説明

シート搬送装置および記録装置

【課題】多様なシート幅に対応して蛇行矯正が可能なシート搬送装置。
【解決手段】シート搬送経路と、シート搬送経路に設けられ、搬送されるシートSをループ状に撓ませるループ作成手段508と、シート搬送方向から見たときに両側が高く中央が低い階段状の、シート搬送方向に沿ったガイド手段601と、を備え、ループ作成手段508によりループ状に撓ませられたシートSは、シートSの幅に応じた幅を有する階段状のガイド手段601の対となる段の対向する案内面の間のガイド領域に入り、シートSの側端縁が案内面と当接することにより、シート搬送方向からのシートSの斜行が矯正されるシート搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置およびシートに画像を記録する記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されるような、長尺シートを搬送する際に発生する蛇行を矯正するために、搬送経路の幅を変更可能な固定された平板状のガイドプレートが備えられたシート搬送装置および記録装置が知られている。ガイドプレートは、長尺シートの搬送方向に沿って配置され、長尺シートに対して幅ガイドとして機能することにより、蛇行矯正が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−73614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1が開示するような固定されたガイドプレートによって長尺シートの蛇行を矯正する構成では、搬送したいシートの幅が変わる度に、固定されたガイドプレートの付け外し(移動作業)が発生してしまう。そのため、幅が異なる様々なシートを短サイクルで搬送させる際などには、都度ガイドプレートを付け外し(移動作業)を行う必要があり、作業性が低いという問題がある。また、ガイドプレートの付け外し時に、ガイドプレートを他の幅位置に付け間違え易いといった問題もある。さらに、自動的にガイドプレートを動作させる電気的な機構を備えるとコストが上がってしまうといった問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、幅が異なる様々なシートについて、ガイドプレートの付け外し(移動作業)をせずに蛇行を矯正することが可能なシート搬送装置および記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明のシート搬送装置は、シート搬送経路と、シート搬送経路に設けられ、搬送されるシートをループ状に撓ませるループ作成手段と、シート搬送方向から見たときに両側が高く中央が低い階段状の、シート搬送方向に沿ったガイド手段と、を備え、ループ作成手段によりループ状に撓ませられたシートは、シートの幅に応じた幅を有する階段状のガイド手段の対となる段の対向する案内面の間のガイド領域に入り、シートの側端縁が案内面と当接することにより、シート搬送方向からのシートの斜行が矯正されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長尺シートの幅毎に設定された階段状のガイド手段により、各シート幅に対応するガイドブロックによって幅方向の動きが規制されるため、幅が異なる様々な長尺シートの蛇行を矯正することができる。すなわち、シート幅が変わってもガイドプレートの付け外し(移動作業)を行う必要が無く、かつガイドプレートを間違えて取り付ける等の組立作業ミスが発生することの無い、シート搬送装置および記録装置を提供することができる。また、各シート幅に自動的に対応するためにガイドプレートを電気的に移動させるような機構も必要なく、安価なシート搬送装置および記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る、記録装置の内部構成を示す概略図である。
【図2】(a)から(d)は、第1の実施形態に係る、蛇行矯正時の動作を示した断面図である。
【図3】(a)および(b)は、第1の実施形態に係る、シート幅に応じた階段ガイドの位置関係を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態に係る、記録装置の内部構成を示す概略図である。
【図5】第2の実施形態に係る、制御部13の概念を示すブロック図である。
【図6】第2の実施形態に係る、片面記録時の動作を説明するための図である。
【図7】第2の実施形態に係る、両面記録時の動作を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態に係る、斜行矯正部を示す断面図である。
【図9】第2の実施形態に係る、斜行矯正部の制御部を説明する図である。
【図10】(a)から(d)は、第2の実施形態に係る、斜行矯正部における各搬送モードを示す断面図である。
【図11】第2の実施形態に係る、階段ガイドの構成を示す斜視図である。
【図12】(a)および(b)は、第2の実施形態に係る、シート幅に応じた階段ガイドの位置関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の記録装置を説明する。本例の記録装置は、ロール状に巻かれた連続シートを使用し、片面記録を行う、インクジェット方式を用いた記録装置である。図1に示すように、本記録装置は、連続シートSを繰り出す給紙フランジ501と、連続シートSに対して記録を行う記録ヘッド505と、連続シートSを巻き取る巻取りフランジ509(第2の搬送手段)と、を備えて構成されている。本実施形態において、シート搬送経路の任意の位置において、給紙フランジ501に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。給紙フランジ501の下流であって記録ヘッド505の上流には、給紙ローラ502および給紙ピンチローラ503が配置されている。記録ヘッド505の下方には、下面パスガイド504が配置されている。記録ヘッド505の下流であって巻取りフランジ509の上流には、上流側から順に、ループローラ506(第1の搬送手段)およびループピンチローラ507、ループ下面パスガイド508、ならびに階段ガイド601が配置されている。ループ下面パスガイド508は、片支持されて、シート搬送経路の幅方向に延びる軸を中心に回動可能なフラップの形態である。階段ガイド601は、連続シートSの搬送方向から見たときに、左右線対称かつ両側が高く中央が低い階段状の断面形状を有する。
