説明

ショーケース

【課題】容易にショーケースに関するデータを送信可能とするショーケースを提供する。
【解決手段】本発明のショーケース1は、陳列室11内に商品を陳列してなるものであって、陳列室11内を照明する各LED素子43を有するLED照明装置40と、このLED照明装置40を制御する制御装置24とを備え、この制御装置24は、LED照明装置40のLED素子43を点灯/消灯することにより、光通信用のデータ、例えば、ショーケース1の運転状態に関するデータや、陳列室11内に陳列されている商品に関するデータを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗に設置されるショーケースに関するもの、特に、当該ショーケースの運転制御に関するデータや陳列商品に関するデータ等の通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗に設置されるショーケースは、温度調節器や除霜用のタイマから構成される制御装置によって個別に制御、若しくは、店舗に設置される集中管理装置に配線接続されることによって、これらデータの送受信が行われ、集中管理制御が行われていた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−193985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のショーケースでは、温度設定に関する情報や現在の庫内温度情報に関するデータ、更には、除霜制御に関するデータ、その他警報に関するデータ等は、ショーケースに設けられる制御装置のコントロールパネルの表示部等から出力、若しくは、当該制御装置と通信線により接続される集中管理側の制御装置において出力されていた。そのため、ショーケースのサービスマンは、ショーケースのコントロールパネルの操作、若しくは、集中管理側の制御装置に接続される入出力手段を操作することによって、これらショーケースに関するデータを把握していた。
【0004】
かかる場合には、ショーケースの設置場所においてコントロールパネルを操作して当該ショーケースに関するデータを把握する必要があるため、煩雑な作業が伴うという問題があった。他方、集中管理側の制御装置において、これらデータを把握するためには、集中管理側の制御装置と、ショーケースの制御装置とを通信線にて配線接続をしなければならない。一般に、ショーケースと集中管理側の制御装置とは離れた場所に設置されているため、係る通信線による配線接続は、設置作業効率の面のみならず、コストの面においても問題があった。
【0005】
また、陳列室内に架設される棚の前端部などには、当該棚に陳列される商品に関する情報を出力するための液晶パネルなどの出力手段が設けられている場合がある。この場合には、当該液晶パネルとショーケースの機械室などに配設されている制御装置とを配線接続する必要がある。そのため、ショーケース内部における配線や陳列室前面に設けられる液晶パネルへの通信線の配線が煩雑となる問題がある。
【0006】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、容易にショーケースに関するデータを送信可能とするショーケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のショーケースは、陳列室内に商品を陳列してなるものであって、陳列室内を照明するLED素子を有するLED照明装置と、該LED照明装置を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、LED照明装置のLED素子を点灯/消灯することにより、光通信用のデータを送信することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明のショーケースは、上記発明において、複数のLED照明装置を備え、制御装置は、複数のLED照明装置のうちの特定のLED照明装置を用いてデータの送信を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明のショーケースは、上記請求項1の発明において、複数のLED照明装置を備え、制御装置は、LED照明装置により照明される位置の商品に関するデータを、当該LED照明装置を用いて送信することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明のショーケースは、上記各発明において、LED照明装置から光通信により送信されたデータを受信し、出力する受信装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、陳列室内に商品を陳列してなるショーケースにおいて、陳列室内を照明するLED素子を有するLED照明装置と、該LED照明装置を制御する制御装置とを備え、該制御装置は、LED照明装置のLED素子を点灯/消灯することにより、光通信用のデータを送信するので、陳列室内を照明する指向性の高いLED素子から照射される可視光を用いて、光通信を行うことが可能となる。
【0012】
