シーズニング装置
【課題】シーズニング終了時に各用紙を揃えることができるシーズニング装置を提供する。
【解決手段】載置台10に載置された用紙束Sは、周囲4辺が側板30F、30R、30B、30Rで囲われるとともに、上部が天板40で覆われる。左右両側の側板30R、30Lには、ブロワ20が配置され、このブロワ20から用紙束Sの左右両側面に向けて環境風が送風される。各側板30F、30R、30B、30Rには、整合板50F、50R、50B、50Rが配置されており、内壁面から対向する側板30F、30R、30B、30Rに向かって出没自在に設けられている。整合板50F、50R、50B、50Rは、ブロワ20の送風終了時に各側板30F、30R、30B、30Rの内壁面から突出して、用紙Pの縁を揃える。
【解決手段】載置台10に載置された用紙束Sは、周囲4辺が側板30F、30R、30B、30Rで囲われるとともに、上部が天板40で覆われる。左右両側の側板30R、30Lには、ブロワ20が配置され、このブロワ20から用紙束Sの左右両側面に向けて環境風が送風される。各側板30F、30R、30B、30Rには、整合板50F、50R、50B、50Rが配置されており、内壁面から対向する側板30F、30R、30B、30Rに向かって出没自在に設けられている。整合板50F、50R、50B、50Rは、ブロワ20の送風終了時に各側板30F、30R、30B、30Rの内壁面から突出して、用紙Pの縁を揃える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシーズニング装置に係り、特に用紙束をシーズニングするシーズニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水性インクを用いて汎用の印刷用紙に印刷するシステムでは、用紙の水分量の変化により、用紙に伸縮や変形が生じ、両面印刷時に表裏レジずれ等が発生する。これを防止するためには、印刷直後の用紙をシーズニングして、用紙を環境温度・環境湿度に馴染ませる必要がある。
【0003】
特許文献1には、片面側が印刷された用紙を一旦機外の排紙トレイに排紙し、排紙トレイ上で送風して乾燥させた後、裏面側の印刷を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−03019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、用紙を1枚ずつ処理する構成のため、処理効率が悪いという欠点がある。
【0006】
そこで、印刷後の用紙を積み重ねて回収し、用紙束の状態でシーズニングすることが考えられる。この場合、用紙束をスタッカ等に格納し、側方から送風してシーズニングすることが考えられる。
【0007】
しかし、このように用紙束の状態でシーズニングすると、シーズニング終了後に用紙がバラバラになり、回収に手間がかかるという欠点がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シーズニング終了時に各用紙を揃えることができるシーズニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、各側面に対して進退移動自在に設けられた側板と、前記各側板を移動させる側板駆動手段と、前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の移動を制御する側板制御手段と、を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を前記用紙束の各側面に当接する位置に移動させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、用紙の周囲に配置された各側板が、送風手段による送風終了時に用紙束の各側面に当接する位置に移動して、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で周囲4辺が、各側板に当接して整合される。すなわち、各辺が揃った状態で載置台の上に積み重ねられる。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、送風終了時に側板を移動させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、当初より側板を用紙束の側面に当接させておくと、シーズニング中に用紙がダメージを受けるが(側板への接触による折れ等)、本発明のように、送風終了時に側板を移動させる構成にすることにより、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、前記各側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、送風手段による送風終了時に各側板から整合板が突出して、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で周囲4辺が、各整合板に当接して整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、整合板のみが側板から出没し、側板自体は用紙束から退避した位置に配置されているため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、これにより、シーズニング中に用紙がダメージを受けるのを防止できる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の第1の側面に対向して配置される第1の固定側板と、前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第1の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第1の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第1の可動側板と、前記載置台に載置された用紙束の第2の側面に対向して配置される第2の固定側板と、前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第2の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第2の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第2の可動側板と、前記第1の可動側板と前記第2の可動側板を移動させる可動側板駆動手段と、前記可動側板駆動手段を制御して、前記第1の可動側板と前記第2の可動側板の移動を制御する可動側板制御手段と、を備え、前記可動側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記第1の可動側板を前記第1の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第1の側面を前記第1の固定側板に当接させて、整合させるとともに、前記第2の可動側板を前記第2の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第2の側面を前記第2の固定側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0014】
本発明によれば、載置台に載置された用紙束を挟んで第1の固定側板と第1の可動側板とが対向して配置されるとともに、第2の固定側板と第2の可動側板とが対向して配置される。そして、送風手段による送風終了時に第1の可動側板と第2の可動側板とが、用紙束に向かって移動し、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で対向する2辺のうちの一方の辺(第1の可動側板と第2の可動側板に対向する辺)が、第1の可動側板と第2の可動側板に押されて、反対側の辺が第1の固定側板と第2の固定側板に押し当てられる。これにより、送風終了後に自重で落下する用紙の各辺を揃えて回収することができ、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収することができる。また、送風終了時に第1の可動側板と第2の可動側板とを移動させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、各側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、前記4つの側板のうち互いに対向しない2つの側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させることにより、前記用紙束の側面を前記各整合板が設けられた側板と対向する側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0016】
本発明によれば、送風手段による送風終了時に対向する側板の一方から整合板が突出し、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で対向する2辺のうちの一方の辺(整合板が設けられた側板に対向する辺)が、側板から突出した整合板に押されて、反対側の辺が側板に押し当てられる。これにより、送風終了後に自重で落下する用紙の各辺を揃えて回収することができ、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収することができる。また、送風終了時に整合板を突出させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、各側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、傾動自在に設けられた側板と、前記各側板を傾動させる側板駆動手段と、前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の傾動を制御する側板制御手段と、を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0018】
本発明によれば、用紙の周囲に配置された各側板が、送風手段による送風終了時に傾斜して、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で周囲4辺が、傾斜した各側板に当接し、この側板をガイドとして一定位置に落下し、整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、送風終了時に側板を傾斜させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記載置台が傾斜して設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置を提供する。
【0020】
本発明によれば、さらに用紙の自重を利用して、各用紙の辺を側板又は整合板に当接させることができ、さらに効果的に用紙を整合させることができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記載置台が傾動自在に設けられるとともに、前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、該載置台駆動手段の駆動を制御して、前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段とを備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置を提供する。
【0022】
本発明によれば、さらに用紙の自重を利用して、各用紙の辺を側板又は整合板に当接させることができ、さらに効果的に用紙を整合させることができる。
【0023】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記整合板は、前記用紙束の側面に当接する面の一部又は全部が傾斜して形成されることを特徴とする請求項2に記載のシーズニング装置を提供する。
【0024】
本発明によれば、整合板の用紙束の側面(用紙の辺)に当接する面の一部又は全部が傾斜して形成されている。傾斜させることにより、各用紙を集めやすくでき、より効率よく用紙を整合させることができる。
【0025】
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、傾斜して設けられた前記載置台と、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、を備えたことを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0026】
本発明によれば、送風を終了すると、各用紙が自重で落下し、自重で側板に当接されて、整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、各側板が用紙束から離間して設置されているため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0027】
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、傾動自在に設けられた前記載置台と、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、前記載置台駆動手段の駆動を制御して前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段と、を備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0028】
本発明によれば、載置台が傾動自在に設けられ、送風終了時に傾斜させられる。送風終了により自重で落下した用紙は、自重で側板に当接されて、整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、各側板が用紙束から離間して設置されているため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、シーズニング終了時に各用紙を揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るシーズニング装置の第1の実施の形態を示す平面図
【図2】図1の2−2断面図
【図3】図1の3−3断面図
【図4】第1の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図5】第1の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図6】第1の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【図7】第1の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【図8】本発明に係るシーズニング装置の第2の実施の形態を示す平面図
【図9】図8の9−9断面図
【図10】図8の10−10断面図
【図11】第2の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図12】本発明に係るシーズニング装置の第3の実施の形態を示す平面図
【図13】第3の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図14】第3の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【図15】図14に示したシーズニング装置の作用の説明図
【図16】本発明に係るシーズニング装置の第4の実施の形態を示す平面図
【図17】第4の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図18】本発明に係るシーズニング装置の第5の実施の形態を示す平面図
【図19】図18の19−19断面図
【図20】本発明に係るシーズニング装置の第6の実施の形態を示す平面図
【図21】図20の21−21
【図22】第6の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に従って本発明に係るシーズニング装置の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
《第1の実施の形態》
図1は本発明に係るシーズニング装置の第1の実施の形態を示す平面図である。また、図2は図1の2−2断面図であり、図3は図1の3−3断面図である。
【0033】
本実施の形態のシーズニング装置1は、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束Sを一括してシーズニングする装置であり、用紙束Sが載置される載置台10と、載置台10に載置された用紙束Sに向けて側方から環境風を送風するブロワ20と、載置台10に載置された用紙束Sの周囲を囲う側板30と、載置台10に載置された用紙束Sの上部を覆う天板40と、側板30から突出して用紙束Sを整合させる整合板50と、整合板50を駆動する整合板駆動アクチュエータ60と、ブロワ20と整合板駆動アクチュエータ60の駆動を制御する制御装置(図示せず)を備えて構成されている。
【0034】
載置台10は、用紙束Sを載置可能な平板で構成され、水平に設置される。載置台10の上面(載置面)には、用紙束Sの載置領域が設定され、この載置領域に用紙束Sが載置される。
【0035】
載置領域は、処理対象とする用紙Pの形状に対応して設定され、処理対象とする用紙Pのサイズよりも大きく設定される。処理対象とする用紙Pのサイズよりも大きく設定するのは、用紙束Sをセットしやすくするためである。すなわち、後述するように、載置領域は、周囲が側板30で囲われるので、処理対象とする用紙Pのサイズと同じサイズに設定すると、用紙束Sのセットが困難になる。このため、載置領域は、処理対象とする用紙Pのサイズよりも大きく設定し、セッティングの作業性を向上させる。なお、このように載置領域は、用紙束Sのセッティングの作業性を考慮して設定し、その範囲は必要最小限の範囲に設定することが好ましい。本実施の形態では、矩形状の用紙Pを処理対象としているので、載置領域は矩形状に設定される。また、処理対象とする用紙Pの外周よりも20〜30mm程度大きい領域に設定される。
【0036】
ブロワ20は、載置台10に載置された用紙束Sに向けて側方から環境風を送風する。本実施の形態では、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風を送風する(用紙束Sの長辺側の側面(=左右の側面)に向けて送風する)。このため、載置台10の上には、載置領域を挟んで左右両側に複数台のブロワ20が並列して配置される。なお、ブロワ20の設置数、設置間隔等は、使用するブロワ20の能力、サイズ等に応じて適宜設定される。本実施の形態では、載置領域の左右両側の辺に沿ってブロワ20の設置箇所が等間隔に設定されており、各設置箇所に2台のブロワが上下に積み重ねられて設置されている(図3参照)。