【0010】
図2(a)から(d)は、本記録装置によって行われる、給紙から記録、巻取りまでの工程を説明する断面図である。
【0011】
まず、給紙フランジ501にロール状態で巻かれている連続シートSを、給紙ローラ502によって下流側に搬送する(図2(a)参照)。
【0012】
搬送されてきた連続シートSに対して記録ヘッド505で記録を行いながら、連続シートSをループローラ506により巻取りフランジ側へさらに搬送する。連続シートSの先端を、巻取りフランジ509のユニット内に配置された不図示のクランプローラに噛み込ませる(図2(b)参照)。
【0013】
次いで、ループ下面パスガイド508を回動し、ループローラ506と巻取りフランジ509との間の連続シートSの直線的な搬送径路の下側に、ループ作成に必要な空間を確保する(図2(c)参照)。
【0014】
次いで、ループローラ506および給紙ローラ502を同期して回転させ、図2(c)に示す工程で確保した空間に、連続シートSのループ状の撓みを作成する。その際に、連続シートSは、階段ガイド601と接触し、階段ガイド601のガイド領域にかかる。ループ状の撓みを作成しつつガイドを作用させることにより、連続シートを高い直進性で搬送することが可能となる。連続シートSの高い直進性を保ちつつ、巻取りフランジ509によって記録後の連続シートS(記録物)をループ状の撓みが維持されるように、ループローラ506の搬送速度と等しい搬送速度で巻取る(図2(d)参照)。
【0015】
図3(a)および(b)は、階段ガイド601を連続シートの搬送方向の上流側からみた断面図である。
【0016】
階段ガイド601は、連続シートの搬送方向から見て左右線対称かつ両側が高く中央が低い階段状の蛇行矯正ガイドである。階段ガイド601は、連続シートのシート幅の種類に応じて、搬送時の幅方向のシートの位置の規制を行うことができる。
【0017】
階段ガイド601は連続シートの左右の側端縁を案内する対向する案内面の対を複数備えている。そして図3(a)で最も高い位置にある、高さの等しい第1の案内面対611a、611bが本装置で搬送可能な最も幅の広い連続シートSLの左右の側端縁を案内する。案内面対612a、612b、案内面対613a、613b、案内面対614a、614b、案内面対615a、615bは配置される位置が低くなるに従い、幅の小さい連続シートの両側端縁を案内する。
【0018】
すなわち、連続シートは、ループ状に撓むことにより、階段ガイドの対となる段(ガイド部材)の対向する案内面(例えば613a、613b)の間のガイド領域に入ることができる。これにより、連続シートの一方の側端縁が対となる段(ガイド部材)の対向する案内面のうちの一方に押し付けられると、連続シートの斜行(本来の搬送方向に対して傾きをもって搬送されること)が矯正される。連続シートの両方の側端縁についてこれが適用されることにより、シートが本来の搬送方向を軸として左右両側に交互に斜行を繰り返す現象である、いわゆるシートの蛇行を抑制することができる。連続シートのシート幅は、階段ガイドの次の対となる段(ガイド部材)の対向する案内面の間の距離(ガイド領域の幅)よりも大きいので、連続シートが次の対となる段(ガイド部材)の対向する案内面の間(ガイド領域)に入ることはない。
【0019】
例えば、記録装置に用いることのできる連続シートのうちシート幅が最も広い連続シートSLを記録する際には、階段ガイド601の一番上段の案内面611a、611bが連続シートの側端縁に接触して案内することにより、蛇行を抑制する(図3(a)参照)。また、例えば、記録装置に用いることのできる連続シートのうちシート幅が最も狭い連続シートSSを記録する際には、階段ガイド601の一番下段の案内面対615a、615bが作用することにより、蛇行矯正を行う(図3(b)参照)。
【0020】
上記第1の実施形態によれば、ループ状のシートの撓みを作成するのと同期して、ループ状のシートの撓みの下流に設けられた各シート幅に応じた階段状のガイドによってシートの幅方向の位置を規制することにより、高い蛇行矯正機能を確保することができる。
【0021】
上記第1の実施形態によれば、シート幅に応じてガイドを変更する必要が無いため(メンテナンスフリー)、作業性が高く、組立ミスによる搬送エラーを低減可能なシート搬送装置を提供できる。
【0022】
このように第1の実施形態では、幅の異なる複数の種類の記録媒体(連続シート)の側端縁をガイドするために、異なった幅に対応する異なった位置の案内面を備えている。例えば案内面611aを第1の案内面、615aを第2の案内面とすると、第1の案内面611aは第1の幅を有する連続シートSLの側端縁を案内する。また、第2の案内面615aは第1の幅よりも小さな第2の幅を有する連続シートSSの側端縁を案内する。第1の案内面611aと第2の案内面615aは案内される記録媒体の厚さ方向(図3の上下方向)にずれ、幅方向にもずれた位置に配置されているために、対応する幅の記録媒体のみを案内することができる。第2の案内面615aは第1の案内面611aに対して案内される連続シートの厚み方向で連続シートをより弛ませた方向にずれた位置に配置されている。
