シンボル作成装置、電子機器、シンボル作成方法
【課題】データ容量の増加を防止しつつ、使用言語に応じた言語別のシンボルデータを作成する。
【解決手段】言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成する方法であって、共通要素ごとに、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶しておき、言語を選択する工程(S03)と、共通要素を選択する工程(S06)と、記憶しておいた言語別合成情報を参照し、選択された共通要素について、選択された言語に紐付けられている言語別要素を特定し、選択された共通要素と、特定した言語別要素と、を合成して、シンボルを作成する工程(S07)と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成する方法であって、共通要素ごとに、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶しておき、言語を選択する工程(S03)と、共通要素を選択する工程(S06)と、記憶しておいた言語別合成情報を参照し、選択された共通要素について、選択された言語に紐付けられている言語別要素を特定し、選択された共通要素と、特定した言語別要素と、を合成して、シンボルを作成する工程(S07)と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
デザイン要素を組み合わせてシンボルを作成するシンボル作成装置、電子機器、シンボル作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、絵柄と文字を組み合わせたシンボル(絵文字、記号など)を印刷可能なテーププリンターが知られている。例えば、非特許文献1の装置では、ノートを模った絵柄に「国語」の文字を組み合わせた絵文字や、三角定規を模った絵柄に「算数」の文字を組み合わせた絵文字などを印刷可能である。
【0003】
一方、言語を切り替えて文字を入力可能な電子機器(パーソナルコンピューター、電子辞書、携帯端末など)も一般的に知られている。近年のグローバル化に伴い、切り替え可能な言語数は増加傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「テプラ」 PRO SR550取扱説明書 2009年7月第1版 株式会社キングジム p.157(絵文字一覧表「学校」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような複数言語を入力可能な電子機器における文字入りシンボルの扱いは、言語別に個々のシンボルデータを用意するか、言語にかかわらず共通のシンボルデータを用意するか、のいずれかである。前者の場合は、メモリ容量が増大すると共に、シンボルデータの製作にも時間がかかるため装置のコストアップが避けられないといった問題がある。また、後者の場合、基本となる言語以外の言語を選択したユーザーにとっては、シンボルの意味が理解できないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、データ容量の増加を防止しつつ、使用言語に応じた言語別のシンボルデータを作成可能なシンボル作成装置、電子機器、シンボル作成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシンボル作成装置は、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、共通要素ごとに、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、言語を選択する言語選択部と、共通要素を選択する共通要素選択部と、言語別合成情報記憶部を参照し、選択された共通要素について、選択された言語に紐付けられている言語別要素を特定し、選択された共通要素と、特定した言語別要素と、を合成して、シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、言語別のシンボルを、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を合成して作成するため、言語別のシンボルを言語数分用意する場合と比較して、メモリ容量を低減できる。また、言語別のシンボルが言語数分用意されると、シンボルの候補数が多くなり目的のシンボルを選択する際に時間を要するが、言語と共通要素をそれぞれ選択する構成であるため、選択が容易である。例えば、共通要素M個について、それぞれ言語数がN種類用意されている場合を想定すると、(M×N)個の中から目的のシンボルを選択するよりも、N種類の中の1の言語、M個の中の1の共通要素を選択する方が容易である。しかも、(M×N)個の中から目的のシンボルを選択する場合は、特定言語しか理解できないユーザーにとって意味の分からないシンボルも含まれるため、選択がさらに困難になると考えられる。さらに、言語別のシンボルを作成するため、選択可能な言語のうち基本の言語に対応したシンボルデータしか用意されていない場合のように、意味の分からないシンボルを使用せざるを得ないといった不具合もない。
なお、「シンボル」とは、絵文字、合成文字、記号などを含む概念である。
また、シンボルは、必ずしも1の共通要素と1の言語別要素を組み合わせたものでなくても良い。例えば、言語別合成情報として、1の言語に対し、複数の言語別要素を紐付けておくことで、1の共通要素と複数の言語別要素を組み合わせたシンボルを作成できる。
【0009】
上記のシンボル作成装置において、共通要素および言語別要素の少なくとも一方には、合成方法を示す合成属性情報が付加されており、シンボル作成部は、選択された共通要素、および特定した言語別要素の少なくとも一方に付加されている合成属性情報に基づいて合成を行い、シンボルを作成することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、合成属性情報に基づいて合成を行うため、共通要素または言語別要素に応じて、適切な合成を行うことができる(見栄えの良いシンボルデータを作成できる)。
なお、共通要素および言語別要素の両方に合成属性情報が付加されている場合、矛盾がない場合は両方に従うことが好ましい。また、矛盾がある場合は、いずれかに従う、いずれに従うかをユーザーに選択させる、などが考えられる。
【0011】
上記のシンボル作成装置において、合成属性情報は、共通要素と言語別要素の合成位置を示す情報を含むことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、言語別要素に合成属性情報を付加しておくことで、言語別要素の大きさが言語に応じて異なる場合でも、見栄えの良いシンボルデータを作成できる。一方、共通要素に合成属性情報を付加しておくことで、共通要素ごとに異なる位置に言語別要素を合成できる。つまり、共通要素Aは、左上に言語別要素を付加し、共通要素Bは、右上に言語別要素を付加する、といったことが可能となる。
【0013】
上記のシンボル作成装置において、合成属性情報は、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の輪郭または線分に白枠を付加するか否かを示す白枠情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の背景を白塗りにするか否かを示す背景白塗り情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の透過率を示す透過率情報、OR式およびEOR式を含む論理演算式の中からいずれの演算式を用いて重ね合わせるかを示す演算式情報、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、共通要素または言語別要素に、白枠情報、背景白塗り情報、透過率情報、演算式情報を合成属性情報として付加することができる。これにより、共通要素または言語別要素に応じた適切な合成を行うことができる。
【0015】
上記のシンボル作成装置において、共通要素および言語別要素の少なくとも一方には、言語別要素の編集方法を示す編集属性情報が付加されており、シンボル作成部は、選択された共通要素、および特定した言語別要素の少なくとも一方に付加されている編集属性情報に基づき、当該言語別要素を編集して合成を行い、シンボルを作成することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、編集属性情報に基づいて言語別要素の編集を行うため、共通要素または言語別要素に応じて、見栄えの良いシンボルデータを作成できる。
なお、共通要素および言語別要素の両方に編集属性情報が付加されている場合、矛盾がない場合は両方に従うことが好ましい。また、矛盾がある場合は、いずれかに従う、いずれに従うかをユーザーに選択させる、などが考えられる。
【0017】
上記のシンボル作成装置において、言語別要素が、テキストデータの場合、編集属性情報は、テキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、編集属性情報によってテキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾を特定できるため、データサイズ、フォント種類、文字装飾ごとに異なるテキストデータ(言語別要素)を用意する必要がなく、メモリ容量をより低減できる。
なお、文字装飾とは、文字色、文字間隔、文字飾り(下線、中抜き文字、斜体など)を含む概念である。
【0019】
本発明の他のシンボル作成装置は、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、前記言語を選択する言語選択部と、前記言語別合成情報記憶部を参照し、選択された前記言語の前記言語別合成情報を含む前記共通要素を特定し、特定した前記共通要素に、それぞれ選択された前記言語と紐付けられた前記言語別要素を合成して、前記シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明のシンボル作成方法は、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成するシンボル作成方法であって、共通要素ごとに、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶するステップと、言語を選択するステップと、言語別合成情報を参照し、選択された言語の言語別合成情報を含む共通要素を特定し、特定した共通要素に、それぞれ選択された言語と紐付けられた言語別要素を合成して、シンボルを作成するステップと、を実行することを特徴とする。
【0021】
これらの構成によれば、言語別のシンボルを、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を合成して作成するため、言語別のシンボルを言語数分用意する場合と比較して、メモリ容量を低減できる。また、言語別のシンボルが言語数分用意されると、シンボルの候補数が多くなり目的のシンボルを選択する際に時間を要するが、言語によって絞り込まれたシンボルを生成するため、選択が容易である。例えば、選択された言語に応じたシンボルの一覧を表示し、その中から所望のシンボルを選択して文書を作成したり印刷したりする場合に便利である。
【0022】
