説明

シート搬送装置、及び、そのシート搬送装置を有するプリンタ

【課題】装置の非稼動中の解除レバーの操作に応じて適切なシート搬送補正シーケンスを行なうこと。
【解決手段】シートをニップして搬送する搬送機構と、搬送機構において、シートがニップされた状態とニップが解除された状態とを手動操作により切り換えるための解除レバーと、装置の非稼動中に、解除レバーによりニップが解除された状態となるように操作されたことを機械的に記憶する記憶機構と、記憶機構の記憶を検知する検知手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置、および、そのシート搬送装置を有するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタにシートをセットする際にシート搬送機構のローラに対して斜めに傾けてセットした場合、搬送時にシートが斜行したり蛇行したりする原因となってしまう。それを回避するために、シートをセットしてからある一定量を送り出すことにより、シートをシート送りローラに倣わせる補正のためのシーケンス動作(蛇行補正シーケンス)が行われる。特許文献1には、そのような蛇行補正シーケンスを行なう装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−105836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のプリンタは、電源OFFからONに電源投入する度、蛇行補正シーケンスを実行していた。そのため、毎回、電源投入時に、必要ない場合でも、搬送補正シーケンスの実行時間(例えば30秒)を要しており、プリンタの動作スループットが低下するという課題があった。
【0005】
上記の点に鑑み、本発明の目的の1つは、装置の非稼動中の解除レバーの操作に応じて適切なシート搬送補正シーケンスを行なうことができるシート搬送装置およびそのシート搬送装置を有するプリンタを提供することである。本発明のさらなる目的は、電源投入時のシート搬送補正シーケンスを柔軟に制御することができるシート搬送装置およびそのシート搬送装置を有するプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシート搬送装置は、シートをニップして搬送する搬送機構と、前記搬送機構において、シートがニップされた状態とニップが解除された状態とを手動操作により切り換えるための解除レバーと、装置の非稼動中に、前記解除レバーにより前記ニップが解除された状態となるように操作されたことを機械的に記憶する記憶機構と、前記記憶機構の記憶を検知する検知手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置の非稼動中の解除レバーの操作を機械的に記憶して記憶に応じて適切なシート搬送補正シーケンスを行なうことができる。また、電源投入時のシート搬送補正シーケンスを柔軟に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】プリンタ全体の斜視図である。
【図2】筐体付近を示す斜視図である。
【図3】コントローラを中心とするブロック構成を示す図である。
【図4】フラグレバーがOPEN状態であることを示す図である。
【図5】フラグレバーがCLOSE状態となったことを示す図である。
【図6】再度シートをニップ状態とした状態を示す図である。
【図7】フラグレバーが再びOPEN状態に戻された状態を示す図である。
【図8】蛇行補正シーケンス制御の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のプリンタの実施の形態を説明する。本発明は、インクジェット方式、電子写真方式、サーマル方式、ドットインパクト方式などの様々な方式のプリンタに適用可能である。また、本発明は、例えばファクシミリ装置、コピー装置、複合機(マルチファンクションプリンタ)などのプリンタを内蔵する各種プリント機器にも適用することができる。以下はインクジェット方式のプリンタを実施例として説明する。
【0010】
図1、図2は、それぞれインクジェット方式のプリンタ101の全体と一実施形態が組み込まれた内部構成の概略構成を示す図である。プリンタ101は、シート搬送部103と画像形成部106と排出部104と操作部107を含んでいる。シート搬送部103は、ロールシート105を回転可能に保持する。シート搬送部103は、ロールシート105から引き出されたシートの搬送を行う。画像形成部106は、シート113を保持しながら画像形成を行う。排出部104は、画像形成後のシート113を機外に排出する。また、ユーザは、操作部107により画像形成の仕様設定を行うことができる。
【0011】