【0037】
このように配置されたブロワ20は、載置台10の上に用紙束Sが配置されると、用紙束Sの左右の側面(端面)に対向して配置される。すなわち、載置領域の右側の辺に沿って配置されたブロワ20は、用紙束Sの右側面に対向して配置され、載置領域の左側の辺に沿って配置されたブロワ20は、用紙束Sの左側面に対向して配置される。この結果、ブロワ20を駆動すると、載置台10に載置された用紙束Sに対して環境風が左右両側から水平に送風される。
【0038】
なお、本実施の形態では、左右両側から送風する構成としているが、ブロワ20のレイアウトは、これに限定されるものではなく、シーズニング対象とする用紙Pのサイズ等に応じて適宜変更することが好ましい。したがって、用紙束Sの周囲4面に面してブロワ20を設置し、4方向から送風する構成とすることもできる。また、一方向のみから送風する構成とすることもできる。
【0039】
また、使用するブロワ20は、特に限定されるものではなく、軸流ブロワや遠心ブロワ等の種々のブロワを使用することができる。本実施の形態では、軸流ブロワが使用されている。
【0040】
側板30は、載置領域の前側の辺に沿って配置される前側板30Fと、載置領域の右側の辺に沿って配置される右側板30Rと、後辺に沿って配置される後側板30Bと、左辺に沿って配置される左側板30Lとで構成され、載置領域の周囲4辺を囲うように配置される。
【0041】
各側板30F、30R、30B、30Lは平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。このように設置された側板30は、前側板30Fの内壁面と後側板30Bの内壁面とが、互いに対向して配置され、右側板30Rの内壁面と左側板30Lの内壁面とが、互いに対向して配置される。また、前側板30Fと後側板30Bとが、右側板30Rと左側板30Lに対して直交して配置される。
【0042】
なお、本実施の形態では、各コーナー部において、隣り合う側板同士が接合されて一体化されている(L字状に形成)。このように配置された側板30は、載置台10の上に用紙束Sが載置されると、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sの各側面に対向する。すなわち、前側板30Fは用紙束Sの前側面と対向し、右側板30Rは用紙束Sの右側面と対向する。また、後側板30Bは用紙束の後側面と対向し、左側板30Lは用紙束Sの左側面と対向する。
【0043】
なお、図1に示すように、前側板30Fと後側板30Bとには、それぞれ中央部に通風口31F、31Bが一定の幅をもって形成されている。各ブロワ20から送風された環境風は、用紙束Sの各用紙Pの間を通って、この通風口31F、31Bから外部に排気される。
【0044】
また、図1に示すように、右側板30Rと左側板30Lとには、ブロワ20の設置箇所に開口部32R、32Lが形成されており、ブロワ20が干渉しないように構成されている。
【0045】
さらに、図1に示すように、各側板30F、30R、30B、30Lには、所定幅を有するスリット33F、33R、33B、33Lが一定の間隔をもって複数箇所に形成されている。後述する整合板50は、このスリット33F、33R、33B、33Lを通して、各側板30F、30R、30B、30Lから出没させられる。
【0046】
天板40は、矩形状の平板で構成されており、載置台10の上に載置された用紙束Sの上部を覆うように配置される。載置台10の上には、この天板40を取り付けるための支柱41が垂直に立設されている。この支柱41は、前側板30Fと後側板30Bに形成された通風口31F、31Bの間に2本ずつ配置されており、その頂部に天板40の取付部41Aが形成されている。一方、天板40には、この取付部41Aに対応して固定部40Aが形成されている。天板40は、この固定部40Aを支柱41の頂部に形成された取付部41Aにビスでネジ止めすることにより、支柱41に取り付けられる。支柱41に取り付けられた天板40は、載置台10と平行に配置され、載置台10の上に載置された用紙束Sの上部を覆う。
【0047】
整合板50は、ブロワ20による送風終了時に各側板30F、30R、30B、30Lの内壁面から突出して、用紙束Sを整合させる。この整合板50は、前側板30Fから突出させる前整合板50Fと、右側板30Rから突出させる右整合板50Rと、後側板30Bから突出させる後整合板50Bと、左側板30Lから突出させる左整合板50Lとで構成される。各整合板50F、50R、50B、50Lは、各側板30F、30R、30B、30Lに対して少なくとも2枚配置され、それぞれ対称位置に配置される。本実施の形態では、前側板30Fには、2枚の前整合板50Fが対称位置に配置され、右側板30Rには、4枚の右整合板50Rが対称に配置されている。また、後側板30Bには、2枚の後整合板50Bが対称位置に配置され、左側板30Lには、4枚の左整合板50Lが対称に配置されている。各整合板50F、50R、50B、50Lは、矩形の板状に形成され、載置台10と天板40との間に挿通可能な高さをもって形成される。また、載置台10の上面に対して垂直に設置されるとともに、各側板30F、30R、30B、30Lに対して直交するように配置される。すなわち、前整合板50Fは前側板30Fに対して直交するように配置され、右整合板50Rは右側板30Rに対して直交するように配置される。また、後整合板50Bは後側板30Bに対して直交するように配置され、左整合板50Lは左側板30Lに対して直交するように配置される。
【0048】
上述した各側板30F、30R、30B、30Lに形成されるスリット33F、33R、33B、33Lは、各整合板50F、50R、50B、50Lの設置位置に対応して形成されるとともに、各整合板50F、50R、50B、50Lの厚さに対応して形成される。すなわち、各整合板50F、50R、50B、50Lを挿通可能な幅で形成される。
【0049】
整合板駆動アクチュエータ60は、各整合板50F、50R、50B、50Lに個別に設けられており、各整合板50F、50R、50B、50Lを個別に駆動する。すなわち、各整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lから個別に出没させる。この整合板駆動アクチュエータ60は、シリンダ(たとえば、エアシリンダ)で構成され、載置台10の上に水平に設置される。そして、図示しない制御装置に制御されて、そのロッドを水平に伸縮させる。各整合板50F、50R、50B、50Lは、それぞれ対応するシリンダのロッド先端部に取り付けられて、所定位置に設置される。各整合板50F、50R、50B、50Lは、この整合板駆動アクチュエータ60を駆動することにより、水平にスライドし、各側板30F、30R、30B、30Lから出没する。
【0050】
なお、各整合板50F、50R、50B、50Lの突出量は、処理対象とする用紙Pのサイズに応じて設定される。すなわち、用紙Pの中心を載置領域の中心に合わせて、用紙Pを載置台10の上に載置したとき、用紙Pの各辺から各側板30までの距離が突出量として設定される(図5参照)。たとえば、前整合板50Fの突出量は、用紙Pの前側の辺から前側板30Fまでの距離が突出量として設定され、右整合板50Rの突出量は、用紙Pの右側の辺から右側板30Rまでの距離が突出量として設定される。また、後整合板50Bの突出量は、用紙Pの後側の辺から後側板30Bまでの距離が突出量として設定され、左整合板50Lの突出量は、用紙Pの左側の辺から左側板30Lまでの距離が突出量として設定される。
【0051】
制御装置は、シーズニング装置1の操作を行うための操作部と、その操作部からの入力に基づいて、ブロワ20及び整合板駆動アクチュエータ60の駆動を制御するマイコンとを備えて構成される。マイコンは、所定の制御プログラムを実行して、ブロワ20及び整合板駆動アクチュエータ60の駆動を制御する。
【0052】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置1の作用について説明する。
【0053】
初期状態において、整合板50F、50R、50B、50Lは、側板30F、30R、30B、30Lの内壁面から退避した状態にある。
【0054】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。
【0055】
用紙束Sは、載置台10の上に設定された所定の載置領域に載置する。このとき、用紙束Sは、各側面が各側板30F、30R、30B、30Lと平行になるように載置する。これにより、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sの各側面と対向する。
【0056】
なお、用紙束Sのセットは、オペレータによる手作業で行われるが、上記のように、本実施の形態のシーズニング装置1では、載置領域が用紙Pのサイズよりも大きく設定されているので、簡単に用紙束Sを載置台10の上にセットすることができる。すなわち、オペレータが手作業で用紙束Sを載置台10の上にセットする場合、用紙束Sの両端を両手で把持して、用紙束Sを載置台10の上にセットすることとなるが、載置台10には、側板30が設置されているため、用紙Pと同じサイズで載置領域が設定されていると、用紙束Sを把持した手が側板30に当たり、作業が困難になる。一方、本実施の形態のように、載置領域を用紙Pのサイズよりも大きくとることにより、用紙束Sを両手で把持しながら、側板30で区画される空間に用紙束Sを入れることができ、簡単に用紙束Sを載置台10の上にセットすることができる。シーズニング終了後の用紙束Sを取り出す場合も同様である。
【0057】
用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。すなわち、支柱41の取付部41Aに天板40の固定部40Aをネジ止めする。これにより、載置台10に載置された用紙束Sの上部が天板40で覆われる。
【0058】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0059】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。
【0060】
ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。
【0061】
図4(a)は、送風中の用紙束Sの状態を示している。同図に示すように、側方から環境風が送風されると、送風された環境風が用紙Pと用紙Pの間に入り込み、シーズニングが行われる。用紙束Sは、ブロワ20から送風を受けることにより、各用紙Pが浮上し、全体の嵩が高くなる。なお、このように、各用紙Pは、ブロワ20から送風を受けることにより浮上するが、本実施の形態のシーズニング装置1では、用紙束Sの載置領域が用紙サイズよりも大きくとられているので、浮上した用紙Pが側板30に接触しても、ダメージを受けにくく、用紙Pを損傷させずにシーズニングすることができる。
【0062】
送風は一定時間継続して行われる。この送風時間(シーズニング時間)は、処理する用紙束Sのサイズ、枚数、ブロワ20の能力等に応じて適宜設定される。
【0063】
所定の送風時間が経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、整合板駆動アクチュエータ60を駆動し、各整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lから突出させる。
【0064】
各整合板50F、50R、50B、50Lが、各側板30F、30R、30B、30Lから突出すると、図4(b)に示すように、用紙束Sを構成する各用紙Pの周縁に各整合板50F、50R、50B、50Lの先端部が当接する。各用紙Pは、この周縁に当接する各整合板50F、50R、50B、50Lによって向きが矯正され、図5に示すように、各縁が揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で各周縁に各整合板50F、50R、50B、50Lが当接するので、容易に向きを揃えることができる。すなわち、各用紙Pが積み重ねられた状態で整合板50F、50R、50B、50Lを当接させても、用紙間の摩擦で用紙Pを動かすことはできないが、各用紙Pが、いまだ浮上している状態で各周縁に整合板50F、50R、50B、50Lを当接させることにより、少ない力で各用紙Pを動かすことができ、簡単に用紙Pを揃えて回収することができる。
【0065】
整合板50F、50R、50B、50Lは、一定時間突出状態を維持する。制御装置は、一定時間経過後、整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lの内側に退避させる。なお、整合板50F、50R、50B、50Lを突出させる時間は、少なくとも全ての用紙Pが落下するまでの時間を確保する。
【0066】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、上記のように、用紙束Sの載置領域が大きくとられているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置1によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。
【0068】
また、本実施の形態のシーズニング装置1では、用紙束Sの載置領域を用紙サイズよりも大きくとっているので、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。また、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態のシーズニング装置1では、用紙束Sの載置領域を用紙サイズよりも大きくとっているので、最大の用紙サイズに対応して載置領域を設定しておけば、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができるようになる。
【0070】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に整合板50F、50R、50B、50Lを側板30F、30R、30B、30Lから突出させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で、各整合板50F、50R、50B、50Lを用紙Pの各縁に当接できればよく、必ずしも送風停止と同時に各整合板50F、50R、50B、50Lを突出させる必要はない。したがって、送風停止の直前に整合板50F、50R、50B、50Lを突出させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に整合板50F、50R、50B、50Lを突出させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、整合板50F、50R、50B、50Lを矩形の平板で構成し、その先端部(用紙Pとの当接部)を載置台10の上面に対して垂直に形成しているが、図6に示すように、先端部を傾斜させて形成してもよい。このように、用紙Pとの当接部を傾斜させることにより、傾斜部をガイドとして機能させることができ、よりスムーズに各用紙Pを揃えることができる。
【0072】
なお、同図に示す例では、一部(上半分)のみ傾斜させているが、全体を傾斜させて形成してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、平板で構成された整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lに対して直交するように配置し、その先端面を用紙Pの周縁に当接させる構成としているが、図7に示すように、平板で構成された整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lと平行に配置し、その端面を用紙Pの周縁に当接させる構成としてもよい。これにより、用紙Pに当接させる面を広くとることができ、より効果的に用紙Pを揃えることができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、整合板駆動アクチュエータをシリンダで構成しているが、整合板50を駆動する手段は、これに限定されるものではない。整合板50を直動させることができるものであればよい。
【0075】
《第2の実施の形態》
図8は本発明に係るシーズニング装置の第2の実施の形態を示す平面図である。また、図9は図8の9−9断面図であり、図10は図8の10−10断面図である。
【0076】
本実施の形態のシーズニング装置2は、右側板30Rと後側板30Bにのみ整合板50R、50Bが配置され、右側板30Rと後側板30Bのみから整合板50R、50Bが突出する点で上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と相違する。
【0077】
なお、前側板30Fと左側板30Lからは整合板は突出しないので、前側板30Fと後側板30Bには、整合板を通すためのスリットが形成されていない。
【0078】
このように構成された本実施の形態のシーズニング装置2では、整合板50R、50Bで用紙Pの右縁及び後縁を押すことにより、用紙Pの前縁及び左縁をそれぞれ前側板30F及び左側板30Lの内壁面に当接させて、用紙Pを揃える。以下、この作用について説明する。
【0079】
まず、シーズニング対象の用紙束Sを載置台10の上にセットする。セット後、天板40を取り付け、操作部から運転開始を指示する。
【0080】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。
【0081】
ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0082】
送風は一定時間継続して行われ、所定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、整合板駆動アクチュエータ60を駆動し、整合板50R、50Bを右側板30R及び後側板30Bから突出させる。
【0083】
整合板50R、50Bが、右側板30R及び後側板30Bから突出すると、図11に示すように、各用紙Pの右縁に右整合板50Rの先端部が当接するとともに、後縁に後整合板50Bの先端部が当接する。用紙Pは、この右整合板50Rと後整合板50Bに押されて水平移動し、その前縁が前側板30Fの内壁面に当接する。また、これと同時に左縁が左側板30Lの内壁面に当接する。これにより、向きが揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で右周及び後縁に整合板50R、50Bが当接するので、容易に移動させることができる。すなわち、各用紙Pが積み重ねられた状態で整合板50R、50Bを当接させても、用紙間の摩擦で用紙Pを動かすことはできないが、各用紙Pが、いまだ浮上している状態で周縁に整合板50R、50Bを当接させることにより、少ない力で各用紙Pを動かすことができ、簡単に用紙Pを揃えることができる。
【0084】
