説明

シリンジ容器

【課題】カートリッジ筒内に挿入されたプランジャを係止するストッパ機能を向上させたシリンジ容器を提供する。
【解決手段】 先端側に注出口6を、また基端側にグリップ10を有するカートリッジ筒2と、上記カートリッジ筒2内へ摺動可能にかつ液密に嵌合させたピストン22を有し、このピストンから外方へ操作棒24を延出させてなるプランジャ20とからなり、操作棒24の長手方向中間部に、操作棒の一部から先方へ、操作棒に対して斜め先方にストッパ片38を突出し、このストッパ片の先端面40をカートリッジ筒2の基端へ係止可能としたストッパ機構30を設けた。上記ストッパ機構は、さらに上記ストッパ片の先部と先部近くの操作棒部分とに連結片42の両端を屈曲可能に連結してストッパ片38の内方押込みが可能に設け、かつストッパ片38をカートリッジ筒内へ挿入可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジ容器に関する。本願にいうシリンジ容器とは、容器兼注射器のほか、注射針を外した態様のものを含む。
【背景技術】
【0002】
予め一定量の薬剤を注入させた容器兼注射器が提案されている(特許文献1)。その基本的構成は、上端開口のカートリッジ筒内に操作棒の先部のピストンを嵌合し、定位置にセットした後に開口部から薬剤を充填し、注射針を含む蓋部材で閉栓するものである。
【0003】
しかしながら、閉栓前にピストンが不意に定位置からずれてしまうと薬剤の定量性を保証できない。そこで上記特許文献1では、上記操作棒を、4つの縦リブを含む断面十字形に形成するとともに、上下方向の中間部で1つのリブを切断し、切断箇所下方の一定長さのリブ部分を、斜め上外方へ弯曲させた可撓片をストッパとしている。この可撓片は、カートリッジ筒の下面に係止しており、その弾性に抗して内側に押し込むことで当該係合を解除できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3558723号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の容器兼注射器では、次のような問題がある。
【0006】
第1に、断面十字形の操作棒が含むリブの一部を切断し、斜めに弯曲させて可撓片としているが、成形誤差などにより、その弯曲の程度が大きすぎると、ストッパ片を押し込みにくい。また弯曲の程度が小さすぎると、可撓片の先端がカートリッジ筒の下端部に十分に係合せず、ストッパ片に他物が当たるなどして係止状態が不意に解除されてしまう可能性がある。
【0007】
第2に、上記可撓片は指で弾性に抗して内方に押し込むものであり、可撓片を付設した操作棒部分をカートリッジ筒内に進入させるまで可撓片を指で押さえている必要がある。
【0008】
本発明の第1の目的は、プランジャの操作棒から斜めに突出するストッパ片の先部と操作棒との間に連結片を介在させたストッパ機構を設け、不意にストッパ機能が解除されないようにしたシリンジ容器を提供することである。
【0009】
本発明の第2の目的は、上記ストッパ片及び連結片が内方へ弾性反転することでこれら両片の内方押込み状態が維持され、使い勝手がよいシリンジ容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の手段は、
先端側に注出口6を、また基端側にグリップ10を有するカートリッジ筒2と、
上記注出口6を閉塞する閉塞部材14と、
上記カートリッジ筒2内へ摺動可能にかつ液密に嵌合させたピストン22を有し、このピストンから外方へ操作棒24を延出させてなるプランジャ20と、からなり、
上記操作棒24の長手方向中間部に、操作棒の一部から先方へ、操作棒の中心軸Oに対して斜め先方にストッパ片38を突出し、このストッパ片の先端面40をカートリッジ筒2の基端へ係止可能としたストッパ機構30を設けた、シリンジ容器において、
上記ストッパ機構は、さらに上記ストッパ片の先部と先部近くの操作棒部分とに連結片42の両端を屈曲可能に連結してストッパ片38の内方押込みが可能に設け、かつその押込み状態で、ストッパ片38をストッパ片近くの操作棒部分とともにカートリッジ筒内へ挿入可能としている。
【0011】
