説明

ショーケース

【課題】、商品陳列用の棚装置上の商品が品切れ状態や品薄状態であることを早期に報知して、商品販売の促進を実現することができるショーケースを提供する。
【解決手段】本発明は、陳列室11内に商品陳列用の棚装置4を架設して成るショーケースにおいて、棚装置4上の商品の重量によって変化する当該棚装置4の傾斜を検出するための棚傾斜センサ7を備え、制御装置14により当該棚傾斜センサ7の出力に基づき、棚装置4上の商品の品薄状態で、品切れ状態などの商品の残数に関する出力を発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列室内に商品陳列用の棚装置を架設して成るショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より例えば飲料等の商品が冷却或いは加温されながら陳列されるショーケース等においては、陳列室内に上下にわたって複数段架設された商品陳列用の棚装置に商品を陳列している。この商品陳列用の棚装置は、商品を並べる際、例えば同一種類の商品に関しては、前後方向に並置し列を形成して陳列している。(特許文献1参照)。
【0003】
そのため、棚装置上に載置される商品は、通常手前側の商品から取り出され販売されることとなる。この際、棚装置が後方から前方に向けて所定角度低く傾斜して架設されていると共に、当該棚装置の商品載置面が少なくとも前後方向に商品が滑落可能な材料にて構成されている場合には、手前の商品が取り出されると、その後方に並べられた商品は、その傾斜によって商品陳列面上を滑動し、手前側に移動する。これにより、商品陳列用の棚装置に載置された商品は、常に手前側に陳列することができ、顧客に商品の取出を容易とし、商品販売促進を図っていた。
【特許文献1】特開平07−124041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した如きショーケースでは、各商品の販売によって棚装置上の商品が減少したことを、店員等は当該ショーケースの設置箇所に赴き、目視によって確認し、商品の補充作業を行っていた。そのため、ショーケースの設置箇所にて商品の残数状況を確認しない限り、商品の品切れ状態や品薄状態を把握することができないこととなる。従って、売れ筋の商品が品薄状態や品切れ状態とされたまま放置されると、多くの販売が見込める時間帯等であっても、十分な商品数が陳列されていないことから、販売の機会を逃してしまう問題があった。
【0005】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、商品陳列用の棚装置上の商品が品切れ状態や品薄状態であることを早期に報知して、商品販売の促進を実現することができるショーケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のショーケースは、陳列室内に商品陳列用の棚装置を架設して成るものであって、棚装置上の商品の重量によって変化する当該棚装置の傾斜を検出するための棚傾斜検出手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明のショーケースは、陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るものであって、棚装置の商品載置面、又は、当該棚装置の前端部に立設される商品落下防止用のガードの後面に設けられ、商品の重量によって当該商品の有無を検出するための商品検出手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明のショーケースは、陳列室内の後部に上下に渡る支柱を設け、該支柱に商品陳列用の棚装置を架設して成るものであって、棚装置は、棚板と、支柱に係合されて棚板の両側を保持するブラケットから構成されると共に、該ブラケットが支柱を押圧する圧力を検出するための棚圧力検出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明のショーケースは、上記各発明において、棚傾斜検出手段、商品検出手段、又は、棚圧力検出手段の出力に基づき、棚装置上の商品の残数を判断して所定の出力を発生する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明のショーケースは、上記発明において、制御手段は、商品の品切れ警報出力を発生することを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明のショーケースは、上記請求項4の発明において、制御手段は、棚装置上に補充すべき商品の数に関する出力を発生することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明のショーケースは、上記発明において、制御手段は、時刻、又は、時間帯別の商品の販売状況に基づいて商品の補充数を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、陳列室内に商品陳列用の棚装置を架設して成るショーケースにおいて、棚装置上の商品の重量によって変化する当該棚装置の傾斜を検出するための棚傾斜検出手段を備えたので、棚傾斜検出手段の出力によって棚装置上にどの程度の商品が残留しているかを検出することが可能となる。