そのため、請求項4の発明の如く、LED照明装置から光通信により送信されたデータを受信し出力する受信装置によって、当該ショーケースの庫内温度や警報、運転制御に関する各種データを把握することが可能となる。
【0013】
これにより、格別に受信装置と、当該ショーケースに設けられる制御装置とを配線によって接続する必要が無くなる。従って、配線を行うことによる煩雑な作業や、美観の低下等の不都合を解消することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、上記発明において、複数のLED照明装置を備え、制御装置は、複数のLED照明装置のうちの特定のLED照明装置を用いてデータの送信を行うことにより、データの送信・受信時に生じる混信を抑制することが可能となる。
【0015】
請求項3の発明によれば、上記請求項1の発明において、複数のLED照明装置を備え、制御装置は、LED照明装置により照明される位置の商品に関するデータを、当該LED照明装置を用いて送信することにより、例えば棚毎に異なる商品のデータを送信することが可能となる。
【0016】
また、請求項4の発明によれば、当該LED照明装置から光通信により送信されたデータを受信し、出力する受信装置を備えることで、例えばサービスマンの携帯端末やショーケースに取り付けられる表示端末、若しくは、当該ショーケースが設置される店舗等において用いられるカートに取り付けられる端末などの受信装置により、ショーケースの運転状態に関するデータや、陳列商品に関するデータ、商品販売に関するデータなどを受信することが可能となり、総じて利便性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面を参照して本発明の実施形態について詳述する。図1は本発明を適用したオープンショーケース1の斜視図、図2は図1のオープンショーケース1の縦断側面図をそれぞれ示している。オープンショーケース1は、例えばスーパーマーケットなどの店舗内に据え付けられる縦型のオープンショーケースであり、前面に開口する断面略コ字状の断熱壁2と、据え付け現場において断熱壁2の側面に取り付けられた断熱性の側板5、5とから構成されている。
【0018】
オープンショーケース1の断熱壁2の内側にはそれぞれ間隔を存して仕切板4及び図示しないもう一枚の仕切板が取り付けられ、これら仕切板4などと断熱壁2間に図示しない内外二層のダクトが形成されている。内側の仕切板4を構成する背部仕切板10の下端前方には、底板9が断熱壁2の底壁2Aとの間にダクト用の間隔を存して取り付けられており、これら仕切板4及び底板9の内側を陳列室11としている。
【0019】
また、この陳列室11内には、高さ及び取付角度が変更可能であると共に、陳列室11内背部の図示しない支柱に取り付けられる一対のブラケット31及びこれらと共に棚30を構成する棚板32が複数段に渡って架設されている。棚板32の前縁には、硬質合成樹脂により成形されるプライスレール34が取り付けられており、当該プライスレール34は、棚板32の装飾体を兼用している。また、この棚板32の前壁とプライスレール34との間には、所定の間隔が形成されており、当該間隔には棚板32上の商品が落下することを防止するためのガード35が取り付けられる。
【0020】
断熱壁2の前面開口12の上縁にはハニカム材13、14がそれぞれ取り付けられた内層吐出口16及び外層吐出口17が並設されており、これら内層吐出口16及び外層吐出口17は、前記内層ダクト及び外層ダクトにそれぞれ連通している。また、開口12の下縁には、内層吸込口18と外層吸込口19が並設されている。
【0021】
一方、底板9下方後部には断熱壁2の底壁2A上に前記内層ダクト及び外層ダクトのそれぞれに対応する図示しない送風機が複数台設置されている。
【0022】
背部仕切板10後方の内層ダクト内には冷却装置の冷却器39が縦設されており、前記内層ダクトに対応した送風機が運転されると冷却器39と熱交換した冷気は内層ダクト内を上昇せられ、内層吐出口16より内層吸込口18に向かって吐出される。そして、内層吸込口18から吸い込まれた冷気は再び前記送風機によって加速される。
【0023】
他方、前記外層ダクトに対応した送風機が運転されると外層ダクト内の空気は外層ダクト内を上昇せられ、外層吐出口17より外層吸込口19に向かった吐出される。そして、外層吸込口19から吸い込まれた空気は再び前記送風機によって加速される。これによって、開口12には前後二重のエアーカーテンが形成され、内側の冷気エアーカーテンの一部が陳列室11内に循環されて陳列室11は冷却される。
【0024】
一方、断熱壁2の下側前壁2Cの上面には、ショーケース1の開口12下縁の全幅に渡って設けられるハンドレール20が取り付けられる。この前壁2Cの前面には、ハンドレール20と連続するように前面下パネル21が取り付けられ、該前面下パネル21の下方には前面下パネル21と略面一となるようにバンパー22が取り付けられる。
【0025】
次に、上記図2及び図3を参照して、断熱壁2の天壁2B前部の構成について説明する。図3は各LED照明装置40の取付状態を示す図である。
【0026】