本手段は、図11又は図1に示すように操作棒24から斜めに突出したストッパ片38を、カートリッジ筒の基端に係止可能とした構造において、ストッパ片38の先部と、先部近傍の操作棒部分との間に連結片42を設けることを提案している。こうした連結片を設けないと、例えば成形誤差によりストッパ片の先端面がカートリッジの基端に中途半端に係合した状態となり、ストッパ片の外面や操作棒の基端に他物が当ったときに、係止状態が不意に解除されてしまう可能性がある。ストッパ片の個数、配置に関しては後述する。
【0012】
本明細書において、「先端」及び「先部」とは、別段の説明がない限り注射器の先端に近い側(図1での上側)をいい、「基端」及び「基部」とはその反対側をいう。「連結片」は、ストッパ片が不意に内方へずれることを防止する。「閉塞部材」とは、図1に示す蓋14A、及び図6に示す注射針付きのキャップ14Bの双方を含み、さらに注射針付きキャップの外側をオーバーキャップを囲んだ2重キャップとしてもよい。
【0013】
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記操作棒24は、断面十字形状に相互に交差する第1帯板26及び第2帯板28を含み、
上記ストッパ機構30は、第1帯板26で分割される第2帯板28の2つの板部の少なくとも一方板部28aを長手方向中間部に穿設した切欠き32と、この切欠き32の基端側の一方板部分に付設した第1帯板と平行な補強板34とを含み、かつこの補強板34の端部にストッパ片38を、及び上記切欠き32の先端側に連結片42を、これらストッパ片及び連結片が内方へ弾性反転することができるようにヒンジを介して連結してなる。
【0014】
本手段は、図3の如く操作棒24を、第1帯板26及び第2帯板28が交差する断面十字形とすること、及び、図6に示すように第2帯板の一方板部に切欠き32を設け、切欠きの基端側にストッパ片38を、切欠きの先端側に連結片42をそれぞれ連結することを提案する。先方へのプランジャの押し込みに対するストッパ片38の係止力を向上させるために、第2帯板の一方板部に補強板を付設し、補強板を介してストッパ片を連結している。
【0015】
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記操作棒24は、第2帯板28の長手方向の複数箇所に上記ストッパ機構30を形成した。
【0016】
本手段は、図12のように操作棒の長手方向に、ストッパ片と連結片と切欠きと補強板とからなる少なくとも2つのストッパ機構30を設けている。1番目のストッパ片を押し込んで薬剤を注射した後、さらに2番目以降のストッパ片を押込み、追加の薬剤を注射できるようにするためである。本手段の作用は、ストッパ片及び連結片が内方へ弾性反転して押込み状態が維持されるという先の手段の構成を必須条件とする。
【0017】
第4の手段は、第2の手段又は第3の手段を有し、かつ
上記グリップ10は、カートリッジ筒の基端側に外向きフランジ状に形成されており、そのフランジ孔をプランジャ挿入口12としており、
上記中心軸Oを対照軸として、上記第2帯板28の他方板部に、一方板部に設けたストッパ機構30と対称な構造を有するストッパ機構を形成し、
これらストッパ機構の2つの連結片42がそれぞれ上記プランジャ挿入口12の孔縁に当接可能に構成している。
【0018】
本手段は、図1に示すように左右一対のストッパ機構38を設け、2つの連結片42がプランジャ挿入口12の孔縁の両側に当接するようにしている。これによりプランジャのガタ付きを防止できる。
【発明の効果】
【0019】
第1の手段に係る発明によれば、操作棒24から突設したストッパ片38の先部と操作棒との間に連結片42を設けたから、ストッパ機能を確実にすることができる。
第2の手段に係る発明によれば、操作棒が有する第2帯板に穿設した切欠き32の両側に、ストッパ片及び連結片を弾性反転可能に連結したから、ストッパ機能がさらに向上する。
第3の手段に係る発明によれば、操作棒の長手方向の複数の箇所にストッパ片38及び連結片42を設けたから、2つの位置でプランジャを係止させることができる。
第4の手段に係る発明によれば、2つの連結片42がプランジャ挿入口の孔縁に当接可能としたから、カートリッジ筒2に対するプランジャのガタ付きを解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシリンジ容器の正面図である。
【図2】図1のシリンジ容器の側面図である。
【図3】図1のシリンジ容器のIII−III方向の横断面図である。
【図4】図1のシリンジ容器のIV−IV方向の横断面図である。
【図5】図1のシリンジ容器のV−V方向の横断面図である。
