説明

シート搬送装置及び画像形成装置

【課題】装置本体の奥行きだけでなく、高さ、幅方向にも出っ張らないように構成することで、装置本体サイズの小型化が実現可能なシート搬送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】シート搬送装置において、反転搬送ローラ17Aを回転させる円筒状のモータ29aを、反転搬送ローラ17Aの回転軸17cと一軸状に側部カバーに支持した。さらに、モータ29aの円筒状の各モータ本体33の外径dを、反転搬送ローラ17Aのローラ本体17aの外径e以内の寸法に設定した。これにより、通紙に影響を与えることなく、シート搬送装置を備えた画像形成装置の奥行き、幅、高さの全方向の小型化が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送する搬送構造を改善したシート搬送装置、及びこのシート搬送装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置には、シート搬送装置を備え、シート搬送部として搬送ローラを用いるものが多い。このような搬送ローラでは、搬送路の両側のフレームに設けた軸受けを介してローラ軸を支持した状態で、搬送ローラ装置の駆動を行うために、装置本体の手前側、または奥側に駆動用のモータとギヤ装置等の駆動伝導機構とが配置されている。
【0003】
このような構成を備える従来の画像形成装置では、シート搬送装置の支持と駆動を行う各部材が、搬送路の両側に配置されていることから、この搬送路で搬送可能なシートの幅に比べて、装置の奥行きが極めて大きくなっている。このため、装置の奥行きが、搬送されるシートの幅に対して極めて大きくなること、及び、駆動伝達のための機構が複雑になること、等の問題があった。
【0004】
これらの問題に対して、搬送ローラとプーリとが一体的に設けられ、シートの搬送幅内でベルトを駆動するように構成したシート搬送装置が提案されている(特許文献1参照)。このシート搬送装置では、複数の送りローラを固着された複数のシャフトの両端がシャーシに軸支され、2つの送りローラの各中間部にプーリが夫々一体的に取付けられ、別の送りローラの各中間部に別のプーリが夫々一体的に取付けられている。
【0005】
さらに、上記2つの送りローラの各プーリ間には歯付きベルトが掛け渡され、上記別の送りローラの各プーリ間には別の歯付きベルトが掛け渡されている。そして、上記2つの送りローラの一方と上記別の送りローラの一方とはシャフトで同軸上に支持され、かつ上記2つの送りローラ間に巻き掛けられた上記歯付ベルトにはさらに、シャーシ内に配置されたモータの回転軸に取り付けられたプーリが噛合されている。このため、モータが駆動すると、上記シャフトを介してモータの回転が各送りローラに伝達される。このような構成により、シートの搬送装置の幅がシート搬送路の幅とほぼ等しい大きさとして、小型化されている。
【0006】
また、ローラの中間部にギヤを取り付けて駆動するなどにより、装置の奥行きを小さくするように構成した画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。この画像形成装置では、画像形成装置に配置された送信系装置及び受信系装置の搬送路には、シートの幅よりも短い軸にローラを設けた駆動ローラ部材が配置される。更に、この駆動ローラ部材の中間部にギヤ部が形成され、駆動伝達系のギヤ列の1つのギヤからベベルギヤを介して駆動が伝達されるように構成されている。そして、駆動装置に配置されたモータが正逆転することにより、シート搬送路に配置されたローラ部材をシート幅より短いもので構成し、ローラ中間部で駆動伝達を行うことを実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−277545号公報
【特許文献2】特開2000−038237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1及び2記載の各装置によると、装置本体の奥行き方向のサイズの削減は可能になるものの、その分、高さ方向や幅方向でのサイズが大型化してしまい、従って、装置の全体的なコンパクト化を実現することはできなかった。
【0009】
本発明は、装置本体の奥行きだけでなく、高さ、幅方向にも出っ張らないように構成することで、装置本体サイズの全体的な小型化を実現できるシート搬送装置、及びこのシート搬送装置を備える画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、シートを搬送する搬送ローラを装置本体に支持して備えたシート搬送装置において、前記搬送ローラを回転させるモータを、円筒状に構成して前記搬送ローラの回転軸と一軸状に前記装置本体に支持し、前記モータの円筒状部分の外径を、前記搬送ローラのローラ本体の外径以内の寸法に設定したことを特徴とする。なお、「一軸状」とは、各部材が軸方向位置を異ならせて軸方向に順次並ぶように配置された状態を意味する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、モータを搬送ローラの回転軸と一軸状に装置本体に支持し、このモータの円筒状部分の外径をローラ本体の外径以内の寸法に設定したので、装置サイズを、奥行き方向だけでなく、高さや幅方向にも小型化することができる。これにより、装置の全体的なコンパクト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体を示す断面図。
