シート受渡し機構及びシート受渡し方法
【課題】シートに形成された基板の品質を損なうことなくシートの供給が可能なシート受渡し機構及びシート受渡し方法を提供する。
【解決手段】TFT基板tが形成されたシートフィルムSを吸着して保持する上ステージ42と、シートフィルムSの、周縁部Saを吸着して保持する保持部材83と、保持部材83を支持する平板状の支持部84と、を有し、保持部材83が支持部84に比べて突出して設けられ、シートフィルムSを上ステージ42に供給する供給ハンド81と、を備えた。
【解決手段】TFT基板tが形成されたシートフィルムSを吸着して保持する上ステージ42と、シートフィルムSの、周縁部Saを吸着して保持する保持部材83と、保持部材83を支持する平板状の支持部84と、を有し、保持部材83が支持部84に比べて突出して設けられ、シートフィルムSを上ステージ42に供給する供給ハンド81と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置を構成するための基板が形成されたシートを保持して受け渡すシート受渡し機構及びシート受渡し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブフィルム上に連続的に形成されたディスプレイ装置用の複数の基板のそれぞれに対して、相手側の基板が形成されたシートを動かして両基板を位置合わせし、貼合する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−15041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ウェブフィルムとシートとを貼合するためにシートを保持するシート保持手段に対しては、シート供給手段にて一枚ずつシートを供給することが一般的に考えられる。シートの供給をする際にシートに形成された基板に汚染や傷等の不具合が生じるおそれがある。
【0004】
そこで、本発明はシートに形成された基板の品質を損なうことなくシートの供給が可能なシート受渡し機構及びシート受渡し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシート受渡し機構は、基板(t)が形成されたシート(S)を吸着して保持する保持ステージ(42)と、前記シートの、前記基板の外側に位置する領域(Sa)を吸着して保持する保持部(83)と、前記保持部を支持する平板状の支持部(84)と、を有し、前記保持部が前記支持部に比べて突出して設けられ、前記シートを前記保持ステージに供給するシート供給手段と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明のシート受渡し機構によれば、シート供給手段は、保持部にて基板が形成されたシートの基板の外側の領域を保持する。これにより、基板を覆うようにして、基板には接触することなくシートが保持される。シートを保持したシート保持手段は、保持ステージにシートを供給する。従って、汚染や傷等の発生を防ぎながら保持ステージへのシートの供給ができる。
【0007】
本発明のシート受渡し機構の一形態において、前記支持部の中央には、気体を流入するための流入孔(88)が設けられていてもよい。この形態によれば、流入孔から気体が流入すると保持部に保持されたシートの中央が凸にたわむ。このため、保持ステージにシートを供給する際には、シートの中央から外周に向かってシートの吸着が進行する。従って、保持ステージに対してシートを均一に吸着させることができる。
【0008】
本発明のシート受渡し機構の一形態において、前記保持部が、前記流入孔の周囲を取り囲むようにして設けられていてもよい。この形態によれば、シートの周縁部を全周に亘って保持することができるので、流入孔から空気を流入させた際にシートの中央を凸にたわませながらシートを安定して保持することができる。
【0009】
本発明のシート受渡し方法は、基板(t)が形成されたシート(S)の、前記基板の外側に位置する領域(Sa)をシート供給手段(81)にて吸着して保持する手順と、前記シート供給手段の流入孔(88)から気体を流入して、保持したシートの中央が凸となるように前記シートをたわませる手順と、前記保持ステージに前記シートを接触させて、前記シートの中央から外周に向かって前記シートの前記保持ステージへの吸着を進行させる手順と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0010】
本発明のシート受渡し方法によれば、シート供給手段は、保持部にて基板が形成されたシートの基板の外側の領域を保持する。これにより、基板を覆うようにして、基板には接触することなくシートが保持される。流入孔から気体が流入すると保持部に保持されたシートの中央が凸にたわむ。シートを保持したシート保持手段は、保持ステージにシートを供給する。保持ステージに対してシートの中央から外周に向かって吸着されていくので、保持ステージに対してシートは均一に吸着される。従って、汚染や傷等の発生を防ぎながら保持ステージへのシートの供給ができる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明のシート受渡し機構及びシート受渡し方法においては、シート供給手段は、保持部にて基板が形成されたシートの基板の外側の領域を保持する。これにより、基板を覆うようにして、基板には接触することなくシートが保持される。シートを保持したシート保持手段は、保持ステージにシートを供給する。従って、汚染や傷等の発生を防ぎながら保持ステージへのシートの供給ができる。更に、保持ステージに対してシートを均一に吸着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に本発明の一形態に係るシート受渡し機構が適用されたアライメント貼合装置の概略図を示す。アライメント貼合装置1は、ウェブフィルムWの長手方向に連続的に形成された第1の基板としてのカラーフィルタ(以下、CFと省略する。)基板c(図12A参照。)に対して、第2の基板としてのTFT(Thin Film Transistor)基板t(図12A参照。)が形成されたシートとしてのシートフィルムSを重ね合わせて貼合する装置である。アライメント貼合装置1は、ウェブフィルムWを巻き出す巻出し装置2と、CF基板cにシール剤塗布及び液晶滴下を行うディスペンサー3と、CF基板cとTFT基板tとを貼合する貼合部4と、貼合したCF基板c及びTFT基板tを相互に固定する固定作用付与手段としての固定部5と、固定したCF基板c及びTFT基板tを切り取る切取り装置6と、TFT基板tが形成されたウェブフィルムからTFT基板tに適した定形サイズのシートフィルムSに切断するシート切断装置7と、シート切断装置7からシートフィルムSを貼合部4に供給するシート搬送装置8とを備えている。さらに、アライメント貼合装置1には、巻出し装置2で巻き出されたウェブフィルムWを搬送駆動する搬送駆動部11a、11b(参照符号11で代表することがある。)と、搬送されるウェブフィルムWの張力を調整する搬送クランプ12a〜12e(参照符号12で代表することがある。)、13と、搬送されるウェブフィルムWを監視するエッジセンサ14a〜14d(参照符号14で代表することがある。)とが設けられている。
【0014】
ウェブフィルムWには、貼合の前工程ですべき、ITO膜やスペーサーの形成等の必要な加工がCF基板cに対して既に施されて、ロール状に巻き取られている。巻出し装置2は、ロール状に巻かれたウェブフィルムWを巻き出す。ウェブフィルムWは、ロール状に巻かれた状態で巻出し装置2に供給され、巻き出されたウェブフィルムWは、搬送駆動部11a、11bにより巻出し装置2から切取り装置6まで搬送される。搬送駆動部11a、11bは、ディスペンサー3と貼合部4との間、固定部5と切取り装置6との間にそれぞれ設置される。搬送駆動部11a、11bは、いずれも同様の構成で、ウェブフィルムWを挟んで保持しながら搬送方向への送り出しが可能である。搬送クランプ12a〜12eも搬送駆動部11と同様、ウェブフィルムWを挟んで保持しながら搬送方向に駆動することが可能である。搬送クランプ12は、ウェブフィルムWの張力調整をする。搬送クランプ13は、駆動機構を有していない以外は、搬送クランプ12と同様の構成である。エッジセンサ14は、各処理間でのウェブフィルムWの搬送状態を随時監視する。エッジセンサ14は、光電センサ等の各種周知の技術にて構成することができる。なお、搬送駆動部11、搬送クランプ12、13及びエッジセンサ14は、各処理間に適宜設置してよい。
