説明

シート材にハトメ部材を打ち込む際に用いるかしめ装置

【課題】シート材におけるハトメ部材の打ち込み位置の変更に簡単に対応することができ、しかも高精度で確実なハトメ部材のかしめ作業を行うことができるかしめ装置を提供すること。
【解決手段】自動車用フロアマット40にハトメ部材20を打ち込む際に用いるかしめ装置50であって、下ピン51とポンチ52とを備えており、下ピン51とポンチ52との間で、自動車用フロアマット40に設けた貫通孔に装着したハトメ部材20をかしめることで、自動車用フロアマット40にハトメ部材20を取り付けることができるようになっており、下ピン51とポンチ52を自動車用フロアマット40に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材にハトメ部材を打ち込むかしめ装置に関する。具体的にはカーペットやマットにハトメ部材を打ち込んでズレ防止用の係止孔を形成する際や、内層板とプリプレグとに設けた基準孔にハトメ部材を打ち込んで多層配線板を製造する際に用いるかしめ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート材にハトメ部材を打ち込む際に用いるかしめ装置としては、たとえば図10に示すように、略コの字状のフレーム2を有し、このフレーム2の対向する両端部近傍には貫通穴3a,3bを有しており、前記下側の貫通穴3aには先端に凸部4を有する円柱棒5の下ピン6が挿入され、前記上側の貫通穴3bにはポンチ型7を有する角柱棒8が挿入されるようになっており、前記円柱棒5の他端には、エアーシリンダー9と油圧シリンダー10からなる加圧装置が接続され、前記角柱棒8の上部には前記ポンチ型7を一定間隔毎に降下させるクランクカム11が配設され、前記下ピン6とポンチ型7の間に配置された板材の貫通穴にハトメ部材を装着し、前記クランクカム11によって一定間隔毎に降下するポンチ型7と、前記エアーシリンダー9と油圧シリンダー10とで加圧される下ピン6との間で前記ハトメ部材が開裂され折り曲げられて、かしめられるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このかしめ装置にあっては、作業者が1枚毎に板材を持って支えながら、板材の貫通穴の位置を下ピン6とポンチ型7の位置に合わせてかしめ作業を行う必要があり、そのかしめ作業は繁雑を極めていた。
【0004】
特にこのかしめ装置を自動車用フロアマットにハトメ部材を打ち込んでズレ防止用の係止孔を形成する際に用いる場合には、自動車用フロアマットのズレ防止用の係止孔の位置が、フロアマットの種類や大きさにより、また自動車メーカーにより、様々に異なることから、その位置合わせも煩雑であるばかりか、ハトメ部材を打ちを誤った場合には、そのフロアマットは商品として出荷できなくなるので、そのかしめ作業には慎重が要求されていた。
【0005】
一方、このかしめ装置を多層配線板を製造する際に用いる場合には、内層板とプリプレグとには複数の基準孔が設けられ、この基準孔毎にハトメ部材を打ち込む必要があり、また、各層間にクリアランスが生じないように確実な打ち込みが求められていた。ところが、このかしめ装置は、作業者が多層配線板毎に手で支えながらかしめ作業を行う必要があることから、高精度で均質なハトメ部材のかしめ作業を行うことは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−000567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、シート材におけるハトメ部材の打ち込み位置の変更に簡単に対応することができ、しかも高精度で確実なハトメ部材のかしめ作業を行うことができるかしめ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、シート材にハトメ部材を打ち込む際に用いるかしめ装置であって、
下ピンとポンチとを備えており、前記下ピンとポンチとの間で前記シート材に設けた貫通孔に装着したハトメ部材をかしめることで前記シート材にハトメ部材を取り付けることができるようになっており、
前記下ピンと前記ポンチを前記シート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動可能としたことを特徴とするかしめ装置をその要旨とした。
【0009】
請求項2に記載の発明は、下ピンの対応する位置にポンチが位置するように前記下ピンと前記ポンチとが連動して前後左右に移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0010】
請求項3に記載の発明は、下ピンは、前記シート材が載値される平坦面を有するプレートに設けられ、前記ポンチは、前記プレートに対向して設けた押圧部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0011】