本発明の電子機器は、上記に記載のシンボル作成装置における各部と、シンボル作成部により作成されたシンボルを出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、データ容量の増加を防止しつつ、使用言語に応じた言語別のシンボルデータを作成し、これを出力可能な電子機器を実現できる。
なお、出力部は、表示、印刷、通信によって、シンボルを出力することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係るテープ印刷装置の外観斜視図である。
【図2】テープ印刷装置の制御ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る印刷処理を示すフローチャートである。
【図4】シンボルの作成イメージを示す図である。
【図5】共通データの一例を示す図である。
【図6】言語別データの一例を示す図であり、(a)は日本語設定時の言語別データ、(b)は英語設定時の言語別データ、(c)はフランス語設定時の言語別データを示す図である。
【図7】合成位置を示す説明図である。
【図8】重ね方を示す説明図であり、(a)はOR式で重ね合わせた場合、(b)はEOR式で重ね合わせた場合、(c)は白枠付きで重ね合わせた場合、(d)は透過率50%で重ね合わせた場合の図である。
【図9】第2実施形態に係る印刷処理を示すフローチャートである。
【図10】共通データの一例を示す図である。
【図11】変形例を示す説明図であり、(a)は共通要素と言語別要素を左右に並べる場合、(b)は言語別要素が文字列の場合、(c)は言語別要素である文字列の各文字サイズが徐々に大きくなる場合、(d)は言語別要素である文字列の各文字間隔が広い場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るテープ印刷装置1の開閉蓋21を開いた状態の外観斜視図である。図1に示すようにテープ印刷装置1は、装置ケース2により外郭が形成され、装置ケース2の前部上面には各種入力キーを備えたキーボード3が配置されると共に、後部上面には、その左部に開閉蓋21が取り付けられ、その右部には表示画面41が配設されている。
【0026】
開閉蓋21の内側にはテープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部6が窪入形成されており、テープカートリッジCは、開閉蓋21を開放した状態でカートリッジ装着部6に着脱可能に装着される。また、開閉蓋21にはこれを閉じた状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓21aが形成されている。
【0027】
キーボード3には、文字キー群3a、および各種動作モード等を指定するための機能キー群3bが配列されている。文字キー群3aは、JIS配列に基づいたフルキー構成であり、操作するキー数の増加を抑えるためのシフトキーを備えるなど、一般のワードプロセッサー等と同様である。また、機能キー群3bには、[印刷]ボタン、[カーソル]キー、[選択]キーおよび[メニュー]キーなどが含まれる。
【0028】
[印刷]ボタンは、印刷を実行させるためのボタンである。ユーザーは、文字キー群3aによる情報入力後、[印刷]ボタンを押下することで、入力情報に基づく印刷を実行させる。特に本実施形態では、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素(図4参照)と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素(図4参照)を合成してシンボル(絵文字)を作成し、当該シンボルを印刷することを特徴とする。なお、以下の説明において、共通要素および言語別要素から成るシンボルを、「言語別シンボル」と称する。[カーソル]キーは、上下左右キー([↑],[↓],[←],[→])から成り、カーソル移動やスクロール操作を行うためのキーである。また、[選択]キーは、選択操作や確定操作を行うためのキーである。これら[カーソル]キーおよび[選択]キーは、例えば、言語の選択や共通要素の選択に用いられる。また、[メニュー]キーは、各種環境設定を行うためのキーである。本実施形態では、当該[メニュー]キーの押下により、言語設定を行い得るようになっている。
【0029】
表示画面41は、液晶ディスプレーであり、ユーザーがキーボード3を用いて入力した入力情報に基づく編集結果、および当該編集結果に基づいて生成された印刷データ等を確認したりする際に用いられる。
【0030】
装置ケース2の左側部には、カートリッジ装着部6と外部とを連通するテープ排出口22が形成され、このテープ排出口22には、不図示のテープ搬送機構により送り出したテープ(印刷テープ)Tを切断するためのテープカッター23が臨んでいる。そして、テープ排出口22から印刷済みのテープTが所定長さだけ送り出され、送りを一旦停止させた状態で、この印刷済みのテープTがテープカッター23により切断されて、短冊状のラベルを作成する。
【0031】
一方、カートリッジ装着部6には、ヘッドカバー61a内にサーマルタイプの印刷ヘッド7が内蔵されたヘッドユニット61と、印刷ヘッド7に対峙するプラテン駆動軸62と、後述のインクリボンRを巻き取る巻き取り駆動軸63と、後述のテープリール17の位置決め突起64とを備えている。また、カートリッジ装着部6の下側には、テープ搬送機構となるプラテン駆動軸62および巻き取り駆動軸63を回転させるテープ送りモーター26(図2参照)が内蔵されている。
【0032】
テープカートリッジCは、カートリッジケース51内部の上部中央部に、一定の幅(4mm〜48mm程度)のテープTを巻回したテープリール17と、右下部にインクリボンRを巻回したリボンリール19とを収容して構成されており、テープTとインクリボンRは同じ幅で構成されている。また、テープリール17の左下部には前記ヘッドユニット61を覆うヘッドカバー61aが差し込まれるための貫通孔55が形成されている。さらに、貫通孔55に差し込まれたヘッドユニット61と、プラテン駆動軸62に嵌合されて回転駆動するプラテンローラー53とは、テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応して配置されている。一方、リボンリール19に近接してリボン巻き取りリール54が配置され、リボンリール19から繰り出されたインクリボンRは、ヘッドカバー61aを周回するように、リボン巻き取りリール54に巻き取られるようになっている。つまり、貫通孔55の周壁のリボン走行路を経由して、リボン巻き取りリール54に巻き取られるようになっている。
【0033】
テープカートリッジCがカートリッジ装着部6に装着されると、ヘッドカバー61aに貫通孔55が、位置決め突起64にテープリール17の中心孔が、巻き取り駆動軸63にリボン巻き取りリール54の中心孔がそれぞれ差し込まれ、テープTおよびインクリボンRを挟み込んで印刷ヘッド7がプラテンローラー53に当接して印刷が可能になる。その後、ユーザーが表示画面41の編集結果を確認しながらキーボード3を用いて所望のテキスト(文字、数字、記号、簡易図形等のキャラクタ、言語別シンボルなど)や画像を入力し、印刷を指示すると、テープ印刷装置1は、テープ送りモーター26によりテープカートリッジCからテープTを繰り出し、印刷ヘッド7の発熱素子を選択的に発熱させる印字動作によりテープTに所望の印刷を行う。テープTの印刷済み部分はテープ排出口22から随時外部に送り出され、印刷を完了すると、テープ送りモーター26により、余白分を含むテープ長さの位置までテープTの送りを行い停止する。その後、カッターモーター25(図2参照)により、テープカッター23を駆動し、テープTをその幅方向に切断する。
【0034】
一方、テープTは、裏面に粘着剤層が形成された記録テープTaと、この粘着剤層により記録テープTaに貼り付けられた剥離テープTbとから構成されている。そして、テープTは、記録テープTaを外側にし、且つ剥離テープTbを内側にしてロール状に巻回されてカートリッジケース51内に収容されている。また、テープTは、テープ種別(テープ幅、テープの地色、地模様、材質など)が異なる複数種のものが用意されており、各カートリッジケース51には、このうち1種類のテープT(およびインクリボンR)が収容されている。また、カートリッジケース51の裏面にはテープカートリッジCの種別を特定する複数の孔(図示省略)が設けられている。また、複数の孔に対応してカートリッジ装着部6には、これらを検出するテープ識別センサー(マイクロスイッチ等)27(図2参照)が、複数設けられており、このテープ識別センサー27により複数の孔の状態を検出することで、テープ種別を判別できるようになっている。
【0035】
次に、図2の制御ブロック図を参照し、テープ印刷装置1の制御構成について説明する。テープ印刷装置1は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、ROM(Read Only Memory)83、表示画面41、キーボード3、カッターモーター25、テープカッター23、テープ送りモーター26、印刷ヘッド7およびテープ識別センサー27を備えている。これらのうち、RAM82およびROM83は、CPU81とバス85を介して接続され、その他の構成要素はCPU81と直接接続されている。
【0036】
CPU81は、中央処理装置であり、請求項における「シンボル作成部」の主要部を為す。「シンボル作成部」は、選択された言語および共通要素に基づいて、当該共通要素と合成すべき言語別要素を特定し、選択された共通要素と、特定した言語別要素を合成して、言語別シンボルを作成する。RAM82は、CPU81と直接接続されており、CPU81が各種制御を行う際のワークエリアとして用いられる。ROM83は、CPU81が各種制御を行うための制御プログラムおよび制御情報を記憶している。制御プログラムとしては、具体的に、言語別シンボルを作成するためのシンボル作成プログラム、表示画面41の表示制御を行うための表示制御プログラム、印刷処理および切断処理を行うための印刷/切断処理プログラム等を記憶している(図示省略)。
【0037】
また、ROM83は、共通データ記憶領域86および言語別データ記憶領域87を有している。共通データ記憶領域86は、言語に応じて変化しない「共通要素」に関する各種データ(以下、「共通データ」と称する,図5等参照)を記憶する。なお、共通データには、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報も含まれる。請求項における「言語別合成情報記憶部」は、共通データ記憶領域86により実現される。一方、言語別データ記憶領域87は、言語に応じて変化する「言語別要素」に関する各種データ(以下、「言語別データ」と称する,図6参照)を記憶する。
【0038】
表示画面41は、編集結果や印刷レイアウトを表示するための表示部として機能する。キーボード3は、ユーザーが情報(言語別シンボルを含む)を入力するための入力部、編集処理を行うための編集部、各種設定を行うための設定部、印刷指示を行うための印刷指示部、などとして機能する。また、請求項における「言語選択部」および「共通要素選択部」として機能する。
【0039】
