説明

ショーケース装置

【課題】食料品などを冷蔵および/または冷凍しながら天板上において良好に陳列できるショーケース装置を提供する。
【解決手段】ショーケース装置1aは、陳列室11を形成する上部ケース10と、機械室21を形成する下部ケース20とを有する。機械室21には、冷媒を介して陳列室11を冷却する冷却ユニット40が収容される。ショーケース装置1aは、さらに、上部ケース10の後部と下部ケース20の後部とを繋ぎ、上部ケース10に下部ケース20をつり下げることが可能な連結部30と、連結部30の内部に沿って上下に冷媒を循環させる経路51とを有する。上部ケース10と下部ケース20との間に形成される空間Sには、カウンタの天板が挿入可能であり、上部ケース10を天板に搭載した状態では、下部ケース20は天板の下側になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食料品などを冷蔵および/または冷凍しながら陳列できるショーケース装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗のカウンタ上に据え付けるのに好適なオープンショーケースが開示されている。このオープンショーケースは、前面に開口する陳列室内を冷却装置により冷却して成るオープンショーケースであって、全体寸法を卓上設置に適した値に設定されている。また、このオープンショーケースは、底部のユニットベース上に断熱材が取り付けられており、断熱材の上側に陳列室が設けられ、断熱材の下側に機械室が設けられている。
【特許文献1】特開2001−128809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示されているオープンショーケースは、機械室が設けられている分だけ陳列室の位置が高くなる。陳列室の位置が高くなると、カウンタ上に設置したときに、陳列室が顧客の視線(目線)から外れやすくなり、しかも、陳列室の内部が視認しにくくなる。特に、子どもは視線が低いため、陳列室の内部が視認しにくい。
【0004】
また、断熱材の下側に機械室が設けられていると、オープンショーケース全体に対する陳列室の大きさの割合が低減する。カウンタに設置する場合には、オープンショーケース全体の大きさは、ある程度制限されることが多く、結果として陳列室が狭くなり、陳列室の内部に陳列できる商品が少なくなる。
【0005】
さらに、卓上型の冷蔵ショーケースは、機械室が設けられている分だけオープンショーケースが上下方向に大型化するため、オープンショーケースをカウンタ上に設置したときに圧迫感を与えることがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、商品を冷蔵および/または冷凍した状態で陳列するためのショーケース装置である。このショーケース装置は、陳列室を形成する上部ケースと、冷媒を介して陳列室を冷却する冷却ユニットを収容するための機械室を形成する下部ケースと、上部ケースの後部と下部ケースの後部とを繋ぎ、上部ケースに下部ケースをつり下げることが可能な連結部と、連結部の内部または外部に沿って上下に冷媒を循環させる経路とを有する。
【0007】
このショーケース装置によれば、下部ケースを上部ケースにつり下げた状態で設置することができる。したがって、例えば、上部ケースのみをカウンタやテーブルなどの上に搭載し、下部ケースを上部ケースにつり下げ、下部ケースをカウンタやテーブルなどの下に隠し、上部ケースのみがカウンタやテーブルなどの上にあるような状態で(露出しているような状態で)、ショーケース装置を設置することが可能である。このショーケース装置によれば、冷蔵または冷凍での陳列が可能なショーケースでありながら、前方から見るとカウンタやテーブルなどの上には上部ケースのみが見え、カウンタやテーブルなどの下に機械室を形成する下部ケースは隠れ、後方から見ると、上部ケースと下部ケースとが1つのハウジングからなるように見えるように設置できる。
【0008】
このため、商品を冷蔵および/または冷凍した状態で陳列するショーケースにおいて、後方から見ると、機械室を含む下部ケースと陳列室を含む上部ケースとが連結部により機械的に繋がっていながら、前方から見ると、卓上に現れる、陳列室を含む上部ケースのデザインを、機械室を含む下部ケースとは分離されたようにデザインすることができる。したがって、陳列室を含めた上部ケースのデザインのフレキシビリティが増し、たとえば、カウンタやテーブルなどの上に露出する陳列室の位置を低くし、顧客が上方から覗き込むような低い位置や、子どもの視線に合う程度の低い位置に陳列室を設けることが可能となる。前者は、特に、アイスクリームなどの上方から見られることを予定した商品を卓上で販売するのに適している。いずれの場合も、陳列室の内部を顧客に良好に視認させることができ、販促を図ることができる。
【0009】
また、このショーケース装置によれば、上部ケースの後部と下部ケースの後部とを繋ぐ連結部の内部または外部に沿って上下に冷媒を循環させる経路が設けられている。このため、カウンタやテーブルなどに孔をあけたり、切り欠いたりする加工を施さずに、機械室を形成する下部ケースをカウンタやテーブルなどの下に配置し、陳列室を形成する上部ケースのみをカウンタやテーブルなどの上に配置し、陳列室を冷蔵および/または冷凍状態に維持できる。
【0010】
さらに、このショーケース装置によれば、従来の卓上型では、カウンタやテーブルなどの上であって、機械室が設けられていた空間を、陳列室の空間として利用することができる。したがって、コンパクトで、より広い陳列室を備えたショーケース装置を提供でき、カウンタやテーブルの上などといった限られた空間に、より多くの商品を陳列することができる。また、下部ケースがカウンタやテーブルなどの上に露出しないように(カウンタやテーブルなどの上に上部ケースのみが露出するように)ショーケース装置を設置することが可能であるため、ショーケース装置をカウンタやテーブルなどの上に設置したときの圧迫感を低減できる。
【0011】
