説明

シート処理装置及び画像形成装置

【課題】高い生産性で、画像形成可能領域が広い切欠部を形成することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】処理トレイ613に積載されたシート束をシートホルダ616により押圧すると共に、回転駆動部により、処理トレイ613を回転させる。そして、処理トレイ613が回転する際、処理トレイ613に積載されたシート束の回転軌跡内に位置するカッターブレード611により、シートの角部を切断して円弧状の切欠部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置及び画像形成装置に関し、特にシート束の角部を切断してシート束の索引となる切欠部を形成するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機や印刷に関連する分野として、オン・デマンド・プリントと呼ばれる分野が注目されている。オン・デマンド・プリントでは多品種、小ロットの需要に応えることができることから、マニュアル等のドキュメント、個人向けパンフレット冊子の製作等に適している。更に、印刷在庫の大幅な削減、データ入力から製本完了までの工数時間の短縮、顧客とデジタル回線を通して繋がることによるデータ転送の容易さ等に基づく納期の大幅な短縮、デリバリコストの削減等が実現できるという特徴を有している。
【0003】
このようなオン・デマンド・プリント技術を達成する画像形成装置として、従来、例えば画像形成装置本体の上流部及び下流部に様々な種類の装置を連結させて、大量一括処理を実施している画像形成装置がある。そして、このような画像形成装置の一例として、画像形成装置本体の上流部に大容量の給紙装置を連結し、画像形成装置本体の下流部にシートにタブを形成するタブ処理を施すシート処理装置を連続的に連結したものがある。
【0004】
そして、このようなシート処理装置としては、パンチをシート搬送方向と直交する方向に移動させることにより、シートの前端部または後端部にタブを形成するようにしたものがある(特許文献1参照)。また、他のシート処理装置としては、カッタによりシートのシート搬送方向先端奥側の一角を裁断することにより、シートの角部に索引となる切欠部(タブ)を形成するようにしたものがある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004−525840号公報
【特許文献2】特開2007−99428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような従来のシート処理装置を備えた画像形成装置において、特許文献1記載のもののように、パンチにより切欠部(タブ)を形成する場合、シート1枚毎に処理を行う必要がある。このため、シート1枚に対する切欠部処理時間や、切欠部形成位置を変える際のパンチやパンチプレート移動時間を考慮すると、画像形成装置の生産性を維持することが難しい。また、切欠部を形成するためには、シートの前端部または後端部の一部を断裁する必要があるため、シートの画像形成可能な領域が制限される。
【0007】
一方、特許文献2記載のものの場合も、搬送途中でシートを停止させて切欠部を形成するため、画像形成装置の生産性を維持することが難しい。また、シートの角部に切欠部を形成する場合、シートの前端部または後端部に切欠部を形成する場合に較べて画像形成可能領域は広くなるが、やはりシートの画像形成可能な領域が制限される。
【0008】
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、高い生産性で、画像形成可能領域が広い切欠部を形成することのできるシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シート積載部に搬送されたシート束の角部を切断してシート束の索引となる切欠部を形成するシート処理装置において、前記シート積載部に積載されたシート束を保持する保持部材と、前記シート積載部を回転させる回転駆動部と、前記回転駆動部により回転する前記シート積載部に積載されたシート束の回転軌跡内に位置し、シート束が回転する際、シート束の角部を切断して前記切欠部を形成する切断部材と、を備え、前記回転駆動部により前記シート積載部を回転させている間に、前記保持部材により保持されたシート束の角部を前記切断部材により切断して円弧状の切欠部を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のように、シート束が積載されたシート積載部を回転させ、シート束の回転軌跡内に位置する切断部材により、シートの角部を切断して円弧状の切欠部を形成することにより、高い生産性で、画像形成可能領域が広い切欠部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置を説明する図。
【図2】上記シート処理装置であるタブ処理装置の斜視図。
【図3】上記タブ処理装置の側面図。
【図4】画像形成装置本体の制御部の制御ブロック図。
【図5】タブ処理装置制御部の制御ブロック図。
【図6】上記タブ処理装置のタブ形成動作制御を示す第1のフローチャート。
【図7】上記タブ処理装置のタブ形成動作制御を示す第2のフローチャート。
【図8】上記タブ処理装置のタブ形成動作を示す第1の図。
【図9】上記タブ処理装置のタブ形成動作を示す第2の図。
【図10】上記タブ形成動作制御の際のタブ屑処理制御を示すフローチャート。
【図11】上記タブ処理装置により形成されたタブの形状を説明する図。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るシート処理装置であるタブ処理装置の構成を示す斜視図。
【図13】上記タブ処理装置の側面図。
【図14】タブ処理装置制御部の制御ブロック図。
【図15】上記タブ処理装置のタブ形成動作制御を示す第1のフローチャート。
【図16】上記タブ処理装置のタブ形成動作制御を示す第2のフローチャート。
【図17】上記タブ処理装置のタブ形成動作を示す第1の図。
【図18】上記タブ処理装置のタブ形成動作を示す第2の図。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係るタブ処理装置の構成を示す斜視図。