【0015】
図2にディスペンサー3の模式図を示す。ディスペンサー3は、CF基板cに対してシール剤31を塗布するシール剤供給ノズル32と、液晶33を滴下する液晶滴下ノズル34とを備えている。各ノズル32、34として、例えば、インクジェットノズル等が利用される。シール剤31は、ウェブフィルムW上のCF基板cに予め形成された隔壁35a、35bの間に塗布される。シール剤31として紫外線硬化樹脂が好適に使用される。液晶33は、液晶滴下法により、隔壁35bに囲まれた領域に滴下される。また、隔壁35a、35bの何れか一方、もしくは両方が形成されていなくてもよい。なお、ディスペンサー3は常圧領域、言い換えれば大気圧に開放された領域に設置されている。
【0016】
図3に貼合部4の拡大図を示す。貼合部4は、CF基板cが形成されたウェブフィルムWを支持するフィルム支持手段としての下ステージ41と、TFT基板tが形成されたシートフィルムSを保持するシート保持手段あるいは保持ステージとしての上ステージ42と、上下ステージ41、42の周囲に真空チャンバを形成するための下チャンバ構成部材43及び上チャンバ構成部材44と、上ステージ42を駆動するためのステージ駆動機構45と、上下チャンバ構成部材43、44を駆動するためのチャンバ駆動機構46とを備えている。上下ステージ41、42は、ウェブフィルムWを挟んで上下方向、つまりZ軸方向に対向するように設けられている。下ステージ41には、仮固定部としての複数のUV−LED47と、UV−LED47からの紫外線を通過させるための窓部としての孔とが設けられている。UV−LED47は、紫外線を照射するLEDである。UV−LED47は、下ステージ41に設けられる孔を介して紫外線を照射する。
【0017】
下ステージ41によるウェブフィルムWの支持及び上ステージ42によるシートフィルムSの保持には、それぞれ静電チャックが利用される。図4を参照して、静電チャックの吸着原理を説明する。下ステージ41には、誘電体48と、誘電体48に電圧を印加するための内部電極49とが設けられている。内部電極49に電圧を印加すると、誘電体48が帯電する。帯電した誘電体48にウェブフィルムWを近付けると、誘電体48と向かい合う面に反対極性の電荷が集まり、クーロン力が働く。これにより、下ステージ41にウェブフィルムWが吸着する。上ステージ42も同様の構成を有する。また、下ステージ41によるウェブフィルムWの支持及び上ステージ42によるシートフィルムSの保持には、吸引力を作用させる真空吸着方式も利用される。貼合部4は、真空吸着方式と静電チャック方式とを切り換える切換えスイッチを有し、真空吸着方式と静電チャック方式とが切換え可能あるいは同時使用可能に構成される。
【0018】
図5に貼合部4の詳細図、図6に下チャンバ構成部材43の上面図をそれぞれ示す。上下チャンバ構成部材43、44は、ウェブフィルムWを挟んで上下方向に対向するように、かつ上下ステージ41、42を取り囲むようにして開閉可能に設けられている。上下チャンバ構成部材43、44が重ね合わさることにより、上下ステージ41、42の周囲にチャンバ50が形成される。上下チャンバ構成部材43、44は、チャンバ50から空気を吸引するためのダクト51、52と、ダクト51、52と連結する図示しない真空ポンプを有し、これにより、チャンバ50内が真空に保持される。下チャンバ構成部材43は、チャンバ50をシールする複数のOリング53a、53b、53c(参照符号53で代表することがある。)と、各Oリング53a〜53c間に設けられた複数の吸引孔54とを有する。Oリング53aはチャンバ50の周囲を一周するように設けられ、Oリング53bはOリング53aの周囲を一周するように設けられ、Oリング53cはOリング53bの周囲を一周するように設けられている。つまり、Oリング53により、チャンバ50は三重にシールされる。Oリング53は、それぞれ無端状の形状を有している。Oリング53a〜53cの材質には、一般のシール部材、パッキン等の素材として使用される各種のゴム、エラストマーといった弾性材料を使用することができる。上チャンバ構成部材44も対向する位置に同様の構成のOリング53a〜53c及び吸引孔54を有する。上下チャンバ構成部材43、44を重ね合わせる際に、それぞれ設けられたOリング53が密着することにより、チャンバ50は密閉される。吸引孔54は、真空ポンプと連結され、Oリング53a、53bに囲まれた領域及びOリング53b、53cに囲まれた領域の空気を吸引する。
【0019】
ステージ駆動機構45は、モータ55と、モータ55の出力軸に連結された送りねじ56とを有する。送りねじ56は、上ステージ42にねじ込まれている。従って、モータ55にて送りねじ56を回転駆動することにより、モータ55の回転駆動が上ステージ42の直線運動に変換されて上下方向に移動する。ステージ駆動機構45は、ウェブフィルムWの表面に沿った方向、つまり、図3のX軸方向及びY軸方向に移動させるX−Yステージも有する。ステージ駆動機構45は、X軸方向及びY軸方向及びZ軸方向に移動が可能であり、CF基板cにTFT基板tを位置合わせする位置合わせ手段及びTFT基板tをCF基板cに重ね合わせるシート送り手段として兼用される。
【0020】
チャンバ駆動機構46は、モータ57と、モータ57の出力軸に連結された送りねじ58と、上下チャンバ構成部材43、44を上下方向に案内するガイド59とを有する。送りねじ58は、上下チャンバ構成部材43、44にそれぞれねじ込まれている。ガイド59は、上下チャンバ構成部材43、44の四隅に設けられている。モータ57にて送りねじ58を回転駆動することにより、モータ57の回転駆動が下チャンバ構成部材43、あるいは上チャンバ構成部材44の直線運動に変換されて、ガイド59に案内されながら上下方向に移動する。なお、ステージ駆動機構45及びチャンバ駆動機構46は、各種公知の技術を利用して適宜構成してもよい。
【0021】
図7に固定部5の拡大図を示す。固定部5は、紫外線を照射する固化手段としてのUV光源61と、ウェブフィルムWを載置する載置ステージとしての石英ステージ62と、貼合されたCF基板c及びTFT基板tに対して上方向から圧力を加えるプレスステージ63と、石英ステージ62を上下方向に駆動する石英ステージ駆動機構64と、プレスステージ63を上下方向に駆動するプレスステージ移動機構としてのプレスステージ駆動機構65と、を備えている。UV光源61は、石英ステージ62の下方に設置される。UV光源61として、メタルハライドランプや高圧水銀ランプといった各種公知の紫外線ランプをシール剤31の特性に合わせて利用できる。石英ステージ62はUV光源61から照射される紫外線を透過させるため、紫外線照射領域が石英ガラスで形成されている。これにより、貼合された両基板c、tのシール剤31の全面に紫外線を照射することが可能となる。プレスステージ63は、プレスステージ駆動機構65により上下方向に移動可能に構成される。石英ステージ62及びプレスステージ63のウェブフィルムWに対向する面は平坦に形成される。プレスステージ63には、紫外線を反射する層が設けられていてもよい。紫外線を反射する層は、プレスステージ63の表面、つまり、プレスステージ63の下面側に全面に設けられる。あるいは、上面側に設けられていてもよい。紫外線を反射する層は、紫外線を反射する材料の塗布、あるいは、フィルム等の貼付により形成される。この紫外線を反射する層により、一度ウェブフィルムWを通過した紫外線が反射して、ウェブフィルムWに紫外線が再度照射される。従って、紫外線の照射量が増えることとなり、シール剤31に対して効率的に、かつ充分に紫外線を照射することができる。石英ステージ62に載置されたウェブフィルムWに対してプレスステージ63が押し付けられることにより、ウェブフィルムWが石英ステージ62とプレスステージ63とに挟まれる。これにより、ウェブフィルムW上の基板に圧力が加えられる。