このショーケース装置において、上部ケースと下部ケースとの間に形成される空間を、カウンタやテーブルなどの天板が挿入可能な空間とすることが好ましい。このショーケース装置によれば、上部ケースを天板に搭載すると、下部ケースが天板の下側になる。したがって、このショーケース装置によれば、上部ケースを天板に後方から搭載することにより、機械室を形成する下部ケースを天板の下に隠し、冷蔵および/または冷凍状態に維持された陳列室を天板の上に露出させる(現れるようにする)ことができる。
【0012】
このショーケース装置では、上部ケースと、連結部と、下部ケースとを跨ぐ、略L字型の補強プレートを設けることが好ましい。このショーケース装置は、上部ケースに下部ケースをつり下げた状態で使用できる。略U字型の補強プレートを略U字型が水平方向を向くように使い上部ケースと下部ケースとを接続することも可能である。略L字型の補強プレートを設けることにより、応力の集中を緩和することができる。
【0013】
本発明の一態様にかかるショーケース装置は、収納室の一部を取出口として開放させている、いわゆるオープンタイプのショーケース装置に適用してもよい。また、本発明の一態様にかかるショーケース装置は、通常では取出口を扉などで閉塞させておき、商品を取り出すときや商品を補充するときなどに扉を開いて、取出口の少なくとも一部を開放させる、いわゆるクローズタイプ(クローズドタイプ)のショーケース装置に適用してもよい。いずれの場合も、取出口は、例えば、上方、前方、あるいは、側方など、任意の位置に設けることができる。また、取出口とは別に、店員が商品を補充する際に使用する補充用の開口を設けておいてもよい。補充用の開口は、例えば、後方などに設けることができる。
【0014】
このショーケース装置の一実施形態は、上部ケースは、その上壁に扉を備えており、扉を開くことにより、陳列室に上方からアクセス可能であるものである。上部ケースは、その上壁の少なくとも一部が透光性であっても良い。いわゆる平型の冷蔵あるいは冷凍ショーケース装置を、カウンタやテーブルなどの上に設置されたような外観のショーケース装置を提供できる。陳列室の内部を視認しやすく、しかも、陳列室の内部から商品を取り出しやすい。また、カウンタやテーブルなどの上に機械室は無く、平型の冷蔵および/または冷凍の小型のショーケースのみがカウンタやテーブルなどの上に設けられたような外観は、斬新であり、新規なディスプレイを行うことができ、また、良好なディスプレイ効果が得られる。
【0015】
このショーケース装置は、上部ケースと、下部ケースと、連結部とが1つのハウジングに含まれるように構成(形成)することもできる。すなわち、このショーケース装置は、上部に陳列室を形成し、下部に機械室を形成するような、ハウジングにより構成することもできる。
【0016】
本発明の他の態様は、商品を冷蔵および/または冷凍した状態で陳列するためのショーケース装置であって、陳列室を上部に配置(形成)し、冷媒を介して陳列室を冷却するための冷却ユニットを収容する機械室を下部に配置(形成)し、天板を挿入可能な空間を陳列室と機械室との間に形成するハウジングを有する、ショーケース装置である。このショーケース装置は、陳列室を形成するハウジングの上部を天板に搭載すると、機械室を形成するハウジングの下部は天板の下側にある。
【0017】
このショーケース装置によれば、ハウジングは機械室を一体的に含んでいるが、機械室を形成するハウジングの下部は天板の下側に置かれるため、天板の上には現われない。したがって、機械室内に収容された冷却ユニットにより陳列室を冷蔵および/または冷凍状態に維持でき、しかも、冷蔵および/または冷凍状態に維持された陳列室を形成するハウジングの上部のみが天板の上に露出するように設置できる。
【0018】
このショーケース装置の一実施形態は、陳列室の上方を開閉する扉をさらに有するものである。いわゆる平型のショーケース装置を天板の上に設けたような外観となるため、卓上のショーケース装置の形態として斬新であり、しかも、陳列室の内部を視認しやすく、陳列室の内部から商品を取り出しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかるショーケース装置1aを、前方から見た斜視図により示している。図2は、図1のショーケース装置1aを、後方から見た斜視図により示している。図3は、図1のショーケース装置1aを、正面図により示している。図4は、図1のショーケース装置1aの概略構成を、側方から模式的に示している。図5は、図1のショーケース装置1aを側面図により示している。
【0020】
このショーケース装置1aは、食料品、飲料品、半加工品などの商品Aを冷蔵および/または冷凍する装置(冷却貯蔵庫、冷蔵庫、冷蔵/冷凍装置)としての機能と、商品Aを陳列・展示するショーケースとしての機能とを兼ね備えている。すなわち、商品Aには、冷蔵または冷凍した状態で提供することが好ましい飲料品(典型的にはジュース、シェイク、アイスコーヒー)、冷蔵または冷凍した状態で保存および提供することが好ましい食品(典型的にはアイスクリーム)、および冷蔵または冷凍した状態で保存し加熱して提供することが好ましい半加工品(典型的にはパン生地、冷凍食品)などが含まれる。このショーケース装置1aは、例えば、コンビニエンスストアなどの店舗において、レジカウンタなどのカウンタ100に設置し、レジ待ちの顧客に商品を提供するために使用するのに好適である。
【0021】
本例のショーケース装置1aは、冷凍ショーケース装置(冷凍什器)であって、例えば、氷入りアイスコーヒーカップを陳列室11内に陳列・展示し、これらの保冷を行い、アイスコーヒーをセルフ方式で販売するという新しい販売形態のために好適に用いることができるものである。本例のショーケース装置1aでは、陳列室11内は、氷を維持(保冷)できる温度、例えば、−5℃〜−10℃程度に保持されている。
【0022】