請求項4に記載の発明は、プレート上にはシート材の外周に当接して該シート材の位置を固定するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0012】
請求項5に記載の発明は、制御手段によって、下ピンとポンチがシート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動するように制御されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0013】
請求項6に記載の発明は、制御手段によって、下ピンの対応する位置にポンチが位置するように前記下ピンと前記ポンチとが連動して前後左右に移動するように制御されていることを特徴とする請求項5に記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0014】
請求項7に記載の発明は、センサーによってシート材に設けた貫通孔の位置が把握されるようになっており、前記センサーによって把握された電子情報に基づいて制御手段により、下ピンとポンチが前記シート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動するように制御されていることを特徴とする請求項5に記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0015】
請求項8に記載の発明は、複数の下ピンとこれに対応する複数のポンチとを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0016】
請求項9に記載の発明は、シート材が自動車用フロアマットであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のかしめ装置をその要旨とした。
【0017】
請求項10に記載の発明は、シート材が多層配線板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のかしめ装置をその要旨とした。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜10に記載のかしめ装置にあっては、下ピン及びポンチをシート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動可能としたことから、シート材におけるハトメ部材の打ち込み位置の変更にも簡単に対応することができ、しかも高精度で確実なハトメ部材のかしめ作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のかしめ装置を示す平面図。
【図2】同じく図1に示すかしめ装置の正面図。
【図3】同じく図1に示すかしめ装置の側面図。
【図4】図1に示すかしめ装置を用いて自動車用フロアマットに設けた貫通孔にハトメ部材を打ち込む状態を示す要部拡大図。
【図5】自動車用フロアマットに設けた貫通孔に打ち込むハトメ部材を示す要部拡大図。
【図6】自動車用フロアマットのハトメ部材を打ち込んで形成された係止孔に車体側に設けた係止フックを貫通し、自動車用フロアマットのズレを防止した状態を示す要部拡大図。
【図7】本発明のかしめ装置の別例を示す平面図。
【図8】同じく図7に示すかしめ装置の正面図。
【図9】同じく図7に示すかしめ装置の側面図。
【図10】従来のかしめ装置を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明のかしめ装置を自動車用フロアマットにハトメ部材を打ち込む作業を通して説明する。図5は自動車用フロアマットに設けた貫通孔に打ち込むハトメ部材を示す要部拡大図であり、図6は、自動車用フロアマットのハトメ部材を打ち込んで形成された係止孔に車体側に設けた係止フックを貫通し、自動車用フロアマットのズレを防止した状態を示す要部拡大図である。
【0021】
図5に示すハトメ部材20は、図6に示す自動車用フロアマット40に設けた貫通孔(図示しない)の表側に配されるドーナッツ状の表部材21と裏側に配されるドーナッツ状の裏部材22とからなり、前記表部材21の周囲には、フロアマット40に設けた貫通孔(図示しない)の表面周縁に係止する多数の係止突起21aが設けられ、中央には円筒状に立ち上がり、先端部に係止板27を有する筒状部21cが設けられており、前記筒状部21cの周面には高さ方向に沿って多数の係止溝21bが設けられている。
【0022】
一方、裏部材22の周囲には、フロアマット40に設けた貫通孔(図示しない)の裏面周縁に係止する多数の係止突起22aが設けられ、裏部材22の外周中央内周面には、前記表部材21の係止溝21bに係止する多数の係止片22bが間隔をおいて回動可能に設けられている。