【0023】
上記第1の実施形態では、階段ガイドの段数(ガイド領域の数)は5つに設定されているが、本発明においては、これに限られず、記録装置に用いる連続シートのシート幅の種類の数に応じて階段ガイドの段数(ガイド領域の数)を設定することができる。
【0024】
上記第1の実施形態では、階段ガイドの対となる段(ガイド部材)の対向する案内面は、垂直であった(図3(a)および(b)参照)。しかし、本発明においては、シート幅に対応する段の間にシートが入ることができる限り、階段ガイドの形状はこれに限られない。例えば、シートが入りやすいように、対となる段(ガイド部材)の対向する案内面が、開放端が広いテーパー形状を有していてもよい。
【0025】
上記第1の実施形態では、階段ガイドの対となる段(ガイド部材)の対向する案内面の間の距離(ガイド領域の幅)は、シート幅に対応して設定されるものであった。本発明において、階段ガイドの対となる段(ガイド部材)の対向する案内面の間の距離(ガイド領域の幅)は、許容できるシートの斜行もしくは蛇行の程度に応じて、シート幅よりも幅広に設定することができる。
【0026】
上記第1の実施形態では、階段ガイドは、連続シートの搬送方向から見て左右線対称かつ両側が高く中央が低い階段状の断面を有するものとして説明した。しかしながら、本発明においては、階段ガイドの形状は、連続シートのシート幅の種類に応じて、搬送時の幅方向のシートの位置の規制を行うことができるものであれば、これに限定されない。例えば、連続シートを繰り出すロールの搬送経路幅方向における設置位置に応じるなどして、階段ガイドの形状は、連続シートの搬送方向から見て、左右非対称であってもよく、例えば、左右の片方のみが階段状であってもよい。
【0027】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態の記録装置を説明する。本例の記録装置は、ロール状に巻かれた連続シートを使用し、片面記録および両面記録の両方に対応した、インクジェット方式を用いた高速ラインプリンタである。例えば、プリントラボ等における大量の枚数の記録の分野に適している。本発明は、記録装置、記録装置複合機、複写機、ファクシミリ装置、各種デバイスの製造装置などに広く適用可能である。また、本発明は記録処理に限らずロールシートに種々の処理(加工、塗布、照射、読取、検査など)を行なうシート処理装置にも適用可能である。
【0028】
図4は、記録装置の内部構成を示す断面の概略図である。本実施形態の記録装置は、ロール状に巻かれた連続シートを用いて、連続シートの第1面と第1面の反対側の第2面との両面に記録することが可能となっている。記録装置内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、記録部4、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、シート巻取部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出トレイ12、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。本実施形態では、シート搬送経路の任意の位置において、シート供給部1に近い側を「上流」、その逆側を「下流」という。
【0029】
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを収納して供給するユニットである。シート供給部1は、2つのロールR1、R2を保持することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。
【0030】
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートのカール(反り)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラを用いて、カールの逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させて通過させることで、デカール力を作用させてカールを軽減させる。
【0031】
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行を矯正するユニットである。基準となる側のシートの側端縁が斜行矯正部3のガイド部材に押し付けられると、シートの斜行が矯正される。シートの両方の側端縁についてこれが適用されることにより、シートの蛇行を防止することができる。
【0032】
記録部4は、搬送されるシートに対して記録手段である記録ヘッド14によりシートの上に画像を形成するユニットである。記録部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラを備えている。記録ヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型記録ヘッドである。記録部4には、複数の記録ヘッドがシートの搬送方向に沿って平行に並べられている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色のインクに対応した7つの記録ヘッドを有する。なお、インクの色数および記録ヘッドの数は7つには限定はされない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介して記録ヘッド14に供給される。
【0033】