詳しくは、このショーケース装置1aは、陳列室11を上部に配置(形成)するとともに、液状冷媒を介して陳列室11を冷却するための冷却ユニット40を収容する機械室21を下部に配置(形成)するハウジング2であって、レジカウンタ100の天板101を挿入可能な空間Sを陳列室11と機械室21との間に形成するハウジング2を有している。具体的には、ハウジング2は、陳列室11を形成する上部ケース10と、機械室21を形成する下部ケース20と、上部ケース10の後部と下部ケース20の後部とを繋ぎ、上部ケース10に下部ケース20をつり下げることが可能な連結部30とを含んでいる。すなわち、このショーケース装置1aは、側方から見ると、略コ字型(C字型)となっており、前方から見ると、上部ケース10と下部ケース20とが別体となっているように見えるが、後方から見ると、上部ケース10と下部ケース20とが連結部30を含めて1つのハウジング2からなるように見える。
【0023】
本例のショーケース装置1aでは、陳列室11内を−5℃〜−10℃程度に保持できるよう、冷媒として、HFC−134aなどが用いられている。この冷媒は、陳列室11の内部を冷却するように上部ケース10に設置された冷却器(蒸発器、エバポレータ)71と、下部ケース20の機械室21に設けられたコンデンサ72との間を、連結部30を介して循環する。機械室21において冷風を生成し、冷風を冷媒として連結部30を介して陳列室11へ循環させることも可能である。そのようなショーケース装置であれば、エバポレータ71までを機械室21に設置できるので、上部ケース10をさらにコンパクトにできる可能性がある。その反面、連結部30に冷風を循環させるためのダクトを含める必要があり、連結部30の断面が大きくなる可能性がある。したがって、冷媒としては、水やHFCなどの2相または液状の冷媒を用いることが望ましい。
【0024】
本例のショーケース装置1aは、下部ケース20を上部ケース10につり下げることができる。このため、陳列室11と機械室21との間にレジカウンタ100の天板101が位置するように、上部ケース10と下部ケース20とを天板101を挟んだ状態で設置できる。そのような設置形態では、上部ケース10は、レジカウンタ100の上に搭載され、下部ケース20は、上部ケース10に片持ち状態でつり下げられた状態でレジカウンタ100の天板101の下に隠され、上部ケース10のみがレジカウンタ100の上に露出する(現れる)。すなわち、本例のショーケース装置1aによれば、機械室21は、レジカウンタ100の上には露出せず(現れず)、しかも、店舗側の顧客からは見えないようにすることができ、しかも、陳列室11内は冷凍状態に維持できる。
【0025】
より具体的には、上部ケース10は、上壁12a、下壁12b、前壁12c、左右の側壁12dおよび12e、および後壁12fを備え、箱状となっている。上部ケース10は、後壁12fの高さが前壁12cの高さよりも大きく(高く)なっており、上壁12aが前側から後側に向かって大きく(高く)なるように傾斜し、下壁12bは略水平となるような形状を有している。下壁12bの外面の4つのコーナー部、すなわち、上部ケース10の下部の4つのコーナー部には、それぞれ、脚部13が設けられている。上部ケース10の内部には、後側よりも前側の方が低くなるように傾斜した陳列室11が形成されている。陳列室11の下には、底板14を介して、冷媒経路50の一部が配置される下部空間15が設けられている。陳列室11の底(底板14の上)には、スノコが敷かれている。
【0026】
上部ケース10は、レジカウンタ100に搭載可能なサイズおよび重量に形成されている。上部ケース10は、例えば、左右方向の幅が600mm程度、後壁12fの高さが325mm程度、奥行きが550mm程度に形成されている。
【0027】
上部ケース10の上壁12aは、後側よりも前側の方が低くなるように傾斜している。上部ケース10の上壁12aには、前後2枚の透明なスライド扉16aおよび16bが設けられている。したがって、レジカウンタ100に設置すると、顧客は、透明なスライド扉16aおよび16bを介して、上方から覗き込むように、陳列室11内を見ることができる。
【0028】
前側のスライド扉16aは、前側に取手16cが設けられており、前側から後側にスライドさせることにより、陳列室11の上方前側を開放することができる。前側のスライド扉16aを後側にスライドさせて、このスライド扉16aを開くことにより、店舗側(レジカウンタの外側)の顧客は、陳列室11に上方からアクセスできる。後側のスライド扉16bは、後側に取手16dが設けられており、後側から前側にスライドさせることにより、陳列室11の上方後側を開放することができる。後側のスライド扉16bを前側にスライドさせて、このスライド扉16bを開くことによっても、陳列室11に上方からアクセスできる。この後側のスライド扉16bは、店員がレジカウンタ100の内側から、陳列室11内の商品Aを取り出したり、陳列室11内に商品Aを補充する際に好適に用いることができるようになっている。
【0029】
下部ケース20は、上壁22a、下壁22b、前壁22c、左右の側壁22dおよび22e、および後壁22fを備え、略直方体の箱状となっている。下部ケース20の内部には、機械室21が形成されている。機械室21は、冷媒経路50の一部と、冷媒経路50を循環する冷媒を冷却し、冷媒を介して陳列室11を冷却するための冷却ユニット40とを配置するための空間である。冷却ユニット40は、例えば、コンデンサ72と、排気ファン75と、コンプレッサ41とを備えている。なお、冷媒を加圧および循環させるためのコンプレッサ41を備えた冷却ユニット40は、陳列室内を冷蔵から冷凍条件に維持するために適している。一方、冷凍はほとんど要求されず冷蔵だけで良い場合は、冷却ユニット40として、ペルチェ素子ユニットなどを備えたものを採用でき、冷媒として冷水を採用することも可能である。
【0030】
下部ケース20は、上部ケース10につり下げることが可能なサイズおよび重量に形成されている。下部ケース20は、例えば、左右方向の幅が560mm程度、高さが200mm程度、奥行きが500mm程度に形成されている。下部ケース20の後面(後壁22fの外面)29は、上部ケース10の後面(後壁12fの外面)19に対して後方(レジカウンターの内側)に突き出さないように、後面19とはほぼ垂直な同一の平面F上に位置している。
【0031】