【0023】
そして、図6に示すように、自動車用フロアマット40に設けた貫通孔(図示しない)に表側から表部材21の筒状部21cを挿入し、貫通孔(図示しない)に裏側から裏部材22を押さえ込んで前記筒状部21cの浅い位置に設けられた係止溝21bに表部材21の係止片22bを係止させることで仮止めする。この後、本発明のかしめ装置によって裏部材22を表部材21に打ち込んで、裏部材22の係止片22bを表部材21の所望の深さ位置の係止溝21bに係止させ、自動車用フロアマット40にハトメ部材20からなる係止孔23を形成することができる。
【0024】
図6に示すように、こうして形成された自動車用フロアマット40の係止孔23に車体のフロアのファーストカーペット30に取り付け固定した係止フック24のベース25から突出し、回動可能に設けた係止突部26を挿入し、その上で係止始突部26を回動させることで、該係止始突部26がハトメ部材20の表部材21の筒状部21cに設けた係止板27に当たり、抜け止め状態となって、自動車用フロアマット40のズレが防止できるようになっているのである。
【0025】
以下、自動車用フロアマット40の貫通孔に仮止めされた状態のハトメ部材20を本発明のかしめ装置を用いてかしめることで係止孔23を形成する過程を説明する。図1〜図3に示すかしめ装置50は、自動車用フロアマットの2箇所に設けた貫通孔にハトメ部材をかしめ付けることができるようにした態様を示すものである。
【0026】
図1〜図3に示すかしめ装置50は、2つの下ピン51とこれに対応する2つのポンチ52とを備えている。下ピン51は、図5に示すハトメ部材20の表部材21の筒状部21cの形状に対応するピン形状を有するものであり、フロアマットに仮止めした表部材21の筒状部21cを下ピン51に挿入することで、表部材21は前後左右にずれることなく、確実にその位置が固定されるようになる。
【0027】
図1〜図3に示すかしめ装置50においては、2つの下ピン51が平坦面を有するプレート53に設けられている。プレート53は、図2及び図3に示すように、2つのハトメ部材20を仮止めした自動車用フロアマット40が載値できる大きさに設けられており、該プレート53上には、自動車用フロアマット40の外周に当接して該フロアマット40の位置を固定するガイド部材53aが設けられている。
【0028】
作業者は、自動車用フロアマット40のズレ防止用の係止孔の位置に対応させるため、2つの下ピン51とこれに対応する2つのポンチ52のそれぞれの位置を前記各下ピン51及び各ポンチ52をそれぞれ前後左右に移動させ、その上でフロアマットを裏向きにしてプレート53上のガイド部材53aに沿わせて載値し、ハトメ部材20を下ピン51に挿入することでかしめ作業のための準備が完了するようになっている。
【0029】
図1〜図3に示すかしめ装置50において、2つの下ピン51は、移動手段によってそれぞれ前後左右に移動可能になっており、フロアマットの種類や大きさにより、また自動車メーカーにより、様々に異なる自動車用フロアマットのズレ防止用の係止孔の位置に簡単に対応できるようになっている。図示の移動手段は、各下ピン51の下部に設けた突部(図示しない)が嵌り込み、これを支持する嵌合穴(図示しない)を頂部に有する可動部61と、各可動部61下部に設けたネジ孔(図示しない)に螺合するネジ棒62と、各ネジ棒62を繋ぐ連結部63と、各ネジ棒62を回転させるサーボモータ64と、連結部63下部に設けたネジ孔(図示しない)に螺合するネジ棒65と、ネジ棒65を回転させるサーボモータ66とからなる。
【0030】
そして、サーボモータ64を作動させることで、各ネジ棒62が回転し、これに螺合する可動部61がそれぞれ左右に移動することで、可動部61上に支持された各下ピン51が左右に移動し、サーボモータ66を作動させることで、ネジ棒65が回転し、これに螺合する連結部63が前後動することで、連結部63によって連結された可動部61及びネジ棒62が前後動し、各可動部61上に支持された各下ピン51が前後に移動するようになっているのである。
【0031】
図1〜図3に示すかしめ装置50において、前記2つの下ピン51に対応する2つのポンチ52は、前記プレート53に対向して設けた2つの押圧部71に設けられている。押圧部71は油圧によって昇降動すると共に空気圧によって急速降下するシャフト72を有しており、このシャフト72の先端にジョイント73を介してポンチ52が取り付けられるようになっている。
【0032】