図2に示すように、画像形成部106には、画像形成時にロールシート105を所定量搬送するため、シートをニップ(挟持)して搬送を行なう搬送機構が備えられている。搬送機構は、LF(ラインフィード)ローラ108と、これに所定加圧力にて付勢しつつ、従動回転する複数個のピンチローラ109とを有し、両者の間にシートを挟持した状態でLFローラ108が回転することでシートを搬送する。なお、シート搬送機構は、2つのローラでシートを挟持して搬送するものに限らず、片方または両方を回転するベルト体として、シートを挟持して搬送するものであってもよい。
【0012】
また、画像形成部106は、シートを吸引しつつ平面状に保持するためのプラテン110と、インクジェット方式の記録ヘッド111を保持してシート搬送方向Y(副走査方向)と直角する方向X(主走査方向)に往復走査するキャリッジ102とを含む。記録ヘッド111には、発熱体を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式など、さまざまなインクジェット方式を用いることができる。
【0013】
図2に示すように、プリンタ101の内部には、筐体112が設けられており、この筐体112上にプラテン110と、画像形成部106上の搬送方向Yの上流にシート113を搬送するシート搬送部103とが形成されている。プラテン110は、記録ヘッド111と画像形成部106上のシート113との間に所定の隙間を形成するようにシート113を案内支持する。
【0014】
本実施例において、プラテン110は、シート113をプラテン110の案内支持面に吸着させることができる吸引プラテンで構成されている。この吸引プラテンは、密閉空間で形成された筐体112の上面に支持され、筐体112の密閉空間とプラテン110とは、空間で接続されている。本実施例においては、筐体112の右端部に配置された吸引ファンを有する吸引ファンユニット114により、シート113がプラテン110の案内支持面に吸着されている。さらに、筐体112の長手方向に延設されたメインレール(不図示)に、主走査方向Xに往復移動するキャリッジ102が支持されている。図2において、本体正面(−Y側)から見てシート113の右端部を基準側115a、左端部を反基準側115bとする。記録ヘッド111が配置されたキャリッジ102が基準側115aと反基準側115bとの間を往復移動して、プラテン110上のシート113へインクが吐出され、プリントが行われる。
【0015】
図3は、本実施例に係るプリンタの制御手段(コントローラ)を中心とするブロック構成を示す図である。同図において、制御部は、CPU1を有し、ROM2に内蔵された、例えば、後述する図8に示すフローチャートにて示されるプログラムなどに従い、本プリンタ全体の制御を行なう。RAM3は、CPU1のワークエリア及び外部インタフェース10で受信したデータを格納するメモリ領域、または、プリントデータ及びプリントデータに関連するデータを格納するメモリ領域として使用される。キャリッジ制御部4は、キャリッジモータの駆動を制御する。ラインフィード制御部5は、ラインフィードモータの駆動を制御する。ヘッド制御部6は、記録ヘッドと電気的に接続されており、ヘッドの温度を温度センサで感知し、温度ヒータ等で適切な温度制御を行なう等により記録ヘッドの駆動を制御する。プリント制御部7は、各制御部から送られてきたデータをもとに、キャリッジ制御部4、ラインフィード制御部5、ヘッド制御部6の各制御部に、プリントに必要な制御命令を送信する。データ解析部8は、外部インタフェース10で受信したデータを解析して、その解析結果をプリント制御部7又はプリントバッファ制御部9に送信する。プリントバッファ制御部9は、データ解析部8で解析されたデータから、RAM3上にあるプリントデータを格納するメモリ領域の大きさと数量を制御する。外部インタフェース10は、外部のホストコンピュータ等から送られてきたデータを受信する。システムバス11は、上記の各部を相互に接続する。
【0016】
次に、図4〜8を用いて、メカ構成及び動作について説明する。本プリンタは、ロールシートの先端を挟持した状態(ニップ状態)で電源OFFとすることができる。また、装置の非稼動中に、ユーザによる解除レバー22の手動操作によってニップ状態を解除することができる。つまり、解除レバー22は、シートをニップ状態にしたり、そのニップ状態を解除したりすることに用いられる。例えば、解除レバー22を図4に示す位置にすると、2つのローラによってシートを挟み、ニップ状態となる。また、レバーを図5に示す位置にすると、2つのローラの間に微小の空間を生成し、ニップ状態が解除される。
【0017】