連結部30は、下部ケース20と一体に形成され、下部ケース20から上方に延びて、上部ケース10と接続されている。連結部30も、上部ケース10の後壁12fおよび下部ケース20の後壁22fから後方(レジカウンターの内側)に突き出さないように、それらに沿うように形成されている。すなわち、連結部30の後面39と、上部ケース10の後面(後壁12fの外面)19と、下部ケース20の後面(後壁22fの外面)29とは、ほぼ垂直な同一の平面F上に位置している(図5参照)。このショーケース装置1aは、連結部30が中空であり、冷媒経路50の一部であって、連結部30の内部に沿って上下に冷媒を循環させる経路51が配置される空間が設けられている。
【0032】
上部ケース10と下部ケース20との間に形成される空間Sの大きさ(高さ)は、レジカウンタ100の天板101が挿入可能な大きさ(高さ)である。コンビニエンスストアのレジカウンタ100の一般的な天板101の厚さを考慮すると、上部ケース10と下部ケース20との間に形成される空間Sの大きさ(高さ)は、例えば、60〜70mmとすることができる。したがって、本例では、連結部30の高さを、65mm程度としている。なお、連結部30は、伸び縮みするように形成してもよい。このようにすることにより、天板101の厚さが変わっても、この天板101に合わせて、ショーケース装置1aを設置することができる。
【0033】
また、本例のショーケース装置1aは、上部ケース10に下部ケース20をつり下げた状態で好適に使用できるように、上部ケース10と、連結部30と、下部ケース20とを跨ぐように、一対の略L字型の補強プレート60が設けられている。一対の略L字型の補強プレート60は、それぞれ、下部ケース20の左右の側部後方および連結部30の左右の側部後方に沿って設けられ、上部ケース10の下壁12bを貫通して、上部ケース10の下部空間15内に入り込んでいる(図5参照)。
【0034】
このショーケース装置1aでは、例えば、上部ケース10、連結部30および下部ケース20の配置に沿って略U字型の補強プレートを略U字型が水平方向を向くように使い、上部ケース10と下部ケース20とを接続する(上部ケース10と連結部30と下部ケース20とを跨ぐように、略コ字型の補強プレートを設ける)ことも可能である。しかしながら、このような略U字型の補強プレート(略コ字型の補強プレート)は、U字型のコーナー部分に応力が集中し、上下方向に開く方向に力がかかる。したがって、このような略U字型の補強プレートは、上下方向に変形したり、破断する可能性があり、上部ケース10に下部ケース20をつり下げた状態で保持するための補強部材としてはあまり好適ではない場合がある。
【0035】
これに対し、略L字型の補強プレート60は、略U字型の補強プレート(略コ字型の補強プレート)と比べ、上下方向に変形させる応力が発生しにくく、コーナー部分の応力集中を緩和できる。したがって、略L字型の補強プレート60は、上部ケース10に下部ケース20をつり下げた状態で保持するための補強部材として好適である。なお、略L字型の補強プレート60のコーナー部の内側および/または外側に「R」を持たせる(湾曲形状にする)ことにより、さらに、コーナー部の応力を緩和できる可能性がある。
【0036】
次に、本例のショーケース装置1aが備える冷却サイクル70について説明する。本例のショーケース装置1aが備える冷却サイクル70は、HFC−134aなどの冷媒と空気との間で熱交換を行う冷却サイクルであって、図4に示すように、冷媒との熱交換により空気を冷却する蒸発器(エバポレータ)71と、圧縮された気体状(気相)の冷媒と空気との熱交換を行い、冷媒を液状(液相)にする凝縮器72と、冷媒を加圧して巡回させるコンプレッサ41とを含んでいる。エバポレータ71には、減圧器71aが付随しており、上部ケース10の下部空間15に配置されている。冷却サイクル70の他の構成は、冷却ユニット40として下部ケース20の機械室21に配置されており、凝縮器72は、下部ケース20の内部に前側に寄せて配置されている。コンプレッサ41は、下部ケース20の内部の略中央から後側に配置されている。コンプレッサ41は、外部から操作しやすいように下部ケース20の内部の後側に配置された制御ユニット73によってその動作が制御されている。これらエバポレータ71とコンデンサ72とコンプレッサ41とは、連結部30の内部に沿って上下に冷媒を循環させる経路51を含む冷媒経路50によりつながり、冷媒を冷却する。
【0037】
下部ケース20には、前壁22cに第1の開口23が設けられているとともに、後壁22fに第2の開口24が設けられている。さらに、下部ケース20の機械室21には、第1の開口23と対向するように凝縮器72が配置され、さらに凝縮器72を挟んで第1の開口23と対向するように排熱用のファン75が設けられている。ファン75は、制御ユニット73によって制御され、ファン75を回転させることにより、第2の開口24から第1の開口23に向かう風の流れが形成され、機械室21の内部および凝縮器72が冷却される。風の流れは、第1の開口23から第2の開口24に向かうものであっても良い。上部ケース10においては、機械室21の冷却ユニット40から供給される冷媒との熱交換により陳列室11の空気が冷却され、これにより、陳列室11の内部が冷凍状態に保持される。
【0038】
下部ケース20の後壁22fには、制御ユニット73に関連して、陳列室11内の温度などを調整するためのコントロールパネル79が外部に表れている。コントロールパネル79は、制御ユニット73と電気的に接続されている。コントロールパネル79を操作することにより、陳列室11内の温度などを任意に設定できる。さらに、陳列室11の内部には、温度検知器74が配置され、制御ユニット73は、温度検知器74により検知された温度に基づいてコンプレッサ41の動作を制御する。上述したように、本例では陳列室11の内部は、冷凍に適した設定温度(−5℃〜−10℃程度)に保持されるが、設定温度は変更することが可能であり、冷蔵に適した−2℃前後あるいはその他の温度範囲に設定することも可能である。
【0039】