断熱壁2の天壁2B前端(上部前端)には、前方に張り出したキャノピー33が取り付けられており、このキャノピー33の内側には、陳列室11の前面開口12より外側に延在した状態で反射板45が取り付けられる。尚、キャノピー33の前面には図1に示されるように温度表示部38が設けられている。
【0027】
この反射板45は、化粧塗装が施された金属板にて構成されており、前部には、長手方向に渡って、上前方から陳列室11の前面開口12を臨む角度、即ち、後斜め下方の陳列室11方向に面して複数のLED照明装置40が左右に渡って並設されている。
【0028】
このLED照明装置40は、複数のLED素子43が配設された基板42により構成されており、当該基板42は熱良導性の取付板44に固定されている。基板42は長手方向に延在して構成されており、当該基板42には、所定間隔を存して複数のLED素子43が取り付けられている。本実施例において、LED素子43は、チップタイプの白色のLED素子である。
【0029】
本実施例において、当該LED照明装置40は、約1尺程度の長さに構成されている。本実施例におけるオープンショーケースは、前面開口(間口)寸法が4尺〜12尺程度であるため、キャノピー33の内側に設けられる反射板45には、当該前面開口寸法に合わせて当該LED照明装置40が4個〜12個(複数個)左右渡って並設される。
【0030】
また、各LED照明装置40の取付板44は、反射板45にネジ止めにて固定するためのねじ穴が形成されている。各LED照明装置40が取り付けられる反射板45には、長手方向に渡って複数の図示しない排気孔が穿設されている。係るLED照明装置40、排気孔は、下側から囲繞するかたちで取り付けられるシェード46によってカバーされる。
【0031】
係る構成により、各LED照明装置40が点灯されると、各シェード46において拡散された後のそれぞれのLED素子43の照射光により、陳列室11の外側に位置する上前方から効果的に陳列室11内全体を照明することが可能となる。
【0032】
そして、図2に示すように上述した如き陳列室11内に複数段架設される棚30の各棚板32の前端部下面には、当該棚板32の下方に陳列される商品を照明するための棚下LED照明装置48が設けられている。当該棚板32に設けられる棚下LED照明装置48は、反射板45に設けられるLED照明装置40と同様に、棚板32の左右に渡って複数並設されている。尚、当該棚下LED照明装置48は、LED照明装置40と略同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
次に、図4の制御装置24の電気ブロック図を参照して、本実施例におけるショーケースの制御装置24について説明する。制御装置24は、時限手段としてのタイマ51や記憶手段としてのメモリ52を有する汎用のマイクロコンピュータによって構成されており、入力側には、陳列室11内の温度を検出するための庫内温度センサ25と、コントロールパネル26、外部入力手段29等が接続されている。そのため、外部入力手段29を介して入力されたデータ、例えば陳列室11の各棚30に陳列される商品に関するデータは、内蔵されるメモリ52にて記憶される。また、当該コントロールパネル26には、少なくとも上記各LED照明装置40、及び各棚下LED照明装置48を制御するための各種照明スイッチ27と、ショーケース1の各種運転条件に関する設定入力を行う各種入力手段28等が設けられている。
【0034】
そして、制御装置24の出力側には、上述した如き冷却器39と所謂冷凍サイクルを構成する圧縮機や送風機などから構成される冷却装置Rが接続されていると共に、各LED照明装置40及び各棚下LED照明装置48がそれぞれLEDコントロール部50及び58を介して接続されている。尚、当該LEDコントロール部50、58はそれぞれ、各LED素子43に給電を行うLED用電源と、各LED素子43の調光を行う調光コントロール部により構成されている。
【0035】
一方、図5は本実施例における通信制御を示す図である。図5において、55は携帯可能に構成される受信装置である。当該受信装置55は、光通信用のデータを受信する受信部56と、当該受信したデータを出力するための、本実施例では、出力表示するための液晶表示部57を備えている。
【0036】
以上の構成により、本実施例におけるオープンショーケース1の通信制御について図5を参照して説明する。まずはじめに、コントロールパネル26の照明スイッチ27を操作し、制御装置24は、各LEDコントロール部50、58により、LED照明装置LED照明装置40、48を点灯させる。
【0037】
このとき、各LED照明装置40の各LED素子43は、可視光通信手段としての機能を有する。即ち、制御装置24は、キャノピー33の内側に取り付けられた各LED照明装置40の各LED素子43への通電を制御するLEDコントロール部50により、ON/OFF制御する。当該可視光通信手段としてのLED素子43をON/OFF制御することにより、点灯/消灯させ、光通信用のデータとして、本実施例では、当該ショーケース1の運転状態に関するデータ、例えば、庫内温度センサ25により検出される庫内温度や、ショーケース1内に設けられる各種機器の警報に関するデータなど、運転制御に関する各種データを送信する。なお、庫内温度センサ25により検出される庫内温度は、時間の経過と共に、制御装置24のメモリ52に保有しておき、所定時間における庫内温度変化データとして送信しても良い。