図4に示すフラグレバー16(第2のレバー)は、解除レバー22(第1のレバー)によるニップ状態の解除操作に連動してその位置が変化するように構成され、後述する機械的な記憶機構の一部をなす。シートをニップ状態にした際には、フラグレバー16は、図4に示すような位置(第1の位置)にある。以下、フラグレバー16がこのような位置にあることを「OPEN状態」又は「フラグが立っていない状態」という。また、シートのニップ状態を解除した際には、フラグレバー16は、引っ張りバネ20及びレバー21が動くのに連動して、図5に示すような位置(第2の位置)となる。以下、フラグレバー16がこのような位置にあることを「CLOSE状態」又は「フラグが立った状態」という。また、図4から図5の状態にするように解除レバー22を操作することを「第1の切換え」という。
【0018】
センサ17は、フラグレバー16の位置変化(フラグ状態)を検知する。センサ17は、フラグレバー16を含む記憶機構の記憶の状態(内容)を検知する検知手段である。検知手段は記憶機構の記憶内容を読み出す読出手段ともいえる。センサ17は、例えば、光源と受光器を含むフォトインタラプタで構成され、フラグレバー16の有無を光源と受光器の間の光の透過/遮断の二つの状態により検知することができる。フラグレバー16が図4に示すようなOPEN状態である場合には光が透過するので、センサ17は、フラグレバー16がOPEN状態であることを検知する。一方、フラグレバー16が図5に示すようなCLOSE状態である場合には光が遮断されるので、センサ17は、フラグレバー16がCLOSE状態であることを検知する。解除レバー22、フラグレバー16、センサ17は、図2に示すLFローラ108軸上の延長線上に取り付けられており、本体正面(−Y側)から見てシート113の右端部の基準側115aに取り付けられている。なお、センサ17は、光学的なセンサに限らず、メカニカルセンサ、磁気センサなど別の手法でフラグレバー16のフラグ状態を検知するものであっても良い。
【0019】
図4は、フラグレバーがOPEN状態であり、例えば、シートをセットしてプリンタのイニシャライズ動作が終了した際の状態を示している。フラグレバーがOPEN状態のときには、解除レバー22はシートをニップした状態となっている。図5は、シートのニップ状態を解除して、フラグレバーがCLOSE状態となったことを示す図である。フラグレバー16は、解除レバー22の解除操作に連動してその位置が図4から図5に示すように変化する。つまり、解除レバー22が操作されることにより、フラグレバー16がOPEN状態からCLOSE状態に変化する。
【0020】
図6は、シートのニップ状態を解除してから、再度、シートをニップ状態とした状態を示す図である。解除レバー22を図5から図6に示す状態にしても、フラグレバー16は、一旦その位置を変化させた(図4から図5)後では解除レバー22の操作に連動せずにその位置状態を維持してフラグが立ち続けた状態となる。図5と図6に示すように、フラグレバー16の位置は変化していない。すなわち、フラグレバー16を含む記憶機構によって、装置の非稼動中に、解除レバー22でニップが解除された状態となるように操作されたことを機械的に記憶して、記憶を維持するものである。
【0021】
記憶機構は、解除レバー22の動きに連動して変位するフラグレバー16を有し、解除レバー22がニップ解除の状態となるように操作されると、フラグレバー16がフラグが立つように変位することで記憶を行なう。そして、フラグレバー16は、一旦フラグが立つように変位すると、その後、解除レバー22がニップされた状態となるように操作されても、フラグレバー16は連動して変位せずに、フラグが立った状態を維持する。また、センサ17を含む検知手段は、フラグレバー16のフラグ状態を検知する。こうして、プリンタの電源OFF中(装置の非稼動中)に一度でも解除レバー22の操作が行われたら、それをフラグレバー16により機械的に記憶された内容(フラグ状態)から認識することができる。なお、図5から図6の状態にするように解除レバー22を操作することを「第2の切換え」という。
【0022】
図7は、プリンタの電源投入後に、フラグレバー16が再びOPEN状態に戻された状態を示す図である。制御手段の制御により、電源投入後にロールシート蛇行補正シーケンスが開始する際に、レバー操作をロックして禁止するインターロック機構が作動する。インターロック機構は、ソレノイド18により、ロックレバー19を図7中の右側の方向に位置を変化させてフラグレバー16を押すことにより、フラグレバー16をOPEN状態に戻す。また、解除レバー22には、ロックレバー19の引っ掛け部がはまる溝部が形成されており、ソレノイドON時には、ユーザのレバー操作が禁止される。CLOSE状態(フラグが立った状態)のフラグレバー16は、インターロック機構の作動に連動して、OPEN状態の位置(フラグが立っていない状態)に戻る。すなわち、インターロック機構の作動に連動して、記憶機構により機械的に記憶された内容がリセット(記憶消去)される。
【0023】