【図20】上記タブ処理装置の構成を示す平面図。
【図21】上記タブ処理装置の構成を示す側面図。
【図22】上記タブ処理装置を備えた画像形成装置を説明する図。
【図23】タブ処理装置制御部の制御ブロック図。
【図24】上記タブ処理装置のタブ形成動作制御を示す第1のフローチャート。
【図25】上記タブ処理装置のタブ形成動作制御を示す第2のフローチャート。
【図26】上記タブ処理装置のタブ形成動作を示す第1の図。
【図27】上記タブ処理装置のタブ形成動作を示す第2の図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るシート処理装置を備えた画像形成装置を説明する図である。図1において、400は画像形成装置、401は白黒及びカラーの画像形成を行う画像形成装置本体、800は画像形成装置本体401にシートを給送する給紙装置である。画像形成装置本体401は、原稿給送装置450、不図示のイメージリーダ部、画像形成部であるプリンタ部等を備えている。そして、シートに画像を形成する際には、原稿給送装置450により給送した原稿の画像をイメージリーダ部により読み取ると共に、給紙装置800から給紙されたシートに対し、プリンタ部において、イメージリーダ部により読み取った画像を形成する。
【0013】
600は、画像形成装置本体401によって画像が形成されたシートに対して、選択的に索引となる切欠部であるタブを形成するシート処理装置であるタブ処理装置である。また、900はタブ処理装置600により選択的にタブが形成されたシートに対して、仕分処理、ステイプラによる平綴じ処理等を施すフィニッシャである。
【0014】
このように、本実施の形態に係る画像形成装置400は、直列状に配置された給紙装置800、画像形成装置本体401、タブ処理装置600、フィニッシャ900を備えている。このような構成の画像形成装置400では、画像形成装置本体401により画像が形成されて排出されたシートは、タブ処理装置600により選択的にタブが形成された後、フィニッシャ900に搬送される。そして、フィニッシャ900により仕分処理等が施された後、最下流部に設けられたトレイ950上に排出される。
【0015】
ところで、タブ処理装置600は、図2及び図3に示すように、画像形成装置本体401から排出されたシートを載置して回転するシート積載部である処理トレイ613を備えている。また、処理トレイ613に載置されたシートのシート搬送方向下流側端(以下、先端という)と当接するシートストッパ610を備えている。さらに、シートストッパ610と当接しているシートの先端の図2において、シート搬送方向(x方向)と直交する幅方向(y方向)の一端側の角部を裁断(切断)する切断部材であるカッターブレード611を備えている。
【0016】
ここで、シートストッパ610はシートストッパモータ650によってシート搬送方向(矢印x方向)と45度をなす方向に移動可能となっている。また、カッターブレード611は、移動部であるカッターブレード調整モータ651によって幅方向(矢印y方向)に移動可能となっている。そして、これらシートストッパ610及びカッターブレード611は、シートがタブ処理装置600に搬送される前に、シートサイズに応じた位置に移動する。なお、シートストッパ610はシートの先端と突き当たる第1突き当て面610aと、シートの一方の側端と突き当たる第2突き当て面610bを有している。そして、位置移動後のシートストッパ610の第2突き当て面610bの幅方向の位置と、後述するようにシートの角部を切り離す際、シートと当接するカッターブレード611の幅方向の切り離し位置は同じである。
【0017】
また、タブ処理装置600は、処理トレイ613に載置されたシートを上方より押えて保持する保持部材であるシートホルダ616を備えている。そして、このシートホルダ616をシートホルダモータ655によって下降させることにより、シート束を処理トレイ613と共に挟持する。なお、処理トレイ613は、図3に示す回転駆動部である処理トレイ回転モータ656により回転するが、このように処理トレイ613が回転すると、シート束及びシートホルダ616も同時に回転する。ここで、処理トレイ613の回転中心cからx方向のシートストッパ610の第1突き当て面610aまでの距離と、処理トレイ613の回転中心cからy方向のカッターブレード611の切り離し位置までの距離は同じである。
【0018】
なお、図2及び図3において、612は画像形成装置本体401から排出されたシートを処理トレイ613に搬送する第1搬送ローラ対であり、この第1搬送ローラ対612は第1搬送モータ652によって駆動される。614は第1パドルモータ653によって駆動される送り込みパドル、615は整合モータ654によって駆動される整合板である。そして、送り込みパドル614及び整合板615により、第1搬送ローラ対612によって処理トレイ613に搬送されたシートの整合処理が行われ、シートは処理トレイ613上の一定位置に積載される。
【0019】
また、617、618は、後述するように処理トレイ613の回転によりカッターブレード611によって切り離されたシート束の角部(以下、タブ屑と言う)をダストボックス619に落下させるための屑落としパドル及びファンである。なお、屑落としパドル617は第2パドルモータ657によって駆動される。また、681はダストボックス619に落下するタブ屑を検知するタブ屑検知センサであり、屑落としパドル617及びファン618はタブ屑検知センサ681がタブ屑を検知しなくなるまで動作する。
【0020】
640はシフトユニットであり、このシフトユニット640には、後述するタブ処理が終了すると、タブ処理されたシート束が第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシート束が搬送される。なお、第2搬送ローラ対620は、処理トレイ613上での処理が終了するまでは、離間部材である離間モータ659によって離間状態にあり、搬送力を持たない。
【0021】
また、シフトユニット640は、第3搬送モータ660により駆動され、搬送されるシート束を搬送すると共に、シフトモータ661により幅方向にシフトするシフトローラ621を備えている。なお、シフトローラ621を幅方向にシフトすることにより、タブ処理でずれたシート束のy方向の補正を行うことができる。なお、682は、シフトタイミングセンサであり、シフトタイミングセンサ682がシート束の通過を検知した後、シフトローラ621のシフトを行うようにしている。