【0038】
光通信用のデータの送信範囲は、当該LED照明装置40の各LED素子43の照射範囲に限定される。
【0039】
一方、ショーケース1のサービスマンや店員等は、受信装置55を当該LED照明装置40の各LED素子43の照射範囲である陳列室11内に位置させる。これにより、受信装置55は、受信部56によってLED照明装置40の各LED素子43から照射される照射光を介して光通信用のデータ、本実施例では、上述したようなショーケース1の運転状態に関するデータを受信する。そして、受信したショーケース1の運転状態に関するデータを受信装置55の液晶表示部57に表示(出力)する。
【0040】
これにより、陳列室11内を照明する指向性の高いLED素子43から照射される可視光を用いて、ショーケース1の運転状態に関するデータの光通信を行うことが可能となる。また、LED照明装置40から光通信により送信された各種データを受信装置55により受信し液晶表示部57にて表示することにより、容易に当該ショーケース1の庫内温度(庫内温度の変化状態)や警報など運転制御に関する各種データを把握することが可能となる。
【0041】
これにより、格別に受信装置55と、当該ショーケース1に設けられる制御装置24とを配線によって接続する必要が無くなる。従って、配線を行うことによる煩雑な作業や、美観の低下等の不都合を解消することができる。
【0042】
尚、本実施例では、サービスマン等が携帯して使用する受信装置55は、例えば、携帯端末などによって構成してもよい。
【0043】
また、この場合において、陳列室11内にLED照明装置40の各LED素子43から照射されたショーケース1の運転状態に関するデータを含んだ光をショーケース1外に反させる反射板を備え、当該反射板により反射された光を受光する手段(受信装置)を店舗内の何れかの場所に設けてもよい。これにより、ショーケース1外の場所であって、店舗内の何れかの場所においても当該ショーケース1の運転状態に関するデータを受信することが可能となる。そのため、当該受信装置を通信線などによって店舗の集中管理装置に接続することで、当該集中管理装置においても、ショーケースの運転状態に関するデータを管理することが可能となる。
【0044】
また、上記実施例では、キャノピー33の内側に設けられているLED照明装置40の各LED素子43の点灯/消灯を制御することで、当該ショーケース1の運転状態に関するデータを送信しているが、これに限定されるものではない。例えば、当該実施例におけるショーケース1が複数台並設されている場合などにおいて、複数並設される上述したような1尺程度の長さのLED照明装置40のうちの特定のLED照明装置40のみ(図6の実施例では、正面から向かって右から3番目のLED照明装置40のみ)をデータの送信を行う照明装置として用いても良い。
【0045】
これにより、ショーケース1が隣接して複数台設けられている場合であっても、特定のLED照明装置40のみがデータ送信を行うことで、通信範囲を限定することができる。そのため、それぞれのデータ送信を行うLED照明装置40からの照射光が交差することにより、データの送信・受信時に生じる混信を抑制することが可能となる。従って、確実なデータ送信が可能となり、混信による不都合を解消することができる。
【0046】
また、各棚30に設けられる複数の棚LED照明装置48の各LED素子43も上記LED照明装置40のLED素子43と同様に可視光通信手段としての機能を有する。ここで、図7を参照して、棚LED照明装置48による通信制御について説明する。
【0047】
制御装置24は、各棚30の前端下面に取り付けられた各棚LED照明装置48の各LED素子43への通電を制御するLEDコントロール部58により、ON/OFF制御する。このとき、制御装置24は、それぞれの棚上の陳列領域と、当該陳列領域の情報に対応して設けられる棚LED照明装置48とを対応させて上述したような外部入力手段29より、各棚30の陳列領域に陳列される商品についての情報が入力され、メモリ52に保有されている。
【0048】
そのため、制御装置24は、それぞれの棚LED照明装置48の可視光通信手段としてのLED素子43をON/OFF制御することにより、点灯/消灯させ、当該照明範囲に位置する陳列領域に陳列される商品についての情報(データ)を光通信用のデータとして送信する。
【0049】
これにより、それぞれの棚LED照明装置48の各LED素子43から照射される光は、当該照射範囲に位置する棚上の陳列領域に陳列される商品についてのデータが含まれている。
【0050】
一方、当該照射範囲とされる棚30の前端部には、それぞれ上述したような受信装置55が取り付けられている。そのため、当該棚上の陳列領域に陳列される商品を照明する上側の棚30に設けられた棚LED照明装置48(LED素子43)からの照射光が、当該陳列領域とされる棚の前端部に取り付けられた受信装置55に照射されることにより、受信装置55は、受信部56によってLED照明装置48の各LED素子43から照射される照射光を介して光通信用のデータ、本実施例では、当該棚上の陳列領域に陳列される商品に関するデータを受信する。そして、受信した棚上の陳列領域に陳列される商品に関するデータを受信装置55の液晶表示部57に表示(出力)する。