【図2】本発明に係る画像形成装置全体を示す図であり、(a)は側部カバーが閉止された状態の斜視図、(b)は側部カバーが開放された状態の斜視図。
【図3】本発明に係る第1の実施形態における画像形成装置の側部カバーを示す斜視図。
【図4】第1の実施形態における画像形成装置の側部カバーを示す正面図。
【図5】本発明に係る駆動ユニット(駆動装置)を詳細に示す図であり、(a)は第1の実施形態における駆動ユニットの斜視図、(b)は第2の実施形態における駆動ユニットの斜視図、(c)は第3の実施形態における駆動ユニットの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
<第1の実施形態>
図1〜図4及び図5(a)を参照して、本実施形態に係るシート搬送装置及びこれを備えた画像形成装置1について具体的に説明する。なお、図1は本実施形態における画像形成装置1の全体を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置1の上部には、原稿画像の読み取り部であるスキャナユニット27と、原稿を原稿台に押さえる原稿押さえ部28とが配設されている。画像形成装置1の中央部には、シートに画像形成を行う画像形成ユニット4と、シートの反転を行う反転ユニット16とが配設され、下部には、収納されたシートSの給送を行う給送部としての給送ユニット10a,10b等が配設されている。
【0016】
本発明に係るシート搬送装置に含まれる反転ユニット16は、反転搬送ローラ17A,17Bと、反転搬送ローラ17A,17Bに夫々従動する従動ローラである反転コロ91a,91bとを備え、定着されたシートSの反転を行うように構成されている。
【0017】
画像形成部としての画像形成ユニット4は、4つの作像ユニット3a,3b,3c,3dを有している。プロセスカートリッジからなる作像ユニット3a〜3dは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する感光体ドラム6a,6b,6c,6dを有している。感光体ドラム6a〜6dの各周囲には、それぞれ不図示の帯電装置、現像装置、クリーナが配置されている。
【0018】
画像形成ユニット4の上部には、感光体ドラム6a〜6dの各々と接触するように、中間転写部としての中間転写ベルト7が配設されている。画像形成ユニット4の下部には、露光部としての露光ユニット2が配設されている。
【0019】
感光体ドラム6a〜6dは、それぞれ帯電装置(不図示)により帯電される。露光ユニット2は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のために色分解された光像を感光体ドラム6a〜6dにそれぞれ露光する。これにより、感光体ドラム6a〜6dには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのための潜像がそれぞれ形成される。各潜像は現像装置(不図示)によりそれぞれ現像されて、感光体ドラム6a〜6d上に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。
【0020】
感光体ドラム6a〜6dの各回転に伴い、感光体ドラム6a〜6dそれぞれのトナー像が中間転写ベルト7上の1次転写部位に到来する。各トナー像は、各感光体ドラム6a〜6dに対向して配設された1次転写ローラ5a,5b,5c,5dによって、中間転写ベルト7に順次転写される。1次転写ローラ5a〜5dには、電装基板(不図示)から1次転写バイアスが印加される。
【0021】
給送ユニット10a,10bに収納されたシートSは、ピックアップローラ14a,14bによって1枚ずつ送り出される。そして、このシートSは、レジストローラ9a,9bでタイミングを合わされた後、2次転写ローラ8と中間転写ベルト7とで構成されるニップ部(2次転写部)に搬送され、中間転写ベルト7のトナー像を一括して2次転写される。
【0022】
その後、トナー像を転写されたシートSは、定着装置11に搬送される。定着装置11は、熱及び圧力をシートSに与えてトナー像を定着する。これにより、各色のトナーが溶融混色してシートSに固定されたフルカラーのプリント画像が形成される。そして、シートSは、定着装置11の下流に設けられた排出搬送部19によって排出トレイ20に排出される。
【0023】
定着されたシートSの反転を行う反転ユニット16は、2次転写されたシートSの裏面にトナー像を転写するために再び2次転写部(7,8)へ搬送させるために使用される。2次転写部(7,8)で第1面に2次転写されたシートSは、定着装置11を通過し排出搬送部19から一部突出した時点で一時停止され、シート上流部が反転搬送路18に誘導される。そして、このシートSは、反転搬送ローラ17A,17Bを経由してレジストローラ9a,9bに反転されて搬送され、レジストローラ9a,9bでタイミングを合わされる。その後、シートSは、第2面に2次転写部(7,8)で2次転写され、定着装置11で定着された後、排出搬送部19によって排出トレイ20に排出される。