検査部5は、記録部4でシートに記録された検査パターンや画像を光学的に読み取って、記録ヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査して画像が正しく記録されたか否かを判定するためのユニットである。スキャナはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有する。
【0034】
カッタ部6は、記録後のシートを所定長さにカットする機械的なカッタを備えたユニットである。カッタ部6は、シートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラを備えている。
【0035】
情報記録部7は、カットされたシートの裏面に記録のシリアル番号や日付などの記録情報(画像毎の固有の情報)を記録するユニットである。
【0036】
乾燥部8は、記録部4で記録されたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるユニットである。乾燥部8の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は、少なくとも下面側から熱風を付与する方式に限られず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。乾燥部8は、シートを次工程に送り出すための搬送ベルトおよび搬送ローラを備えている。
【0037】
以上に説明したシート供給部1から乾燥部8までのシート搬送経路を、第1経路と称する。第1経路は、記録部4から乾燥部8までの間に記録装置内でUターンする形状を有し、カッタ部6はUターンの形状の途中に位置している。乾燥部8を通過したシートを再び記録部4に供給するための、乾燥部8からデカール部2を経て記録部4に到る経路を第2経路と称する。
【0038】
シート巻取部9は、両面記録を行う際に、表面記録が終了した連続シートを一時的に巻き取って表裏反転させるためのユニットである。シート巻取部9は、上述の第2経路の途中に設けられており、シートを巻き取るための回転する巻取ドラムを備えている。表面(第1面)の記録が済んでカットされていない連続シートは、巻取ドラムに一時的に巻き取られる。巻き取りが終わったら、巻取ドラムが逆回転し、巻き取り済みシートは巻き取りの時とは逆順に送り出されてデカール部2に供給され、記録部4に送られる。このシートは表裏反転しているので、記録部4では連続シートの裏面(第2面)に記録を行うことができる。両面記録のより具体的な動作については後述する。
【0039】
排出搬送部10は、カッタ部6でカットされ乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。排出搬送部10は、シート巻取部9が設けられた第2経路とは異なる経路(第3経路と称する)に設けられている。第1経路を搬送されてきたシートを、第2経路および第3経路のいずれか一方に選択的に導くために、経路の分岐位置には可動フラップを有する経路切替機構が設けられている。
【0040】
ソータ部11と排出部12は、シート供給部1の側部であってかつ第3経路の末端に設けられている。ソータ部11は、必要に応じて、記録済みシートをグループ毎に排出部12の異なるトレイに振り分けて排出するユニットである。仕分けられたシートは、複数のトレイからなる排出部12に排出される。このように、第3経路はシート供給部1の下方を通過して、シート供給部1を挟んで記録部4や乾燥部8とは逆側にシートを排出するレイアウトとなっている。
【0041】
制御部13は、記録装置全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、メモリ、各種I/Oインターフェースを備えたコントローラ15および電源を有する。記録装置の動作は、コントローラ15またはコントローラ15にI/Oインターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等の外部機器16からの指令に基づいて制御される。
【0042】
図5は制御部13の概念を示すブロック図である。制御部13に含まれるコントローラ(破線で囲んだ範囲)15は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、画像処理部207、エンジン制御部208、個別ユニット制御部209から構成される。CPU201(中央演算処理部)は、記録装置の各ユニットの動作を統合的に制御する。ROM202は、CPU201が実行するためのプログラムや記録装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204(ハードディスク)は、CPU201が実行するためのプログラム、記録データ、記録装置の各種動作に必要な設定情報を記憶/読出することが可能である。
【0043】
操作部206は、ユーザーとの入出力インターフェースであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。
【0044】
高速なデータ処理が要求されるユニットについては専用の処理部が設けられている。画像処理部207は、記録装置で扱う記録データの画像処理を行う。画像処理部207は、入力された画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像処理部207では、画像データに対し、解像度変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られた記録データは、RAM203またはHDD204に格納される。エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに基づいて、記録データに応じて記録部4の記録ヘッド14の駆動制御を行なう。エンジン制御部208は、さらに、記録装置内の各部の搬送機構の制御も行なう。個別ユニット制御部209は、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、シート巻取部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12の各ユニットを個別に制御するためのサブコントローラである。CPU201による指令に基づいて、個別ユニット制御部209により、それぞれのユニットの動作が制御される。外部I/F205は、コントローラ15を外部機器であるホスト装置16に接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/FまたはネットワークI/Fである。以上の構成要素はシステムバス210によって接続されている。