【0014】
これにより、棚傾斜検出手段からの入力を、例えば、当該ショーケースの集中管理システムなどにおける管理機器によって出力させることにより、当該ショーケースの設置場所に赴くことなく、当該ショーケースの棚装置上の商品の陳列量を把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となり、商品の品切れ状態や品薄状態が放置されることによる不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースにおいて、棚装置の商品載置面、又は、当該棚装置の前端部に立設される商品落下防止用のガードの後面に設けられ、商品の重量によって当該商品の有無を検出するための商品検出手段を備えたので、商品検出手段によってガードの後面に加わる商品の重量を検出することにより、棚装置上にどの程度の商品が残留しているかを検出することが可能となる。
【0016】
これにより、商品検出手段からの入力を、例えば、当該ショーケースの集中管理システムなどにおける管理機器によって出力させることにより、当該ショーケースの設置場所に赴くことなく、当該ショーケースの棚装置上の商品の陳列量を把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となり、商品の品切れ状態や品薄状態が放置されることによる不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、陳列室内の後部に上下に渡る支柱を設け、該支柱に商品陳列用の棚装置を架設して成るショーケースにおいて、棚装置は、棚板と、支柱に係合されて棚板の両側を保持するブラケットから構成されると共に、該ブラケットが支柱を押圧する圧力を検出するための棚圧力検出手段を備えたので、棚装置上に載置される商品の重量によってブラケットが支柱を押圧する圧力を棚圧力検出手段によって検出することにより、棚装置上にどの程度の商品が残留しているかを検出することが可能となる。
【0018】
これにより、棚圧力検出手段からの入力を、例えば、当該ショーケースの集中管理システムなどにおける管理機器によって出力させることにより、当該ショーケースの設置場所に赴くことなく、当該ショーケースの棚装置上の商品の陳列量を把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となり、商品の品切れ状態や品薄状態が放置されることによる不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、上記各発明において、棚傾斜検出手段、商品検出手段、又は、棚圧力検出手段の出力に基づき、棚装置上の商品の残数を判断して所定の出力を発生する制御手段を備えたので、当該出力によって棚装置上に陳列される商品の品切れ状態や品薄状態を的確に把握することが可能となる。例えば、当該ショーケースの集中管理システムなどにおける管理機器に出力させることで、当該ショーケースの設置場所に赴くことなく、当該ショーケースの棚装置上の商品の残数を把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となる。
【0020】
請求項5の発明によれば、上記発明において、制御手段は、商品の品切れ警報出力を発生することにより、当該商品の品切れ警報出力に基づき、円滑な商品補充を実現することが可能となる。
【0021】
請求項6の発明によれば、上記請求項4の発明において、制御手段は、棚装置上に補充すべき商品の数に関する出力を発生することにより、棚装置上に陳列すべき商品の数に関する出力に基づき、棚装置上の商品が品切れとなる以前に、円滑な商品補充を実現することが可能となる。
【0022】
請求項7の発明によれば、上記発明において、制御手段は、時刻、又は、時間帯別の商品の販売状況に基づいて商品の補充数を決定することにより、例えば繁忙時間帯よりも前の時刻や時間帯において適切な商品の補充数を決定し、出力することにより、繁忙時間帯となる以前に適切な商品の補充を促すことができる。