【0022】
図8に固定部5の詳細図を示す。石英ステージ駆動機構64は、駆動源としてのシリンダ66と、連結部材67にて石英ステージ62と連結された上板68とを有する。シリンダ66が上方向に上板68を押し上げることにより、石英ステージ62が上方向に移動する。シリンダ66の駆動により、石英ステージ62の上下方向の移動が可能となる。プレスステージ駆動機構65は、駆動源としてのシリンダ69を有する。シリンダ69が、プレスステージ63を支持する支持板70を押し下げることにより、プレスステージ63が下方向に移動する。シリンダ69の駆動により、プレスステージ63の上下方向の移動が可能となる。なお、石英ステージ駆動機構64及びプレスステージ駆動機構65は、各種公知の技術を利用して適宜構成してもよい。また、固定部5は、プレスステージ63を冷却する冷却装置を備えてもよい。冷却装置には、各種公知の技術を利用してよい。例えば、プレスステージ63上部に空冷ファンを設け、プレスステージ63付近の空気を強制的に対流させたり、熱を外部へ排気する方法や、プレスステージ63内に冷却用水冷管を設ける方法がある。また、冷却装置は石英ステージ62に備えてもよいが、UV光源61から照射される紫外線を遮蔽する恐れがあるため、プレスステージ63への設置がより好ましい。これによりUV光源61からのランプ熱やシール剤31の硬化発熱によるウェブフィルムW及びシートフィルムSのフィルム変形の抑制が可能となる。
【0023】
切取り装置6は、ウェブフィルムWから貼合されたCF基板c及びTFT基板tを所定のサイズに切り抜く。シート切断装置7は、TFT基板tが形成されたウェブフィルムからTFT基板tに適した定形サイズのシートフィルムSに切り抜く。切取り装置6及びシート切断装置7の切り抜き方法として、例えばレーザーによる切断法等が用いられる。
【0024】
シート搬送装置8は、シートフィルムSを上ステージ42に供給するシート供給手段としての供給ハンド81と、供給ハンド81をシート切断装置7と貼合部4との間で移動させるハンド駆動機構82とを備えている。図9に供給ハンド81の拡大図、図10に図9のX−X線における供給ハンド81の断面図をそれぞれ示す。供給ハンド81は、シートフィルムSの周縁部Sa(図11A参照)を保持する保持部としての保持部材83と、保持部材83を支持する支持部84と、保持部材83を支持部84に固定する固定部材85と、支持部84の一辺から延びてハンド駆動機構82と接続する接続部86とを備えている。保持部材83は、シートフィルムSの周縁部Saを保持するためにシートフィルムSの大きさに適した枠状に構成され、支持部84の面に対して突出して設けられている。保持部材83のシートフィルムSの保持面83aには、シートフィルムSを真空吸引して固定するための複数の吸引孔87が所定の間隔で保持部83を一周するようにして設けられている。吸引孔87は、空気を吸引するポンプ等と接続されて保持面83a上に載置されたシートフィルムSを吸着させる。
【0025】
支持部84は、平板状に構成され、上面84aに保持部材83が設けられている。支持部84は、接続部86と一体として形成されていてもよい。支持部84の保持部材83に囲まれた領域Aには、その中心に空気を流入させるための流入孔88が設けられている。保持部材83に保持されたシートフィルムS、保持部材83及び支持部84に囲まれた空間に対して流入孔88から空気を流入させることで、保持されたシートフィルムSの中心部を上に凸となるようにたわみを生じさせる。固定部材85は、保持部材83の内周側及び外周側に設置される。固定部材85には、支持部84に固定するためのねじ穴89が複数設けられて、ねじ留めすることにより保持部材83が固定される。保持部材83の保持面83aと固定部材85の上面85aとの間には段差Gが設けられ、保持面83aの方がやや高い構造となっている。なお、流入孔88から流入される気体は空気に限られず、例えば、通常の水分を含んだ空気や乾燥空気、窒素・アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。
【0026】
ハンド駆動機構82は、供給ハンド81の接続部86と接続され、供給ハンド81を駆動する。供給ハンド81は、保持面83aに対して上下方向に駆動可能、かつ水平方向に旋回駆動可能、かつ接続部86が延びる方向を軸として回転駆動可能とされる。ハンド駆動機構82の構成は、工業用ロボットや各種ハンドリング装置等の公知の手法を適宜採用してよい。
【0027】
図1に戻って、アライメント貼合装置1の動作を説明する。巻取り装置2からウェブフィルムWが巻き出されて、搬送経路に沿って搬送される。その搬送動作は、ウェブフィルムW上に形成されたCF基板cを一枚ずつ下ステージ41に繰り出すことができるような間欠的な動作である。ウェブフィルムWの張力は、搬送駆動部11及び搬送クランプ12、13にて、随時調整される。ディスペンサー3では、CF基板cに対してシール剤31が塗布され、液晶33が滴下される。塗布後、CF基板cは貼合部4へ搬送される。一方、シート切断装置7は、TFT基板tが形成されたウェブフィルムを巻き出して、TFT基板tを所定サイズのシートフィルムSに順次切り抜く。
【0028】
貼合部4では、ウェブフィルムW上に形成されたCF基板cとシートフィルムS上に形成されたTFT基板tとが貼合される。まず、図11A、図11Bを参照して、供給ハンド81によるシートフィルムSの供給動作を説明する。供給ハンド81は、シート切断装置7にて切り抜かれたシートフィルムSの上方に進入する(図11A)。領域AにTFT基板tが位置するように供給ハンド81を位置合わせした後、供給ハンド81は下降する。保持部材83はシートフィルムSの周縁部Saと接触し、吸引孔87から空気が吸引される。これにより、シートフィルムSは保持部材83に保持される。TFT基板tに接触することなくシートフィルムSが保持されるので、汚染や傷等を発生させることがない。シートフィルムSの保持後、供給ハンド81の流入孔88から空気が流入する。これにより、シートフィルムSの中心部が凸にたわむ。供給ハンド81は、シートフィルムSが上側となるように反転して、貼合部4の上ステージ42の下方に進入する(図11B)。供給ハンド81は、所定の位置に位置合わせされた後、上昇し、シートフィルムSは、凸となった中心部から外周に向かって上ステージ42に吸着される。シートフィルムSは、真空吸着方式あるいは静電チャック方式にて吸着される。なお、上ステージ42、供給ハンド81、及びハンド駆動機構82又はステージ駆動機構45は、シート受渡し機構として機能する。
【0029】