図8は、制御手段によって行なわれる、ロールシートの蛇行補正シーケンスを実行するか否かを判定する制御の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、シートをプリンタにセットしたときに、イニシャライズ動作を実行する。ステップS2において、シート搬送部103に備えられたPEセンサによりシートの有無が判定される。ここで、シートがないと判定された場合には、ステップS3に進み、LFローラのイニシャライズ動作を実行する。一方、シートが有ると判定された場合には、ステップS4に進み、そのシートがロールシートであるかカットシートであるかが判定される。ここで、シートがカットシートであると判定された場合には、ステップS5に進み、カットシート排出シーケンスが実行される。一方、ロールシートであると判定された場合には、ステップS6に進む。
【0024】
上述したように、フラグレバー16がOPEN状態(フラグが立っていない状態)かCLOSE状態(フラグが立っている状態)かによって、蛇行補正シーケンスを行うか否かを制御する。以下、蛇行補正シーケンスを行うように制御するモードを「非通常制御モード」、蛇行補正シーケンスを行わないように制御するモードを「通常制御モード」という。本実施例においては、非通常制御モードを開始することを示す制御開始フラグが制御手段のメモリに記憶されている。また、従前のプリント処理において、シート搬送中に異常が発生して終了していたことを示す「搬送中異常フラグ」と、プリント中に異常が発生して終了していたことを示す「プリント中異常フラグ」も、同様にメモリに記憶されている。
【0025】
ステップS6においては、メモリ中の搬送中異常フラグとプリント中異常フラグが参照され、従前の処理において、異常終了したのか、若しくは、正常終了したのかが判定される。ここで、搬送中異常フラグとプリント中異常フラグとの少なくともいずれかが「真」となっている場合には、制御開始フラグを「真」とする。搬送中異常フラグが「真」になっている場合には、搬送中に異常が発生して終了したと判定し、ステップS10に進み、ロールシート蛇行補正シーケンス(補正処理)を実行する。また、プリント中異常フラグが「真」になっている場合には、プリント中に異常が発生して終了したと判定し、ステップS7に進む。
【0026】
ステップS7においては、フラグレバー16がCLOSE状態であるか否かが判定される。この判定は、上述したように、センサ17でフラグレバー16の状態を検知して行う。ここで、フラグレバー16がCLOSE状態(フラグが立っている状態)であると判定された場合には、レバー操作が行われたということなので、ステップS10に進み、蛇行補正シーケンスを実行する。蛇行補正シーケンスの具体的な手法については周知なので、ここでは詳細な説明は省略する。一方、フラグレバー16がOPEN状態(フラグが立っていない状態)であると判定された場合には、レバー操作が行われていないということなので、ステップS8に進む。
【0027】
ステップS8及びS9は、シートをカットする場合の処理であり、例えば、ステップS8において、シートが例えば150mm搬送され、ステップS9において、シートのカット動作が行われる。ステップS9の処理後、ステップS10に進み、蛇行補正シーケンスを実行する。シートをカットするステップS8及びS9の処理が不要な場合には、ステップS8及びS9はなくとも良い。
【0028】
ステップS6〜S10に示すように、従前の処理において搬送中異常フラグ又はプリント中異常フラグにより異常終了していたと判定された場合は、フラグレバー16のフラグ状態に関わらず、蛇行補正シーケンスを実行する。即ち、記憶機構による記憶内容に関わらず、蛇行補正シーケンスが実行される。
【0029】
再び、ステップS6を参照する。ステップS6において、制御開始フラグにより異常終了が示されておらず、正常終了していたと判定された場合には、ステップS11に進む。ステップS11においては、ステップS7と同様に、フラグレバー16がCLOSE状態であるか否かが判定される。フラグレバー16がCLOSE状態であると判定された場合には、レバー操作が行われたということなので、ステップS10に進み、蛇行補正シーケンスを実行する。一方、フラグレバー16がOPEN状態であると判定された場合には、レバー操作が行われていないということなので、蛇行補正シーケンスを実行することなく、本処理を終了する。ステップS10の蛇行補正シーケンスが終了すると、制御開始フラグを「偽」とする。また、図7において説明したように、CLOSE状態となったフラグレバー16は、ロールシート蛇行補正シーケンスが開始する際に、インターロック機構に連動してOPEN状態の位置に戻り、記憶機構の記憶をリセットする。
【0030】