【図6】図1のシリンジ容器の係止状態を示す正面図である。
【図7】図6の係止状態を解除する動作の説明図である。
【図8】図7の係止解除動作後にプランジャを押し込む作業を示す説明図である。
【図9】図6のIX−IX方向の横断面図である。
【図10】図1のシリンジ容器の要部の作用説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るシリンジ容器の正面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係るシリンジ容器の正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1から図10は、本発明の第1実施形態に係るシリンジ容器を示している。この容器兼注射器は、カートリッジ筒2と、閉塞部材14と、プランジャ22とで形成することができる。なお、これら各部材は、特に断らない限り合成樹脂で形成することができる。
【0022】
カートリッジ筒2は、カートリッジ筒本体4と、グリップ10とで構成されている。上記カートリッジ筒2は、上端部(先端部)を小径の注出口6とした直筒形の筒体である。そのカートリッジ筒の下端部からは、指掛け用のグリップ10が外向きフランジ状に突出され、そのフランジ孔を、プランジャ挿入口12としている。
【0023】
図示例では、カートリッジ筒本体4と、グリップ10とを別体としている。具体的には、カートリッジ筒本体4の下端に鍔部8を付設しており、この鍔部にクリップ10を取付けている。図示例のクリップ10は、上記プランジャ挿入口12を有する下リング板10aの外縁から上内方へ上リング板10bを折り返し、これら上下リング板の間に鍔部8を挟持している。下リング板の下面は水平かつ平坦に形成する。なお、カートリッジ筒本体4は、合成樹脂の他にガラスでも成形することができる。
【0024】
閉塞部材14は、上記注出口6を液密にかつ着脱自在に閉塞している。本実施形態においては、容器兼注射器の初期状態では、閉塞部材として図1に示す有頂筒形の蓋14Aを嵌合させる。また薬剤を注射するときには、上記蓋に代えて、図6に示すような注射針付きキャップ14Bを液密に嵌合させている。
【0025】
プランジャ20は、ピストン22を操作棒24の先端に付設させ、かつカートリッジ筒2内に摺動自在にかつ液密に嵌合させてなる。
【0026】
上記操作棒24は、第1帯板26と第2帯板28とが中心軸Oで相互に交差するように結合することで断面十字形に形成されている。このような構成とした理由は、材料の節約のためであり、適宜変更することができる。また操作棒24の下端には円板形のハンドル48が付設されている。
【0027】
上記第1帯板26で分割される第2帯板28の一方板部28a及び他方板部28bには、それぞれ中心軸Oに対して線対称な左右一対のストッパ機構30を形成する。
【0028】
このストッパ機構30は、切欠き32と補強板34とストッパ片38と連結片42とで構成されている。
【0029】
上記切欠き32は、上記第2帯板の一方板部28a及び他方板部28bの長手方向中間部を除去することで形成される。もっともこの構成に限らず、例えば中実な操作棒の一側に切欠きとして凹部を穿設しても構わない。なお、切欠き32を設けた理由は、ストッパ片及び連結片を内方押し込みするときの押込み代を確保するためである。
【0030】
上記補強板34は、切欠き32の下端側に連なる一方板部分及び他方板部分の外端にそれぞれ付設しており、補強板34の上端は第1ヒンジ36を介してストッパ片38に連結している。これにより図2に示すように第1ヒンジ36の前後巾を長くして、ヒンジの強度を向上させることができる。図示例では、各補強板34と第2帯板28とは、図4に示すように上方から見てT字形に形成されている。
【0031】
上記ストッパ片38は、上記補強板34の上端から、上記第1ヒンジ36を介して、垂直面に対して小さな傾斜角度θで上外方へ傾斜させている。後述のストッパ片及び連結片の弾性反転を容易とするためである。このストッパ片38の先端面(上端面)40は、カートリッジ筒の基端面(図示例では下リング板の下面)との当接面として水平に形成することが望ましい。図示例のストッパ片38は図2の如く縦長矩形であるが、その構造は適宜変更することができる。
【0032】