上ステージ42に供給されたシートフィルムSは、ウェブフィルムW上のCF基板cに対して位置合わせされる。図12A、図12Bを参照して、貼合部4での貼合動作を説明する。上下ステージ41、42は、ウェブフィルムW及びシートフィルムSを真空吸着方式で吸着している場合、静電チャック方式に切り換えて保持吸着する(図12A)。静電チャック方式は真空チャンバ内でも吸着可能である特徴の一方、静電チャック本体の極近傍でしか吸着効果がないという欠点がある。そのため、ウェブフィルムWやシートSのようにうねりやたわみのある基板では吸着し難い場合がある。今回、初めに真空吸着方式にてフィルムを充分、上下ステージ41、42に吸着した後に静電チャック方式に切り替えるため、うねりやたわみのある基板でも問題なく吸着が可能となる。上下チャンバ構成部材43、44が閉じられてチャンバ50が形成され、チャンバ50内の空気が吸引される。チャンバ50内が真空になると、シール剤31及び液晶33が脱泡処理される。ウェブフィルムW及びシートフィルムSは、静電チャックにより吸着されているため、真空チャンバ内でも確実に保持及び支持することができる。そして、貼合部4は、上ステージ42を下降させて両基板c、tを貼合する(図12B)。上ステージ42の静電チャックを解除すると、シートフィルムSは自重により上ステージ42から離れ、チャンバ50内の真空状態を解除すると、大気圧により両基板c、tがプレスされる。また、貼合時にはUV−LED47から紫外線が照射される。紫外線がシール剤31の一部に照射されることで、その一部が固化する。これにより、TFT基板tがCF基板cに対して部分的に固定、すなわち仮止めされる。
【0030】
貼合部4で上下チャンバ構成部材43、44が閉じる際に、ウェブフィルムWが連続しているため、上下チャンバ構成部材43、44に設けられたOリング53a〜53cのそれぞれはウェブフィルムWを一部に挟んで閉じることになる。図13にウェブフィルムWを挟んで上下チャンバ構成部材43、44が閉じられた状態での断面図を示す。ウェブフィルムWを挟んだ箇所のOリング53が弾性変形するので、ウェブフィルムWを挟まない箇所のOリング53との間に隙間が生じることがない。Oリング53a、53bに囲まれた領域及びOリング53b、53cに囲まれた領域は、それぞれ吸引孔54から空気が吸引されるので、Oリング53同士の密着が増す。従って、ウェブフィルムWをOリング53の一部に挟んだ状態でも、Oリング53の全周に亘ってOリング53同士がそれぞれ密着して、チャンバ50内の真空を良好に保持することができる。
【0031】
ウェブフィルムW上に形成されたCF基板cには、複数のスペーサ91(図14参照)が設けられている。ウェブフィルムW及びシートフィルムSは樹脂製であり、スペーサ91が硬質だと、貼合する際に両フィルムW、Sが変形するおそれがある。そこで、ウェブフィルムW及びスペーサ91に対してフレキシブル性を付与する。図14にウェブフィルムWとスペーサ91との関係を説明する図を示す。ウェブフィルムW上のスペーサ91の垂直方向から荷重Pをかけた際の変位量δaが、スペーサ91にのみ荷重Pをかけた際のスペーサ91の変位量と比較して大きなものとされる。ここで、変位量δaは、荷重Pをかける前のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さから、荷重Pをかけた後のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さを減算した値である。また、ウェブフィルムW上のスペーサ91から荷重Pを除去した際の不可逆変位量δbが、スペーサ91のみに荷重Pをかけ、荷重Pを除去した際の不可逆変位量と比較して小さなものとされる。ここで、不可逆変位量δbは、荷重Pをかける前のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さから、荷重Pを除去した後のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さを減算した値である。
【0032】
従って、本発明のウェブフィルムW及びスペーサ91が用いられた表示装置は、外側から強い力が加えられた場合であっても、表示装置がその力に追従して変形することができ、かつ荷重Pから解放された際に、荷重Pがかけられる前のセルギャップに近い状態に戻ることができる。よって、種々のフレキシブル性の高い表示装置に用いることができ、かつ対向するシートフィルムSとのセルギャップを安定して保持することができる。なお、ウェブフィルムWに代えて、シートフィルムSにスペーサ91を形成してもよい。スペーサ91は、例えば柱状や壁状等、所定の位置に、所定の形状に形成される。
【0033】
貼合された両基板c、tは、固定部5に搬送される。固定部5では、石英ステージ62上の所定の位置に載置された仮止め状態の両基板c、tに対して、プレスステージ63が下降し、接触する。ウェブフィルムW上の両基板c、tは石英ステージ62とプレスステージ63とに挟まれて、圧力が付与される。その状態のまま、UV光源61から紫外線が両基板c、tの全面に亘って照射される。これにより、残りのシール剤31が固化して両基板c、tがそれらの全周に亘って貼合される。プレスステージ63による圧力により、ウェブフィルムW及びシートフィルムSの形態を維持したままシール剤31が固化するので、固化時に生じるウェブフィルムW及びシートフィルムSの収縮による変形を抑制することができる。また、冷却装置でプレスステージ63を冷却することにより、UV光源61によるランプ熱やシール剤31の固化時に発生する熱を抑え、熱によるウェブフィルムW及びシートフィルムSの変形を抑制することができる。そして、シール剤31の硬化後は切取り装置6に搬送される。切取り装置6では、両基板c、tがウェブフィルムWから切り取られる。
【0034】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、第2の基板としてTFT基板tをシートフィルムSに形成したが、ガラスのように適度な剛性を有するシートに第2の基板が形成されていてもよい。シートフィルムS上に形成される第2の基板の枚数は一枚に限られない。つまり、一画面領域相当の第2の基盤のみを第2の基板上に形成する例に限られない。シートフィルムSがウェブフィルムWのような連続性を有しておらず、一枚のシートフィルムS上に形成された第2の基板をウェブフィルムWに対して一度に、あるいは同時的に位置合わせできる範囲であれば一枚のシートフィルムS上には複数の第2の基板が形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一形態に係るアライメント貼合装置の概略図。
【図2】ディスペンサーの模式図。
【図3】貼合部の拡大図。
【図4】静電チャックの吸着原理を示す図。
【図5】貼合部の詳細図。
【図6】下チャンバ構成部材の上面図。
【図7】固定部の拡大図。
【図8】固定部の詳細図。
【図9】供給ハンドの拡大図。
【図10】図9のX−X線における供給ハンドの断面図。
【図11A】供給ハンドによるシートフィルムの供給動作を示す図。
【図11B】図11Aに続く動作を示す図。
【図12A】貼合部での貼合動作を示す図。
【図12B】図12Aに続く動作を示す図。
【図13】ウェブフィルムを挟んで上下チャンバ構成部材が閉じられた状態での断面図。
【図14】ウェブフィルムとスペーサとの関係を説明する図。
【符号の説明】
【0036】
1 アライメント貼合装置
42 上ステージ
45 ステージ駆動機構
81 供給ハンド
82 ハンド駆動機構
83 保持部材(保持部)
84 支持部
88 流入孔
t TFT基板(基板)
S シートフィルム(シート)
Sa 周縁部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置を構成するための基板が形成されたシートを保持して受け渡すシート受渡し機構及びシート受渡し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブフィルム上に連続的に形成されたディスプレイ装置用の複数の基板のそれぞれに対して、相手側の基板が形成されたシートを動かして両基板を位置合わせし、貼合する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−15041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ウェブフィルムとシートとを貼合するためにシートを保持するシート保持手段に対しては、シート供給手段にて一枚ずつシートを供給することが一般的に考えられる。シートの供給をする際にシートに形成された基板に汚染や傷等の不具合が生じるおそれがある。