【0024】
次に、本実施形態における駆動構成について説明する。なお、図2(a)は画像形成装置1の側部カバー22を閉止した状態を示す斜視図であり、図2(b)は側部カバー22を開放した状態を示す斜視図であり、図3は開放した側部カバー22を示す斜視図であり、図4は開放した側部カバー22を示す正面図である。また、図5(a)は本第1の実施形態における駆動ユニットを詳細に示す斜視図である。
【0025】
図2(a),(b)に示すように、側部カバー22は、画像形成装置1の装置本体1Aの奥側にあって鉛直方向に延びる回動中心Cを支点として、ヒンジにより装置本体1Aに対して回動可能に支持されている。この側部カバー22は、装置本体1Aの一部を構成すると共に、シート搬送装置の装置本体の一部を構成している。
【0026】
側部カバー22は、図1における破線Aで示した位置を境として、画像形成装置1の装置本体1Aから分割されるように構成されている。画像形成装置1の装置本体1Aの一部でありシート搬送装置の装置本体の一部である側部カバー22には、搬送ローラとしての反転搬送ローラ17A,17Bが一体的に配設されている。また、画像形成装置1の装置本体1Aの一部でありシート搬送装置の装置本体の一部である、側部カバー22を回動自在に支持する側には、反転搬送ローラ17A,17Bに従動する反転コロ91a,91bが配設されている。側部カバー22を開くことによって、反転搬送路18が開放される。図2中の符号24は、各種の操作を行うための操作部を示している。
【0027】
なお、反転搬送ローラ17A,17Bと反転コロ91a,91bとの配置関係を上記と逆に構成することも可能である。即ち、装置本体1Aの一部でありシート搬送装置の装置本体の一部である側部カバー22に、反転コロ91a,91bを支持する。そして、装置本体1Aの一部でありシート搬送装置の装置本体の一部である、側部カバー22を回動自在に支持する側に、反転搬送ローラ17A,17Bを支持するのである。この場合も、同様の効果を奏することができる。
【0028】
次いで、図3及び図4に示すように、側部カバー22は、駆動ユニット25a,25bを有している。駆動ユニット25aは、鉛直方向と直交する水平方向に一軸状に配置されたモータ29a、駆動伝達部30a、カップリング31a、反転搬送ローラ17A、及び軸受け32aから構成されている。また、駆動ユニット25bは、鉛直方向と直交する水平方向に一軸状に配置されたモータ29b、駆動伝達部30b、カップリング31b、反転搬送ローラ17B、及び軸受け32bから構成されている。これら駆動ユニット25aと駆動ユニット25bとは、互いに平行に、かつ鉛直方向に所定の距離をあけた状態で配置されている。なお、「一軸状」とは、各部材が軸方向位置を異ならせて軸方向に順次並ぶように配置された状態を意味する。
【0029】
反転搬送ローラ17Aは、回転軸17cと、回転軸17cの両端部にそれぞれ固着されたローラ本体17a,17aとから構成されている。また、反転搬送ローラ17Bは、回転軸17dと、回転軸17dの両端部にそれぞれ固着されたローラ本体17b,17bとから構成されている。なお、本実施形態では、ローラ本体17a(又は17b)は回転軸17c(又は17d)の両端部に一対配置したが、ローラ本体17a,17a間(又は17b,17b間)に別のローラ本体17a(又は17b)を更に少なくとも1つ配置することが可能である。この場合も、同様の作用効果が得られ、これは後述する第2及び第3の実施形態においても同様である。
【0030】
モータ29a,29bは、それぞれのモータ本体33が支持部材(不図示)を介して側部カバー22に固定されている。従って、ローラ本体17a,17aの一方が固着された回転軸17cの一端部は、側部カバー22に固着されたモータ29aに駆動伝達部30a及びカップリング31aを介して支持されている。ローラ本体17a,17aの他方が固着された回転軸17cの他端部は、側部カバー22に固着された軸受け32aを介して回転可能に支持されている。また、ローラ本体17b,17bの一方が固着された回転軸17dの一端部は、側部カバー22に固着されたモータ29bに駆動伝達部30b及びカップリング31bを介して支持されている。ローラ本体17b,17bの他方が固着された回転軸17dの他端部は、側部カバー22に固着された軸受け32bを介して回転可能に支持されている。
【0031】
駆動伝達部30a,30bは、例えばモータ29a,29bの各シャフト(駆動軸)と同軸上に配置されて駆動を伝達する遊星ギヤを用いた減速機により構成することができる。その場合、モータ29a,29bの駆動トルクを減速機による減速でより大きくして反転搬送ローラ17A,17Bに伝達することができると共に、駆動伝達部30a,30bをより小型化して、より省スペースに配置できるという効果が得られる。
【0032】
次に、図5(a)を用いてモータ29a,29bの構造について説明する。なお、これらモータ29a,29bは相互に同じ構成を備えるため、同図ではモータ29aを中心に説明する。
【0033】