制御装置は、一定時間経過後、整合板50R、50Bを側板30R、30Bの内側に退避させる。
【0085】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置2においても、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えて回収することができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。
【0087】
なお、必ずしも送風停止と同時に整合板を突出させる必要はない点は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と同様である。
【0088】
また、本実施の形態のシーズニング装置2においても、整合板50R、50Bは、その先端部(用紙Pとの当接部)を傾斜させて形成してもよい。また、整合板50R、50Bは、側板30R、30Bと平行に配置してもよい。
【0089】
《第3の実施の形態》
図12は本発明に係るシーズニング装置の第3の実施の形態を示す平面図である。
【0090】
同図に示すように、本実施の形態のシーズニング装置3は、各側板30が進退移動自在に設けられている。
【0091】
なお、載置台10及びブロワ20の構成は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と同じなので、ここでは側板30の構成についてのみ説明する。
【0092】
図12に示すように、側板30は、載置領域の前側の辺に沿って配置される前側板30Fと、載置領域の右側の辺に沿って配置される右側板30Rと、後辺に沿って配置される後側板30Bと、左辺に沿って配置される左側板30Lとで構成され、載置領域の周囲4辺を囲うように配置される。
【0093】
前側板30Fは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この前側板30Fを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Fが形成される。前側板30Fを構成する2枚の平板は、それぞれ前側板駆動アクチュエータ70Fに駆動されて、後側板30Bに対して進退移動する。前側板駆動アクチュエータ70Fは、シリンダで構成され、前側板30Fを構成する2枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この前側板駆動アクチュエータ70Fの駆動を制御して、前側板30Fを後側板30Bに対して進退移動させる。
【0094】
右側板30Rは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の右辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この右側板30Rを構成する4枚の平板の間に配置される。右側板30Rを構成する4枚の平板は、それぞれ右側板駆動アクチュエータ70Rに駆動されて、左側板30Lに対して進退移動する。右側板駆動アクチュエータ70Rは、シリンダで構成され、右側板30Rを構成する4枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この右側板駆動アクチュエータ70Rの駆動を制御して、右側板30Rを左側板30Lに対して進退移動させる。
【0095】
後側板30Bは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この後側板30Bを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Bが形成される。後側板30Bを構成する2枚の平板は、それぞれ後側板駆動アクチュエータ70Bに駆動されて、前側板30Fに対して進退移動する。後側板駆動アクチュエータ70Bは、シリンダで構成され、後側板30Bを構成する2枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この後側板駆動アクチュエータ70Bの駆動を制御して、後側板30Bを前側板30Fに対して進退移動させる。
【0096】
左側板30Lは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の左辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この左側板30Lを構成する4枚の平板の間に配置される。左側板30Lを構成する4枚の平板は、それぞれ左側板駆動アクチュエータ70Lに駆動されて、右側板30Rに対して進退移動する。左側板駆動アクチュエータ70Lは、シリンダで構成され、左側板30Lを構成する4枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この左側板駆動アクチュエータ70Lの駆動を制御して、左側板30Lを右側板30Rに対して進退移動させる。
【0097】
このように設置された側板30は、前側板30Fの内壁面と後側板30Bの内壁面とが、互いに対向して配置され、右側板30Rの内壁面と左側板30Lの内壁面とが、互いに対向して配置される。また、前側板30Fと後側板30Bとが、右側板30Rと左側板30Lに対して直交して配置される。そして、各側板駆動アクチュエータ70(70F、70R、70B、70L)を駆動すると、前側板30Fと後側板30Bとの間隔が拡縮するとともに、右側板30Rと左側板30Lとの間隔が拡縮する。
【0098】
なお、各側板30F、30R、30B、30Lは、天板40の高さよりも低く形成され、天板40の下に進入可能に形成される。
【0099】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置3の作用について説明する。
【0100】
初期状態において、各側板30F、30R、30B、30Lは、所定の初期位置に位置している。この初期位置は、処理対象とする用紙束Sを載置台10の上に載置したときに用紙束Sの各側面から一定距離離間する位置に設定される。
【0101】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。
【0102】
用紙束Sは、載置台10の上に設定された所定の載置領域に載置する。このとき、用紙束Sは、各側面が各側板30F、30R、30B、30Lと平行になるように載置する。これにより、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sの各側面と対向する。また、用紙束Sのセットは、オペレータによる手作業で行われるが、上記のように、各側板30F、30R、30B、30Lが画成する空間は、用紙束Sよりも大きくとられているため、簡単に用紙束Sを載置台10の上にセットすることができる。
【0103】
用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。これにより、載置台10に載置された用紙束Sの上部が天板40で覆われる。
【0104】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0105】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0106】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを対向する側板30F、30R、30B、30Lに向けて所定量前進させる。
【0107】
各側板30F、30R、30B、30Lが、対向する側板30F、30R、30B、30Lに向かって前進すると、図13に示すように、用紙束Sを構成する各用紙Pの周縁に各側板30F、30R、30B、30Lが当接する。各用紙Pは、この周縁に当接する各側板30F、30R、30B、30Lによって向きが矯正され、各縁が一定方向に揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で各周縁に各側板30F、30R、30B、30Lが当接するので、容易に向きを揃えることができる。すなわち、各用紙Pが積み重ねられた状態で側板30F、30R、30B、30Lを当接させても、用紙間の摩擦で用紙Pを動かすことはできないが、各用紙Pが、いまだ浮上している状態で各周縁に側板30F、30R、30B、30Lを当接させることにより、少ない力で用紙Pを動かすことができ、簡単に用紙Pを揃えることができる。
【0108】
なお、各側板30F、30R、30B、30Lの移動量は、処理対象とする用紙Pのサイズに応じて設定される。すなわち、前側板30Fと後側板30Bは、移動後の間隔が、用紙Pの縦幅と同じになるように設定し、右側板30Rと左側板30Lは、移動後の間隔が、用紙Pの横幅と同じになるように設定する。
【0109】
各側板30F、30R、30B、30Lは、一定時間経過後、初期位置に復帰する。制御装置は、一定時間経過後、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを後退させて、初期位置に移動させる。
【0110】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、上記のように、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sから退避しているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置3によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。また、本実施の形態のシーズニング装置3では、側板30F、30R、30B、30Lが移動自在に設けられているので、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができる。
【0112】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを移動させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で、各側板30F、30R、30B、30Lを用紙Pの各縁に当接できればよく、必ずしも送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを移動させる必要はない。したがって、送風停止の直前に側板30F、30R、30B、30Lを移動させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に側板30F、30R、30B、30Lを移動させるようにしてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、各側板30F、30R、30B、30Lを個別に移動させる構成としているが、図14及び図15に示すように、側板30を構成する各コーナー部30Cを進退移動自在に構成することによっても、同様に用紙束Sを揃えることができる。この場合、少なくとも1つのコーナー部を移動自在に構成することによっても、同様に用紙束Sを揃えることができる。
【0114】
また、上記実施の形態では、各側板30F、30R、30B、30Lをすべて移動させる構成としているが、一部のみを移動させる構成としてもよい。たとえば、右側板30Rと左側板30Lについては、中央の2枚のみを可動とし、両端の2枚は固定としてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態では、側板駆動アクチュエータ70をシリンダで構成しているが、側板駆動アクチュエータの構成は、これに限定されるものではない。側板30を直動させることができるものであればよい。
【0116】
《第4の実施の形態》
図16は本発明に係るシーズニング装置の第4の実施の形態を示す平面図である。
【0117】
本実施の形態のシーズニング装置4は、前側板30Fと右側板30Rとが固定され、後側板30Bと左側板30Lのみが移動できるように構成されている点で上述した第3の実施の形態のシーズニング装置3と相違する。
【0118】
このように構成された本実施の形態のシーズニング装置4では、後側板30Bと左側板30Lとで用紙Pの後縁及び左縁を押すことにより、用紙Pの前縁及び右縁をそれぞれ前側板30F及び右側板30Rの内壁面に当接させて、用紙Pを揃える。以下、この作用について説明する。
【0119】
初期状態において、後側板30Bと左側板30Lは、所定の初期位置に位置している。
【0120】
まず、オペレータは、シーズニング対象の用紙束Sを載置台10の上にセットする。次いで、支柱41に天板40を取り付ける。
【0121】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0122】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0123】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、後側板駆動アクチュエータ70Bと左側板駆動アクチュエータ70Lを駆動し、後側板30Bと左側板30Lとを、それぞれ前側板30Fと右側板30Rに向けて所定量前進させる。
【0124】
後側板30Bと左側板30Lとが前進すると、用紙束Sを構成する各用紙Pの後縁と左縁に後側板30Bと左側板30Lの内壁面が当接し、各用紙Pを前側板30F及び右側板30Rに向けて移動させる。そして、用紙Pの前縁と右縁を前側板30Fと右側板30Rの内壁面に当接させる。これにより、各用紙Pの向きが揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で後縁及び左縁に後側板30Bと左側板30Lが当接するので、容易に移動させることができ、容易に向きを揃えることができる。
【0125】
なお、後側板30Bと左側板30Lの移動量は、処理対象とする用紙Pのサイズに応じて設定される。すなわち、後側板30Bは、移動後の前側板30Fとの間隔が、用紙Pの縦幅と同じになるように設定し、左側板30Lは、移動後の右側板30Rとの間隔が、用紙Pの横幅と同じになるように設定する。
【0126】
後側板30Bと左側板30Lは、一定時間経過後、初期位置に復帰する。制御装置は、一定時間経過後、後側板駆動アクチュエータ70Bと左側板駆動アクチュエータ70Lとを駆動し、後側板30Bと左側板30Lとを初期位置に移動させる。
【0127】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、後側板30Bと左側板30Lが、用紙束Sから退避しているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置4によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。また、本実施の形態のシーズニング装置4では、後側板30Bと左側板30Lとが移動自在に設けられているので、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができる。
【0129】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に後側板30Bと左側板30Lとを移動させる構成としているが、用紙Pが浮上している間に各側板30B、30Lを用紙Pに当てて移動させられれば、必ずしも送風停止と同時に各側板30B、30Lを移動させる必要はない。したがって、送風停止の直前に各側板30B、30Lを移動させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に各側板30B、30Lを移動させるようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、後側板30Bと左側板30Lとを移動させる構成としているが、対向する側板の一方を移動させればよいので、その組み合わせは適宜変更することができる。
【0131】
《第5の実施の形態》
図18は本発明に係るシーズニング装置の第5の実施の形態を示す平面図である。また、図19は、図18の19−19断面図である。
【0132】
同図に示すように、本実施の形態のシーズニング装置5は、各側板30が傾動可能に設けられている。
【0133】
なお、載置台10及びブロワ20の構成は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と同じなので、ここでは側板30の構成についてのみ説明する。
【0134】
図18に示すように、側板30は、載置領域の前側の辺に沿って配置される前側板30Fと、載置領域の右側の辺に沿って配置される右側板30Rと、後辺に沿って配置される後側板30Bと、左辺に沿って配置される左側板30Lとで構成され、載置領域の周囲4辺を囲うように配置される。
【0135】
前側板30Fは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この前側板30Fを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Fが形成される。前側板30Fを構成する2枚の平板は、それぞれ前側板駆動アクチュエータ70Fに駆動されて傾動する。前側板駆動アクチュエータ70Fは、モータで構成され、前側板30Fを構成する2枚の平板は、ブラケット30fを介して、このモータの出力軸に取り付けられている。制御装置(図示せず)は、この前側板駆動アクチュエータ70Fの駆動を制御して、前側板30Fを傾動させる。
【0136】
右側板30Rは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の右辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この右側板30Rを構成する4枚の平板の間に配置される。右側板30Rを構成する4枚の平板は、それぞれ右側板駆動アクチュエータ70Rに駆動されて傾動する。右側板駆動アクチュエータ70Rは、モータで構成され、右側板30Rを構成する4枚の平板は、ブラケット30rを介して、このモータの出力軸に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この右側板駆動アクチュエータ70Rの駆動を制御して、右側板30Rを傾動させる。
【0137】
後側板30Bは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この後側板30Bを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Bが形成される。
【0138】
後側板30Bを構成する2枚の平板は、それぞれ後側板駆動アクチュエータ70Bに駆動されて傾動する。後側板駆動アクチュエータ70Bは、モータで構成され、後側板30Bを構成する2枚の平板は、ブラケット30bを介して、このモータの出力時に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この後側板駆動アクチュエータ70Bの駆動を制御して、後側板30Bを傾動させる。