【0004】
そこで、本発明はシートに形成された基板の品質を損なうことなくシートの供給が可能なシート受渡し機構及びシート受渡し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシート受渡し機構は、基板(t)が形成されたシート(S)を吸着して保持する保持ステージ(42)と、前記シートの、前記基板の外側に位置する領域(Sa)を吸着して保持する保持部(83)と、前記保持部を支持する平板状の支持部(84)と、を有し、前記保持部が前記支持部に比べて突出して設けられ、前記シートを前記保持ステージに供給するシート供給手段と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明のシート受渡し機構によれば、シート供給手段は、保持部にて基板が形成されたシートの基板の外側の領域を保持する。これにより、基板を覆うようにして、基板には接触することなくシートが保持される。シートを保持したシート保持手段は、保持ステージにシートを供給する。従って、汚染や傷等の発生を防ぎながら保持ステージへのシートの供給ができる。
【0007】
本発明のシート受渡し機構の一形態において、前記支持部の中央には、気体を流入するための流入孔(88)が設けられていてもよい。この形態によれば、流入孔から気体が流入すると保持部に保持されたシートの中央が凸にたわむ。このため、保持ステージにシートを供給する際には、シートの中央から外周に向かってシートの吸着が進行する。従って、保持ステージに対してシートを均一に吸着させることができる。
【0008】
本発明のシート受渡し機構の一形態において、前記保持部が、前記流入孔の周囲を取り囲むようにして設けられていてもよい。この形態によれば、シートの周縁部を全周に亘って保持することができるので、流入孔から空気を流入させた際にシートの中央を凸にたわませながらシートを安定して保持することができる。
【0009】
本発明のシート受渡し方法は、基板(t)が形成されたシート(S)の、前記基板の外側に位置する領域(Sa)をシート供給手段(81)にて吸着して保持する手順と、前記シート供給手段の流入孔(88)から気体を流入して、保持したシートの中央が凸となるように前記シートをたわませる手順と、前記保持ステージに前記シートを接触させて、前記シートの中央から外周に向かって前記シートの前記保持ステージへの吸着を進行させる手順と、を備えたことにより上記課題を解決する。
【0010】
本発明のシート受渡し方法によれば、シート供給手段は、保持部にて基板が形成されたシートの基板の外側の領域を保持する。これにより、基板を覆うようにして、基板には接触することなくシートが保持される。流入孔から気体が流入すると保持部に保持されたシートの中央が凸にたわむ。シートを保持したシート保持手段は、保持ステージにシートを供給する。保持ステージに対してシートの中央から外周に向かって吸着されていくので、保持ステージに対してシートは均一に吸着される。従って、汚染や傷等の発生を防ぎながら保持ステージへのシートの供給ができる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明のシート受渡し機構及びシート受渡し方法においては、シート供給手段は、保持部にて基板が形成されたシートの基板の外側の領域を保持する。これにより、基板を覆うようにして、基板には接触することなくシートが保持される。シートを保持したシート保持手段は、保持ステージにシートを供給する。従って、汚染や傷等の発生を防ぎながら保持ステージへのシートの供給ができる。更に、保持ステージに対してシートを均一に吸着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に本発明の一形態に係るシート受渡し機構が適用されたアライメント貼合装置の概略図を示す。アライメント貼合装置1は、ウェブフィルムWの長手方向に連続的に形成された第1の基板としてのカラーフィルタ(以下、CFと省略する。)基板c(図12A参照。)に対して、第2の基板としてのTFT(Thin Film Transistor)基板t(図12A参照。)が形成されたシートとしてのシートフィルムSを重ね合わせて貼合する装置である。アライメント貼合装置1は、ウェブフィルムWを巻き出す巻出し装置2と、CF基板cにシール剤塗布及び液晶滴下を行うディスペンサー3と、CF基板cとTFT基板tとを貼合する貼合部4と、貼合したCF基板c及びTFT基板tを相互に固定する固定作用付与手段としての固定部5と、固定したCF基板c及びTFT基板tを切り取る切取り装置6と、TFT基板tが形成されたウェブフィルムからTFT基板tに適した定形サイズのシートフィルムSに切断するシート切断装置7と、シート切断装置7からシートフィルムSを貼合部4に供給するシート搬送装置8とを備えている。さらに、アライメント貼合装置1には、巻出し装置2で巻き出されたウェブフィルムWを搬送駆動する搬送駆動部11a、11b(参照符号11で代表することがある。)と、搬送されるウェブフィルムWの張力を調整する搬送クランプ12a〜12e(参照符号12で代表することがある。)、13と、搬送されるウェブフィルムWを監視するエッジセンサ14a〜14d(参照符号14で代表することがある。)とが設けられている。
【0014】
ウェブフィルムWには、貼合の前工程ですべき、ITO膜やスペーサーの形成等の必要な加工がCF基板cに対して既に施されて、ロール状に巻き取られている。巻出し装置2は、ロール状に巻かれたウェブフィルムWを巻き出す。ウェブフィルムWは、ロール状に巻かれた状態で巻出し装置2に供給され、巻き出されたウェブフィルムWは、搬送駆動部11a、11bにより巻出し装置2から切取り装置6まで搬送される。搬送駆動部11a、11bは、ディスペンサー3と貼合部4との間、固定部5と切取り装置6との間にそれぞれ設置される。搬送駆動部11a、11bは、いずれも同様の構成で、ウェブフィルムWを挟んで保持しながら搬送方向への送り出しが可能である。搬送クランプ12a〜12eも搬送駆動部11と同様、ウェブフィルムWを挟んで保持しながら搬送方向に駆動することが可能である。搬送クランプ12は、ウェブフィルムWの張力調整をする。搬送クランプ13は、駆動機構を有していない以外は、搬送クランプ12と同様の構成である。エッジセンサ14は、各処理間でのウェブフィルムWの搬送状態を随時監視する。エッジセンサ14は、光電センサ等の各種周知の技術にて構成することができる。なお、搬送駆動部11、搬送クランプ12、13及びエッジセンサ14は、各処理間に適宜設置してよい。
【0015】
図2にディスペンサー3の模式図を示す。ディスペンサー3は、CF基板cに対してシール剤31を塗布するシール剤供給ノズル32と、液晶33を滴下する液晶滴下ノズル34とを備えている。各ノズル32、34として、例えば、インクジェットノズル等が利用される。シール剤31は、ウェブフィルムW上のCF基板cに予め形成された隔壁35a、35bの間に塗布される。シール剤31として紫外線硬化樹脂が好適に使用される。液晶33は、液晶滴下法により、隔壁35bに囲まれた領域に滴下される。また、隔壁35a、35bの何れか一方、もしくは両方が形成されていなくてもよい。なお、ディスペンサー3は常圧領域、言い換えれば大気圧に開放された領域に設置されている。
【0016】
図3に貼合部4の拡大図を示す。貼合部4は、CF基板cが形成されたウェブフィルムWを支持するフィルム支持手段としての下ステージ41と、TFT基板tが形成されたシートフィルムSを保持するシート保持手段あるいは保持ステージとしての上ステージ42と、上下ステージ41、42の周囲に真空チャンバを形成するための下チャンバ構成部材43及び上チャンバ構成部材44と、上ステージ42を駆動するためのステージ駆動機構45と、上下チャンバ構成部材43、44を駆動するためのチャンバ駆動機構46とを備えている。上下ステージ41、42は、ウェブフィルムWを挟んで上下方向、つまりZ軸方向に対向するように設けられている。下ステージ41には、仮固定部としての複数のUV−LED47と、UV−LED47からの紫外線を通過させるための窓部としての孔とが設けられている。UV−LED47は、紫外線を照射するLEDである。UV−LED47は、下ステージ41に設けられる孔を介して紫外線を照射する。