【0023】
これにより、繁忙時間帯において棚装置上の商品が品切れとなる不都合を効果的に抑制することが可能となる。商品の販売機会を逸失する不都合を抑制でき、販売効果の実効を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用したショーケース1の斜視図、図2はショーケース1の側面図を示している。
【0025】
ショーケース1は前面に開口する断面略コ字状の断熱壁3と、その両側に取り付けられる側板2、2によって本体が構成されており、この断熱壁3の内側には間隔を存して背面及び天面にそれぞれ背面パネル6、天面パネル(図示しない)が配設され、これら背面パネル6、天面パネルと断熱壁3間に背方から上方に渡る背面ダクト9が構成されている。また、背面パネル6の下端には、前方に延在するデッキパン10が設けられており、これら背面パネル6、天面パネル及びデッキパン10の内側に陳列室11が構成されている。そして、デッキパン10の下方には背面ダクト9に連通してその一部を構成する図示しない下部ダクトが構成されている。
【0026】
背面ダクト9の上端は陳列室11の前面開口上縁に位置する上部冷気吐出口16に連通し、下部ダクトの前端は陳列室11の前面開口下縁に位置すると共に、複数のスリットから成る冷気吸込口17に連通している。また、デッキパン10の下方の下部ダクト内には冷気送給用の送風機(図示しない)が配設され、陳列室11後方の背面ダクト9内には冷却装置の冷凍サイクルを構成する冷却器(図示しない)が縦設されている。これら送風機、冷却器は、別置きの圧縮機、凝縮器等と周知の冷却装置Rを構成している。
【0027】
他方、背面パネル6の上部には複数の図示しない横長の透孔が形成されており、この透孔を塞ぐかたちで上下複数枚の背面パネル部材6A・・・が取り付けられている。各背面パネル部材6A・・・は相互に一部重複し、上下に連結されて設けられると共に、化粧ビス40を緩めることで上下位置変更可能とされ、上下に隣接する背面パネル部材6Aを離間させることで、そこに背面ダクト9に連通する図示しない連通部を開口形成する。これにより、連通部を形成する位置を背面パネル部材6A・・・の上下位置を変更することにより任意に設定することが可能とされている。また、各背面パネル部材61Aには、上下に隣接する背面パネル部材6Aに形成される透孔と重合されて背面ダクト9内を上昇する冷気を陳列室11側に吐出するための背面吐出孔6Bが複数形成されている。
【0028】
次に、陳列室11内に複数段架設される商品陳列用の棚装置4について図3乃至図6を参照して説明する。本実施例では、当該棚装置4は、上下に3段架設されている。各棚装置4は、後端に後方に突出する鉤状の係合爪21Aを複数有した左右一対のブラケット21、21と、このブラケット21、21に対しそれぞれ傾斜角度自在に設けられる角度調整機構36と、当該角度調整機構36に差し渡して取り付けられた棚板22と、この棚板22の下面に取り付けられた加温用の図示しない電気ヒータとから構成されている。
【0029】
角度調整機構36は、ブラケット21の内面側に固定される支持部材37と、角度調整部材38と、ブラケット21の外面側に位置すると共に角度調整部材38の上端部に固定される保持部材39とから構成される。支持部材37の前部には図示しない支持部が設けられており、当該支持部により角度調整部材38の前部は回動自在に支持される。そして、角度調整部材38の後端には、上下に複数の係合溝38Aが形成されており、支持部材37の後部には、当該係合溝38Aを選択的に係合可能とする図示しない係合部が設けられている。
【0030】
そして、当該角度調整機構36を構成する左右の保持部材39の上端面に渡って棚板22が固定されている。そのため、角度調整機構36の支持部材37の係合部を選択的に角度調整部材38の係合溝38Aに係合させることによって、当該角度調整機構36に固定される棚板22は、ブラケット21に対して水平状態と、後部から前方に向けて所定角度(複数)にて低く傾斜した傾斜状態とに変更可能とされる。尚、図3、図4では、水平状態とされた棚装置4、図5、図6では、所定の傾斜角度とされた棚装置4を示している。
【0031】
これにより、陳列室11内の背面パネル6の前面両側に取り付けられた棚支柱23、23に上下方向に複数形成された取付孔24・・・に前記ブラケット21のそれぞれの係合爪21Aを係脱自在に係合させることにより、各棚装置4は陳列室11内において上下位置(高さ)を変更可能、且つ、角度調整機構36により角度調整可能に架設される。
【0032】