モータ29aは、反転搬送ローラ17Aと軸方向距離を若干あけた形で回転軸17cの延長線上に配置され、駆動伝達部30a、カップリング31aを介してローラ本体17a,17aを回転させるように、側部カバー22にモータ本体33が固定されている。モータ29aは、全体的に円筒状に構成されて回転軸17cの一端側に配置され、円筒状のモータ本体33と、モータ本体33の中心に備えられたシャフト(不図示)とを有している。モータ29aは、円筒状部分(即ちモータ本体33)の外径dがローラ本体17a,17aの外径eの寸法以内(外径以内)に収まるように設定されている。更に、モータ29aは、反転搬送ローラ17Aにより搬送されるシートSの搬送方向と直交する幅方向の寸法内に収まるように配置されている。この場合、例えば、モータ29aが反転搬送ローラ17Aの軸方向での最大シートの幅内に収まるような配置にすることができる。なお、図5(a)における符号Sは、反転搬送ローラ17Aによって搬送されるシートの一例を模式的に示している。
【0034】
本実施形態では、モータ29aと回転軸17cとの間に減速機等からなる駆動伝達部30aが介在されている。更に、モータ29aは、側部カバー22に備えた反転搬送ローラ17A,17Bを含む、搬送部としての反転ユニット16を搬送されるシートSをガイドするガイド機能を併せ持つように構成されている。即ち、モータ本体33が、ローラ本体17aの外径e内に設定(モータ29aがローラ本体17aの外径eと略同じか小さく設定)されることで、搬送路の役割、つまり、搬送されるシートをガイドする機能が発揮される。更に、モータ29aが最大シートの幅内にあると、両側基準であれば小さいシートがモータ29aのガイドから外れることもあるが、多くのサイズのシートを安定してガイドすることができ、上記ガイド機能の信頼性を向上させることができる。従って、反転搬送ローラ17A,17B(及び反転コロ91a,91b)によりシートSが搬送される際、シート端部をモータ29aのガイドでより安定して案内することができ、シートの搬送状態を安定化できる。これは、後述する第2及び第3の実施形態においても同様である。
【0035】
上記構成により、モータ29aの駆動を駆動伝達部30aとカップリング31aを介して反転搬送ローラ17Aに伝達し、モータ29bの駆動を駆動伝達部30bとカップリング31bを介して反転搬送ローラ17Bに伝達し、安定したシート搬送を実現できる。なお、円筒状のモータ本体33をやや細めに形成し、その外側に、合成樹脂等の円筒部材を嵌め込んで全体をモータ本体33として構成し、円筒状のモータ本体33と上記円筒部材とを含むモータ本体全体が外径dに設定される構造のものも、本発明に含まれる。これは、後述する第2及び第3の実施形態においても同様である。
【0036】
本実施形態では、駆動ユニット25a,25bが搬送パス内(シート幅方向での搬送可能な最大シートの幅内)に配置されている。このため、反転搬送ローラ17A,17Bの回転で搬送されるシートSは、その幅方向(図4の左右方向)にて、図4の「搬送パス内」として記した領域fを通過していくように円滑に搬送される。さらに、駆動ユニット25a,25bの各モータ29a,29bが反転搬送ローラ17A,17Bと軸方向にて同軸上に配置され、かつ各外径dが、反転搬送ローラ17A,17Bの各外径eと略同じか小さく設定されている。
【0037】
以上の構成により、通紙に影響を与えることなく、シート搬送装置を備えた画像形成装置1の奥行き、幅、高さの全方向の小型化が実現できる。また、反転搬送ローラ17A,17Bに対する駆動伝達系を簡素化できると共に、反転搬送ローラ17A,17Bのシート搬送方向と直交する幅方向の長さを、シート幅よりも短くすることも可能であり、装置の小型化に対処可能な駆動機構を提供することができる。これらの効果は、後述する第2及び第3の実施形態においても同様である。
【0038】
<第2の実施形態>
図5(b)は、本発明に係る第2の実施形態における駆動ユニットを詳細に示す斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態のような駆動伝達部30a及びカップリング31aが無い点で相違するが、他の構成は同様であるため、共通する構成部分に同一の符号を付してその説明を省略する。なお、モータ29a,29bは同じ構成を備えるため、同図ではモータ29aを中心に説明する。
【0039】
本実施形態では、図5(b)に示すように、モータ29aは、反転搬送ローラ17Aと軸方向距離をあけた状態で回転軸17cの延長線上に配置される。更に、ローラ本体17a,17aをダイレクトに回転させるように、側部カバー22にモータ本体33が不図示の支持部材により固定されている。つまり、モータ29aのモータ本体33に回転軸17cの一端部がモータ29aのシャフト(駆動軸)として一体的に構成され、ローラ本体17a,17aの一方から突出する回転軸17cの延長部分がモータ29aに直接的に連結されている。モータ29aは、円筒状のモータ本体33の外径dがローラ本体17aの外径eの寸法以内に収まるように設定され、かつ「搬送パス内」である領域fを搬送される最大シートの幅内に収まるように配置されている。
【0040】