【0017】
下ステージ41によるウェブフィルムWの支持及び上ステージ42によるシートフィルムSの保持には、それぞれ静電チャックが利用される。図4を参照して、静電チャックの吸着原理を説明する。下ステージ41には、誘電体48と、誘電体48に電圧を印加するための内部電極49とが設けられている。内部電極49に電圧を印加すると、誘電体48が帯電する。帯電した誘電体48にウェブフィルムWを近付けると、誘電体48と向かい合う面に反対極性の電荷が集まり、クーロン力が働く。これにより、下ステージ41にウェブフィルムWが吸着する。上ステージ42も同様の構成を有する。また、下ステージ41によるウェブフィルムWの支持及び上ステージ42によるシートフィルムSの保持には、吸引力を作用させる真空吸着方式も利用される。貼合部4は、真空吸着方式と静電チャック方式とを切り換える切換えスイッチを有し、真空吸着方式と静電チャック方式とが切換え可能あるいは同時使用可能に構成される。
【0018】
図5に貼合部4の詳細図、図6に下チャンバ構成部材43の上面図をそれぞれ示す。上下チャンバ構成部材43、44は、ウェブフィルムWを挟んで上下方向に対向するように、かつ上下ステージ41、42を取り囲むようにして開閉可能に設けられている。上下チャンバ構成部材43、44が重ね合わさることにより、上下ステージ41、42の周囲にチャンバ50が形成される。上下チャンバ構成部材43、44は、チャンバ50から空気を吸引するためのダクト51、52と、ダクト51、52と連結する図示しない真空ポンプを有し、これにより、チャンバ50内が真空に保持される。下チャンバ構成部材43は、チャンバ50をシールする複数のOリング53a、53b、53c(参照符号53で代表することがある。)と、各Oリング53a〜53c間に設けられた複数の吸引孔54とを有する。Oリング53aはチャンバ50の周囲を一周するように設けられ、Oリング53bはOリング53aの周囲を一周するように設けられ、Oリング53cはOリング53bの周囲を一周するように設けられている。つまり、Oリング53により、チャンバ50は三重にシールされる。Oリング53は、それぞれ無端状の形状を有している。Oリング53a〜53cの材質には、一般のシール部材、パッキン等の素材として使用される各種のゴム、エラストマーといった弾性材料を使用することができる。上チャンバ構成部材44も対向する位置に同様の構成のOリング53a〜53c及び吸引孔54を有する。上下チャンバ構成部材43、44を重ね合わせる際に、それぞれ設けられたOリング53が密着することにより、チャンバ50は密閉される。吸引孔54は、真空ポンプと連結され、Oリング53a、53bに囲まれた領域及びOリング53b、53cに囲まれた領域の空気を吸引する。
【0019】
ステージ駆動機構45は、モータ55と、モータ55の出力軸に連結された送りねじ56とを有する。送りねじ56は、上ステージ42にねじ込まれている。従って、モータ55にて送りねじ56を回転駆動することにより、モータ55の回転駆動が上ステージ42の直線運動に変換されて上下方向に移動する。ステージ駆動機構45は、ウェブフィルムWの表面に沿った方向、つまり、図3のX軸方向及びY軸方向に移動させるX−Yステージも有する。ステージ駆動機構45は、X軸方向及びY軸方向及びZ軸方向に移動が可能であり、CF基板cにTFT基板tを位置合わせする位置合わせ手段及びTFT基板tをCF基板cに重ね合わせるシート送り手段として兼用される。
【0020】
チャンバ駆動機構46は、モータ57と、モータ57の出力軸に連結された送りねじ58と、上下チャンバ構成部材43、44を上下方向に案内するガイド59とを有する。送りねじ58は、上下チャンバ構成部材43、44にそれぞれねじ込まれている。ガイド59は、上下チャンバ構成部材43、44の四隅に設けられている。モータ57にて送りねじ58を回転駆動することにより、モータ57の回転駆動が下チャンバ構成部材43、あるいは上チャンバ構成部材44の直線運動に変換されて、ガイド59に案内されながら上下方向に移動する。なお、ステージ駆動機構45及びチャンバ駆動機構46は、各種公知の技術を利用して適宜構成してもよい。
【0021】
図7に固定部5の拡大図を示す。固定部5は、紫外線を照射する固化手段としてのUV光源61と、ウェブフィルムWを載置する載置ステージとしての石英ステージ62と、貼合されたCF基板c及びTFT基板tに対して上方向から圧力を加えるプレスステージ63と、石英ステージ62を上下方向に駆動する石英ステージ駆動機構64と、プレスステージ63を上下方向に駆動するプレスステージ移動機構としてのプレスステージ駆動機構65と、を備えている。UV光源61は、石英ステージ62の下方に設置される。UV光源61として、メタルハライドランプや高圧水銀ランプといった各種公知の紫外線ランプをシール剤31の特性に合わせて利用できる。石英ステージ62はUV光源61から照射される紫外線を透過させるため、紫外線照射領域が石英ガラスで形成されている。これにより、貼合された両基板c、tのシール剤31の全面に紫外線を照射することが可能となる。プレスステージ63は、プレスステージ駆動機構65により上下方向に移動可能に構成される。石英ステージ62及びプレスステージ63のウェブフィルムWに対向する面は平坦に形成される。プレスステージ63には、紫外線を反射する層が設けられていてもよい。紫外線を反射する層は、プレスステージ63の表面、つまり、プレスステージ63の下面側に全面に設けられる。あるいは、上面側に設けられていてもよい。紫外線を反射する層は、紫外線を反射する材料の塗布、あるいは、フィルム等の貼付により形成される。この紫外線を反射する層により、一度ウェブフィルムWを通過した紫外線が反射して、ウェブフィルムWに紫外線が再度照射される。従って、紫外線の照射量が増えることとなり、シール剤31に対して効率的に、かつ充分に紫外線を照射することができる。石英ステージ62に載置されたウェブフィルムWに対してプレスステージ63が押し付けられることにより、ウェブフィルムWが石英ステージ62とプレスステージ63とに挟まれる。これにより、ウェブフィルムW上の基板に圧力が加えられる。
【0022】
図8に固定部5の詳細図を示す。石英ステージ駆動機構64は、駆動源としてのシリンダ66と、連結部材67にて石英ステージ62と連結された上板68とを有する。シリンダ66が上方向に上板68を押し上げることにより、石英ステージ62が上方向に移動する。シリンダ66の駆動により、石英ステージ62の上下方向の移動が可能となる。プレスステージ駆動機構65は、駆動源としてのシリンダ69を有する。シリンダ69が、プレスステージ63を支持する支持板70を押し下げることにより、プレスステージ63が下方向に移動する。シリンダ69の駆動により、プレスステージ63の上下方向の移動が可能となる。なお、石英ステージ駆動機構64及びプレスステージ駆動機構65は、各種公知の技術を利用して適宜構成してもよい。また、固定部5は、プレスステージ63を冷却する冷却装置を備えてもよい。冷却装置には、各種公知の技術を利用してよい。例えば、プレスステージ63上部に空冷ファンを設け、プレスステージ63付近の空気を強制的に対流させたり、熱を外部へ排気する方法や、プレスステージ63内に冷却用水冷管を設ける方法がある。また、冷却装置は石英ステージ62に備えてもよいが、UV光源61から照射される紫外線を遮蔽する恐れがあるため、プレスステージ63への設置がより好ましい。これによりUV光源61からのランプ熱やシール剤31の硬化発熱によるウェブフィルムW及びシートフィルムSのフィルム変形の抑制が可能となる。
【0023】