また、棚板22は、少なくとも商品が載置される商品載置面を構成する上面は、商品等の重力による滑動を容易とする摩擦抵抗の少ない材料にて構成されている。そのため、当該棚装置4が前方に低く傾斜して架設される場合には、当該商品の重力によって前方に滑落する構成とされており、常時商品は手前側に移動した状態で商品落下防止用のガード27、28等によって保持された状態で陳列されることとなる。
【0033】
また、後端面には保持部材22Aが立設されており、当該保持部材22Aには、長手方向に渡って複数の通風孔22Bが形成されている。また、棚板22の両側端面にも保持部材22C、22Cがそれぞれ立設されている。そして、棚板22の前端面には、長手方向に渡って棚飾り26が設けられており、当該棚板22の前端面と棚飾り26との間には、商品落下防止用の板状のガード27が立設されている。また、本実施例では、当該ガード27と棚板22の前端面との間に上部が陳列室11奥方に向けて少許折曲形成された鋼棒状のガード部材28を立設している。尚、当該ガード27及びガード部材28は、デッキパン10の前端部にも同様に立設されている。
【0034】
本実施例では、最上段の棚装置4には、内部に棚ダクトが形成される棚ダクト部材5が設けられている。そのため、上述した如き背面パネル部材6Aの位置を調整し、それらの重複量を変更することで、上記棚ダクト部材5の高さに合わせて連通部を構成する。そのため、棚ダクト部材5の後端に形成される冷気導入口はこの連通部に対応することで、棚ダクトは背面ダクト9に連通することになる。また、この棚ダクト部材5には、図示しないダンパー部材が設けられており、当該ダンパー部材を調整することで、当該連通部の上側の背面ダクト9を塞いだり、背面ダクトの開口面積を調整可能とされる。
【0035】
そして、各棚装置4を構成する棚板22の前部下面、若しくは前端部下面、又は、角度調整機構36を構成する角度調整部材38前端部や保持部材39前端部には、棚装置4上の商品の重量によって変化する棚装置4の傾斜(棚板22に撓みによる変形)を検出する棚傾斜センサ(棚傾斜検出手段)7が設けられている。当該棚傾斜センサ7は、重力方向に対する傾斜を検知して、支柱23の垂直方向に対する水平位置より設定角度を下回ると所定の検出信号を出力する所謂傾斜センサや傾斜スイッチ等により構成されている。尚、棚装置4上に陳列される商品と、これによる当該棚傾斜センサ7による検出出力については後述する。
【0036】
次に、図7の電気ブロックを参照して本実施例のショーケース1の制御装置(制御手段)14について説明する。制御装置14は、タイマ32を内蔵した汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、当該制御装置14には、上記各棚装置4に設けられる棚傾斜センサ7や各種温度を検出する温度センサ15、上述した如き冷却装置R、各種設定や表示を行うコントロールパネル19、ショーケース1本体前面などに設けられる表示部20等が接続されている。また、本実施例におけるショーケース1は、設置される店舗において他のショーケースなどの機器と共に、店舗の管理室などに設置される管理側制御装置30にて集中管理される。そのため、当該制御装置14は、管理側制御装置30等の外部出力に接続されている。この管理側制御装置30には、少なくとも表示部31等の外部出力手段が接続されている。
【0037】
以上の構成により、各棚装置4上に載置される商品の品薄状態や品切れ状態に基づく警報動作について説明する。例えば、棚装置4上に飲料等の比較的重量の大きな商品が多く(例えば最大陳列可能量)陳列されている場合には、ブラケット21の後端に形成される係合爪21Aが支柱23の取付孔24に係止されることにより支持される棚装置4の前部は、その重量によって支柱23の垂直方向に対する水平位置よりも所定角度、下方に傾斜する。この場合、当該棚装置4に設けられる棚傾斜センサ7が検出する傾斜角度は、上述した如き設定角度よりも大きいことから検出信号の出力は行われない。
【0038】
これに対し、当該棚装置4上に陳列される商品が次第に顧客等によって販売に供され取り出されると、棚装置4に加わる商品による重量が小さくなっていく。そのため、棚装置4の前部は、最大陳列可能量が陳列されていた場合に比べてその重量による下方への傾斜角度は小さくなる。
【0039】
棚装置4上に陳列される商品の数が所定の品薄状態となり、棚装置4に加わる重量が減少すると、その棚装置4の前部はその状態における重量による下方への傾斜角度(支柱23の垂直方向に対する水平位置からの傾斜角度)が所定の設定角度(品薄角度)を下回る。当該傾斜角度を検出した棚傾斜センサ7は、所定の品薄検出信号を制御装置14に出力する。
【0040】