本実施形態では、モータ29a,29bと反転搬送ローラ17A,17Bとが夫々ダイレクトに連結されるため、駆動伝達部30a,30b及びカップリング31a,31b分のスペースをカットすることができ、更なる省スペース化を図ることができる。
【0041】
<第3の実施形態>
図5(c)は、本発明に係る第3の実施形態における駆動ユニットを詳細に示す斜視図である。本実施形態においても、共通する構成部分には同一の符号を付してその説明を省略する。なお、モータ29a,29bは同じ構成を備えるため、同図ではモータ29aを中心に説明する。
【0042】
本実施形態では、回転軸17cの両端部に一対のローラ本体17a,17aが配置され、モータ29aが回転軸17cにおけるローラ本体17a,17aの間に配置されている。つまり、モータ29aのモータ本体33に、両側から回転軸17cがモータ29aのシャフト(駆動軸)として一体的に連結されている。本実施形態のモータ29a(モータ本体33)は、図5(a),(b)で説明した例のモータ29a(モータ本体33)に比べて、軸方向に長く形成されている。
【0043】
このような本実施形態においても、モータ本体33は、円筒形状の外径dがローラ本体17a,17aの外径eの寸法以内に収まるように設定されている。また、モータ29aは、ローラ本体17a,17aの中間に配置される構造上、搬送される最大シートの幅内には当然収まっている。
【0044】
本実施形態では、モータ29aが反転搬送ローラ17Aの中央部に配置されるため、更なる省スペース化が図れると共に、駆動伝達を中央部で行うことによりシートSへの駆動伝達バランスが良好で、シートSの斜行を防止する効果も得ることができる。
【0045】
なお、第2及び第3の実施形態のモータ29a,29bは、第1の実施形態のような減速機等の駆動伝達部30a,30bを有していないが、第2及び第3の実施形態でも、駆動伝達部30a,30bを内蔵するタイプのものを採用しても良いことは勿論である。
【0046】
また、第2及び第3の実施形態では、モータ29a,29b及び反転搬送ローラ17A,17Bを側部カバー22に支持した形態について例示したが、これらを装置本体1A側に支持する構成によっても、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0047】
1…画像形成装置、4…画像形成部(画像形成ユニット)、17A,17B…搬送ローラ(反転搬送ローラ)、17a,17a…ローラ本体、17c,17d…回転軸、22…装置本体(側部カバー)、29a,29b…モータ、30a,30b…減速機(駆動伝達部)、31a,31b…カップリング、d…モータ本体の外径、e…ローラ本体の外径、S…シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送する搬送ローラを装置本体に支持して備えたシート搬送装置において、
前記搬送ローラを回転させるモータを、円筒状に構成して前記搬送ローラの回転軸と一軸状に前記装置本体に支持し、
前記モータの円筒状部分の外径を、前記搬送ローラのローラ本体の外径以内の寸法に設定した、ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記モータは、前記搬送ローラにより搬送可能な最大シートの搬送方向と直交する幅方向の寸法内に配置されている、ことを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記モータは、前記回転軸の一端部に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記ローラ本体は、前記回転軸に少なくとも一対が配置され、
前記モータは、前記回転軸における前記一対のローラ本体の間に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記モータと前記搬送ローラの前記回転軸とが、カップリングを介して連結されている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記モータと前記カップリングとの間に減速機が介在されている、ことを特徴とする請求項5記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記搬送ローラの前記回転軸が、前記モータの駆動軸と一体に構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記モータは、前記搬送ローラにより搬送されるシートを案内するガイド機能を備えている、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のシート搬送装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項記載のシート搬送装置と、
搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−206792(P2012−206792A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71780(P2011−71780)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】