以上のように、装置の非稼動中(電源OFF中)にレバーによるシートのニップ状態の解除操作が行われたことを機械的に記憶して、電源投入時に記憶を検知し、その検知結果に応じてロールシート蛇行補正シーケンスを実行するか否かを制御することができる。電源OFF中にレバーによるシートのニップ状態の解除操作が行われていないと判定された場合には、ロールシート蛇行補正シーケンスを省略する。また、搬送中異常フラグとプリント中異常フラグを参照することにより異常終了していたことを検知した場合には、電源OFF中のシートのニップ状態の解除操作の有無に関わらず、ロールシート蛇行補正シーケンスを実行する。つまり、プリンタの電源投入時に、ロールシートの蛇行の原因となり得るような異常が発生していた場合には、必ず、ロールシート蛇行補正シーケンスを実行するので、シートの斜行や蛇行を防ぐことができる。また、異常なく正常終了していた場合には、不要なロールシート蛇行補正シーケンスを省略し、スループットの低下を防ぐことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートをニップして搬送する搬送機構と、
前記搬送機構において、シートがニップされた状態とニップが解除された状態とを手動操作により切り換えるための解除レバーと、
装置の非稼動中に、前記解除レバーにより前記ニップが解除された状態となるように操作されたことを機械的に記憶する記憶機構と、
前記記憶機構の記憶を検知する検知手段と、
を備えることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
電源投入時、前記検知手段による検知結果に応じて、前記搬送機構による搬送の動作を変えるように制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検知手段により前記ニップが解除された状態となるように操作されたことが検知された場合に、前記搬送機構によってシートの搬送を補正する補正処理を行ない、前記検知手段により前記ニップが解除された状態となるように操作されたことが検知されなかった場合に、前記補正処理を行なわないように制御することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記補正処理は、シートの蛇行補正シーケンスであることを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記記憶機構は、前記解除レバーの動作に連動して変位するフラグレバーを有し、
前記記憶機構は、前記解除レバーにより前記ニップが解除された状態となるように操作された場合に、前記フラグレバーの変位でフラグが立つ状態となり、
前記検知手段は、前記フラグレバーの変位を検知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記フラグレバーは、一旦、前記フラグが立つ状態を示すように変位すると、その後、前記解除レバーが前記ニップされた状態となるように操作されても、前記解除レバーの動作に連動して変位せずに、前記フラグが立つ状態を維持することを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記検知手段は、前記フラグレバーの位置を光学的に検知するセンサを有することを特徴とする請求項5又は6に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
電源投入後に前記解除レバーの操作を禁止するインターロック機構をさらに有し、
前記インターロック機構の作動に連動して、前記記憶機構の記憶がリセットされることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
従前の処理において異常が生じていた場合に、前記記憶機構の記憶に関わらず、補正処理を行い、一方、従前の処理において異常が生じていなかった場合に、前記検知手段による検知結果に応じて、前記搬送機構による搬送の動作を変えるように制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、搬送されるシートに画像形成を行なう画像形成部とをさらに備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項11】
前記画像形成部は、インクジェット方式によって画像形成を行なうことを特徴とする請求項10に記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−194956(P2010−194956A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44323(P2009−44323)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】