これに基づき、制御装置14は、棚装置4上の商品の残数に基づく棚装置4の傾斜角度から判断される品薄状態であることをショーケース1の本体前面に設けられる表示部20に表示する。また、制御装置14は、同様に接続される管理側制御装置30に当該棚装置4上に陳列される商品が品薄状態である旨を出力し、当該管理側制御装置30は、表示部31に表示する。
【0041】
これにより、当該ショーケース1の管理者(店員等)は、表示部20における品薄状態であることの表示に基づき、適切な商品補充を行うことができる。特に、各棚装置4が前方が低くなるように所定角度にて傾斜して架設されている場合には、棚板22上に陳列される商品は、当該棚板22の商品載置面上をその自重によって前方に滑動し、常時前側に詰めて陳列された状態とされる。このとき、特に棚間寸法に対し比較的高さ寸法の大きい商品が陳列されている場合には、前側に陳列される商品によって奥側に陳列される商品が見えがたくなり、陳列されている商品の残数を把握しがたい場合がある。このような場合にも、当該表示部20による表示に基づき商品が品切れ状態となる以前に商品の品薄状態を報知することが可能となる。従って、係る状態が放置されることによる不都合、即ち、多くの販売が見込める時間帯等であっても、十分な商品数が陳列されていないことによる販売機会の逃してしまう不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することが可能となる。
【0042】
また、制御装置14は、管理側制御装置30の表示部31にて、当該棚装置4上の商品が品薄状態であることを出力させることにより、当該ショーケース1の設置場所に赴くことなく、当該ショーケース1の該当の棚装置4上の商品の陳列量が品薄状態とされていることを把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となり、商品の品薄状態が放置されることによる不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することができる。
【0043】
そして、当該棚装置4上に陳列される商品が上述した如き品薄状態から更に顧客等によって販売に供され殆ど取り出されると、棚装置4に加わる商品による重量がなくなっていく。そのため、棚装置4の前部の商品の重量による下方への傾斜角度は殆ど無くなり、棚装置4のみが支柱23に架設された状態の架設角度となる。
【0044】
このように、棚装置4上に陳列される商品がほとんど無くなった品切れ状態となると、その棚装置4の前部はその状態における重量による下方への傾斜角度(支柱23の垂直方向に対する水平位置からの傾斜角度)が所定の設定角度(品薄角度よりも小さい品切れ角度)を下回り、当該傾斜角度を検出した棚傾斜センサ7は、所定の商品の品切れ警報信号を制御装置14に出力する。
【0045】
これに基づき、制御装置14は、ショーケース1の本体前面に設けられる表示部20に当該棚装置4上に陳列される商品が品切れ状態であることを表示する。また、制御装置14は、接続される管理側制御装置30に当該棚装置4上に陳列される商品が品切れ状態である旨を出力(品切れ警報出力を発生)し、当該管理側制御装置30は、表示部31に表示する。
【0046】
これにより、当該ショーケース1の管理者(店員等)は、表示部20における品切れ状態の表示のみ成らず、管理側制御装置30の表示部31にて、当該棚装置4上の商品が品切れ状態であることを出力させることにより、当該ショーケース1の設置場所に赴くことなく、当該ショーケース1の該当の棚装置4上の商品の陳列量が品切れ状態とされていることを把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となり、商品の品切れ状態が放置されることによる不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することができる。
【0047】
本実施例では、棚装置4上の商品の所定の品薄状態と品切れ状態とを棚傾斜センサ7の検出角度に基づく所定の検出信号により出力するものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、検出された角度を制御装置14に出力してもよい。この場合、制御装置14には、検出角度毎に予め商品残留数量が記憶されており、当該検出角度に基づいて最大陳列可能量から当該商品残留数量を減算して商品補充数量を算出する。当該得られた商品補充数量(即ち、当該棚装置4上に陳列すべき商品の数に関する情報)を上記表示部20や管理側制御装置30の表示部31にて表示(出力)しても良い。
【0048】