上記連結片42の下端部は、図5に示すように第2ヒンジ44を介して上記ストッパ片38の先端面40内縁側に連結しており、また連結片42の上端部は、切欠き32の上端側の第2帯板部分に第3ヒンジ46を介して連結している。図示例では、第3ヒンジ46は第2帯板28の板厚程度の巾としているが、必要により第3ヒンジと連結する第2帯板部分を肉厚にし、第3ヒンジとの連結巾を長くしてそのヒンジの強度を向上させてもよい。
【0033】
第1ヒンジ36と第2ヒンジ44と第3ヒンジ46とは、ストッパ片38及び連結片42の弾性反転を可能とする位置関係に配置する。具体的には、図10に示すように前方から見た第1ヒンジ36の位置を点A、第3ヒンジ46の位置を点C、反転前の第2ヒンジ44の位置をB、反転後の位置をB’とすると、これら点B, B’は線分ACを対照軸として線対照位置に表れる。故に点B’が第1帯板26の近傍或いはその右側にあるように点A〜Cを配置すればよい。図示例では、点Cを第2帯板の一方板部28aの巾方向中間部に位置させているが、その配置は適宜変更することができる。
【0034】
上記ストッパ片38の前後方向の巾は、図3に示す弾性反転後の点B’の位置でプランジャ挿入口の孔縁を前後方向の仮想線で切ったときの弦DEの長さより短くする。こうすることで弾性反転後にストッパ片38をカートリッジ筒内へ嵌挿させることができる。
【0035】
次に本願のシリンジ容器の使用の好適な手順の例を説明する。患者に薬剤を投与するときには、まず規定量の薬剤を患者に注射し、必要に応じて追加の薬剤を注射する場合があり、以下に述べる手順はそういう場合を想定している。
【0036】
図1は、カートリッジ筒2内に薬剤を充填した状態を示している。同図において蓋14Aは液密に注出口6を閉塞しており、これにより本願のシリンジ容器は薬剤の容器としての役割を果たしている。本願のシリンジ容器は、薬剤を充填した状態で医療機関などに出荷することができる。
【0037】
注射を行うときには、蓋14Aを外して代わりに例えば図6に示す注射針付きキャップ14Bを注出口6に液密に嵌合する。そしてフリップ10に指をかけて患者の身体に注射針を刺し、ハンドル48をカートリッジ筒2側へ押せばよい。図6に示すようにストッパ片38の上端がカートリッジ筒の基端面に突き当たることで、一定量の薬剤の注射が完了する。
【0038】
図6の状態では、ストッパ片の先端面が図9に示すようにカートリッジ筒2の基端面に係止しているので、プランジャ20をこれ以上カートリッジ内へ押し込むことができない。図6に示す2つの連結片42はプランジャ挿入口12の両側に当接されており、プランジャ20のガタつきを低減している。
【0039】
上記ストッパ片38及び連結片42は、仮に他物と当接しても図10に示す線分ACを超えるまで押し込まれない限り弾性的に元の位置に復帰する。従って故に不意にロック状態が解除されるという不都合が生じにくい。この図6の状態で薬剤入り容器兼注射器として医療機関などへ出荷すればよい。なお、注射針付きキャップの外側に図示しないオーバーキャップを嵌合させてもよい。
【0040】
患者の容態などに応じてカートリッジ筒内の残りの薬剤を注射するときには、図7に示すように左右一対のストッパ片38を左右方向内側に押し込む。これによりストッパ片38及び連結片42が内側に弾性反転される。このときストッパ片38は、図9に想像線で示すようにプランジャ挿入口12の孔縁内方に移動する。これにより、カートリッジ筒の基端面とストッパ片の先端面40との係合が解除され、故にカートリッジ筒2内へのプランジャ20の進入が可能となる。
【0041】
また上記ストッパ片38及び連結片42の弾性反転により、これら両片の内方押込み状態が維持される。言い換えれば、係止されていない状態を維持するためにストッパ片を指で押さえていなくてもよいので、注射作業を容易に行うことができる。
【0042】
なお、カートリッジ筒内の薬剤を2度に分けて注射する上記の手順は、本願注出器の使用法の好適な一例であり、使用方法がこの用法のみに限定されるものではない。また予め薬剤を充填した状態で出荷する薬剤入り容器兼注射器(いわゆりプレフィルドシリンジ)は、本願発明の好適な実施態様であるが、図1の状態でカートリッジ筒が空であるシリンジ容器も本願発明の技術的範囲に含まれる。
【0043】
次に本願発明の他の実施形態について説明する。これらの説明において、第1実施形態と同じ構成については、同一の符号を付することで解説を省略する。
【0044】