カッターモーター25は、テープカッター23と接続され、切断部として機能する。また、テープ送りモーター26および印刷ヘッド7は、テープTを搬送しながら当該テープT上に印刷を行う印刷部として機能する。また、上記のとおり、印刷ヘッド7およびテープ識別センサー27は、カートリッジ装着部6に設けられ、テープ識別センサー27は、テープカートリッジCに収容されたテープTの種別を検出する。CPU81は、このテープ識別センサー27の検出結果に基づいて(テープ材質や幅等に基づいて)、テキストとして入力可能な行数、文字数の、文字サイズの制限、切断可能か否かの判別、などを行う。その他、CPU81は、キーボード3から入力された指示にしたがって、表示画面41の表示制御、並びに印刷ヘッド7、カッターモーター25、テープ送りモーター26の駆動制御(印刷/切断制御)を行う。
【0040】
次に、図3のフローチャートを参照し、印刷処理の流れについて説明する。ユーザーが、[メニュー]キーの押下により、環境設定メニューを表示させ、その中から言語メニューを指定すると(S01)、テープ印刷装置1(CPU81)は、表示画面41に言語候補を表示する(S02)。言語メニューには、「日本語」、「英語」、「フランス語」など、複数の言語候補が含まれる。ここでユーザーが、所望の言語を選択すると(S03)、言語設定が終了する。以上、S01〜S03は、環境設定時における動作である。なお、当該言語設定により、表示画面41に表示される文字(タイトル、選択肢、ガイダンス、単位を含む)が、設定された言語に対応した表示となる。
【0041】
続いて、印刷処理時の動作について説明する。テープTに印刷する情報を入力するためのテキスト入力画面(図示省略)を表示画面41に表示した状態において、ユーザーが共通要素一覧の表示指示を行うと(S04)、テープ印刷装置1は、表示画面41に共通要素候補を表示する(S05)。ここでは、共通データ記憶領域86にM個の共通データが記憶されている場合、M個の共通要素のイメージ(図4参照)を、共通要素候補として表示する。ユーザーが、表示された複数の共通要素候補の中から1の共通要素を選択すると(S06)、テープ印刷装置1は、S03およびS06の選択結果に基づいて、言語別シンボルを作成する(S07)。作成した言語別シンボルは、テキスト入力画面に入力(表示)される。なお、作成処理については、後に詳述する。
【0042】
テキスト入力画面に言語別シンボルが入力された状態で、ユーザーにより[印刷]ボタンが押下され、印刷指示が行われると(S08)、テープ印刷装置1は、言語別シンボルを含む印刷データを生成し、これをテープTに印刷する(S09)。なお、テキスト入力画面には、言語別シンボル以外に、テキストや画像を含めて入力することが可能である。言い換えれば、言語別シンボルを、入力データの一部として入力することが可能である。
【0043】
次に、図4ないし図8を参照し、言語別シンボルの作成処理について、具体例を挙げて説明する。図4は、言語別シンボルの作成イメージを示す図である。同図に示すように、「言語別シンボル」(シンボル)は、言語に依存しないデザイン要素の「共通要素」と、言語に依存するデザイン要素の「言語別要素」と、を合成することによって作成される。同図の例では、設定言語が「英語」の場合、上段に示すシンボルが作成され、言語設定が「日本語」の場合、下段に示すシンボルが作成されることを意味している。
【0044】
図5は、共通データの一例を示す図である。共通データは、共通要素IDと、言語別合成情報と、データ本体と、を紐付けた情報である。同図の例は、共通要素IDが「0xE000」の共通要素について、「データ本体」が、レジスターの一部を模った48×48dotのビットマップドットバイナリデータ(以下、「ビットマップデータ」と称する)であり、言語別合成情報として、3言語分の言語別要素IDが付加されていることを示している。
【0045】
言語別合成情報は、日本語設定時に、同図に示す共通要素が選択された場合、言語別要素ID「001」の言語別要素(図6(a)参照)と合成した言語別シンボルを作成することを意味している。同様に、英語設定時は、言語別要素ID「002」の言語別要素(図6(b)参照)と合成した言語別シンボルを作成し、フランス語設定時は、言語別要素ID「003」の言語別要素(図6(c)参照)と合成した言語別シンボルを作成することを意味している。なお、同図の例では、共通データの「データ本体」がビットマップデータで表される場合を示しているが、テキストコードで表される文字、絵文字、記号などであっても良い。
【0046】
図6は、言語別データの一例を示す図である。言語別データは、共通要素IDと、属性情報と、データ本体と、を紐付けた情報である。同図(a)の例は、言語別要素IDが「001」の言語別要素について、「データ本体」に示す“¥”のテキストコードに、属性情報として、4つの情報が付加されていることを示している。ここで、「属性情報1」は、データ本体が、テキストコードであるのか、ビットマップデータであるのかを示している。また、「属性情報2」は、共通要素と合成する際のデータサイズを示している。なお、同図の例では、ドット数でデータサイズを示しているが、バイト単位(データ量)で示しても良い。また、「属性情報2」は、言語別シンボルを作成する際の、言語別要素の編集方法を示す属性情報であり、請求項における「編集属性情報」に相当する。
【0047】
「属性情報3」は、共通要素と合成する際の合成位置を示している。合成位置は、画像の左上頂点を基準として規定されている。したがって、図7に示すように、48×48dotの共通要素のイメージに、24×24dotの言語別要素のイメージを合成する場合、合成位置が(24,0)であるから(図6(a)参照)、48×48dotの領域を上下左右に均等4分割した4つの部分領域のうち、右上の部分領域に言語別要素のイメージが重畳される。なお、本実施形態では、共通要素の上に言語別要素を重ね合わせるものとする(重ね合わせの順序は固定であるものとする)。また、「属性情報3」および後述する「属性情報4」は、言語別シンボルを作成する際の合成方法を示す属性情報であり、請求項における「合成属性情報」に相当する。
【0048】
「属性情報4」は、共通要素と合成する際の重ね方を示している。具体的には、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の背景を白塗りにするか否かを示す背景白塗り情報を示している。同図の例では、「背景白塗り」(背景を白塗りにする)に設定されているため、言語別要素の24×24dotの領域内において“¥”のイメージの背景部(画線部以外)を白色でベタ塗りした状態で、共通要素のイメージと重畳される(図7参照)。なお、「属性情報4」において、「背景白塗りなし」が設定されている場合は、共通要素の囲み枠の右上部が残った状態で“¥”のイメージが配置される(図示省略)。
【0049】
なお、図6(a)の例では、言語別要素の「データ本体」がテキストコードで表される場合を示しているが(図6(b)も同様)、ビットマップデータで表しても良い(図6(c)参照)。つまり、同じ共通要素に対し、テキストの言語別要素を組み合わせたりイメージの言語別要素を組み合わせたりして、設定言語に応じた言語別シンボルを作成することが可能である。また、属性情報の設定により、種々の編集方法および合成方法を実現できる。
【0050】
例えば、編集方法を示す属性情報としては、言語別要素が、テキストデータ(テキストを示すデータ)の場合、「属性情報2」のデータサイズ以外に、フォント種類(明朝体、ゴシック体など)や、文字装飾などを設定可能である。ここで、文字装飾とは、文字色、文字スタイル(太字、斜体など)、文字飾り(下線、中抜き文字など)を指す。
【0051】
また、合成方法を示す属性情報としては、論理演算式(演算子)を示す演算式情報を設定しても良い。図8(a)は、論理演算式としてOR式が設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。なお、同図において、丸形状および三角形状のイメージが、各要素(共通要素,言語別要素)を示し、矢印の先に示すイメージが、言語別シンボルを示している。また、図8(b)は、論理演算式としてEOR式が設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。このように、OR式やEOR式を含む複数の演算式の中から、いずれかの演算式を属性情報として設定可能としても良い。
【0052】
また、合成方法を示す属性情報として、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の輪郭または線分に白枠を付加するか否かを示す白枠情報を設定しても良い。図8(c)は、白枠を付加すると設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。同図の例では、三角形で示される要素に対して、白枠が付加された場合を図示している。このように、白線情報として「付加する」と設定された場合、上に重なる要素画像の輪郭または画線部の外側に白線を付加して合成を行うことで、見栄えの良い言語別シンボルを生成できる。
【0053】
また、合成方法を示す属性情報として、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の透過率を示す透過率情報を設定しても良い。図8(d)は、上に重なる要素(同図の例では、白抜き三角形で示される要素,例えば、言語別要素)の透過率が「50%」と設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。なお、透過率は、下に重なる要素(例えば、共通要素)について設定可能としても良いし、合成される全ての要素について設定可能としても良い。
【0054】
また、図7に示した例では、共通要素の上に言語別要素を重ね合わせたが、言語別要素の上に共通要素を重ね合わせても良い。また、属性情報(合成属性情報)として、どちらを上に重ね合わせるかを示す重ね合わせ順序情報を設定しても良い。
【0055】
以上説明したとおり、第1実施形態によれば、言語に応じて変化しない共通要素と、言語に応じて変化する言語別要素と、を合成して言語別シンボル作成するため、選択可能な全ての言語に対応する言語別シンボルを用意する場合と比較して、メモリ容量を低減できると共に、シンボルの生成工数を削減できる。また、全ての言語に対応する言語別シンボルが用意されると、シンボルの候補数が多くなり目的のシンボルを選択する際に時間を要するが、言語と共通要素をそれぞれ選択する構成であるため、選択が容易である。さらに、設定言語に応じた言語別シンボルを作成するため、選択可能な言語のうち基本の言語に対応したシンボルデータしか用意されていない従来のテープ印刷装置のように、意味の分からないシンボルを用いて印刷をせざるを得ないといった不具合もない。
【0056】
また、言語別要素には、合成方法や編集方法を示す属性情報が付加されているため、共通要素または言語別要素に応じて、適切な合成を行うことができる(見栄えの良いシンボルデータを作成できる)。例えば、言語別要素には、それぞれデータサイズや合成位置を付加しておくことができるため、言語別要素の大きさが言語に応じて異なる場合でも、言語別要素の大きさに応じて見栄えの良いシンボルデータを作成できる。また、言語別要素が、テキストデータの場合、属性情報によってテキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾を特定できるため、データサイズ、フォント種類、文字装飾ごとに異なるテキストデータ(言語別要素)を用意する必要がなく、メモリ容量をより低減できる。
【0057】
なお、上記の実施形態では、1の共通要素と1の言語別要素を組み合わせた場合を例示したが、1の共通要素に対し、複数の言語別要素を組み合わせて言語別シンボルを作成しても良い。この場合、言語別合成情報として、1の言語に対し、複数の言語別要素IDが紐付けられることとなる。また、共通要素に重ねあわせる要素は、言語別要素に限らず、言語によって変化しないデザイン要素であっても良い。