【0045】
ホスト装置16は、記録装置に記録を行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置16は、汎用または専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。ホスト装置16がコンピュータの場合は、コンピュータに含まれる記憶装置にOS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、記録装置用のプリンタドライバがインストールされる。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
【0046】
次に、記録時の基本動作について説明する。記録は、片面記録と両面記録とでは動作が異なるので、それぞれについて説明する。
【0047】
図6は片面記録時の動作を説明するための図である。シート供給部1から供給されたシートが記録されて排出部12に排出されるまでの搬送経路を太線で示している。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、記録部4において表面(第1面)の記録がなされる。長尺の連続シートに対して、搬送方向における所定の単位長さの画像(単位画像)を順次記録して複数の画像を並べて形成していく。記録されたシートは検査部5を経て、カッタ部6において単位画像毎にカットされる。切断されたカットシートは、必要に応じて情報記録部7でシートの裏面に記録情報が記録される。そして、カットシートは一枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、カットシートは、排出搬送部10を経由して、ソータ部11によって必要に応じてソートされ、排出部12のトレイに順次排出され積載されていく。一方、カッタ部6において最後の単位画像についてのカットシートを切断した後に記録部4の側に残された連続シートは、シート供給部1に送り戻されて、ロールR1またはR2に巻き取られる。
【0048】
このように、片面記録においては、シートは第1経路と第3経路を通過して処理され、第2経路は通過しない。以上をまとめると、片面記録モードにおいては制御部13の制御により、以下(1)〜(6)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出して記録部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面に記録部4で単位画像の記録を繰り返す;
(3)第1面に記録した単位画像毎にカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(4)単位画像毎に切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(5)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する;
(6)最後の単位画像を切断して記録部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す。
【0049】
図7は両面記録時の動作を説明するための図である。両面記録では、表面記録シーケンスに次いで裏面記録シーケンスを実行する。最初の表面記録シーケンスでは、シート供給部1から検査部5までの各ユニットでの動作は上述の片面記録の動作と同じである。カッタ部6ではカット動作は行わずに、シートは連続シートの形態のまま乾燥部8に搬送される。乾燥部8での表面のインク乾燥の後、シートは、排出搬送部10の側の経路(第3経路)ではなく、シート巻取部9の側の経路(第2経路)に導入される。第2経路に導入されたシートの先端はシート巻取部9の巻取ドラム9aに設けられたローラ対9bに挟持される。シート先端をローラ対9bによって挟持した状態で巻取ドラム9aは順方向(図面では反時計回り方向)に回転し、シートは巻取ドラム9aに巻き取られていく。記録部4において予定された表面の記録が全て終了すると、カッタ部6において連続シートの記録領域の後端がカットされる。カット位置を基準に搬送方向下流側(記録された側)の連続シートは、乾燥部8を経てシート巻取部9で、シート後端(カット位置)まで全て巻き取られる。一方、カット位置よりも搬送方向上流側の連続シートは、シート先端(カット位置)がデカール部2に残らないように、シート供給部1に巻き戻されてロールR1またはR2に巻き取られる。この巻き戻しによって、シート供給部1から供給されるロールR1またはR2のシートと、以下の裏面記録シーケンスで再び供給されるシート巻取部9からのシートとの衝突が避けられる。
【0050】