切取り装置6は、ウェブフィルムWから貼合されたCF基板c及びTFT基板tを所定のサイズに切り抜く。シート切断装置7は、TFT基板tが形成されたウェブフィルムからTFT基板tに適した定形サイズのシートフィルムSに切り抜く。切取り装置6及びシート切断装置7の切り抜き方法として、例えばレーザーによる切断法等が用いられる。
【0024】
シート搬送装置8は、シートフィルムSを上ステージ42に供給するシート供給手段としての供給ハンド81と、供給ハンド81をシート切断装置7と貼合部4との間で移動させるハンド駆動機構82とを備えている。図9に供給ハンド81の拡大図、図10に図9のX−X線における供給ハンド81の断面図をそれぞれ示す。供給ハンド81は、シートフィルムSの周縁部Sa(図11A参照)を保持する保持部としての保持部材83と、保持部材83を支持する支持部84と、保持部材83を支持部84に固定する固定部材85と、支持部84の一辺から延びてハンド駆動機構82と接続する接続部86とを備えている。保持部材83は、シートフィルムSの周縁部Saを保持するためにシートフィルムSの大きさに適した枠状に構成され、支持部84の面に対して突出して設けられている。保持部材83のシートフィルムSの保持面83aには、シートフィルムSを真空吸引して固定するための複数の吸引孔87が所定の間隔で保持部83を一周するようにして設けられている。吸引孔87は、空気を吸引するポンプ等と接続されて保持面83a上に載置されたシートフィルムSを吸着させる。
【0025】
支持部84は、平板状に構成され、上面84aに保持部材83が設けられている。支持部84は、接続部86と一体として形成されていてもよい。支持部84の保持部材83に囲まれた領域Aには、その中心に空気を流入させるための流入孔88が設けられている。保持部材83に保持されたシートフィルムS、保持部材83及び支持部84に囲まれた空間に対して流入孔88から空気を流入させることで、保持されたシートフィルムSの中心部を上に凸となるようにたわみを生じさせる。固定部材85は、保持部材83の内周側及び外周側に設置される。固定部材85には、支持部84に固定するためのねじ穴89が複数設けられて、ねじ留めすることにより保持部材83が固定される。保持部材83の保持面83aと固定部材85の上面85aとの間には段差Gが設けられ、保持面83aの方がやや高い構造となっている。なお、流入孔88から流入される気体は空気に限られず、例えば、通常の水分を含んだ空気や乾燥空気、窒素・アルゴンなどの不活性ガスであってもよい。
【0026】
ハンド駆動機構82は、供給ハンド81の接続部86と接続され、供給ハンド81を駆動する。供給ハンド81は、保持面83aに対して上下方向に駆動可能、かつ水平方向に旋回駆動可能、かつ接続部86が延びる方向を軸として回転駆動可能とされる。ハンド駆動機構82の構成は、工業用ロボットや各種ハンドリング装置等の公知の手法を適宜採用してよい。
【0027】
図1に戻って、アライメント貼合装置1の動作を説明する。巻取り装置2からウェブフィルムWが巻き出されて、搬送経路に沿って搬送される。その搬送動作は、ウェブフィルムW上に形成されたCF基板cを一枚ずつ下ステージ41に繰り出すことができるような間欠的な動作である。ウェブフィルムWの張力は、搬送駆動部11及び搬送クランプ12、13にて、随時調整される。ディスペンサー3では、CF基板cに対してシール剤31が塗布され、液晶33が滴下される。塗布後、CF基板cは貼合部4へ搬送される。一方、シート切断装置7は、TFT基板tが形成されたウェブフィルムを巻き出して、TFT基板tを所定サイズのシートフィルムSに順次切り抜く。
【0028】
貼合部4では、ウェブフィルムW上に形成されたCF基板cとシートフィルムS上に形成されたTFT基板tとが貼合される。まず、図11A、図11Bを参照して、供給ハンド81によるシートフィルムSの供給動作を説明する。供給ハンド81は、シート切断装置7にて切り抜かれたシートフィルムSの上方に進入する(図11A)。領域AにTFT基板tが位置するように供給ハンド81を位置合わせした後、供給ハンド81は下降する。保持部材83はシートフィルムSの周縁部Saと接触し、吸引孔87から空気が吸引される。これにより、シートフィルムSは保持部材83に保持される。TFT基板tに接触することなくシートフィルムSが保持されるので、汚染や傷等を発生させることがない。シートフィルムSの保持後、供給ハンド81の流入孔88から空気が流入する。これにより、シートフィルムSの中心部が凸にたわむ。供給ハンド81は、シートフィルムSが上側となるように反転して、貼合部4の上ステージ42の下方に進入する(図11B)。供給ハンド81は、所定の位置に位置合わせされた後、上昇し、シートフィルムSは、凸となった中心部から外周に向かって上ステージ42に吸着される。シートフィルムSは、真空吸着方式あるいは静電チャック方式にて吸着される。なお、上ステージ42、供給ハンド81、及びハンド駆動機構82又はステージ駆動機構45は、シート受渡し機構として機能する。
【0029】
上ステージ42に供給されたシートフィルムSは、ウェブフィルムW上のCF基板cに対して位置合わせされる。図12A、図12Bを参照して、貼合部4での貼合動作を説明する。上下ステージ41、42は、ウェブフィルムW及びシートフィルムSを真空吸着方式で吸着している場合、静電チャック方式に切り換えて保持吸着する(図12A)。静電チャック方式は真空チャンバ内でも吸着可能である特徴の一方、静電チャック本体の極近傍でしか吸着効果がないという欠点がある。そのため、ウェブフィルムWやシートSのようにうねりやたわみのある基板では吸着し難い場合がある。今回、初めに真空吸着方式にてフィルムを充分、上下ステージ41、42に吸着した後に静電チャック方式に切り替えるため、うねりやたわみのある基板でも問題なく吸着が可能となる。上下チャンバ構成部材43、44が閉じられてチャンバ50が形成され、チャンバ50内の空気が吸引される。チャンバ50内が真空になると、シール剤31及び液晶33が脱泡処理される。ウェブフィルムW及びシートフィルムSは、静電チャックにより吸着されているため、真空チャンバ内でも確実に保持及び支持することができる。そして、貼合部4は、上ステージ42を下降させて両基板c、tを貼合する(図12B)。上ステージ42の静電チャックを解除すると、シートフィルムSは自重により上ステージ42から離れ、チャンバ50内の真空状態を解除すると、大気圧により両基板c、tがプレスされる。また、貼合時にはUV−LED47から紫外線が照射される。紫外線がシール剤31の一部に照射されることで、その一部が固化する。これにより、TFT基板tがCF基板cに対して部分的に固定、すなわち仮止めされる。
【0030】
貼合部4で上下チャンバ構成部材43、44が閉じる際に、ウェブフィルムWが連続しているため、上下チャンバ構成部材43、44に設けられたOリング53a〜53cのそれぞれはウェブフィルムWを一部に挟んで閉じることになる。図13にウェブフィルムWを挟んで上下チャンバ構成部材43、44が閉じられた状態での断面図を示す。ウェブフィルムWを挟んだ箇所のOリング53が弾性変形するので、ウェブフィルムWを挟まない箇所のOリング53との間に隙間が生じることがない。Oリング53a、53bに囲まれた領域及びOリング53b、53cに囲まれた領域は、それぞれ吸引孔54から空気が吸引されるので、Oリング53同士の密着が増す。従って、ウェブフィルムWをOリング53の一部に挟んだ状態でも、Oリング53の全周に亘ってOリング53同士がそれぞれ密着して、チャンバ50内の真空を良好に保持することができる。
【0031】