【0022】
図4は、画像形成装置本体401の制御部の制御ブロック図である。図4に示すように、画像形成装置本体401に設けられた制御部であるCPU回路部206は、不図示のCPUと、ROM207と、RAM208を有している。CPU回路部206は、ROM207に格納された制御プログラムと操作部209の設定に基づいて、原稿給送装置450を制御する原稿給紙制御部202、イメージリーダ部を制御するイメージリーダ制御部203、画像信号制御部204を制御する。また、CPU回路部206は、画像形成装置本体401を制御するプリンタ制御部205、給紙装置800を制御する給紙装置制御部210、フィニッシャ900を制御するフィニッシャ制御部212を制御する。また、CPU回路部206は、タブ処理装置600を制御するタブ処理装置制御部211、外部インターフェイス(I/F)201を制御する。
【0023】
なお、操作部209は、画像形成に関する各種機能を設定するための複数のキー、設定状態を表示するための表示部等を有している。そして、操作部209は、ユーザによる各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部206に出力すると共に、CPU回路部206からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示するようになっている。RAM208は、制御データを一時的に保持するための領域や、制御にともなう演算の作業領域として用いられるようになっている。外部インターフェイス201は、画像形成装置本体401と外部のコンピュータ200とのインターフェイスであり、コンピュータ200からのプリントデータをビットマップ画像に展開して、画像データとして画像信号制御部204へ出力するようになっている。
【0024】
また、イメージリーダ制御部203から画像信号制御部204へは、読み取った原稿の画像が出力されるようになっている。プリンタ制御部205は、画像信号制御部204からの画像データを画像形成部へ出力するようになっている。さらに入力部である操作部209からユーザの操作でシートの種類(普通紙、コート紙、特殊紙)やシートサイズなどに関するシート情報や条件が入力され、不図示のCPUはそれらシート条件を取得して認識できる。また、操作部209からCPU回路部206にはタブ処理の情報等が入力される。
【0025】
一方、タブ処理装置制御部211は、タブ処理装置600に搭載され、CPU回路部206と情報のやり取りを行うことによってタブ処理装置600の制御を行うものである。このタブ処理装置制御部211は、図5に示すようにCPU701、RAM702、ROM703、通信インターフェイス706、ネットワークインターフェイス704等を備えている。ROM703にはシート搬送制御プログラムなどが予め格納されている。CPU701は各プログラムを実行し、RAM702との間で適宜データのやり取りをしながら入力データ処理を行うことにより、所定の制御信号を作成するようになっている。
【0026】
CPU701には、I/O705を介して、既述した第1搬送モータ652、整合モータ654、シートストッパモータ650、シートホルダモータ655、処理トレイ回転モータ656、カッターブレード調整モータ651が接続されている。また、第1パドルモータ653、第2搬送モータ658、第2パドルモータ657、カッターブレード611をシート束に接触しない位置に退避させるソレノイド670が接続されている。また、CPU701には、離間モータ659、第3搬送モータ660、シフトモータ661、シフトタイミングセンサ682、処理トレイ前センサ680、タブ屑検知センサ681が接続されている。なお、本実施の形態において、タブ処理装置制御部211は、CPU回路部206と情報のやり取りを行うことによってタブ処理装置600の駆動制御を行うが、CPU回路部206が直接、タブ処理装置600を制御するようにしてもよい。
【0027】
ここで、本実施の形態においては、タブ処理装置制御部211によりタブ処理装置600を制御してシートの先端の幅方向側端に、湾曲したタブを形成するようにしている。次に、このようなタブ処理装置制御部211によるタブ処理装置600のタブ形成動作制御を図6及び図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0028】
画像形成装置本体401から排紙されたシートはタブ処理装置600に搬送される。なお、シートがタブ処理装置600に搬送される前に、画像形成装置本体401のCPU回路部206からは、予めタブ処理装置制御部211にシートの情報、タブ処理の情報が送られてきている。シートの情報とは、シートサイズ、紙の坪量等である。紙の坪量に関しては、ユーザが操作部209よりリストから選択し指定する。
【0029】
CPU回路部206からは、タブ処理の情報として、まずタブ処理の有無に関する情報が送られる。ここで、タブ処理を実行する場合には(S1のY)、次にシート角部の切断量や、タブ処理を何枚同時に行うのか、つまり同時処理枚数等の情報が送られる。そして、タブ処理装置制御部211は、CPU回路部206から送られた情報に基づき、シートが搬入される前にシートストッパモータ650を駆動してシートストッパ610を移動し(S2)、シートストッパ610の位置調整を行う。
【0030】
また、カッターブレード調整モータ651を駆動してカッターブレード611を移動し(S3)、カッターブレード611の切り離し位置調整を行う。なお、シートストッパ610の移動方向は、既述したようにシート搬送方向と45度をなす方向であり、カッターブレード611の移動方向は幅方向である。また、移動後のシートストッパ610の第2突き当て面610bのy方向の位置と、カッターブレード611のy方向の位置は同じである。ここで、このカッターブレード611の位置は、後述するようにシート束を回転させる際、カッターブレード611がシート束の回転経路上に位置するように調整される。これによりシート束を90度回転させると、シート束の角部がカッターブレード611により円弧状に切り離される。
【0031】