【0139】
左側板30Lは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の左辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この左側板30Lを構成する4枚の平板の間に配置される。左側板30Lを構成する4枚の平板は、それぞれ左側板駆動アクチュエータ70Lに駆動されて傾動する。左側板駆動アクチュエータ70Lは、モータで構成され、左側板30Lを構成する4枚の平板は、ブラケット30lを介して、このモータの出力時に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この左側板駆動アクチュエータ70Lの駆動を制御して、左側板30Lを傾動させる。
【0140】
このように設置された側板30は、前側板30Fの内壁面と後側板30Bの内壁面とが、互いに対向して配置され、右側板30Rの内壁面と左側板30Lの内壁面とが、互いに対向して配置される。また、前側板30Fと後側板30Bとが、右側板30Rと左側板30Lに対して直交して配置される。そして、各側板駆動アクチュエータ70(70F、70R、70B、70L)を駆動すると、各側板30F、30R、30B、30Lが傾動し、全体がシュート状(下方が窄まった形状)に形成される(図19(b)参照)。
【0141】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置5の作用について説明する。
【0142】
図19(a)に示すように、初期状態において、各側板30F、30R、30B、30Lは、載置台10の上面に対して垂直な姿勢をとる。
【0143】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。
【0144】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0145】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0146】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させる。これにより、図19(b)に示すように、各側板30F、30R、30B、30Lは、全体がシュート状に形成される。各用紙Pは、落下する過程で、このシュート状に形成された側板30にガイドされて、向きが揃えられる。すなわち、各用紙Pは、送風が停止されることにより自重で落下するので、この落下過程で各側板30F、30R、30B、30Lにガイドされて、向きが揃えられる。
【0147】
各側板30F、30R、30B、30Lは、一定時間経過後、初期状態に復帰する(図19(a)参照)。制御装置は、一定時間経過後、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを垂直な姿勢に戻す。
【0148】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、各側板30F、30R、30B、30Lが用紙束Sから離れた位置に位置しているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0149】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置5によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。また、本実施の形態のシーズニング装置5では、側板30F、30R、30B、30Lが傾動可能に設けられているので、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができる。
【0150】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で、各側板30F、30R、30B、30Lを用紙Pの各縁に当接できればよく、必ずしも送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させる必要はない。したがって、送風停止の直前に側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させるようにしてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態では、各側板30F、30R、30B、30Lをすべて傾斜させる構成としているが、一部のみ傾斜させるようにしてもよい。たとえば、右側板30Rと左側板30Lについては、中央の2枚のみ傾動可能に構成し、中央の2枚のみを傾斜させるようにしてもよい。
【0152】
また、上記実施の形態では、側板駆動アクチュエータ70をモータで構成しているが、側板駆動アクチュエータ70の構成は、これに限定されるものではない。側板30を傾動させることができる構成のものであればよい。
【0153】
《第6の実施の形態》
図20は本発明に係るシーズニング装置の第6の実施の形態を示す平面図である。また、図21は、図20の21−21断面図である。
【0154】
同図に示すように、本実施の形態のシーズニング装置6は、載置台10が傾動可能に設けられている。
【0155】
なお、ブロワ20及び側板30の構成は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1とほぼ同じなので、ここでは載置台10の構成についてのみ説明する。
【0156】
図21に示すように、載置台10は、ベースプレート11の上に載置台傾動機構12を介して設置されている。
【0157】
載置台傾動機構12は、自由雲台13と、4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dとで構成される。
【0158】
自由雲台13は、載置台10の下面中央に配置され、載置台10をベースプレート11に対して傾動自在に支持する。
【0159】
4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dは、載置台10の四隅に配置される。この4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dは、ベースプレート11の上面に垂直に立設されておりは、そのロッドの頂部が、それぞれ載置台10の下面四隅に当接されている。載置台10は、この4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dを個別に制御することにより傾動する。すなわち、たとえば、シリンダ14A、14Bのロッドのみを収縮させれば、右下下がりに傾斜し、シリンダ14B、14Cのロッドのみを収縮させれば、後下下がりに傾斜する。また、各ロッドの伸張量を等しくすれば、載置台10は水平に保持される。
【0160】
各シリンダ14A、14B、14C、14Dの駆動は、図示しない制御装置によって個別に制御される。制御装置は、各シリンダ14A、14B、14C、14Dの駆動を個別に制御して、載置台10の傾斜を制御する。
【0161】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置6の作用について説明する。
【0162】
図21(a)に示すように、初期状態において、載置台10は水平に保持される。
【0163】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。
【0164】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0165】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0166】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、シリンダ14A、14B、14C、14Dの駆動を制御し、載置台10を傾斜させる。たとえば、右前部が下側に向くように傾斜させる。
【0167】
このように、載置台10を傾斜させると、各用紙Pは、載置台10に倣って傾斜し、自重でその前縁と右縁が前側板30Fと右側板30Rの内壁面に当接する。この結果、各用紙Pの向きが揃えられる。
【0168】
この際、各用紙Pが、いまだ浮上している間に載置台10を傾斜させているので、効率よく用紙Pを揃えることができる。すなわち、各用紙Pが浮上している状態で載置台10を傾斜させることにより、用紙間の摩擦の影響を少なくすることができ、効率よく各用紙Pを揃えることができる。
【0169】
載置台10は、一定時間経過後、水平に戻される。制御装置は、一定時間経過後、シリンダ14A、14B、14C、14Dを駆動し、載置台10を水平に戻す。
【0170】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、後側板30B及び左側板30Lと用紙束Sとの間には十分なスペースが確保されているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0171】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置6によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。
【0172】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に載置台10を傾斜させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で傾斜させればよく、必ずしも送風停止と同時に傾斜させる必要はない。したがって、送風停止の直前に傾斜させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に傾斜させるようにしてもよい。
【0173】
また、上記実施の形態では、載置台10を傾斜させたまま一定時間保持しているが、傾斜させたまま振動を与える構成としてもよい。
【0174】
また、上記実施の形態では、送風終了時に載置台10を傾斜させる構成としているが、送風開始から傾斜させる構成としてもよい。この場合も同様の効果を得ることができる。
【0175】
なお、載置台10は、送風開始から傾斜させておいてもよいので、載置台自体を傾斜させて構成してもよい。たとえば、図22に示すように、載置台10の上面(載置面)を傾斜させて形成してもよい。
【0176】
また、上記実施の形態では、載置台傾動機構12を自由雲台13とシリンダ14A、14B、14C、14Dで構成しているが、載置台傾動機構12の構成は、これに限定されるものではない。載置台10を傾動させることができる構成であればよい。
【0177】
また、上記実施の形態では、任意の方向に傾動できる構成としているが、載置台10は少なくとも一方向に傾動できる構成であればよい。したがって、たとえば、右前側にのみ傾動できる構成であってもよい。
【0178】
《その他の実施の形態》
第6の実施の形態で説明した載置台10を傾斜させる構成は、他の実施の形態のシーズニング装置にも適用することができる。特に、第2、第4の実施の形態で説明したシーズニング装置2、4に適用することにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。すなわち、用紙Pの縁を当接させる側の側板に向けて、載置台10を傾斜させることにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。たとえば、第2の実施の形態のシーズニング装置2であれば、左前側が下に向くように、載置台10を傾斜させることにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。また、第4の実施の形態のシーズニング装置4であれば、右前側が下に向くように、載置台10を傾斜させることにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。この場合、載置台10は、載置台傾動機構12によって傾動可能に設けてもよいし(図21参照)、あらかじめ載置面を傾斜させて設けてもよい(図22参照)。
【符号の説明】
【0179】
1〜6…シーズニング装置、P…用紙、S…用紙束、10…載置台、11…ベースプレート、12…載置台傾動機構、13…自由雲台、14A〜14D…シリンダ、20…ブロワ、30…側板、30F…前側板、30R…右側板、30B…後側板、30L…左側板、30f、30r、30b、30l…ブラケット、30C…コーナー部、31B、31F…通風口、32R、32L…開口部、33F、33R、33B、33L…スリット、40…天板、40A…固定部、41…支柱、41A…取付部、50…整合板、50F…前整合板、50R…右整合板、50B…後整合板、50L…左整合板、60…整合板駆動アクチュエータ、70…側板駆動アクチュエータ、70F…前側板駆動アクチュエータ、70R…右側板駆動アクチュエータ、70B…後側板駆動アクチュエータ、70L…左側板駆動アクチュエータ
【技術分野】
【0001】
本発明はシーズニング装置に係り、特に用紙束をシーズニングするシーズニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水性インクを用いて汎用の印刷用紙に印刷するシステムでは、用紙の水分量の変化により、用紙に伸縮や変形が生じ、両面印刷時に表裏レジずれ等が発生する。これを防止するためには、印刷直後の用紙をシーズニングして、用紙を環境温度・環境湿度に馴染ませる必要がある。
【0003】
特許文献1には、片面側が印刷された用紙を一旦機外の排紙トレイに排紙し、排紙トレイ上で送風して乾燥させた後、裏面側の印刷を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−03019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、用紙を1枚ずつ処理する構成のため、処理効率が悪いという欠点がある。
【0006】
そこで、印刷後の用紙を積み重ねて回収し、用紙束の状態でシーズニングすることが考えられる。この場合、用紙束をスタッカ等に格納し、側方から送風してシーズニングすることが考えられる。
【0007】
しかし、このように用紙束の状態でシーズニングすると、シーズニング終了後に用紙がバラバラになり、回収に手間がかかるという欠点がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シーズニング終了時に各用紙を揃えることができるシーズニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、各側面に対して進退移動自在に設けられた側板と、前記各側板を移動させる側板駆動手段と、前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の移動を制御する側板制御手段と、を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を前記用紙束の各側面に当接する位置に移動させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、用紙の周囲に配置された各側板が、送風手段による送風終了時に用紙束の各側面に当接する位置に移動して、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で周囲4辺が、各側板に当接して整合される。すなわち、各辺が揃った状態で載置台の上に積み重ねられる。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、送風終了時に側板を移動させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、当初より側板を用紙束の側面に当接させておくと、シーズニング中に用紙がダメージを受けるが(側板への接触による折れ等)、本発明のように、送風終了時に側板を移動させる構成にすることにより、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、前記各側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、送風手段による送風終了時に各側板から整合板が突出して、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で周囲4辺が、各整合板に当接して整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、整合板のみが側板から出没し、側板自体は用紙束から退避した位置に配置されているため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、これにより、シーズニング中に用紙がダメージを受けるのを防止できる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の第1の側面に対向して配置される第1の固定側板と、前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第1の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第1の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第1の可動側板と、前記載置台に載置された用紙束の第2の側面に対向して配置される第2の固定側板と、前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第2の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第2の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第2の可動側板と、前記第1の可動側板と前記第2の可動側板を移動させる可動側板駆動手段と、前記可動側板駆動手段を制御して、前記第1の可動側板と前記第2の可動側板の移動を制御する可動側板制御手段と、を備え、前記可動側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記第1の可動側板を前記第1の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第1の側面を前記第1の固定側板に当接させて、整合させるとともに、前記第2の可動側板を前記第2の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第2の側面を前記第2の固定側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0014】