ウェブフィルムW上に形成されたCF基板cには、複数のスペーサ91(図14参照)が設けられている。ウェブフィルムW及びシートフィルムSは樹脂製であり、スペーサ91が硬質だと、貼合する際に両フィルムW、Sが変形するおそれがある。そこで、ウェブフィルムW及びスペーサ91に対してフレキシブル性を付与する。図14にウェブフィルムWとスペーサ91との関係を説明する図を示す。ウェブフィルムW上のスペーサ91の垂直方向から荷重Pをかけた際の変位量δaが、スペーサ91にのみ荷重Pをかけた際のスペーサ91の変位量と比較して大きなものとされる。ここで、変位量δaは、荷重Pをかける前のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さから、荷重Pをかけた後のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さを減算した値である。また、ウェブフィルムW上のスペーサ91から荷重Pを除去した際の不可逆変位量δbが、スペーサ91のみに荷重Pをかけ、荷重Pを除去した際の不可逆変位量と比較して小さなものとされる。ここで、不可逆変位量δbは、荷重Pをかける前のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さから、荷重Pを除去した後のウェブフィルムWの底面からスペーサ91の上面までの高さを減算した値である。
【0032】
従って、本発明のウェブフィルムW及びスペーサ91が用いられた表示装置は、外側から強い力が加えられた場合であっても、表示装置がその力に追従して変形することができ、かつ荷重Pから解放された際に、荷重Pがかけられる前のセルギャップに近い状態に戻ることができる。よって、種々のフレキシブル性の高い表示装置に用いることができ、かつ対向するシートフィルムSとのセルギャップを安定して保持することができる。なお、ウェブフィルムWに代えて、シートフィルムSにスペーサ91を形成してもよい。スペーサ91は、例えば柱状や壁状等、所定の位置に、所定の形状に形成される。
【0033】
貼合された両基板c、tは、固定部5に搬送される。固定部5では、石英ステージ62上の所定の位置に載置された仮止め状態の両基板c、tに対して、プレスステージ63が下降し、接触する。ウェブフィルムW上の両基板c、tは石英ステージ62とプレスステージ63とに挟まれて、圧力が付与される。その状態のまま、UV光源61から紫外線が両基板c、tの全面に亘って照射される。これにより、残りのシール剤31が固化して両基板c、tがそれらの全周に亘って貼合される。プレスステージ63による圧力により、ウェブフィルムW及びシートフィルムSの形態を維持したままシール剤31が固化するので、固化時に生じるウェブフィルムW及びシートフィルムSの収縮による変形を抑制することができる。また、冷却装置でプレスステージ63を冷却することにより、UV光源61によるランプ熱やシール剤31の固化時に発生する熱を抑え、熱によるウェブフィルムW及びシートフィルムSの変形を抑制することができる。そして、シール剤31の硬化後は切取り装置6に搬送される。切取り装置6では、両基板c、tがウェブフィルムWから切り取られる。
【0034】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、第2の基板としてTFT基板tをシートフィルムSに形成したが、ガラスのように適度な剛性を有するシートに第2の基板が形成されていてもよい。シートフィルムS上に形成される第2の基板の枚数は一枚に限られない。つまり、一画面領域相当の第2の基盤のみを第2の基板上に形成する例に限られない。シートフィルムSがウェブフィルムWのような連続性を有しておらず、一枚のシートフィルムS上に形成された第2の基板をウェブフィルムWに対して一度に、あるいは同時的に位置合わせできる範囲であれば一枚のシートフィルムS上には複数の第2の基板が形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一形態に係るアライメント貼合装置の概略図。
【図2】ディスペンサーの模式図。
【図3】貼合部の拡大図。
【図4】静電チャックの吸着原理を示す図。
【図5】貼合部の詳細図。
【図6】下チャンバ構成部材の上面図。
【図7】固定部の拡大図。
【図8】固定部の詳細図。
【図9】供給ハンドの拡大図。
【図10】図9のX−X線における供給ハンドの断面図。
【図11A】供給ハンドによるシートフィルムの供給動作を示す図。
【図11B】図11Aに続く動作を示す図。
【図12A】貼合部での貼合動作を示す図。
【図12B】図12Aに続く動作を示す図。
【図13】ウェブフィルムを挟んで上下チャンバ構成部材が閉じられた状態での断面図。
【図14】ウェブフィルムとスペーサとの関係を説明する図。
【符号の説明】
【0036】
1 アライメント貼合装置
42 上ステージ
45 ステージ駆動機構
81 供給ハンド
82 ハンド駆動機構
83 保持部材(保持部)
84 支持部
88 流入孔
t TFT基板(基板)
S シートフィルム(シート)
Sa 周縁部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が形成されたシートを吸着して保持する保持ステージと、
前記シートの、前記基板の外側に位置する領域を吸着して保持する保持部と、前記保持部を支持する平板状の支持部と、を有し、前記保持部が前記支持部に比べて突出して設けられ、前記シートを前記保持ステージに供給するシート供給手段と、
を備えたことを特徴とするシート受渡し機構。
【請求項2】
前記支持部の中央には、気体を流入するための流入孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート受渡し機構。
【請求項3】
前記保持部が、前記流入孔の周囲を取り囲むようにして設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシート受渡し機構。
【請求項4】
基板が形成されたシートの、前記基板の外側に位置する領域をシート供給手段にて吸着して保持する手順と、
前記シート供給手段の流入孔から気体を流入して、保持したシートの中央が凸となるように前記シートをたわませる手順と、
前記保持ステージに前記シートを接触させて、前記シートの中央から外周に向かって前記シートの前記保持ステージへの吸着を進行させる手順と、
を備えたことを特徴とするシート受渡し方法。
【請求項1】
基板が形成されたシートを吸着して保持する保持ステージと、
前記シートの、前記基板の外側に位置する領域を吸着して保持する保持部と、前記保持部を支持する平板状の支持部と、を有し、前記保持部が前記支持部に比べて突出して設けられ、前記シートを前記保持ステージに供給するシート供給手段と、
を備えたことを特徴とするシート受渡し機構。
【請求項2】
前記支持部の中央には、気体を流入するための流入孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート受渡し機構。
【請求項3】
前記保持部が、前記流入孔の周囲を取り囲むようにして設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシート受渡し機構。
【請求項4】
基板が形成されたシートの、前記基板の外側に位置する領域をシート供給手段にて吸着して保持する手順と、
前記シート供給手段の流入孔から気体を流入して、保持したシートの中央が凸となるように前記シートをたわませる手順と、
前記保持ステージに前記シートを接触させて、前記シートの中央から外周に向かって前記シートの前記保持ステージへの吸着を進行させる手順と、
を備えたことを特徴とするシート受渡し方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−234745(P2009−234745A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83978(P2008−83978)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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