図6は、図1のショーケース装置1aを、レジカウンタ100にセットした状態で、店舗側から見た斜視図により示している。図7は、図1のショーケース装置1aを、レジカウンタ100にセットした状態で、カウンタ内部側から見た斜視図により示している。なお、図中符号120は、レジスターである。
【0040】
本例のショーケース装置1aは、上部ケース10と下部ケース20との間に形成される空間Sが、レジカウンタ100の天板101が挿入可能な空間となっている。このため、このショーケース装置1aによれば、上部ケース10を天板101に搭載すると、下部ケース20が天板101の下側になる。したがって、上部ケース10のみをレジカウンタ100の天板101の上に搭載すると、下部ケース20は上部ケース10につり下げられ、下部ケース20がレジカウンタ100の天板101の下に隠れ(入り)、上部ケース10のみがレジカウンタ100の天板101の上にあるような状態で(露出しているような状態で)設置することができる。
【0041】
したがって、本例のショーケース装置1aは、冷凍での陳列が可能なショーケースでありながら、上述のように配置することにより、図6に示すように、前方から見るとレジカウンタ100の天板101の上には上部ケース10のみが見え、後方から見ると、上部ケース10と下部ケース20とが連結部30を含めて1つのハウジング2からなるように見える。
【0042】
コンビニエンスストアのレジカウンタ100などでは、通常、内部に棚板102が設けられ、棚板102上(天板101と棚板102との間の空間)に、レジ袋などを置くことができるようになっている。本例のショーケース装置1aは、下部ケース20が上部ケース10につり下げられているので、典型的には、下部ケース20が吊下げられた状態で設置することができる。上述のように、レジカウンタ100の内部に棚板102が設けられている場合には、天板101と棚板102との間に下部ケース20を挿入できる。さらに、下部ケース20と棚板102との間に、支持部材80(図5参照)を設けて、支持部材80を介して、下部ケース20を棚板102に支持させてもよい。レジカウンタ100の内部の棚板102は、高さが変えられる場合は、棚板102の高さを変えて、下部ケース20が棚板102の上に搭載されるようにしてもよい。下部ケース20を棚板102により支持することは、ショーケース装置1aをより安定に設置するためには効果的である。また、上部ケース10に転倒するような力が働いたときは、下部ケース20が天板101の裏側に接して、そのような力に対向し、上部ケース10が転倒することを抑制できる。したがって、地震などによる振動に対しても、このショーケース装置1aは安定性が高い。
【0043】
以上のように、このショーケース装置1aによれば、後方から見ると、機械室21を含む下部ケース20と陳列室11を含む上部ケース10とが連結部30により機械的に繋がっていながら、前方から見ると、商品Aを冷凍した状態で陳列できる陳列室11を含む上部ケース10を、機械室21を含む下部ケース20とは分離された状態で、レジカウンタ100上に表れたようにデザインすることができる。したがって、上部ケース10のデザインを、機械室21を含む下部ケース20とは連結部30を除いて分離することができ、上部ケース10のデザインのフレキシビリティが増す。このため、上部ケース10を低くし、顧客が上方から覗き込むような低い位置に陳列室11を設けることができる。このデザインであれば、陳列室11の内部を顧客に良好に視認させることができるため、販促に効果的である。特に、商品が上側から見られることを予定しているアイスクリームなどをレジ横で販売するのに適している。
【0044】
また、このショーケース装置1aによれば、上部ケース10の後部と下部ケース20の後部とを繋ぐ連結部30の内部に沿って上下に冷媒を循環させる経路51が設けられている。このため、レジカウンタ100の天板101に孔をあけたり、切り欠いたりする加工を施さずに、機械室21を形成する下部ケース20をレジカウンタ100の天板101の下に配置し、冷凍状態に維持された陳列室11を形成する上部ケース10のみをレジカウンタ100の天板101の上に配置できる。したがって、ショーケース装置1aをレジカウンタ100の上の適当な位置に設置でき、移動することも容易である。また、レジカウンタ100にいったん設置したショーケース装置1aを取り除けば、レジカウンタ100は、ショーケース装置1aを設置する前と同様に使用することができる。
【0045】
しかも、このショーケース装置1aは、陳列室11の上方を開閉する透光性の扉16aおよび16bを有しているため、いわゆる平型のショーケース装置を天板101の上に設けたような外観となる。したがって、外観が斬新であり、しかも、陳列室11の内部を視認しやすく、陳列室11の内部から商品Aを取り出しやすい。
【0046】
さらに、このショーケース装置1aは、上部ケース10の後面と、下部ケース20の後面と、連結部30の後面とが、ほぼ垂直な平面(壁面)を構成するように設計している。このため、このショーケース装置1aをレジカウンタ100に設置したときの、後方への張り出しを少なくできる。したがって、カウンタ後方における作業の邪魔になることを防止できる。加えて、上部ケース10の後部と下部ケース20の後部とを繋ぐ連結部30の内部に沿って上下に冷媒を循環させる経路51が設けられているため、ショーケース装置1aをカウンタに設置したときに、カウンタ後方あるいは側方から見て、カウンタ周りに配管やチューブなどの違和感のある部材が配置されず、機械室21を隠し、冷凍状態に維持された陳列室11のみをレジカウンタ100のテーブル101の上に露出させる(現れるようにする)ことができる。
【0047】
また、このショーケース装置1aによれば、従来の卓上型の冷蔵ショーケースでは、カウンタやテーブルなどの上であって、機械室に占められていた空間を、陳列室11の空間として利用することができる。したがって、コンパクトで、より広い陳列室11を卓上に設定できるショーケース装置1aを提供でき、レジカウンタ100のように限られた空間を有効利用し、より多くの商品Aを見やすく陳列することができる。さらに、カウンタ100の上に上部ケース10のみが露出するようにショーケース装置1aを設置することが可能であるため、ショーケース装置1aをカウンタ100の上に設置したときの圧迫感を低減できる。