これにより、容易に棚装置4上の商品の陳列量や必要な補充商品の数を把握することが可能となり、作業者は、棚装置4上の商品が品切れとなる以前に、現在の当該補充商品の数から補充作業のタイミングを図ることが可能となる。また、補充作業時における補充商品数を把握することが可能となることから、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0049】
また、この場合、制御装置14は、タイマ32を有していることから、時刻や時間帯別の商品の販売状況、例えば顧客による当該棚装置4上の商品の購入が多く見込める時刻や時間帯(商品が飲料であれば、昼食時間帯や夕方の繁忙時間帯)の販売状況に基づいて商品の補充数を決定し、表示部20や管理側制御装置30に出力しても良い。これにより、例えば繁忙時間帯よりも前の時刻や時間帯において適切な商品の補充数を決定して出力することにより、繁忙時間帯となる以前に適切な商品の補充を促すことが可能となる。
【0050】
これにより、繁忙時間帯において棚装置4上の商品が品切れとなる不都合を効果的に抑制することが可能となる。商品の販売機会を逸失する不都合を抑制でき、販売効果の実効を図ることができる。また、予め繁忙時間帯に応じた商品の補充を実現することが可能となるため、特に加温ショーケースや冷却ショーケースなどにおいて、加温や冷却に要する時間を考慮した時刻や補充商品数を出力することで、飲料の販売に適した温度による販売を実現することが可能となる。
【0051】
上記実施例では、各棚装置4に棚傾斜センサ7を設けているが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、棚装置4の棚板22の商品載置面の全体にわたって商品の重量によって当該商品の有無を検出する商品検出センサ(商品検出手段)33を設けても良い。尚、商品検出センサ33は、例えば、所定の重量が載置されることにより商品の存在を検出するシートスイッチなどを採用しても良い。
【0052】
これにより、制御装置14は、商品検出センサ33から出力される商品の検知分布や陳列されている商品の残数を把握することが可能となり、これに基づき表示部20や管理側制御装置30の表示部31にて、上記と同様に棚装置4上の商品の残数から品薄状態の表示(警報)や品切れ状態の表示(警報)を出力することが可能となる。
【0053】
また、かかる場合には、上記棚傾斜センサ7による効果に加えて、具体的に棚装置4上に載置されている商品の分布を検出することが可能となるため、予め設定されている商品の銘柄別に商品の陳列状態、即ち、品薄状態や品切れ状態をも出力することが可能となる。従って、ショーケース1に陳列されている商品の在庫管理を容易とすることができると共に、商品補充作業の更なる簡素化を実現することが可能となる。
【0054】
また、これ以外にも、図9に示すように、棚装置4の前端部に立設される商品落下防止用のガード27(本実施例では、最前列に陳列される商品が当接するガード部材28)の後面に、商品の重量によって当該商品の有無や、押圧される重量によって商品の残数を検出する商品検出センサ(商品検出手段)34を設けても良い。この場合、棚装置4は、前方に所定角度にて低く傾斜して架設されていることが望ましく、また、商品検出センサ34は、当該棚装置4上に前後にわたって同一銘柄の商品が陳列される最前列の商品毎に対応する位置に設けられることが望ましい。尚、商品検出センサ34は、例えば、押圧される重量により商品の存在及び商品の残量を検出するシートスイッチなどを採用しても良い。
【0055】
これにより、制御装置14は、それぞれの商品検出センサ34から出力される商品の有無により、当該対応する列の銘柄の商品の品切れを検出することが可能となる。また、当該棚装置4が前方に向けて低く傾斜して架設されることにより、当該ガード部材28の後面の商品検出センサ34に押圧される重量によって、当該対応する列の銘柄の商品の残数量を検出することが可能となる。
【0056】
これに基づき、制御装置14は、表示部20や管理側制御装置30の表示部31にて、上記と同様に棚装置4上の商品の残数から品薄状態の表示(警報)や品切れ状態の表示(警報)を出力することが可能となる。
【0057】
この場合、列ごとに異なる銘柄の商品が載置され、それぞれに対応して商品検出センサ34を設けることで、上記棚傾斜センサ7による効果に加えて、具体的に棚装置4上に載置されているいずれの銘柄の商品の陳列状態、即ち、品薄状態や品切れ状態をも出力することが可能となる。従って、ショーケース1に陳列されている商品の在庫管理を容易とすることができると共に、商品補充作業の更なる簡素化を実現することが可能となる。
【0058】