本発明によれば、載置台に載置された用紙束を挟んで第1の固定側板と第1の可動側板とが対向して配置されるとともに、第2の固定側板と第2の可動側板とが対向して配置される。そして、送風手段による送風終了時に第1の可動側板と第2の可動側板とが、用紙束に向かって移動し、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で対向する2辺のうちの一方の辺(第1の可動側板と第2の可動側板に対向する辺)が、第1の可動側板と第2の可動側板に押されて、反対側の辺が第1の固定側板と第2の固定側板に押し当てられる。これにより、送風終了後に自重で落下する用紙の各辺を揃えて回収することができ、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収することができる。また、送風終了時に第1の可動側板と第2の可動側板とを移動させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、各側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、前記4つの側板のうち互いに対向しない2つの側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させることにより、前記用紙束の側面を前記各整合板が設けられた側板と対向する側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0016】
本発明によれば、送風手段による送風終了時に対向する側板の一方から整合板が突出し、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で対向する2辺のうちの一方の辺(整合板が設けられた側板に対向する辺)が、側板から突出した整合板に押されて、反対側の辺が側板に押し当てられる。これにより、送風終了後に自重で落下する用紙の各辺を揃えて回収することができ、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収することができる。また、送風終了時に整合板を突出させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、各側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、傾動自在に設けられた側板と、前記各側板を傾動させる側板駆動手段と、前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の傾動を制御する側板制御手段と、を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0018】
本発明によれば、用紙の周囲に配置された各側板が、送風手段による送風終了時に傾斜して、用紙を整合させる。シーズニング中、各用紙は送風手段からの送風を受けて浮き上がり、送風を終了すると、自重で落下する。この落下する過程で周囲4辺が、傾斜した各側板に当接し、この側板をガイドとして一定位置に落下し、整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、送風終了時に側板を傾斜させる構成であるため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、用紙にダメージを与えることなくシーズニングすることができる。さらに、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記載置台が傾斜して設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置を提供する。
【0020】
本発明によれば、さらに用紙の自重を利用して、各用紙の辺を側板又は整合板に当接させることができ、さらに効果的に用紙を整合させることができる。
【0021】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記載置台が傾動自在に設けられるとともに、前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、該載置台駆動手段の駆動を制御して、前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段とを備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置を提供する。
【0022】
本発明によれば、さらに用紙の自重を利用して、各用紙の辺を側板又は整合板に当接させることができ、さらに効果的に用紙を整合させることができる。
【0023】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記整合板は、前記用紙束の側面に当接する面の一部又は全部が傾斜して形成されることを特徴とする請求項2に記載のシーズニング装置を提供する。
【0024】
本発明によれば、整合板の用紙束の側面(用紙の辺)に当接する面の一部又は全部が傾斜して形成されている。傾斜させることにより、各用紙を集めやすくでき、より効率よく用紙を整合させることができる。
【0025】
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、傾斜して設けられた前記載置台と、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、を備えたことを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0026】
本発明によれば、送風を終了すると、各用紙が自重で落下し、自重で側板に当接されて、整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、各側板が用紙束から離間して設置されているため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【0027】
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、傾動自在に設けられた前記載置台と、前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、前記載置台駆動手段の駆動を制御して前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段と、を備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置を提供する。
【0028】
本発明によれば、載置台が傾動自在に設けられ、送風終了時に傾斜させられる。送風終了により自重で落下した用紙は、自重で側板に当接されて、整合される。これにより、シーズニングを終えた用紙束を載置台から容易に回収できる。また、各側板が用紙束から離間して設置されているため、シーズニング対象の用紙束を載置台の上に載置する際、側板が邪魔にならず、容易にセットすることができる。また、さまざまなサイズの用紙をシーズニングすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、シーズニング終了時に各用紙を揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係るシーズニング装置の第1の実施の形態を示す平面図
【図2】図1の2−2断面図
【図3】図1の3−3断面図
【図4】第1の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図5】第1の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図6】第1の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【図7】第1の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【図8】本発明に係るシーズニング装置の第2の実施の形態を示す平面図
【図9】図8の9−9断面図
【図10】図8の10−10断面図
【図11】第2の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図12】本発明に係るシーズニング装置の第3の実施の形態を示す平面図
【図13】第3の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図14】第3の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【図15】図14に示したシーズニング装置の作用の説明図
【図16】本発明に係るシーズニング装置の第4の実施の形態を示す平面図
【図17】第4の実施の形態のシーズニング装置の作用の説明図
【図18】本発明に係るシーズニング装置の第5の実施の形態を示す平面図
【図19】図18の19−19断面図
【図20】本発明に係るシーズニング装置の第6の実施の形態を示す平面図
【図21】図20の21−21
【図22】第6の実施の形態のシーズニング装置の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に従って本発明に係るシーズニング装置の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
《第1の実施の形態》
図1は本発明に係るシーズニング装置の第1の実施の形態を示す平面図である。また、図2は図1の2−2断面図であり、図3は図1の3−3断面図である。
【0033】
本実施の形態のシーズニング装置1は、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束Sを一括してシーズニングする装置であり、用紙束Sが載置される載置台10と、載置台10に載置された用紙束Sに向けて側方から環境風を送風するブロワ20と、載置台10に載置された用紙束Sの周囲を囲う側板30と、載置台10に載置された用紙束Sの上部を覆う天板40と、側板30から突出して用紙束Sを整合させる整合板50と、整合板50を駆動する整合板駆動アクチュエータ60と、ブロワ20と整合板駆動アクチュエータ60の駆動を制御する制御装置(図示せず)を備えて構成されている。
【0034】
載置台10は、用紙束Sを載置可能な平板で構成され、水平に設置される。載置台10の上面(載置面)には、用紙束Sの載置領域が設定され、この載置領域に用紙束Sが載置される。
【0035】
載置領域は、処理対象とする用紙Pの形状に対応して設定され、処理対象とする用紙Pのサイズよりも大きく設定される。処理対象とする用紙Pのサイズよりも大きく設定するのは、用紙束Sをセットしやすくするためである。すなわち、後述するように、載置領域は、周囲が側板30で囲われるので、処理対象とする用紙Pのサイズと同じサイズに設定すると、用紙束Sのセットが困難になる。このため、載置領域は、処理対象とする用紙Pのサイズよりも大きく設定し、セッティングの作業性を向上させる。なお、このように載置領域は、用紙束Sのセッティングの作業性を考慮して設定し、その範囲は必要最小限の範囲に設定することが好ましい。本実施の形態では、矩形状の用紙Pを処理対象としているので、載置領域は矩形状に設定される。また、処理対象とする用紙Pの外周よりも20〜30mm程度大きい領域に設定される。
【0036】
ブロワ20は、載置台10に載置された用紙束Sに向けて側方から環境風を送風する。本実施の形態では、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風を送風する(用紙束Sの長辺側の側面(=左右の側面)に向けて送風する)。このため、載置台10の上には、載置領域を挟んで左右両側に複数台のブロワ20が並列して配置される。なお、ブロワ20の設置数、設置間隔等は、使用するブロワ20の能力、サイズ等に応じて適宜設定される。本実施の形態では、載置領域の左右両側の辺に沿ってブロワ20の設置箇所が等間隔に設定されており、各設置箇所に2台のブロワが上下に積み重ねられて設置されている(図3参照)。
【0037】
このように配置されたブロワ20は、載置台10の上に用紙束Sが配置されると、用紙束Sの左右の側面(端面)に対向して配置される。すなわち、載置領域の右側の辺に沿って配置されたブロワ20は、用紙束Sの右側面に対向して配置され、載置領域の左側の辺に沿って配置されたブロワ20は、用紙束Sの左側面に対向して配置される。この結果、ブロワ20を駆動すると、載置台10に載置された用紙束Sに対して環境風が左右両側から水平に送風される。
【0038】
なお、本実施の形態では、左右両側から送風する構成としているが、ブロワ20のレイアウトは、これに限定されるものではなく、シーズニング対象とする用紙Pのサイズ等に応じて適宜変更することが好ましい。したがって、用紙束Sの周囲4面に面してブロワ20を設置し、4方向から送風する構成とすることもできる。また、一方向のみから送風する構成とすることもできる。
【0039】
また、使用するブロワ20は、特に限定されるものではなく、軸流ブロワや遠心ブロワ等の種々のブロワを使用することができる。本実施の形態では、軸流ブロワが使用されている。
【0040】
側板30は、載置領域の前側の辺に沿って配置される前側板30Fと、載置領域の右側の辺に沿って配置される右側板30Rと、後辺に沿って配置される後側板30Bと、左辺に沿って配置される左側板30Lとで構成され、載置領域の周囲4辺を囲うように配置される。
【0041】
各側板30F、30R、30B、30Lは平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。このように設置された側板30は、前側板30Fの内壁面と後側板30Bの内壁面とが、互いに対向して配置され、右側板30Rの内壁面と左側板30Lの内壁面とが、互いに対向して配置される。また、前側板30Fと後側板30Bとが、右側板30Rと左側板30Lに対して直交して配置される。
【0042】
なお、本実施の形態では、各コーナー部において、隣り合う側板同士が接合されて一体化されている(L字状に形成)。このように配置された側板30は、載置台10の上に用紙束Sが載置されると、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sの各側面に対向する。すなわち、前側板30Fは用紙束Sの前側面と対向し、右側板30Rは用紙束Sの右側面と対向する。また、後側板30Bは用紙束の後側面と対向し、左側板30Lは用紙束Sの左側面と対向する。
【0043】
なお、図1に示すように、前側板30Fと後側板30Bとには、それぞれ中央部に通風口31F、31Bが一定の幅をもって形成されている。各ブロワ20から送風された環境風は、用紙束Sの各用紙Pの間を通って、この通風口31F、31Bから外部に排気される。
【0044】
また、図1に示すように、右側板30Rと左側板30Lとには、ブロワ20の設置箇所に開口部32R、32Lが形成されており、ブロワ20が干渉しないように構成されている。
【0045】
さらに、図1に示すように、各側板30F、30R、30B、30Lには、所定幅を有するスリット33F、33R、33B、33Lが一定の間隔をもって複数箇所に形成されている。後述する整合板50は、このスリット33F、33R、33B、33Lを通して、各側板30F、30R、30B、30Lから出没させられる。
【0046】
天板40は、矩形状の平板で構成されており、載置台10の上に載置された用紙束Sの上部を覆うように配置される。載置台10の上には、この天板40を取り付けるための支柱41が垂直に立設されている。この支柱41は、前側板30Fと後側板30Bに形成された通風口31F、31Bの間に2本ずつ配置されており、その頂部に天板40の取付部41Aが形成されている。一方、天板40には、この取付部41Aに対応して固定部40Aが形成されている。天板40は、この固定部40Aを支柱41の頂部に形成された取付部41Aにビスでネジ止めすることにより、支柱41に取り付けられる。支柱41に取り付けられた天板40は、載置台10と平行に配置され、載置台10の上に載置された用紙束Sの上部を覆う。
【0047】
整合板50は、ブロワ20による送風終了時に各側板30F、30R、30B、30Lの内壁面から突出して、用紙束Sを整合させる。この整合板50は、前側板30Fから突出させる前整合板50Fと、右側板30Rから突出させる右整合板50Rと、後側板30Bから突出させる後整合板50Bと、左側板30Lから突出させる左整合板50Lとで構成される。各整合板50F、50R、50B、50Lは、各側板30F、30R、30B、30Lに対して少なくとも2枚配置され、それぞれ対称位置に配置される。本実施の形態では、前側板30Fには、2枚の前整合板50Fが対称位置に配置され、右側板30Rには、4枚の右整合板50Rが対称に配置されている。また、後側板30Bには、2枚の後整合板50Bが対称位置に配置され、左側板30Lには、4枚の左整合板50Lが対称に配置されている。各整合板50F、50R、50B、50Lは、矩形の板状に形成され、載置台10と天板40との間に挿通可能な高さをもって形成される。また、載置台10の上面に対して垂直に設置されるとともに、各側板30F、30R、30B、30Lに対して直交するように配置される。すなわち、前整合板50Fは前側板30Fに対して直交するように配置され、右整合板50Rは右側板30Rに対して直交するように配置される。また、後整合板50Bは後側板30Bに対して直交するように配置され、左整合板50Lは左側板30Lに対して直交するように配置される。
【0048】
上述した各側板30F、30R、30B、30Lに形成されるスリット33F、33R、33B、33Lは、各整合板50F、50R、50B、50Lの設置位置に対応して形成されるとともに、各整合板50F、50R、50B、50Lの厚さに対応して形成される。すなわち、各整合板50F、50R、50B、50Lを挿通可能な幅で形成される。
【0049】
整合板駆動アクチュエータ60は、各整合板50F、50R、50B、50Lに個別に設けられており、各整合板50F、50R、50B、50Lを個別に駆動する。すなわち、各整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lから個別に出没させる。この整合板駆動アクチュエータ60は、シリンダ(たとえば、エアシリンダ)で構成され、載置台10の上に水平に設置される。そして、図示しない制御装置に制御されて、そのロッドを水平に伸縮させる。各整合板50F、50R、50B、50Lは、それぞれ対応するシリンダのロッド先端部に取り付けられて、所定位置に設置される。各整合板50F、50R、50B、50Lは、この整合板駆動アクチュエータ60を駆動することにより、水平にスライドし、各側板30F、30R、30B、30Lから出没する。
【0050】