図1〜図3に示すかしめ装置50において、2つのポンチ52は、移動手段によってそれぞれ前後左右に移動可能になっており、フロアマットの種類や大きさにより、また自動車メーカーにより、様々に異なる自動車用フロアマットのズレ防止用の係止孔の位置に簡単に対応できるようになっている。図示の移動手段は、各ポンチ52を取り付ける押圧部71の下部に設けたネジ孔(図示しない)に螺合するネジ棒81と、各ネジ棒81を繋ぐ連結部82と、各ネジ棒81を回転させるサーボモータ83と、連結部82下部に設けたネジ孔(図示しない)に螺合するネジ棒84と、ネジ棒84を回転させるサーボモータ85とからなる。
【0033】
そして、サーボモータ83を作動させることで、各ネジ棒81が回転し、これに螺合する押圧部71がそれぞれ左右に移動することで、押圧部71のシャフト72にジョイント73を介して取り付けたポンチ52が左右に移動し、サーボモータ85を作動させることで、ネジ棒84が回転し、これに螺合する連結部82が前後動することで、連結部82によって連結された押圧部71及びネジ棒81が前後動し、各押圧部71に支持された各ポンチ52が前後に移動するようになっているのである。
【0034】
かしめ作業のための準備が完了した後、各押圧部71のシャフト72を油圧によって下降させ、ジョイント73を介して取り付けられた各ポンチ52が所定位置高さまで下降したとき、該装置50に設けた2つの連動スイッチ54を同時に押すことで、各押圧部71のシャフト72が空気圧によって急速降下し、その先端の各ポンチ52がそれぞれの対応する下ピン51を強打し、各下ピン51と各ポンチ52との間で自動車用フロアマット40に設けた貫通孔に装着した各ハトメ部材20をかしめられるようになっている。
【0035】
本発明のかしめ装置50では、上述のように、下ピン51とポンチ52との間でフロアマット40の貫通孔に装着したハトメ部材20をかしめることで前記フロアマット40にハトメ部材20を取り付けるようになっていることから、下ピン51及びポンチ52を前後左右に移動させる場合、下ピン51の対応する位置にポンチ52が位置するように移動させる必要がある。
【0036】
図示の例では、各下ピン51とこれらに対応する各ポンチ52とが連動して前後左右に移動するようになっている。すなわち、各下ピン51を左右に移動させるサーボモータ64と各ポンチ52を左右に移動させるサーボモータ83、各下ピン51を前後に移動させるサーボモータ66と各ポンチ52を前後に移動させるサーボモータ85はそれぞれ同期を取って作動するようになっているのである。例えば各下ピン51がそれぞれ右又は左に5cmだけ移動して各下ピン51の間隔を広くしたり狭くしたりするのと同時に、各ポンチ52もそれぞれ右又は左に5cmだけ移動して各ポンチ52の間隔を広くしたり狭くしたりし、また、各下ピン51を前後に5cmだけ移動させるのと同時に、各ポンチ52も前後に5cmだけ移動させるのである。このように各下ピン51とこれらに対応する各ポンチ52とを連動して前後左右に移動するようにすることで、移動後、各下ピン51の対応する位置に各ポンチ52が位置するようになり、確実なかしめ作業が実現することができる。
【0037】
また、本発明のかしめ装置は、制御手段を備える態様を採ることもできる。すなわち制御手段を採用しない場合、シート材(フロアマットや多層配線板など)に設けた貫通孔の位置を計測し、その数値に従って作業者が移動手段を操作して下ピン及びポンチを移動させる必要があり、人為的な誤差が介入する恐れがあるのに対し、制御手段を用いた場合、シート材(フロアマットや多層配線板など)に設けた貫通孔の位置を計測した数値を入力するだけで、下ピンとポンチがシート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動するように制御されるので、より正確な移動が可能となり、フロアマットの種類や大きさにより、また自動車メーカーにより、様々に異なる自動車用フロアマットのズレ防止用の係止孔の位置に簡単、かつ確実に対応できるようになる。
【0038】
また、制御手段を備える態様においては、制御手段によって、下ピンの対応する位置にポンチが位置するように前記下ピンと前記ポンチとが連動して前後左右に移動するように制御することもでき、例えば多層配線板など高い精度を要求されるハトメ部材のかしめ作業もより確実に行うことができるようになる。
【0039】
また、本発明のかしめ装置は、さらにセンサーを備える態様を採ることもできる。すなわち、センサーを採用しない場合、シート材(フロアマットや多層配線板など)に設けた貫通孔の位置を作業者が計測しなければならないのに対し、センサーを備える態様を採用した場合、センサーが自動的に貫通孔の位置を計測し、電子情報化することができ、そして、このセンサーによって把握された電子情報に基づいて制御手段により、下ピンとポンチが前記シート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動するように制御することが可能となり、作業者は、該装置にシート材をセットするだけでよく、より効率的で均質なかしめ作業を実現することができる。