【0058】
また、上記の実施形態では、属性情報を言語別要素に付加するものとしたが、共通要素に付加しても良い。例えば、共通要素に、合成位置を示す属性情報を付加することで、共通要素Aについては、左上に言語別要素を付加し、共通要素Bについては、右上に言語別要素を付加する、といったことが可能になる。なお、共通要素および言語別要素の両方に属性情報が付加されている場合、矛盾がない場合は両方に従うことが好ましい。また、矛盾がある場合は、いずれかに従う(つまり、いずれかの要素に付加された属性情報を優先して適用する)、いずれに従うかをユーザーに選択させる(共通要素選択時に、表示画面41に選択画面を表示する)、などが考えられる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、図9および図10を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、設定言語および共通要素の選択結果に基づいて、1の言語別シンボルを作成したが、本実施形態では、設定言語に基づいて、作成可能な全ての共通要素の言語別シンボルを作成する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0060】
図9は、第2実施形態に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、同図に示すS11〜S13は、第1実施形態に係る環境設定の流れ(図3のS01〜S03参照)と同様であるため説明を省略する。印刷処理時において、ユーザーがシンボル一覧の表示指示を行うと(S14)、テープ印刷装置1は、S13の選択結果である言語設定に基づいて、言語に対応する全ての言語別シンボルを作成する(S15)。
【0061】
具体的に、CPU81は、共通データ記憶領域86を参照し、設定言語の言語別合成情報を含む1以上の共通要素を特定し、特定した1以上の共通要素に、それぞれ選択された言語と紐付けられた言語別要素を合成して、1以上の言語別シンボルを作成する。例えば、図10に示すように、共通データ記憶領域86内に、4つの共通データが記憶されている場合であって、設定言語が「日本語」の場合、設定言語の言語別合成情報を含む1以上の共通要素として、共通要素ID「0xE000」、「0xE001」、「0xE003」を特定する。また、特定したこれら3つの共通要素に、設定言語「日本語」と紐付けられた言語別要素(言語別要素ID「001」、「001」、「011」)をそれぞれ合成することで、3つの言語別シンボル(「0xE000」+「001」、「0xE001」+「001」、「0xE003」+「011」)を作成する。
【0062】
テープ印刷装置1は、上記の要領で、設定言語に対応する全ての言語別シンボルを作成すると(S15)、これらをシンボル一覧として表示画面41に表示する(S16)。ユーザーは、表示されたシンボル一覧の中から所望の言語別シンボルを選択し(S17)、[印刷]ボタンの押下により、当該言語別シンボルの印刷を指示する(S18)。これに対し、テープ印刷装置1は、選択された言語別シンボルを含む印刷データをテープTに印刷する(S19)。
【0063】
以上説明したとおり、第2実施形態によれば、設定言語に応じて、言語別シンボルの一覧を表示するため、ユーザーが言語別シンボルのイメージを確認した上で所望の言語別シンボルを選択することができる。
【0064】
なお、上記の例では、言語別シンボルの一覧を表示させる場合を例示したが、絵文字一覧を表示させる場合に、第2実施形態を適用しても良い。つまり、他の絵文字と区別することなく、絵文字一覧の一部として言語別シンボルを表示させても良い。この場合、絵文字の中に、言語別合成情報を含む共通データが含まれる場合のみ、上記のようなシンボル作成処理を行う構成となる。つまり、言語別合成情報を有しない一般的な絵文字については(共通要素IDおよびデータ本体のみから成る構成の絵文字データの場合)、設定言語にかかわらず、絵文字一覧表示時に、データ本体に基づくイメージ表示のみを行うことになる。
【0065】
また、図9に示したフローチャートでは、設定言語に対応する全ての言語別シンボルを作成するものとしたが(S15)、全てではなく、設定言語に対応する一部の言語別シンボルを作成して表示し、表示候補が切り替えられたら、設定言語に対応する別の言語別シンボルを作成して表示する、といった工程を繰り返しても良い。この構成によれば、例えば、表示画面41の制約上、全ての言語別シンボルを表示できない場合に、表示対象となる言語別シンボルのみを作成すれば良いため、不要な言語別シンボルの生成処理を省略できる。
【0066】
[変形例]
続いて、図11を参照し、本発明の変形例について説明する。上記の各実施形態では、共通要素と言語別要素を重畳することによって言語別シンボルを作成したが、必ずしも重畳する必要はない。例えば、図11(a)に示すように、2つの要素を左右に並べることにより、言語別シンボルを作成しても良い。その他、上下に並べる、マトリクス状に4つの要素を配置するなどの合成方法も考えられる。
【0067】
また、言語別要素は、必ずしも文字一文字分でなくても良い。例えば、図11(b)に示すように、文字列「ABC」を言語別要素としても良い。なお、ABCの外枠(点線枠)は、言語別要素の領域を示したものであり、言語別要素に含まれるイメージではない。また、このように、文字列を言語別要素とした場合、各文字の文字サイズや文字間隔を属性情報(編集属性情報)として設定しても良い。例えば、図11(c)に示すように、各文字の文字サイズとして、徐々に大きくしていくように設定しても良いし、逆に徐々に小さくしていくように設定しても良い。また、図11(d)に示すように、文字間隔を広くするように設定しても良い。この場合、文字間隔は、「広い」、「狭い」などではなく、絶対値で(センチメートルやインチ単位で)設定可能としても良い。
【0068】
その他、特に図示しないが、カラー設定、オブジェクトの変形(例えば、円周上に文字を配置していくような文字配置の仕方、各要素の回転角度)、効果設定(例えば、3D、ぼかし)など、イラスト作成アプリケーションやグラフィック系アプリケーションなどで設定可能な各種要素を、属性情報として設定可能である。
【0069】
また、上記の各実施形態では、言語別に、言語別要素を用意したが、これに代えて国によって変化する国別要素を用いても良い。この場合、環境設定において、言語の選択に代え、「国」を選択することとなる。この構成によれば、同じ言語であっても、国によって表現が変わったり、絵文字や記号の意味が変わったりするデザイン要素があるが、そのようなデザイン要素を含むシンボルについても、その国に適したデザインとすることができる。
【0070】
また、上記の各実施形態に示した、テープ印刷装置1の各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、テープ印刷装置1の各部として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発明のシンボル作成装置およびシンボル作成方法を、パーソナルコンピューター、電子機器、表示装置、通信機器など、テープ印刷装置1以外の電子機器に適用しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1…テープ印刷装置 3…キーボード 7…印刷ヘッド 41…表示画面 81…CPU 82…RAM 83…ROM 86…共通データ記憶領域 87…言語別データ記憶領域 T…テープ
【技術分野】
【0001】
デザイン要素を組み合わせてシンボルを作成するシンボル作成装置、電子機器、シンボル作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、絵柄と文字を組み合わせたシンボル(絵文字、記号など)を印刷可能なテーププリンターが知られている。例えば、非特許文献1の装置では、ノートを模った絵柄に「国語」の文字を組み合わせた絵文字や、三角定規を模った絵柄に「算数」の文字を組み合わせた絵文字などを印刷可能である。
【0003】
一方、言語を切り替えて文字を入力可能な電子機器(パーソナルコンピューター、電子辞書、携帯端末など)も一般的に知られている。近年のグローバル化に伴い、切り替え可能な言語数は増加傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「テプラ」 PRO SR550取扱説明書 2009年7月第1版 株式会社キングジム p.157(絵文字一覧表「学校」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような複数言語を入力可能な電子機器における文字入りシンボルの扱いは、言語別に個々のシンボルデータを用意するか、言語にかかわらず共通のシンボルデータを用意するか、のいずれかである。前者の場合は、メモリ容量が増大すると共に、シンボルデータの製作にも時間がかかるため装置のコストアップが避けられないといった問題がある。また、後者の場合、基本となる言語以外の言語を選択したユーザーにとっては、シンボルの意味が理解できないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、データ容量の増加を防止しつつ、使用言語に応じた言語別のシンボルデータを作成可能なシンボル作成装置、電子機器、シンボル作成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシンボル作成装置は、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、共通要素ごとに、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、言語を選択する言語選択部と、共通要素を選択する共通要素選択部と、言語別合成情報記憶部を参照し、選択された共通要素について、選択された言語に紐付けられている言語別要素を特定し、選択された共通要素と、特定した言語別要素と、を合成して、シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、言語別のシンボルを、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を合成して作成するため、言語別のシンボルを言語数分用意する場合と比較して、メモリ容量を低減できる。また、言語別のシンボルが言語数分用意されると、シンボルの候補数が多くなり目的のシンボルを選択する際に時間を要するが、言語と共通要素をそれぞれ選択する構成であるため、選択が容易である。例えば、共通要素M個について、それぞれ言語数がN種類用意されている場合を想定すると、(M×N)個の中から目的のシンボルを選択するよりも、N種類の中の1の言語、M個の中の1の共通要素を選択する方が容易である。しかも、(M×N)個の中から目的のシンボルを選択する場合は、特定言語しか理解できないユーザーにとって意味の分からないシンボルも含まれるため、選択がさらに困難になると考えられる。さらに、言語別のシンボルを作成するため、選択可能な言語のうち基本の言語に対応したシンボルデータしか用意されていない場合のように、意味の分からないシンボルを使用せざるを得ないといった不具合もない。
なお、「シンボル」とは、絵文字、合成文字、記号などを含む概念である。
