出される。そして、この検出結果に基づいて、作業者又は図示しない演算処理装置等によりワーク12の仕上り状態(例えば、残留応力の付与状態や表面処理状態など)が判定される。
【0049】
なお、ワーク12の形状が断面円形でなく、ワーク12が1回転される間に弾性波検出センサ26から出力された信号のピーク値が変化する場合には、図示しない演算処理装置等により、この弾性波検出センサ26から出力された信号と、旋回確認センサ62から出力された信号とに基づいて、ワーク12とテーブル40との間に滑りが生じたことが判断されても良い。
【0050】
また、上述のショット材投射状態検出方法は、ワーク12を製品として実際に処理するときに使用されても良く、また、ワーク12を製品として実際に処理する前の準備段階で使用されても良い。
【0051】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0052】
以上詳述したように、本発明の一実施形態によれば、弾性波検出センサ26を用いることにより、実際にワーク12をショットブラスト処理又はショットピーニング処理している最中において、ワーク12に対するショット材30の投射状態(投射回数や投射力)を検出することができる。
【0053】
これにより、例えば、ショット材30の投射力が弱まったことが検出された場合には、投射ユニット16の不具合と判断することができる。また、ショット材30の投射回数が減少したことが検出された場合には、ショット材30の不足と判断することができる。さらに、ショット材30の投射力にばらつきが生じたことが検出された場合には、ショット材30の大きさにばらつきが生じたなどの装置の異常も診断することができる。また、時間の経過に伴いショット材30の投射力が増加したことが検出された場合には、ショット材30が硬化したと判断することができる。
【0054】
また、ワーク12に生じる弾性波を検出するための弾性波検出センサ26は、ワーク12に直接設置されている。従って、ワーク12に生じた弾性波を弾性波検出センサ26で直接的に検出することができるので、弾性波の検出精度、ひいては、ワーク12に対するショット材30の投射状態の検出精度を向上させることができる。
【0055】
しかも、弾性波検出センサ26のワーク12への設置箇所は、元々、ショットブラスト処理又はショットピーニング処理する必要の無いワーク12の軸方向端面34Aとされている。従って、ショット材30の投射が弾性波検出センサ26によって阻害されることを回避できるので、ワーク12の仕上り状態を確保することができる。
【0056】
また、弾性波検出センサ26における先端面26A以外の外表面、つまり、外周面26B及び後端面26Cは、弾性を有するゴム部材24によって覆われている。従って、例えば、円筒部78と軸部34との間の隙間を通じて、弾性波検出センサ26に向けてショット材30が飛んできても、ショット材30がゴム部材24に衝突したときには、このショット材30の衝撃力をゴム部材24で吸収することができる。これにより、ショット材30の衝撃力が弾性波検出センサ26に伝わることをゴム部材24によって抑制することができる。
【0057】
さらに、弾性波検出センサ26は、軸部34を保持する保持部64にゴム部材24を介して弾性支持されている。従って、ショット材30が保持部64に投射された場合でも、保持部64に生じた弾性波をゴム部材24によって減衰させることができる。これにより、保持部64に生じた弾性波が弾性波検出センサ26で検出されることを抑制することができる。
【0058】
また、ワーク12に対するショット材30の投射状態を効率良く検出することができるので、ショット材30の無駄な投射を抑制することができ、コストも低減することができる。
【0059】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0060】
上記実施形態において、ショット材投射装置10は、軸部34の軸方向が鉛直方向と一致した状態でワーク12を保持するように起立された状態で設置されていたが、軸部34の軸方向が水平方向と一致した状態でワーク12を保持するように横臥された状態で設置されても良い。
【0061】
また、ゴム部材24は、弾性波検出センサ26における外周面26B及び後端面26Cを覆う保護部としての機能と、保持部64に対して弾性波検出センサ26を弾性支持する弾性支持部としての機能を有していたが、どちらか一方の機能のみを有していても良い。つまり、ショット材投射装置10は、保護部に相当する部材と弾性支持部に相当する部材をそれぞれ独立して備えていても良い。
【0062】
また、例えば、ゴム部材24の筒状部80と保持部64の円筒部78との間のシール性が確保されている場合には、ゴム部材24は、底部82が省かれた構成とされていても良い。
【0063】
また、ゴムによって構成されたゴム部材24によって弾性支持部が構成されていたが、ゴム以外の弾性体で構成された部材によって弾性支持部が構成されていても良い。
【0064】
また、ショット材投射装置10は、ワーク12の一例として、歯車部材を加工対象としていたが、軸方向端面を有する部材であれば、その他の部材を加工対象としても良く、また、回転部材以外の部材を加工対象としても良い。
【0065】
また、ショット材投射装置10は、全体が軸部として構成されたワークを加工対象としても良い。
【0066】
また、上記実施形態では、ワーク12に対するショット材30の投射状態として、投射回数及び投射力が検出されていたが、弾性波検出センサ26から出力された信号に基づいてその他の投射状態が検出されても良い。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0068】
10 ショット材投射装置
12 ワーク
16 投射ユニット
24 ゴム部材(保護部、弾性支持部)
26 弾性波検出センサ
30 ショット材
34A 軸方向端面
68 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークにショット材を投射して、前記ワークをショットブラスト処理又はショットピーニング処理する投射ユニットと、
前記ワークの軸方向端面に直接設置される弾性波検出センサと、
を備えたショット材投射装置。
【請求項2】
弾性を有し、前記弾性波検出センサを覆う保護部を備えた、
請求項1に記載のショット材投射装置。
【請求項3】
前記ワークを保持する保持部と、
前記保持部に対して前記弾性波検出センサを弾性支持する弾性支持部と、
を備えた、
請求項1又は請求項2に記載のショット材投射装置。
【請求項4】
ワークの軸方向端面に弾性波検出センサを直接設置した状態で、前記ワークにショット材を投射して、前記ワークをショットブラスト処理又はショットピーニング処理しながら、前記ワークに生ずる弾性波に応じて出力された前記弾性波検出センサからの信号に基づいて前記ワークに対する前記ショット材の投射状態を検出する、
ショット材投射状態検出方法。
【請求項5】
前記弾性波検出センサを弾性を有する保護部で覆った状態で、前記ワークに前記ショット材を投射する、
請求項4に記載のショット材投射状態検出方法。
【請求項6】
前記ワークを保持する保持部に対して前記弾性波検出センサを弾性支持した状態で、前記ワークに前記ショット材を投射する、
請求項4又は請求項5に記載のショット材投射状態検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−16764(P2012−16764A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154235(P2010−154235)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)