なお、各整合板50F、50R、50B、50Lの突出量は、処理対象とする用紙Pのサイズに応じて設定される。すなわち、用紙Pの中心を載置領域の中心に合わせて、用紙Pを載置台10の上に載置したとき、用紙Pの各辺から各側板30までの距離が突出量として設定される(図5参照)。たとえば、前整合板50Fの突出量は、用紙Pの前側の辺から前側板30Fまでの距離が突出量として設定され、右整合板50Rの突出量は、用紙Pの右側の辺から右側板30Rまでの距離が突出量として設定される。また、後整合板50Bの突出量は、用紙Pの後側の辺から後側板30Bまでの距離が突出量として設定され、左整合板50Lの突出量は、用紙Pの左側の辺から左側板30Lまでの距離が突出量として設定される。
【0051】
制御装置は、シーズニング装置1の操作を行うための操作部と、その操作部からの入力に基づいて、ブロワ20及び整合板駆動アクチュエータ60の駆動を制御するマイコンとを備えて構成される。マイコンは、所定の制御プログラムを実行して、ブロワ20及び整合板駆動アクチュエータ60の駆動を制御する。
【0052】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置1の作用について説明する。
【0053】
初期状態において、整合板50F、50R、50B、50Lは、側板30F、30R、30B、30Lの内壁面から退避した状態にある。
【0054】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。
【0055】
用紙束Sは、載置台10の上に設定された所定の載置領域に載置する。このとき、用紙束Sは、各側面が各側板30F、30R、30B、30Lと平行になるように載置する。これにより、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sの各側面と対向する。
【0056】
なお、用紙束Sのセットは、オペレータによる手作業で行われるが、上記のように、本実施の形態のシーズニング装置1では、載置領域が用紙Pのサイズよりも大きく設定されているので、簡単に用紙束Sを載置台10の上にセットすることができる。すなわち、オペレータが手作業で用紙束Sを載置台10の上にセットする場合、用紙束Sの両端を両手で把持して、用紙束Sを載置台10の上にセットすることとなるが、載置台10には、側板30が設置されているため、用紙Pと同じサイズで載置領域が設定されていると、用紙束Sを把持した手が側板30に当たり、作業が困難になる。一方、本実施の形態のように、載置領域を用紙Pのサイズよりも大きくとることにより、用紙束Sを両手で把持しながら、側板30で区画される空間に用紙束Sを入れることができ、簡単に用紙束Sを載置台10の上にセットすることができる。シーズニング終了後の用紙束Sを取り出す場合も同様である。
【0057】
用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。すなわち、支柱41の取付部41Aに天板40の固定部40Aをネジ止めする。これにより、載置台10に載置された用紙束Sの上部が天板40で覆われる。
【0058】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0059】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。
【0060】
ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。
【0061】
図4(a)は、送風中の用紙束Sの状態を示している。同図に示すように、側方から環境風が送風されると、送風された環境風が用紙Pと用紙Pの間に入り込み、シーズニングが行われる。用紙束Sは、ブロワ20から送風を受けることにより、各用紙Pが浮上し、全体の嵩が高くなる。なお、このように、各用紙Pは、ブロワ20から送風を受けることにより浮上するが、本実施の形態のシーズニング装置1では、用紙束Sの載置領域が用紙サイズよりも大きくとられているので、浮上した用紙Pが側板30に接触しても、ダメージを受けにくく、用紙Pを損傷させずにシーズニングすることができる。
【0062】
送風は一定時間継続して行われる。この送風時間(シーズニング時間)は、処理する用紙束Sのサイズ、枚数、ブロワ20の能力等に応じて適宜設定される。
【0063】
所定の送風時間が経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、整合板駆動アクチュエータ60を駆動し、各整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lから突出させる。
【0064】
各整合板50F、50R、50B、50Lが、各側板30F、30R、30B、30Lから突出すると、図4(b)に示すように、用紙束Sを構成する各用紙Pの周縁に各整合板50F、50R、50B、50Lの先端部が当接する。各用紙Pは、この周縁に当接する各整合板50F、50R、50B、50Lによって向きが矯正され、図5に示すように、各縁が揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で各周縁に各整合板50F、50R、50B、50Lが当接するので、容易に向きを揃えることができる。すなわち、各用紙Pが積み重ねられた状態で整合板50F、50R、50B、50Lを当接させても、用紙間の摩擦で用紙Pを動かすことはできないが、各用紙Pが、いまだ浮上している状態で各周縁に整合板50F、50R、50B、50Lを当接させることにより、少ない力で各用紙Pを動かすことができ、簡単に用紙Pを揃えて回収することができる。
【0065】
整合板50F、50R、50B、50Lは、一定時間突出状態を維持する。制御装置は、一定時間経過後、整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lの内側に退避させる。なお、整合板50F、50R、50B、50Lを突出させる時間は、少なくとも全ての用紙Pが落下するまでの時間を確保する。
【0066】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、上記のように、用紙束Sの載置領域が大きくとられているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置1によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。
【0068】
また、本実施の形態のシーズニング装置1では、用紙束Sの載置領域を用紙サイズよりも大きくとっているので、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。また、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。
【0069】
また、本実施の形態のシーズニング装置1では、用紙束Sの載置領域を用紙サイズよりも大きくとっているので、最大の用紙サイズに対応して載置領域を設定しておけば、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができるようになる。
【0070】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に整合板50F、50R、50B、50Lを側板30F、30R、30B、30Lから突出させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で、各整合板50F、50R、50B、50Lを用紙Pの各縁に当接できればよく、必ずしも送風停止と同時に各整合板50F、50R、50B、50Lを突出させる必要はない。したがって、送風停止の直前に整合板50F、50R、50B、50Lを突出させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に整合板50F、50R、50B、50Lを突出させるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態では、整合板50F、50R、50B、50Lを矩形の平板で構成し、その先端部(用紙Pとの当接部)を載置台10の上面に対して垂直に形成しているが、図6に示すように、先端部を傾斜させて形成してもよい。このように、用紙Pとの当接部を傾斜させることにより、傾斜部をガイドとして機能させることができ、よりスムーズに各用紙Pを揃えることができる。
【0072】
なお、同図に示す例では、一部(上半分)のみ傾斜させているが、全体を傾斜させて形成してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、平板で構成された整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lに対して直交するように配置し、その先端面を用紙Pの周縁に当接させる構成としているが、図7に示すように、平板で構成された整合板50F、50R、50B、50Lを各側板30F、30R、30B、30Lと平行に配置し、その端面を用紙Pの周縁に当接させる構成としてもよい。これにより、用紙Pに当接させる面を広くとることができ、より効果的に用紙Pを揃えることができる。
【0074】
また、上記実施の形態では、整合板駆動アクチュエータをシリンダで構成しているが、整合板50を駆動する手段は、これに限定されるものではない。整合板50を直動させることができるものであればよい。
【0075】
《第2の実施の形態》
図8は本発明に係るシーズニング装置の第2の実施の形態を示す平面図である。また、図9は図8の9−9断面図であり、図10は図8の10−10断面図である。
【0076】
本実施の形態のシーズニング装置2は、右側板30Rと後側板30Bにのみ整合板50R、50Bが配置され、右側板30Rと後側板30Bのみから整合板50R、50Bが突出する点で上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と相違する。
【0077】
なお、前側板30Fと左側板30Lからは整合板は突出しないので、前側板30Fと後側板30Bには、整合板を通すためのスリットが形成されていない。
【0078】
このように構成された本実施の形態のシーズニング装置2では、整合板50R、50Bで用紙Pの右縁及び後縁を押すことにより、用紙Pの前縁及び左縁をそれぞれ前側板30F及び左側板30Lの内壁面に当接させて、用紙Pを揃える。以下、この作用について説明する。
【0079】
まず、シーズニング対象の用紙束Sを載置台10の上にセットする。セット後、天板40を取り付け、操作部から運転開始を指示する。
【0080】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。
【0081】
ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0082】
送風は一定時間継続して行われ、所定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、整合板駆動アクチュエータ60を駆動し、整合板50R、50Bを右側板30R及び後側板30Bから突出させる。
【0083】
整合板50R、50Bが、右側板30R及び後側板30Bから突出すると、図11に示すように、各用紙Pの右縁に右整合板50Rの先端部が当接するとともに、後縁に後整合板50Bの先端部が当接する。用紙Pは、この右整合板50Rと後整合板50Bに押されて水平移動し、その前縁が前側板30Fの内壁面に当接する。また、これと同時に左縁が左側板30Lの内壁面に当接する。これにより、向きが揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で右周及び後縁に整合板50R、50Bが当接するので、容易に移動させることができる。すなわち、各用紙Pが積み重ねられた状態で整合板50R、50Bを当接させても、用紙間の摩擦で用紙Pを動かすことはできないが、各用紙Pが、いまだ浮上している状態で周縁に整合板50R、50Bを当接させることにより、少ない力で各用紙Pを動かすことができ、簡単に用紙Pを揃えることができる。
【0084】
制御装置は、一定時間経過後、整合板50R、50Bを側板30R、30Bの内側に退避させる。
【0085】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。
【0086】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置2においても、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えて回収することができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。
【0087】
なお、必ずしも送風停止と同時に整合板を突出させる必要はない点は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と同様である。
【0088】
また、本実施の形態のシーズニング装置2においても、整合板50R、50Bは、その先端部(用紙Pとの当接部)を傾斜させて形成してもよい。また、整合板50R、50Bは、側板30R、30Bと平行に配置してもよい。
【0089】
《第3の実施の形態》
図12は本発明に係るシーズニング装置の第3の実施の形態を示す平面図である。
【0090】
同図に示すように、本実施の形態のシーズニング装置3は、各側板30が進退移動自在に設けられている。
【0091】
なお、載置台10及びブロワ20の構成は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と同じなので、ここでは側板30の構成についてのみ説明する。
【0092】
図12に示すように、側板30は、載置領域の前側の辺に沿って配置される前側板30Fと、載置領域の右側の辺に沿って配置される右側板30Rと、後辺に沿って配置される後側板30Bと、左辺に沿って配置される左側板30Lとで構成され、載置領域の周囲4辺を囲うように配置される。
【0093】
前側板30Fは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この前側板30Fを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Fが形成される。前側板30Fを構成する2枚の平板は、それぞれ前側板駆動アクチュエータ70Fに駆動されて、後側板30Bに対して進退移動する。前側板駆動アクチュエータ70Fは、シリンダで構成され、前側板30Fを構成する2枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この前側板駆動アクチュエータ70Fの駆動を制御して、前側板30Fを後側板30Bに対して進退移動させる。
【0094】
右側板30Rは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の右辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この右側板30Rを構成する4枚の平板の間に配置される。右側板30Rを構成する4枚の平板は、それぞれ右側板駆動アクチュエータ70Rに駆動されて、左側板30Lに対して進退移動する。右側板駆動アクチュエータ70Rは、シリンダで構成され、右側板30Rを構成する4枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この右側板駆動アクチュエータ70Rの駆動を制御して、右側板30Rを左側板30Lに対して進退移動させる。
【0095】
後側板30Bは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この後側板30Bを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Bが形成される。後側板30Bを構成する2枚の平板は、それぞれ後側板駆動アクチュエータ70Bに駆動されて、前側板30Fに対して進退移動する。後側板駆動アクチュエータ70Bは、シリンダで構成され、後側板30Bを構成する2枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この後側板駆動アクチュエータ70Bの駆動を制御して、後側板30Bを前側板30Fに対して進退移動させる。
【0096】
左側板30Lは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の左辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この左側板30Lを構成する4枚の平板の間に配置される。左側板30Lを構成する4枚の平板は、それぞれ左側板駆動アクチュエータ70Lに駆動されて、右側板30Rに対して進退移動する。左側板駆動アクチュエータ70Lは、シリンダで構成され、左側板30Lを構成する4枚の平板は、このシリンダのロッド先端部に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この左側板駆動アクチュエータ70Lの駆動を制御して、左側板30Lを右側板30Rに対して進退移動させる。
【0097】
このように設置された側板30は、前側板30Fの内壁面と後側板30Bの内壁面とが、互いに対向して配置され、右側板30Rの内壁面と左側板30Lの内壁面とが、互いに対向して配置される。また、前側板30Fと後側板30Bとが、右側板30Rと左側板30Lに対して直交して配置される。そして、各側板駆動アクチュエータ70(70F、70R、70B、70L)を駆動すると、前側板30Fと後側板30Bとの間隔が拡縮するとともに、右側板30Rと左側板30Lとの間隔が拡縮する。
【0098】
なお、各側板30F、30R、30B、30Lは、天板40の高さよりも低く形成され、天板40の下に進入可能に形成される。
【0099】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置3の作用について説明する。
【0100】
初期状態において、各側板30F、30R、30B、30Lは、所定の初期位置に位置している。この初期位置は、処理対象とする用紙束Sを載置台10の上に載置したときに用紙束Sの各側面から一定距離離間する位置に設定される。
【0101】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。
【0102】
用紙束Sは、載置台10の上に設定された所定の載置領域に載置する。このとき、用紙束Sは、各側面が各側板30F、30R、30B、30Lと平行になるように載置する。これにより、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sの各側面と対向する。また、用紙束Sのセットは、オペレータによる手作業で行われるが、上記のように、各側板30F、30R、30B、30Lが画成する空間は、用紙束Sよりも大きくとられているため、簡単に用紙束Sを載置台10の上にセットすることができる。
【0103】
用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。これにより、載置台10に載置された用紙束Sの上部が天板40で覆われる。