また、シンボルは、必ずしも1の共通要素と1の言語別要素を組み合わせたものでなくても良い。例えば、言語別合成情報として、1の言語に対し、複数の言語別要素を紐付けておくことで、1の共通要素と複数の言語別要素を組み合わせたシンボルを作成できる。
【0009】
上記のシンボル作成装置において、共通要素および言語別要素の少なくとも一方には、合成方法を示す合成属性情報が付加されており、シンボル作成部は、選択された共通要素、および特定した言語別要素の少なくとも一方に付加されている合成属性情報に基づいて合成を行い、シンボルを作成することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、合成属性情報に基づいて合成を行うため、共通要素または言語別要素に応じて、適切な合成を行うことができる(見栄えの良いシンボルデータを作成できる)。
なお、共通要素および言語別要素の両方に合成属性情報が付加されている場合、矛盾がない場合は両方に従うことが好ましい。また、矛盾がある場合は、いずれかに従う、いずれに従うかをユーザーに選択させる、などが考えられる。
【0011】
上記のシンボル作成装置において、合成属性情報は、共通要素と言語別要素の合成位置を示す情報を含むことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、言語別要素に合成属性情報を付加しておくことで、言語別要素の大きさが言語に応じて異なる場合でも、見栄えの良いシンボルデータを作成できる。一方、共通要素に合成属性情報を付加しておくことで、共通要素ごとに異なる位置に言語別要素を合成できる。つまり、共通要素Aは、左上に言語別要素を付加し、共通要素Bは、右上に言語別要素を付加する、といったことが可能となる。
【0013】
上記のシンボル作成装置において、合成属性情報は、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の輪郭または線分に白枠を付加するか否かを示す白枠情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の背景を白塗りにするか否かを示す背景白塗り情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の透過率を示す透過率情報、OR式およびEOR式を含む論理演算式の中からいずれの演算式を用いて重ね合わせるかを示す演算式情報、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、共通要素または言語別要素に、白枠情報、背景白塗り情報、透過率情報、演算式情報を合成属性情報として付加することができる。これにより、共通要素または言語別要素に応じた適切な合成を行うことができる。
【0015】
上記のシンボル作成装置において、共通要素および言語別要素の少なくとも一方には、言語別要素の編集方法を示す編集属性情報が付加されており、シンボル作成部は、選択された共通要素、および特定した言語別要素の少なくとも一方に付加されている編集属性情報に基づき、当該言語別要素を編集して合成を行い、シンボルを作成することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、編集属性情報に基づいて言語別要素の編集を行うため、共通要素または言語別要素に応じて、見栄えの良いシンボルデータを作成できる。
なお、共通要素および言語別要素の両方に編集属性情報が付加されている場合、矛盾がない場合は両方に従うことが好ましい。また、矛盾がある場合は、いずれかに従う、いずれに従うかをユーザーに選択させる、などが考えられる。
【0017】
上記のシンボル作成装置において、言語別要素が、テキストデータの場合、編集属性情報は、テキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、編集属性情報によってテキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾を特定できるため、データサイズ、フォント種類、文字装飾ごとに異なるテキストデータ(言語別要素)を用意する必要がなく、メモリ容量をより低減できる。
なお、文字装飾とは、文字色、文字間隔、文字飾り(下線、中抜き文字、斜体など)を含む概念である。
【0019】
本発明の他のシンボル作成装置は、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、前記言語を選択する言語選択部と、前記言語別合成情報記憶部を参照し、選択された前記言語の前記言語別合成情報を含む前記共通要素を特定し、特定した前記共通要素に、それぞれ選択された前記言語と紐付けられた前記言語別要素を合成して、前記シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明のシンボル作成方法は、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成するシンボル作成方法であって、共通要素ごとに、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶するステップと、言語を選択するステップと、言語別合成情報を参照し、選択された言語の言語別合成情報を含む共通要素を特定し、特定した共通要素に、それぞれ選択された言語と紐付けられた言語別要素を合成して、シンボルを作成するステップと、を実行することを特徴とする。
【0021】
これらの構成によれば、言語別のシンボルを、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を合成して作成するため、言語別のシンボルを言語数分用意する場合と比較して、メモリ容量を低減できる。また、言語別のシンボルが言語数分用意されると、シンボルの候補数が多くなり目的のシンボルを選択する際に時間を要するが、言語によって絞り込まれたシンボルを生成するため、選択が容易である。例えば、選択された言語に応じたシンボルの一覧を表示し、その中から所望のシンボルを選択して文書を作成したり印刷したりする場合に便利である。
【0022】
本発明の電子機器は、上記に記載のシンボル作成装置における各部と、シンボル作成部により作成されたシンボルを出力する出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、データ容量の増加を防止しつつ、使用言語に応じた言語別のシンボルデータを作成し、これを出力可能な電子機器を実現できる。
なお、出力部は、表示、印刷、通信によって、シンボルを出力することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係るテープ印刷装置の外観斜視図である。
【図2】テープ印刷装置の制御ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る印刷処理を示すフローチャートである。
【図4】シンボルの作成イメージを示す図である。
【図5】共通データの一例を示す図である。
【図6】言語別データの一例を示す図であり、(a)は日本語設定時の言語別データ、(b)は英語設定時の言語別データ、(c)はフランス語設定時の言語別データを示す図である。
【図7】合成位置を示す説明図である。
【図8】重ね方を示す説明図であり、(a)はOR式で重ね合わせた場合、(b)はEOR式で重ね合わせた場合、(c)は白枠付きで重ね合わせた場合、(d)は透過率50%で重ね合わせた場合の図である。
【図9】第2実施形態に係る印刷処理を示すフローチャートである。
【図10】共通データの一例を示す図である。
【図11】変形例を示す説明図であり、(a)は共通要素と言語別要素を左右に並べる場合、(b)は言語別要素が文字列の場合、(c)は言語別要素である文字列の各文字サイズが徐々に大きくなる場合、(d)は言語別要素である文字列の各文字間隔が広い場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るテープ印刷装置1の開閉蓋21を開いた状態の外観斜視図である。図1に示すようにテープ印刷装置1は、装置ケース2により外郭が形成され、装置ケース2の前部上面には各種入力キーを備えたキーボード3が配置されると共に、後部上面には、その左部に開閉蓋21が取り付けられ、その右部には表示画面41が配設されている。
【0026】
開閉蓋21の内側にはテープカートリッジCを装着するためのカートリッジ装着部6が窪入形成されており、テープカートリッジCは、開閉蓋21を開放した状態でカートリッジ装着部6に着脱可能に装着される。また、開閉蓋21にはこれを閉じた状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓21aが形成されている。
【0027】
キーボード3には、文字キー群3a、および各種動作モード等を指定するための機能キー群3bが配列されている。文字キー群3aは、JIS配列に基づいたフルキー構成であり、操作するキー数の増加を抑えるためのシフトキーを備えるなど、一般のワードプロセッサー等と同様である。また、機能キー群3bには、[印刷]ボタン、[カーソル]キー、[選択]キーおよび[メニュー]キーなどが含まれる。
【0028】
[印刷]ボタンは、印刷を実行させるためのボタンである。ユーザーは、文字キー群3aによる情報入力後、[印刷]ボタンを押下することで、入力情報に基づく印刷を実行させる。特に本実施形態では、言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素(図4参照)と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素(図4参照)を合成してシンボル(絵文字)を作成し、当該シンボルを印刷することを特徴とする。なお、以下の説明において、共通要素および言語別要素から成るシンボルを、「言語別シンボル」と称する。[カーソル]キーは、上下左右キー([↑],[↓],[←],[→])から成り、カーソル移動やスクロール操作を行うためのキーである。また、[選択]キーは、選択操作や確定操作を行うためのキーである。これら[カーソル]キーおよび[選択]キーは、例えば、言語の選択や共通要素の選択に用いられる。また、[メニュー]キーは、各種環境設定を行うためのキーである。本実施形態では、当該[メニュー]キーの押下により、言語設定を行い得るようになっている。
【0029】
表示画面41は、液晶ディスプレーであり、ユーザーがキーボード3を用いて入力した入力情報に基づく編集結果、および当該編集結果に基づいて生成された印刷データ等を確認したりする際に用いられる。
【0030】
装置ケース2の左側部には、カートリッジ装着部6と外部とを連通するテープ排出口22が形成され、このテープ排出口22には、不図示のテープ搬送機構により送り出したテープ(印刷テープ)Tを切断するためのテープカッター23が臨んでいる。そして、テープ排出口22から印刷済みのテープTが所定長さだけ送り出され、送りを一旦停止させた状態で、この印刷済みのテープTがテープカッター23により切断されて、短冊状のラベルを作成する。
【0031】
一方、カートリッジ装着部6には、ヘッドカバー61a内にサーマルタイプの印刷ヘッド7が内蔵されたヘッドユニット61と、印刷ヘッド7に対峙するプラテン駆動軸62と、後述のインクリボンRを巻き取る巻き取り駆動軸63と、後述のテープリール17の位置決め突起64とを備えている。また、カートリッジ装着部6の下側には、テープ搬送機構となるプラテン駆動軸62および巻き取り駆動軸63を回転させるテープ送りモーター26(図2参照)が内蔵されている。
【0032】