図11は、本発明の第2実施形態に係るシリンジ容器を示している。この実施形態は、第1実施形態における左右一対のストッパ機構30の一方を省略したものである。一つのストッパ機構の反対側には、第2帯板の他方板部28bが連続しており、プランジャの左右方向の揺動を規制している。故に一つのストッパ機構だけでも相当な係止力が期待できる。
【0045】
図12は、本発明の第3実施形態に係るシリンジ容器を示している。この実施形態は、第2実施形態の構成から、操作棒の長手方向に複数のストッパ機構30を、間隔をおいて形成したものである。
【0046】
2つのストッパ機構30の間には、第2帯板の一方板部28a分及び補強板34を設けて、操作棒の強度を担保するようにするとよい。図示例では、第2帯板の片側にだけストッパ機構を設けているが、左右一対のストッパ機構を、操作棒の異なる高さに複数組形成してもよい。
【符号の説明】
【0047】
2…カートリッジ筒 4…カートリッジ筒本体 6…注出口 8…鍔部
10…グリップ 10a…下リング板 10b…上リング板 12…プランジャ挿入口
14…閉塞部材 14A…蓋 14B…注射針付きキャップ
20…プランジャ 22…ピストン 24…操作棒 26…第1帯板 28…第2帯板
28a…一方板部 28b…他方板部
30…ストッパ機構 32…切欠き 34…補強板 36…第1ヒンジ
38…ストッパ片 40…先端面 42…連結片 44…第2ヒンジ 46…第3ヒンジ
48…ハンドル
A…第1ヒンジ位置 B…第2ヒンジ位置(反転前) B’…第2ヒンジ位置(反転後)
C…第3ヒンジ位置 DE…弦 O…中心軸 θ…傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側に注出口(6)を、また基端側にグリップ(10)を有するカートリッジ筒(2)と、
上記注出口(6)を閉塞する閉塞部材(14)と、
上記カートリッジ筒(2)内へ摺動可能にかつ液密に嵌合させたピストン(22)を有し、このピストンから外方へ操作棒(24)を延出させてなるプランジャ(20)と、からなり、
上記操作棒(24)の長手方向中間部に、操作棒の一部から先方へ、操作棒の中心軸(O)に対して斜め先方にストッパ片(38)を突出し、このストッパ片の先端面(40)をカートリッジ筒(2)の基端へ係止可能としたストッパ機構(30)を設けた、シリンジ容器において、
上記ストッパ機構は、さらに上記ストッパ片の先部と先部近くの操作棒部分とに連結片(42)の両端を屈曲可能に連結してストッパ片(38)の内方押込みが可能に設け、かつその押込み状態で、ストッパ片(38)をストッパ片近くの操作棒部分とともにカートリッジ筒内へ挿入可能としたことを特徴とするシリンジ容器。
【請求項2】
上記操作棒(24)は、断面十字形状に相互に交差する第1帯板(26)及び第2帯板(28)を含み、
上記ストッパ機構(30)は、第1帯板(26)で分割される第2帯板(28)の2つの板部の少なくとも一方板部(28a)を長手方向中間部に穿設した切欠き(32)と、この切欠き(32)の基端側の一方板部分に付設した第1帯板と平行な補強板(34)とを含み、かつこの補強板(34)の端部にストッパ片(38)を、及び上記切欠き(32)の先端側に連結片(42)を、これらストッパ片及び連結片が内方へ弾性反転することができるようにヒンジを介して連結してなることを特徴とする、請求項1記載のシリンジ容器。
【請求項3】
上記操作棒(24)は、第2帯板(28)の長手方向の複数箇所に上記ストッパ機構(30)を形成したことを特徴とする、請求項2記載のシリンジ容器。
【請求項4】
上記グリップ(10)は、カートリッジ筒の基端側に外向きフランジ状に形成されており、そのフランジ孔をプランジャ挿入口(12)としており、
上記中心軸(O)を対照軸として、上記第2帯板(28)の他方板部に、一方板部に設けたストッパ機構(30)と対称な構造を有するストッパ機構を形成し、
これらストッパ機構の2つの連結片(42)がそれぞれ上記プランジャ挿入口(12)の孔縁に当接可能に構成したことを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載のシリンジ容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−139330(P2012−139330A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293462(P2010−293462)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】