【0048】
さらに、このショーケース装置1aによれば、上下方向に大型化させなくても、陳列室11を広くすることが可能であるため、重心位置が高くなりにくい構造である。さらに、冷却ユニット40といった比較的重量物が収容される機械室21が下部ケース20内に形成され、この下部ケース20が上部ケース10につり下げられているため、上部ケース10がカウンタやテーブルなどの上に露出するように設置したときに安定感がある。しかも、機械室21を形成する下部ケース20をカウンタ100の下に隠し、陳列室11を形成する上部ケース10がカウンタ100の天板101の上に露出するように設置すると、ショーケース装置1aが後方に傾いても、下部ケース20がカウンタ100の天板101に引っ掛かるため、ショーケース装置1aが後方に転倒しない。
【0049】
以下に、本発明の第2の実施形態にかかるショーケース装置1bについて説明する。図8は、本発明の第2の実施形態にかかるショーケース装置1bを、前方から見た斜視図により示している。図9は、図8のショーケース装置1bを、後方から見た斜視図により示している。図10は、図8のショーケース装置1bを正面図により示している。図11は、ショーケース装置1bの内部の概略構造を示す図である。図12は、図8のショーケース装置1bを側面図により示している。
【0050】
このショーケース装置1bでは、上部ケース10は、その上壁12aの前側に、透明なスライド扉16aを有している。スライド扉16aは、前側に取手16cが設けられており、前側から後側にスライドさせることにより、陳列室11の上方前側を開放することができる。このスライド扉16aを後側にスライドさせて、このスライド扉16aを開くことにより、店舗側の顧客は、陳列室11に上方からアクセスできる。また、上部ケース10は、その前壁12cに、透明な窓17を有している。したがって、店舗側の顧客は、前側から、窓17を介して陳列室11を視認できる。さらに、上部ケース10の後壁12fは、ヒンジ18hを介して、上部ケース10の下部に取り付けられて、スイング扉18となっている。スイング扉18の上部には、取手18iが設けられている。したがって、取手18iを持って、このスイング扉18を下側に開くことにより、店員は、レジカウンタ100の内側から、陳列室11内の商品Aを取り出したり、陳列室11内に商品Aを補充することができる。
【0051】
上部ケース10の下壁12bは、発泡スチロールなどからなる断熱材90により形成されている。この断熱材90により、上部ケース10の下部空間15の底は、前側から後側に向かって低くなるように傾斜している。上部ケース10の下部空間15の底には、ドレンパン94が設けられている。ドレンパン94もまた、前側から後側の連結部30に向かって低くなるように傾斜している。下部空間15と陳列室11とは、水平な底板14を介して隔てられている。下部空間15の内部であって、水平な底板14の下には、蒸発器71が設けられている。
【0052】
下部空間15と陳列室11とを隔てる水平な底板14の前側には、吸引口91が設けられている。また、陳列室11を形成する左右の内側壁11aおよび11bには、吐出口92が配置されている。下部空間15の内部であって、蒸発器71の前側には、陳列室11内において、冷風を循環させるための庫内ファン93が設けられている。庫内ファン93を駆動させることにより、蒸発器71で冷やされた下部空間15の空気は、吐出口92から陳列室11内に吹き出され、陳列室11内を冷やし、吸引口91から下部空間15に吸い込まれる。すなわち、このショーケース装置1bでは、陳列室11内と蒸発器71との間で冷風を循環させ、陳列室11内を冷却するようになっている。
【0053】
下部ケース20の機械室21において、凝縮器72は、下部ケース20の後側に寄せて配置されている。凝縮器用のファン75は、凝縮器72と対向するように配置されている。ファン75の後方に、コンプレッサ41が配置されている。下部ケース20には、後壁22fに第2の開口24が設けられているとともに、左右の側壁22dおよび22eに第1の開口23が設けられている。ファン75を回転させることにより、第2の開口24から第1の開口23に向かう風の流れが形成され、この風の流れにより、下部ケース20の内部、すなわち、凝縮器72を含む機械室21の内部が空冷される。風の流れは、第1の開口23から第2の開口24へ向うものであっても良い。
【0054】
連結部30には、上下に冷媒を循環させる経路とともに、ドレンパン94に溜まったドレンを下部ケース20の内部に導くためのチューブ95が通っている。このチューブ95は、ドレンパン94から凝縮器72の上部に延びている。このショーケース装置1bでは、ドレンパン94に溜まったドレンを凝縮器72にかけ、凝縮器72の熱によりドレンを自己蒸発させると共に、蒸発の際の潜熱により凝縮器72の冷却を促進するようにしている。また、上部ケース10と下部ケース20とを接続する補強プレート60は、上記と同様にL型であり、垂直方向の部材は上部ケース10のほぼ上端まで延びている。また、補強プレート60の水平方向の部材は、下部ケース20のほぼ前方の端まで延びており、下部ケース20を左右の補強プレート60で左右両側から吊下げて支持する構成となっている。下部ケース20は、図12に示すように、カウンタ100の棚板102に載せても良いことは上記と同様である。なお、その他は、第1の実施形態と同様であるため、重複する説明は、図面に同符号を付して省略する。
【0055】
図13は、図8のショーケース装置1bをレジカウンタ100にセットした状態で、店舗側から見た斜視図により示している。図14は、図8のショーケース装置1bをレジカウンタ100にセットした状態で、カウンタ内部側から見た斜視図により示している。
【0056】