【0104】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0105】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0106】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを対向する側板30F、30R、30B、30Lに向けて所定量前進させる。
【0107】
各側板30F、30R、30B、30Lが、対向する側板30F、30R、30B、30Lに向かって前進すると、図13に示すように、用紙束Sを構成する各用紙Pの周縁に各側板30F、30R、30B、30Lが当接する。各用紙Pは、この周縁に当接する各側板30F、30R、30B、30Lによって向きが矯正され、各縁が一定方向に揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で各周縁に各側板30F、30R、30B、30Lが当接するので、容易に向きを揃えることができる。すなわち、各用紙Pが積み重ねられた状態で側板30F、30R、30B、30Lを当接させても、用紙間の摩擦で用紙Pを動かすことはできないが、各用紙Pが、いまだ浮上している状態で各周縁に側板30F、30R、30B、30Lを当接させることにより、少ない力で用紙Pを動かすことができ、簡単に用紙Pを揃えることができる。
【0108】
なお、各側板30F、30R、30B、30Lの移動量は、処理対象とする用紙Pのサイズに応じて設定される。すなわち、前側板30Fと後側板30Bは、移動後の間隔が、用紙Pの縦幅と同じになるように設定し、右側板30Rと左側板30Lは、移動後の間隔が、用紙Pの横幅と同じになるように設定する。
【0109】
各側板30F、30R、30B、30Lは、一定時間経過後、初期位置に復帰する。制御装置は、一定時間経過後、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを後退させて、初期位置に移動させる。
【0110】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、上記のように、各側板30F、30R、30B、30Lが、用紙束Sから退避しているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置3によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。また、本実施の形態のシーズニング装置3では、側板30F、30R、30B、30Lが移動自在に設けられているので、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができる。
【0112】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを移動させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で、各側板30F、30R、30B、30Lを用紙Pの各縁に当接できればよく、必ずしも送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを移動させる必要はない。したがって、送風停止の直前に側板30F、30R、30B、30Lを移動させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に側板30F、30R、30B、30Lを移動させるようにしてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、各側板30F、30R、30B、30Lを個別に移動させる構成としているが、図14及び図15に示すように、側板30を構成する各コーナー部30Cを進退移動自在に構成することによっても、同様に用紙束Sを揃えることができる。この場合、少なくとも1つのコーナー部を移動自在に構成することによっても、同様に用紙束Sを揃えることができる。
【0114】
また、上記実施の形態では、各側板30F、30R、30B、30Lをすべて移動させる構成としているが、一部のみを移動させる構成としてもよい。たとえば、右側板30Rと左側板30Lについては、中央の2枚のみを可動とし、両端の2枚は固定としてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態では、側板駆動アクチュエータ70をシリンダで構成しているが、側板駆動アクチュエータの構成は、これに限定されるものではない。側板30を直動させることができるものであればよい。
【0116】
《第4の実施の形態》
図16は本発明に係るシーズニング装置の第4の実施の形態を示す平面図である。
【0117】
本実施の形態のシーズニング装置4は、前側板30Fと右側板30Rとが固定され、後側板30Bと左側板30Lのみが移動できるように構成されている点で上述した第3の実施の形態のシーズニング装置3と相違する。
【0118】
このように構成された本実施の形態のシーズニング装置4では、後側板30Bと左側板30Lとで用紙Pの後縁及び左縁を押すことにより、用紙Pの前縁及び右縁をそれぞれ前側板30F及び右側板30Rの内壁面に当接させて、用紙Pを揃える。以下、この作用について説明する。
【0119】
初期状態において、後側板30Bと左側板30Lは、所定の初期位置に位置している。
【0120】
まず、オペレータは、シーズニング対象の用紙束Sを載置台10の上にセットする。次いで、支柱41に天板40を取り付ける。
【0121】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0122】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0123】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、後側板駆動アクチュエータ70Bと左側板駆動アクチュエータ70Lを駆動し、後側板30Bと左側板30Lとを、それぞれ前側板30Fと右側板30Rに向けて所定量前進させる。
【0124】
後側板30Bと左側板30Lとが前進すると、用紙束Sを構成する各用紙Pの後縁と左縁に後側板30Bと左側板30Lの内壁面が当接し、各用紙Pを前側板30F及び右側板30Rに向けて移動させる。そして、用紙Pの前縁と右縁を前側板30Fと右側板30Rの内壁面に当接させる。これにより、各用紙Pの向きが揃えられる。この際、各用紙Pは、落下する過程で後縁及び左縁に後側板30Bと左側板30Lが当接するので、容易に移動させることができ、容易に向きを揃えることができる。
【0125】
なお、後側板30Bと左側板30Lの移動量は、処理対象とする用紙Pのサイズに応じて設定される。すなわち、後側板30Bは、移動後の前側板30Fとの間隔が、用紙Pの縦幅と同じになるように設定し、左側板30Lは、移動後の右側板30Rとの間隔が、用紙Pの横幅と同じになるように設定する。
【0126】
後側板30Bと左側板30Lは、一定時間経過後、初期位置に復帰する。制御装置は、一定時間経過後、後側板駆動アクチュエータ70Bと左側板駆動アクチュエータ70Lとを駆動し、後側板30Bと左側板30Lとを初期位置に移動させる。
【0127】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、後側板30Bと左側板30Lが、用紙束Sから退避しているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置4によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。また、本実施の形態のシーズニング装置4では、後側板30Bと左側板30Lとが移動自在に設けられているので、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができる。
【0129】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に後側板30Bと左側板30Lとを移動させる構成としているが、用紙Pが浮上している間に各側板30B、30Lを用紙Pに当てて移動させられれば、必ずしも送風停止と同時に各側板30B、30Lを移動させる必要はない。したがって、送風停止の直前に各側板30B、30Lを移動させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に各側板30B、30Lを移動させるようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、後側板30Bと左側板30Lとを移動させる構成としているが、対向する側板の一方を移動させればよいので、その組み合わせは適宜変更することができる。
【0131】
《第5の実施の形態》
図18は本発明に係るシーズニング装置の第5の実施の形態を示す平面図である。また、図19は、図18の19−19断面図である。
【0132】
同図に示すように、本実施の形態のシーズニング装置5は、各側板30が傾動可能に設けられている。
【0133】
なお、載置台10及びブロワ20の構成は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1と同じなので、ここでは側板30の構成についてのみ説明する。
【0134】
図18に示すように、側板30は、載置領域の前側の辺に沿って配置される前側板30Fと、載置領域の右側の辺に沿って配置される右側板30Rと、後辺に沿って配置される後側板30Bと、左辺に沿って配置される左側板30Lとで構成され、載置領域の周囲4辺を囲うように配置される。
【0135】
前側板30Fは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この前側板30Fを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Fが形成される。前側板30Fを構成する2枚の平板は、それぞれ前側板駆動アクチュエータ70Fに駆動されて傾動する。前側板駆動アクチュエータ70Fは、モータで構成され、前側板30Fを構成する2枚の平板は、ブラケット30fを介して、このモータの出力軸に取り付けられている。制御装置(図示せず)は、この前側板駆動アクチュエータ70Fの駆動を制御して、前側板30Fを傾動させる。
【0136】
右側板30Rは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の右辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この右側板30Rを構成する4枚の平板の間に配置される。右側板30Rを構成する4枚の平板は、それぞれ右側板駆動アクチュエータ70Rに駆動されて傾動する。右側板駆動アクチュエータ70Rは、モータで構成され、右側板30Rを構成する4枚の平板は、ブラケット30rを介して、このモータの出力軸に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この右側板駆動アクチュエータ70Rの駆動を制御して、右側板30Rを傾動させる。
【0137】
後側板30Bは、2枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。この後側板30Bを構成する2枚の平板は、一定の間隔をもって配置され、その間に通風口31Bが形成される。
【0138】
後側板30Bを構成する2枚の平板は、それぞれ後側板駆動アクチュエータ70Bに駆動されて傾動する。後側板駆動アクチュエータ70Bは、モータで構成され、後側板30Bを構成する2枚の平板は、ブラケット30bを介して、このモータの出力時に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この後側板駆動アクチュエータ70Bの駆動を制御して、後側板30Bを傾動させる。
【0139】
左側板30Lは、4枚の平板で構成され、それぞれ載置台10の上面に対して垂直に設置される。載置領域の左辺に沿って配置される3台のブロワ20は、この左側板30Lを構成する4枚の平板の間に配置される。左側板30Lを構成する4枚の平板は、それぞれ左側板駆動アクチュエータ70Lに駆動されて傾動する。左側板駆動アクチュエータ70Lは、モータで構成され、左側板30Lを構成する4枚の平板は、ブラケット30lを介して、このモータの出力時に取り付けられる。制御装置(図示せず)は、この左側板駆動アクチュエータ70Lの駆動を制御して、左側板30Lを傾動させる。
【0140】
このように設置された側板30は、前側板30Fの内壁面と後側板30Bの内壁面とが、互いに対向して配置され、右側板30Rの内壁面と左側板30Lの内壁面とが、互いに対向して配置される。また、前側板30Fと後側板30Bとが、右側板30Rと左側板30Lに対して直交して配置される。そして、各側板駆動アクチュエータ70(70F、70R、70B、70L)を駆動すると、各側板30F、30R、30B、30Lが傾動し、全体がシュート状(下方が窄まった形状)に形成される(図19(b)参照)。
【0141】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置5の作用について説明する。
【0142】
図19(a)に示すように、初期状態において、各側板30F、30R、30B、30Lは、載置台10の上面に対して垂直な姿勢をとる。
【0143】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。
【0144】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0145】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0146】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させる。これにより、図19(b)に示すように、各側板30F、30R、30B、30Lは、全体がシュート状に形成される。各用紙Pは、落下する過程で、このシュート状に形成された側板30にガイドされて、向きが揃えられる。すなわち、各用紙Pは、送風が停止されることにより自重で落下するので、この落下過程で各側板30F、30R、30B、30Lにガイドされて、向きが揃えられる。
【0147】
各側板30F、30R、30B、30Lは、一定時間経過後、初期状態に復帰する(図19(a)参照)。制御装置は、一定時間経過後、各側板駆動アクチュエータ70F、70R、70B、70Lを駆動し、各側板30F、30R、30B、30Lを垂直な姿勢に戻す。
【0148】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、各側板30F、30R、30B、30Lが用紙束Sから離れた位置に位置しているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0149】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置5によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。また、本実施の形態のシーズニング装置5では、側板30F、30R、30B、30Lが傾動可能に設けられているので、1台でさまざまなサイズの用紙束Sを処理することができる。
【0150】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で、各側板30F、30R、30B、30Lを用紙Pの各縁に当接できればよく、必ずしも送風停止と同時に各側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させる必要はない。したがって、送風停止の直前に側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に側板30F、30R、30B、30Lを傾斜させるようにしてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態では、各側板30F、30R、30B、30Lをすべて傾斜させる構成としているが、一部のみ傾斜させるようにしてもよい。たとえば、右側板30Rと左側板30Lについては、中央の2枚のみ傾動可能に構成し、中央の2枚のみを傾斜させるようにしてもよい。
【0152】
また、上記実施の形態では、側板駆動アクチュエータ70をモータで構成しているが、側板駆動アクチュエータ70の構成は、これに限定されるものではない。側板30を傾動させることができる構成のものであればよい。
【0153】
《第6の実施の形態》
図20は本発明に係るシーズニング装置の第6の実施の形態を示す平面図である。また、図21は、図20の21−21断面図である。
【0154】
同図に示すように、本実施の形態のシーズニング装置6は、載置台10が傾動可能に設けられている。
【0155】
なお、ブロワ20及び側板30の構成は、上述した第1の実施の形態のシーズニング装置1とほぼ同じなので、ここでは載置台10の構成についてのみ説明する。
【0156】
図21に示すように、載置台10は、ベースプレート11の上に載置台傾動機構12を介して設置されている。
【0157】
載置台傾動機構12は、自由雲台13と、4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dとで構成される。
【0158】
自由雲台13は、載置台10の下面中央に配置され、載置台10をベースプレート11に対して傾動自在に支持する。
【0159】
4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dは、載置台10の四隅に配置される。この4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dは、ベースプレート11の上面に垂直に立設されておりは、そのロッドの頂部が、それぞれ載置台10の下面四隅に当接されている。載置台10は、この4本のシリンダ14A、14B、14C、14Dを個別に制御することにより傾動する。すなわち、たとえば、シリンダ14A、14Bのロッドのみを収縮させれば、右下下がりに傾斜し、シリンダ14B、14Cのロッドのみを収縮させれば、後下下がりに傾斜する。また、各ロッドの伸張量を等しくすれば、載置台10は水平に保持される。
【0160】
各シリンダ14A、14B、14C、14Dの駆動は、図示しない制御装置によって個別に制御される。制御装置は、各シリンダ14A、14B、14C、14Dの駆動を個別に制御して、載置台10の傾斜を制御する。
【0161】
次に、上記のように構成された本実施の形態のシーズニング装置6の作用について説明する。
【0162】
図21(a)に示すように、初期状態において、載置台10は水平に保持される。
【0163】