次に、タブ処理装置600にシートが搬送されると、第1搬送モータ652の駆動によって第1搬送ローラ対612によるシートの搬送を開始し(S4)、シートをシートストッパ610の方向に搬送する。このシートを処理トレイ前センサ680が検知すると(S5のY)、シートをシートストッパ610に突き当てるように、第1パドルモータ653の駆動により送り込みパドル614を回転させる(S6)。また、整合モータ654の駆動により整合板615による整合動作を行う(S7)。これにより、シートSは、処理トレイ613上の一定位置に整合された状態で積載される(S8)。
【0032】
この後、この動作を繰り返し行い、処理トレイ613に同時処理枚数である所定枚数のシートが積載されると(S9のY)、シートホルダモータ655の駆動によりシートホルダ616が積載されたシート束に向かって下降する。これにより、シート束を処理トレイ613とシートホルダ616によって挟持(保持)する(S10)。次に、図8に示すように整合モータ654の駆動によって整合板615を退避させ(S11)、シートストッパモータ650の駆動によってシートストッパ610を退避させる(S12)。なお、このように整合板615及びシートストッパ610を退避させることにより、この後、処理トレイ613の回転が可能となる。つまり、本実施の形態においては、処理トレイ613を回転させる前に、整合板615及びシートストッパ610を処理トレイ613の回転を妨げない位置に退避させる。
【0033】
次に、処理トレイ回転モータ656の起動によりシートホルダ616によりシート束を保持した状態で処理トレイ613を回転させ、処理トレイ613と一体にシート束、シートホルダ616を回転させる(S13)。なお、このとき既述したように処理トレイ613の回転中心cからシートストッパ610の第1突き当て面610aまでの距離と、処理トレイ613の回転中心cからカッターブレード611までの距離は同じである。また、この時、カッターブレード611はシート束の回転経路上に位置しており、これにより処理トレイ613と共にシート束が回転すると、図9に示すようにカッターブレード611と接触したシート束SAの角部が円弧状に切り離される。
【0034】
なお、このように円弧状に切り離されたシート束SAのタブ屑は図10に示すように処理される。即ち、シート角切り離し処理が終了すると(S14)、まずタブ屑検知センサ681がタブ屑を検知している検知状態かを判断する(S31)。そして、検知状態であると判断した場合は(S31のY)、第2パドルモータ657の駆動によって屑落としパドル617を回転させる(S32)。またファン618を駆動する(S33)。これにより、切り離されたシート束のタブ屑は、ダストボックス619に落下する。
【0035】
この後、タブ屑検知センサ681が引き続き検知状態にあるかを判断し(S34)、タブ屑検知センサ681が検知状態でなくなると(S34のN)、ダストボックス619にタブ屑が落下したと判断して屑落としパドル617及びファン618の動作を停止する。なお、既述したS31において、タブ屑検知センサ681がタブ屑検知状態でない場合は(S31のN)、屑落としパドル617及びファン618は動作させない。
【0036】
また、シート角切り離し処理が終了すると(S14)、反対側のシート束角部がカッターブレード611に接触する前にソレノイド670の駆動により、カッターブレード611を、図9に示すシート束SAに接触しない位置に退避させる(S15)。この後、この状態で処理トレイ613を回転させてシート束SA、シートホルダ616を回転させ、元の位置から360度回転したところで回転を停止する(S16)。この後、シートホルダモータ655の駆動によってシートホルダ616をシート束SAから離間させる(S17)。
【0037】
次に、処理トレイ613上での全ての処理(タブ処理)が終了した後、離間モータ659の駆動によって第2搬送ローラ対620にニップを形成させる(S18)。この後、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシート束の搬送を開始し(S19)、シート束をシフトユニット640内に搬入する。
【0038】
そして、この後、シフトタイミングセンサ682がシート後端を検知すると(S20のY)、シフトユニット640によるシフト動作を開始する(S21)。即ち、シフトユニット640に搬送されたシート束を、シフトローラ621によって搬送しながらシフトモータ661の駆動によってシフトローラ621をy方向にスライドすることにより、タブ処理でずれたy方向の補正を行う。この後、シフトユニット640内でy方向の補正を施されたシート束はそのままシフトローラ621によって下流のフィニッシャ900に搬送する。
【0039】
続いて、2部目のシート束が上記の動作に従って、処理トレイ613に積載される。ここで、2部目のシート束に1部目のシート束と切り落とし量の違うタブ形状を作成する場合がある。この場合には、シート束の角部の切り離し位置(切断位置)を変更するようにシート束が搬送される前にシートストッパ610及びカッターブレード611を、1部目のシート束の位置とは異なる、他の適当な位置に移動させる。
【0040】
なお、このときのシートストッパ610のx方向の移動量と、シートストッパ610のy方向の移動量及びカッターブレード611のy方向の移動量は同じである。この状態で、上記のタブ処理、シフト処理を行い、フィニッシャ900に搬送することにより、図11の(a)に示すような成果物を得ることができる。即ち、1部目のシート束SA1〜3部目のシート束SA3は、それぞれ異なるタブ形状を有するようになる。
【0041】
なお、タブ処理を実行しない場合には(S1のN)、まずソレノイド670の駆動によりカッターブレード611をシートから離間してシートの搬送を妨げない離間位置に退避させる(S23)。次に、シートストッパモータ650の駆動によりシートストッパをシートの搬送を妨げない位置まで退避させる(S24)。次に、離間モータ659の駆動により第2搬送ローラ対620にニップを形成させる(S25)。
【0042】
次に、タブ処理装置600にシートが搬送されると、第1搬送モータ652の駆動によって第1搬送ローラ対612によるシートの搬送を開始する(S26)。そして、このシートを処理トレイ前センサ680が検知すると(S27のY)、第1パドルモータ653の駆動により送り込みパドル614を回転させる(S28)。さらに、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシートを、シフトユニット640内に搬入する(S29)。そして、この後、シフトローラ621によって下流のフィニッシャ900に搬送する。