このショーケース装置1bもまた、上部ケース10のみをレジカウンタ100の天板101上に搭載し、下部ケース20を上部ケース10につり下げ、下部ケース20をレジカウンタ100の天板101の下に隠し、上部ケース10のみがレジカウンタ100の天板101の上にあるような状態で(露出しているような状態で)設置することができる。
【0057】
以下に、本発明の第3の実施形態にかかるショーケース装置1cについて説明する。図15は、ショーケース装置1cを、前方から見た斜視図により示している。このショーケース装置1cも、その上部ケース10の上壁12aの前側および後側が、透明なスライド扉16aとなっている。前側のスライド扉16aには、その前側に取手16cが設けられており、前側から後側にスライドさせることにより、陳列室11の上方前側を開放することができる。したがって、図16に示すように、このスライド扉16aを開くことにより、店舗側の顧客は、陳列室11に上方からアクセスできる。また、上部ケース10は、その前壁12cに、透明な窓17を有している。したがって、店舗側の顧客は、前側から、窓17を介して陳列室11を視認できる。
【0058】
図17に示すように、さらに、このショーケース装置1cでは、上部ケース10の上壁12aが、ヒンジ12hを介して、上部ケース10の上部前方に旋回可能に取り付けられている。上部ケース10は、上側全体がオープンになった断面がU字型(開口が上を向いたコ字型)の容器となっており、上壁12aはスライド扉16aも含めて、ヒンジ12hにより上部ケース10に対して前方に旋回する。このため、上壁12aを開くことにより、上部ケース10の内部に設けられた陳列室11の上側をほぼ完全に開放できる。このため、店員は、この上下に開閉するスイング扉となった上壁12aを上側に開くことにより、レジカウンタ100の内側から、陳列室11内の商品Aを取り出したり、陳列室11内に商品Aを補充することができる。また、上壁12aをオープンすることにより、上部ケース10の上方から陳列室11の隅々までアクセスできるので、陳列室11の清掃、メンテナンス、さらには、陳列室11の底板14を取り外してエバポレータ71あるいはドレンパン94をメンテナンスしたりすることが容易となる。
【0059】
上部ケース10の上側の四方の縁、すなわち、前壁12cの上側、左右の側壁12dおよび12e、さらに、後壁12fの上側の縁12iには、パッキン18pが取り付けられ、さらに、後壁12fの上部と、上壁12aの後側の縁12jには、これらを固定するための留め金具(パッチン錠、バックル)12kが取り付けられている。したがって、スライド扉16aを閉じ、上壁12aを留め金具12kにより上部ケース10に固定すると、陳列室11から冷気が流れ出すのを抑制でき、陳列室11を効率良く冷却できる。なお、上部ケース10および下部ケース20およびその他の構成については、上述したショーケース装置1bと共通するので、図面に同符号を付して説明を省略する。
【0060】
このショーケース装置1cもまた、上部ケース10のみをレジカウンタ100の天板101上に搭載し、下部ケース20を上部ケース10につり下げ、下部ケース20をレジカウンタ100の天板101の下に隠し、上部ケース10のみがレジカウンタ100の天板101の上にあるような状態で(露出しているような状態で)設置することができる。
【0061】
以下に、本発明の第4の実施形態にかかるショーケース装置1dについて説明する。図18は、本発明の第4の実施形態にかかるショーケース装置1dを前方から見た斜視図により示している。図19は、図18のショーケース装置1dを後方から見た斜視図により示している。図20は、図18のショーケース装置1dの概略構成を模式的に示している。
【0062】
このショーケース装置1dは、上部ケース10が上下方向に延び(長く)、陳列室11の内部に縦(垂直方向)に複数の商品を並べて陳列できるように形成されている。陳列室11内には、3つの陳列棚99が上下方向に配置され、それぞれの陳列棚は略水平方向に陳列室11に取り付けられている。また、上部ケース10の前壁12cおよび後壁12fはスイング扉18aおよび18bとなり、それぞれ、ヒンジを介して、上部ケース10の側部に取り付けられている。前側のスイング扉18aを開くことにより、店舗側の顧客は、陳列室11内に前方からアクセスできる。また、後側のスイング扉18bを開くことにより、店員は、レジカウンタ100の内側、すなわち、後方から、陳列室11内にアクセスできる。
【0063】
上部ケース10は、例えば、左右方向の幅が340mm程度、高さが650mm程度、奥行きが410mm程度に形成されている。下部ケース20は、例えば、左右方向の幅が440mm程度、高さが200mm程度、奥行きが430mm程度に形成されている。なお、その他は、第1の実施形態と同様であるため、重複する説明は、図面に同符号を付して省略する。
【0064】
図21は、図18のショーケース装置1dをレジカウンタ100にセットした状態で、店舗側から見た斜視図により示している。図22は、図18のショーケース装置1dをレジカウンタ100にセットした状態で、カウンタ内部側から見た斜視図により示している。
【0065】
このショーケース装置1dもまた、上部ケース10のみをレジカウンタ100の天板101上に搭載し、下部ケース20を上部ケース10につり下げ、下部ケース20をレジカウンタ100の天板101の下に隠し、上部ケース10のみがレジカウンタ100の天板101の上にあるような状態で(露出しているような状態で)設置することができる。
【0066】
また、従来の卓上型の冷蔵ショーケースは、上下方向に大型化させると、重心位置が高くなり、カウンタに設置したときの安定感が低下する。これに対し、このショーケース装置1dは、カウンタ100の下の隠れたところに機械室21があるため、実際の重心は、見た目よりも低い位置となる。また、上述のように設置した状態では、ショーケース装置1dが後方に傾いても、下部ケース20がカウンタ100に引っ掛かって安定するため、後方に転倒しない。したがって、このショーケース装置1dによれば、陳列室11を上下方向に大型化させても、安定して、レジカウンタ100の上に設置できる。
【0067】