以上の表面記録シーケンスの後に、裏面記録シーケンスに切り替わる。シート巻取部9の巻取ドラム9aが、巻き取り時とは逆方向(図面では時計回り方向)に回転する。巻き取られたシートの端部(巻き取り時のシート後端は、送り出し時にはシート先端になる)は、図の破線の経路に沿ってデカール部2に送り込まれる。デカール部2では巻取回転体で付与されたカールの矯正がなされる。つまり、デカール部2は、第1経路においてシート供給部1と記録部4との間、ならびに第2経路においてシート巻取部9と記録部4との間に設けられて、いずれの経路においてもデカールの働きをする共通のユニットとなっている。デカール部2では、先とは逆向きのカール矯正が行なわれる。このとき、デカール部内の搬送経路におけるシートは、表面記録シーケンスのときと比べて、表裏が反転している。その後、連続シートは、斜行矯正部3を経て、記録部4において裏面に記録が行なわれる。記録された連続シートは検査部5を経て、カッタ部6において単位画像毎にカットされる。カットされることにより、連続シートは表裏に単位画像が記録されたカットシート(記録物)となる。カットシートは両面に記録されているので、情報記録部7での記録はなされない。カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され、排出搬送部10を経由して、ソータ部11によって必要に応じてソートされ、排出部12のトレイに順次排出され積載されていく。
【0051】
このように、両面記録においては、シートは第1経路、第2経路、第1経路、第3経路の順に通過して処理される。以上をまとめると、両面記録モードにおいては制御部13の制御により、以下(1)〜(11)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出して記録部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面に記録部4で単位画像の記録を繰り返す;
(3)第1面に記録されたシートを乾燥部8を通過させる;
(4)乾燥部8を通過したシートを、第2経路に導いて、シート巻取部9が有する巻取回転体に巻き取っていく;
(5)第1面への繰返しの記録が済んだら、最後に記録した単位画像の後ろでカッタ部6にてシートを切断する;
(6)切断した記録済みのシートを、その端部が乾燥部8を通過して巻取回転体に達するまで巻取回転体に巻き取る。これと共に、切断して記録部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す;
(7)シート巻取部9での巻取りが済んだら巻取回転体を逆回転させて、第2経路から再び記録部4にシートを供給する;
(8)第2経路から供給されるシートの第2面に記録部4で単位画像の記録を繰り返す;
(9)第2面に記録した単位画像毎にカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(10)単位画像毎に切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(11)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する。
【0052】
次に、上述の構成の記録装置における、斜行矯正部3についてさらに詳しく説明する。
【0053】
図8は第2の実施形態の斜行矯正部を説明するための図である。図9は斜行矯正部の制御ブロック図である。
【0054】
斜行矯正部は、上流から、第1駆動ローラ311および第1従動ローラ312、ならびに斜送駆動ローラ316および斜送従動ローラ317を備える。第1駆動ローラ311から斜送駆動ローラ316までの間には、上面ガイド313、階段ガイド318、下面ガイド314、およびコロ315が備えられる。また、斜送駆動ローラ316の下流には、図示しないシート搬送方向に伸びたシート端部を突き当てて記録部4に入るシート端部の位置調整を行う基準ガイドが備えられる。
【0055】
斜行矯正部は、第1駆動ローラ311からコロ315までの間に、略90度の湾曲状のシート搬送経路を擁する。上面ガイド313および下面ガイド314は、第1駆動ローラ311から下流側へシートを案内する搬送経路の一部を形成する。搬送手段である第1駆動ローラ311(第1の搬送手段)は、ループRモータ231(図9)と駆動が繋がっており、斜行矯正部は、ループRモータ231の回転と連動して第1駆動ローラ311を回転させる機構を持つ。上面ガイド313はループガイドモータ222と駆動で繋がっており、斜行矯正部は、ループガイドモータ222の回転と連動して上面ガイド313を開閉させる機構を持つ。階段ガイド318は、上面ガイド313に取り付けられていて、上面ガイド313の開閉と同期して移動可能であり、上面ガイド313の開放動作によりシート搬送経路面上に突出する。
【0056】
斜送手段である斜送駆動ローラ316は、斜送Rモータ333によって駆動されて回転する。また、斜送従動ローラ317は、離接手段である斜送Rリリースモータ332によって、斜送駆動ローラ316に圧接した位置と、斜送駆動ローラ316から離間した位置とに移動することができる。図示しない基準ガイドは、基準ガイドモータ331によって、シートの搬送方向と交差する方向に移動することができる。基準ガイドは、基準ガイドモータ331によってシート端部の基準位置に移動した後、斜送駆動ローラ316によって斜め方向に搬送されるシートの側端縁に当接し、シートの側端縁を案内する。このようにして記録部4に入るシートの端部の位置が調整されて、シートの斜行が矯正される。
【0057】
記録部4は、上流側に第2駆動ローラ411(第2の搬送手段)および第2従動ローラ412を持つ。搬送手段である第2従動ローラ412は、撮像Rリリースモータ431によって、第2駆動ローラ411に圧接した位置と、第2駆動ローラ411から離間した位置とに移動することができる。
【0058】