【0043】
ところで、本実施の形態において、既述したようにシートストッパ610及びカッターブレード611を適当な位置に移動させることにより、既述した図11の(a)に示すように切り落とし量の違う円弧状のタブ形状を作成することができる。ここで、1部目のシート束SA1〜3部目のシート束SA3のタブは円弧形状の曲率が異なるため、図11の(b)に示す1部目のシート束SA1〜3部目のシート束SA3のような角部を直線的に切り落としたタブに比べ、視認性が優れている。また、シートの角部を直線的に切り落としたコーナータブに比べ、シートの角部を円弧状に切り落とすようにすることにより、円弧形状分だけ画像形成可能領域が広くなる。また、シート束ごと一括でタブ処理を行うので、従来のタブ処理装置に比べタブ位置の精度が良く、生産性も優れている。さらに、上流装置である画像形成装置本体401の生産性を損なうこともない。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態においては、シート束を積載した処理トレイ613を回転させ、処理トレイ613に積載されたシート束の回転軌跡内に位置するカッターブレード611により、シートの角部を切断して円弧状のタブを形成するようにしている。これにより、タブ位置ズレ等の不良が無く、視認性に優れ、かつ高い生産性で、画像形成可能領域が広いタブ(切欠部)を形成することができる。
【0045】
ところで、本実施の形態では、異なる曲率のタブを形成するためカッターブレードの位置を移動させたが、処理トレイ613を移動可能とし、処理トレイ613のカッターブレードに対する距離を変更するようにしても良い。
【0046】
次に、このような本発明の第2の実施の形態について説明する。図12は本実施の形態に係るシート処理装置であるタブ処理装置の構成を示す斜視図、図13は、その側面図である。なお、図12及び図13において、既述した図2及び図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0047】
図12及び図13において、641は処理トレイユニットであり、641aは処理トレイユニット641の上部部分、641bは処理トレイユニット641の下部部分である。この処理トレイユニット641は処理トレイ613を回転可能に支持すると共に、処理トレイ回転モータ656、シートホルダ616、シートホルダモータ655等を一体化したユニットである。この処理トレイユニット641は、ユニット移動部材である処理トレイユニット移動モータ662により駆動される。
【0048】
なお、図12において、601は画像形成装置本体401より排紙されたシートをタブ処理位置までガイドするガイド部材である。このガイド部材601には、処理トレイ613を回転可能に支持する支持ユニットである処理トレイユニット641が移動する際、処理トレイユニット641の移動に伴って処理トレイ613を移動させる略円形状の移動穴602が設けられている。
【0049】
また、図14は、タブ処理装置制御部211のブロック制御図であり、図14に示すように、CPU701には、I/O705を介して処理トレイユニット641を駆動する支持ユニット移動部材である処理トレイユニット移動モータ662が接続されている。そして、本実施の形態においては、処理トレイユニット移動モータ662によって処理トレイユニット641を駆動することにより、処理トレイ613の回転中心の位置を変更し、処理トレイ613のカッターブレード611に対する距離を変更する。
【0050】
次に、このようなタブ処理装置制御部211によるタブ処理装置600のタブ形成動作制御を図15及び図16に示すフローチャートを用いて説明する。画像形成装置本体401より排紙されたシートはタブ処理装置600に搬送される。なお、シートがタブ処理装置600に搬送される前に、画像形成装置本体401のCPU回路部206からは、予めタブ処理装置制御部211にシートの情報、タブ処理の情報が送られてきている。
【0051】
タブ処理を実行する場合には(S41のY)、次にシート角部の切断量や、同時処理枚数等の情報が送られる。そして、タブ処理装置制御部211はCPU回路部206から送られた情報に基づき、シートが搬入される前に処理トレイユニット移動モータ662により処理トレイユニット641を移動させる(S42)。この後、シートストッパ610の位置調整を行う。また、処理トレイユニット641に取り付けられたカッターブレード調整モータ651によってカッターブレード611を移動し(S43)、カッターブレード611の位置調整を行う。なお、処理トレイユニット641の移動方向は、シート搬送方向と45度をなす方向であり、カッターブレード611の移動方向はx方向である。また、処理トレイユニット641のx方向移動量及びy方向の移動量と、カッターブレード611のx方向移動量は同じである。
【0052】
次に、タブ処理装置600にシートが搬送されると、第1搬送モータ652の駆動によって第1搬送ローラ対612によるシートの搬送を開始し(S44)、シートをシートストッパ610の方向に搬送する。このシートを処理トレイ前センサ680が検知すると(S45のY)、シートをシートストッパ610に突き当てるように、第1パドルモータ653の駆動により送り込みパドル614を回転させる(S46)。また、整合モータ654の駆動により整合板615による整合動作を行う(S47)。これにより、シートSは、処理トレイ613上の一定位置に整合された状態で積載される(S48)。
【0053】
この後、この動作を繰り返し行い、処理トレイ613に同時処理枚数である所定枚数のシートが積載されると(S49のY)、シートホルダモータ655の駆動によりシートホルダ616が積載されたシート束に向かって下降する。これにより、シート束を処理トレイ613とシートホルダ616によって挟持(保持)する(S50)。次に、図17に示すように整合モータ654の駆動によって整合板615を退避させ(S51)、シートストッパモータ650の駆動によってシートストッパ610を退避させる(S52)。
【0054】