また、これ以外にも、図10に示すように、棚装置4を構成するブラケット21に、当該棚装置4上に載置される商品の重量によって当該ブラケット21が支柱23を押圧する圧力を検出する棚圧力検出センサ(棚圧力検出手段)35を設けても良い。本実施例では、棚装置4上に載置される商品の重量により最も支柱23の取付孔24縁部を押圧する圧力が大きくなるブラケット21後端に形成される最も下側の係合爪21Aの上面に設けるものとする。
【0059】
これにより、制御装置14は、棚圧力検出センサ35から出力される圧力より棚装置4に陳列されている商品の残数を把握することが可能となり、これに基づき表示部20や管理側制御装置30の表示部31にて、上記と同様に棚装置4上の商品の残数から品薄状態の表示(警報)や品切れ状態の表示(警報)を出力することが可能となる。
【0060】
従って、上記と同様に、棚圧力検出センサ35からの入力を、例えば、管理側制御装置30の表示部31によって出力させることにより、当該ショーケース1の設置場所に赴くことなく、当該ショーケース1の棚装置4上の商品の陳列量を把握することが可能となる。従って、円滑な、且つ、適切な商品補充を実現することが可能となり、商品の品切れ状態や品薄状態が放置されることによる不都合を抑制することができ、商品販売の促進を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明を適用したショーケースの斜視図である。
【図2】図1のショーケースの側面図である。
【図3】水平状態の棚装置の斜視図である。
【図4】水平状態の棚装置の側面図である。
【図5】傾斜状態の棚装置の斜視図である。
【図6】傾斜状態の棚装置の側面図である。
【図7】制御装置の電気ブロックである。
【図8】商品検出センサを備えた棚装置の斜視図である。
【図9】商品検出センサを備えた棚装置の側面図である。
【図10】棚圧力検出センサを備えた棚装置の側面図である。
【符号の説明】
【0062】
R 冷却装置
1 ショーケース
2 側板
3 断熱壁
4 棚装置
7 棚傾斜センサ(棚傾斜検出手段)
11 陳列室
14 制御装置(制御手段)
19 コントロールパネル
20 表示部
21 ブラケット
21A 係合爪
22 棚板
23 棚支柱
24 取付孔
27 ガード
28 ガード部材
30 管理側制御装置
31 表示部(外部出力手段)
32 タイマ
33、34 商品検出センサ
35 棚圧力検出センサ(棚圧力検出手段)
36 角度調整機構
37 支持部材
38 角度調整部材
38A 係合溝
39 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列室内に商品陳列用の棚装置を架設して成るショーケースにおいて、
前記棚装置上の商品の重量によって変化する当該棚装置の傾斜を検出するための棚傾斜検出手段を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
陳列室内に商品陳列用の棚を架設して成るショーケースにおいて、
前記棚装置の商品載置面、又は、当該棚装置の前端部に立設される商品落下防止用のガードの後面に設けられ、商品の重量によって当該商品の有無を検出するための商品検出手段を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項3】
陳列室内の後部に上下に渡る支柱を設け、該支柱に商品陳列用の棚装置を架設して成るショーケースにおいて、
前記棚装置は、棚板と、前記支柱に係合されて前記棚板の両側を保持するブラケットから構成されると共に、
該ブラケットが前記支柱を押圧する圧力を検出するための棚圧力検出手段を備えたことを特徴とするショーケース。
【請求項4】
前記棚傾斜検出手段、前記商品検出手段、又は、前記棚圧力検出手段の出力に基づき、前記棚装置上の商品の残数を判断して所定の出力を発生する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載のショーケース。
【請求項5】
前記制御手段は、商品の品切れ警報出力を発生することを特徴とする請求項4に記載のショーケース。
【請求項6】
前記制御手段は、前記棚装置上に補充すべき商品の数に関する出力を発生することを特徴とする請求項4に記載のショーケース。
【請求項7】
前記制御手段は、時刻、又は、時間帯別の商品の販売状況に基づいて商品の補充数を決定することを特徴とする請求項6に記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−119457(P2010−119457A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293670(P2008−293670)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】