【0051】
これにより、陳列室11内を照明する指向性の高いLED素子43から照射される可視光を用いて、それぞれの棚LED照明装置48により照明される位置の商品に関するデータを、当該棚LED照明装置48を用いて送信することで、棚30毎に異なる商品のデータを送信することが可能となる。
【0052】
そのため、格別な通信線の配線接続を行うことなく、ショーケース1の各棚30の前端部に設けられる受信装置55によって陳列商品に関するデータや、商品販売に関するデータなどを受信することが可能となるため、利便性の向上を図ることができる。
【0053】
また、本実施例では、当該受信装置55を各棚30の前端部に取り付けているが、これに限定されるものではなく、キャノピー33の内側であって、外層吐出口17を構成する前面などのPOP掲載部等や、顧客が店舗内を移動させて使用するカートなどに設けてもよい。また、陳列商品に関するデータや商品販売(例えば特売)に関するデータなどをキャノピー33の内側に設けられるLED照明装置40の各LED素子43から照射光に含ませてもよい。
【0054】
これにより、カートに設けられる受信装置55が顧客の移動に伴ってショーケース1に近づくことにより、当該受信装置55が可視光通信手段として使用されるLED照明装置照明装置40や棚LED照明装置48のそれぞれのLED素子43の照射範囲内に入ると、それぞれの陳列商品に関するデータや商品販売に関するデータなどを受信して、液晶表示部57に表示することが可能となる。
【0055】
このように、通信線を設けることなく、ショーケース1に設けられる各LED照明装置40、48からの照射光によって、データを送信することが可能となるため、移動自在な受信装置55によって、当該データを受信することができる。従って、配線を行うことによる煩雑な作業や、美観の低下等の不都合を解消することができる。
【0056】
また、本実施例では、受信装置55は、出力手段として液晶表示部57を設けているが、これに限定されるものではなく、また、これに加えて、音声出力部などを設けることにより、文字や映像のみならず、音によるデータの出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明を適用したオープンショーケースの斜視図である。
【図2】図1のオープンショーケースの縦断側面図である。
【図3】各LED照明装置の取付状態を示す図である。
【図4】制御装置の電気ブロック図である。
【図5】LED照明装置による光通信制御を示す図である。
【図6】他の実施例としてのLED照明装置による光通信制御を示す図である。
【図7】棚LED照明装置による光通信制御を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 オープンショーケース
2 断熱壁
2A 底壁
4 仕切板
5 側板
9 底板
11 陳列室
24 制御装置
27 照明スイッチ
28 各種入力手段
29 外部入力手段
30 棚
31 ブラケット
32 棚板
33 キャノピー
39 冷却器
40 LED照明装置
42 基板
43 LED素子
44 取付板
45 反射板
48 棚下LED照明装置
50、58 LEDコントロール部
51 タイマ
52 メモリ
55 受信装置
56 受信部(受信手段)
57 液晶表示部(出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陳列室内に商品を陳列してなるショーケースにおいて、
前記陳列室内を照明するLED素子を有するLED照明装置と、
該LED照明装置を制御する制御装置とを備え、
該制御装置は、前記LED照明装置の前記LED素子を点灯/消灯することにより、光通信用のデータを送信することを特徴とするショーケース。
【請求項2】
複数の前記LED照明装置を備え、前記制御装置は、前記複数のLED照明装置のうちの特定のLED照明装置を用いてデータの送信を行うことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
複数の前記LED照明装置を備え、前記制御装置は、前記LED照明装置により照明される位置の商品に関するデータを、当該LED照明装置を用いて送信することを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項4】
前記LED照明装置から光通信により送信されたデータを受信し、出力する受信装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75243(P2010−75243A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244048(P2008−244048)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】