図23は、第4の実施形態にかかるショーケース装置1dの変形例の概略構成を模式的に示している。このショーケース装置1dにおいても、第2の実施形態のように、庫内ファン93を設け、冷風を循環させて、陳列室11内を冷凍状態に保持するようにしてもよい。
【0068】
以上に本発明に含まれるショーケース装置のいくつかの実施形態を説明しているが、ショーケース装置のデザインは上記に限定されるものではなく、たとえば、上部ケース10のデザインは直方体状あるいは立方体状の他に、前方が湾曲したり、三角形に突き出たり、5角形以上の多角形の断面を持つものであっても良い。下部ケース20は、上部ケース10とは異なり、凝縮器、コンプレッサ、ファンなどを含む冷却ユニットを配置するのに適しており、さらに、機械室21の内部を冷却するのに適した形状(多くの場合は直方体状あるいは立方体状)にすることができる。また、上記ではレジカウンタの天板にショーケース装置が設置される例を示しているが、これらのショーケース装置は、レジカウンタに限らず、他の机、台などであって、天板(最上層の板)の下に下部ケース20が収まるスペースがあれば、どのようなタイプの台であってもその天板に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるショーケース装置を前方から見た斜視図。
【図2】図1のショーケース装置を後方から見た斜視図。
【図3】図1のショーケース装置を示す正面図。
【図4】図1のショーケース装置の概略構成を模式的に示す図。
【図5】図1のショーケース装置を示す側面図。
【図6】図1のショーケース装置をレジカウンタにセットした状態を店舗側から見た斜視図。
【図7】図1のショーケース装置をレジカウンタにセットした状態をカウンタ内部側から見た斜視図。
【図8】本発明の第2の実施形態にかかるショーケース装置を前方から見た斜視図。
【図9】図8のショーケース装置を後方から見た斜視図。
【図10】図8のショーケース装置を示す正面図。
【図11】図8のショーケース装置の内部の概略構成を示す断面図。
【図12】図8のショーケース装置を示す側面図。
【図13】図8のショーケース装置をレジカウンタにセットした状態を店舗側から見た斜視図。
【図14】図8のショーケース装置をレジカウンタにセットした状態をカウンタ内部側から見た斜視図。
【図15】本発明の第3の実施形態にかかるショーケース装置を前方から見た斜視図。
【図16】図15のショーケース装置の、スライド扉を開けた状態を前方から見た斜視図。
【図17】図15のショーケース装置の、上壁を開けた状態を後方から見た斜視図。
【図18】本発明の第4の実施形態にかかるショーケース装置を前方から見た斜視図。
【図19】図18のショーケース装置を後方から見た斜視図。
【図20】図18のショーケース装置の概略構成を模式的に示す図。
【図21】図18のショーケース装置をレジカウンタにセットした状態を店舗側から見た斜視図。
【図22】図18のショーケース装置をレジカウンタにセットした状態をカウンタ内部側から見た斜視図。
【図23】第4の実施形態にかかるショーケース装置の変形例の概略構成を模式的に示す図。
【符号の説明】
【0070】
1a、1b、1c、1d ショーケース装置、 2 ハウジング
10 上部ケース、 11 陳列室
20 下部ケース、 21 機械室
30 連結部、 40 冷却ユニット
51 上下に冷媒を循環させる経路、 60 補強プレート
100 レジカウンタ、 101 天板
S 上部ケースと下部ケースとの間に形成される空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を冷蔵および/または冷凍した状態で陳列するためのショーケース装置であって、
陳列室を形成する上部ケースと、
冷媒を介して前記陳列室を冷却する冷却ユニットを収容するための機械室を形成する下部ケースと、
前記上部ケースの後部と前記下部ケースの後部とを繋ぎ、前記上部ケースに前記下部ケースをつり下げることが可能な連結部と、
前記連結部の内部または外部に沿って上下に冷媒を循環させる経路とを有する、ショーケース装置。
【請求項2】
請求項1において、前記上部ケースと前記下部ケースとの間に形成される空間には、カウンタの天板が挿入可能であり、
前記上部ケースを前記天板に搭載すると、前記下部ケースは前記天板の下側にある、ショーケース装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記上部ケースと、前記連結部と、前記下部ケースとを跨ぐように、略L字型の補強プレートが設けられている、ショーケース装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記上部ケースは、その上壁に扉を備えており、前記扉を開くことにより、前記陳列室に上方からアクセス可能である、ショーケース装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記上部ケースは、その上壁の少なくとも一部が透光性である、ショーケース装置。
【請求項6】
商品を冷蔵および/または冷凍した状態で陳列するためのショーケース装置であって、
陳列室を上部に配置し、冷媒を介して前記陳列室を冷却するための冷却ユニットを収容する機械室を下部に配置し、天板を挿入可能な空間を前記陳列室と前記機械室との間に形成するハウジングを有し、
前記陳列室を形成する前記ハウジングの上部を天板に搭載すると、前記機械室を形成する前記ハウジングの下部は前記天板の下側にある、ショーケース装置。
【請求項7】
請求項6において、前記陳列室の上方を開閉する扉をさらに有する、ショーケース装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−61116(P2009−61116A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231788(P2007−231788)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(591150797)GAC株式会社 (69)
【Fターム(参考)】