テープカートリッジCは、カートリッジケース51内部の上部中央部に、一定の幅(4mm〜48mm程度)のテープTを巻回したテープリール17と、右下部にインクリボンRを巻回したリボンリール19とを収容して構成されており、テープTとインクリボンRは同じ幅で構成されている。また、テープリール17の左下部には前記ヘッドユニット61を覆うヘッドカバー61aが差し込まれるための貫通孔55が形成されている。さらに、貫通孔55に差し込まれたヘッドユニット61と、プラテン駆動軸62に嵌合されて回転駆動するプラテンローラー53とは、テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応して配置されている。一方、リボンリール19に近接してリボン巻き取りリール54が配置され、リボンリール19から繰り出されたインクリボンRは、ヘッドカバー61aを周回するように、リボン巻き取りリール54に巻き取られるようになっている。つまり、貫通孔55の周壁のリボン走行路を経由して、リボン巻き取りリール54に巻き取られるようになっている。
【0033】
テープカートリッジCがカートリッジ装着部6に装着されると、ヘッドカバー61aに貫通孔55が、位置決め突起64にテープリール17の中心孔が、巻き取り駆動軸63にリボン巻き取りリール54の中心孔がそれぞれ差し込まれ、テープTおよびインクリボンRを挟み込んで印刷ヘッド7がプラテンローラー53に当接して印刷が可能になる。その後、ユーザーが表示画面41の編集結果を確認しながらキーボード3を用いて所望のテキスト(文字、数字、記号、簡易図形等のキャラクタ、言語別シンボルなど)や画像を入力し、印刷を指示すると、テープ印刷装置1は、テープ送りモーター26によりテープカートリッジCからテープTを繰り出し、印刷ヘッド7の発熱素子を選択的に発熱させる印字動作によりテープTに所望の印刷を行う。テープTの印刷済み部分はテープ排出口22から随時外部に送り出され、印刷を完了すると、テープ送りモーター26により、余白分を含むテープ長さの位置までテープTの送りを行い停止する。その後、カッターモーター25(図2参照)により、テープカッター23を駆動し、テープTをその幅方向に切断する。
【0034】
一方、テープTは、裏面に粘着剤層が形成された記録テープTaと、この粘着剤層により記録テープTaに貼り付けられた剥離テープTbとから構成されている。そして、テープTは、記録テープTaを外側にし、且つ剥離テープTbを内側にしてロール状に巻回されてカートリッジケース51内に収容されている。また、テープTは、テープ種別(テープ幅、テープの地色、地模様、材質など)が異なる複数種のものが用意されており、各カートリッジケース51には、このうち1種類のテープT(およびインクリボンR)が収容されている。また、カートリッジケース51の裏面にはテープカートリッジCの種別を特定する複数の孔(図示省略)が設けられている。また、複数の孔に対応してカートリッジ装着部6には、これらを検出するテープ識別センサー(マイクロスイッチ等)27(図2参照)が、複数設けられており、このテープ識別センサー27により複数の孔の状態を検出することで、テープ種別を判別できるようになっている。
【0035】
次に、図2の制御ブロック図を参照し、テープ印刷装置1の制御構成について説明する。テープ印刷装置1は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、ROM(Read Only Memory)83、表示画面41、キーボード3、カッターモーター25、テープカッター23、テープ送りモーター26、印刷ヘッド7およびテープ識別センサー27を備えている。これらのうち、RAM82およびROM83は、CPU81とバス85を介して接続され、その他の構成要素はCPU81と直接接続されている。
【0036】
CPU81は、中央処理装置であり、請求項における「シンボル作成部」の主要部を為す。「シンボル作成部」は、選択された言語および共通要素に基づいて、当該共通要素と合成すべき言語別要素を特定し、選択された共通要素と、特定した言語別要素を合成して、言語別シンボルを作成する。RAM82は、CPU81と直接接続されており、CPU81が各種制御を行う際のワークエリアとして用いられる。ROM83は、CPU81が各種制御を行うための制御プログラムおよび制御情報を記憶している。制御プログラムとしては、具体的に、言語別シンボルを作成するためのシンボル作成プログラム、表示画面41の表示制御を行うための表示制御プログラム、印刷処理および切断処理を行うための印刷/切断処理プログラム等を記憶している(図示省略)。
【0037】
また、ROM83は、共通データ記憶領域86および言語別データ記憶領域87を有している。共通データ記憶領域86は、言語に応じて変化しない「共通要素」に関する各種データ(以下、「共通データ」と称する,図5等参照)を記憶する。なお、共通データには、言語と、合成対象となる言語別要素とを紐付けた言語別合成情報も含まれる。請求項における「言語別合成情報記憶部」は、共通データ記憶領域86により実現される。一方、言語別データ記憶領域87は、言語に応じて変化する「言語別要素」に関する各種データ(以下、「言語別データ」と称する,図6参照)を記憶する。
【0038】
表示画面41は、編集結果や印刷レイアウトを表示するための表示部として機能する。キーボード3は、ユーザーが情報(言語別シンボルを含む)を入力するための入力部、編集処理を行うための編集部、各種設定を行うための設定部、印刷指示を行うための印刷指示部、などとして機能する。また、請求項における「言語選択部」および「共通要素選択部」として機能する。
【0039】
カッターモーター25は、テープカッター23と接続され、切断部として機能する。また、テープ送りモーター26および印刷ヘッド7は、テープTを搬送しながら当該テープT上に印刷を行う印刷部として機能する。また、上記のとおり、印刷ヘッド7およびテープ識別センサー27は、カートリッジ装着部6に設けられ、テープ識別センサー27は、テープカートリッジCに収容されたテープTの種別を検出する。CPU81は、このテープ識別センサー27の検出結果に基づいて(テープ材質や幅等に基づいて)、テキストとして入力可能な行数、文字数の、文字サイズの制限、切断可能か否かの判別、などを行う。その他、CPU81は、キーボード3から入力された指示にしたがって、表示画面41の表示制御、並びに印刷ヘッド7、カッターモーター25、テープ送りモーター26の駆動制御(印刷/切断制御)を行う。
【0040】
次に、図3のフローチャートを参照し、印刷処理の流れについて説明する。ユーザーが、[メニュー]キーの押下により、環境設定メニューを表示させ、その中から言語メニューを指定すると(S01)、テープ印刷装置1(CPU81)は、表示画面41に言語候補を表示する(S02)。言語メニューには、「日本語」、「英語」、「フランス語」など、複数の言語候補が含まれる。ここでユーザーが、所望の言語を選択すると(S03)、言語設定が終了する。以上、S01〜S03は、環境設定時における動作である。なお、当該言語設定により、表示画面41に表示される文字(タイトル、選択肢、ガイダンス、単位を含む)が、設定された言語に対応した表示となる。
【0041】
続いて、印刷処理時の動作について説明する。テープTに印刷する情報を入力するためのテキスト入力画面(図示省略)を表示画面41に表示した状態において、ユーザーが共通要素一覧の表示指示を行うと(S04)、テープ印刷装置1は、表示画面41に共通要素候補を表示する(S05)。ここでは、共通データ記憶領域86にM個の共通データが記憶されている場合、M個の共通要素のイメージ(図4参照)を、共通要素候補として表示する。ユーザーが、表示された複数の共通要素候補の中から1の共通要素を選択すると(S06)、テープ印刷装置1は、S03およびS06の選択結果に基づいて、言語別シンボルを作成する(S07)。作成した言語別シンボルは、テキスト入力画面に入力(表示)される。なお、作成処理については、後に詳述する。
【0042】
テキスト入力画面に言語別シンボルが入力された状態で、ユーザーにより[印刷]ボタンが押下され、印刷指示が行われると(S08)、テープ印刷装置1は、言語別シンボルを含む印刷データを生成し、これをテープTに印刷する(S09)。なお、テキスト入力画面には、言語別シンボル以外に、テキストや画像を含めて入力することが可能である。言い換えれば、言語別シンボルを、入力データの一部として入力することが可能である。
【0043】
次に、図4ないし図8を参照し、言語別シンボルの作成処理について、具体例を挙げて説明する。図4は、言語別シンボルの作成イメージを示す図である。同図に示すように、「言語別シンボル」(シンボル)は、言語に依存しないデザイン要素の「共通要素」と、言語に依存するデザイン要素の「言語別要素」と、を合成することによって作成される。同図の例では、設定言語が「英語」の場合、上段に示すシンボルが作成され、言語設定が「日本語」の場合、下段に示すシンボルが作成されることを意味している。
【0044】
図5は、共通データの一例を示す図である。共通データは、共通要素IDと、言語別合成情報と、データ本体と、を紐付けた情報である。同図の例は、共通要素IDが「0xE000」の共通要素について、「データ本体」が、レジスターの一部を模った48×48dotのビットマップドットバイナリデータ(以下、「ビットマップデータ」と称する)であり、言語別合成情報として、3言語分の言語別要素IDが付加されていることを示している。
【0045】
言語別合成情報は、日本語設定時に、同図に示す共通要素が選択された場合、言語別要素ID「001」の言語別要素(図6(a)参照)と合成した言語別シンボルを作成することを意味している。同様に、英語設定時は、言語別要素ID「002」の言語別要素(図6(b)参照)と合成した言語別シンボルを作成し、フランス語設定時は、言語別要素ID「003」の言語別要素(図6(c)参照)と合成した言語別シンボルを作成することを意味している。なお、同図の例では、共通データの「データ本体」がビットマップデータで表される場合を示しているが、テキストコードで表される文字、絵文字、記号などであっても良い。
【0046】
図6は、言語別データの一例を示す図である。言語別データは、共通要素IDと、属性情報と、データ本体と、を紐付けた情報である。同図(a)の例は、言語別要素IDが「001」の言語別要素について、「データ本体」に示す“¥”のテキストコードに、属性情報として、4つの情報が付加されていることを示している。ここで、「属性情報1」は、データ本体が、テキストコードであるのか、ビットマップデータであるのかを示している。また、「属性情報2」は、共通要素と合成する際のデータサイズを示している。なお、同図の例では、ドット数でデータサイズを示しているが、バイト単位(データ量)で示しても良い。また、「属性情報2」は、言語別シンボルを作成する際の、言語別要素の編集方法を示す属性情報であり、請求項における「編集属性情報」に相当する。
【0047】
「属性情報3」は、共通要素と合成する際の合成位置を示している。合成位置は、画像の左上頂点を基準として規定されている。したがって、図7に示すように、48×48dotの共通要素のイメージに、24×24dotの言語別要素のイメージを合成する場合、合成位置が(24,0)であるから(図6(a)参照)、48×48dotの領域を上下左右に均等4分割した4つの部分領域のうち、右上の部分領域に言語別要素のイメージが重畳される。なお、本実施形態では、共通要素の上に言語別要素を重ね合わせるものとする(重ね合わせの順序は固定であるものとする)。また、「属性情報3」および後述する「属性情報4」は、言語別シンボルを作成する際の合成方法を示す属性情報であり、請求項における「合成属性情報」に相当する。