【0040】
尚、図1〜図3に示す例では、2箇所に設けた貫通孔にハトメ部材をかしめ付けることができる態様を示したが、これに限らず、本発明のかしめ装置は、1箇所のみに設けた貫通孔にハトメ部材をかしめ付けることができる態様や、3箇所以上に設けた貫通孔にハトメ部材をかしめ付けることができる態様など、その態様は自由に変更可能である。例えば図7〜図9に示すように、運転席用と助手席用の自動車用フロアマット40にそれぞれ2つの貫通孔を設けたものをプレート53上に突き合わせ状態に載値し、それぞれ4つのハトメ部材20を同時にかしめ付ける態様を採ることもできる。図7〜図9に示す装置100は、4つの下ピン51とこれに対応する4つのポンチ52を備えており、これら各下ピン51及び各ポンチ52が前後左右に移動できるようになっているのである。
【0041】
尚、本発明のかしめ装置は、上記例に限定されるものではなく、例えば下ピン及びポンチを油圧シリンダーや電動アクチュエータによって前後左右に移動させたり、ラックとピニオンを利用して移動させたりするなど、特許請求の範囲に記載された範囲で自由に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0042】
20・・・ハトメ部材
40・・・自動車用フロアマット
51・・・下ピン
52・・・ポンチ
53・・・プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材にハトメ部材を打ち込む際に用いるかしめ装置であって、
下ピンとポンチとを備えており、前記下ピンとポンチとの間で前記シート材に設けた貫通孔に装着したハトメ部材をかしめることで前記シート材にハトメ部材を取り付けることができるようになっており、
前記下ピンと前記ポンチを前記シート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動可能としたことを特徴とするかしめ装置。
【請求項2】
下ピンの対応する位置にポンチが位置するように前記下ピンと前記ポンチとが連動して前後左右に移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のかしめ装置。
【請求項3】
下ピンは、前記シート材が載値される平坦面を有するプレートに設けられ、前記ポンチは、前記プレートに対向して設けた押圧部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のかしめ装置。
【請求項4】
プレート上にはシート材の外周に当接して該シート材の位置を固定するガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のかしめ装置。
【請求項5】
制御手段によって、下ピンとポンチがシート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動するように制御されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のかしめ装置。
【請求項6】
制御手段によって、下ピンの対応する位置にポンチが位置するように前記下ピンと前記ポンチとが連動して前後左右に移動するように制御されていることを特徴とする請求項5に記載のかしめ装置。
【請求項7】
センサーによってシート材に設けた貫通孔の位置が把握されるようになっており、前記センサーによって把握された電子情報に基づいて制御手段により、下ピンとポンチが前記シート材に設けた貫通孔の位置に対応して前後左右に移動するように制御されていることを特徴とする請求項5に記載のかしめ装置。
【請求項8】
複数の下ピンとこれに対応する複数のポンチとを備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のかしめ装置。
【請求項9】
シート材が自動車用フロアマットであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のかしめ装置。
【請求項10】
シート材が多層配線板であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のかしめ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−166239(P2012−166239A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29337(P2011−29337)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000149664)株式会社大和 (35)
【出願人】(592083993)株式会社八千代 (34)
【出願人】(592084004)株式会社祥永 (34)