まず、シーズニング対象の用紙束S(たとえば、水性インクを用いてインクジェット印刷機で印刷された汎用紙の用紙束)を載置台10の上にセットする。用紙束Sを載置台10の上にセットした後、天板40を取り付ける。
【0164】
以上により、用紙束Sのセッティングが完了する。この後、オペレータは、操作部から運転開始を指示し、シーズニング動作を開始させる。
【0165】
運転開始が指示されると、制御装置は、各ブロワ20を駆動し、一定風量で送風を開始する。ブロワ20が駆動されると、載置台10に載置された用紙束Sに向けて左右両側から環境風が一定風量で送風される。これにより、各用紙Pがシーズニングされる。
【0166】
送風は一定時間継続して行われ、一定時間経過すると、制御装置は、ブロワ20の駆動を停止する。これと同時に、制御装置は、シリンダ14A、14B、14C、14Dの駆動を制御し、載置台10を傾斜させる。たとえば、右前部が下側に向くように傾斜させる。
【0167】
このように、載置台10を傾斜させると、各用紙Pは、載置台10に倣って傾斜し、自重でその前縁と右縁が前側板30Fと右側板30Rの内壁面に当接する。この結果、各用紙Pの向きが揃えられる。
【0168】
この際、各用紙Pが、いまだ浮上している間に載置台10を傾斜させているので、効率よく用紙Pを揃えることができる。すなわち、各用紙Pが浮上している状態で載置台10を傾斜させることにより、用紙間の摩擦の影響を少なくすることができ、効率よく各用紙Pを揃えることができる。
【0169】
載置台10は、一定時間経過後、水平に戻される。制御装置は、一定時間経過後、シリンダ14A、14B、14C、14Dを駆動し、載置台10を水平に戻す。
【0170】
以上一連の工程でシーズニング処理が終了する。この後、オペレータは、天板40を外し、用紙束Sを回収する。この際、用紙束Sは各用紙Pの向きが整えられているので、容易に回収することができる。また、後側板30B及び左側板30Lと用紙束Sとの間には十分なスペースが確保されているので、手作業でも簡単に取り出すことができる。
【0171】
以上説明したように、本実施の形態のシーズニング装置6によれば、シーズニング終了後の各用紙Pの向きを揃えることができる。これにより、シーズニング後の用紙束Sの取り扱いを容易にすることができる。また、用紙束Sのセッティングや取り出しも簡単に行うことができ、効率よくシーズニング作業を行うことができる。さらに、シーズニング中も用紙Pに損傷を与えることなく、シーズニング処理を行うことができる。
【0172】
なお、上記実施の形態では、送風停止と同時に載置台10を傾斜させる構成としているが、用紙Pが浮上している状態で傾斜させればよく、必ずしも送風停止と同時に傾斜させる必要はない。したがって、送風停止の直前に傾斜させるようにしてもよいし、また、送風停止直後に傾斜させるようにしてもよい。
【0173】
また、上記実施の形態では、載置台10を傾斜させたまま一定時間保持しているが、傾斜させたまま振動を与える構成としてもよい。
【0174】
また、上記実施の形態では、送風終了時に載置台10を傾斜させる構成としているが、送風開始から傾斜させる構成としてもよい。この場合も同様の効果を得ることができる。
【0175】
なお、載置台10は、送風開始から傾斜させておいてもよいので、載置台自体を傾斜させて構成してもよい。たとえば、図22に示すように、載置台10の上面(載置面)を傾斜させて形成してもよい。
【0176】
また、上記実施の形態では、載置台傾動機構12を自由雲台13とシリンダ14A、14B、14C、14Dで構成しているが、載置台傾動機構12の構成は、これに限定されるものではない。載置台10を傾動させることができる構成であればよい。
【0177】
また、上記実施の形態では、任意の方向に傾動できる構成としているが、載置台10は少なくとも一方向に傾動できる構成であればよい。したがって、たとえば、右前側にのみ傾動できる構成であってもよい。
【0178】
《その他の実施の形態》
第6の実施の形態で説明した載置台10を傾斜させる構成は、他の実施の形態のシーズニング装置にも適用することができる。特に、第2、第4の実施の形態で説明したシーズニング装置2、4に適用することにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。すなわち、用紙Pの縁を当接させる側の側板に向けて、載置台10を傾斜させることにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。たとえば、第2の実施の形態のシーズニング装置2であれば、左前側が下に向くように、載置台10を傾斜させることにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。また、第4の実施の形態のシーズニング装置4であれば、右前側が下に向くように、載置台10を傾斜させることにより、より効率よく用紙Pを揃えることができる。この場合、載置台10は、載置台傾動機構12によって傾動可能に設けてもよいし(図21参照)、あらかじめ載置面を傾斜させて設けてもよい(図22参照)。
【符号の説明】
【0179】
1〜6…シーズニング装置、P…用紙、S…用紙束、10…載置台、11…ベースプレート、12…載置台傾動機構、13…自由雲台、14A〜14D…シリンダ、20…ブロワ、30…側板、30F…前側板、30R…右側板、30B…後側板、30L…左側板、30f、30r、30b、30l…ブラケット、30C…コーナー部、31B、31F…通風口、32R、32L…開口部、33F、33R、33B、33L…スリット、40…天板、40A…固定部、41…支柱、41A…取付部、50…整合板、50F…前整合板、50R…右整合板、50B…後整合板、50L…左整合板、60…整合板駆動アクチュエータ、70…側板駆動アクチュエータ、70F…前側板駆動アクチュエータ、70R…右側板駆動アクチュエータ、70B…後側板駆動アクチュエータ、70L…左側板駆動アクチュエータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、各側面に対して進退移動自在に設けられた側板と、
前記各側板を移動させる側板駆動手段と、
前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の移動を制御する側板制御手段と、
を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を前記用紙束の各側面に当接する位置に移動させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項2】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
前記各側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、
前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、
前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、
を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項3】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の第1の側面に対向して配置される第1の固定側板と、
前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第1の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第1の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第1の可動側板と、
前記載置台に載置された用紙束の第2の側面に対向して配置される第2の固定側板と、
前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第2の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第2の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第2の可動側板と、
前記第1の可動側板と前記第2の可動側板を移動させる可動側板駆動手段と、
前記可動側板駆動手段を制御して、前記第1の可動側板と前記第2の可動側板の移動を制御する可動側板制御手段と、
を備え、前記可動側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記第1の可動側板を前記第1の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第1の側面を前記第1の固定側板に当接させて、整合させるとともに、前記第2の可動側板を前記第2の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第2の側面を前記第2の固定側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項4】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
前記4つの側板のうち互いに対向しない2つの側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、
前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、
前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、
を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させることにより、前記用紙束の側面を前記各整合板が設けられた側板と対向する側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項5】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、傾動自在に設けられた側板と、
前記各側板を傾動させる側板駆動手段と、
前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の傾動を制御する側板制御手段と、
を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項6】
前記載置台が傾斜して設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置。
【請求項7】
前記載置台が傾動自在に設けられるとともに、前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、該載置台駆動手段の駆動を制御して、前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段とを備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置。
【請求項8】
前記整合板は、前記用紙束の側面に当接する面の一部又は全部が傾斜して形成されることを特徴とする請求項2に記載のシーズニング装置。
【請求項9】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
傾斜して設けられた前記載置台と、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
を備えたことを特徴とするシーズニング装置。
【請求項10】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
傾動自在に設けられた前記載置台と、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、
前記載置台駆動手段の駆動を制御して前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段と、
を備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項1】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、各側面に対して進退移動自在に設けられた側板と、
前記各側板を移動させる側板駆動手段と、
前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の移動を制御する側板制御手段と、
を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を前記用紙束の各側面に当接する位置に移動させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項2】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
前記各側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、
前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、
前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、
を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項3】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の第1の側面に対向して配置される第1の固定側板と、
前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第1の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第1の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第1の可動側板と、
前記載置台に載置された用紙束の第2の側面に対向して配置される第2の固定側板と、
前記載置台に載置された用紙束を挟んで前記第2の固定側板と対向して配置されるとともに、前記第2の固定側板に対して進退移動自在に設けられた第2の可動側板と、
前記第1の可動側板と前記第2の可動側板を移動させる可動側板駆動手段と、
前記可動側板駆動手段を制御して、前記第1の可動側板と前記第2の可動側板の移動を制御する可動側板制御手段と、
を備え、前記可動側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記第1の可動側板を前記第1の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第1の側面を前記第1の固定側板に当接させて、整合させるとともに、前記第2の可動側板を前記第2の固定側板に向けて移動させることにより、前記用紙束の第2の側面を前記第2の固定側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項4】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
前記4つの側板のうち互いに対向しない2つの側板から前記用紙束の側面に向けて出没自在に設けられた整合板と、
前記各整合板を前記各側板から出没させる整合板駆動手段と、
前記整合板駆動手段を制御して、前記各整合板の出没を制御する整合板制御手段と、
を備え、前記整合板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各整合板を前記各側板から突出させることにより、前記用紙束の側面を前記各整合板が設けられた側板と対向する側板に当接させて、整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項5】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に対向して配置されるとともに、傾動自在に設けられた側板と、
前記各側板を傾動させる側板駆動手段と、
前記側板駆動手段を制御して、前記各側板の傾動を制御する側板制御手段と、
を備え、前記側板制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記各側板を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【請求項6】
前記載置台が傾斜して設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置。
【請求項7】
前記載置台が傾動自在に設けられるとともに、前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、該載置台駆動手段の駆動を制御して、前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段とを備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーズニング装置。
【請求項8】
前記整合板は、前記用紙束の側面に当接する面の一部又は全部が傾斜して形成されることを特徴とする請求項2に記載のシーズニング装置。
【請求項9】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
傾斜して設けられた前記載置台と、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
を備えたことを特徴とするシーズニング装置。
【請求項10】
載置台に載置された用紙束に向けて側方から送風手段で送風して、前記用紙束をシーズニングするシーズニング装置において、
傾動自在に設けられた前記載置台と、
前記載置台に載置された用紙束の各側面に所定の隙間をもって対向して配置される側板と、
前記載置台を傾動させる載置台駆動手段と、
前記載置台駆動手段の駆動を制御して前記載置台の傾動を制御する載置台制御手段と、
を備え、前記載置台制御手段は、前記送風手段による送風終了時に前記載置台を傾斜させて、前記用紙束を整合させることを特徴とするシーズニング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
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【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−162310(P2011−162310A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26796(P2010−26796)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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