図9において、制御手段であるコントローラ15は上述した記録装置の主制御部である。コントローラ15はCPU201、プログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM202、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM203を有するものである。
【0059】
センサ部130は装置の状態を検出するためのセンサ群である。本実施形態においては、シートの位置情報を得るために設けられた第1シート先端検知センサ351、第2シート先端検知センサ451の他に、図示しない環境温度を検出するために設けられた温度センサや各種センサを有している。
【0060】
モータドライバ170は、ループRモータ231およびループガイドモータ222を駆動する。ループRモータ231の駆動により、第1駆動ローラ311を駆動し、シートを下流へ搬送する。ループガイドモータ222の駆動により、上面ガイド313を開閉させる。
【0061】
モータドライバ180は、斜送Rモータ333、補助ガイドモータ334、斜送Rリリースモータ332、基準ガイドモータ331を駆動する。斜送Rモータ333の駆動により、斜送駆動ローラ316を駆動し、シートを基準ガイドへ斜めに搬送する。斜送Rリリースモータ332の駆動により、斜送駆動ローラ316に対する斜送従動ローラ317の接離を行う。基準ガイドモータ331の駆動により、基準ガイドを配置された側のシート端部に当接させる。
【0062】
モータドライバ190は、撮像Rリリースモータ431を駆動する。撮像Rリリースモータ431の駆動により、第2駆動ローラ411に対する第2従動ローラ412の接離を行う。
【0063】
図10(a)から(d)は、斜行矯正部における各搬送モードを説明するための断面図である。
【0064】
図10(a)に示す給紙モードでは、上面ガイド313は閉じている。シートの先端を斜送駆動ローラ316と斜送従動ローラ317との間にニップするまで、シートを搬送する。
【0065】
図10(b)に示す斜行矯正処理モードでは、図10(a)に示す給紙モードにおいてシートを斜送従動ローラ317に噛み込ませた後、上面ガイド313を開放し、ループ状のシートの撓みを作成する。例えば、上面ガイド313の開放動作後に、第2駆動ローラ411を停止し、および第1駆動ローラ311を回転させることにより、ループ状のシートの撓みを作成することができる。その後、斜送駆動ローラ316を駆動してシートを搬送し、シートの端部を図示しない基準ガイドに突き当てることにより、シート端部の位置が調整される。この際、階段ガイド318は、上面ガイド313の動作と連動してシート搬送経路面に突出し、シートの幅方向の位置の規制を行う。
【0066】
図10(c)に示す通常記録モードでは、第2駆動ローラ411の動作と同期して、ループ状のシートの撓みを維持しつつ、記録部4により記録を行う。この際、階段ガイド318は、シート搬送経路面に突出してシートの幅方向の位置の規制を行っており、ループ状の撓みの上流側でシートの蛇行矯正が行われている。
【0067】
図10(d)に示す巻戻しモードでは、第1駆動ローラ311および第2駆動ローラ411を(c)に示す通常記録モードにおける搬送方向(第1方向)とは逆方向(第2方向)に回転させ、ループ状の撓みを維持しつつ、シート供給部までシートの巻戻しを行う。この際、階段ガイド318は、シート搬送経路面に突出しておりシート幅方向の規制を行うことで、巻戻し時のシートの蛇行矯正を行っている。
【0068】
図11は、階段ガイド318を説明するための斜視図である。図12(a)および(b)は、各シート幅に対応した階段ガイド318による斜行矯正時の状態を説明するための上面図である。
【0069】
第2の実施形態における階段ガイド318は、5水準のシート幅に対応している。すなわち、階段ガイド318は、5段階のサイズのガイドブロック(ガイド部材)を有し、各ガイドブロックは、それぞれシートの幅方向の位置を規制する。図に、最小シートガイドブロック318a、318a’、小シートガイドブロック318b、318b’、中シートガイドブロック318c、318c’、大シートガイドブロック318d、318d’、最大シートガイドブロック318e、318e’を示す。
【0070】
各ガイドブロック318a、318b、318c、318d、318eは連続シートの側端縁と接触して案内する案内面325b、324b、323b、322b、321bを備えている。また各ガイドブロック318a’、 318b’、 318c’、 318d’、318e’は案内面325a、324a、323a、322a、321aを備えている。各ガイドブロックは、上面ガイド313に固定され、上面ガイド313の開閉と同期して動作し、ループ状のシートの撓みを作成する時にシート搬送経路面に突出するよう配置されている。ループ状のシートの撓みを作成した状態で、通常記録モードおよび巻戻しモードにおいてシートの蛇行が発生すると、シートの側端縁は、各シート幅に応じたガイドブロックに当接し、これにガイドされる。これによって、シートの蛇行を矯正することで、安定搬送を維持することができる。例えば、図12(a)に示すように、最大幅のシートSL’の蛇行が発生した際には、ガイドブロック318e、318e’がシートに作用し、蛇行が矯正される。また、図12(b)に示すように、最小幅のシートSS’の蛇行が発生した際には、ガイドブロック318a、318a’がシートに作用し、蛇行が矯正される。
【0071】
上記第2の実施形態によれば、ループ状のシートの撓みを作成するのと同期して、ループ状のシートの撓みの上流に設けられた各シート幅に応じた階段状のガイドによってシートの幅方向の位置を規制することにより、高い蛇行矯正機構を確保することができる。
【0072】
また、シート幅に応じてガイドを変更する必要が無いため(メンテナンスフリー)、作業性が高く、組立ミスによる搬送エラーを低減可能なシート搬送装置を提供できる。