次に、処理トレイ回転モータ656の起動により、図18に示すように処理トレイ613を回転させ、処理トレイ613と一体にシート束SA、シートホルダ616も回転させる(S53)。ここで、処理トレイ613の回転中心cからシートストッパ610の第1突き当て面610aまでの距離と、処理トレイ613の回転中心cからカッターブレード611までの距離は同じである。また、カッターブレード611はシート束の回転経路上に位置しており、これにより図18に示すようにカッターブレード611と接触したシート束SAの角部が円弧状に切り離される。なお、切り離されたシート束SAのタブ屑は屑落としパドル617及びファン618によってダストボックス619に落とされる。
【0055】
次に、シート角切り離し処理が終了すると(S54)、反対側のシート束角部がカッターブレード611に接触する前にソレノイド670の駆動により、カッターブレード611をシート束に接触しない位置に退避させる(S55)。この後、この状態で処理トレイ613を回転させてシート束SA、シートホルダ616を回転させ、元の位置から360度回転したところで回転を停止する(S56)。この後、シートホルダモータ655の駆動によってシートホルダ616をシート束から離間させる(S57)。
【0056】
次に、処理トレイ613上での全ての処理(タブ処理)が終了した後、離間モータ659の駆動によって第2搬送ローラ対620にニップを形成させる(S58)。この後、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシートの搬送が開始される(S59)。なお、本実施の形態においては、シフトユニット640を有していないため、シート束はそのまま下流のフィニッシャ900に搬送される。
【0057】
続いて、2部目のシート束が上記の動作に従って、処理トレイ613に積載される。ここで、2部目のシート束に1部目のシート束と切り落とし量の違うタブ形状を作成する場合には、シート束が搬送される前に少なくとも処理トレイユニット641を適当な位置に移動させる。なお、本実施の形態においては、処理トレイユニット641及びカッターブレード611を適当な位置に移動させる。このときの処理トレイユニット641のx方向移動量及びy方向移動量と、カッターブレード611のx方向移動量は同じである。この状態で、上記のタブ処理を行い、フィニッシャ900に搬送することで図10の(a)に示すような成果物を得ることができる。
【0058】
なお、タブ処理を実行しない場合には(S41のN)、まずソレノイド670の駆動によりカッターブレード611を退避させ(S61)、次にシートストッパモータ650の駆動によりシートストッパをシートの搬送を妨げない位置まで退避させる(S62)。次に、離間モータ659の駆動により第2搬送ローラ対620にニップを形成させる(S63)。
【0059】
次に、タブ処理装置600にシートが搬送されると、第1搬送モータ652の駆動によって第1搬送ローラ対612によるシートの搬送を開始する(S64)。そして、このシートを処理トレイ前センサ680が検知すると(S65のY)、第1パドルモータ653の駆動により送り込みパドル614を駆動(回転)する(S66)。この後、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシートの搬送が開始され(S67)、シート束はそのまま下流のフィニッシャ900に搬送される。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態では、処理トレイユニット641に処理トレイ613を設け、この処理トレイユニット641を介して処理トレイ613を移動可能とし、処理トレイ613のカッターブレード611に対する距離を変更するようにしている。これにより、既述した第1の実施の形態と同様に、タブ位置ズレ等の不良が無く、視認性に優れ、かつ高い生産性で、画像形成可能領域が広いタブ(切欠部)を形成することができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図19は本実施の形態に係るタブ処理装置の構成を示す斜視図、図20は、その平面図、図21は、その側面図である。なお、図19〜図21において、既述した図2及び図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。ここで、本実施の形態において、タブ処理装置600は、選択的にシートにタブを形成した後、シートをシート搬送方向と交差する方向に旋回させてフィニッシャ900に搬送するようにしている。そして、このようにタブ処理装置600によってシートを旋回させることにより、画像形成装置400の接続形態をT字状や、図22に示すようなL字状とすることができる。これにより、上流の給紙装置800から最下流のフィニッシャ900までの距離を短くすることができ、画像形成装置400の設置スペースや、操作性の改善を図ることができる。
【0062】
また、本実施の形態において、整合板615をガイド部材601のフィニッシャ側に設けると共に、シート束の旋回及び搬送を妨げることがないように、ガイド部材601から退避可能に設けている。なお、このような整合板615の退避が可能となるように、ガイド部材601には、ガイド部材601を退避させる退避穴603が設けられている。
【0063】
図23は、タブ処理装置制御部211のブロック制御図であり、図23に示すように、CPU701には、I/O705を介して整合板615をガイド部材601から退避させる整合板退避モータ663が接続されている。そして、CPU701は、シート束の整合が終了すると、シート束を回転させる前に整合板退避モータ663を駆動して整合板615をシート束の旋回及び搬送を妨げない退避位置に移動させる。
【0064】
次に、このようなタブ処理装置制御部211によるタブ処理装置600のタブ形成動作制御を図22及び図23に示すフローチャートを用いて説明する。タブ処理を実行する場合には(S71のY)、次にシート角部の切断量や、同時処理枚数等の情報が送られる。そして、タブ処理装置600はCPU回路部206から送られた情報に基づき、シートが搬入される前にシートストッパモータ650によってシートストッパ610を移動し(S72)、シートストッパ610の位置調整を行う。また、カッターブレード調整モータ651によってカッターブレード611を移動し(S73)、カッターブレード611の位置調整を行う。なお、シートストッパ610の移動方向は、第1搬送方向(以下x方向)と45度をなす方向であり、カッターブレード611の移動方向はx方向である。また、移動後のシートストッパ610の第1突き当て面610aの位置と、カッターブレード611の切り離し位置のx方向の位置は同じである。