【0048】
「属性情報4」は、共通要素と合成する際の重ね方を示している。具体的には、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の背景を白塗りにするか否かを示す背景白塗り情報を示している。同図の例では、「背景白塗り」(背景を白塗りにする)に設定されているため、言語別要素の24×24dotの領域内において“¥”のイメージの背景部(画線部以外)を白色でベタ塗りした状態で、共通要素のイメージと重畳される(図7参照)。なお、「属性情報4」において、「背景白塗りなし」が設定されている場合は、共通要素の囲み枠の右上部が残った状態で“¥”のイメージが配置される(図示省略)。
【0049】
なお、図6(a)の例では、言語別要素の「データ本体」がテキストコードで表される場合を示しているが(図6(b)も同様)、ビットマップデータで表しても良い(図6(c)参照)。つまり、同じ共通要素に対し、テキストの言語別要素を組み合わせたりイメージの言語別要素を組み合わせたりして、設定言語に応じた言語別シンボルを作成することが可能である。また、属性情報の設定により、種々の編集方法および合成方法を実現できる。
【0050】
例えば、編集方法を示す属性情報としては、言語別要素が、テキストデータ(テキストを示すデータ)の場合、「属性情報2」のデータサイズ以外に、フォント種類(明朝体、ゴシック体など)や、文字装飾などを設定可能である。ここで、文字装飾とは、文字色、文字スタイル(太字、斜体など)、文字飾り(下線、中抜き文字など)を指す。
【0051】
また、合成方法を示す属性情報としては、論理演算式(演算子)を示す演算式情報を設定しても良い。図8(a)は、論理演算式としてOR式が設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。なお、同図において、丸形状および三角形状のイメージが、各要素(共通要素,言語別要素)を示し、矢印の先に示すイメージが、言語別シンボルを示している。また、図8(b)は、論理演算式としてEOR式が設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。このように、OR式やEOR式を含む複数の演算式の中から、いずれかの演算式を属性情報として設定可能としても良い。
【0052】
また、合成方法を示す属性情報として、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の輪郭または線分に白枠を付加するか否かを示す白枠情報を設定しても良い。図8(c)は、白枠を付加すると設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。同図の例では、三角形で示される要素に対して、白枠が付加された場合を図示している。このように、白線情報として「付加する」と設定された場合、上に重なる要素画像の輪郭または画線部の外側に白線を付加して合成を行うことで、見栄えの良い言語別シンボルを生成できる。
【0053】
また、合成方法を示す属性情報として、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の透過率を示す透過率情報を設定しても良い。図8(d)は、上に重なる要素(同図の例では、白抜き三角形で示される要素,例えば、言語別要素)の透過率が「50%」と設定された場合の各要素の重ね合わせイメージを示す図である。なお、透過率は、下に重なる要素(例えば、共通要素)について設定可能としても良いし、合成される全ての要素について設定可能としても良い。
【0054】
また、図7に示した例では、共通要素の上に言語別要素を重ね合わせたが、言語別要素の上に共通要素を重ね合わせても良い。また、属性情報(合成属性情報)として、どちらを上に重ね合わせるかを示す重ね合わせ順序情報を設定しても良い。
【0055】
以上説明したとおり、第1実施形態によれば、言語に応じて変化しない共通要素と、言語に応じて変化する言語別要素と、を合成して言語別シンボル作成するため、選択可能な全ての言語に対応する言語別シンボルを用意する場合と比較して、メモリ容量を低減できると共に、シンボルの生成工数を削減できる。また、全ての言語に対応する言語別シンボルが用意されると、シンボルの候補数が多くなり目的のシンボルを選択する際に時間を要するが、言語と共通要素をそれぞれ選択する構成であるため、選択が容易である。さらに、設定言語に応じた言語別シンボルを作成するため、選択可能な言語のうち基本の言語に対応したシンボルデータしか用意されていない従来のテープ印刷装置のように、意味の分からないシンボルを用いて印刷をせざるを得ないといった不具合もない。
【0056】
また、言語別要素には、合成方法や編集方法を示す属性情報が付加されているため、共通要素または言語別要素に応じて、適切な合成を行うことができる(見栄えの良いシンボルデータを作成できる)。例えば、言語別要素には、それぞれデータサイズや合成位置を付加しておくことができるため、言語別要素の大きさが言語に応じて異なる場合でも、言語別要素の大きさに応じて見栄えの良いシンボルデータを作成できる。また、言語別要素が、テキストデータの場合、属性情報によってテキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾を特定できるため、データサイズ、フォント種類、文字装飾ごとに異なるテキストデータ(言語別要素)を用意する必要がなく、メモリ容量をより低減できる。
【0057】
なお、上記の実施形態では、1の共通要素と1の言語別要素を組み合わせた場合を例示したが、1の共通要素に対し、複数の言語別要素を組み合わせて言語別シンボルを作成しても良い。この場合、言語別合成情報として、1の言語に対し、複数の言語別要素IDが紐付けられることとなる。また、共通要素に重ねあわせる要素は、言語別要素に限らず、言語によって変化しないデザイン要素であっても良い。
【0058】
また、上記の実施形態では、属性情報を言語別要素に付加するものとしたが、共通要素に付加しても良い。例えば、共通要素に、合成位置を示す属性情報を付加することで、共通要素Aについては、左上に言語別要素を付加し、共通要素Bについては、右上に言語別要素を付加する、といったことが可能になる。なお、共通要素および言語別要素の両方に属性情報が付加されている場合、矛盾がない場合は両方に従うことが好ましい。また、矛盾がある場合は、いずれかに従う(つまり、いずれかの要素に付加された属性情報を優先して適用する)、いずれに従うかをユーザーに選択させる(共通要素選択時に、表示画面41に選択画面を表示する)、などが考えられる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、図9および図10を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、設定言語および共通要素の選択結果に基づいて、1の言語別シンボルを作成したが、本実施形態では、設定言語に基づいて、作成可能な全ての共通要素の言語別シンボルを作成する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0060】
図9は、第2実施形態に係る印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、同図に示すS11〜S13は、第1実施形態に係る環境設定の流れ(図3のS01〜S03参照)と同様であるため説明を省略する。印刷処理時において、ユーザーがシンボル一覧の表示指示を行うと(S14)、テープ印刷装置1は、S13の選択結果である言語設定に基づいて、言語に対応する全ての言語別シンボルを作成する(S15)。
【0061】
具体的に、CPU81は、共通データ記憶領域86を参照し、設定言語の言語別合成情報を含む1以上の共通要素を特定し、特定した1以上の共通要素に、それぞれ選択された言語と紐付けられた言語別要素を合成して、1以上の言語別シンボルを作成する。例えば、図10に示すように、共通データ記憶領域86内に、4つの共通データが記憶されている場合であって、設定言語が「日本語」の場合、設定言語の言語別合成情報を含む1以上の共通要素として、共通要素ID「0xE000」、「0xE001」、「0xE003」を特定する。また、特定したこれら3つの共通要素に、設定言語「日本語」と紐付けられた言語別要素(言語別要素ID「001」、「001」、「011」)をそれぞれ合成することで、3つの言語別シンボル(「0xE000」+「001」、「0xE001」+「001」、「0xE003」+「011」)を作成する。
【0062】
テープ印刷装置1は、上記の要領で、設定言語に対応する全ての言語別シンボルを作成すると(S15)、これらをシンボル一覧として表示画面41に表示する(S16)。ユーザーは、表示されたシンボル一覧の中から所望の言語別シンボルを選択し(S17)、[印刷]ボタンの押下により、当該言語別シンボルの印刷を指示する(S18)。これに対し、テープ印刷装置1は、選択された言語別シンボルを含む印刷データをテープTに印刷する(S19)。
【0063】
以上説明したとおり、第2実施形態によれば、設定言語に応じて、言語別シンボルの一覧を表示するため、ユーザーが言語別シンボルのイメージを確認した上で所望の言語別シンボルを選択することができる。
【0064】
なお、上記の例では、言語別シンボルの一覧を表示させる場合を例示したが、絵文字一覧を表示させる場合に、第2実施形態を適用しても良い。つまり、他の絵文字と区別することなく、絵文字一覧の一部として言語別シンボルを表示させても良い。この場合、絵文字の中に、言語別合成情報を含む共通データが含まれる場合のみ、上記のようなシンボル作成処理を行う構成となる。つまり、言語別合成情報を有しない一般的な絵文字については(共通要素IDおよびデータ本体のみから成る構成の絵文字データの場合)、設定言語にかかわらず、絵文字一覧表示時に、データ本体に基づくイメージ表示のみを行うことになる。
【0065】
また、図9に示したフローチャートでは、設定言語に対応する全ての言語別シンボルを作成するものとしたが(S15)、全てではなく、設定言語に対応する一部の言語別シンボルを作成して表示し、表示候補が切り替えられたら、設定言語に対応する別の言語別シンボルを作成して表示する、といった工程を繰り返しても良い。この構成によれば、例えば、表示画面41の制約上、全ての言語別シンボルを表示できない場合に、表示対象となる言語別シンボルのみを作成すれば良いため、不要な言語別シンボルの生成処理を省略できる。
【0066】
[変形例]
続いて、図11を参照し、本発明の変形例について説明する。上記の各実施形態では、共通要素と言語別要素を重畳することによって言語別シンボルを作成したが、必ずしも重畳する必要はない。例えば、図11(a)に示すように、2つの要素を左右に並べることにより、言語別シンボルを作成しても良い。その他、上下に並べる、マトリクス状に4つの要素を配置するなどの合成方法も考えられる。
【0067】
また、言語別要素は、必ずしも文字一文字分でなくても良い。例えば、図11(b)に示すように、文字列「ABC」を言語別要素としても良い。なお、ABCの外枠(点線枠)は、言語別要素の領域を示したものであり、言語別要素に含まれるイメージではない。また、このように、文字列を言語別要素とした場合、各文字の文字サイズや文字間隔を属性情報(編集属性情報)として設定しても良い。例えば、図11(c)に示すように、各文字の文字サイズとして、徐々に大きくしていくように設定しても良いし、逆に徐々に小さくしていくように設定しても良い。また、図11(d)に示すように、文字間隔を広くするように設定しても良い。この場合、文字間隔は、「広い」、「狭い」などではなく、絶対値で(センチメートルやインチ単位で)設定可能としても良い。