【符号の説明】
【0073】
501 給紙フランジ
502 給紙ローラ
503 給紙ピンチローラ
505 記録ヘッド
509 巻取りフランジ
508 ループ下面パスガイド
601 階段ガイド(第1の実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート搬送経路と、
前記シート搬送経路に設けられ、搬送されるシートをループ状に撓ませるループ作成手段と、
シート搬送方向から見たときに両側が高く中央が低い階段状の、前記シート搬送方向に沿ったガイド手段と、
を備え、
前記ループ作成手段によりループ状に撓ませられたシートは、前記シートの幅に応じた幅を有する階段状の前記ガイド手段の対となる段の対向する案内面の間のガイド領域に入り、前記シートの側端縁が前記案内面と当接することにより、前記シート搬送方向からのシートの斜行が矯正されることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記ループ作成手段は、片支持されたフラップを備え、前記フラップの開放動作により生じた空間に、ループ状のシートの撓みを作成することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
シートを搬送する、第1駆動ローラと前記シート搬送経路においてその下流に設けられた第2駆動ローラとを備え、
前記片支持されたフラップは、前記第1駆動ローラと前記第2駆動ローラとの間に設けられ、
前記フラップの開放動作後に、前記第2駆動ローラを停止し、および前記第1駆動ローラを回転させることにより、ループ状のシートの撓みを作成することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記シート搬送経路において前記ループ作成手段の上流側に前記ガイド手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記シート搬送経路において前記ループ作成手段の下流側に前記ガイド手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記ガイド手段は、前記フラップの開放動作と連動して前記シート搬送経路に突出することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記ガイド手段の前記ガイド領域の数および幅は、搬送される幅の異なるシートの数および幅に対応するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記ガイド領域の幅は、前記搬送される幅の異なるシートのそれぞれの幅よりも幅広となっていることを特徴とする請求項7に記載のシート搬送装置。
【請求項9】
階段状の前記ガイド手段の各段は、シートがシート幅に応じた前記ガイド領域に入りやすいように、開放端が広いテーパー形状の対向する案内面を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項10】
シートを第1方向および第1方向とは逆の第2方向に搬送することができることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項11】
前記シートを保持しおよび供給するシート供給部を備え、前記シートは、ロール状に巻かれた形態で前記シート供給部に保持されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送されたシートに画像を記録する記録手段と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項13】
記録媒体を搬送する第1の搬送手段と、
前記第1の搬送手段の搬送方向下流側に配置され記録媒体を搬送する第2の搬送手段と、
前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間に配置され、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間で弛ませた、第1の幅の記録媒体の側端縁を案内する第1の案内面と、
前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間に配置され、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段との間で弛ませた、前記第1の幅よりも小さな第2の幅の記録媒体の側端縁を案内する第2の案内面と、を有し、
前記第2の案内面は前記第1の案内面に対して搬送される記録媒体の厚さ方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項14】
前記第2の案内面は前記第1の案内面に対して搬送される記録媒体の厚さ方向であって記録媒体をより弛ませた方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の搬送装置。
【請求項15】
前記第2の案内面は前記第1の案内面に対して搬送される記録媒体の幅方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項13または14に記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−86948(P2013−86948A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231284(P2011−231284)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】