【0065】
次に、タブ処理装置600にシートが搬送されると、第1搬送モータ652の駆動によって第1搬送部である第1搬送ローラ対612によるシートの搬送を開始し(S74)、シートをシートストッパ610の方向に搬送する。このシートを処理トレイ前センサ680が検知すると(S75のY)、シートをシートストッパ610に突き当てるように、第1パドルモータ653の駆動により送り込みパドル614を回転させる(S76)。また、整合モータ654の駆動により整合板615による整合動作を行う(S77)。これにより、シートSは、処理トレイ613上の一定位置に整合された状態で積載される(S78)。
【0066】
この後、この動作を繰り返し行い、処理トレイ613に同時処理枚数である所定枚数のシートが積載されると(S79のY)、シートホルダモータ655の駆動によりシートホルダ616が積載されたシート束に向かって下降する。これにより、シート束を処理トレイ613とシートホルダ616によって挟持(保持)する(S80)。次に、図26に示すように整合板退避モータ663の駆動によって整合板615をガイド部材601から退避させ(S81)、シートストッパモータ650の駆動によってシートストッパ610を退避させる(S82)。これにより、処理トレイ613の回転が可能になる。
【0067】
次に、処理トレイ回転モータ656の起動により処理トレイ613を回転させ、処理トレイ613と一体にシート束、シートホルダ616も回転させる(S83)。この時、カッターブレード611がシート束の回転経路上に位置しており、これにより図11の(a)に示すようにカッターブレード611と接触したシート束の角部が円弧状に切り離される。そして、このようなシート角切り離し処理が終了すると(S84)、切り離されたシート束のタブ屑は屑落としパドル617及びファン618によってダストボックス619に落とされる。
【0068】
次に、シート角切り離し処理が終了すると(S84)、図27に示すようにシート束角部がカッターブレード611に接触する前にソレノイド670の駆動により、カッターブレード611がシート束に接触しない位置に退避する(S85)。この後、この状態で処理トレイ613、シート束、シートホルダ616が回転し続け、元の位置から90度回転したところで回転を停止する(S86)。この後、シートホルダモータ655の駆動によってシートホルダ616がシート束から離間される(S87)。なお、本実施の形態では、タブを形成した後、すなわち元の位置から90度回転したときに回転を停止するようにしているが、フィニッシャ900の形状から、タブを形成した後、さらにシート束を90度回転(旋回)させて元の位置から180度回転させても良い。
【0069】
次に、処理トレイ613上での全ての処理(タブ処理)が終了した後、離間モータ659の駆動によって第2搬送ローラ対620がニップを形成する(S88)。この後、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送部である第2搬送ローラ対620によってシートの搬送が開始され(S89)、シート束がシフトユニット640内に搬入される。なお、ここで第2搬送ローラ対620の搬送方向は、x方向と直交(交差)するy方向である。
【0070】
第2搬送ローラ対620によって搬送されるシート束は、第3搬送モータ660によって駆動されるシフトローラ621を備えるシフトユニット640内に搬入される。この後、シフトタイミングセンサ682がシート後端を検知すると(S90のY)、シフトユニット640によるシフト動作を開始する(S91)。即ち、シフトユニット640に搬送されたシート束を、シフトローラ621によって搬送しながらシフトモータ661の駆動によってシフトローラ621をx方向にスライドすることにより、タブ処理でずれたx方向の補正を行う。この後、シフトユニット640内でx方向の補正を施されたシート束を、そのままシフトローラ621によって下流のフィニッシャ900に搬送する。
【0071】
続いて、2部目のシート束が上記の動作に従って、処理トレイ613に積載される。ここで、2部目のシート束に1部目のシート束と切り落とし量の違うタブ形状を作成する場合には、シート束が搬送される前にシートストッパ610及びカッターブレード611を適当な位置に移動させる。なお、このときシートストッパ610のy方向の移動量と、シートストッパ610のx方向の移動量及びカッターブレード611のx方向の移動量は同じである。この状態で、上記のタブ処理、シフト処理を行い、フィニッシャ900に搬送することで図11の(a)のような成果物を得ることができる。
【0072】
なお、タブ処理を実行しない場合には(S71のN)、まずソレノイド670の駆動によりカッターブレード611を退避させる(S93)。次に、タブ処理装置600にシートが搬送されると、第1搬送モータ652の駆動によって第1搬送ローラ対612によるシートの搬送を開始する(S94)。そして、このシートを処理トレイ前センサ680が検知すると(S95のY)、第1パドルモータ653の駆動により送り込みパドル614を回転させる(S96)。また、整合モータ654の駆動により整合板615による整合動作を行う(S97)。これにより、シートSは、処理トレイ613上の一定位置に整合された状態で積載される(S98)。
【0073】
次に、本実施の形態においては、下流のフィニッシャ900に対し束搬送が可能かを判断し(S99)、束搬送が可能であれば(S99のY)、シートホルダモータ655によって駆動されるシートホルダ616が積載されたシート束に向かって下降する。これにより、シート束を処理トレイ613とシートホルダ616によって挟持(保持)する(S100)。次に、整合板退避モータ663の駆動によって整合板615を退避させ(S101)、シートストッパモータ650の駆動によってシートストッパ610を退避させる(S102)。
【0074】