【0068】
その他、特に図示しないが、カラー設定、オブジェクトの変形(例えば、円周上に文字を配置していくような文字配置の仕方、各要素の回転角度)、効果設定(例えば、3D、ぼかし)など、イラスト作成アプリケーションやグラフィック系アプリケーションなどで設定可能な各種要素を、属性情報として設定可能である。
【0069】
また、上記の各実施形態では、言語別に、言語別要素を用意したが、これに代えて国によって変化する国別要素を用いても良い。この場合、環境設定において、言語の選択に代え、「国」を選択することとなる。この構成によれば、同じ言語であっても、国によって表現が変わったり、絵文字や記号の意味が変わったりするデザイン要素があるが、そのようなデザイン要素を含むシンボルについても、その国に適したデザインとすることができる。
【0070】
また、上記の各実施形態に示した、テープ印刷装置1の各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、テープ印刷装置1の各部として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発明のシンボル作成装置およびシンボル作成方法を、パーソナルコンピューター、電子機器、表示装置、通信機器など、テープ印刷装置1以外の電子機器に適用しても良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1…テープ印刷装置 3…キーボード 7…印刷ヘッド 41…表示画面 81…CPU 82…RAM 83…ROM 86…共通データ記憶領域 87…言語別データ記憶領域 T…テープ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、
前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、
前記言語を選択する言語選択部と、
前記共通要素を選択する共通要素選択部と、
前記言語別合成情報記憶部を参照し、選択された前記共通要素について、選択された前記言語に紐付けられている前記言語別要素を特定し、選択された前記共通要素と、特定した前記言語別要素と、を合成して、前記シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とするシンボル作成装置。
【請求項2】
前記共通要素および前記言語別要素の少なくとも一方には、合成方法を示す合成属性情報が付加されており、
前記シンボル作成部は、選択された前記共通要素、および特定した前記言語別要素の少なくとも一方に付加されている前記合成属性情報に基づいて合成を行い、前記シンボルを作成することを特徴とする請求項1に記載のシンボル作成装置。
【請求項3】
前記合成属性情報は、前記共通要素と前記言語別要素の合成位置を示す情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のシンボル作成装置。
【請求項4】
前記合成属性情報は、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の輪郭または線分に白枠を付加するか否かを示す白枠情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の背景を白塗りにするか否かを示す背景白塗り情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の透過率を示す透過率情報、OR式およびEOR式を含む論理演算式の中からいずれの演算式を用いて重ね合わせるかを示す演算式情報、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のシンボル作成装置。
【請求項5】
前記共通要素および前記言語別要素の少なくとも一方には、前記言語別要素の編集方法を示す編集属性情報が付加されており、
前記シンボル作成部は、選択された前記共通要素、および特定した前記言語別要素の少なくとも一方に付加されている前記編集属性情報に基づき、当該言語別要素を編集して合成を行い、前記シンボルを作成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシンボル作成装置。
【請求項6】
前記言語別要素が、テキストデータの場合、
前記編集属性情報は、前記テキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことを特徴とする請求項5に記載のシンボル作成装置。
【請求項7】
言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、
前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、
前記言語を選択する言語選択部と、
前記言語別合成情報記憶部を参照し、選択された前記言語の前記言語別合成情報を含む前記共通要素を特定し、特定した前記共通要素に、それぞれ選択された前記言語と紐付けられた前記言語別要素を合成して、前記シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とするシンボル作成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシンボル作成装置における各部と、
前記シンボル作成部により作成された前記シンボルを出力する出力部と、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成するシンボル作成方法であって、
前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶するステップと、
前記言語を選択するステップと、
前記言語別合成情報を参照し、選択された前記言語の前記言語別合成情報を含む前記共通要素を特定し、特定した前記共通要素に、それぞれ選択された前記言語と紐付けられた前記言語別要素を合成して、前記シンボルを作成するステップと、を実行することを特徴とするシンボル作成方法。
【請求項1】
言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、
前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、
前記言語を選択する言語選択部と、
前記共通要素を選択する共通要素選択部と、
前記言語別合成情報記憶部を参照し、選択された前記共通要素について、選択された前記言語に紐付けられている前記言語別要素を特定し、選択された前記共通要素と、特定した前記言語別要素と、を合成して、前記シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とするシンボル作成装置。
【請求項2】
前記共通要素および前記言語別要素の少なくとも一方には、合成方法を示す合成属性情報が付加されており、
前記シンボル作成部は、選択された前記共通要素、および特定した前記言語別要素の少なくとも一方に付加されている前記合成属性情報に基づいて合成を行い、前記シンボルを作成することを特徴とする請求項1に記載のシンボル作成装置。
【請求項3】
前記合成属性情報は、前記共通要素と前記言語別要素の合成位置を示す情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のシンボル作成装置。
【請求項4】
前記合成属性情報は、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の輪郭または線分に白枠を付加するか否かを示す白枠情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の背景を白塗りにするか否かを示す背景白塗り情報、合成される各要素のうち少なくとも上に重なる要素の透過率を示す透過率情報、OR式およびEOR式を含む論理演算式の中からいずれの演算式を用いて重ね合わせるかを示す演算式情報、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことを特徴とする請求項2に記載のシンボル作成装置。
【請求項5】
前記共通要素および前記言語別要素の少なくとも一方には、前記言語別要素の編集方法を示す編集属性情報が付加されており、
前記シンボル作成部は、選択された前記共通要素、および特定した前記言語別要素の少なくとも一方に付加されている前記編集属性情報に基づき、当該言語別要素を編集して合成を行い、前記シンボルを作成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシンボル作成装置。
【請求項6】
前記言語別要素が、テキストデータの場合、
前記編集属性情報は、前記テキストデータのデータサイズ、フォント種類、文字装飾、のうち、少なくとも1つを示す情報を含むことを特徴とする請求項5に記載のシンボル作成装置。
【請求項7】
言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成可能なシンボル作成装置であって、
前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶する言語別合成情報記憶部と、
前記言語を選択する言語選択部と、
前記言語別合成情報記憶部を参照し、選択された前記言語の前記言語別合成情報を含む前記共通要素を特定し、特定した前記共通要素に、それぞれ選択された前記言語と紐付けられた前記言語別要素を合成して、前記シンボルを作成するシンボル作成部と、を備えたことを特徴とするシンボル作成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシンボル作成装置における各部と、
前記シンボル作成部により作成された前記シンボルを出力する出力部と、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
言語に応じて変化しないデザイン要素である共通要素と、言語に応じて変化するデザイン要素である言語別要素と、を組み合わせて、言語別のシンボルを作成するシンボル作成方法であって、
前記共通要素ごとに、前記言語と、合成対象となる前記言語別要素とを紐付けた言語別合成情報を記憶するステップと、
前記言語を選択するステップと、
前記言語別合成情報を参照し、選択された前記言語の前記言語別合成情報を含む前記共通要素を特定し、特定した前記共通要素に、それぞれ選択された前記言語と紐付けられた前記言語別要素を合成して、前記シンボルを作成するステップと、を実行することを特徴とするシンボル作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−190163(P2012−190163A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51906(P2011−51906)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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