次に、処理トレイ回転モータ656の起動により処理トレイ613を回転させ、処理トレイ613と一体にシート束、シートホルダ616も回転させる(S103)。この後、この状態で処理トレイ613、シート束、シートホルダ616が回転し続け、元の位置から180度回転したところで回転を停止する(S104)。この後、シートホルダモータ655の駆動によってシートホルダ616がシート束から離間される。次に、離間モータ659の駆動によって第2搬送ローラ対620がニップを形成し(S105)、この後、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシート束の搬送が開始され(S106)、シート束がシフトユニット内に搬入される。
【0075】
なお、シート処理の関係等でフィニッシャ900に対し、束搬送が不可能である場合は(S99のN)、処理トレイ613に所定枚数のシートが積載されるまでは(S107のN)シート1枚ごとに上記S95〜S99を繰り返す。また、束搬送が不可能であっても(S99のN)、処理トレイ613に所定枚数のシートが積載されると(S107のY)、シートホルダモータ655の駆動によりシートホルダ616を下降させる。これにより、シート束を処理トレイ613とシートホルダ616によって挟持(保持)する(S108)。次に、整合板退避モータ663の駆動によって整合板615をガイド部材601から退避させ(S109)、シートストッパモータ650の駆動によってシートストッパ610を退避させる(S110)。
【0076】
次に、処理トレイ回転モータ656の起動により処理トレイ613を回転させ、処理トレイ613と一体にシート束、シートホルダ616も回転させる(S111)。この後、処理トレイ613、シート束、シートホルダ616が回転し続け、元の位置から180度回転したところで回転を停止する(S112)。この後、シートホルダモータ655の駆動によってシートホルダ616がシート束から離間される。次に、離間モータ659の駆動によって第2搬送ローラ対620がニップを形成する(S113)。この後、第2搬送モータ658によって駆動される第2搬送ローラ対620によってシートの搬送が開始され(S114)、シート束がフィニッシャ900に搬送される。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態では、タブ処理が終了した後、シートの搬送方向をタブ処理装置600にシートが搬送されるシート搬送方向と交差する方向に変更するようにしている。これにより、上流の給紙装置800から最下流のフィニッシャ900までの距離を短くすることができ、画像形成装置400の設置スペースや、操作性の改善を図ることができる。
【0078】
なお、これまでの説明においては、シートの角部を切断する切断部材としてカッターブレードを用いているが、シートを切り離すことができるものであれば、例えばレーザー装置を用いるようにしても同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0079】
211…タブ処理装置制御部、400…画像形成装置、401…画像形成装置本体、600…タブ処理装置、610…シートストッパ、611…カッターブレード、612…第1搬送ローラ対、613…処理トレイ、615…整合板、616…シートホルダ、620…第2搬送ローラ対、641…処理トレイユニット、651…カッターブレード調整モータ、656…処理トレイ回転モータ、659…離間モータ、662…処理トレイユニット移動モータ、900…フィニッシャ、S…シート、SA…シート束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート積載部に搬送されたシート束の角部を切断してシート束の索引となる切欠部を形成するシート処理装置において、
前記シート積載部に積載されたシート束を保持する保持部材と、
前記シート積載部を回転させる回転駆動部と、
前記回転駆動部により回転する前記シート積載部に積載されたシート束の回転軌跡内に位置し、シート束が回転する際、シート束の角部を切断して前記切欠部を形成する切断部材と、を備え、
前記回転駆動部により前記シート積載部を回転させている間に、前記保持部材により保持されたシート束の角部を前記切断部材により切断して円弧状の切欠部を形成することを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記切断部材を移動させる移動部材を備え、
シート束の角部に異なる曲率の前記円弧状の切欠部を形成する際には、前記移動部材により前記切断部材を、前記円弧状の切欠部の曲率に応じた切断位置に移動させることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記切断部材を、シート束の角部を切断した後、シート束から離間させる離間部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のシート処理装置。
【請求項4】
シート束の角部を切断しない場合には、前記離間部材により、前記切断部材をシート束から離間する位置に移動させることを特徴とする請求項3記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記シート積載部を回転可能に支持すると共に、前記回転駆動部を有する支持ユニットと、
前記支持ユニットを移動させるユニット移動部材と、を備え、
シート束の角部に異なる曲率の前記円弧状の切欠部を形成する際には、前記ユニット移動部材により前記支持ユニットを前記円弧状の切欠部の曲率に応じた位置に移動させた後、前記回転駆動部により前記シート積載部を回転させることを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記シート積載部にシートを搬送する第1搬送部と、
前記円弧状の切欠部が形成されたシート束を、前記第1搬送部のシート搬送方向と交差する方向に搬送する搬送する第2搬送部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部と、画像が形成されたシート束の角部を切断して切欠部を形成する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート処理装置と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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